JPH06312011A - 殺菌洗浄装置 - Google Patents

殺菌洗浄装置

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JPH06312011A
JPH06312011A JP5104627A JP10462793A JPH06312011A JP H06312011 A JPH06312011 A JP H06312011A JP 5104627 A JP5104627 A JP 5104627A JP 10462793 A JP10462793 A JP 10462793A JP H06312011 A JPH06312011 A JP H06312011A
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JP
Japan
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cleaning
medium water
electrolytic
tank
cleaning medium
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JP5104627A
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English (en)
Inventor
Shinichi Nakamura
信一 中村
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T R P KK
Original Assignee
T R P KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被洗浄物の殺菌洗浄処理を簡易に且つ短時間
で行うことができる殺菌洗浄装置を提起すること。 【構成】 塩化ナトリウムが溶解する洗浄媒水を通水し
ながらこれに直流電流を流して電気分解する電解通路
と、前記電解通路から供給される洗浄媒水を貯留する洗
浄槽と、前記洗浄槽内の被洗浄物を洗浄するための超音
波を伝達する超音波洗浄手段とを具備すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は殺菌洗浄装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】使用後の歯科医療用具や外科手術用メス
などの各種医療用具、理美容用の剃刀やバリカン等には
血液や生体組織などが付着している。この付着物中には
感染性病原菌が潜伏している恐れがある。そこで、感染
性病原菌による二次感染を防止するため、その再使用前
には殺菌洗浄処理を施す(前記用具やその他の殺菌洗浄
すべき物を、この明細書では「被洗浄物」と総称す
る)。
【0003】従来、上記殺菌洗浄処理として一般的に次
の作業が行われている。石鹸水の存在下で被洗浄物の付
着物を洗い落し清浄水で十分に洗い流した後に消毒液に
浸漬することにより消毒するか、又は高圧蒸気滅菌装置
内に一定時間留置することにより被洗浄物の病原菌を殺
菌する。しかし、上記処理の取扱者に対する作業中の感
染や作業区域外への感染性病原菌の流出拡散を回避する
ため、処理に手間や時間がかかるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、被
洗浄物の殺菌洗浄処理を簡易に且つ短時間で行うことが
できる殺菌洗浄装置を提起することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明では次のような技術的手段を講じている。 (請求項1記載の発明の手段)この発明の殺菌洗浄装置
は、塩化ナトリウムが溶解する洗浄媒水を通水しながら
これに直流電流を流して電気分解する電解通路と、前記
電解通路から供給される洗浄媒水を貯留する洗浄槽と、
前記洗浄槽内の被洗浄物を洗浄するための超音波を伝達
する超音波洗浄手段とを具備することを特徴とする。 (請求項2記載の発明の手段)この発明の殺菌水製造装
置は、塩化ナトリウムが溶解する洗浄媒水を通水しなが
らこれに直流電流を流して電気分解する電解通路と、前
記電解通路から供給される洗浄媒水を貯留する洗浄槽
と、前記洗浄槽内に前記洗浄媒水を噴流として導入する
