JPH06313498A - 都市ガスの液化気化装置およびその運転方法 - Google Patents

都市ガスの液化気化装置およびその運転方法

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JPH06313498A
JPH06313498A JP10143693A JP10143693A JPH06313498A JP H06313498 A JPH06313498 A JP H06313498A JP 10143693 A JP10143693 A JP 10143693A JP 10143693 A JP10143693 A JP 10143693A JP H06313498 A JPH06313498 A JP H06313498A
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喜徳 久角
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善弘 山崎
Yutaka Ito
裕 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1つの蓄冷容器で都市ガスの液化と気化とを
効率的に行い、安定運転と保全作業の簡略化を図る。 【構成】 幹線管路1から中圧A管路4に供給される都
市ガスは、需要の少ないときに液化されてLNGタンク
10に貯蔵され、需要の多いときに気化されて平滑化さ
れる。都市ガスの気化時には液化気化用熱交換器20内
で、伝熱管21から冷熱を取出し、蓄冷容器30内の蓄
冷剤44に潜熱および顕熱の形で蓄える。都市ガスを液
化させるときには、蓄えられた冷熱を伝熱管81,8
2,83から伝熱管21に供給し、冷却して液化した都
市ガスをLNGタンク10で貯蔵する。蓄冷容器30内
では、蓄冷剤44の上下方向の温度分布を利用して、温
度レベルに応じた蓄冷剤44の貯蔵と供給とを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ガスの供給のため
の設備を平滑化して稼働させるための都市ガスの液化気
化装置およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、都市ガスの日間需要変動が大
きいことが知られている。需要のピークは、午後5時〜
午後9時の時間帯であり、一般家庭での風呂炊きや炊事
などに多くの都市ガスが使用される。深夜では都市ガス
の使用量は少ない。このため、需要の少ない深夜など
に、都市ガスをガスホルダに貯留しておき、都市ガスの
需要が大きいときにガスホルダから都市ガスを払出すこ
とによって、ガス製造設備および輸送用導管の稼働状況
を平滑化することができる。
【0003】ガスホルダは気体の状態で都市ガスを貯留
するので、大容量の設備を要する。このため、都市ガス
を再液化して小さな容積で貯蔵可能にする技術が提案さ
れている。さらにエネルギの有効利用を図って、都市ガ
スの液化の際に必要な冷熱を、都市ガスの気化の際に回
収し、蓄冷剤に貯蔵しておくことが考えられている。本
件出願人も、特願平2−32738(特開平3−236
589)、特願平4−73824、特願平5−1189
5などで、蓄冷剤を貯留する蓄冷容器内に伝熱管を設置
して直接熱交換する方式を提案し、特願平5−1188
2などで温度レベルの異なる蓄冷剤を複数の容器に貯蔵
し、その顕熱を外部の熱交換器で利用する方式を提案し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】都市ガスを気体の状態
で貯留するガスホルダは、前述のように大容量の設備を
要するという問題がある。都市ガスを蓄冷剤を利用して
再液化するために提案している技術においても、種々の
解決すべき課題がある。たとえば蓄冷容器内に伝熱管を
設置する方式では、設備を大容量にするときに、伝熱管
