JPH06315795A - はんだ付け用フラックス及びこれを用いたクリームはんだ - Google Patents

はんだ付け用フラックス及びこれを用いたクリームはんだ

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JPH06315795A
JPH06315795A JP12776993A JP12776993A JPH06315795A JP H06315795 A JPH06315795 A JP H06315795A JP 12776993 A JP12776993 A JP 12776993A JP 12776993 A JP12776993 A JP 12776993A JP H06315795 A JPH06315795 A JP H06315795A
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flux
solder
soldering
cream solder
aminopropionate
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Ryoichi Narishima
良一 成島
Takuya Iida
拓也 飯田
Masahiro Miama
昌宏 美甘
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 はんだづけ時には接合表面の酸化物除去作用
に優れるとともに、はんだづけ後においては非腐食性に
優れるクリームはんだとこれに用いられるはんだ付け用
フラックスを提供する。 【構成】 β−アミノプロピオン酸エステルを0.01
〜10重量%含有するはんだ付け用フラックス、及びこ
のフラックスとはんだ粉末とを混練してなるクリームは
んだ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明ははんだ付け用フラックス
及びこれを用いたクリームはんだに関し、詳しくは電子
機器組立工程において、回路基板に電子部品をはんだ付
けするときに用いる接合材料となるクリームはんだ及び
これに用いられるはんだ付け用フラックスに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、高密度化が一段と進
む中で、電子部品、例えば、半導体、抵抗、コンデンサ
ーなどを回路基板にはんだ付けするにあたって、クリー
ムはんだを介して接合することが行なわれている。
【0003】クリームはんだとは、フラックスとはんだ
粉末とを適宜な配合比率で混練したクリーム状のはんだ
組成物である。クリームはんだを用いる接合において
は、まず、クリームはんだをステンシルやメタルマスク
を用いたスクリーン印刷、あるいはディスペンサーによ
る塗布などの方法によって、回路基板面の所定箇所に供
給し、そのクリームはんだ上に電子部品を載置し、クリ
ームはんだ自身の粘着性によって電子部品を保持する。
次いで、この電子部品を載置した回路基板をクリームは
んだ中に含まれるはんだ粉末の融点を超える加温雰囲気
に導けば、はんだ粉末は溶融しはんだ塊を形成し、回路
基板の導体と電子部品間に強固なはんだ接合部を形成す
ることになる。
【0004】したがって、クリームはんだに含まれるフ
ラックスには、印刷を容易に行なうためにチクソ性、電
子部品を保持するために粘着性が要求され、更に接合部
形成時にはんだのぬれを促進させるなど種々の特性が必
要となる。このため、フラックスを構成する成分とその
配合量はクリームはんだの品質を左右する重要な因子と
なる。
【0005】一般にフラックス中に含まれる主な成分は
ロジン、活性剤、粘度調整剤及び溶剤である。ロジンと
活性剤とに硬化ヒマシ油などの粘度調整剤を加え、溶剤
に溶解することによりフラックスが得られる。このフラ
ックスとはんだ粉末とを混練することにより、クリーム
はんだを得る。
【0006】上記成分のうちロジンはフラックスを構成
する主要な成分であり、アビエチン酸などの脂肪族カル
ボン酸からなっている。このロジンははんだ付け時の高
温で、導体表面の酸化物を除去し、また、導体表面の再
酸化を防止することによって、はんだのぬれを促進させ
る作用を有する。
【0007】しかしながら、ロジンのみでは上記効果が
十分でなく、通常例えば、ジエチルアミン塩酸塩、シク
ロヘキシルアミン臭化水素酸塩などの脂肪族アミンハロ
ゲン化水素酸塩あるいは、コハク酸、マロン酸などの脂
肪族カルボン酸などの酸化物除去作用を高める薬剤が活
性剤として添加されている。通常、はんだ粉末の表面は
酸化されており、はんだをその溶融温度以上に加熱して
も、溶融したはんだの表面を覆っている酸化物が、溶融
