JPH06313768A - 遊離リガンドアッセイのための組成物 - Google Patents

遊離リガンドアッセイのための組成物

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JPH06313768A
JPH06313768A JP34424993A JP34424993A JPH06313768A JP H06313768 A JPH06313768 A JP H06313768A JP 34424993 A JP34424993 A JP 34424993A JP 34424993 A JP34424993 A JP 34424993A JP H06313768 A JPH06313768 A JP H06313768A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リガンドが一種またはそれ以上の内因性受容
体と結合した形でも共存するテストサンプル中の遊離リ
ガンドの量を測定するアッセイに使用する選択結合リガ
ンド類縁体を提供する。 【構成】 標識した外因性リガンド受容体とは結合する
が、内因性リガンド受容体とは結合しない態様で、水不
溶性基質へ、または水不溶性基質に物理的に吸着された
水溶性物質へ共有結合したリガンドよりなる組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の背景 本発明は、当該リガンドが内因性受容体へ結合した形で
も存在するテストサンプル中の遊離リガンドの直接的特
異結合アッセイに関する。本発明は特に、TBGおよび
アルブミンのようなチロキシン結合タンパクを含んでい
るテストサンプル中の遊離チロキシンのイムノアッセイ
に関する。
【0002】この目的で遊離リガンドとは、当該リガン
ドのための内因性受容体を含んでいるテストサンプル中
に非結合状態で存在する、通常低分子量であるが必ずし
もそうでない物質と定義される。そのような受容体の生
物学的役割は明確に確立されていないが、それらは遊離
リガンドが生物学的プロセスにおいて消費されるにつれ
て質量作用によって解離し得るリガンドの貯蔵庫として
作用するらしい。典型的には、リガンドの小パーセント
を除いてすべてはその受容体との結合状態で存在する。
【0003】そのような受容体は典型的にはタンパクで
ある。受容体は自家抗体、トランスコルチンおよびTB
Gの場合のように特異的でもあり得るし、または例えば
アルブミンのように比較的非特異的でもあり得る。内因
性なる術語は、患者から得られたまゝのテストサンプル
が、関心あるリガンドのいくらかの割合を結合する受容
体を含んでいることが予想されもしくは可能性あること
を意味する。
【0004】機敏な臨床医は、彼等の患者の状態を一層
正確に評価しようとして、遊離リガンドアッセイへ益々
転じつつある。この努力は遊離リガンドのいわゆる直接
イムノアッセイ、特に遊離チロキシンイムノアッセイの
市場への出現によって容易になった。直接リガンドアッ
セイは、遊離チロキシンインデックスにおけるような計
算によってその後に遊離リガンド濃度へ相関させる他の
測定法ではなく、遊離リガンド自体を測定することによ
って特徴付けられる。
【0005】現在直接遊離リガンドアッセイのために二
つの手法が存在する。平衡透析のほかに、スピーディで
そして日常的な臨床検査用に特に良く適しない手法であ
る。両手法において、遊離リガンドはテストキットに含
まれる受容体に結合され、そして次に結合したリガンド
の量が測定される。これら方法は、テストサンプル中に
存在する内因性受容体がアッセイを妨害することを防止
する仕方に違いがある。英国特許出願第2,030,2
90号の方法においては、内因性受容体は、テストサン
プルから遊離リガンドの吸収後にテストサンプル残渣を
テスト受容体結合リガンドから物理的に分離することに
より、すなわち、テストサンプルをリガンドに対する不
溶性化した抗体とインキュベートし、テストサンプル残
渣を傾斜し、洗浄し、トレーサー標識リガンドを加え、
そして該抗体に結合したトレーサーの量(これはテスト
受容体へ結合したリガンドの量に反比例する)を測定す
ることによって除去される。この方法は簡単な既存の試
