JPH06317366A - 冷凍庫の空気冷却器 - Google Patents

冷凍庫の空気冷却器

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JPH06317366A
JPH06317366A JP10645793A JP10645793A JPH06317366A JP H06317366 A JPH06317366 A JP H06317366A JP 10645793 A JP10645793 A JP 10645793A JP 10645793 A JP10645793 A JP 10645793A JP H06317366 A JPH06317366 A JP H06317366A
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cooler
frost
electric field
air
electrodes
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JP10645793A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kusumoto
寛 楠本
Mitsutaka Shizutani
光隆 静谷
Masaaki Ito
正昭 伊藤
Mitsuo Kudo
光夫 工藤
Mari Uchida
麻理 内田
Yukiko Tamura
由紀子 田村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】冷凍庫からの戻り空気4を冷却する冷却器1
は、フィン付き管形熱交換器2を空気の流れ方向に配置
し、フィン付き管形熱交換器2の前後に網状の電極3を
設置する。冷却器1は冷凍サイクルの一部分を成し、冷
凍サイクルから低温冷媒が供給される。電極3には高電
圧発生装置からの電圧が、空気流れ方向に沿って極性が
交互に反対となるように印加され、冷却器1を構成する
フィン付き管形熱交換器2のフィン5の面上には電場が
形成される。 【効果】冷却器上に堆積する着霜を抑制しながら運転を
行うことができ、着霜による伝熱性能の低下を抑え運転
時間を延長することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍・空調装置に広く
用いられている空気冷却器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の冷凍冷蔵庫は、一つまたは複数の
冷却器により冷凍庫や冷蔵庫を循環する空気を冷却する
構造となっている。多くの場合、それらの冷却器には、
循環空気中の水蒸気が相変化を起こし凝結して冷却器上
に霜として堆積する。この着霜は、空気流の通路を塞
ぎ、また伝熱の抵抗体として冷却器の性能低下を引き起
こし、また庫内の温度を上昇させる原因となっている。
この霜の問題に対し、従来の方法では冷却器に高温冷媒
を流す除霜サイクルを構成し、冷却面上の着霜を融解し
て除去する除霜運転を定期的に行うことで対処してき
た。しかし、除霜に余分なエネルギが必要なことおよび
除霜時の庫内の温度上昇が大きな問題であった。
【0003】このような着霜に伴なう諸々の問題点を解
決するため、より効果的な対策として電場を利用して冷
却器への着霜を制御する方法が考えられている。旧ソ連
特許SU−1219885 号(1986)に開示されたように、
フィン付き管形冷却器の空気流上流側に高電圧を印加し
た電極を配置し、この電極から発生するコロナ放電によ
って流入空気中の水蒸気を帯電することで、冷却面に発
生する霜が針状の脆い霜となり、空気流によって容易に
吹き飛ばされ、その結果、冷却器に堆積する着霜量を減
少させることができる。しかし、この発明に示されたよ
うな電極とフィン付き管形冷却器の構成では、電場はフ
ィン間に形成されないためフィン側面に生じる着霜に対
しては電場の作用はなく、電場を有効に作用させること
ができなかった。一方、着霜が生じる冷却面に一様な電
場を形成するように、冷却面と平行に電極を配置して電
場の作用により着霜を除去する方法が特公平4−32672号
公報に示されているが、フィン付き熱交換器への適用に
はフィンの間に電極を挿入する必要があるため構造が非
常に複雑になるという問題点が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は空気を
