JPH0631597B2 - 内燃機関用無接点点火装置 - Google Patents

内燃機関用無接点点火装置

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JPH0631597B2
JPH0631597B2 JP59062553A JP6255384A JPH0631597B2 JP H0631597 B2 JPH0631597 B2 JP H0631597B2 JP 59062553 A JP59062553 A JP 59062553A JP 6255384 A JP6255384 A JP 6255384A JP H0631597 B2 JPH0631597 B2 JP H0631597B2
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敏裕 嵯峨
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    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/155Analogue data processing
    • F02P5/1553Analogue data processing by determination of elapsed angle with reference to a particular point on the motor axle, dependent on specific conditions
    • F02P5/1556Analogue data processing by determination of elapsed angle with reference to a particular point on the motor axle, dependent on specific conditions using a stepped control, dependent on speed
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内燃機関用無接点点火装置、特にコンデンサ
放電式無接点点火装置の改良に関する。
(従来技術) 2サイクルエンジンは、中速時の軽負荷時に不整燃焼が
発生し易く、これにより、運転者に不快感を与えるとい
う問題があった。この不整燃焼を防止するには、コンデ
ンサの容量、及び点火コイルの1次コイル巻数を変え、
アーク持続時間を長くすることが効果的である。しか
し、このような定数にすると、2次電流が減少し、高速
時に火花が吹き消され、失火するという問題が発生す
る。
このため、特公昭51−6804号公報に記載されるご
とく、点火コイルに2ケの1次コイルを設け、各1次コ
イル毎に独立のコンデンサ放電回路を設け、一方の放電
回路は、2次電流が大となる定数とし、他方の放電回路
は、アーク持続時間が長くなる定数とする回路が提案さ
れている。
又、他のものとして、特公昭49−17978号公報に
記載されるごとく、容量の異なる2ケのコンデンサを持
ち、初めに、容量の小さいコンデンサを放電させて2次
電流の大きい火花とし、次に容量の大きいコンデンサを
放電させることにより、アーク持続時間を長くする回路
が提案されている。
しかし前者のものでは、点火コイルが複雑になり、コス
ト高となるという問題があり、又、後者の場合、高速時
の火花吹き消しに対し、初めの火花のみで着火できるか
どうかが決まり、次の火花は2次電流が小さい為、吹き
消され、全く無駄な火花となるという問題がある (発明の目的) 本発明は上記の問題を解決するため、2ケの主コンデン
サとそれぞれの放電回路を持ち、中速時は2ケ所で点火
させて見掛け上のアーク持続時間を長くし、高速時は両
放電回路を同時に動作させることにより2次電流を大き
くし、火花の吹き消しを防止することを狙ったものであ
る。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例で、1及び2は磁石発電機の
発電コイルで、1は巻数の多い低速コイル、2は巻数の
少ない高速コイルで、この出力端子には、ダイオード7
と第1の主コンデンサ16の直列回路と、ダイオード8
と第2の主コンデンサ17の直列回路とが並列に接続さ
れ、主コンデンサ16,17の他端はいずれも点火コイ
