JPH0631497Y2 - 磁気ブラシ式クリ−ニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、電子写真複写機における感光体のクリーニン
グ装置に関するものである。

（従来技術） 前記クリーニング装置としては種々のものが存在する
が、磁気ブラシを用いたものはその一つである。この磁
気ブラシ式クリーニング装置は磁気ブラシ式現像装置と
同様の磁気ブラシを用いるものであって、非磁性体の円
筒状スリーブを回転させると共に、その内部に回転しな
いように配置した複数の磁石によって、スリーブの周面
に磁性粉体のキャリヤを吸引し、それによりスリーブ周
面に穂状に吸着したキャリヤ、すなわち磁気ブラシを転
写後の感光体表面に摺接させ、静電吸引力により、帯電
トナーを感光体表面から吸引除去するものである。トナ
ーを吸着したキャリヤは、前記スリーブから離されて汲
上スリーブ等によって循環されるが、この循環経路の途
中に配置されたトナー回収ローラが静電吸引力によって
キャリヤからトナーを分離吸着し、清浄になったキャリ
ヤは再び磁気ブラシを構成すべく循環する。トナー回収
ローラに吸着したトナーは該ローラからピックオフブレ
ードによって機械的に掻き落され、回収される。

ところで、前記トナー回収ローラから掻き落されたトナ
ーがトナー回収ローラの回転に伴って生じる気流、及び
該気流を乱すピックオフブレードによって、クリーニン
グ装置内に拡散浮遊し、感光体に付着して地肌汚れを生
じたり、清浄化されたはずのキャリヤに再付着してクリ
ーニング性能を劣化させたりする。そこで、トナー回収
ローラの周面に、その先端を接近対向させた遮蔽板を設
けて飛散したトナーがトナー回収ローラの回転方向上流
側へ流出するのを防止することが考えられた。

また、トナー回収ローラに接近してキャリヤを循環させ
る必要があるが、トナー吸着量の少ないキャリヤは流れ
が悪いため、トナー回収ローラ付近で滞留することがあ
る。その結果、トナー回収ローラによってキャリヤまで
が搬送されてしまい、クリーニング剤が減少する。そこ
で、トナー回収ローラの周面にその先端を接近対向させ
た剤溢れ防止板を設け、それによりキャリヤがトナー回
収ローラによって搬送されることを防止することが考え
られた。

ところで前記の２つの従来技術は共にトナー回収ローラ
の周面に、その先端を対向配置した板状遮蔽部材を備え
ているが、それらの遮蔽部材はトナー回収ローラの周面
に吸着されたトナーの搬送を妨げてはならないため、ト
ナー回収ローラに密接させることはできない。その結
果、両遮蔽部材とトナー回収ローラとの間からトナー或
はキャリアが漏出し所期の遮蔽効果が期待できない。

（目的） 本考案はトナー回収ローラの周面を、上流側と下流側と
に分離する板状遮蔽部材をその先端が接点よりも突出す
るように接線状にトナー回収ローラに密接させることに
より前記従来技術の問題点を解消することを目的として
いる。

（構成） 本考案は上記目的を達成するため感光体表面から残留ト
ナーを磁気ブラシで除去し、それを、該磁気ブラシを構
成する磁性キャリヤから、静電吸引力によりトナー回収
ローラに吸着させ、該トナー回収ローラからトナーを掻
き落して回収するクリーニング装置において、前記トナ
ー回収ローラの周面を上流側と下流側とに分離する板状
の遮蔽部材を、その先端が接点よりも突出するように接
線状にトナー回収ローラに密接にしたことを特徴とする
ものである。

第１図は本考案をトナー飛散防止手段に実施した例を示
すものである。１はドラム状の感光体であって、矢印Ｖ
方向に回転する。転写後の感光体１は残留トナーを吸着
した状態で、クリーニング装置２の設置位置へ回転して
来るがその直前に除電チャージャ３の作用を受ける。ク
リーニング装置２は磁気ブラシ装置４を備え、それを含
むケース５を備えている。磁気ブラシ装置４は円筒状の
非磁性のスリーブ６と、その中に配置された複数の磁石
７とからなる。スリーブ６は矢印Ｑ方向に回転するが、
磁石７は回転しない。磁気ブラシ装置４はケース５の下
方に設けられた開口部に配置され感光体１に対向してい
る。磁気ブラシ装置４の真上には仕切板８とドクターブ
レード９とで構成されたホッパー１５が位置しており、
そこからクリーニング材Ｃが供給される。磁気ブラシ装
置４の斜め上方に第１汲上げスリーブ１０が配置されそ
の上方に第２汲上げスリーブ１１が配置されている。両
スリーブ１０，１１は磁気ブラシ装置４と同様に構成さ
れ、内部に磁石１２，１３を固定配置すると共に、それ
ぞれ矢印Ｓ，Ｔ方向に回転する。

