JPH06312659A - 流体圧制御装置における制御弁 - Google Patents

流体圧制御装置における制御弁

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JPH06312659A
JPH06312659A JP10224893A JP10224893A JPH06312659A JP H06312659 A JPH06312659 A JP H06312659A JP 10224893 A JP10224893 A JP 10224893A JP 10224893 A JP10224893 A JP 10224893A JP H06312659 A JPH06312659 A JP H06312659A
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JP
Japan
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valve
pressure
brake
holding
piston
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JP10224893A
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Hisao Nagase
久雄 長瀬
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/32Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
    • B60T8/34Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
    • B60T8/36Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition including a pilot valve responding to an electromagnetic force
    • B60T8/3605Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition including a pilot valve responding to an electromagnetic force wherein the pilot valve is mounted in a circuit controlling the working fluid system

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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】制御フィーリングを低下させることなく、作動
後の非作動時に残圧を確実になくす。 【構成】通常制動時、ブレーキバルブから圧縮空気が入
口室21に供給されるが、常開の保持用開閉弁24、出
口室22を通ってブレーキブースタに供給され、ブレー
キが作動する。ブレーキ解除時、ブレーキブースタ5の
圧縮空気は、出口室22、常開の保持用開閉弁24、入
口室21を通って大気に排出され、ブレーキが解除す
る。その場合、保持用開閉弁24が常時開いているの
で、ブレーキブースタの圧縮空気は完全に排出され、残
圧が生じない。ABS制御時、指示圧室28に入力圧が
導入されると、段付きピストン32が右動して弁体33
が弁座9cに着座する。これにより、保持用開閉弁24
が閉じ、入口室21と出口室22とが遮断し、これ以後
入口室21の圧縮空気はブレーキブースタ5に送給され
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両の制動中に
おけるアンチスキッドブレーキ(以下、ABSともい
う)制御を行うABS制御装置等の流体圧制御装置にお
ける制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の制動時に制動車輪がロックして操
縦が不安定になるとともに制動距離が長くなってしまう
ことがあり、このために、従来から制動車輪のロック傾
向が検出されたとき、ABS制御を行うアンチスキッド
ブレーキ制御装置が種々提案されている。このABS制
御は、制動時に車輪がロック傾向となったことを検出し
たとき、その車輪のブレーキ力を弱めてロック傾向を解
消し、その後再びブレーキ力を大きくすることにより、
車両の操縦を安定させると共に、制動距離ができるだけ
短くなるようにブレーキ制御を行うものである。
【0003】空気圧によりブレーキ作動を行うエアブレ
ーキ装置にもこのようなABS制御を行うためのABS
制御装置を適用することが従来から種々行われている。
従来のエアブレーキ装置におけるABS制御装置の中
に、リレーバルブのないABS制御用モジュレータを有
するABS制御装置があり、例えば特開昭50ー967
73号公報等により提案されている。
【0004】図6はこの種の従来のエアブレーキ装置に
おけるABS制御装置の一例を概略的に示す図である。
図6に示すように、エアブレーキ装置におけるABS制
御装置1は、圧縮空気を収容するエアタンク2、このエ
アタンク2内の圧縮空気の給排を制御するブレーキバル
ブ3、このブレーキバルブ3を制御するブレーキペダル
4、ブレーキバルブ3を通して送られてくる圧縮空気の
空気圧により制動油圧を発生する空気圧ー油圧変換ブレ
ーキブースタであり、かつ本発明の駆動手段であるブレ
ーキブースタ5、このブレーキブースタ5によって変換
された油圧が導入されて車輪の制動を行うブレーキシリ
ンダ6、アンチスキッドブレーキ制御を行うコントロー