複数の噴出ノズルとを具備することを特徴とする。 (請求項3記載の発明の手段)この発明の殺菌水製造装
置は、前記洗浄槽と前記電解通路との間を循環する洗浄
媒水の流体経路が形成されたことを特徴とする。 (請求項4記載の発明の手段)この発明の殺菌水製造装
置は、前記電解通路に於いて、塩化ナトリウムが溶解す
るとともに酸性とした洗浄媒水を通水しながらこれに直
流電流を流して電気分解することを特徴とする。
【0006】
【作用】上記の手段を採用した結果、この発明は以下の
ような作用を有する。 (請求項1記載の発明の作用)塩化ナトリウムが溶解す
る洗浄媒水を電解通路に通水しながらこれに直流電流を
流して電気分解すると、活性酸素が生成した洗浄媒水が
得られる。この洗浄媒水を洗浄槽に貯留し、洗浄槽内の
被洗浄物を洗浄するための超音波を超音波洗浄手段によ
り伝達させる。
【0007】すると超音波によるキャビテーション効果
により、被洗浄物から付着物が解離し洗浄媒水中に分散
される。さらに前記キャビテーション効果により、洗浄
媒水中の活性酸素が、付着物が解離した被洗浄物の周囲
に作用する。つまり活性酸素の強い酸化力に起因する殺
菌力が被洗浄物に残存する病原菌に作用し、これを不活
化する。すなわち、洗浄槽内に被洗浄物を入れるとこれ
を殺菌洗浄することができる。 (請求項2記載の発明の作用)塩化ナトリウムが溶解す
る洗浄媒水を電解通路に通水しながらこれに直流電流を
流して電気分解すると、活性酸素が生成した洗浄媒水が
得られる。この洗浄媒水を、複数の噴出ノズルにより噴
流として、洗浄媒水を貯留する洗浄槽内に導入する。
【0008】すると、複数の噴出ノズルから噴流として
導入される洗浄媒水の大きな運動エネルギーにより、被
洗浄物から付着物が解離し洗浄媒水中に分散される。さ
らに前記運動エネルギーにより、洗浄媒水中の活性酸素
が、付着物が解離した被洗浄物の周囲に作用する。つま
り活性酸素の強い酸化力に起因する殺菌力が被洗浄物に
残存する病原菌に作用し、これを不活化する。すなわ
ち、洗浄槽内に被洗浄物を入れるとこれを殺菌洗浄する
ことができる。 (請求項3記載の発明の作用)上記作用を有するととも
に、次の作用を有する。
【0009】被洗浄物から解離し洗浄媒水中に分散する
付着物を含む洗浄媒水を、洗浄槽と電解通路との間を循
環する流体経路を通じて、電解通路に通水する。する
と、電解通路に於ける電気分解により生成する発生期の
活性酸素の強力な酸化作用で、洗浄媒水中に分散する付
着物の有機成分が酸化分解される。付着物の有機成分を
酸化分解することより、洗浄媒水の化学的酸素要求量
(COD値)を低減することができる。 (請求項4記載の発明の作用)上記作用を有するととも
に、次の作用を有する。
【0010】電解通路に於いて、塩化ナトリウムが溶解
するとともに酸性とした洗浄媒水を通水しながらこれに
直流電流を流して電気分解すると、次亜塩素酸ソーダよ
りも次亜塩素酸が多く生成する方に平衡が傾く。次亜塩
素酸の方が次亜塩素酸ソーダよりも殺菌力が高い。
【0011】
【実施例】以下、この発明の構成を実施例として示した
図面を参照して説明する。 (実施例1)図1に示すように、この実施例の殺菌洗浄
装置は塩化ナトリウムが溶解した水(洗浄媒水)を通水
しながらこれに直流電流を流して電気分解する電解通路
10(図2参照)を具備する電解機構1と、前記電解通
路10から供給される洗浄媒水を貯留する洗浄槽2と、
前記洗浄槽2内の被洗浄物を洗浄するための超音波を伝
達する超音波洗浄手段3と、上澄み貯水器4と、洗浄媒
水の循環経路とを具備する。
【0012】洗浄媒水は、電解通路10→洗浄槽2→上
澄み貯水器4→電解通路10の間に形成した流体経路に
従い循環する。電解通路10と洗浄槽2との間の流体経
路には水道水Wを、上澄み貯水器4と電解通路10との
間に形成した流体経路にはポンプPにより後述する電解
質溶液タンク5からの水溶液を合流できるようにしてい
る。
【0013】洗浄槽2は、使用後の歯科医療用具や外科
手術用メスなどの各種医療用具、理美容用の剃刀やバリ
カンやその他の被洗浄物(図示せず)を洗浄媒水に浸漬
して殺菌洗浄するための槽であり、容量を2,300c
cとした。洗浄槽2の下部には超音波洗浄機能を有する
公知の超音波洗浄手段3を配設している。超音波洗浄手
段3の振動子30を洗浄槽2の下底に取付けている。3
1は発振子である。超音波洗浄手段3で発生させる超音
波は、前記振動子30により水中に伝達される。洗浄槽