はんだ粒子の集合を妨げるため、はんだ塊を形成するこ
とが困難である。脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩は導
体表面及びはんだ粉末表面の酸化物除去に優れている
が、その反面、強い腐食性を有するハロゲン化物を含む
フラックス残渣がはんだ付け後の回路基板上に残存す
る。このため、はんだ付け後にはフロンやトリクロロエ
タンなどの溶剤を使用してフラックス残渣を洗浄・除去
することが行なわれている。近年、これらの溶剤がオゾ
ン層を破壊するという環境保全の観点から、これら溶剤
の使用制限、使用禁止の傾向が高まってきている。溶剤
による洗浄を省略した場合には残存するハロゲン化物に
よって導体が腐食され、やがては断線やショートに至る
ことも予想され、品質上の信頼性を欠くものとなること
から、脂肪族アミンハロゲン化水素酸塩をクリームはん
だの活性剤として使用することは好ましいものではな
い。
【0008】特開平4−143093号公報にはエポキ
シ基含有化合物、不飽和二重結合基含有化合物、及びブ
ロックイソシアネート基含有化合物の少なくとも一種か
らなる失活剤と活性剤を含むはんだ付け用フラックスが
開示されている。この公報には、このフラックスを用い
ると、はんだ付け時の加熱により、フラックス残渣中の
上記失活剤が活性剤中の活性イオンであるハロゲンイオ
ンと付加反応を起こして活性剤を失活させる結果、フラ
ックス残渣中の有害なハロゲンイオンをなくすことがで
き、回路基板の絶縁抵抗性、耐腐食性を低下させること
がないという記載がある。しかしながら、このフラック
スでは活性イオンを十分に失活させる必要から大量の失
活剤を添加することになり、このことははんだづけ終了
後のフラックス残渣を増大させるので好ましいものでは
ない。また、活性剤中の活性イオンが消失したわけでは
ないので長期にわたる信頼性に関しては不安がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導体表面及
びはんだ粉末表面の酸化物除去作用に優れ、かつ、はん
だ付け後においては非腐食性を示す活性剤を使用したは
んだ付け用フラックス及びこれを用いたクリームはんだ
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するためにクリームはんだを構成するフラックス中
に添加する活性剤について種々検討を重ねた結果、本発
明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、β−アミノプロピオ
ン酸エステルを0.01〜10重量%含有することを特
徴とするはんだ付け用フラックスを提供するものであ
る。
【0012】本発明はまた、上記のはんだ付け用フラッ
クスとはんだ粉末とを混練してなることを特徴とするク
リームはんだを提供するものである。
【0013】以下、本発明のはんだ付け用フラックス及
びクリームはんだについて詳細に説明する。
【0014】本発明のはんだ付け用フラックス及びクリ
ームはんだに含有されるβ−アミノプロピオン酸エステ
ルは、フラックス中の活性剤として添加される。β−ア
ミノプロピオン酸エステルとしては、β−アミノプロピ
オン酸と一価アルコール又は多価アルコールとのエステ
ルが好ましく用いられる。
【0015】一価アルコールとしてはメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチ
ルアルコール、t−ブチルアルコール、s−ブチルアル
コール、シクロヘキシルアルコールなどがあり、多価ア
ルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ネオペンチルアルコール、ペンタエ
リスリトールなどがある。
【0016】また、β−アミノプロピオン酸エステルの
アミノ基は一級アミノ基、二級アミノ基又は三級アミノ
基のいずれかであり、具体的には、アミノ基、メチルア
ミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、n−プロピルアミノ基、メチル(n−プロピ
ル)アミノ基、エチル(n−プロピル)アミノ基、ジ
(n−プロピル)アミノ基、イソプロピルアミノ基、メ
チルイソプロピルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ
基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、メ
チル(n−ブチル)アミノ基、エチル(n−ブチル)ア
ミノ基、イソプロピル(n−ブチル)アミノ基、ジ(n
−ブチル)アミノ基、イソブチルアミノ基、メチルイソ