ル18の一次コイル18aに接続してある。ダイオード
7と第1の主コンデンサ16との接続点は第1の主サイ
リスタ13のアノードに、又、ダイオード8と第2の主
コンデンサ17の接続点は第2の主サイリスタ14のア
ノードに、それぞれ接続され、それぞれ第1の放電回路
及び第2の放電回路を構成する。10はツェナーダイオ
ード、12は直流電源電圧制御用サイリスタ、11はこ
のサイリスタ12の安定抵抗である。15は直流電源用
コンデンサで、20はその電源により作動する点火時期
制御回路、3はこの制御回路20に信号を与えるセンサ
である。
第2図に太い実線で示す特性は、2サイクルエンジンに
最適な点火時期特性で、アイドリングN以後Nrp
mまでは早く進角し、その後最適出力となるNrpm
付近までは、ゆるやかに遅角し、その後、Nrpmま
で急速に遅角し、Nrpm以上で、ほぼ固定となるも
のである。尚、Nrpm以上の領域は、アイドリング
時の点火時期より遅らせるのが良いとされている。
第1図の20は、この点火時期特性を得る制御回路であ
り、第3図にそのブロック図を示す。
又、第4図は各部の動作波形で、以下これらにより点火
時期制御回路20の動作について説明する。なお、ここ
では説明しないが、点火時期制御回路20内には、電源
の安定化回路が内蔵されていてコンデンサ15の電圧を
基にして定電圧Vccを供給している。第3図の100で
示す回路は進角信号発生回路で第2図においてN〜N
′まで進角し、N′以上の回転数領域では固定とな
る特性(の特性)が得られるものであり、まずこの回
路の動作について説明する。3aはエンジンの第1の固
定角度位置θ、及び第2の固定角度位置θをそれぞ
れ示す2つの信号(セット信号及びリセット信号)を発
生するために、エンジンの回転部分に設けた長い突起と
対向する位置に配設した、永久磁石片と組合わせて使用
される角度位置センサ3の電磁ピックアップコイルであ
る。このコイル3aの出力信号は抵抗21〜23により
与えられるバイアス電圧に重畳して、比較器24,25に
印加される。そして、この信号波形の正方向電圧波形は
比較器24において参照電圧Vaと比較され、他方、負
方向電圧波形は比較器25において参照電圧Vbと比較
される。そして、比較器24の出力はフリップフロップ
26のセット信号とし、また、比較器25の出力はフリ
ップフロップ26のリセット信号とする。ここで、フリ
ップフロップ26のセット信号の立ち上がり位置は、第
1の固定角度位置θと一致させ、リセット信号の上ち
上がり位置は第2の固定位置θと一致させている。演
算用コンデンサ30はアナログスイッチ27及び31が
共に開いている状態では、定電流回路29により定電流
icで充電され、逆スイッチ27が閉じ、スイッチ3
1が開いている状態では第3図の如く定電流ic及び
idが流れるが、ここでid>icとなるように設定
してあるため、演算用コンデンサ30の電荷は定電流i
d−icで放電することになる。スイッチ27はフリ
ップフロップ26のQ出力が“1”のとき閉じるように
構成されており、スイッチ1はOR回路34の出力が
“1”の時に閉じるように構成されている。演算用コン
デンサ30の電圧は比較器32において参照電圧V
TH1と比較され、比較器32の出力とフリップフロッ
プ26のQ出力とはAND回路33に接続され、AND
回路33の出力とフリップフロップ26のリセット信号
とはOR回路34に接続されている。そしてOR回路3
4の出力が“1”の時、スイッチ31を閉じ、演算用コ
ンデンサ30の電荷を瞬時に放電させる。
以上に記載された如く構成された進角信号発生回路10
0の動作を第4図に示される波形図で説明する。センサ
3には第4図のAの如く、エンジンのクランクシャフト
1回転につき1サイクルの信号電圧が発生する。この信
号電圧の正方向電圧と同期して比較器24の出力に第4
図のBの如く、パルス信号が発生し、また負方向電圧と
同期して比較器25の出力に第4図のCの如く、パルス
信号が発生する。比較器24の出力はフリップフロップ
26のセット信号とし、比較器25の出力はフリップフ
ロップ26のリセット信号とする。セット信号の立ち上
がり位置は第1の固定角度位置θと、リセット信号の
立ち上がり位置は第2の固定角度位置θとそれぞれ一
致させているので、フリップフロップ26のQ出力は第
4図のDの如く、第1の固定角度位置θで“1”に立