薬を使用するので商業的に有利である。総チロキシンテ
ストに時々使用されている放射標識チロキシンは、前記
直接チロキシンアッセイに使用するためにも満足であ
る。しかしながら、各リガンドは当該リガンドの類縁体
を必要とし、そしてすべてのリガンドアッセイに共通の
標識した免疫試薬を使用できなかった。特開昭56−5
1665号に対応する欧州特許出願第0026103号
に記載の直接遊離リガンドアッセイは、内因性受容体に
よる可能性ある妨害を中性化するための他の系を使用す
る。受容体を系から洗浄することにより、標識したリガ
ンド類縁体との相互反応から内因性受容体を排除するの
ではなく、リガンド類縁体は内因性受容体との結合から
化学的に排除される。これはリガンド類縁体として、内
因性受容体と実質的に結合しないがしかしテスト受容体
と比較的よく結合するリガンド誘導体を使用することに
よって達成される。この誘導体は、以後便宜上選択結合
リガンド類縁体と呼ばれるであろう。この遊離リガンド
のアッセイは、中間洗浄ステップを必要としない利点を
有する。しかしながら、それはアッセイすべき特定の結
合リガンド毎に注意深くデザインされた別々のトレーサ
ーの特別な合成を必要とする。
【0006】将来は種々のリガンドがこのような直接法
によってアッセイされると信じられるので、どのような
可能なアッセイについても共通な試薬を使用することが
商業的に望まれるであろう。加えて、もし可能ならその
ようなアッセイにおいて標識した抗体を使用することが
有利であり、その利益は製造の容易さ、安定性および改
良されたアッセイ性能を含む。
【0007】従って本発明の目的は、遊離リガンドの直
接アッセイにおいて試薬調製を容易にすることである。
【0008】本発明は、遊離リガンドと遊離リガンドに
対する内因性受容体を含んでいるテストサンプル中の遊
離リガンドの定量に使用する組成物に関する。該組成物
は、実質上水不溶性基質へ、または実質上水不溶性基質
に物理的に吸着された水溶性物質へ共有結合された前記
リガンドよりなり、該リガンドはテストサンプル中に存
在する前記内因性受容体が前記リガンドへ結合すること
を実質上排除するように前記水不溶性基質または前記水
溶性物質へ結合されていることを特徴とする。
【0009】本発明の組成物は、前記した選択結合リガ
ンド類縁体にあたり、これを使用する遊離リガンドの量
を測定する方法は、(i)テストサンプルと、(ii)
直接または間接に標識されかつ前記リガンドと結合する
外因性リガンド受容体と、(iii)不溶化された、ま
たは分析操作の一部として不溶化でき、かつ前記外因性
リガンド受容体とは結合するがしかし前記内因性受容体
のいずれとも結合しない標識しないリガンド類縁体(選
択結合リガンド類縁体)を混合するステップと、遊離リ
ガンドと前記選択結合リガンド類縁体とが前記外因性リ
ガンド受容体に対して競合することを許容するように混
合物をインキュベートするステップと、前記選択結合リ
ガンド類縁体を前記混合物の残りの成分から分離するス
テップと、前記遊離リガンドと結合した、または選択結
合リガンド類縁体と結合した前記外因性リガンド受容体
の量を測定するステップと、そして測定した結合した外
因性リガンド受容体の量をテストサンプル中に存在する
遊離リガンドの量と相関させるステップよりなる。
【0010】本発明は従って、前記欧州特許出願で必要
とする標識したリガンド類縁体を必要としない。その代
わり、テスト受容体が直接または間接に標識される。後
で説明するように、今や多目的または万能トレーサー、
すなわちすべての遊離リガンドアッセイに共通用途を持
つトレーサーを目論むことが可能である。
【0011】本発明のアッセイ方法は二種の主要試薬、
すなわち第1に、不溶化された、または分析操作の一部
として不溶化できる選択結合リガンド類縁体と、第2
に、標識したリガンド抗体か、または標識した抗ー(リ
ガンド抗体)と結合した未標識リガンド抗体を使用す
る。 選択結合リガンド類縁体は、内因性受容体を相対
的に排除しつつ抗リガンド抗体または他の抗リガンド受
容体を結合し得る、リガンドの残部であって、実質上水
不溶性物質と共有結合した、またはもっと好都合には、
(a)不溶性物質へ物理的に吸着された、または(b)
実質上水不溶性物質を形成するようにさらに反応せしめ