ラ7、車輪速度を検出してコントローラ7に送る車輪速
センサ8、コントローラ7からの制御信号に基づいて作
動してブレーキブースタ5に対する圧縮空気の給排、保
持等を行うことにより、ブレーキブースタ5に導入され
る空気圧を調整するモジュレータ9を備えている。
【0005】モジュレータ9は、本発明の流体圧制御装
置における制御弁であり、一例として、例えば図7に示
すようにモジュレータ本体9aに設けられ、ブレーキバ
ルブ3に図示しない空気流通路を介して接続され、ブレ
ーキバルブ3の作動時エアタンク2の圧縮空気が供給さ
れる入口室21、ブレーキブースタ5に出口側空気流通
路9bを介して接続される出口室22、大気に連通する
排気室23、入口室21と出口室22間の連通、遮断を
行う常閉の保持用開閉弁24、出口室22と排気室23
間の連通、遮断を行う常閉の排気用開閉弁25、保持用
開閉弁24の指示圧室28と入口室21または大気との
連通の切り換えを行う保持用電磁弁26、および排気用
開閉弁25の指示圧室29と入口室21または排気室2
3との連通切り換えを行う排気用電磁弁27とを備えて
いる。保持用電磁弁26と排気用電磁弁27との各ソレ
ノイドはともにコントローラ7に接続されている。
【0006】また、保持用電磁弁26はコントローラ7
からの制御信号により指示圧室28と入口室21間の連
通、遮断を行う弁26aと指示圧室28と大気に連通す
る室30間の連通、遮断を行う弁26bを備えており、
非作動時は弁26aは閉、弁26bは開となっており、
指示圧室28が大気と連通している。
【0007】一方、排気用電磁弁27は、コントローラ
7からの制御信号により指示圧室29と排気室23間の
連通、遮断を行う弁27aと指示圧室29と入口室21
に連通している室31間の連通、遮断を行う弁27bを
備えており、非作動時は弁27aは閉、弁27bは開と
なっており、指示圧室29が入口室21に連通してい
る。
【0008】図8に示すようにブレーキブースタ5は、
ブレーキシリンダ6へ供給するブースタ圧を発生するハ
イドロリックピストン5aと、このハイドロリックピス
トン5a内に設けられ、図示しないリザーバとブレーキ
シリンダ6との連通遮断を制御する弁5bと、モジュレ
ータ9からのエア圧を受けてハイドロリックピストン5
aを作動するエアピストン5cと、このエアピストン5
cを非作動位置の方へ常時付勢するリターンスプリング
5dとを備えている。
【0009】制動時、ブレーキペダル4を踏み込んでブ
レーキバルブ3を作動させることにより、ブレーキバル
ブ3を通してエアタンク2の圧縮空気が入口室21に供
給される。すると、指示圧室28が大気と連通している
ので、入口室21に供給された圧縮空気の入力圧によ
り、保持用開閉弁24は開となり、入口室21に供給さ
れたブレーキバルブ3からの圧縮空気は出口室22およ
び出口側空気流通路9bを通ってブレーキブースタ5に
供給される。これにより、エアピストン5cおよびハイ
ドロリックピストン5aが作動するとともに弁5bが閉
じ、ブレーキブースタ5は制動油圧を発生する。このと
き、指示圧室29が入口室21と連通しているので、指
示圧室29には入口室21の圧力が導入され、排気用開
閉弁25は閉のままである。ブレーキブースタ5で発生
した制動油圧は、ブレーキシリンダ6に導入され、ブレ
ーキシリンダ6がブレーキを作動する。
【0010】制動を解除するために、ブレーキペダル4
を解放してブレーキバルブ3を非作動位置にすると、入
口室21に供給されている圧縮空気はブレーキバルブ3
を通して大気へ排出される。すると、ブレーキブースタ
5に供給されていた圧縮空気も、出口室22、保持用開
閉弁24、入口室21、ブレーキバルブ3を通って大気
に排出される。これにより、ブレーキブースタ5のエア
ピストン5cおよびハイドロリックピストン5aが非作
動位置の方へ移動するので、ブレーキシリンダ6のブレ
ーキ圧が低下してブレーキが解除される。
【0011】制動中に、コントローラ7が車輪速センサ
8からの車輪速信号に基づいて、車輪がロック傾向にあ
ると判断すると、コントローラ7はロック傾向にある車
輪に対応するモジュレータ9の保持用電磁弁26を作動
させる。これにより、弁26bは閉となり、弁26aが
開となる。すると、指示圧室28に入口室21の圧力が
導入され、この指示圧室28の圧力により保持用開閉弁
24は閉となり、ブレーキ保持状態となる。しかし、ま
だロック傾向が解消されないと、次に排気用電磁弁27
が作動される。これにより、弁27bは閉となり、弁2
7aが開となる。すると、指示圧室29は排気室23と
連通し、指示圧室29の圧力が排出され、排気用開閉弁
25が開となる。これにより、ブレーキブースタ5に供
給された圧縮空気は排気室23を通って排気され、ブレ
ーキ減圧状態となる。
【0012】これにより、車輪のロック傾向が解消され
ると、保持用電磁弁26と排気用電磁弁27とが非作動
状態に戻される。すると、弁27aは閉、弁27bは開
となり、指示圧室29に入口室21の圧力が導入されて
排気用開閉弁25が閉となり、また弁26aは閉、弁2
6bは開となり、指示圧室28の圧力は大気に排出され
て保持用開閉弁24が開となる。これにより、ブレーキ
ブースタ5に圧縮空気が再び供給され、ブレーキ増圧状
態となる。
【0013】このように、保持用電磁弁26、排気用電
磁弁27はコントローラ7からの制御信号に応じて作動
し、ブレーキブースタ5の供給空気圧に対して、減圧、
保持あるいは増圧の制御が適宜繰り返し行われ、その車
輪のロック傾向を解消するようにアンチスキッドブレー
キ制御が行われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
エアブレーキ装置におけるABS制御装置1において
は、モジュレータ9における保持用開閉弁24のダイヤ
フラムの弁体24aがスプリング24bのばね力によ