ホッパー１５から供給されたクリーニング剤Ｃ（磁性キ
ャリヤ）はドクターブレード９で厚さを調節され、スリ
ーブ６の回転に伴ってその周面に磁気吸引力で吸着され
ながら矢印Ｑ方向に回転し、感光体１に対向する位置で
は穂状に起立して感光体１を摺擦し、残留トナーを静電
吸引力により吸着してクリーニングを行なう。トナーを
吸着したクリーニング剤Ｃは両汲上げスリーブ１０，１
１によってバトンリレーされるが、第２スリーブ１１の
下流側においては磁石が存在しないため吸引を解除さ
れ、ガイド板１４上に放出される。

ガイド板１４はホッパー１５の上方に位置しているが、
その下端に対向してトナー回収ローラ１６が配置してあ
る。トナー回収ローラ１６はトナー帯電極性の逆極性の
電位を与えられており、対向電極１７との間に電界を形
成する。トナー回収ローラ１６は矢印Ｒ方向に回転して
おり、それにピックオフブレード１８が圧接している。

ガイド板１４上に放出されたクリーニング剤Ｃは、そこ
を流下し、トナー回収ローラ１６の周面付近を降下す
る。その際、クリーニング剤Ｃに静電的に吸着していた
トナーＴがクリーニング剤Ｃから離れてトナー回収ロー
ラ１６の周面に吸着し、その回転に伴って搬送される。
クリーニング剤Ｃは清浄になってホッパー１５に戻り再
使用される。トナー回収ローラ１６に吸着したトナーＴ
はピックオフブレード１８によって掻き落され、トナー
受皿１９上に落下し、排出スクリュー２０により搬出さ
れ回収される。

ピックオフブレード１８の当接点よりもトナー回収ロー
ラ１６の回転に関し上流側の位置において、トナー飛散
防止用の遮蔽板２１をトナー回収ローラ１６に接触させ
る。この接触条件は第２図に示すように、遮蔽板２１を
トナー回収ローラ１６に対し接線状に接触させ、かつ、
その先端21aを接点Ｐよりも突出させることである。

トナー回収ローラ１６の回転に伴って、トナーＴはその
周面に吸着した状態で搬送され接点Ｐに至るが、その部
分を潜行した後、ピックオフブレード１８によって掻き
落される。この掻き落しに伴ってトナーＴが飛散する
が、遮蔽板２１がトナー回収ローラ１６に密接している
ので、それがさらに上流側に拡散することがない。

遮蔽板２１の長さが第３図に示すように短かくて、その
先端21bが接点Ｐになるとそれがピックオフブレードと
同様の作用をしてトナーＴを掻き取るので、所期の作用
が得られない。

第４図は本考案を剤溢れ防止手段に実施した例を示すも
のである。剤溢れ防止手段以外は前記実施例と同様であ
るから、ここでは剤溢れ防止手段のみについて説明す
る。２２はトナー回収ローラ１６に接線状に密接させた
剤溢れ防止板であって、ガイド板１４の下端付近におい
てトナー回収ローラ１６に接している。この剤溢れ防止
板２２も、前記第１実施例の遮蔽板２１と同様にその先
端22aを接点Ｐよりも突出させておく。

ガイド板１４上でクリーニング剤Ｃの滞留が生じてもそ
れがトナー回収ローラ１６に接触することを剤溢れ防止
板２２が遮蔽するので、クリーニング剤Ｃがトナー受皿
１９の方へ搬送されることがない。この作用は剤溢れ防
止板２２がトナー回収ローラ１６に密接しているため確
実に行なわれる。

（効果） 本考案は以上のように、トナー回収ローラに板状の遮蔽
部材が密接するので、トナー回収ローラの周面を上流側
と下流側とに確実に分離でき確実な遮蔽効果を期待する
ことができ、しかも、その接触状態が先端を接点よりも
突出させた接線状であるため、本来のトナー回収作用の
妨げとならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の正面図、第２図はその要
部の拡大図である。第３図は遮蔽板２１が短い場合の作
用を示す拡大図、第４図は本考案の第２実施例の正面図
である。 １…感光体 ４…磁気ブラシ装置 １６…トナー回収ローラ １８…ピックオフブレード ２１…遮蔽板、21a…同先端 ２２…剤溢れ防止板、22a…同先端

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体表面から残留トナーを磁気ブラシで
   除去し、それを、該磁気ブラシを構成する磁性キャリヤ
   から、静電吸引力によりトナー回収ローラに吸着させ、
   該トナー回収ローラからトナーを掻き落して回収するク
   リーニング装置において、前記トナー回収ローラの周面
   を上流側と下流側とに分離する板状の遮蔽部材を、その
   先端が接点よりも突出するように接線状にトナー回収ロ
   ーラに密接させてなる磁気ブラシ式クリーニング装置。
2. 【請求項２】遮蔽部材が、浮遊トナーのための遮蔽板で
   あることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の磁気ブラシ式クリーニング装置。
3. 【請求項３】遮蔽部材が剤溢れ防止板であることを特徴
   とする第１項記載の磁気ブラシ式クリーニング装置。