冷却する冷却器の空気流上流側と空気下流側に電極を設
置し、これらの電極に極性が異なる高電圧を印加するこ
とで電場を形成し、冷却器の表面上に生じる霜に対して
有効に電場を作用させ、着霜を減少させ着霜による伝熱
性能の低下を抑えて、運転時間の延長を可能とする冷却
器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、冷凍空調
装置に用いられる空気冷却器において、冷却面上に生じ
る霜に電場の作用を働かせて着霜を減少させるため、冷
却器の前後に電極を配置し、各電極には極性の異なる高
電圧を印加する構成にすることにより達成される。
【0006】
【作用】このような構成にすることにより、着霜が生じ
る冷却器の冷却面全体に渡って電場が形成される。この
時の様子を図19に示す。冷却面上にはまず針状の霜が
発生するが、針状の霜の先端には電場が集中し霜先端の
近傍には強い不平等な電場が形成されるため、冷却面近
くにある微小な水滴または氷晶はこの強い電場に引き寄
せられ、冷却面垂直方向へ霜の成長が促進され脆弱な構
造の霜となる。また、霜と周囲空気とは誘電率が異なる
ために、霜内部と周囲の電場の大きさには差が生じ、図
に示す矢印の向きに力が作用する。その結果、冷却面上
の霜はある程度成長すると電場による力あるいは空気流
により容易に取り除かれ、冷却面に残る霜の量は減少す
る。したがって、着霜による伝熱性能の低下を抑え、運
転時間を延長することが可能となる。
【0007】
【実施例】以下、実施例にしたがって本発明を詳細に説
明する。
【0008】図1は本発明の一実施例を、図2はその部
分詳細図を示したものである。冷凍庫(図示せず)から
の戻り空気4を冷却する冷却器1は、フィン付き管形熱
交換器2を空気の流れ方向に配置し、フィン付き管形熱
交換器2の前後に網状の電極3を設置して構成されてい
る。冷却器1は冷凍サイクルの一部分を成し、冷凍サイ
クルから低温冷媒が供給される。電極3には高電圧発生
装置(図示せず)からの電圧が、空気流れ方向に沿って
極性が交互に反対となるように印加され、冷却器1を構
成するフィン付き管形熱交換器2のフィン5面上には電
場6が形成される。
【0009】冷凍庫からの戻り空気4は、冷却器1で冷
却減湿され、再び、冷凍庫内に還流する。その際、戻り
空気4中から取り除かれる水分が霜としてフィン5の表
面上に堆積することになる。しかし、フィン5の表面に
はその前後に設置された電極3により電場が形成されて
いるため、生成する霜は針状の脆い霜となり、空気流4
や電場による力によってフィン5の表面上から取り除か
れる。したがって、フィン5の表面に堆積する着霜量の
増加が抑えられ、冷却器1は長時間の運転が可能とな
る。また、図3に示す着霜時における伝熱量の経時変化
の様子から、針状の霜が形成される着霜の初期段階で
は、比較的良好な伝熱特性が維持されるため、電場によ
り針状の霜の形成と霜の離脱が繰り返し行われる結果、
熱交換を良好に行うことができる。
【0010】また、網状の電極3には、電極3を構成す
る細線または格子点に強い電場が生じるため、フィン5
の面上から取り除かれ飛散した霜は電極3を通過する
際、この強い電場の方向へと引き寄せられ、電極3上に
捕獲される。その結果、空気流下流側の熱交換器への飛
散した霜の再付着を防止することができる。なお、電極
3に捕獲された霜は、再び空気流へ昇華して空気流の湿
度を増大させ、空気流下流側の熱交換器での着霜量を増
加させるが、電場の作用によりフィン面上に残る着霜量
が抑制されるため、霜による伝熱性能の低下が抑えら
れ、運転を継続することができる。また、この方法で
は、顕熱による伝熱量とあわせ水蒸気の移動に伴なう潜
熱分の伝熱量を有効に使うことができるため、電極3の
設置による冷却器1の大形化を抑えながら冷却器の高性
能化を達成することができる。さらに、図2に示される
ように、フィン先端部18には電場6が集中して強い電
場が形成されるため、空気流路の閉塞を引き起こすフィ
ン先端部18への着霜に対し効果的に電場が働き、フィ
ン先端部18での集中的な着霜を抑えることが可能とな
る。したがって、この構成によって、霜による空気流路
の閉塞や伝熱を阻害する熱抵抗の増大などの問題が軽減
され、冷凍庫の連続運転時間が延長される。
【0011】なお、図1はプレートフィンを有したフィ
ン付き管形熱交換器を使用して冷却器を構成した場合の
例であるが、図4に示すように、フィン5面上に多数の