2中の洗浄媒水の液面近傍には被洗浄物から解離する付
着物が浮遊するので、この上澄み部分を上澄み貯水器4
へと溢出させている。
【0014】電解質溶液タンク5は、循環する洗浄媒水
に塩化ナトリウムと無機酸とを供給するために配設して
いる。このタンク5には塩化ナトリウムと無機酸とを溶
解させた水溶液を貯留している。タンク5中に溶解する
硫酸や塩酸などの無機酸により、洗浄媒水の水素イオン
濃度(pH)が変動しないように一定に調整する。水素
イオン濃度は5〜7程度の酸性に調整することが好まし
い。なお、必ずしも洗浄媒水を酸性にする必要はなく、
塩化ナトリウムを溶解させていれば後述する活性酸素が
生成する。しかし、洗浄媒水を酸性におくと、次亜塩素
酸ソーダよりも次亜塩素酸が多く生成する方に平衡が傾
く。次亜塩素酸の方が次亜塩素酸ソーダよりも殺菌力が
高い。
【0015】電解機構1には電解通路10と、この電解
通路10に電流を供給するための公知の整流器11とを
具備せしめている。電解通路10は、陽極電極12の両
側に陰極電極13を配設し、これら相互の間に形成され
ており、この電解通路10を連設(図示せず)してい
る。陽極電極12と陰極電極13との間の間隔は2mmに
設定しており、連設した電解通路10の全長は500mm
に設定している。両電極の間には短絡防止のためにパッ
キン14が介装されており、このパッキン14は外組み
部分を残して内部をくり抜いた枠形状としている。くり
抜いた内部の部分が電解通路10を形成する。両陰極電
極13の外側にはパッキン14及び塩化ビニール板15
を介してステンレス板16を外装している。
【0016】循環してきた洗浄媒水はポンプPにより一
方のステンレス板16の下方に貫通する孔Hから流入さ
せ、塩化ビニール板15、陰極電極13のそれぞれを貫
通する孔Hを通り、陽極電極12と接触し、陰極電極1
3と陽極電極12との間の電解通路10(パッキン14
の内部の部分)を通り、陽極電極12の上方を貫通する
孔Hを通り、陽極電極12の逆面に至る。この逆面側の
陰極電極13と陽極電極12との間の電解通路10(パ
ッキン14の内部の部分)を通り、前記と同様に陰極電
極13、塩化ビニール板15、ステンレス板16のそれ
ぞれの下方を貫通する孔(図示せず)を通り流出する。
【0017】電解通路10での電気分解の際、陽極電極
12に於ける強力な電極酸化作用により活性酸素が洗浄
媒水中に生成する。このような活性酸素種としては最近
研究されている電解質中のスーパーヒドロキシイオン、
ペルオキシドイオン、ヒドロペルオキシラジカル、ヒド
ロペルオキシドイオンなどが考えられる。つまり、電解
質の溶液に電流を流すと液相中に一種の低温プラズマ類
似状態が生成し、これには前記のような活性酸素種や遊
離電子が含まれると考えられる。これにより、活性酸素
が生成した洗浄媒水が得られる。
【0018】前記活性酸素種等は次の働きをする。洗浄
媒水中には被洗浄物から解離した付着物や病原菌が分散
した状態で循環している。すると、強力な酸化分解作用
を有する活性酸素種が病原菌を攻撃してこれを不活化す
るとともに、付着物の有機成分に対しても種々の酸化反
応を起こし、低分子化合物を経由して二酸化炭素、窒素
や水などにまで酸化分解する。
【0019】電解通路10では液中に前記活性酸素種と
ともに次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソーダが生成するが、
これら次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソーダも殺菌作用を有
する。したがって洗浄媒水中に分散する病原菌は次亜塩
素酸と次亜塩素酸ソーダからも攻撃され不活化される。
電解通路10から供給される洗浄媒水自体が有する殺菌
力を評価するため、その酸化力を次亜塩素酸の酸化力と
比較した。色素で着色した水への酸化漂白力を比較する
方法で評価した。前記洗浄媒水と次亜塩素酸とを、着色
料赤色1号(キリヤ化学製)100cc(0.25g/
リットル)に添加していき、着色料の色を消滅させるた
めに必要な濃度及び量を測定した。
【0020】前記洗浄媒水では320ppmの濃度のも
のを7ml添加すると色が消滅した。一方、次亜塩素酸
は1,250ppmの濃度のものを7ml添加すると色
が消滅した。この時の水素イオン濃度(pH)はともに