ブチルアミノ基、エチルイソブチルアミノ基、イソプロ
ピルイソブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、シク
ロヘキシルアミノ基などがある。
【0017】更に、β−アミノプロピオン酸エステルは
そのα位及びβ位の一方又は双方に置換基を有していて
もよく、これらの置換基としては、アルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、ケト基、シアノ基、ニトロ基及び
カルボキシエステル基などがある。
【0018】本発明のβ−アミノプロピオン酸エステル
の具体例としては、α−メチル−β−アミノプロピオン
酸エステルやα−シアノ−β−アミノプロピオン酸エス
テルが挙げられる。具体的に例示すると、3−アミノプ
ロピオン酸メチル、3−アミノプロピオン酸エチル、3
−アミノプロピオン酸n−プロピル、3−アミノプロピ
オン酸イソプロピル、3−アミノプロピオン酸n−ブチ
ル、3−アミノプロピオン酸イソブチル、3−ジメチル
アミノプロピオン酸メチル、3−ジメチルアミノプロピ
オン酸エチル、3−ジメチルアミノプロピオン酸n−プ
ロピル、3−ジメチルアミノプロピオン酸イソプロピ
ル、3−ジメチルアミノプロピオン酸n−ブチル、3−
ジメチルアミノプロピオン酸イソブチル、3−ジエチル
アミノプロピオン酸メチル、3−ジエチルアミノプロピ
オン酸エチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸n−プ
ロピル、3−ジエチルアミノプロピオン酸イソプロピ
ル、3−ジエチルアミノプロピオン酸n−ブチル、3−
ジエチルアミノプロピオン酸イソブチル、3−ジエチル
アミノプロピオン酸n−ペンチル、3−ジエチルアミノ
プロピオン酸イソペンチル、3−ジエチルアミノプロピ
オン酸ネオペンチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸
n−ヘキシル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シクロ
ヘキシル、3−ジイソプロピルアミノプロピオン酸メチ
ル、3−ジイソプロピルアミノプロピオン酸エチル、3
−ジイソプロピルアミノプロピオン酸n−プロピル、3
−ジイソプロピルアミノプロピオン酸イソプロピル、3
−ジイソプロピルアミノプロピオン酸n−ブチル、3−
ジイソプロピルアミノプロピオン酸イソブチル、2−メ
チル−3−アミノプロピオン酸メチル、2−メチル−3
−アミノプロピオン酸エチル、2−メチル−3−ジメチ
ルアミノプロピオン酸メチル、2−メチル−3−ジメチ
ルアミノプロピオン酸エチル、2−メチル−3−ジエチ
ルアミノプロピオン酸メチル、2−メチル−3−ジエチ
ルアミノプロピオン酸エチル、2−メチル−3−ジブチ
ルアミノプロピオン酸エチル、2−エチル−3−ジエチ
ルアミノプロピオン酸メチル、2−エチル−3−ジエチ
ルアミノプロピオン酸エチル、ビス(3−ジエチルアミ
ノプロピオン酸)エチレングリコール、ビス(3−ジエ
チルアミノプロピオン酸)−1,4−ブタンジオール、
トリス(3−ジエチルアミノプロピオン酸)トリメチロ
ールプロパン、トリス(3−ジエチルアミノプロピオン
酸)グリセリン、テトラキス(3−ジエチルアミノプロ
ピオン酸)ペンタエリスリトール、2−シアノ−3−ア
ミノプロピオン酸メチル、2−シアノ−3−アミノプロ
ピオン酸エチル、2−ニトロ−3−アミノプロピオン酸
メチル、2−ニトロ−3−アミノプロピオン酸エチル、
2−フェニル−3−アミノプロピオン酸メチル、2−フ
ェニル−3−アミノプロピオン酸エチル、(ジエチルア
ミノメチル)マロン酸ジエチル、(ジメチルアミノメチ
ル)マロン酸ジエチル、2−(2−プロペニル)−3−
アミノプロピオン酸メチル、2−(2−プロペニル)−
3−アミノプロピオン酸エチル、2−(1−オキソエチ
ル)−3−アミノプロピオン酸メチル、2−(1−オキ
ソエチル)−3−アミノプロピオン酸エチルなどが挙げ
られ、1種で又は2種以上を混合して用いられる。
【0019】これらのβ−アミノプロピオン酸エステル
は、α,β−共役カルボン酸エステルとアミンとを一般
にマイケル付加反応として知られる有機化学反応によっ
て容易に合成可能であり、又はβ−ハロゲノプロピオン
酸エステルとアミンとを反応させても容易に合成可能で
ある。
【0020】これらのβ−アミノプロピオン酸エステル
のはんだ付け用フラックスの活性剤としての適否は、そ
の溶解性及び沸点によって規定される。β−アミノプロ
ピオン酸エステルはフラックスの溶剤として一般に使用
される汎用の有機溶剤に可溶であることが望ましく、ま
