JPH0631190Y2 - アキシャルピストンポンプ - Google Patents
アキシャルピストンポンプInfo
- Publication number
- JPH0631190Y2 JPH0631190Y2 JP1989143004U JP14300489U JPH0631190Y2 JP H0631190 Y2 JPH0631190 Y2 JP H0631190Y2 JP 1989143004 U JP1989143004 U JP 1989143004U JP 14300489 U JP14300489 U JP 14300489U JP H0631190 Y2 JPH0631190 Y2 JP H0631190Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- chamber
- oil
- housing
- drive shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Reciprocating Pumps (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案はアキシャルピストンポンプに関するものであ
る。
る。
[従来の技術] 制御性に優れ大動力を出すことができるため油圧回路が
建設機械、産業車両、工作機械等に多く使用されてい
る。油圧回路の駆動源としての油圧ポンプの一つとして
アキシャルピストンポンプがある。アキシャルピストン
ポンプの一種である斜板式アキシャルピストンポンプは
第3図に示すように、ハウジング31に駆動軸32がベ
アリング33,34を介して支持され、駆動軸32と一
体的に回転するシリンダブロック35に複数個のシリン
ダボア36(1個のみ図示)が形成されている。シリン
ダボア36内にはシュー37を介して斜板38と常に当
接する状態でピストン39が往復動可能に収容されてい
る。そして、駆動軸32の回転に伴いピストン39が往
復動され、ピストン39が吸入ポートと対応する状態で
移動する際に作動油が吸入ポートからシリンダボア36
内に吸入され、ピストン39が吐出ポートと対応する状
態で移動する際に作動油が吐出ポートから吐出されるよ
うになっている。
建設機械、産業車両、工作機械等に多く使用されてい
る。油圧回路の駆動源としての油圧ポンプの一つとして
アキシャルピストンポンプがある。アキシャルピストン
ポンプの一種である斜板式アキシャルピストンポンプは
第3図に示すように、ハウジング31に駆動軸32がベ
アリング33,34を介して支持され、駆動軸32と一
体的に回転するシリンダブロック35に複数個のシリン
ダボア36(1個のみ図示)が形成されている。シリン
ダボア36内にはシュー37を介して斜板38と常に当
接する状態でピストン39が往復動可能に収容されてい
る。そして、駆動軸32の回転に伴いピストン39が往
復動され、ピストン39が吸入ポートと対応する状態で
移動する際に作動油が吸入ポートからシリンダボア36
内に吸入され、ピストン39が吐出ポートと対応する状
態で移動する際に作動油が吐出ポートから吐出されるよ
うになっている。
又、ハウジング31内はベアリング33,34及び各摺
動部の潤滑を良くするため、オイルで満たされている。
そして、駆動軸32の部分からのオイル漏れを防止する
ためフロント側ベアリング33の反シリンダブロック側
にはシャフトシール40が設けられている。
動部の潤滑を良くするため、オイルで満たされている。
そして、駆動軸32の部分からのオイル漏れを防止する
ためフロント側ベアリング33の反シリンダブロック側
にはシャフトシール40が設けられている。
[考案が解決しようとする課題] 前記従来装置ではフロント側のベアリング33及びシャ
フトシール40は袋小路の収容部内に配置されており、
駆動軸32の回転に伴い収容部内でオイルが攪拌される
が、収容部外からのオイルの流入あるいは収容部外への
オイルの流出はない。そのため、駆動軸32の回転に伴
うベアリング33の発熱により収納部内のオイルが高温
となって潤滑不良が生じたり、オイルの熱劣化や炭化及
びシャフトシール40の熱劣化が促進され、ベアリング