4であった。双方の必要濃度を比較計算すると、前記洗
浄媒水の酸化力は次亜塩素酸の約4倍であると言える。
つまり、前記洗浄媒水は電気分解の際に副生する次亜塩
素酸及び次亜塩素酸ソーダの持続的な酸化力のみなら
ず、電解通路10での電解分解により生成した活性酸素
の酸化力が非常に大きな比重を占めていると考えられ
る。
【0021】電解通路10を画定する陽極電極12と陰
極電極13との電極極性は公知の電気的方法で可変と
し、一定時間毎(約10分間隔に設定した)に転換し
た。こうすることにより電解通路10の流水中にある荷
電物質が、対応する反対荷電電極に析出成長することを
防止し、活性酸素の生成の低下を防止し、継続的に一定
の殺菌力を有する洗浄媒水を供給することができる。ま
た、両電極板の極性を固定とした場合は陽極側に選定し
た電極板ばかりが溶滅していく片減り現象が生じるが、
電極極性を可変としたことにより交互に陽極となった側
が溶滅していく。したがって両電極の経時的な消耗の割
合いを均等にすることができる。
【0022】活性酸素と次亜塩素酸及び次亜塩素酸ソー
ダとが生成した洗浄媒水は洗浄槽2へと循環する。洗浄
槽2内では、超音波のキャビテーション効果により被洗
浄物から付着物が解離し洗浄媒水中に分散されるととも
に、病原菌は洗浄媒水中の活性酸素と次亜塩素酸及び次
亜塩素酸ソーダの作用により殺菌される。洗浄槽2を経
由し被洗浄物の付着物が分散した洗浄媒水が再び上記電
解通路10に再循環していくと、仮に洗浄媒水中に病原
菌が残生していても、電気分解とともに残生病原菌は不
活化され付着物の有機成分は酸化分解される。したがっ
て、循環後の洗浄媒水は病原菌の殺菌と化学的酸素要求
量(COD値)の低減の面では下水等に放流廃棄しうる
状態となっているが、電解通路10で副生した次亜塩素
酸及び次亜塩素酸ソーダが含有されているので、廃棄前
にその残留塩素濃度を低減する必要がある。
【0023】そのため廃棄前の洗浄媒水は上澄み貯水器
4から過酸化ニッケル触媒槽6を経由させて排出するよ
うにした。すなわち過酸化ニッケル触媒に接触させるこ
とにより、洗浄媒水中の次亜塩素酸を分解して塩化ナ
トリウムとする。過酸化ニッケル触媒として例えば三二
酸化ニッケル水和物(Ni2 3 .H2 O)単独又はこ
れを四三酸化ニッケル水和物(Ni3 4 .H2 O)及
び/又は二酸化ニッケル水和物(NiO2 .H2 O)の
混合物を有効成分とするものを使用できる。
【0024】ところで、この実施例1では洗浄媒水の循
環経路を形成したが、洗浄媒水は循環させなくてもよ
い。次に、上記殺菌洗浄装置の使用状態を説明する。被
洗浄物として容量が10ccの注射器15組を洗浄バス
ケット(図示せず)に入れ、これを洗浄槽2内にセット
する。そして、食塩の濃度が5g/リットルに、硫酸を
溶解させてpHが5〜7となるように水道水を調整した
洗浄媒水を、120cc/分の流量で電解通路10に通
水し10Aの直流電流を流すことにより、残留塩素濃度
が200ppmの洗浄媒水を得る。陽極電極12と陰極
電極13との間の電圧値は5Vであった。これを480
cc/分の流量の水道水Wと合流させて5倍に希釈し残
留塩素濃度を40ppmに調整し、総量600cc/分
の流量で洗浄槽2に供給する。残留塩素濃度は、ハック
社DR2000型分光光度計による比色測定法により液
中のHOClとClO- イオンとを遊離塩素として測定
した。
【0025】超音波洗浄手段3で発生させる超音波の周
波数としてこの実施例では40kHzを採用している。
このように短い波長の超音波を採用すると複雑な構造を
有する被洗浄物の細かい間隙にまで音波が到達し細部ま
で殺菌洗浄できるという利点がある。洗浄槽2内では超
音波洗浄によるキャビテーション効果により、注射器か
ら付着物が解離して洗浄媒水中に分散される。さらに前
記キャビテーション効果により、洗浄媒水中の活性酸素
が、付着物が解離した注射器の全面に作用する。つま
り、洗浄媒水中の活性酸素が複雑な注射器の隅々にまで
作用する。すると活性酸素の強い殺菌力が注射器の表面
に残存する病原菌を攻撃しこれを不活化する。
【0026】その後洗浄媒水は、過酸化ニッケル触媒槽
6を通して残留塩素濃度を1〜3ppm程度に下げ、下
水等に排出しうる状態とした。次に、この実施例の殺菌
洗浄装置の殺菌効果、この実施例の殺菌洗浄装置の電解
通路から供給される洗浄媒水の殺菌効果、及びこの実施