切り起こし部7を有した高性能なフィン付き管形熱交換
器17も使用可能で、通常みられるような霜による切り
起こし部7での閉塞が、切り起こし部7の空気流の前縁
部19に形成される強い電場により抑制され、着霜を伴
なう条件下でも高い伝熱性能で運転が継続できる。ま
た、図5に示すように、コンパクト熱交換器の一つであ
る偏平管8と波形フィン9で構成される熱交換器を冷却
器として使用しても同様の効果がある。その他、金網状
のフィンを持った熱交換器、絶縁性の材料で形成される
熱交換器に対しても同様である。
【0012】上記実施例で説明したように、フィン先端
部に生じる強い電場は、フィン先端部への着霜に対して
有効に作用するが、空気が絶縁破壊する電場強度近くま
で大きくなると火花を伴なう放電が始まり、余分な電力
を消費するだけでなく安全性の面でも問題となる。ま
た、局所的な電場の集中は、その他の場所での電場を弱
くすることになるため、フィン面上には印加した電圧と
電極間の距離から算出される平均の電場強度より小さい
電場しか形成されない。そこで、図6に示すようにフィ
ン付き管形熱交換器2の空気流入端および空気流出端に
網状の部材10を配置して電場が集中する箇所を軽減
し、フィン5面上に一様な電場が形成されるように構成
する方法が有効である。なお、この方法はフィン付き管
形熱交換器以外の形状,構造の熱交換器に対しても有効
である。
【0013】また、電極に関しても本実施例では網状の
電極を用いた例を示したが、線状の電極のように空気流
を阻害しない構造であればよい。
【0014】また、電極と冷却器との間の絶縁性を向上
させるために、電極を絶縁性の材料で被膜する、あるい
は冷却器全体を絶縁被覆するなどの方法がある。
【0015】また、冷却器を構成する複数の熱交換器は
正の電圧が印加された電極と負の電圧が印加された電極
の間に形成された電場の中にあるため、各熱交換器を電
気的に中性な位置に設置すれば各熱交換器を接地する必
要はないが、冷凍サイクルの他の構成部分と完全に電気
的に絶縁する方法として、各熱交換器の冷凍サイクルと
の連結部にプラスチックやセラミクスなどの非金属管を
用いてもよい。
【0016】また、印加する電圧は直流,交流に関係な
く使用可能である。
【0017】なお、実施例は冷凍冷蔵用の空気冷却器に
限らず、寒冷地で使用されるヒートポンプ式空気調和機
などに対しても応用可能である。
【0018】図7は本発明の他の一実施例を、図8はそ
の部分詳細図を示したものである。冷凍庫(図示せず)
からの戻り空気4を冷却する冷却器1は、フィン先端に
熱伝導性の悪い部材11が設けられたフィン付き管形熱
交換器2を空気の流れ方向に配置し、フィン付き管形熱
交換器2の前後に網状の電極3を設置して構成されてい
る。冷却器1は冷凍サイクルの一部分を成し、冷凍サイ
クルから低温冷媒が供給される。電極3には高電圧発生
装置(図示せず)からの電圧が、空気流れ方向に沿って
極性が交互に反対となるように印加され、冷却器1を構
成するフィン付き管形熱交換器2のフィン5の面上には
電場6が形成される。
【0019】空気流4に対するフィン前縁部18は、他
の部分に比べて多くの霜が発生する。この霜が主として
空気流路の閉塞を招き、熱交換を阻害する原因となる。
電極3の設置によりフィン先端には強い電場が形成さ
れ、電場の作用が局所的にフィン前縁部18の着霜に対
して有効に作用するが、時間の経過に伴なって密な構造
の霜が形成し始め、電場による力だけでは取り除けなく
なってくる。しかし、フィン先端に熱伝導性の悪い部材
11を設けることで、空気流4との湿度差が減少し、フ
ィン前縁部18への集中的な着霜が防止される。その結
果、長時間にわたって電場の作用を及ぼしながら運転が
継続できることになる。また、フィン先端に熱伝導性の
悪い部材を設けることで、フィン先端には火花放電を発
生する強い電場が形成されにくくなるため、安全性の面
からも都合がよくなる。さらに、これら部材は電極を支
える支持部材の役割を持たせることもできるため、電極
の位置決めや取り付けにも有効となる。
【0020】図9は本発明の他の実施例を示したもので
ある。冷凍庫(図示せず)からの戻り空気4を冷却する
冷却器1は、フィン5表面に超撥水性の被覆22を施し
たフィン付き管形熱交換器2を空気の流れ方向に配置
し、フィン付き管形熱交換器2の前後に網状の電極3を
設置して構成されている。冷却器1は冷凍サイクルの一