られた、実質上水溶性成分と共有結合した該リガンド残
部よりなる。
【0012】このアッセイは、テストサンプルと、リガ
ンド抗体と、そして標識してない選択結合リガンド類縁
体とを混合し、遊離リガンドと未標識選択結合類縁体と
が該リガント抗体に対し競合することを許容するように
インキュベートし、該リガンドと、または該リガンド類
縁体と結合したリガンド抗体の量を定量し、そして結合
したリガンド抗体の量をテストサンプル中に存在する遊
離リガンドの量に相関させることによって実施される。
【0013】本発明の詳細な説明 こゝで使用する選択結合リガンド類縁体を製造するため
の出発物質は、抗体のような企図するテストリガンド受
容体を結合するが、しかし内因性リガンド受容体を比較
的結合しない、この分野で既知のリガンド類縁体であ
る。適当な出発物質の実例は前述の欧州特許出願および
それに引用されている参考文献に開示されている。
【0014】適当な出発物質を製造する鍵は、リガンド
上のどの部位が予期される内因性受容体と結合するため
に比較的に必要であるかを決定することと、そしてそれ
らの部位を変性剤への結合基として使用することであ
る。この決定は、リガンドの各種の位置においてリガン
ドの電荷、極性まはた立体的アウトラインを変性し、そ
して例えばリガンドの活性炭吸着により好ましくはリガ
ンドを分離した受容体への変性したリガンドの吸収の程
度を測定することによって通常達成される。吸収程度の
決定は当業者の伎倆範囲内であろう。例えば、14Cまた
3Hのような放射性原子を含有するリガンドは各種の
位置で一般に前記のように変性し得る。受容体とリガン
ドとの混合物をインキュベートし、その後未結合リガン
ドを除去するために透析する。もし透析物中に放射能が
全くもしくは少ししか発見されなければ、その時変性し
たリガンドは適当な出発物質の良い候補である。
【0015】リガンドはその内因性受容体との結合に影
響することが予期できる任意の数の方法で変性すること
ができる。そのような結合はリガンドの電荷および立体
像の関数であるので、これら像特性の変性は該リガンド
のその内因性受容体に対する親和性をしばしば変えるで
あろう。この変性は該親和性を増加または減少させるこ
ともあるし、またはそれを大部分変えないこともある。
このため多くの場合親和力の変化を前記またはこの分野
で既知の他の方法で実際にテストすることが望ましい。
【0016】適当な例示的リガンド変性は、前に引用し
た欧州特許出願に記載されている。例として、リガンド
はタンパクまたは合成ポリマーのような大分子へ置換さ
れることができる。このかさ高の置換は内因性受容体の
リガンド類縁体への結合を立体的に(そして多分電荷効
果によって)妨害する。
【0017】その代わりに、内因性受容体を結合しない
光学異性体を使用してもよい。
【0018】その他の代替法は、内因性受容体との結合
に関与する基の電荷または極性を変性することである。
例えば、カルボキシル基はエステルまたはアミドを生成
するように反応させることができ、アミノ基はアミド化
することができ、そして帯電した部位はメチル化するこ
とができる。
【0019】上記変性の一つまたは二以上のどれもが一
度に実施されることができるが、しかし一般に一時に一
つだけの変性をすることが好ましい。
【0020】チロキシンの場合、適当な出発物質はD−
チロキシンか、またはチロキシンカルボキシルもしくは
アミノ基とのアミド結合によりタンパクと共有結合した
チロキシンである。
【0021】本発明で使用する選択結合リガンド類縁体
を製造するための出発物質は前述した欧州特許出願およ
びそれに引用されている参考文献に開示されていること
を述べた。しかしながら本発明ではそのような出発物質
をそのまま使用するのではなく、あらかじめ不溶化する
かまたは分析操作の一部として不溶化しなければならな
い。このようなリガンド類縁体を不溶化することによ
り、サンプル中の内因性受容体が該リガンド類縁体と結
合しないことを確実にすることが可能になる。このよう
なリガンド類縁体の高い選択結合能力は前述の欧州特許
出願の方法では達成不可能であった。
【0022】一旦適当な非結合性変性リガンドが発見さ
れたならば、サンプルリガンドと企図したリガンド類縁