ち上がり、第2の固定角度位置θで“0”に立ち下が
る。フリップフロップ26の出力が“1”の時スイッチ
27は閉じるため、定電流icにより充電されていた
演算用コンデンサ30の電荷はセット信号の立ち上がり
位置(第1の固定角度位置)より定電流id−ic
放電し始め、演算用コンデンサ30の電圧は低下し始め
る。そして、この電圧と基準電圧VVH1とを比較器3
2の入力とし、〔演算用コンデンサ30の電圧<基準電
圧VVH1〕の時、比較器32の出力は“1”となる
(第4図のG)。第4図のGは中速の進角時の状態を表
わすものであり、低速固定進角時、及び高速固定進角時
の状態においては後述する。比較器32の出力とフリッ
プフロップ26のQ出力とは、AND回路33を介し、
AND回路33の出力は、第4図のHの如くになる。そ
して、AND回路33の出力とフリップフロップ26の
リセット信号とはOR回路34を介し、OR回路34の
出力(第4図のI)が“1”となると、スイッチ31は
閉じるので、演算用コンデンサ30の電荷は点火信号の
立ち上がり位置で瞬時に放電する。
そして、スイッチ27及び31が共に開く位置、すなわ
ち、点火信号の立ち上がり位置より演算用コンデンサ3
0は、再び定電流icで充電が開始され、演算用コン
デンサ30の電圧は第4図のFの如く変化する。
第5図は第3図に示される。演算用コンデンサ30の波
形図を示す。低速固定進角時、中速進角時、高速固定進
角時の各状態での演算用コンデンサ30の電圧は第5図
,N,Nの如くになる。すなわち、低速固定進
角時は演算用コンデンサ30の充電時間が長いため、第
5図のNの如く第1の固定角度位置θでの電圧が高
くなり、基準電圧VTH1まで電圧が低下する位置は第1
の固定角度位置θより遅られるが、OR回路34によ
り第1の固定角度位置θで点火が行われる。そして、
回転が上昇すると充電時間が短くなるため、θでの演
算用コンデンサ30の電圧は低くなり、このため、基準
電圧VTH1まで低下する位置も徐々に進角側へ移行
し、やがてθより進みとなる。つまり、ある回転数ま
で上昇すると、第1の固定角度位置θより進角し始め
る。この状態が第5図のNである。更に回転が上昇す
ると、点火時期は第2の固定角度位置θに近づいてい
き、やがて演算用コンデンサ30の電圧は第5図のN
の如く、θでも基準電圧VTH1より低くなる。この
状態では比較器32の出力は常に“1”となり、点火時
期はフリップフロップ26のQ出力が“1”の立ち上が
る位置、すなわち第1の固定角度位置θとなる。つま
り回転がこれ以上上昇しても点火時期はθで固定とな
る。
次に、N以上の回転領域の遅角信号発生回路200に
ついて説明する。遅角信号発生回路200は、第2図のN
〜Nの回転領域のゆるやかな中速遅角特性(の特
性)と、N〜Nの急峻遅角特性(の特性)、そし
てN以上のほぼ固定の特性(の特性)を得るもの
で、第3図において50は中速遅角特性を得る回路であ
る。50はフリップフロップ26のQ信号が“1”に立
ち上がり、すなわちθの位置によりトリガされる単安
定マルチバイブレータであり、θから一定時間τ
間“0”を出力し、この出力はAND回路60の入力に
接続されている。
遅角信号発生回路200において、単安定マルチバイブ
レータ50以外の部分は、第2図のN以上の特性(
及びの特性)を得る回路であり、51はフリップフロ
ップ26の信号の立ち上がり位置を一定時間τの間
遅らせる遅延回路であり、第7図にブロック図を、第8
図に動作波形図を示す。この出力は、インバータ52及
びAND回路53の一方の入力とする。58は第2図の
の急峻遅角特性を得るために用いられる遅角演算用コ
ンデンサで、定電流充電回路57、及びアナログスイッ
チ54が閉じている時、定電流回路5により充電される
よう構成されている。
アナログスイッチ54は、インバータ52の出力が
“1”の時、閉じるようにしてある。遅角演算用コンデ
ンサ58は、比較器59により基準電圧VTH2と比較
され、前記進角信号出力(OR回路34の出力)及び中
速遅角信号(単安定マルチバイブレータ50の出力)と
共にAND回路60の入力に接続してある。また、遅角
演算用コンデンサ58は、アナログスイッチ56が閉じ
ることによりリセットされ、このアナログスイチ56
は、前記遅延回路51の出力及び比較器25の出力とを
入力するAND回路53の出力が“1”の時、閉じるよ