の配置、蓄冷剤の分散管の配置、設備点検時の蓄冷剤の
抜出し充填処理などの設計、運転および保全面で解決す
べき課題がある。温度レベルの異なる蓄冷剤を複数の容
器に貯蔵し、その顕熱を利用する方式では、外部に設け
るプレートフィン式熱交換器で都市ガスと蓄冷剤とを熱
交換するので、設計、運転および保全面での課題は解決
するけれども、蓄冷剤は顕熱しか利用されず、潜熱の有
効利用ができない。また蓄冷容器は、複数基が必要であ
るか、1基であれば複雑な仕切構造を設ける必要があ
る。
【0005】本発明の目的は、構造が簡単で、安定運転
と保全作業の簡略化が可能な都市ガスの液化気化装置お
よびその運転方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、都市ガスの需
要が少ないときには蓄冷剤の冷熱を利用することによっ
て都市ガスを液化させて貯蔵し、都市ガスの需要が多い
ときには都市ガスの気化によって蓄冷剤を冷却する都市
ガスの液化気化装置において、複数の温度レベルの蓄冷
剤を抽出および混合可能で、蓄冷剤と都市ガスとの間で
熱交換する熱交換器と、鉛直方向に間隔をあけて複数の
出入りノズルが設けられ、蓄冷剤を貯蔵する蓄冷容器
と、複数の温度レベル毎に設けられ、各温度レベルの蓄
冷剤を、熱交換器と蓄冷容器のその温度レベルに対応す
る出入りノズルとの間で循環させる複数の循環ポンプと
を含むことを特徴とする都市ガスの液化気化装置であ
る。
【0007】また本発明は、前記温度レベルのうち最低
の温度レベルの循環ポンプに吸入される蓄冷剤と、吐出
される蓄冷剤との間で、熱交換を行う再生器を含むこと
を特徴とする。
【0008】また本発明の前記蓄冷容器には前記温度レ
ベルの数よりも多くの出入りノズルが設けられ、蓄冷剤
の上下方向温度分布に従って出入りノズルと各循環ポン
プとの間を選択的に切換える複数の選択手段が含まれる
ことを特徴とする。
【0009】また本発明の前記蓄冷容器には、蓄冷剤が
ノズルから噴出あるいは吸引されるときの上下方向への
拡散あるいは吸引を防ぐため各温度レベルの蓄冷剤間を
仕切る複数の間仕切板が備えられることを特徴とする。
【0010】また本発明の前記各出入りノズルは、蓄冷
容器内で蓄冷剤を水平方向にのみ噴出または吸引させる
ように形成されていることを特徴とする。
【0011】また本発明は、都市ガスの需要が少ないと
きには蓄冷剤の冷熱を利用することによって都市ガスを
液化させて貯蔵し、都市ガスの需要が多いときには都市
ガスの気化によって蓄冷剤を冷却する都市ガスの液化気
化装置の運転方法において、1つの蓄冷容器を、蓄冷剤
の上下方向の温度分布を利用して、複数の温度レベルの
蓄冷剤を抽出および補充可能に構成し、プレートフィン
式熱交換器で都市ガスと蓄冷剤との熱交換を行う際に、
都市ガスのエンタルピ/温度特性に応じて各温度レベル
の蓄冷剤を蓄冷容器から抽出してプレートフィン式熱交
換器に補充し、熱交換後の蓄冷剤を、蓄冷容器内に、対
応する温度レベルの蓄冷剤として補充するように循環さ
せることを特徴とする都市ガスの液化気化装置の運転方
法である。
【0012】
【作用】本発明に従えば、熱交換器では、複数の温度レ
ベルの蓄冷剤を抽出および混合可能である。蓄冷容器に
は、鉛直方向に間隔をあけて複数の出入りノズルが設け
られる。蓄冷容器に貯留される蓄冷剤は、低温になるほ
ど比重が大きくなるので、上下方向に温度分布が生じ
る。出入りノズルを選択することによって、蓄冷剤の温
度レベルを選択することができる。各温度レベルの蓄冷
剤は、熱交換器と蓄冷容器の出入りノズルとの間で、複
数の循環ポンプによって循環される。熱交換器で抽出お
よび混合される蓄冷剤の温度レベルを、熱交換の相手方
である都市ガスの液化および気化特性に合わせて調整す
ることによって、都市ガスの液化時に必要になる冷熱を
都市ガスの気化時に回収して、蓄冷容器内に貯蔵するこ
