JPH06313318A - アンカ−頭部の定着構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 アンカ−頭部の定着角度を調整可能に構成す
ることによって、画一なブロック体を使用でき、ブロッ
ク体の製造コストを低減させると共に、施工性、定着性
能の向上を図ることができる、アンカ−頭部の定着構造
を提供する。 【構成】 斜面支圧用のブロック体４をアンカ−により
斜面に固定する際に、アンカ−の頭部をブロック体上部
に定着する構造において、地中に設置したアンカ−の引
張材２の基端部を貫通させる貫通孔を有するブロック体
４と、ブロック体貫通孔を貫通して露出する引張材基端
部を挿入して固定するための挿入孔を貫通させた凸曲面
１１を有するアンカ−ヘッド１と、ブロック体上部に装
着した、アンカ−ヘッドの凸曲面部を保持し、アンカ−
ヘッドを移動可能に設置する設置孔を開設したアンカ−
プレ−ト３とよりなる、アンカ−頭部の定着構造であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地中に設置したアンカ
−の頭部を斜面支圧用のブロック体上部に定着する定着
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】斜面の安定を図る方法の一つとして、斜
面支圧用の鉄筋コンクリ−ト製等のブロック体を、アン
カ−により斜面に固定する方法がある。この方法の場
合、ブロック体を固定するためのアンカ−は、ブロック
体上面に直角かつ水平線に対して所定の角度で設置する
必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、斜面の角度
は、現場によって、さらには斜面の部分的な場所によっ
て異なっている。そのため、ブロック体の上面を、それ
らの異なった斜角に合わせて作製したり、ブロック体上
面に角度調整用の台座を別途に設置する必要が出てく
る。しかし、これではコストが非常に高くなり、また多
少の角度の相違により定着性能が低下する等の問題が発
生する。

【０００４】

【本発明の目的】本発明は、上記のような問題点を解決
するためになされたもので、アンカ−頭部の定着角度を
調整可能に構成することによって、画一なブロック体を
使用でき、ブロック体の製造コストを低減させると共
に、施工性、定着性能の向上を図ることができる、アン
カ−頭部の定着構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、斜面支
圧用のブロック体をアンカ−により斜面に固定する際
に、アンカ−の頭部をブロック体上部に定着する構造に
おいて、地中に設置したアンカ−の引張材の基端部を貫
通させる貫通孔を有するブロック体と、前記ブロック体
貫通孔を貫通して露出する前記引張材基端部を挿入して
固定するための挿入孔を貫通させた凸曲面を有するアン
カ−ヘッドと、前記ブロック体上部に装着した、前記ア
ンカ−ヘッドの凸曲面部を保持し、アンカ−ヘッドを移
動可能に設置する設置孔を開設したアンカ−プレ−トと
よりなる、アンカ−頭部の定着構造である。

【０００６】

【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例について説明する。 ＜イ＞アンカ−ヘッド 図２〜４にアンカ−ヘッド１を示す。このアンカ−ヘッ
ド１は、外面に凸曲面１１を形成した鋼製部材であり、
引張材を挿入するための挿入孔１２を任意数貫通させて
ある。例えば、鋼球の対向する２か所に平面部１３、１
４を形成し、それらの平面部１３、１４に両端を開口し
た挿入孔１２を貫通させて作製する。また、一方の平面
部、例えは平面部１４の周縁部には、止水用ヘッドキャ
ップを装着するためのねじ部１５または／およびバイオ
ネットの切欠き部１６を刻設しておく。引張材２を固定
する場合は、図４に示すように、先ず平面部１３側より
挿入孔１２内に引張材２の基端部を挿入し、次に平面部
１４側よりくさび２１を挿入孔１２内に圧入することに
よって行う。

【０００７】＜ロ＞アンカ−プレ−ト アンカ−プレ−ト３は、図５、６に示すような円盤状な
どの鋼板である。このアンカ−プレ−ト３の中央部に
は、アンカ−ヘッド１の凸曲面１１を保持し、アンカ−
ヘッド１を移動可能に設置する設置孔３１を開設する。
この設置孔３１の上縁部３２の径は、図６に示すよう
に、アンカ−ヘッド１の凸曲面１１を保持できる寸法と
する。また、設置孔３１は、引張材が傾斜する側３３を
拡径しておき、引張材が設置孔３１内面に接触しないよ
う構成しておくと良い。