うにしてある。そして、AND回路60の出力とAND
回路53の出力とはOR回路61の入力とし、OR回路
61の出力は第1の主サイリスタ13のゲートに接続し
てある。また、AND回路53の出力は第2の主サイリ
スタ14のゲートにも接続してある。
以上の構成において、まず、中速遅角部の動作を説明す
ると、単安定マルチバイブレータ50はフリップフロッ
プ26のQ信号が“1”に立ち上がってから一定時間τ
の間“0”を出力するが(第4図のJ)、今、エンジ
ンの回転速度をN(rpm)とすれば、時間τの間い
エンジンが回転する角度は6・N・τ(度)となり、
エンジン回転速度Nの大きさに比例する。このことは、
第3図から単安定マルチバイブレータ50の出力が第1
の固定角度位置θにおいて、“1”から“0”に立ち
下がってから次に再び“1”に復帰するまでのエンジン
回転角度は、エンジン回転速度Nに比例して増大するこ
と、換言すれば、エンジン回転速度Nとともに遅角する
特性が得られることを意味する。
次に第6図〜第8図を参照しつつ、急峻遅角部(第2図
のの特性)の動作について説明する。尚、第6図は第
2図のN〜N回転領域における各部の動作波形を示
している。
まず、第3図において、フリップフロップ26の出力
(第6図のE)は、遅延回路51に入力される。第7図
において、バッファ62を通ってコンデンサ63と抵抗
64の接続点に接続される。また、このコンデンサ63
の電圧は、比較器65によって基準電圧VTH3と比較
され、この比較器65の出力が遅延回路51の出力とな
っている。ここで、フリップフロップ26の出力が第
1の固定角度位置θで“0”から“1”に立ち上がる
と同時に、コンデンサ63はVccから抵抗64を通って
充電が行なわれるが、抵抗64とコンデンサ63の両者
により決まる時定数でコンデンサ63の電圧は上昇し
(第8図のR)、この電圧は比較器65により基準電圧
TH3と比較され、比較器65の出力は第8図のKの
如く、第2の固定角度位置θより一定時間τだけ遅
れて“1”に立ち上がる波形となる。このτを角度に
換算すると、中速遅角部での説明と同様に、エンジン回
転速度に比例して遅角度が増大することになる。すなわ
ち、比較器65の出力が“0”から“1”に立ち上がる
位置(第6図及び第8図にθ′で示す)は、第2図に
で示すように第2の固定角度位置θから一定の傾斜
で遅れた位置となる。
第3図において、第2の固定角度位置θにおいて比較
器25よりフリップフロップ26のリセット入力端子に
送られるリセット信号(第6図のc)と遅延回路51の
出力(第6図のK)とはAND回路53の入力となり、
このAND回路53の出力(第6図のM)は、遅角演算
用コンデンサ58をリセットする為のアナログスイッチ
56の駆動信号として送られ、同スイッチ56を閉路し
てコンデンサ58の両端間を短絡し、充電電荷を完全に
放電する。AND回路53の出力が立ち下がりアナログ
スイッチ56が開路するとともに、定電流充電開路57
より供給される定電流icによるコンデンサ58の定
電流充電が開始され、コンデンサ58の端子電圧は第6
図のNに示したように比較的ゆるやかに上昇する。第1
の固定角度位置θに達するとフリップフロップ26は
セット信号を入力し、出力信号は“0”に立ち下が
る。そして、この出力は遅延開路51、インバータ52
を通り、従ってインバータ52の出力はθで“1”に
立ち上がる。アナログスイッチ54は、インバータ52の
出力(第6図のL)が高レベルにある間はそれにより駆
動されて閉路し、定電流充電回路57よりの定電流ic
による充電と並列に、定電流充電回路55の出力端よ
りの定電流icをコンデンサ58の充電電荷に供給す
る。定電流icの大きさは定電流icの大きさより
充分大きくとってあるので、第6図のNに示したよう
に、コンデンサ58の端子電圧鵜は第1の固定角度位置
θを過ぎた後は、大きな傾斜角度をもって上昇する。
そして、第2の固定角度位置θから一定時間τだけ
遅れた時間に相当する角度位置θ′でインバータ52
の出力は零レベルに下がり、アナログスイッチ54を開
路して定電流充電回路55を切り離す。また同時に前述
のように、AND回路53の出力によりアナログスイッ
チ56を閉路してコンデンサ58を完全放電し、初期化
が行なわれる。
遅角演算用コンデンサ58の端子電圧は基準電圧V
TH2とともに比較器59の入力端に送られて、その出