り、また排気用開閉弁25のダイヤフラムの弁体25a
が本発明の付勢手段に相当するスプリング25bのばね
力により、それぞれ常時閉じる方向に付勢されている。
したがって、保持用開閉弁24および排気用開閉弁25
は、非作動時には閉状態に保持されるようになってい
る。
【0015】このように弁体24a,25aがばね力に
より閉じる方向に常時付勢されていると、ブレーキ解除
時に出口室22の圧力がある圧力、すなわち保持用開閉
弁24または排気用開閉弁25の開弁圧以下になると、
保持用開閉弁24と排気用開閉弁25がスプリング24
b,25bのばね力により閉じてしまう。このため、出
口室22には、残圧が生じるようになる。すなわち、こ
のABS制御装置1におけるモジュレータ9の入出力特
性は、図9に示すようにブレーキ解除時に所定の残圧が
生じる特性となっている。
【0016】しかしながら、このようにブレーキ解除時
に出口室22に残圧が生じることにより、この出口室2
2に連通しているブレーキブースタ5にも残圧が生じ
る。ブレーキブースタ5に残圧が生じると、ブレーキブ
ースタ5のハイドロリックピストン5aは非作動位置に
完全には戻ることができなくなり、このハイドロリック
ピストン5a内に設けられている弁5bが閉状態に保持
されてしまう。このため、ブレーキシリンダ6にも残圧
が生じるようになり、この残圧の大きさによってはブレ
ーキの引きずりを生じるおそれが考えられる。
【0017】また、ハイドロリックピストン5aの弁5
bが閉状態に保持されてしまうことから、ブレーキブー
スタ5からブレーキシリンダ6までの間のオイル配管の
エア抜きができないという問題も生じる。
【0018】これらの問題を解決する対策として、図8
に示すブレーキブースタ5のエアピストン5cを非作動
位置の方へ付勢するリターンスプリング5dのセット荷
重を高くすることにより、ブレーキシリンダ6に残圧が
生じないようにすることが考えられる。しかし、リター
ンスプリング5dのセット荷重を高くすると、ブレーキ
ブースタ5の作動開始圧が上昇するので、ブレーキフィ
ーリングが悪くなるという問題がある。
【0019】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、制御フィーリングを低下
させることなく、作動後の非作動時に残圧を確実になく
すことのできる流体圧制御装置における制御弁を提供す
ることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、流体圧源からの作動圧力流体
の入力圧が供給される入口室と、駆動手段に接続される
出口室と、前記出口室に接続され、この出口室の作動圧
力流体を外部に排出する排出通路と、前記入口室および
前記出口室間に配設され、通常時開いているとともに、
所定の押圧力が作用することにより閉じる常開の保持用
開閉弁と、前記所定の押圧力を前記保持用開閉弁に作用
させる弁押圧手段と、前記出口室および前記排出通路間
に配設され、付勢手段により常時閉弁方向に付勢されか
つ前記入口室の圧力により閉弁方向に付勢されるととも
に、前記出口室の圧力が前記付勢手段の付勢力に打ち勝
つ第2所定圧になったときこの出口室の圧力により前記
付勢手段の付勢力に抗して開く常閉の排出用開閉弁とを
備えていることを特徴としている。
【0021】また請求項2の発明は、前記保持用開閉弁
の弁体と前記弁押圧手段とが、一面側に前記入口室の入
力圧が作用されるピストンとこのピストンの他面側に形
成された弁体との一体組立体であって、前記入口室の入
力圧が前記ピストンの一面側に作用したとき、前記ピス
トンおよび前記弁体が移動することにより、前記保持用
開閉弁を閉じるような一体組立体であることを特徴とし
ている。
【0022】更に請求項3の発明は、前記保持用開閉弁
がダイヤフラムからなる弁体を備えており、前記弁押圧
手段は、前記入口室の入力圧が作用したとき前記保持用
開閉弁の前記弁体を押圧することにより前記保持用開閉
弁を閉じる弁押圧ピストンからなることを特徴としてい
る。
【0023】更に請求項4の発明は、前記保持用開閉弁
がダイヤフラムからなる弁体を備えており、前記弁押圧
手段が、前記入口室の入力圧が作用したとき作動するカ
ムピストンとこのカムピストンの作動時カムピストンの
カム面により押圧されて前記保持用開閉弁の前記弁体を
押圧することにより前記保持用開閉弁を閉じるカムフォ
ロワとからなる弁押圧カム装置からなることを特徴とし
ている。
【0024】更に請求項5の発明は、前記作動圧力流体
がブレーキ作動圧力流体であり、前記駆動手段はブレー
キブースタであり、前記流体圧制御装置はブレーキ制御
装置であることを特徴としている。更に請求項6の発明
は、ブレーキ作動圧力流体が圧縮空気であり、前記ブレ
ーキブースタは空気圧ー油圧変換ブレーキブースタであ
ることを特徴としている。
【0025】更に請求項7の発明は、前記弁押圧手段に
供給される入力圧を制御する保持用電磁弁と、前記排出
用開閉弁の開閉制御する作動圧力流体を制御する排出用
電磁弁とを備え、車輪のロック傾向検出時にこれらの保
持用電磁弁および排出用電磁弁を駆動制御することによ
り、アンチスキッドブレーキ制御におけるブレーキ圧調
整を行うモジュレータであることを特徴としている。
【0026】更に請求項8の発明は、前記保持用開閉弁
がダイヤフラムからなる弁体を備えており、前記弁押圧
手段が、励磁されたとき発生する電磁力により前記保持
用開閉弁の前記弁体を押圧することにより前記保持用開
閉弁を閉じる弁押圧電磁ソレノイドからなることを特徴
としている。
【0027】更に請求項9の発明は、前記作動圧力流体
がブレーキ作動圧力流体であるとともに前記駆動手段が
ブレーキブースタであり、また前記流体圧制御装置がブ
レーキ制御装置であり、更に前記排出用開閉弁の開閉制