33やシャフトシール40の摩耗が促進される。又、ベ
アリング22で摩耗粉が発生した場合、摩耗粉が除去さ
れずに固まってベアリング33の回転に悪影響を与える
という問題がある。一方、リヤ側のベアリング34が配
置された箇所には、ピストン39の吐出行程においてバ
ルブプレート41とシリンダブロック35との間から漏
れるオイルの流れがあるが、該オイルはばね収容部42
に流れ込み、ベアリング34内は通過しない。従って、
ベアリング34が発熱した場合フロント側に比較して若
干冷却効果はあるが、やはりフロント側と同様収容部内
のオイルが高温となって同様な問題が生じる。
フトシール40は袋小路の収容部内に配置されており、
駆動軸32の回転に伴い収容部内でオイルが攪拌される
が、収容部外からのオイルの流入あるいは収容部外への
オイルの流出はない。そのため、駆動軸32の回転に伴
うベアリング33の発熱により収納部内のオイルが高温
となって潤滑不良が生じたり、オイルの熱劣化や炭化及
びシャフトシール40の熱劣化が促進され、ベアリング
33やシャフトシール40の摩耗が促進される。又、ベ
アリング22で摩耗粉が発生した場合、摩耗粉が除去さ
れずに固まってベアリング33の回転に悪影響を与える
という問題がある。一方、リヤ側のベアリング34が配
置された箇所には、ピストン39の吐出行程においてバ
ルブプレート41とシリンダブロック35との間から漏
れるオイルの流れがあるが、該オイルはばね収容部42
に流れ込み、ベアリング34内は通過しない。従って、
ベアリング34が発熱した場合フロント側に比較して若
干冷却効果はあるが、やはりフロント側と同様収容部内
のオイルが高温となって同様な問題が生じる。
本考案は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、
その目的は駆動軸を支持するベアリング及びシャフトシ
ールの熱劣化及びベアリングの摩耗を防止するとともに
ベアリングの潤滑を向上させることができ、ベアリング
及びシャフトシールの耐久性が向上してポンプの信頼性
を高めることができるアキシャルピストンポンプを提供
することにある。
その目的は駆動軸を支持するベアリング及びシャフトシ
ールの熱劣化及びベアリングの摩耗を防止するとともに
ベアリングの潤滑を向上させることができ、ベアリング
及びシャフトシールの耐久性が向上してポンプの信頼性
を高めることができるアキシャルピストンポンプを提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため本考案においては、ハウジン
グ内に前後一対のベアリングを介して駆動軸を回転可能
に支持するとともに、駆動軸の回転運動をシリンダブロ
ックのシリンダボア内に摺動可能に嵌挿されたピストン
の往復運動に変換する変換機構が収容された室を有し、
かつ該室内に潤滑用オイルが収容されたアキシャルピス
トンポンプにおいて、前記ベアリングを収容する各収容
部を前記室と連通する状態でハウジングに形成し、一方
の収容部をハウジングの外部と連通させかつ該収容部に
は前記室寄りにベアリングを配置するとともに外部寄り
にシャフトシールを配置し、ハウジングには少なくとも
前記一方の収容部と前記室とを連通する通路を設け、該
通路の一端を該収容部のベアリング配置位置とシャフト
シール配置位置との間に開口し、他端を前記室のベアリ
ング外周部より外側に開口した。
グ内に前後一対のベアリングを介して駆動軸を回転可能
に支持するとともに、駆動軸の回転運動をシリンダブロ
ックのシリンダボア内に摺動可能に嵌挿されたピストン
の往復運動に変換する変換機構が収容された室を有し、
かつ該室内に潤滑用オイルが収容されたアキシャルピス
トンポンプにおいて、前記ベアリングを収容する各収容
部を前記室と連通する状態でハウジングに形成し、一方
の収容部をハウジングの外部と連通させかつ該収容部に
は前記室寄りにベアリングを配置するとともに外部寄り
にシャフトシールを配置し、ハウジングには少なくとも
前記一方の収容部と前記室とを連通する通路を設け、該
通路の一端を該収容部のベアリング配置位置とシャフト
シール配置位置との間に開口し、他端を前記室のベアリ