体の両方を結合し得るテスト受容体を得なければならな
い。
【0023】タンパクを不溶化する技術は広く普及して
おり、そしてイムノアッセイ技術においては普通の使用
であるため、水溶性タンパク置換リガンドを水不溶性選
択結合リガンド類縁体を製造するための出発物質として
使用するのに好ましい。リガンド類縁体のタンパク成分
は、アッセイの操作の間標識したリガンド受容体とのイ
ンキュベーションの前または後で不溶性化することがで
きるが、リガンド置換タンパクをアッセイ実施前に不溶
性化することが好ましい。これは、好ましくはそれを公
知方法に従ってポリオレフィン試験管内壁へ吸着させる
だけを含む、種々の方法によって達成することができ
る。タンパクはその代わりにグルタルアルデヒドのよう
な試薬で架橋し、そして試験管壁へ吸着させることがで
きる。
【0024】リガンド置換タンパクは、アッセイ操作後
ポリエチレングリコールの存在下抗タンパクによる免疫
沈澱によって不溶性化することができる。
【0025】その代わりに、リガンドは内因性受容体と
の結合に重要であることがあらかじめ判明している基を
通じ、不溶性基質へ直接共有結合させることができる。
適当な手法はアフィニティークロマトグラフィー技術か
ら良く知られている。
【0026】タンパク置換リガンドは、それらは当該テ
ストにおいて受容体として作用する抗体をつくるための
免疫原としても使用できるので好ましい。タンパク置換
リガンドは、治療および診断技術における抗血清製造の
慣用操作に使用するための免疫原として一般に良く知ら
れている。それらの合成および使用は通常の当業者の伎
倆範囲内である。しかしながら、内因性受容体と少しし
かもしくは全く結合しないタンパク置換リガンドのみが
本発明において使用価値があることが明らかでなければ
ならない。
【0027】リガンドはタンパクへ結合すること以外の
方法で変性することができる。そのような場合、テスト
受容体(抗体)は、前に引用した欧州特許出願中に示さ
れた態様で、すなわち選択結合リガンド類縁体と少なく
とも構造的に同族である免疫原に対する抗血清を産生さ
せることによって製造することができる。
【0028】抗リガンド抗体は好ましくは採取した血清
から精製される。これは慣用であり、そして免疫グロブ
リンを分離するためエタノールもしくはポリエチレング
リコールによる沈澱と、続いて不溶性選択結合リガンド
類縁体上のアフィニティクロマトグラフィーのような手
法を一般に伴うであろう。その代わりに、該抗体を生産
するクローンの細胞からハイブリドーマを製造すること
ができる。該抗体は1011リットル/モルのオーダーの
平衡定数を持っていなければならない。
【0029】次に精製した抗体は、酵素、螢光基、化学
発光基、または放射性原子のような検出できる基で標識
することができる。しかしながら、抗リガンド抗体を生
成させた動物種の血清に対する第2の抗血清もしくは抗
体を標識することが好ましい。この標識した第2の抗血
清は、それを任意の遊離リガンドアッセイに使用できる
点で万能トレーサー試薬である。そのような試薬は、抗
体と、不溶性受容体と既に結合している小分子リガンド
とは有効に結合できないので、英国特許出願第2,03
0,290号の方法には使用できなかったであろう。同
じ理由により、そのような試薬は、開示されているリガ
ンド類縁体の大部分が小分子であるので、欧州特許出願
第0026103号の方法において普遍的に使用できな
かった。開示されたタンパク置換リガンドに関してさえ
も、置換の部位はリガンドに応じて変わり、そのため一
種の抗血清を普遍的に使用できなかった。
【0030】アッセイに使用される抗リガンド抗体の量
は、定量すべきサンプル中に予期される遊離リガンド
と、不溶性選択結合リガンド類縁体としてのリガンドの
見掛け濃度との合計よりも少なくなければならない。こ
れは、もっとも満足な用量反応曲線が得られるまで、抗
リガンド抗体の種々の希釈液を使用して既知遊離リガン
ド濃度の広範囲を有するテストサンプルのパネルをアッ
セイすることにより、最善に決定される。
【0031】選択結合リガンド類縁体の量、標識した受
容体の能力および親和力、インキュベーションの温度お
よび時間、それにこの方法の他のパラメーターはケース