御する作動圧力流体を制御する排出用電磁弁を備え、車
輪のロック傾向検出時に前記弁押圧電磁ソレノイドおよ
び排出用電磁弁を駆動制御することにより、アンチスキ
ッドブレーキ制御におけるブレーキ圧調整を行うモジュ
レータであることを特徴としている。
【0028】
【作用】このように構成された本発明にかかる流体圧制
御装置における制御弁においては、制御弁の作動後の作
動解除時に作動流体の圧力を完全に排出できるようにし
ているので、残圧が生じるのを確実に防止するようにな
る。また、駆動手段のリターン用付勢手段のセット荷重
を変更しなくてもよいので、制御フィーリングが低下す
るのを確実に防止するようになる。
【0029】特に、請求項5ないし7項および9項の発
明においては、ブレーキの解除時にブレーキが完全に解
除されるので、ブレーキの引きずりが確実に防止される
ようになる。更に、請求項6の発明では、ブレーキ解除
時に空気圧ー油圧変換ブレーキブースタのハイドロリッ
クピストンが非作動位置に完全に戻ってハイドロリック
ピストン内の弁が確実に開くので、エア抜き作業を確実
に行うようになる。
【0030】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例について
説明する。図1は、本発明にかかる流体圧制御装置にお
ける制御弁の一実施例を、前述のABS制御装置におけ
るモジュレータに適用した場合の断面図である。なお、
本実施例のABS制御装置は大部分が前述した従来のA
BS制御装置と同じ構成であるので、構成の異なる部分
のみ説明し、構成の同じ部分は従来のABS制御装置と
同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略す
る。
【0031】本実施例においては、図1に示すようにモ
ジュレータ9における保持用開閉弁24が、段付きピス
トン32、この段付きピストン32の右端面に固定され
たゴム等の弾性体からなる弁体33および段付きピスト
ン32を左方に常時付勢するリターンスプリング34か
ら構成されている。この実施例の保持用開閉弁24は、
リターンスプリング34のばね力により、非作動時弁体
33がモジュレータ本体9aに形成された弁座9cから
離座する常開の開閉弁となっている。したがって、保持
用開閉弁24が常開弁であるため、本実施例のモジュレ
ータにおいては、通常時は入口室21と出口室22とが
常時連通している。
【0032】段付きピストン32の大径ピストン32a
の左端面には指示圧室28の圧力が作用するようになっ
ている。また、小径ピストン32bの右端面には、保持
用開閉弁24の開放時は入口室21および出口室22の
圧力が作用するとともに、保持用開閉弁24の閉塞時
は、弁体33のシール径より外側の面に入口室22の圧
力が作用しかつ弁体33のシール径より内側の面に出口
室22の圧力が作用するようになっている。
【0033】このように構成された本実施例のABS制
御装置は、前述の従来のABS制御装置の作用と大部分
同じ作用を行うが、一部のみ作用が異なる。したがっ
て、この異なる部分の作用のみ説明し、同じ部分はその
説明を省略する。
【0034】通常制動時、ブレーキペダル4を踏み込ん
でブレーキバルブ3を作動させると、ブレーキバルブ3
から圧縮空気が入口室21に供給されるが、保持用開閉
弁24が開いているので、この圧縮空気は更に出口室2
2および出口側空気流通路9bを通ってブレーキブース
タ5に供給され、ブレーキが作動する。
【0035】一方、ブレーキ解除のため、ブレーキペダ
ル4を解放してブレーキバルブ3を非作動にすると、前
述の従来のABS制御装置と同様にブレーキブースタ5
の圧縮空気は、出口側空気流通路9b、出口室22、開
いている保持用開閉弁24、入口室21およびブレーキ
バルブ3を通って大気に排出される。これにより、ブレ
ーキブースタ5の圧力が低下するので、ブレーキシリン
ダ6のブレーキ圧も低下し、ブレーキが解除する。
【0036】その場合、保持用開閉弁24が常時開いて
いて出口室22と入口室21とが常時連通しているの
で、ブレーキブースタ5の圧縮空気は完全に排出され、
ブレーキブースタ5のエアピストン5cおよびハイドロ
リックピストン5aが非作動位置に完全に戻る。その結
果、ブレーキブースタ5の弁5bが完全に開くので、ブ
レーキ液圧が完全に0になるまで、ブレーキシリンダ6
内のブレーキ液がリザーバに排出される。したがって、
ブレーキブースタ5およびブレーキシリンダ6内には、
ブレーキ解除時に残圧が生じることはない。こうして、
本実施例のABS制御装置のモジュレータ9は、図2に
示すような残圧の生じない入出力特性を有するようにな
る。
【0037】ABS制御時においては、保持用電磁弁2
6が作動すると、弁26aが開いて弁26bが閉じるの
で、指示圧室28に入口室21の入力圧が導入される。
この指示圧室28の入力圧が段付きピストン32の大径
ピストン32aに作用するので、段付きピストン32は
右向きの力が作用する。この指示圧室28の入力圧によ
る右向きの力が、小径ピストン32bに作用する入口室
21の入力圧による左向きの力とリターンスプリング3
4のばね力に打ち勝つので、段付きピストン32が右動
して弁体33が弁座9cに着座する。これにより、保持
用開閉弁24が閉じ、入口室21と出口室22とが遮断
する。
【0038】保持用電磁弁26が非作動となると、弁2
6aが閉じて弁26bが開くので、指示圧室28の入力
圧が排出される。その結果、リターンスプリング34の
ばね力により、段付きピストン32が左方へ移動して、
保持用開閉弁24は開き、入口室21と出口室22とが
連通する。
【0039】そして、ABS制御のブレーキ圧の減圧お
よび保持では、保持用電磁弁26が作動状態に設定され
るので、保持用開閉弁24は閉状態に設定される。この