ング外周部より外側に開口した。
[作用] 本考案のアキシャルピストンポンプでは駆動軸が回転す
ると、ベアリング回りのオイルも一緒に回転しオイル自
信の遠心力によってベアリング部から外周方向に向かっ
て流れようとする。その結果ベアリングのシャフトシー
ル側空間では負圧になり、通路を通ってオイルが流入す
る。このようにして通路、収容部、ベアリング、室内へ
の流れが生じる。収容部内のオイルが絶えず入れ替えら
れ、駆動軸とシャフトシールの摺動あるいはベアリング
の回転による発熱に伴う温度上昇が抑制される。この流
れによるオイルの循環量は駆動軸の回転速度が速くなる
ほど多くなる。又、ベアリングで発生した摩耗粉はオイ
ルがベアリングを通過する際にベアリングから除去され
る。
ると、ベアリング回りのオイルも一緒に回転しオイル自
信の遠心力によってベアリング部から外周方向に向かっ
て流れようとする。その結果ベアリングのシャフトシー
ル側空間では負圧になり、通路を通ってオイルが流入す
る。このようにして通路、収容部、ベアリング、室内へ
の流れが生じる。収容部内のオイルが絶えず入れ替えら
れ、駆動軸とシャフトシールの摺動あるいはベアリング
の回転による発熱に伴う温度上昇が抑制される。この流
れによるオイルの循環量は駆動軸の回転速度が速くなる
ほど多くなる。又、ベアリングで発生した摩耗粉はオイ
ルがベアリングを通過する際にベアリングから除去され
る。
[実施例] 以下、本考案を具体化した一実施例を第1,2図に従っ
て説明する。第1図に示すようにアキシャルポンプのハ
ウジング1は室2aを有するケーシング2とそのリヤ側
(第1図の左側)開放端を覆う状態で接合固定されたエ
ンドカバー3とからなり、ケーシング2とエンドカバー
3との間には駆動軸4がベアリング5,6を介して回転
可能に支持されている。駆動軸4のスプライン部7には
シリンダブロック8及び支持部材9が軸方向に摺動可能
かつ一体回転可能に支持されている。シリンダブロック
8には複数のシリンダボア10が形成され、シリンダボ
ア10内にはピストン11が往復動可能に収容されてい
る。支持部材9の球面部9aにはピストン11の基端に
設けられたシュー12と係合するシューリテーナ13が
支承されている。
て説明する。第1図に示すようにアキシャルポンプのハ
ウジング1は室2aを有するケーシング2とそのリヤ側
(第1図の左側)開放端を覆う状態で接合固定されたエ
ンドカバー3とからなり、ケーシング2とエンドカバー
3との間には駆動軸4がベアリング5,6を介して回転
可能に支持されている。駆動軸4のスプライン部7には
シリンダブロック8及び支持部材9が軸方向に摺動可能
かつ一体回転可能に支持されている。シリンダブロック
8には複数のシリンダボア10が形成され、シリンダボ
ア10内にはピストン11が往復動可能に収容されてい
る。支持部材9の球面部9aにはピストン11の基端に
設けられたシュー12と係合するシューリテーナ13が
支承されている。
又、シリンダブロック8の中心部に設けられた収容室1
4の一端弁板15寄りには止め輪16が固定されてい
る。そして、複数本のピン17がシリンダブロック8を
貫通するとともに一端が前記支持部材9の端面に当接し
他端が収容室14内において駆動軸4に遊嵌された係止
リング18に当接する状態に配設され、該ピン17は前
記係止リング18と、止め輪16に係止されたリング1
9との間に介装されたコイルばね20の作用により常に
斜板21側に押圧付勢されている。これによりコイルば
ね20の押圧力がピン17を介して支持部材9に伝達さ
れ、支持部材9の球面部9aに支承されたシューリテー
ナ13を介してシュー12が斜板21の摺接部21aに
押圧される。シューリテーナ13はシュー12がピスト
ン11の吸入行程において、オイルの吸入側での管路抵
抗により摺接部21aから引き離される方向への力を受
けた際、シュー12が摺接部21aから引き離されるの
を抑える役割を果たす。支持部材9、シュー12、シュ
ーリテーナ13及び斜板21により駆動軸4の回転運動
をシリンダブロック8のシリンダボア10内に摺動可能
に嵌挿されたピストン11の往復運動に変換する変換機