力端に第6図のOに示す比較出力信号を発生し、同出力
信号は前述の進角信号(OR回路34の出力)及び中速
遅角信号(単安定マルチバイブレータ50の出力)と共
にAND回路60の入力に送られ、論理積演算が行なわ
れる。そして、このAND回路60の出力と、AND回
路53の出力とをOR回路61の入力とし、OR回路6
1の出力を第1の主サイリスタ13の点火信号とする。
また、AND回路53の出力は第2のサイリスタ14の
点火信号にも用いられる。
以上説明した第3図図示の装置の総合点火進角及び遅角
特性は、第2図図示の太い実線で示す特性曲線によって
表わされ、この特性曲線に基づく、点火信号が第1の主
サイリスタ13のゲートに印加され、また、第2図の二
点鎖線で示す特性(の特性)に基づく、点火信号が第
2の主サイリスタ14のゲートに印加される。
尚、第9図は、エンジン回転速度が高速遅角領域内で変
化するとき、低い方のエンジン回転速度N′(遅角開
始時)、中間のエンジン回転速度N(遅角途中)、及
び高い方のエンジン回転速度N(遅角終了時)におけ
る遅角演算用コンデンサ58の端子電圧の波形と点火角
度θとが変化する態様を示している。
次に、本発明の狙いである多重点火動作について説明す
る。第1図において、磁石発電機の低速コイル1及び高
速コイル2により、第1の主コンデンサ16、及び第2
の主コンデンサ17が同時に図示極性に充電される。第
1の主コンデンサ16の電荷は、第3図のOR回路61
の出力により第1のサイリスタ13がターンオンすると
瞬時に点火コイル18の1次コイル18aに放電され、
点火コル18の2次コイル18bに高電圧が発生し、点
火プラグ19に飛火する。一方、第2の主コンデンサ1
7の電荷は第3図のAND回路53の出力により第2の
サイリスタ14がターンオンすると瞬時に点火コイル1
8の1次コイル18aに放電され、点火コイル18の2
次コイル18bに高電圧が発生し、点火プラグ19に飛
火する。
さて、ここで2サイクルエンジンで最も不整燃焼の発生
し易い中速時として、第2図のNrpm時を見てみる
と、第1の主サイリスタ13は第2図のθで示す位置
でターンオンし、一方、第2の主サイリスタ14は第2
図のθで示す位置でターンオンすることはこれまでの
説明より明らかである。すなわち、最も不整燃焼の発生
し易い中速時は、θ,θと2回に分けて点火が行わ
れる為、見掛け上、アーク持続時間が長くなり、不整燃
焼を防止することが可能となる。尚、第2図よりわかる
ように、この多重点火はN〜Nrpmまで行なわれ
ることになる。
更に本発明の第2の大きな特長はNrpm以上の高速
回転領域にある。つまり、2サイクルエンジンにおいて
は、高速時の燃焼室内の気流が速い為、2次電流が小さ
いと火花が吹き消され易いという問題がある。この吹き
消しが生じると、馬力低下や、未燃焼ガスがマフラー内
で燃え、マフラーが高温になるという問題が生じる。
ところで、コンデンサ充放電式点火装置においては、コ
ンデンサの容量と点火コイルの1次コイル巻数とを適当
な値に選ぶことにより、アーク持続時間を大きくする
か、あるいは2次電流を大きくすることが可能である。
しかし、両者は相反するもので、アーク持続時間を長く
し、かつ2次電流も大きくすることは不可能である。そ
こで、ある程度、どちらかの性能を犠牲にしなければな
らなかった。
ところが本実施例では、Nrpm以上においては、第
1の主サイリスタ13と第2の主サイリスタ14は同時
にターンオンする為、点火コイル18の1次コイル18
aには、第1の主コンデンサ16の電荷と、第2の主コ
ンデンサ17の電荷が同時に流れることになり、両コン
デンサの容量が同じとすると点火コイル18の1次コイ
ル18aに与えられるエネルギーは2倍となり、従って
2次電流も2倍近い値となる。このため、火花の吹き消
しは一切発生しない。
上記実施例では、高速時の点火位置が、アイドリング時
の点火位置より遅れているものに適用したが、第10図
に示すごとく高速時の点火位置がアイドリング時と同じ
犠牲の場合でも良いことは言うまでもない。この第10
図に示す点火時期特性を得るために第3図図示の点火時
期制御回路20中の遅角信号発生回路200の代わりに
用いられる遅角信号発生回路200Aを第11図に示
す。この実施例においては、単安定マルチバイブレータ
50の出力信号と進角信号発生回路100の出力信号と
をAND回路60に入力し、このAND回路60の出力