部分を成し、冷凍サイクルから低温冷媒が供給される。
電極3には高電圧発生装置(図示せず)からの電圧が、
空気流れ方向に沿って極性が交互に反対となるように印
加され、冷却器1を構成するフィン付き管形熱交換器2
のフィン5の面上には電場6が形成される。
【0021】フィン5の面上に生じる霜は電場による作
用によって取り除かれる。その量は、電場により発生す
る力と霜が有する強度および霜とフィン5面との付着力
の関係によって決定される。一般に、霜が有する強度は
周囲の空気条件や冷却面の温度に依存し、霜とフィン5
の面との付着力はフィン5の表面性状に依存する。通
常、フィン5の表面は除霜時の水切り性を良好にするた
め、親水性の表面処理が施されているが、親水性表面は
付着力が大となる性質をもっている。したがって、親水
性の表面処理が施されたフィン5の面上に生じる霜に対
しては、電場によって発生する力が付着力を上回ること
ができず、霜はその根元からではなく強度の小さい部分
から取り除かれることになり、電場によって完全には霜
を取り除くことができない。しかし、図9に示すように
フィン5表面を超撥水性の被覆22を施すことにより、
霜とフィン5表面との付着力を非常に小さくすることが
でき、電場によって発生する力でより多くの霜を取り除
くことが可能となる。また、この超撥水性の被膜22は
水に濡れない表面であるため、フィン5の表面に残る霜
は除霜時に融解して水滴となり、フィン5の表面を速や
かに転がり落ちる。そのため除霜時における水切り性も
良好となる。したがって、フィン5の表面に堆積する着
霜量の増加が抑えられ、冷却器1は長時間の運転が可能
となる。なお、超撥水性の材料にはフッ素樹脂やPTF
Eなどが使用可能で、これらの材料は不導体であるため
電極と冷却器との間の絶縁性向上にも有効である。ま
た、表面処理の方法として、あらかじめ処理されたフィ
ンや伝熱管を用いて冷却器を構成することの他に、図1
0に示すように完成した冷却器1を超撥水性材料の浴中
23に浸し、冷却器1と電極3の間に電場を形成して行
う方法もある。この場合、フィンの先端やフィン上の切
り起こしの先端などの尖頭部には電場が集中するため、
他の部分よりも被膜22が厚くなり、その結果、実施例
で示したようなフィン先端部への集中的な着霜が抑えら
れる効果もある。
【0022】図11は本発明の他の実施例を、図12は
その部分詳細図を示したものである。冷凍庫(図示せ
ず)内を循環する空気流を低温にする冷却器1は、冷凍
庫(図示せず)からの戻り空気4を冷却する熱交換器2
1と網状の電極3から構成され、送風機13によって導
入される空気流の空気流路20の中に設置されている。
冷却器1は冷凍サイクルの一部分を成し、冷凍サイクル
から低温冷媒が供給される。電極3には高電圧発生装置
(図示せず)からの電圧が、空気流れ方向に沿って極性
が交互に反対となるように印加され、冷却器1を構成す
る熱交換器21には電場が形成される。空気流路20の
空気流出口には、複数の電極17から構成される除湿器
12が設けられ、電極17には隣接する電極間で電場が
形成されるように高電圧発生装置(図示せず)からの電
圧が印加される。
【0023】庫内からの戻り空気4は、冷却器1により
冷却され飽和空気となって庫内に流出されるが、庫内の
空気との混合により空気流中に水滴および氷晶を発生さ
せる。この空気流が庫内の内壁などに接すると、接触部
に着氷する。この時の様子を図13に示す。庫内の内壁
に付着する着氷14は通風抵抗を増大させ空気流16の
減少を招いたり、庫内の空気循環を悪化させたりするな
どの問題を含んでいる。しかし、空気流路20の出口に
は電場が形成された除湿器12が設けられ、構成要素で
ある電極17上には局所的に強い電場が数多く形成され
るため、流出する空気流中の水滴および氷晶は、除湿器
12を通過する際、電極17上に生じる強い電場に引き
寄せられ、電極17上に捕捉される。その結果、除湿器
12を通過した空気流は水滴および氷晶を含まず、飽和
状態の空気となって庫内に流入するため、また庫内の空
気との温度差が小さくなるため、冷凍庫内の内壁への着
氷を防止することができる。
【0024】なお、捕獲した霜による除湿器での目詰ま
りを防止するために網状および線状の電極の目の粗さを
空気流の方向にしたがって粗のものから密なものに段階
的に並べる、あるいは、電極の空気の流れ方向の間隔を
段階的に小さくするなどによって高性能化を図ることが
