JPH06313067A - 永久変形の小さい熱可塑性エラストマー - Google Patents

永久変形の小さい熱可塑性エラストマー

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JPH06313067A
JPH06313067A JP13642293A JP13642293A JPH06313067A JP H06313067 A JPH06313067 A JP H06313067A JP 13642293 A JP13642293 A JP 13642293A JP 13642293 A JP13642293 A JP 13642293A JP H06313067 A JPH06313067 A JP H06313067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastomer
modified
fine particles
maleic anhydride
crosslinked
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Application number
JP13642293A
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Inventor
Hiroshi Kuramochi
浩 倉持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
POLYTEC DESIGN KK
Polytec Design KK
Original Assignee
POLYTEC DESIGN KK
Polytec Design KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】強度、成形加工性、および物性の安定性に優れ
た、永久変形の小さい熱可塑性エラストマーを提供する
ことを目的とする。 【構成】本発明は、架橋した無水マレイン酸変性SEB
S、無水マレイン酸変性SEPS、または無水マレイン
酸変性EVAの微粒子が、これらの変性エラストマーと
相溶性を有する無変性の熱可塑性樹脂またはエラストマ
ーの中に、ほぼ均一に分散した構造をなすもので、動的
加硫の技法により、ジアミンまたはポリアミンを架橋剤
に用いて前記変性エラストマーを架橋させながら微粒子
化することを特徴として得られる。内部に架橋した前記
変性エラストマーの微粒子を分散することにより、本発
明は従来よりも強度、成形加工性、および物性の安定性
について優れた性質を示すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加硫ゴムのように永久
変形の小さい熱可塑性エラストマーに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムは、硫黄や過酸化物によって強固な
共有結合架橋をなし、三次元的分子構造をとるのに対
し、熱可塑性エラストマーは、一般に、ゴムのような共
有結合架橋をなさない。そのため、熱可塑性エラストマ
ーは、加硫工程を必要とせず容易に成形加工できるとい
う最大の長所をもちながら、反面、その物性を加硫ゴム
と比較した場合、永久変形が非常に大きいという欠点を
有していた。こうした熱可塑性エラストマーの欠点であ
る永久変形を改良するため、近年、動的加硫の技法を用
い、プロセスオイル等の軟化剤を配合した柔軟なポリプ
ロピレン(PP)をマトリックスとして、その中に架橋
したEPDMの微粒子が分散した構造をなす熱可塑性エ
ラストマー、サントプレンがモンサント社より開発され
た。該サントプレンは、内部に架橋したEPDMの微粒
子が分散していることにより、より加硫ゴムに近い物性
を示し、特に、従来の一般的な熱可塑性エラストマーに
比べ永久変形が小さく、また、耐熱老化性の面において
も優れた特性する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該サントプレ
ンは、その組成において非熱可塑性成分であるEPDM
の体積比が全体の60t%程度と高く、そのため、他の
熱可塑性エラストマーに比べ成形加工性が悪いという欠
点を有する。また、動的加硫を行って作製する際、PP
の溶融粘度とEPDMの粘度が大きく異なることによ
り、両者は混合しにくく、架橋剤添加後、EPDMがP
Pの中にミクロに分散しにくい傾向にあり、そのため、
物性の安定性に若干不安が残る。また、マトリックスの
PPそのものは強度に優れるが、内部に分散している純
ゴム配合のEPDMは、一般的な熱可塑性エラストマー
に比べて強度が低く、それがサントプレンとしての物性
に大きく影響を与えている。仮に、EPDMに、強度を
高める目的でカーボンブラックなどの補強剤を配合した
場合、全体における非熱可塑性成分の比率がさらに高ま
るため、成形加工がより困難となり、また、物性も低下
してしまうもので、したがって、EPDMに前記補強剤
を加えることは好ましくない。なお、ゴムの中でも、天
然ゴム(NR)やイソプレンゴム(IR)、クロロプレ
ンゴム(CR)およびウレタンゴム(U)については、
補強剤を添加しない純ゴム配合でも一般的な熱可塑性エ
ラストマーに劣らない優れた強度を示すものだが、いず
れも耐熱老化性に問題があり、特にNRやIRについて
は加熱下での物性の低下が著しく、永久変形にも影響を
およぼされることとなる。また、CRについては、PP
との相溶性に乏しいという欠点もあり、したがって、こ
れらのゴムをサントプレンにおけるEPDMの代替に使
用することはできない。
【0004】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、物性が安定し、強度および成形加
工性おいて従来よりも優れた、永久変形の小さい熱可塑
性エラストマーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、無水マレイン
酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、または
無水マレイン酸変性EVAの微粒子が、これらの変性エ
ラストマーと相溶性を有する無変性の熱可塑性樹脂また
はエラストマーの中に、ほぼ均一に分散した構造をな
す。本発明は、動的加硫の技法により、ジアミンまたは
ポリアミンを架橋剤に用いて前記変性エラストマーを架
橋させながら微粒子化することを特徴として得られる。
【0006】前記変性エラストマーに、2つ以上のアミ
ノ基を有するジアミンまたはポリアミンを添加し、加熱