た、その沸点ははんだの融点以上であることが必要であ
り、好ましくは230℃以上である。一方、リフロー後
に回路基板上に残存するフラックス残渣の無害性の観点
から、β−アミノプロピオン酸エステルの熱分解により
生成するアミンとアクリル酸誘導体の沸点が低いものが
好ましい。
【0021】β−アミノプロピオン酸エステルのフラッ
クスへの配合量は、フラックスに対して0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。0.01
重量%未満の場合には、導体表面の酸化物除去効果が十
分発揮されず、はんだによる接続信頼性に問題があると
ともに、はんだ粉末表面の酸化物除去も十分に行なわれ
ないため、溶融したはんだ粒子の集合が十分に行なわれ
ず、一般にはんだボールとよばれる微細なはんだ粒子が
回路基板上に残存しやすく、接続信頼性に問題を生じ
る。一方、10重量%を超えると、保存中に上記β−ア
ミノプロピオン酸エステルがはんだ粉末及びフラックス
中の他の成分と好ましくない副反応を生じ、粘度の上昇
など保存安定性を損なうほか、はんだ付け後のフラック
ス残渣が増大するとともに、残存した活性剤が腐食性を
呈するおそれがあり、好ましくない。
【0022】本発明のフラックスに使用される他の成分
には、ロジン、粘度調整剤及び溶剤がある。ロジンとし
ては、例えば、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジ
ン、重合ロジン、精製ロジン、水添ロジン、フェノール
変成ロジンなどが挙げられる。ロジンの配合量は、フラ
ックス総量100重量部に対して通常15〜75重量
部、好ましくは20〜50重量部である。また、粘度調
整剤としては、例えば、ヤシ油、牛脂、ヒマシ油、硬化
ヒマシ油、鯨油、菜種油、木蝋、蜜蝋などが挙げられ
る。粘度調整剤の配合量は、フラックス総量100重量
部に対して通常1〜50重量部、好ましくは5〜20重
量部である。
【0023】更に溶剤としては、例えばα−テルピネオ
ール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、n−ブチルセロソルブ、ジグライム、N−メチルピ
ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げら
れる。溶剤の使用量は、フラックス総量100重量部に
対して通常10〜80重量部、好ましくは20〜60重
量部である。
【0024】以上の各成分を混合、必要に応じて加熱攪
拌することにより、フラックスが調製される。
【0025】これらの成分の他に必要に応じて、ベンゾ
トリアゾールなどの腐食防止剤、分散安定剤、ワックス
などを配合することができる。
【0026】以上のようにして調製されたフラックス5
〜20重量%、好ましくは8〜15重量%と、はんだ粉
95〜80重量%、好ましくは92〜85重量%とを混
練することによりクリームはんだが調製される。はんだ
粉末としては、特に制限するものではないが例えばSn
−Pb共晶はんだ、Sn−Pb−Biはんだ、Sn−P
b−Agはんだなどがあり、クリームはんだを適用する
回路基板に応じて粒径を調整する。はんだ粉末の形状
は、特に制限ははないが、例えば球状のものを使用する
と印刷性が良好となる。粒径は印刷パターンの最小巾に
よっても違い、特に制限はないが、例えば0.65mm
の場合、200〜500メッシュの粒径が好適である。
この混練方法は特に制限するものではないが、十分に混
合攪拌することが大切である。
【0027】
【作用】本発明のフラックス及びクリームはんだに使用
されるβ−アミノプロピオン酸エステルは、はんだの溶
融温度である180〜230℃において熱分解反応によ
り、低沸点のアミンと不飽和化合物を生成する。低沸点
のアミンは導体表面の酸化物を除去すると同時にはんだ
粉末表面の酸化物を除去し、溶融はんだ粒子の集合を容
易にし、強固なはんだ接続部を形成する。また、低沸点
のアミンはロジンの被膜によって酸化物除去に必要な時
間保持された後、大気中に拡散していくため、回路基板
表面には残留しない。一方、副生成物である不飽和化合
物はそれ自身が重合性を有し、重合反応によって強固な
被膜を形成するため、電気特性に対して悪影響を及ぼさ
ない。また、不飽和化合物が低分子量で揮発性を有する
場合には、当然、揮発によって大気中に拡散していくた
め、回路基板表面には残留しないことが期待できる。か
くして、本発明のフラックス及びクリームはんだに使用
される活性剤であるβ−アミノプロピオン酸エステル
は、はんだ付け時の高い活性とはんだ付け後の高い信頼