信号と比較器25の出力信号とをOR回路61に入力
し、このOR回路61の出力信号を第1の主サイリスタ
13のゲートに印加すると共に、比較器25の出力信号
を第2の主サイリスタ14のゲートに印加するようにし
たものである。
また、第12図に示すごとく、ゆるやかな中速遅角特性
の終端近くにおいて、第1,第2の主サイリスタ1
3,14が同時にターンオンするようにしてもよい。こ
の第12図に示す点火時期特性を得るために第3図図示
の点火時期制御回路20中の遅角信号発生回路200の代
わりに用いられる遅角信号発生回路200Bを第13図
に示す。この実施例においては、第3図におけるAND
回路53の出力を第2の主サイリスタ14のゲートおよ
びOR回路61の一方の入力端子に印加する代わりに、
比較器25の出力信号をOR回路61の一方の入力端子
とAND回路62の一方の入力端子とに印加し、このA
ND回路62の他方の入力端子にOR回路61の出力信
号を印加し、AND回路62の出力信号を第2の主サイ
リスタ14のゲートに印加するようにしたものである。
なお、上述した各実施例において、第1の主コンデンサ
16及び第2の主コンデンサ17の容量は同じであって
も、また異なっていても良い。またこれら主コンデンサ
16,17の充電電源としてバッテリーの出力をDC−
ACインバータを用いて昇圧したものにも適用できる。
また、上述した各実施例においては、本発明を2サイク
ルエンジンに適用したが、4サイクルエンジンに適用す
ることもできる。このような4サイクルエンジンに適用
する場合には、高速時の点火時期が最大進角位置となる
ため、それに合わせて両サイリスタ13,14の点火時
期を、高速時(必要に応じて低速時も)のみ両者の点火
時期が一致するように個別に制御する必要がある。
(発明の効果) 以上のように本発明の内燃機関用点火装置よれば、 (1)中速時は、第1の主コンデンサの放電と、第2の主
コンデンサの放電を分けて行うことにより、見掛け上ア
ーク持続時間を長くすることができ、不整燃焼等を防止
することができる。
(2)高速時は、両コンデンサを同時に放置させるため、
一度に点火コイルにエネルギーを供給でき、従って、2
次電流を大きくすることができるので、花火の吹き消し
を防止することが可能である。
(3)点火コイルは通常のコイルが使え、(1次コイルに
中間タップを持たない)、コストアップを防止できる。
等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明装置の一実施例を示す電気回路図、第
2図は2サイクルエンジンの理想的点火進角特性図、第
3図は上記実施例における点火時期制御回路20の詳細
電気回路図、第4図は第3図に示す進角信号発生回路1
00の各部動作波形図、第5図は第3図に示す進角演算
用コンデンサ30の各回転数における波形図、第6図は
第3図に示す遅角信号発生回路200の各部動作波形
図、第7図は第3図に示す遅延回路51の内部回路図、
第8図は第7図の遅延回路51の各部動作波形図、第9
図は第3図に示す遅角演算コンデンサ58の各回転数に
おける波形図、第10図および第12図は他の2つの点
火進各特性図、第11図および第13図は第10図およ
び第12図図示の点火進角特性を得るための遅角信号発
生回路200A,200Bを示す詳細電気回路図であ
る。 13,14……第1,第2の主サイリスタ、16,17
……第1,第2の主コンデンサ、18……点火コイル、
18a……1次コイル、20……導通制御回路をなす点
火時期制御回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の主コンデンサと、この第1のコンデ
    ンサの充電電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる
    第1の主サイリスタと、第2の主コンデンサと、この第
    2のコンデンサの充電電荷を前記点火コイルの1次コイ
    ルに放電させる第2の主サイリスタと、内燃機関の中速
    時には前記第1の主サイリスタと第2の主サイリスタと
    の導通を分けて行ない、高速時には両者を同時に導通さ
    せる導通制御回路とを備える内燃機関用無接点点火装
    置。
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