できる。また、電圧も常時印加するのではなく、庫内が
高温多湿になった場合にのみ印加するなどの方法により
無駄な電力消費を抑え効率的な運転が可能となる。
【0025】上記実施例で示された冷却器をもちいて構
成した冷凍サイクルに関し、電場を有効に作用させなが
ら効率よく運転を行う方法を、以下に説明する。
【0026】図14に示すフローチャートは、この冷却
器の一運転方法を示したものである。
【0027】冷凍庫などで使用される冷却器は、冷凍庫
の起動時または冷凍庫内へ食品などの搬入が行われた時
など、庫内空気の湿度が高く、湿度差の大きい状況下で
運転される場合には、多くの着霜が冷却器上に生じる。
一方、庫内温度が低く定常に運転されている場合には、
庫内空気中の湿度は低いため、あまり着霜は生じない。
着霜量と湿度差との関係は、ほぼ正比例の関係にあり、
その様子を図15に示す。図15には電場を印加した場
合の関係も示しているが、湿度差の大小によって電場に
よって着霜量が減少する作用の現われ方が異なり、湿度
差の大きいところでは電場がない場合と同様に着霜量と
湿度差は正比例の関係となるが、湿度差が小さくなると
電場の作用は現われにくくなり、次第に電場の有無によ
る差が無くなる傾向を示す。そこで、図14のフローチ
ャートで、まずステップS1で冷凍サイクルが起動され
ると、次いでステップS2で電極への電圧の印加が開始
される。庫内の空気状態を観測する温湿度計などの検出
手段からの信号をステップS3で設定値の湿度差△C0
より小さいか否かを判定し、庫内空気と冷却器の間の湿
度差が△C0 より小であるYESとなるとステップS4
へ移行して電極への電圧の印加を停止し、運転が継続さ
れる。庫内へのものの搬入などが行われ庫内空気の湿度
が上昇した場合には、ステップS3でNOと判定され、
次いでステップS2において電極への電圧の印加を再び
開始して、運転が継続される。
【0028】図14における電場印加時の運転状態の遷
移を、図15中に点aと点bの関係で示す。この運転方
法により、電場を印加することで、伝熱量は等しくして
着霜を抑えながら運転を継続することが可能となる。
【0029】図16には、冷却器で構成されたものにお
ける他の一運転方法をフローチャートで示す。
【0030】図15に示されているように電場の作用
は、冷却面の温度を低くするほど大きくなり、着霜量は
より減少するという特性がある。空気状態一定で所定の
条件から冷却面の温度を低下させて運転を行おうとする
と、冷却面の温度の低下に伴ない、湿度差が増大し着霜
量は増加するが、電場の作用の増大によって相殺される
ため、その増加が抑えられる。そこで、図16のフロー
チャートにおいて、まず、ステップS1で冷凍サイクル
が起動されると、次いでステップS2の冷媒温度制御手
段で冷凍サイクル内の、例えば、膨脹弁などの開度を調
節して冷却器に流入する低温冷媒を所定の冷媒温度より
低温にする制御を行い、次いで、ステップS3で電極へ
の電圧の印加が開始される。この過程で、庫内の空気は
短時間で所定の庫内空気温度に冷却され、庫内の空気状
態を監視する温湿度計などの検出手段からの信号に対
し、ステップS4で所定の設定条件Q0 に達したか否か
が判定される。ステップS4において、庫内の空気状態
が条件Q0 を満足するYESとなると、ステップS5で
制御動作を解除し、所定の温度条件で運転が継続され
る。この時、庫内の空気状態を監視する温湿度計などの
検出手段からの信号をステップS7で設定の湿度差△C
0 より小さいか否かを判定し、庫内空気と冷却器の間の
湿度差が△C0 より小であるYESとなるとステップS
8へ移行して電極への電圧の印加を停止して運転を継続
する。庫内ヘのものの搬入などにより庫内空気の温度,
湿度が上昇した場合には、ステップS2に移行して冷却
器への供給冷媒温度を制御し、冷却器をより低い温度条
件にして運転を行う。
【0031】図15における運転状態の遷移を、図14
中に点aと点cの関係で示す。この運転方法により、着
霜量はほぼ等しくして顕熱および潜熱移動による伝熱量
を大幅に増加させることができるため、起動時の立ち上
げ時間の短縮や負荷増大時での運転などを、着霜を抑え
ながら行うことが可能となる。
【0032】冷凍庫などでは、庫内の温度を一様にする
ため送風機により庫内空気を強制循環させる構成になっ
ており、そのため冷却器と庫内空気との間の熱交換は送
風された状況下で行われる。空気風速は、着霜量を決定
する因子の一つでもあり、図17に湿度差が一定の条件