毎にこの技術で慣用のルーチンな実験によって決定すべ
きである。簡単にいえば、これはテストサンプル中に予
期される遊離リガンド濃度範囲にわたって適当な用量反
応曲線が得られるまで、パラメーターを調節することを
伴う。
【0032】ケース毎にアッセイを最適化するのに要す
る仕事量は、以下の式に従っていくつかのパラメータの
事前推計を実施することによって減らすことができる。
【0033】
【数1】
【0034】式中〔fH〕=平衡(平衡透析によって決
定できるような)時の遊離リガンド濃度 〔R*〕=標識受容体の濃度 S=(不溶性リガンド類縁体の見掛け濃度)/(標識受
容体の濃度) KR =受容体結合部位の平衡定数 b=不溶性選択結合リガンド類縁体と結合した標識抗体
の割合(分数)
【0035】用量反応曲線はこの式から決定できるが、
しかしこれは抗体結合部位の単一オーダーと、そして遊
離リガンドとそして不溶性リガンドに対し標識受容体の
同じ結合力を仮定している。特に後者は大部分の場合あ
り得ようもなく、そのため上の式は時間と実験を節約す
るガイドと考えるべきである。諸パラメーターは実験的
努力によって最適アッセイ成績のために最適化されなけ
ればならないであろう。
【0036】実施例1 この実施例は代表的な遊離リガンドアッセイを記載す
る。定量される遊離リガンドはLーチロキシンである。
【0037】精製した標識抗チロキシン抗体の製造 それ自体公知の方法を使用して、Lーチロキシンメチル
エステルをカルボジイミドによってウシ血清アルブミン
へ結合した。免疫グロブリン分画抗血清を以下の操作に
よってDEAE(ジエチルアミノエチル)セルロースへ
の結合からの除外により、該免疫グロブリン分画へ精製
した。抗血清1mlを水3mlで希釈し、湿った水洗し
たDEAEセルロース8gへ加えた。37℃で1時間イ
ンキュベーション後、上清液をロ過によって除去し、1
0mMリン酸緩衝液pH8.0の5mlづつによるDE
AEセルロースの4洗液の上清と合した。合併した上清
は圧力限外ロ過によって最終濃度8mg/mlへ濃縮し
た。
【0038】精製用および粗製抗体のヨード化用アフィ
ニティーカラムは以下のように調製した。洗浄し、パッ
クしたアミノ誘導体化セファローズ(AHーセファロー
ス4B;ファルマシア、スウェーデン国ウプサラ)10
mlを、あらかじめチロキシン遊離酸52mgを加えた
50%水性ジメチルホルムアミド(50%DMF)10
mlへ加えた。希HClを加えてpHを4.5へ調節し
た。これへ、あらかじめ1−エチル−3−(3−ジエチ
ルアミノ)プロピルカルボジイミド500mgを加えた
水3mlを5分間にわたり滴下した。室温で20時間振
とう後、誘導体化セファロースを50%DMFおよび水
の十分な量で洗い、最後に25mMリン酸緩衝液pH
7.4中に懸濁した。
【0039】抗チロキシン抗体の精製およびヨード化は
以下のように実施した。パックしたチロキシン誘導体化
セファロース2mlへ25mMリン酸緩衝化食塩水(p
H7.4)4mlと、精製したウサギ免疫グロブリン含
有抗チロキシン200μlを加えた。混合物を室温で4
8時間振とうし、10mMリン酸緩衝液pH7.4の1
2mlづつで2回洗った。セファロース1mlを後で使
用するため残した。2.0mlの0.5mMリン酸緩衝
液pH7.4を湿ったゲルの他の1mlへ加え、そして
水酸化ナトリウム10μl中の 125I(アマーシャム
社、英国)1μCiを加えた。次に新しいクロラミンT7
ml/ml水溶液40mlを加えた。室温で60秒混合
した後、新しいメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液80μl
を加えた。ヨード化したゲルをガラスカラムに充填した
ビオゲルP2(ビオラッド社、カリフォルニア州リッチ
モンド)3mlのトップへ加えた。別に取っておいたヨ
ード化していないゲル1mlも同様にカラム中に入れ
た。両方のカラムを同じ手法を使用して溶離した。カラ
ムを25mlの10mMリン酸緩衝液pH7.4と、次
に20mlの0.1Mクエン酸二ナトリウムで洗った。
0.1Mクエン酸二ナトリウム(50ml)と0.1M
塩酸(50ml)との比例混液よりなる濃度勾配液10
0mlを加えた。分画は0.5Mリン酸緩衝液pH7.
