JPH06313179A - 電気粘性流体 - Google Patents

電気粘性流体

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JPH06313179A
JPH06313179A JP10399393A JP10399393A JPH06313179A JP H06313179 A JPH06313179 A JP H06313179A JP 10399393 A JP10399393 A JP 10399393A JP 10399393 A JP10399393 A JP 10399393A JP H06313179 A JPH06313179 A JP H06313179A
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JP
Japan
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particles
group
fluorine
carbon atoms
electrorheological
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Withdrawn
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JP10399393A
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English (en)
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Akio Inoue
昭夫 井上
Masanori Ikeda
池田  正紀
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I)で表されるフッ素基含有芳香族
化合物に誘電体粒子を分散させてなる電気粘性流体であ
る。 R−(O−Rf)n (I) 〔ここで、Rは炭素数6〜60個のn価の芳香族基、n
は1〜4の整数、Rfはフルオロカーボン基またはその
部分置換体、Rf中の炭素原子の数は1〜25でありか
つRf中のフッ素原子の数/炭素原子の数の比は0.6
以上である。なお、nが2以上の場合には、一般式
(I)で表される化合物は複数の種類のO−Rf基より
構成されていてもよい。〕 【効果】 誘電体粒子をフッ素基含有芳香族化合物に分
散させた本発明の電気粘性流体は粒子分散安定性、電気
粘性効果、潤滑性等に優れ、振動吸収、トルク伝達、サ
ーボ制御等のアクチュエーターとして利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘電体粒子を分散させた
電気粘性流体の媒体に関するものであり、本媒体を用い
た電気粘性流体は電気粘性効果、粒子分散安定性、潤滑
性等に優れ、振動吸収、トルク伝達、サーボ制御などの
アクチュエーターとして利用される。
【0002】
【従来の技術】電圧の印加により粘性が大きく瞬間的か
つ可逆的に変化する電気粘性流体は、1940年代より
シリカやでんぷんなどの含水微粒子を絶縁油に分散させ
たいわゆるWinslow流体(USP241785
0)としてよく知られている。その後、この流体の性能
を改良するため分散させる誘電体粒子の改良を中心に多
くの提案がなされてきた。例えば、含水微粒子として、
界面活性剤と水またはアミンを含んだシリカやアルミナ
粒子(USP3367872)、イオン交換樹脂粒子
(特開昭50−92278)やゼオライト粒子(特開平
2−3711)、水の代わりに有機電解質を含有させた
(特開平1−284595)、また水や電解質を含まな
い、いわゆる非含水粒子として、ポリキノリンやポリア
ニリンのような有機半導体粒子(GB217051
0)、表面に絶縁層を形成した導電体粒子(特開昭64
−6093)、液晶ポリマー粒子(Proceedin
gs the2nd Int’l Conf.on E
RF,231,1989)、ヒドラジン硫酸塩などの異
方導電性粒子(USP4772407)、ポリエーテル
化合物からなる粒子(EP32601A1)などが挙げ
られる。
【0003】このように、電気粘性流体に関しては、粒
子を中心に改良が検討されてきたが、分散媒体について
の改良は比較的行われていない。電気粘性流体の研究の
初期には分散媒体としてケロシン、トランス油、スピン
ドル油、カストル油、高級パラフィン等が使用されてき
たが、その後、シリコーン、塩化ビフェニル、フッ素系
油、ドデカセン、セバチン酸ブチル、フタル酸ジブチ
ル、芳香族脂肪酸高級アルキルエステル(特開昭50−
92278)、ハロゲン化芳香族化合物(特開昭60−
209242)、フッ素変性シリコーン(特開平1−1
98696)、ファスファゼン(特開平3−13959
9)等が検討されてきた。
【0004】中でも、シリコーンは電気的(抵抗値、絶
縁破壊強度、誘電率等)、熱的(高温・低温安定性、沸