での、単位時間,単位面積あたりの着霜量と空気風速と
の関係を示す。図17からわかるように、着霜量は空気
風速に増大に比例して増加し、電場の作用については空
気風速が大きくなると作用が小さくなる傾向にある。こ
のため、着霜を抑えるよう運転を行う時は、空気風速を
低くして(およそ2m/s以下)運転する方が好ましい
が、空気風速の低下によって伝熱量は減少する。そこ
で、空気風速の低下に伴なう伝熱量の減少を、温度差と
湿度差ともに大きくするように冷却器への供給冷媒を従
来の所定値より低温に設定し、電場の作用させながら運
転を行うと、着霜を抑えた運転が可能となる。
【0033】電場によって霜が取り除かれる作用は、電
場により発生する力と霜が有する強度および霜と冷却器
表面との付着力の関係によってその大小が決定される。
電場により発生する力は印加する電場の大きさに比例し
て増大することになるが、図18に示すように、ある電
場の値(5kV/cmから10kV/cm)を境に電場の作用
は一定となる傾向を示すため、印加する電圧もむやみに
大きくする必要はない。また、冷却面の温度によって、
電場の作用が飽和する電場強さの境界値は変化し、冷却
面の温度が低いほどその境界値は小さくなる。そこで、
図14,図16に示した運転方法において、運転状態に
応じて上記の境界値以上となるように電場を印加する制
御装置を付加することにより、過剰な電場の印加に伴な
う電力消費を抑えた運転が可能となる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、空気冷却器を複数の熱
交換器と複数の電極とで構成することにより、冷却面上
に堆積する着霜を抑制しながら運転を行うことができ、
着霜による伝熱性能の低下を抑え運転時間を延長するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す空気冷却器の斜視図。
【図2】図1に示す空気冷却器の部分説明図。
【図3】着霜時における伝熱量の経時変化を示した特性
図。
【図4】本発明の他の一実施例を示す空気冷却器の部分
説明図。
【図5】本発明の他の一実施例を示す空気冷却器の斜視
図。
【図6】本発明の他の一実施例を示す空気冷却器の部分
説明図。
【図7】本発明の他の一実施例を示す空気冷却器の横断
面図。
【図8】図7の空気冷却器における部分説明図。
【図9】本発明の他の一実施例を示す空気冷却器の部分
説明図。
【図10】本発明の他の一実施例を示す空気冷却器の表
面処理方法を示す説明図。
【図11】本発明の他の一実施例を示す空気冷却器の説
明図。
【図12】図10の除湿器における部分斜視図。
【図13】着霜時の冷凍庫内の様子を示した説明図。
【図14】冷凍サイクルの一運転方法を示すフローチャ
ート。
【図15】単位時間,単位面積あたりの着霜量と湿度差
の関係を示す特性図。
【図16】冷凍サイクルの他の一運転方法を示すフロー
チャート。
【図17】単位時間,単位面積あたりの着霜量と空気風
速の関係を示す特性図。
【図18】単位時間,単位面積あたりの着霜量と電場強
さの関係を示す特性図。
【図19】本発明による電場の作用を示す説明図。
【符号の説明】
1…冷却器、2…フィン付き管形熱交換器、3…電極、
4…空気流、6…電場、10…網状または線状の部材、
11…絶縁性の部材、12…除湿器、15…冷凍庫、2
2…超撥水性の被覆。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 光夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 内田 麻理 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 田村 由紀子 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を低温にする冷凍・冷蔵用装置に使用
    される冷却器において、前記冷却器を複数の熱交換器と
    網状または線状の複数の電極とで構成し、空気流に対し
    前記熱交換器の前後に前記電極を配置し、電場の形成の
    ため前記電極に空気の流れ方向に対して交互に極性の異
    なる高電圧を印加することを特徴とする冷凍庫の空気冷
    却器。
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