4中へ直接集めた。ヨード化したゲルカラムに関して
は、pH2.5および1.5の間で溶離する分画がピー
ク放射能を含有し、そしてプールした。放射標識しない
抗体からの分画の分析は平衡会合定数3.0×1011
-1を有する高い特異性抗体を示した。放射標識した抗体
の比活性は2.85×107 mCi/mモルであった。
【0040】不溶性選択結合チロキシンリガンド類縁体の製造 L−チロキシン1.0gをジメチルスルホキシド20m
lに溶解し、これへN−メチルモルホリン2当量を加え
た。ジスクシンイミジルスベレート(DSS,ピアース
・ケミカル・カンパニー,ニュージャージー州)をこの
溶液へ加え、そして混合物を室温で30分間混合した。
この溶液を水酸化ナトリウム溶液の添加によってpHを
10.0へ調節した50%DMF400mlに溶かした
ウシ血清アルブミン(BSA)2gの溶液へ加えた。こ
の混合物を室温で2時間かきまぜ、そしてpHを水酸化
ナトリウム溶液の滴下によって10.0に保った。次に
溶液を50%DMF2lに対し2回4℃で48時間透析
し、次に0.1mM水酸化ナトリウム溶液6lに対し4
℃で一夜、そして最後に水6lで8時間間隔で5回4℃
で透析した。生成する透析物は凍結乾燥した。
【0041】セファデックスG100(ファルマシア、
スウェーデン国ウプサラ)を25mMリン酸緩衝液pH
7.4中に平衡化し、ガラスカラム中に注ぎ、PHOS
中の1%BSA溶液200mlで洗い、そして最後にそ
れ以上タンパクが溶離しなくなるまでPHOSで洗っ
た。L−チロキシン−DSS−BSA複合体10mgを
PHOS1mlに溶かし、PHOSで溶離した。4つの
タンパクピークが観察された。溶離する最後のピークを
プールし、そして凍結乾燥によって濃縮した。この物質
の一部のヨード化はクロラミンT法によって実施され、
そして前もって甲状腺ホルモンを除去するため活性炭で
処理した血清中の血清タンパクへ結合しないことが見出
された。この物質は、標準の第2抗体分離ラジオイムノ
アッセイ法によって示されるように精製した抗チロキシ
ン抗体から 125I−チロキシンを置換しない。
【0042】固相抗原はL−チロキシン−DSS−BS
A複合体から以下のようにして製造された。セファロー
ス4B(ファルマシア、スウェーデン)をCuatrecasas
の方法Cuatrecasas, P., J. Bio. Chem., 245,30
59(1970))によって臭化シアンで活性化した。
活性化したセファロース1mlへ0.1Mリン酸緩衝液
pH6.5の10mlに溶かした凍結乾燥L−チロキシ
ン−DSS−BSA0.1mgを加えた。室温で16時
間反応後、セファロースへ結合したL−チロキシン−D
SS−BSA複合体を50%DMFおよび水でよく洗
い、そして最後に25mMリン酸緩衝液pH7.4の1
0mlへ再懸濁した。
【0043】セファロースへ結合した複合体の逓倍希釈
は25mMリン酸緩衝液pH7.5中の未反応セファロ
ースの10v/v%懸濁液を用いて行われた。このアッ
セイ系は以下の手法を用いて最適化された。セファロー
ス/セファロース複合体100μl,活性炭処理ヒト血
清50μl,および900μlの25mMリン酸緩衝液
pH7.4中の 125I−抗チロキシン抗体150,000cpmを
混合した。この混合物を37℃で4時間振とうしながらイ
ンキュベートした。インキュベーション後、セファロー
スを遠心により沈降させ、上清を捨て、次に25mMリ
ン酸緩衝液を加えた。ボルテックス混合後、セファロー
スを再沈降させ、上清を除去し、固相中の放射能を測定
した。固相へ接合した放射能約60,000を得た。セファロ