点、凝固点、密度等)、化学的(耐酸化性、吸水性、溶
解性、引火性、反応性、腐食性、電気分解性、毒性、安
全衛生性等)、機械的(粘度、粘度指数、剪断速度特
性、潤滑性、耐磨耗性、圧縮性等)、経済的(コスト、
原料供給安定性等)にもバランスのとれた分散媒体とし
て最もよく使用されている。
【0005】ところで、粒子分散系の電気粘性流体にお
ける大きな問題の一つに、粒子の沈降分離と凝集固化が
あり、実用の障害となっている。この問題を解決するた
めに粒子と媒体の密度(一般に後者が低い)を近づける
目的で、中空体や多孔体にして密度を下げた粒子(特開
平1−172496)を使用する方法、臭素やフッ素等
の比重の高いハロゲン原子を含有する化合物からなる高
密度の分散媒体(特開昭60−209242)を使用す
る方法等が、また粒子間の静電気的反発力を利用する目
的で、荷電性の流体(特開昭62−95397)や超微
細粒子(特開平3−160094)を分散媒体中に添加
する方法等が提案されている。
【0006】電気粘性流体用の分散媒体として、上述の
ようにシリコーンは優れた性能を持っているが、シリコ
ーン類の密度は通常0.95〜1.0〔g/cm3 〕程
度であり、誘電体粒子に比べて一般に低い。そのため、
フッ素原子を含む置換基をシリコーン鎖に結合して密度
を高めた変性シリコーンを用いる方法(特開平1−19
8696)が考えられている。また、アミノ変性シリコ
ーンを通常のジメチルシリコーンに添加して粒子間に反
発力を持たせて粒子の凝集・沈降を抑制する方法(特開
昭62−95397)等も考えられている。しかし、前
者の方法ではフッ素の含有率に限界があり、密度をあま
り大きくすることが難しく、また高価なものになる。ま
た後者の方法では短期的には優れた性能を示すものの長
期的には安定な効果を持続しがたい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電気
的、熱的、化学的(安全衛生性含む)、機械的、経済的
にも優れ、変性シリコーン等に変わる高密度で粒子分散
安定性に優れた分散媒体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来、高密度で電気的、
熱的、化学的(安全衛生性含む)、機械的にも優れた絶
縁油としてはパーフルオロカーボン(例えば、クライト
ックス:デュポン社)、パーフルオロエーテル(例え
ば、フォンブリン:日本モンテエジソン社)等のフッ素
系油が挙げられるが、いずれも極めて高価であり、また
密度が高すぎて流動抵抗が高くなりすぎる嫌いがある。
本発明者らは電気粘性流体の媒体として優れた上記の特
性をもつフッ素系媒体に着目し、フッ素原子を含有する
分子鎖を適度に結合した各種の絶縁製油を合成し、鋭意
検討した結果、本発明に到達したものである。
【0009】即ち、本発明は、一般式(I)で表される
フッ素基含有芳香族化合物に誘電体粒子を分散させてな
る電気粘性流体である。 R−(O−Rf)n (I) 〔ここで、Rは炭素数6〜60個のn価の芳香族基、n
は1〜4の整数、Rfはフルオロカーボン基またはその
部分置換体、Rf中の炭素原子の数は1〜25でありか
つRf中のフッ素原子の数/炭素原子の数の比は0.6
以上である。なお、nが2以上の場合には、一般式
(I)で表される化合物は複数の種類のO−Rf基より
構成されていてもよい。〕次に一般式(I)で表される
フッ素基含有芳香族化合物について、その内容を以下詳
細に説明する。
【0010】Rは炭素数6〜60個、より好ましくは6
〜20個の芳香族基であり、芳香族環あるいはそれに芳
香族環以外の置換基や連結基を含んでいてもよい。Rの
代表的な具体例としては、フェニル基、フェニレン基等
の〔化1〕で示される芳香族基が挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】また、置換基や連結基の代表的な具体例と
しては、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、エー
テル基、エステル基、水酸基等が挙げられる。一方、R
fはフルオロアルケニル基、フルオロアリール基、フル
オロアラルキル基等が挙げられる。これらフルオロカー
ボン基のフッ素原子または水素原子の一部がハロゲン原
子やアミノ基、ニトリル基等で置換されていてもよい。
nは1〜4の整数であるが、とりわけ、電気粘性流体の
媒体としては1〜2が好ましい。(なお、本発明に用い
ることができるこれらフッ素基含有芳香族化合物につい
ては特願平4−54192参照) フッ素系油はシリコーン系油に比べて機械的特性、特に
潤滑性がよく、本発明のフッ素基含有芳香族化合物もこ
の特性に優れており、これを媒体に用いた本発明の電気
粘性流体は、振動吸収やトルク伝達、サーボ制御等のア
クチュエーターに使用した場合、特に電圧を印加しない
際の機械的特性に優れた性能が期待される。
【0013】本発明に適用される誘電体粒子とは、電界
の印加により、粒子の表面にイオンや電子の分極を生じ