例の殺菌洗浄装置に於いて被洗浄物から解離して洗浄媒
水中に分散した付着物の化学的酸素要求量(COD値)
とアンモニア性窒素濃度の低減効果をそれぞれ評価し
た。 (評価方法1)芽胞の利用により滅菌の確実性を評価す
る生物学的インジケーターを使用し、上記実施例の殺菌
洗浄装置の殺菌効果を評価した。
【0027】上記殺菌洗浄装置の使用状態に準じ、10
ccの注射器15組を洗浄バスケットに入れ、濾紙片に
芽胞(バチウスステアロサーモフィラススポア)が付着
固定された市販の生物学的インジケーター(栄研器材株
式会社製、商品名滅菌テスパーS)を3枚位置をかえて
注射器の下方、つまり洗浄バスケットの座部にセットし
た。注射器もセットしたのは被洗浄物を多く入れた場合
の超音波の到達阻害の影響をも考慮したためである。洗
浄媒水の残留塩素濃度を10、20、30、40ppm
に調整しそれぞれの場合について評価した。洗浄媒水を
循環させずに洗浄槽に於いて5、10、15分間超音波
洗浄を行った。各洗浄時間の経過後、前記生物学的イン
ジケーターを取出し、それぞれの濾紙片を、指示薬を加
えたトリプトソイブイヨン培地に充分浸るように入れ、
培地瓶の蓋を緩く締めた。そして、ふ卵器により55℃
で72時間培養した。培養後、培地の色の変色の有無を
調べた。なお、この評価では洗浄媒水の循環経路は形成
しなかった。
【0028】一方、コントロールとして水道水Wそのま
ま用いて洗浄槽に貯留し5、10、15分超音波洗浄を
行った後、前記と同じ条件で培養した。 (評価結果)この実施例の殺菌洗浄装置はいずれの条件
に於いても培地の色は不変であり陰性と判定することが
できた。つまり芽胞は死滅しており、この殺菌洗浄装置
の滅菌の完全性が確認できた。一方、コントロールでは
培地の色は黄色に変わり陽性と判定された。
【0029】なお、医療用高圧蒸気滅菌装置の規格(J
IS−T7322)では、芽胞(バチウスステアロサー
モフィラススポア)を用い、飽和蒸気121±0.5
℃、15分で死滅すべきことと定められているが、この
実施例の殺菌洗浄装置では5分の洗浄により芽胞が死滅
している。 (評価方法2)この実施例の殺菌洗浄装置の電解通路か
ら供給される洗浄媒水の殺菌効果を検定するため、表1
に示すような12種の病原細菌を被検菌として用いた。
【0030】各菌種をTryptic soy bro
th(TBS)で一夜培養し、その個体数を確認した。
そして、残留塩素濃度が5.0ppm及び10.0pp
mになるように調整した洗浄媒水に、単位容量当たりの
個体数が106 CFU/mlとなるように各菌種を加え
た。20℃で5秒、15秒、30秒の接触時間の後、一
白金耳を感受性ブイヨン培地(栄研科学株式会社製)に
植菌し、37℃で48時間静置培養後、被検菌の増殖の
有無を確認した。表中、「+」は被検菌が増殖していた
ことを、「−」は被検菌が殺菌され増殖していなかった
ことを示す。
【0031】
【表1】
【0032】(評価結果)表1に示すように、洗浄媒水
の残留塩素濃度が5ppmで、僅か15秒の接触時間で
も12菌種の全てを不活化できた。不活化できた12菌
種の中には、枯草菌や緑膿菌のように従来の消毒剤では
殺菌が困難なものも含まれている。また、現在院内感染
で問題になっているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(M
RSA)にも有効であることが分かる。
【0033】既存の消毒液としては次亜塩素酸ソーダ
(通常その残留塩素濃度は30ppm以上で使用)が最
も一般的に使用され又効果が高いが、この実施例の殺菌
洗浄装置の洗浄媒水はその残留塩素濃度が5ppmでも
十分な殺菌効果があった。 (評価方法3)この実施例の殺菌洗浄装置を用い、被洗
浄物から解離し洗浄媒水中に分散した付着物による化学
的酸素要求量(COD値)及びアンモニア性窒素の経時
的な低減効果を評価した。
【0034】上記殺菌洗浄装置の使用状態に準じ、10
ccの注射器15組を洗浄バスケットの座部にセットし
た。そして、洗浄媒水の残留塩素濃度を10、20、3
0、40ppmに調整し、それぞれの場合について評価
した。先ず洗浄媒水を循環させずに洗浄槽に於いて15
分間超音波洗浄を行った。その後、洗浄媒水の循環経路
を開路し、5、10、15分間の各処理時間の経過後に
於けるCOD値及びアンモニア性窒素の濃度を測定し
た。アンモニア性窒素の濃度の測定は、HACH社製D