【０００８】＜ハ＞ブロック体 ブロック体４は、図１に示すように、鉄筋４１等を配筋
したコンクリ−ト製等のブロックである。このブロック
体４の中央部には、地中に設置したアンカ−の引張材２
の基端部を貫通させる貫通孔４２を開設する。この貫通
孔４２は、引張材２が傾斜する側４３を拡径しておき、
引張材２が貫通孔４２内面に接触しないよう構成してお
くと良い。そして、このブロック体４の上面に、アンカ
−プレ−ト３を埋め込むようにして装着する。この場
合、設置孔３１と貫通孔４２は合致するよう装着する。

【０００９】

【作用】図１に示すように、斜面に削孔したアンカ−孔
５内に、引張材２を挿入し、その先端部を定着する。次
に、引張材２の基端部を、斜面に仮置きしたブロック体
４の貫通孔４２、及びアンカ−プレ−ト３の設置孔３１
に貫通させる。さらに引張材２の基端部をアンカ−ヘッ
ド１の挿入孔１２に貫通させ、アンカ−ヘッド１の凸曲
面１１をアンカ−プレ−ト３の上縁部３２に保持させ
る。このとき、アンカ−ヘッド１は、その凸曲面１１と
設置孔２１の上縁部３２が線接触しているだけなので、
摩擦抵抗が少なく、自由に移動することができる。その
ため、引張材２の所定の設置角度に合わせて、アンカ−
ヘッド１の保持角度を調節することができる。そして、
ジャッキにより引張材２の基端部をグリップして緊張
し、アンカ−ヘッド１の挿入孔１２内にくさび２１を圧
入して引張材２を固定する。アンカ−ヘッド１のねじ部
１５等には、樹脂製等のヘッドキャップ５を螺合し、引
張材２が雨水等と接触するのを防止する。以上でアンカ
−頭部の定着を完了する。

【００１０】

【実施例２】図７、８に示すように、アンカ−プレ−ト
３の設置孔３１の上縁部３２に、複数の突起３４を、設
置孔３１の中心方向等に突出させる場合がある。この場
合、アンカ−ヘッドの凸曲面１１と突起３４とは点接触
であるため、両者の摩擦抵抗がさらに少なくなり、移動
を容易に行わせることができる。

【００１１】

【実施例３】図９〜１１に示すように、アンカ−プレ−
ト３の設置孔３１に、アンカ−ヘッド１の凸曲面１１と
係合する凹曲面状の係合面３５を形成する場合がある。
この場合、アンカ−ヘッドの凸曲面１１と係合面３５と
は面接触であるため摩擦抵抗は大きくなるが、アンカ−
ヘッド１の保持強度が高まるという利点を有している。
なお、引張材が傾斜する側３３の係合面３５の面積は小
さく形成し、引張材が係合面３５内面に接触しないよう
構成しておくと良い。また、係合面３５の内面に沿っ
て、シ−ルリング３６を設置しておいても良い。

【００１２】

【本発明の効果】本発明は、アンカ−頭部の定着角度を
調整可能に構成したものである。そのため、ブロック体
の底面を斜角に合わせて個々に異なった形状に作製した
り、ブロック体上面に別途の角度調整用台座を設置する
必要がなく、画一なブロック体を使用できる。従って、
ブロック体の製造コストを低減できると共に、施工性、
アンカ−の定着性能の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の定着構造によりアンカ−頭部を定着
した状態の説明図

【図２】 アンカ−ヘッドの平面図

【図３】 アンカ−ヘッドの側面図

【図４】 アンカ−ヘッドの断面図

【図５】 アンカ−プレ−トの平面図

【図６】 アンカ−プレ−ト平面図のＡ−Ａ断面図

【図７】 実施例２のアンカ−プレ−トの平面図

【図８】 実施例２のアンカ−プレ−ト平面図のＡ−Ａ
断面図

【図９】 実施例３のアンカ−プレ−トの平面図

【図10】 実施例３のアンカ−プレ−ト平面図のＡ−Ａ
断面図

【図11】 実施例３のアンカ−プレ−ト平面図のＢ−Ｂ
断面図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 斜面支圧用のブロック体をアンカ−によ
   り斜面に固定する際に、アンカ−の頭部をブロック体上
   部に定着する構造において、 地中に設置したアンカ−の引張材の基端部を貫通させる
   貫通孔を有するブロック体と、 前記ブロック体貫通孔を貫通して露出する前記引張材基
   端部を挿入して固定するための挿入孔を貫通させた凸曲
   面を有するアンカ−ヘッドと、 前記ブロック体上部に装着した、前記アンカ−ヘッドの
   凸曲面部を保持し、アンカ−ヘッドを移動可能に設置す
   る設置孔を開設したアンカ−プレ−トとよりなる、 アンカ−頭部の定着構造。