性とを両立させることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0029】実施例1 精製ロジン30重量部、水添ロジン25重量部、硬化ヒ
マシ油8重量部、α−テルピネオール35重量部及び3
−ジエチルアミノプロピオン酸n−ブチル2重量部を四
つ口フラスコ内で100℃、30分間加熱攪拌し、十分
に溶解させた後、30℃まで急冷して液状フラックスを
得た。
【0030】このフラックス10gに共晶はんだ粉末
(Pb/Sn=63/37、250メッシュ〜400メ
ッシュ)90gを配合し、万能擂潰機で混練してクリー
ム状のクリームはんだを得た。このクリームはんだにつ
いて、腐食性、絶縁部分の絶縁抵抗性、はんだ広がり率
をJIS−Z−3197に従って評価し、その結果を一
括して表1に示した。
【0031】実施例2〜10及び比較例1〜10 クリームはんだ中のフラックス成分、配合量及びはんだ
粉末の種類を表1及び表2のように変えたほかは実施例
1と同様にクリームはんだを作り、これを評価し、その
結果を一括して表1〜表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表1及び表2に示した特性結果から明らか
な通り、フラックス中の活性剤としてβ−アミノプロピ
オン酸エステルを用いた本発明のクリームはんだは、銅
板腐食試験では試験開始後500時間後にも安定した非
腐食性を示し、また絶縁抵抗試験からも、経時的に安定
した絶縁信頼性をもたらすことがわかる。はんだの広が
り率もいずれも90%以上と高く、銅板(銅回路面)と
のぬれ性が良好であり、接合信頼性が大きいことを示し
ている。また、はんだ粉末成分を共晶はんだ、銀入りは
んだ、低融点はんだと異にしても上記特性に影響はな
く、はんだ粉末成分の種類如何にかかわらず優れた特性
を示すことがわかる。
【0035】比較例1、3及び5のクリームはんだで
は、本発明の範囲を超える量のβ−アミノプロピオン酸
エステルを用いている。従って、比較例1と対応実施例
1との比較に表れるように、はんだ広がり率においては
同等な値を示すものの、銅板腐食試験及び絶縁抵抗試験
の結果から、非腐食性及び絶縁信頼性において劣ること
がわかる。
【0036】比較例2、4、6のクリームはんだでは、
本発明の範囲に満たない量のβ−アミノプロピオン酸エ
ステルを用いている。従って、比較例2と対応実施例1
との比較に表れるように、実施例と同等の非腐食性及び
絶縁信頼性を示しはするものの、はんだ広がり率が低
く、活性剤使用の本来の目的の一つであるぬれ性向上の
効果がない。
【0037】また、他の従来の活性剤を用いた比較例
7、8、9及び10のクリームはんだは、はんだの広が
り率が大きく、ぬれ性においては良好であるものの、非
腐食性及び絶縁信頼性において本発明のクリームはんだ
に比較して劣っている。
【0038】
【発明の効果】本発明のβ−アミノプロピオン酸エステ
ルを特定範囲量含有するフラックス及びこのフラックス
とはんだ粉末を混練して得られるクリームはんだは、は
んだづけ前には酸化物除去に優れ、一方はんだづけ終了
後は失活して非腐食性になることにより、絶縁部分の絶
縁性に優れることが判った。このことから、フロンなど
の溶剤によるはんだづけ後の洗浄を省略した場合でも、
十分な絶縁信頼性を維持することが可能であり、電子部
品などの表面実装に使用する接合材料として好適である
ことが明らかである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−アミノプロピオン酸エステルを0.
    01〜10重量%含有することを特徴とするはんだ付け
    用フラックス。
  2. 【請求項2】 β−アミノプロピオン酸エステルがβ−
    アミノプロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエス
    テルである請求項1記載のはんだ付け用フラックス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のはんだ付け用フラ
    ックスとはんだ粉末とを混練してなることを特徴とする
    クリームはんだ。
JP12776993A 1993-05-06 1993-05-06 はんだ付け用フラックス及びこれを用いたクリームはんだ Pending JPH06315795A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH091388A (ja) * 1995-06-19 1997-01-07 Sony Corp 成形はんだ用フラックス
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