R2000型分光光度計によるネスラー試薬比色法によ
り行った。COD値の測定結果を表2にアンモニア性窒
素の濃度の測定結果を表3に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】(評価結果)COD値及びアンモニア性窒
素の濃度は循環経路の開路後、処理時間の経過とともに
低減されていっているのが分かる。 (実施例2)上記実施例1との相違点を中心に説明す
る。この実施例(図示せず)では、超音波洗浄手段の替
わりに、洗浄槽内に洗浄媒水を噴流として導入する複数
の噴出ノズルを設けている。前記噴出ノズルにより活性
酸素を含む洗浄媒水を噴流として洗浄媒水を貯留する洗
浄槽内に導入する。
【0038】すると、噴流として導入される洗浄媒水の
大きな運動エネルギーにより、被洗浄物から付着物が解
離し洗浄媒水中に分散される。さらに前記運動エネルギ
ーにより、洗浄媒水中の活性酸素が、付着物が解離した
被洗浄物の周囲に作用する。つまり活性酸素の強い酸化
力に起因する殺菌力が被洗浄物に残存する病原菌に作用
しこれを不活化する。すなわち、洗浄槽内に被洗浄物を
入れるとこれを殺菌洗浄することができるという利点が
ある。なお、洗浄媒水を空気噴流とともに洗浄槽内にノ
ズルから導入すると、気泡の作用が加わるので更に洗浄
効果が向上する。
【0039】上述の実施例の殺菌洗浄装置は、病院や学
校その他の給食場などでの食器等や食品加工場に於ける
食材の殺菌洗浄の場合には、洗浄バスケットにこれら被
洗浄物を入れ、昇降コンベアに吊り下げて連続的に処理
することができる。また、理髪美容用具や剃刀などエイ
ズ感染の恐れのある用具の殺菌洗浄に好適に使用でき、
その他、調理用などの用具を洗浄殺菌するために利用す
ることができる。
【0040】
【発明の効果】この発明は上述のような構成を有するも
のであり、次の効果を奏する。 (請求項1及び2記載の発明の効果)洗浄槽内に被洗浄
物を入れるとこれを殺菌洗浄することができるので、被
洗浄物の殺菌洗浄処理を簡易に且つ短時間で行うことが
できる殺菌洗浄装置を提供することができる。 (請求項3記載の発明の効果)上記効果を有するととも
に、次の効果を有する。
【0041】付着物の有機成分を酸化分解することより
洗浄媒水の化学的酸素要求量(COD値)を低減するこ
とができる。 (請求項4記載の発明の効果)上記効果を有するととも
に、次の効果を有する。次亜塩素酸ソーダよりも次亜塩
素酸が多く生成する方に平衡が傾くとともに、次亜塩素
酸の方が次亜塩素酸ソーダよりも殺菌力が高いので、よ
り殺菌効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の殺菌洗浄装置の実施例1のフローチ
ャートを説明する図。
【図2】図1の殺菌洗浄装置の電解通路を説明する斜視
図。
【符号の説明】 2 洗浄槽 3 超音波洗浄手段 10 電解通路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ナトリウムが溶解する洗浄媒水を通
    水しながらこれに直流電流を流して電気分解する電解通
    路と、 前記電解通路から供給される洗浄媒水を貯留する洗浄槽
    と、 前記洗浄槽内の被洗浄物を洗浄するための超音波を伝達
    する超音波洗浄手段とを具備することを特徴とする殺菌
    洗浄装置。
  2. 【請求項2】 塩化ナトリウムが溶解する洗浄媒水を通
    水しながらこれに直流電流を流して電気分解する電解通
    路と、 前記電解通路から供給される洗浄媒水を貯留する洗浄槽
    と、 前記洗浄槽内に前記洗浄媒水を噴流として導入する複数
    の噴出ノズルとを具備することを特徴とする殺菌洗浄装
    置。
  3. 【請求項3】 前記洗浄槽と前記電解通路との間を循環
    する洗浄媒水の流体経路が形成されたことを特徴とする
    請求項1又は2記載の殺菌水製造装置。
  4. 【請求項4】 前記電解通路に於いて、塩化ナトリウム
    が溶解するとともに酸性とした洗浄媒水を通水しながら
    これに直流電流を流して電気分解することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の殺菌洗浄装置。
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