保持用開閉弁24の閉状態では、ブレーキバルブ3から
送給される圧縮空気は入力室21から出口室22に、し
たがってブレーキブースタ5に供給されない。保持用開
閉弁24は指示圧室28に入力圧が導入されている間、
閉状態に設定保持される。また、ABS制御のブレーキ
圧の再増圧では、保持用電磁弁26が非作動状態に設定
されるので、指示圧室28の入力圧が排出され、保持用
開閉弁24は開状態に設定される。この保持用開閉弁2
4の開状態では、ブレーキバルブ3から送給される圧縮
空気は入力室21から出口室22出口側空気流通路9b
を通ってブレーキブースタ5に供給される。
【0040】こうして、本実施例の段付きピストン32
は本発明の弁押圧手段をも構成しており、また段付きピ
ストン32と弁体33とにより、本発明の一体組立体が
構成されている。
【0041】このように本実施例においては、ブレーキ
解除時にブレーキシリンダ6内に残圧が生じることはな
いので、ブレーキは完全に解除され、ブレーキの引きず
りが確実に防止されるようになる。また、ブレーキ解除
時にハイドロリックピストン5a内の弁5bが開くの
で、エア抜き作業を確実に行うことができるようにな
る。更に、ブレーキブースタ5のリターンスプリング5
dのばね力を大きくする必要がないので、ブレーキブー
スタ5の制御、すなわち通常ブレーキ制御およびABS
制御の制御フィーリングが低下するのを確実に防止でき
る。
【0042】図3は本発明の他の実施例を示す、図1と
同様の断面図である。なお、前述の実施例と同じ構成要
素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省
略する。前述の図1に示す実施例では、保持用開閉弁2
4が段付きピストン32を備えているが、本実施例にお
けるモジュレータ9の保持用開閉弁24では、前述の図
7に示す従来のモジュレータと同様に、ダイヤフラムか
らなる弁体24aが用いられている。これに加えて、本
実施例の保持用開閉弁24は、弁体24aを弁座9cか
ら離座する方向に、すなわち保持用開閉弁24が開く方
向に常時付勢するリターンスプリング35と、弁体24
aを弁座9cに着座する方向に、すなわち保持用開閉弁
24が閉じる方向に付勢するための、大径ピストン36
aと小径ピストン36bとからなる段付きピストン36
と、この段付きピストン36と弁体24aとの間に縮設
され、弁体24aを弁座9cに着座する方向に常時付勢
するスプリング37とを備えている。スプリング37の
セット荷重は、リターンスプリング35のセット荷重よ
り小さく設定されている。
【0043】更に、室38が、段付きピストン36の大
径ピストン36aの左端面に面するようにして形成され
ており、この室38は保持用電磁弁26および指示圧室
28に連通している。したがって、室38は、図示のよ
うに保持用電磁弁26の弁26aが閉じかつ弁26bが
開いた状態では、室30を通って大気に連通するように
なるとともに、保持用電磁弁26が切り換えられて、弁
26aが開きかつ弁26bが閉じた状態では、入口室2
1に連通するようになっている。なお、大径ピストン3
6aの右端面側に形成される室39は大気に常時連通し
ている。
【0044】そして、本実施例のモジュレータ9の保持
用開閉弁24は、通常の非作動時には、図示のように保
持用電磁弁26の弁体26aが閉じかつ弁26bが開い
た状態に設定され、指示圧室28および室38がともに
大気圧となっているとともに、リターンスプリング35
のセット荷重がスプリング37のセット荷重より大きい
ので、段付きピストン36が左限位置に位置するととも
に弁体24aが弁座9cから離座した位置に設定され
る。すなわち、本実施例の保持用開閉弁24も常開の開
閉弁とされている。したがって、本実施例のモジュレー
タにおいては、通常時は入口室21と出口室22とが常
時連通している。
【0045】本実施例のABS制御装置も、前述の従来
のABS制御装置の作用と大部分同じ作用を行うが、一
部のみ作用が異なる。したがって、この異なる部分の作
用のみ説明し、同じ部分はその説明を省略する。
【0046】通常制動時、ブレーキペダル4の踏み込み
によりブレーキバルブ3を作動させると、ブレーキバル
ブ3から圧縮空気が入口室21、開いている保持用開閉
弁24、出口室22および出口側空気流通路9bを通っ
てブレーキブースタ5に供給され、ブレーキが作動す
る。
【0047】一方、ブレーキ解除のため、ブレーキペダ
ル4の解放によりブレーキバルブ3を非作動にすると、
ブレーキブースタ5の圧縮空気は、出口側空気流通路9
b、出口室22、開いている保持用開閉弁24、入口室
21およびブレーキバルブ3を通って大気に排出され
る。これにより、ブレーキが解除する。その場合、保持
用開閉弁24が常時開いていて出口室22と入口室21
とが常時連通しているので、ブレーキブースタ5の圧縮
空気は完全に排出され、ブレーキブースタ5のエアピス
トン5cおよびハイドロリックピストン5aが非作動位
置に完全に戻る。その結果、ブレーキブースタ5の弁5
bが完全に開くので、ブレーキ液圧が完全に0になるま
で、ブレーキシリンダ6内のブレーキ液がリザーバに排
出される。したがって、ブレーキブースタ5およびブレ
ーキシリンダ6内には、ブレーキ解除時に残圧が生じる
ことはない。こうして、本実施例のABS制御装置のモ
ジュレータ9も、図2に示すような残圧の生じない入出
力特性を有するようになる。
【0048】ABS制御時においては、保持用電磁弁2
6が作動すると、弁26aが開いて弁26bが閉じるの
で、指示圧室28に入口室21の入力圧が導入されると
ともに、室38にも入口室21の入力圧が導入される。
したがって、ダイヤフラムの弁体24aの一面には入口
室21の入力圧が作用し、また弁体24aの他面には入
口室21の入力圧が作用するようになるが、弁体24a