構が構成されている。又、コイルばね20の内側にはシ
リンダブロック8を弁板15側へ押圧付勢するため、一
端が前記リング19に係止され他端がスプライン部7の
端面に係止された状態でコイルばね22が介装されてい
る。なお、斜板21は紙面と垂直に配設された支軸(図
示せず)を中心にして回動可能に配設され、スプール3
0を介してその傾斜角が変更され、必要に応じて吐出量
(吸入量)が変更されるようになっている。
4の一端弁板15寄りには止め輪16が固定されてい
る。そして、複数本のピン17がシリンダブロック8を
貫通するとともに一端が前記支持部材9の端面に当接し
他端が収容室14内において駆動軸4に遊嵌された係止
リング18に当接する状態に配設され、該ピン17は前
記係止リング18と、止め輪16に係止されたリング1
9との間に介装されたコイルばね20の作用により常に
斜板21側に押圧付勢されている。これによりコイルば
ね20の押圧力がピン17を介して支持部材9に伝達さ
れ、支持部材9の球面部9aに支承されたシューリテー
ナ13を介してシュー12が斜板21の摺接部21aに
押圧される。シューリテーナ13はシュー12がピスト
ン11の吸入行程において、オイルの吸入側での管路抵
抗により摺接部21aから引き離される方向への力を受
けた際、シュー12が摺接部21aから引き離されるの
を抑える役割を果たす。支持部材9、シュー12、シュ
ーリテーナ13及び斜板21により駆動軸4の回転運動
をシリンダブロック8のシリンダボア10内に摺動可能
に嵌挿されたピストン11の往復運動に変換する変換機
構が構成されている。又、コイルばね20の内側にはシ
リンダブロック8を弁板15側へ押圧付勢するため、一
端が前記リング19に係止され他端がスプライン部7の
端面に係止された状態でコイルばね22が介装されてい
る。なお、斜板21は紙面と垂直に配設された支軸(図
示せず)を中心にして回動可能に配設され、スプール3
0を介してその傾斜角が変更され、必要に応じて吐出量
(吸入量)が変更されるようになっている。
弁板15にはピストン11が吸入側(第1図の右側)へ
移動する際のシリンダボア10の回動軌跡と対応する位
置及びピストン11が吐出側へ移動する際のシリンダボ
ア10の回動軌跡と対応する位置に、第2図に示すよう
に円弧状の吸入ポート15a及び吐出ポート15bがそ
れぞれ形成されている。又、エンドカバー3には吸入ポ
ート15a及び吐出ポート15bにそれぞれ連通する吸
入通路及び吐出通路(いずれも図示せず)がそれぞれ形
成されている。
移動する際のシリンダボア10の回動軌跡と対応する位
置及びピストン11が吐出側へ移動する際のシリンダボ
ア10の回動軌跡と対応する位置に、第2図に示すよう
に円弧状の吸入ポート15a及び吐出ポート15bがそ
れぞれ形成されている。又、エンドカバー3には吸入ポ
ート15a及び吐出ポート15bにそれぞれ連通する吸
入通路及び吐出通路(いずれも図示せず)がそれぞれ形
成されている。
又、ケーシング2の室2a内には前記ベアリング5,
6、シュー12と摺接部21aとの摺動部等の潤滑を行
うためのオイル(図示せず)が満たされ、ケーシング2
に形成されたドレンポート23から余分なオイルが回収
されるようになっている。フロント側のベアリング5は
ケーシング2の前壁に室2a側に開口するように形成さ
れた収容部24の開口部側(リヤ側)に配設され、収容
部24のフロント側には室2a内のオイルが漏れるのを
防止するためのシャフトシール25が止め輪26により
抜け止めされた状態で配設されてる。リヤ側のベアリン
グ6はエンドカバー3の内端面に形成された収容部27
内に配設されている。収容部27は前記弁板15の中心
に形成された孔15cを介して前記シリンダブロック8
の収容室14に連通されている。フロント側の収容部2
4は一端がベアリング5の収容位置の反シリンダブロッ
ク側に開口し、他端がベアリンダ5の外周部より外側に
おいて前記室2aに開口するようにケーシング2に形成
された通路28を介して室2aと連通されている。又、
リヤ側の収容部27は一端がベアリング6の収容位置と
反シリンダブロック側に開口し、他端がベアリング6の
外周部より外側において前記室2aに開口するようにエ