とができる。
【0013】また本発明に従えば、最低の温度レベルの
蓄冷剤の循環ポンプの吸入側と吐出側との間には再生器
が用いられて熱交換を行う。低温の蓄冷剤は粘度が大き
く、循環ポンプの負荷が大きくなるけれども、循環ポン
プからの発熱によって加熱された吐出側の蓄冷剤からの
熱によって加温し、負荷を軽減することができる。また
循環ポンプから吐出される蓄冷剤は、吸入側の蓄冷剤に
よって冷却されるので、循環ポンプによって加温される
温度を再び低下させることができる。これによって熱交
換器に供給する最低の温度レベルの蓄冷剤の温度を低温
にし、都市ガスの液化を充分に行うことができる。
【0014】また本発明に従えば、蓄冷容器内の温度分
布に従って、多くの出入りノズルのうちから循環ポンプ
の温度レベルに合わせて出入りノズルを選択することが
できる。これによって、都市ガスの液化時と気化時によ
って異なる温度分布に対応して、蓄冷容器内を有効に利
用することができる。
【0015】また本発明に従えば、蓄冷容器内の蓄冷剤
は、複数の間仕切板によって仕切られる。各間仕切板に
よって仕切られる蓄冷剤は、循環ポンプの温度レベルに
対応させ、都市ガスの液化と気化とに必要な蓄冷剤を効
率的に供給して貯留することができる。
【0016】また本発明に従えば、出入りノズルは蓄冷
容器内で蓄冷剤を水平方向にのみ噴出または吸引させる
ので、上下方向の温度分布を乱すことがなく、蓄冷剤の
温度分布を利用した蓄冷剤の温度レベルによる使い分け
を有効に行うことができる。
【0017】また本発明に従えば、1つの蓄冷容器から
複数の温度レベルの蓄冷剤を抽出することができる。抽
出された蓄冷剤は、プレートフィン式熱交換器に供給さ
れ、都市ガスを液化するときには都市ガスに冷熱を与え
るために使用され、都市ガスを気化するときには都市ガ
スから冷熱を吸収するために使用される。冷熱の供給ま
たは吸収によって温度レベルの変化した蓄冷剤は、対応
する出入りノズルを介して蓄冷容器内に貯蔵することが
できる。このようにして、1つの蓄冷容器で複数の温度
レベルの蓄冷剤を効率的に貯蔵することができる。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の全体の系統図を
示す。幹線管路1には、たとえば10〜40kg/cm
2 の高圧力の都市ガスが供給される。都市ガスの主成分
は、天然ガスである。高圧の都市ガスは、ガバナ2によ
って降圧され、混合器3を経て中圧A管路4からさらに
需要者側に供給される。中圧A管路4では、たとえば7
kg/cm2の圧力に調整される。
【0019】都市ガスは、一般に、1日のうちで特に夕
方から夜にかけて需要がピークを迎え、深夜は需要は少
ない。ガス供給施設の能力を、全て需要のピークに合わ
せるのは不経済であるので、都市ガスを需要の少ないと
きに液化して貯蔵し、需要のピーク時には気化させて混
合器3から中圧A管路4に補充する。
【0020】都市ガスの最初の液化時には、都市ガスを
管路5、開閉弁6、操作弁7を経て管路8に流すため、
開閉弁6が開かれ、操作弁7によって流量が調整され
る。管路8の圧力が異常に上昇しないように安全弁9が
設けられる。管路8は、液化天然ガス(以下「LNG」
と略称する)タンク10の上部に接続される。LNGタ
ンク10の上部から供給された天然ガスを主成分とする
都市ガスは、ボイルオフガス(以下「BOG」と略称す
る)液化器11によって冷却され、液化してLNG12
として貯蔵される。BOG液化器11には、後述する冷
凍設備から低温窒素が供給され、BOG液化のための冷
却を行う。
【0021】LNGタンク10内に貯蔵されているLN
G12は、都市ガスの需要が増大したときに管路13、
操作弁15および開閉弁14を介して管路16に供給さ
れる。この管路16からは、LNGタンク10の上部に
接続される管路17が、操作弁19および開閉弁18を