の両面の受圧面積が等しいので、弁体24aはこれらの
圧力の作用によっては移動しない。
【0049】一方、室38の入力圧が段付きピストン3
6の大径ピストン36aに作用するので、段付きピスト
ン36には右向きの力が作用する。また、指示圧室28
の入力圧が段付きピストン36の小径ピストン36bに
作用するので、段付きピストン36には左向きの力も作
用する。段付きピストン36の受圧面積の差により、段
付きピストン36に作用する右向きの力が段付きピスト
ン36に作用する左向きの力より大きいので、段付ピス
トン36は右方へ移動する。この段付ピストン36の右
動により、スプリング37を介して弁体24aが右方へ
押圧されて弁座9cに着座し、保持用開閉弁24が閉じ
る。これにより、入口室21と出口室22とが遮断す
る。
【0050】そして、ABS制御のブレーキ圧の減圧お
よび保持では、保持用電磁弁26が作動状態に設定され
るので、前述の実施例と同様に保持用開閉弁24は閉状
態に設定される。また、ABS制御のブレーキ圧の再増
圧では、保持用電磁弁26が非作動状態に設定されるの
で、保持用開閉弁24はリターンスプリング35のばね
力により開状態に設定される。
【0051】こうして、段付きピストン36およびスプ
リング37により、本発明の弁押圧手段が構成されてい
るとともに、段付きピストン36により本発明の弁押圧
ピストンが構成されている。
【0052】本実施例においても、前述の実施例の効果
と同じ効果を得ることができる。
【0053】図4は本発明の更に他の実施例を示す、図
3と同様の断面図である。なお、前述の実施例と同じ構
成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明
は省略する。
【0054】前述の図3に示す実施例では、入口室21
の入力圧が段付きピストン36に作用し、段付きピスト
ン36が弁体24aを押圧することにより、保持用開閉
弁24を閉じるようにしているが、本実施例では、図4
に示すように弁押圧電磁ソレノイド40の電磁力で弁体
24aを押圧することにより、保持用開閉弁24を閉じ
るようにしている。
【0055】これを具体的に説明すると、モジュレータ
本体9aに形成され、指示圧室28に開口する凹部9d
に弁押圧電磁ソレノイド40が配設されており、この弁
押圧電磁ソレノイド40のアーマチュア41と弁体24
aとの間にスプリング37が縮設されている。図3に示
す実施例で述べたように、リターンスプリング35のば
ね設定荷重はスプリング37のばね設定荷重より大きく
設定されている。したがって、本実施例の保持用開閉弁
24も常開の開閉弁とされており、通常時は入口室21
と出口室22とが連通している。また弁押圧電磁ソレノ
イド40は、ABS制御時に保持用電磁弁26のソレノ
イドが励磁されると同時に励磁されて作動するようにな
っている。
【0056】本実施例のABS制御装置も、前述の従来
のABS制御装置の作用と大部分同じ作用を行うが、一
部のみ作用が異なる。したがって、この異なる部分の作
用のみ説明し、同じ部分はその説明を省略する。
【0057】通常時は、弁押圧電磁ソレノイド40は作
動されないので、保持用開閉弁24が開いている。した
がって、通常制動時には、ブレーキペダルの踏み込みに
より、ブレーキバルブ3から圧縮空気がブレーキブース
タ5に供給され、ブレーキが作動する。
【0058】ブレーキ解除時には、ブレーキペダル4の
解放により、ブレーキブースタ5の圧縮空気がブレーキ
バルブ3から大気に排出され、ブレーキが解除する。そ
の場合、保持用開閉弁24が常開であるので、ブレーキ
ブースタ5の圧縮空気は完全に排出され、ブレーキブー
スタ5およびブレーキシリンダ6内には、ブレーキ解除
時に残圧が生じることはない。その結果、ブレーキブー
スタ5のエアピストン5cおよびハイドロリックピスト
ン5aが非作動位置に完全に戻る。こうして、本実施例
のABS制御装置のモジュレータ9も、図2に示すよう
な残圧の生じない入出力特性を有するようになる。
【0059】ABS制御時においては、保持用電磁弁2
6が作動すると、これと同時に弁押圧電磁ソレノイド4
0も作動する。指示圧室28に入口室21の入力圧が導
入されるが、前述の図3に示す実施例と同様に、弁体2
4aはその両面に作用する圧力によっては移動しない。
一方、弁押圧電磁ソレノイド40が作動することによ
り、弁押圧電磁ソレノイド40の電磁力によりアーマチ
ュア41が右動する。このアーマチュア41の右動によ
り、スプリング37を介して弁体24aが押圧されて弁
座9cに着座する。これにより、保持用開閉弁24が閉
じる。以後、前述の図3に示す実施例と同じであり、そ
の説明は省略する。こうして、弁押圧電磁ソレノイド4
0およびスプリング37により、本発明の弁押圧手段が
構成されている。本実施例においても、前述の実施例の
効果と同じ効果を得ることができる。
【0060】図5は本発明の更に他の実施例を示す、図
3と同様の断面図である。なお、前述の実施例と同じ構
成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明
は省略する。
【0061】前述の図3に示す実施例では、入口室21
の入力圧が段付きピストン36に作用し、段付きピスト
ン36が弁体24aを押圧することにより、保持用開閉
弁24を閉じるようにしているが、本実施例では、図5
に示すように入口室21の入力圧を受けて弁押圧カム装
置42が弁体24aを押圧することにより、保持用開閉
弁24を閉じるようにしている。
【0062】これを具体的に説明すると、モジュレータ
本体9aに形成され、弁体24aの移動方向と直交する
方向に延びる孔9eに、弁押圧カム装置42のカムピス
トン43が気密にかつ摺動可能に収容されている。この
カムピストン43には凹部43aが形成されているとと