る粒子であり、本発明のフッ素基含有芳香族化合物に分
散させて電気粘性効果を発現できる粒子であればいずれ
でもよい。このような誘電体粒子としては、従来公知の
粒子分散系電気粘性流体に用いられている、イオン性基
や親水性基、構造水等をもつ含水系粒子、粒子の表面あ
るいは内部に電解質を含有する非含水系粒子、半導体粒
子や表面絶縁化導電性粒子あるいは内部に異方導電性粒
子などの部分導電性をもつ非含水系粒子、その他電界の
印加により、粒子の表面にイオンや電子の分極が生じる
構造をもつ複合粒子などが挙げられる。これらの粒子の
粒径は、0.1〜100μm程度であり、多くの場合1
〜20μmである。
【0014】なお、本発明に用いられるフッ素基含有芳
香族化合物は単独で使用しても、また複数種混合し使用
してもよく、さらにまた、フッ素基を含有しない、例え
ば、フェニルアルカンやフェニルアルキルエーテル等
の、本発明のフッ素基含有芳香族化合物と相溶する他種
の分散媒体と混合して使用することもできる。以下、実
施例をもって本発明を具体的に説明する。なお、電気粘
性効果の測定は、プレート間に電圧が印加できるように
改造したパラレルプレート型の回転粘度計(レオロジ社
製 300)を用い、電極間にDC1.0kv/mmの
電圧を印加して、剪断速度200sec-1で行った。
【0015】
【実施例】以下実施例で説明する。
【0016】
【実施例1】2wt%の水分を含有させたスルホン酸基
含有カチオン交換樹脂粒子(MCIGEL CK10
S、三菱化成製、粒径:約12μm、比重:約1.3、
Na塩型)を〔化2〕に示すフッ素基含有芳香族化合物
(比重:約1.36、40℃粘度:26CS)に粒子濃
度20vol%で分散させ電気粘性流体を得た。
【0017】
【化2】
【0018】一方、同一粒子を同一濃度でフッ素変性シ
リコーン(FC1265、東レシリコーン、比重:1.
25、25℃粘度:300CS)に分散させて比較試料
とした。電気粘性効果は、後者が1600Paあるのに
対し前者は2200Paと大きな値を示した。また更
に、これらの電気粘性流体を25℃で3カ月間静置させ
た後、粒子の沈降状態と再分散性を調べたところ、両者
ともに僅かな粒子沈降と相分離が見られたが、後者は前
者に比べ粒子の凝集が少なく手で軽く振るとより容易に
再分散した。
【0019】
【実施例2】120℃で24時間乾燥した合成ゼオライ
ト(TSZ623、東レ製、粒径:約10μm、比重:
2.4)を粒子濃度20vol%となるよう〔化3〕−
〔化5〕で示す各種のフッ素基含有芳香族化合物に分散
した流体について、電気粘性効果及び25℃で3カ月間
静置した後の粒子の沈降状態と再分散性を調べ、表1の
結果を得た。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】なお、比較のためジメチルシリコーン(D
MS)に同様に分散させた流体についても調べた。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】誘電体粒子をフッ素基含有芳香族化合物
に分散させた本発明の電気粘性流体は粒子分散安定性、
電気粘性効果、潤滑性等に優れ、振動吸収、トルク伝
達、サーボ制御等のアクチュエーターとして利用され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるフッ素基含有芳
    香族化合物に誘電体粒子を分散させてなる電気粘性流
    体。 R−(O−Rf)n (I) 〔ここで、Rは炭素数6〜60個のn価の芳香族基、n
    は1〜4の整数、Rfはフルオロカーボン基またはその
    部分置換体、Rf中の炭素原子の数は1〜25でありか
    つRf中のフッ素原子の数/炭素原子の数の比は0.6
    以上である。なお、nが2以上の場合には、一般式
    (I)で表される化合物は複数の種類のO−Rf基より
    構成されていてもよい。〕
JP10399393A 1993-04-30 1993-04-30 電気粘性流体 Withdrawn JPH06313179A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004137250A (ja) * 2002-08-19 2004-05-13 Naotake Nakamura 液晶性化合物及びそれを用いた電気粘性流体
JP2019070447A (ja) * 2015-12-04 2019-05-09 旭化成株式会社 電気粘性流体および電気デバイス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004137250A (ja) * 2002-08-19 2004-05-13 Naotake Nakamura 液晶性化合物及びそれを用いた電気粘性流体
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Effective date: 20000704