介して分岐する。ただし開閉弁18は、LNGタンク1
0からLNG12が管路13に供給されるときには閉じ
られている。このときのLNGは、液化気化用熱交換器
20内に設けられる伝熱管21を介して管路22に流れ
る。伝熱管21内で液化天然ガスを主成分とする都市ガ
スは蓄冷剤に冷熱を奪われて気化する。管路22の圧力
上昇防止用に、安全弁23が設けられる。さらに流量計
24、操作弁26および開閉弁25を介して混合器3で
ガバナ2からの都市ガスと混合され、中圧A管路4に供
給される。
【0022】前述の開閉弁18は、液化気化用熱交換器
20を介して都市ガスの液化を行い、液化された都市ガ
スをLNGタンク10に貯蔵するときに開かれる。この
とき開閉弁14は閉じられ、高圧の幹線管路1から流量
計27、開閉弁24および操作弁28を介して管路22
に供給される都市ガスが、伝熱管21内で冷却されて液
化し、LNGタンク10内に貯蔵される。液化気化用熱
交換器20を使用して都市ガスの液化を行うときの冷熱
は、蓄冷容器30内に蓄冷剤の顕熱および潜熱として貯
蔵される。蓄冷容器30内には、下から上へ鉛直方向に
間隔をあけて複数の出入りノズル31〜41が設けられ
る。蓄冷容器30は、断熱材42によって形成され、そ
の内槽43内に蓄冷剤44が貯蔵される。蓄冷容器30
は、外槽45が大気に触れているけれども、断熱材42
を用いて、熱が伝達されるのを最小限に抑えて保冷して
いる。蓄冷剤44は、たとえばエタノールとメタノール
とを、55:45の重量比で混合して用いる。このよう
な蓄冷剤44は、温度によって密度が異なり、上方が比
較的高温であり、下方が比較的低温の温度分布を有する
ようになる。
【0023】最低温の温度の蓄冷剤に対して吸込みまた
は噴出可能な出入りノズル31は、管路46を介して再
生器47の伝熱管48に接続される。伝熱管48は循環
ポンプP1、操作弁49を介して再生器47内のもう1
つの伝熱管50に接続される。再生器47内では、伝熱
管48と伝熱管50との間で熱交換が行われる。低温の
蓄冷剤は粘度が大きく、循環ポンプP1の負荷が大きく
なる。また循環ポンプP1の作動によって蓄冷剤の温度
が上昇する。再生器47においては、循環ポンプP1に
吸引する蓄冷剤の温度を上昇させて吐出する蓄冷剤の温
度を低下させるための熱交換を行う。
【0024】出入りノズル32〜36は、選択弁51〜
55をそれぞれ介して管路56に接続される。管路56
からは循環ポンプP2および操作弁57を介して蓄冷剤
が取出され、また開閉弁58を介して蓄冷剤が戻され
る。このような蓄冷剤の取出しまたは戻しは、管路59
を介して行われる。最低温の蓄冷剤は、開閉弁60を介
して管路46に戻される。
【0025】出入りノズル37〜40は、選択弁61〜
64をそれぞれ介して管路65に接続される。管路65
は循環ポンプP3および操作弁66を介して蓄冷剤を取
出し、または開閉弁67を介して蓄冷剤を戻す。蓄冷剤
の取出しまたは戻しは、管路68を介して行われる。最
上段の出入りノズル41は、管路69に接続される。管
路69からは、循環ポンプP4および操作弁70を介し
て蓄冷剤が取出され、開閉弁71を介して蓄冷剤が戻さ
れる。蓄冷剤の取出しまたは戻しは、管路72を介して
行われる。
【0026】最低温の蓄冷剤の取出しまたは戻しは、流
量計73および管路74を介して行われる。2番目に低
温の蓄冷剤取出しおよび戻しのための管路59は、流量
計75を介して管路76に接続される。3番目に低温の
蓄冷剤の取出しおよび戻しのための管路68は、流量計
77を介して管路78に接続される。最高温の蓄冷剤の
取出しおよび戻しのための管路72は、流量計79を介
して管路80に接続される。管路74は、液化気化用熱
交換器20内に設けられる3分割化された伝熱管81,
82,83のうちの1つの伝熱管81の一端に接続され
る。伝熱管81と伝熱管82との接続部に、管路76が