すると、該ジアミンまたはポリアミンにおけるそれぞれ
のアミノ基が、該変性エラストマーにおける無水マレイ
ン酸で変性された部分と反応して、該変性エラストマー
の分子どうしを結び、すなわち、該変性エラストマーは
架橋する。本発明はこの反応を利用するもので、動的加
硫の技法に従い、まず、該変性エラストマー、およびそ
れと相溶性を有する無変性の熱可塑性樹脂またはエラス
トマー、および柔軟性を調節するためのプロセスオイル
等を熱ロール等にて混練し、次いで、架橋剤のジアミン
またはポリアミンを添加して、さらに加熱しながら混練
すると、該変性エラストマーのみが微粒子状となって架
橋し、前記無変性の熱可塑性樹脂またはエラストマーの
中にほぼ均一に分散してなる本発明が得られるものであ
る。
【0007】本発明で使用する前記変性エラストマー、
および前記無変性の熱可塑性樹脂またはエラストマー
は、相溶性を有することを条件にしているが、好ましく
は、溶融粘度が同程度のものを選択する。なお、本発明
における前記変性エラストマーの体積比は、全体の60
〜65t%程度とするのが好ましい。
【作用】
【0008】本発明を構成する前記変性エラストマー、
およびマトリックスである前記無変性の熱可塑性樹脂ま
たはエラストマーはいずれも強度に優れており、また、
前記変性エラストマーについては、架橋することによっ
て、加硫ゴムと同等の永久変形を示す。したがって本発
明は、前記サントプレンと同様、永久変形が小さい特性
を有し、しかも、該サントプレンよりも優れた強度を示
すことができる。また、前記変性エラストマーは、架橋
することにより本来の熱可塑性は失われるが、加熱によ
り柔軟性は増すため、本発明は前記サントプレンより成
形加工が容易となる。また、本発明を作製する際、前記
変性エラストマーおよび前記マトリックスは、同じ熱可
塑性の材料であるため、加熱下での混合が非常に容易で
あり、さらに、前記両者に溶融粘度のより近いものを選
択することによって混合性が一層向上するもので、動的
加硫の工程で、前記変性エラストマーは、粒径の非常に
小さな微粒子状となって、前記マトリックス中にほぼ均
一に分散していき、その結果、本発明の物性は非常に安
定したものとなる。
【0009】こうして本発明は、内部に、従来のような
加硫ゴムの微粒子を分散するのではなく、架橋した、本
来は熱可塑性のエラストマーの微粒子を分散するという
特徴を有するもので、加硫ゴムと同等の永久変形を示
し、しかも、優れた強度、良好な成形加工性を示し、安
定した物性を有することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
これにより限定されるものではない。
【0011】〔第1実施例〕SEBS35重量部、無水
マレイン酸変性SEBS65重量部、およびパラフィン
系プロセスオイル20重量部を190℃の熱ロールにて
5分間混練し、次いで、架橋剤のヘキサメチレンジアミ
ンを2重量部添加し、さらに10分間加熱混練する。そ
の結果、架橋した前記変性SEBSの微粒子が前記SE
BS中に分散してなる本実施例が得られる。なお、前記
変性SEBSの体積比は全体の65t%である。
【0012】〔第2実施例〕PP35重量部、無水マレ
イン酸変性SEBS65重量部、およびパラフィン系プ
ロセスオイル40重量部を190℃の熱ロールにて5分
間混練し、次いで、架橋剤のヘキサメチレンジアミンを
2重量部添加し、さらに10分間加熱混練する。その結
果、架橋した前記変性SEBSの微粒子が前記PP中に
分散してなる本実施例が得られる。なお、前記変性SE
BSの体積比は全体の65t%である。
【0013】○圧縮永久変形試験 第一実施例、および、第一実施例の配合から架橋剤を除
いてなるブレンドポリマー(架橋剤を配合しないため、
前記変性SEBSは架橋していない)、また、第二実施
例、および、第二実施例の配合から架橋剤を除いてなる
ブレンドポリマー(架橋剤を配合しないため、前記変性
SEBSは架橋していない)を用い、70℃にて24時
間、25t%の圧縮を与えた後の変形率を比較する。
【0014】○上記試験結果 架橋していない第一実施例タイプのブレンドポリマーが
80t%、対する第一実施例は40t%、また、架橋し
ていない第二実施例タイプのブレンドポリマーが60t
%、対する第二実施例は25t%であった。
【0015】
【発明の効果】このように、本発明による熱可塑性エラ
ストマーは、内部に架橋したエラストマーの微粒子を分
散していることで、加硫ゴムのように永久変形が小さ
く、 (イ)本発明を構成するマトリックスおよび分散微粒子
は、ともに熱可塑性材料からなるため、強度に優れる。 (ロ)前記分散微粒子は架橋することで熱可塑性が失わ
れるが、加熱により柔軟性は増すもので、したがって、
本発明の成形加工性は良好である。 (ハ)前記分散微粒子の粒径は非常に小さく、マトリッ
クス中にほぼ均一に分散しているため、本発明は安定し
た物性を有する。 (ニ)前記分散微粒子はジアミンまたはポリアミンのみ
によって架橋しているものであり、硫黄加硫の場合と違
って加硫促進剤や酸化亜鉛を必要としないので、非常に
衛生的である。 などの優れた効果が得られるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイ
    ン酸変性SEPS、または無水マレイン酸変性EVAの
    微粒子が、これらの変性エラストマーと相溶性を有する
    無変性の熱可塑性樹脂またはエラストマーの中に分散し
    た構造をなし、前記変性エラストマーの微粒子が、ジア
    ミンまたはポリアミンを架橋剤に用いて架橋しているこ
    とを特徴とする、永久変形の小さい熱可塑性エラストマ
    ー。
JP13642293A 1993-04-28 1993-04-28 永久変形の小さい熱可塑性エラストマー Pending JPH06313067A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009024181A (ja) * 1997-05-19 2009-02-05 Bridgestone Corp エラストマー類とポリプロピレンを接合させて増量することで誘導した高ダンピングのゲル
JP2014189710A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Mitsui Chemicals Inc 樹脂組成物及びそれを含む成形体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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