ース希釈液, 典型的には1:100,000 を選択した。既に
平衡透析法で測定された遊離T4値を有するヒト血清サ
ンプルを上のセファロース組成物希釈液を使用して最適
化されたアッセイ系においてアッセイした。本発明方法
と平衡透析との間に満足な相関関係が観察された。
【0044】実施例2 この実施例においては、不溶性選択結合リガンド類縁体
は、セファロース複合体の代わりに被覆されたプラスチ
ック試験管である。 実施例1からの精製したL−チロ
キシン−DSS−BSAは北川および金丸の方法(北
川、金丸,EnzymeLabelled Immunoassay ofHormones an
d Drugs, W. de Gruyter, New York, Berlin, 1978, p
age 59 )の変法によって正常マウスイムノグロブリン
へ結合された。実施例1からの純L−チロキシン−DS
S−BSA1mgを5mlの50mMリン酸緩衝液pH
7.0へ溶かした。これへm−マレイミドベンゾイルN
−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS,ピアー
ス・ケミカル・カンパニー)のテトラヒドロフラン中1
0mg/ml溶液75μlを加えた。室温で30時間反
応後、混合物をセファデックスG10カラムを通過さ
せ、50mMリン酸緩衝液で溶離した。溶離する最初の
タンパク分画を採取し、プールし、そして真空脱気し、
そして窒素で平衡化した。実施例1のDEAE法によっ
て正常マウス血清から製造した正常マウスイムノグロブ
リンG2.0mgを、ジチオスレイトール(DTT,ア
ルドリッチ・ケミカル・カンパニー)0.5mgを含有
する、脱気しそして窒素平衡化した200mMTRIS・HC
l緩衝液pH8.6中の8M尿素2mlに溶かした。こ
の混合物を窒素中で室温で2時間かきまぜた。インキュ
ベーション後、混合物をDTTを除去するためセファデ
ックスG100カラムを通し、脱気しそして窒素で平衡
化した200mMTRIS・HClで平衡化し、溶離した。タ
ンパク性のボイドボリューム分画をプールした。MBS
活性化抗原溶液を尿素中8Mとし、そして次に還元した
IgG溶液と混合し、室温で窒素中2時間かきまぜた。
得られる溶液を毎回6lの25mMリン酸緩衝液pH
7.4で12時間4回透析した。透析物を限外ロ過によ
り最終容積2.0mlへ濃縮した。
【0045】この溶液1mlをリン酸緩衝液で10倍逓
倍希釈し、希釈液1mlをポリプロピレン12×75m
m試験管へ加えた。12時間静置後、試験管を吸引乾燥
し、14μg/ml正常マウス抗体溶液1.0mlをす
べての試験管へ加えた。2時間静置後、試験管を吸引
し、リン酸緩衝液で洗い、乾燥した。逓倍希釈したL−
チロキシン−DSS−BSA複合体を含有する被覆試験
管のめいめいへ、活性炭処理ヒト血清50μlと、実施
例1で製造した 125I標識抗チロキシンIgG(150,00
0cpm)とを加えた。
【0046】37℃で4時間インキュベーション後、溶
液を吸引し、試験管へ結合した放射能を測定した。 125
I抗チロキシン抗体の150,000cpmの約40%を被覆時結
合した複合体希釈液を選び、上の方法で十分な数の試験
管をこの希釈液で被覆した。これら試験管を使用し、上
と同じ方法でヒト血清遊離チロキシン標準液と、次に
125I抗チロキシンを添加することによって、標準曲線
が得られた。
【0047】実施例1と同じく、遊離チロキシン濃度増
加とともに、トレーサー結合の満足な抑制曲線が観察さ
れた。既知遊離チロキシン濃度のヒトサンプルを測定す
るためこの標準曲線の使用は、既知方法との良い相関関
係を与えた。