接続される。伝熱管82と伝熱管83の接続部に、管路
78が接続される。伝熱管83の一端には管路80が接
続される。
【0027】液化気化用熱交換器20は、プレートフィ
ン式熱交換器によって形成され、前述の伝熱管21,8
1,82,83の他に、伝熱管84と伝熱管85とがさ
らに形成される。伝熱管84には、管路86から圧縮さ
れた窒素ガスが供給され、予冷が行われる。予冷気れた
窒素ガスは管路87から取出される。伝熱管85には、
管路88を介してBOG液化器11からの窒素ガスが供
給される。BOG液化器11内でBOGを液化するため
に使用された冷熱の残りが伝熱管85から取出される。
冷熱を失った窒素ガスは管路89に戻される。
【0028】窒素冷凍設備90は、たとえば最初に都市
ガスを液化するための冷却や、蓄冷容器30の断熱材4
2を介して行われる熱ロスを補充するために設けられ
る。窒素冷凍設備90は、窒素ガスの冷凍サイクルを行
うための圧縮機91を有する。圧縮機91は窒素ガスを
圧縮して高圧(約9kg/cm2 G)にし、冷却器92
に供給する。冷却器92では、圧縮の過程で温度上昇し
た窒素ガスを冷却し、前述の管路86に常温で高圧力の
窒素ガスを供給する。液化気化用熱交換器20で予冷さ
れた窒素ガスは、管路87から窒素冷凍設備90内の熱
交換器93の伝熱管94に導かれる。熱交換器93内に
は伝熱管95も設けられ、熱交換によって伝熱管94は
相対的に冷却され、伝熱管95は相対的に加温される。
伝熱管94内で冷却された窒素ガスは、コンパンダ96
によって膨張・冷却されBOG液化器11に供給され
る。伝熱管95で加温された窒素ガスは、コンパンダ9
6に軸結合された圧縮機97で昇圧され、圧縮機91で
さらに圧縮される。操作弁98は、窒素ガスの冷凍サイ
クルをバイパスさせるために設けられる。管路86の圧
力上昇防止のため、安全弁99が設けられる。
【0029】図2は、出入りノズル31の詳細な構造を
示す。他の出入りノズル32〜41についても同様であ
る。出入りノズル31は、断面が円形の管を環状にして
形成される。円形断面の赤道面付近には、内側に開口し
た吸込み・噴出ノズル31aと、外側に開口した吸込み
・噴出ノズル31bがそれぞれ多数形成される。これに
よって蓄冷剤の吸込みおよび噴出が、水平方向に静的に
行われ、上下方向への乱流効果を生じない。
【0030】図3は、都市ガスの液化と気化とに対する
エンタルピ/温度特性カーブの一例を示す。都市ガス液
化時の特性は曲線100aによって表され、都市ガス気
化時の特性は曲線100bによって表される。蓄冷容器
30から蓄冷剤44を抜出すための循環ポンプP1〜P
4の温度レベルは、都市ガスの液化気化の圧力の違いに
により決定される温度レベル毎に選択される。たとえば
7kg/cm2G送出、15kg/cm2G受入れの運転
条件で、この温度レベルは、10〜20℃、−45
〜−35℃、−105〜−95℃および−125〜
−115℃の4段階となる。伝熱管81,82,83の
温度は、101,102,103でそれぞれ示される。
前述のの温度レベルの蓄冷剤44を直接循環ポンプP
1で吸引すると、高粘度のためポンプ効率が悪化して、
安定して運転することができなくなるので、吸込み液と
吐出液とを熱交換させる再生器47が設けられる。
【0031】都市ガスを深夜液化させるためには、段
階の蓄冷剤循環ポンプP1を運転し、液化させる都市ガ
スのエンタルピ/温度特性カーブに応じ、液化気化用熱
交換器20の伝熱管81および伝熱管82の接続部、お
よび伝熱管82および伝熱管83の接続部にそれぞれ接
続される管路を抽液ラインとして、流量を調整しながら
各温度レベルの蓄冷剤を抜出す。管路74から供給され
る蓄冷剤は、液化させる都市ガスと、予冷用の管路84
に導入される常温の窒素ガスで加温され、管路80から
管路69を介して蓄冷容器30の上層部に戻される。ま
た抽液された蓄冷剤は、蓄冷容器30内の同じ温度レベ