もに、この凹部43aの下方側面がカム面43bに形成
されている。
【0063】また、モジュレータ本体9aに弁体24a
の中心軸と同軸に孔9eと直交する方向に形成された孔
9fに、カムフォロワ44が気密にかつ摺動可能に収容
されている。このカムフォロワ44の左端面は球面とさ
れており、またカムフォロワ44の右端と弁体24aと
の間にはスプリング37が縮設されている。
【0064】更に、カムピストン43はスプリング45
のばね力により常時下方に付勢されているとともに、カ
ムピストン43の下端面は保持用開閉弁24および指示
圧室28に連通している。したがって、カムピストン4
3の下端面は、図示のように保持用電磁弁26の弁26
aが閉じかつ弁26bが開いた状態では、室30を通っ
て大気に連通するようになるとともに、保持用電磁弁2
6が切り換えられて、弁26aが開きかつ弁26bが閉
じた状態では、入口室21に連通するようになってい
る。なお、カムピストン43の上端面側に形成される室
46は大気に常時連通している。
【0065】そして、通常時は、カムピストン43の下
端面が大気に連通しているので、カムピストン43はス
プリング45のばね力により図示の下限位置に設定され
ている。このカムピストン43の下限位置では、カムフ
ォロワ44の球面状の左端面は、カムピストン43の凹
部43a内に嵌入するようになっている。そして、保持
用電磁弁26が作動して、カムピストン43の下端面に
入口室21の入力圧が導入されたときは、カムピストン
43が上動するようになっている。このカムピストン4
3の上動により、カム面43bがカムフォロワ44を右
方へ押圧するので、カムフォロワ44が右動する。この
カムフォロワ44の右動により、スプリング37を介し
て弁体24aが右方へ押圧されて弁座9cに着座し、保
持用開閉弁24が閉じるようになっている。
【0066】本実施例のABS制御装置も、前述の従来
のABS制御装置の作用と大部分同じ作用を行うが、一
部のみ作用が異なる。したがって、この異なる部分の作
用のみ説明し、同じ部分はその説明を省略する。
【0067】通常時は、カムピストン43の下端面に入
口室21の入力圧が導入されないので、カムフォロワ4
4の左端面が凹部43a内に嵌入し、保持用開閉弁24
が開いている。したがって、通常制動時には、ブレーキ
ペダルの踏み込みにより、ブレーキバルブ3から圧縮空
気がブレーキブースタ5に供給され、ブレーキが作動す
る。
【0068】ブレーキ解除時には、ブレーキペダル4の
解放により、ブレーキブースタ5の圧縮空気がブレーキ
バルブ3から大気に排出され、ブレーキが解除する。そ
の場合、保持用開閉弁24が常開であるので、ブレーキ
ブースタ5の圧縮空気は完全に排出され、ブレーキブー
スタ5およびブレーキシリンダ6内には、ブレーキ解除
時に残圧が生じることはない。その結果、ブレーキブー
スタ5のエアピストン5cおよびハイドロリックピスト
ン5aが非作動位置に完全に戻る。こうして、本実施例
のABS制御装置のモジュレータ9も、図2に示すよう
な残圧の生じない入出力特性を有するようになる。
【0069】ABS制御時において、保持用電磁弁26
が作動すると、カムピストン43の下端面に入口室21
の入力圧が導入されるので、カムピストン43が上動し
て、カムフォロワ44の左端面がカム面43bにより右
方へ押圧される。これにより、カムフォロワ44が右動
して弁体24aを弁座9cに着座させるので、保持用開
閉弁24が閉じる。以後、前述の図3に示す実施例と同
じであり、その説明は省略する。こうして、弁押圧手段
42およびスプリング37により、本発明の弁押圧手段
が構成されている。本実施例においても、前述の実施例
の効果と同じ効果を得ることができる。
【0070】なお、前述の実施例では、本発明を圧縮空
気による制動装置のアンチスキッドブレーキ制御装置に
用いられるモジュレータに適用した場合について説明し
ているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものでは
なく、流体圧制御における制御弁であれば、どのような
制御弁にも適用することができる。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の流体圧制御装置における制御弁によれば、制御弁の作
動後の非作動時に、作動流体の圧力を完全に排出できる
ようにしているので、残圧の発生を確実に防止できる。
また本発明によれば、駆動手段のリターン用付勢手段を
変更しなくてもよいので、制御フィーリングが低下する
のを確実に防止できる。
【0072】更に、請求項5ないし7項および9項の発
明によれば、ブレーキの解除時にブレーキを完全に解除
できるので、ブレーキの引きずりを確実に防止できる。
更に、請求項6の発明によれば、ブレーキ解除時に空気
圧ー油圧変換ブレーキブースタのハイドロリックピスト
ンが非作動位置に完全に戻ってハイドロリックピストン
内の弁が確実に開くので、エア抜き作業を確実に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる流体圧制御装置における制御
弁の一実施例を、ABS制御装置におけるモジュレータ
に適用した場合の断面図である。
【図2】 本発明の入出力特性を示す図である。
【図3】 本発明の他の実施例を示す、図1と同様の断
面図である。
【図4】 本発明の更に他の実施例を示す、図1と同様
の断面図である。
【図5】 本発明の更に他の実施例を示す、図1と同様
の断面図である。
【図6】 従来の圧縮空気による制動装置のアンチスキ
ッドブレーキ制御装置の一例を示す回路図である。
【図7】 この従来のアンチスキッドブレーキ制御装置
用モジュレータの断面図である。
【図8】 この従来の圧縮空気による制動装置における
ブレーキブースタを示す断面図である。