【0048】実施例3 この実施例は実施例2と似ているが、しかし万能な第2
の抗体、すなわち前の実施例で製造された抗チロキシン
抗体に特異的な種によって発生する放射能が供給され
る。
【0049】この実施例のトレーサーは 125I標識ヤギ
抗ウサギIgG抗体である。これは以下の方法で製造さ
れた。実施例1からの精製したウサギIgG10μgを
Cuatrecassas(前出Cuarecassas,P.)の方法を使用して
臭化シアン活性化セファロース4B1gを加えた。反応
生成物を10mlの25mMリン酸緩衝液pH7.4へ
懸濁した。標準的方法によってヤギから引き出したヤギ
抗ウサギIgG抗血清100μlを反応生成物懸濁液へ
加えた。72時間インキュベート後、ヤギ抗ウサギIg
G抗血清をヨード化し、実施例1に記載した抗チロキシ
ンと同じ方法で精製した。
【0050】このトレーサーを使用するアッセイは以下
のように構成した。最適LーチロキシンーDSSーBS
AーIgG希釈液(実施例2)で被覆した被覆試験管
へ、活性炭処理したヒト血清50μlと、そして25m
Mリン酸緩衝液中の、実施例1と同様に精製した非標識
特異抗チロキシン抗体の種々の希釈液900μlを加え
た。試験管を32℃で4時間平衡化させた後、溶液を吸
引によって除去した。リン酸緩衝液中 125Iヤギ抗ウサ
ギIgG500,000cpmを加えた。37℃で2時間インキュベ
ーション後、液体を吸引し、そして固相へ結合した放射
能を測定した。ヤギ抗ウサギIgG放射能の10%結合
を与えた非標識特異抗チロキシン抗体希釈液を検索し
た。
【0051】活性炭処理ヒト血清を遊離チロキシン濃度
既知の正常ヒト血清標準液で置換することにより、遊離
ホルモン濃度が増加するにつれてヤギ 125I抗ウサギI
gGの結合が減少した標準曲線が得られた。患者のサン
プルを測定するために使用した時、この方法は再び遊離
チロキシン測定のための証明された参照方法とよく相関
した。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離リガンドと遊離リガンドに対する内因
    性受容体を含んでいるテストサンプル中の遊離リガンド
    の定量に使用する組成物であって、 実質上水不溶性基質へ、または実質上水不溶性基質上に
    物理的に吸着された水溶性物質へ共有結合された前記リ
    ガンドよりなり、該リガンドはテストサンプル中に存在
    する前記内因性受容体が前記リガンドへ結合することを
    実質上排除するように前記水不溶性基質または前記水溶
    性物質へ結合されていることを特徴とする前記組成物。
  2. 【請求項2】前記水溶性物質はタンパクである請求項1
    の組成物。
  3. 【請求項3】リガンドはホルモンまたは薬物である請求
    項1の組成物。
  4. 【請求項4】ホルモンはチロキシンである請求項3の組
    成物。
  5. 【請求項5】実質上水不溶性基質はポリオレフィン表面
    である請求項1の組成物。
  6. 【請求項6】試験管内壁へ吸着された水溶性タンパクへ
    チロキシンのカルボキシル基またはアミノ基で共有結合
    したチロキシンよりなる請求項4の組成物。
  7. 【請求項7】前記タンパクはグルタルアルデヒドで架橋
    されている請求項6の組成物。
  8. 【請求項8】前記タンパクはウシ血清アルブミンである
    請求項2,6または7の組成物。
  9. 【請求項9】チロキシン/ジスクシンイミジルスベレー
    ト/ウシ血清アルブミンよりなる請求項8の組成物。
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