ルであるノズルから蓄冷容器30内に戻される。
【0032】都市ガスを気化させるためには、段階か
ら段階までの蓄冷剤循環ポンプP2〜P4を同様の考
え方で運転し、液化気化用熱交換器20によって蓄冷剤
を冷却し、液状あるいはシャーベット状の蓄冷剤を管路
74から管路46を介して蓄冷容器30の下層部に戻
す。蓄冷剤をシャーベット状にまで過冷却することによ
って、蓄冷剤44の顕熱ばかりでなく潜熱も利用して冷
熱の貯蔵を行うことができる。
【0033】以上のように本実施例によれば、窒素冷凍
設備90の運転を最小限にして、効率的に都市ガスの液
化と気化とを行うことができる。蓄冷容器30を大容量
の仕様のものにし、LNGタンク10や液化気化用熱交
換器20および窒素冷凍設備90などをガス需要の伸び
に応じて増設すれば、効果的な投資が可能となる。ま
た、蓄冷容器30と液化気化用熱交換器20は別である
ので、安定運転と保全作業の簡略化が容易である。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、1つの蓄
冷容器内の蓄冷剤の温度分布を利用して、異なる温度レ
ベルの蓄冷剤を熱交換器との間で循環させ、都市ガスを
液化して貯蔵し、貯蔵された都市ガスを気化させて需要
に合わせて供給することができる。蓄冷容器と熱交換器
とを分離することができるので、安定運転と保全作業の
簡略化が可能である。
【0035】また本発明によれば、最低の温度レベルの
循環ポンプに吸入される蓄冷剤と吐出される蓄冷剤との
間で再生器によって熱交換を行うので、循環ポンプを安
定してまた所要電力を低減させて運転することができ
る。特に最低の温度レベルで蓄冷剤をシャーベット状で
用いても、循環ポンプの負担が大きくならないので、蓄
冷剤の潜熱も有効に利用することができる。
【0036】また本発明によれば、循環ポンプの温度レ
ベルに応じて蓄冷容器の出入りノズルを切換える。蓄冷
容器には温度レベルの数よりも多くの出入りノズルが設
けられるので、蓄冷剤の温度分布が変化しても、必要な
温度レベルの蓄冷剤を選択して循環させることができ
る。すなわち1つの蓄冷容器内を複数の温度レベルの蓄
冷剤貯蔵用に有効に使用することができる。
【0037】また本発明によれば、蓄冷容器内は、間仕
切板によって上下方向の蓄冷剤の混合撹拌を防止し、1
つの蓄冷容器で複数の温度レベルの蓄冷剤を効率的に貯
蔵することができる。
【0038】また本発明によれば、出入りノズルは蓄冷
剤を水平方向にのみ噴出または吸引させるように形成さ
れているので、蓄冷剤の上下方向の温度分布を安定に形
成することができる。
【0039】また本発明によれば、1つの蓄冷容器内を
蓄冷剤の温度分布を利用して複数の温度レベルの蓄冷剤
の貯蔵に使用することができる。各温度レベルの蓄冷剤
は、プレートフィン式熱交換器で都市ガスのエンタルピ
/温度特性に応じて使用される。すなわち、都市ガスの
需要が大きいときは、液体の状態で貯蔵されていた都市
ガスを気化させるときの冷熱を吸収した蓄冷剤を貯蔵
し、都市ガスの需要が少ないときに都市ガスを冷却して
液化させるために使用することが、効率的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の系統図である。
【図2】図1の実施例の出入りノズル31の断面図であ
る。
【図3】図1の実施例の運転条件を示すグラフである。
【符号の説明】
1 幹線管路 2 ガバナ 3 混合器 4 中圧A管路 10 LNGタンク 11 BOG液化器 12 LNG 20 液化気化用熱交換器 21,81〜85 伝熱管 30 蓄冷容器 31〜41 出入りノズル 47 再生器 48,50 伝熱管 51〜55,61〜64 選択弁 90 窒素冷凍設備 P1〜P4 循環ポンプ 100a 都市ガス液化特性 100b 都市ガス気化特性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 裕 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所内 (72)発明者 西村 博夫 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 都市ガスの需要が少ないときには蓄冷剤