【図9】 この従来のアンチスキッドブレーキ制御装置
用モジュレータの入出力特性を示す図である。
【符号の説明】
1…ABS制御装置、2…エアタンク、3…ブレーキバ
ルブ、4…ブレーキペダル、5…ブレーキブースタ、5
a…ハイドロリックピストン、5b…弁、5c…エアピ
ストン、5d…リターンスプリング、6…ブレーキシリ
ンダ、7…コントローラ、8…車輪速センサ、9…モジ
ュレータ、9a…モジュレータ本体、9b…出口側空気
流通路、9c…弁座、9d…凹部、9e,9f…孔、2
1…入口室、22…出口室、23…排気室、24…保持
用開閉弁、25…排気用開閉弁、26…保持用電磁弁、
27…排気用電磁弁、28,29…指示圧室、30,31
…室、32,36…段付きピストン、32a,36a…大
径ピストン、32b,36b…小径ピストン、33…弁
体、34,35…リターンスプリング、37,45…スプ
リング、38,39,46…室、40…電磁ソレノイド、
41…アーマチュア、42…弁押圧カム装置、43…カ
ムピストン、43a…凹部、43b…カム面、44…カ
ムフォロワ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧源からの作動圧力流体の入力圧が
    供給される入口室と、駆動手段に接続される出口室と、
    前記出口室に接続され、この出口室の作動圧力流体を外
    部に排出する排出通路と、前記入口室および前記出口室
    間に配設され、通常時開いているとともに、所定の押圧
    力が作用することにより閉じる常開の保持用開閉弁と、
    前記所定の押圧力を前記保持用開閉弁に作用させる弁押
    圧手段と、前記出口室および前記排出通路間に配設さ
    れ、付勢手段により常時閉弁方向に付勢されかつ前記入
    口室の圧力により閉弁方向に付勢されるとともに、前記
    出口室の圧力が前記付勢手段の付勢力に打ち勝つ第2所
    定圧になったときこの出口室の圧力により前記付勢手段
    の付勢力に抗して開く常閉の排出用開閉弁とを備えてい
    ることを特徴とする流体圧制御装置における制御弁。
  2. 【請求項2】 前記保持用開閉弁の弁体と前記弁押圧手
    段とは、一面側に前記入口室の入力圧が作用されるピス
    トンとこのピストンの他面側に形成された弁体との一体
    組立体であって、前記入口室の入力圧が前記ピストンの
    一面側に作用したとき、前記ピストンおよび前記弁体が
    移動することにより、前記保持用開閉弁を閉じるような
    一体組立体であることを特徴とする請求項1記載の流体
    圧制御装置における制御弁。
  3. 【請求項3】 前記保持用開閉弁はダイヤフラムからな
    る弁体を備えており、前記弁押圧手段は、前記入口室の
    入力圧が作用したとき前記保持用開閉弁の前記弁体を押
    圧することにより前記保持用開閉弁を閉じる弁押圧ピス
    トンからなることを特徴とする請求項1記載の流体圧制
    御装置における制御弁。
  4. 【請求項4】 前記保持用開閉弁はダイヤフラムからな
    る弁体を備えており、前記弁押圧手段は、前記入口室の
    入力圧が作用したとき作動するカムピストンとこのカム
    ピストンの作動時カムピストンのカム面により押圧され
    て前記保持用開閉弁の前記弁体を押圧することにより前
    記保持用開閉弁を閉じるカムフォロワとからなる弁押圧
    カム装置からなることを特徴とする請求項1記載の流体
    圧制御装置における制御弁。
  5. 【請求項5】 前記作動圧力流体はブレーキ作動圧力流
    体であり、前記駆動手段はブレーキブースタであり、前
    記流体圧制御装置はブレーキ制御装置であることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれか1記載の流体圧制御
    装置における制御弁。
  6. 【請求項6】 ブレーキ作動圧力流体は圧縮空気であ
    り、前記ブレーキブースタは空気圧ー油圧変換ブレーキ
    ブースタであるることを特徴とする請求項5記載の流体
    圧制御装置における制御弁。
  7. 【請求項7】 前記弁押圧手段に供給される入力圧を制
    御する保持用電磁弁と、前記排出用開閉弁の開閉制御す
    る作動圧力流体を制御する排出用電磁弁とを備え、車輪
    のロック傾向検出時にこれらの保持用電磁弁および排出
    用電磁弁を駆動制御することにより、アンチスキッドブ
    レーキ制御におけるブレーキ圧調整を行うモジュレータ
    であることを特徴とする請求項5または6記載の流体圧
    制御装置における制御弁。
  8. 【請求項8】 前記保持用開閉弁はダイヤフラムからな
    る弁体を備えており、前記弁押圧手段は、励磁されたと
    き発生する電磁力により前記保持用開閉弁の前記弁体を
    押圧することにより前記保持用開閉弁を閉じる弁押圧電
    磁ソレノイドからなることを特徴とする請求項1記載の
    流体圧制御装置における制御弁。
  9. 【請求項9】 前記作動圧力流体はブレーキ作動圧力流
    体であるとともに前記駆動手段はブレーキブースタであ
    り、また前記流体圧制御装置はブレーキ制御装置であ
    り、更に前記排出用開閉弁の開閉制御する作動圧力流体
    を制御する排出用電磁弁を備え、車輪のロック傾向検出
    時に前記弁押圧電磁ソレノイドおよび排出用電磁弁を駆
    動制御することにより、アンチスキッドブレーキ制御に
    おけるブレーキ圧調整を行うモジュレータであることを
    特徴とする請求項8記載の流体圧制御装置における制御
    弁。
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