    の冷熱を利用することによって都市ガスを液化させて貯
    蔵し、都市ガスの需要が多いときには都市ガスの気化に
    よって蓄冷剤を冷却する都市ガスの液化気化装置におい
    て、 複数の温度レベルの蓄冷剤を抽出および混合可能で、蓄
    冷剤と都市ガスとの間で熱交換する熱交換器と、 鉛直方向に間隔をあけて複数の出入りノズルが設けら
    れ、蓄冷剤を貯蔵する蓄冷容器と、 複数の温度レベル毎に設けられ、各温度レベルの蓄冷剤
    を、熱交換器と蓄冷容器のその温度レベルに対応する出
    入りノズルとの間で循環させる複数の循環ポンプとを含
    むことを特徴とする都市ガスの液化気化装置。
  2. 【請求項2】 前記温度レベルのうち最低の温度レベル
    の循環ポンプに吸入される蓄冷剤と、吐出される蓄冷剤
    との間で、熱交換を行う再生器を含むことを特徴とする
    請求項1記載の都市ガスの液化気化装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄冷容器には前記温度レベルの数よ
    りも多くの出入りノズルが設けられ、蓄冷剤の上下方向
    温度分布に従って出入りノズルと各循環ポンプとの間を
    選択的に切換える複数の選択手段が含まれることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の都市ガスの液化気
    化装置。
  4. 【請求項4】 前記蓄冷容器には、各温度レベルの蓄冷
    剤間を仕切る複数の間仕切板が備えられることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の都市ガスの液化気化
    装置。
  5. 【請求項5】 前記各出入りノズルは、蓄冷容器内で蓄
    冷剤を水平方向にのみ噴出または吸引させるように形成
    されていることを特徴とする請求項1〜請求項4までの
    いずれかに記載の都市ガスの液化気化装置。
  6. 【請求項6】 都市ガスの需要が少ないときには蓄冷剤
    の冷熱を利用することによって都市ガスを液化させて貯
    蔵し、都市ガスの需要が多いときには都市ガスの気化に
    よって蓄冷剤を冷却する都市ガスの液化気化装置の運転
    方法において、1つの蓄冷容器を、蓄冷剤の上下方向の
    温度分布を利用して、複数の温度レベルの蓄冷剤を抽出
    および補充可能に構成し、 プレートフィン式熱交換器で都市ガスと蓄冷剤との熱交
    換を行う際に、都市ガスのエンタルピ/温度特性に応じ
    て各温度レベルの蓄冷剤を蓄冷容器から抽出してプレー
    トフィン式熱交換器に補充し、熱交換後の蓄冷剤を、蓄
    冷容器内に、対応する温度レベルの蓄冷剤として補充す
    るように循環させることを特徴とする都市ガスの液化気
    化装置の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006501434A (ja) * 2002-09-30 2006-01-12 ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド モジュール式lngプロセス
CN111678282A (zh) * 2020-06-25 2020-09-18 余召 一种环保型冷冻取样液氮速冻装置

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