ンドカバー3に形成された通路29を介して室2aと連
通されている。
6、シュー12と摺接部21aとの摺動部等の潤滑を行
うためのオイル(図示せず)が満たされ、ケーシング2
に形成されたドレンポート23から余分なオイルが回収
されるようになっている。フロント側のベアリング5は
ケーシング2の前壁に室2a側に開口するように形成さ
れた収容部24の開口部側(リヤ側)に配設され、収容
部24のフロント側には室2a内のオイルが漏れるのを
防止するためのシャフトシール25が止め輪26により
抜け止めされた状態で配設されてる。リヤ側のベアリン
グ6はエンドカバー3の内端面に形成された収容部27
内に配設されている。収容部27は前記弁板15の中心
に形成された孔15cを介して前記シリンダブロック8
の収容室14に連通されている。フロント側の収容部2
4は一端がベアリング5の収容位置の反シリンダブロッ
ク側に開口し、他端がベアリンダ5の外周部より外側に
おいて前記室2aに開口するようにケーシング2に形成
された通路28を介して室2aと連通されている。又、
リヤ側の収容部27は一端がベアリング6の収容位置と
反シリンダブロック側に開口し、他端がベアリング6の
外周部より外側において前記室2aに開口するようにエ
ンドカバー3に形成された通路29を介して室2aと連
通されている。
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。ア
キシャルピストンポンプが運転されると、駆動軸4の回
転に伴いシリンダブロック8が一体的に回転する。ピス
トン11はシュー12を介して斜板21に常に押圧され
ているため、シリンダブロック8の回転に伴いピストン
11がシリンダボア10内を往復動しながら駆動軸4の
回りを公転する。シリンダボア10が収入ポート15a
と対応する位置を移動する時には、ピストン11が第1
図の右側へ移動されて作動油が吸入ポート15aを経て
シリンダボア10内に吸入される。又、ピストン11が
下死点を過ぎて吐出ポート15bと対応する位置を移動
する時には、ピストン11が第1図の左側へ移動され、
シリンダボア10内に吸入されていた作動油が吐出ポー
ト15bを経て吐出通路から吐出される。ピストン11
のストロークは斜板21の傾斜角により規定され、傾斜
角の値が大きくなるほど吸入量及び吐出量も大きくな
る。
キシャルピストンポンプが運転されると、駆動軸4の回
転に伴いシリンダブロック8が一体的に回転する。ピス
トン11はシュー12を介して斜板21に常に押圧され
ているため、シリンダブロック8の回転に伴いピストン
11がシリンダボア10内を往復動しながら駆動軸4の
回りを公転する。シリンダボア10が収入ポート15a
と対応する位置を移動する時には、ピストン11が第1
図の右側へ移動されて作動油が吸入ポート15aを経て
シリンダボア10内に吸入される。又、ピストン11が
下死点を過ぎて吐出ポート15bと対応する位置を移動
する時には、ピストン11が第1図の左側へ移動され、
シリンダボア10内に吸入されていた作動油が吐出ポー
ト15bを経て吐出通路から吐出される。ピストン11
のストロークは斜板21の傾斜角により規定され、傾斜
角の値が大きくなるほど吸入量及び吐出量も大きくな
る。
駆動軸4の回転に伴いベアリング5,6も回転して発熱
する。又、シャフトシール25と駆動軸4との摺動部も
発熱する。従来はベアリング5及びシャフトシール25
の収容部24にはオイルの流れがなく、前記発熱に伴い
収容部24内のオイルが高温となり、オイルの被膜形成
能が低下してベアリング5の潤滑性が悪くなったり、オ
イルの熱劣化や炭化あるいはシャフトシール25の熱劣
化(ゴムの硬化)が生じ、ベアリング5やシャフトシー
ル25の耐久性が悪くなる。しかし、この考案の構成で
は、収容部24の壁面に室2aに連通する通路28の一
端が開口されているため、駆動軸4及びベアリング5の
回転に伴い収容室24内のオイルが駆動軸4を中心とし
て回転した場合、その遠心力によりオイルは外周方向へ
流れようとし、結果として通路28の収容部24側の開
口端の圧力が通路28の室2a側の開口端の圧力よりや
や低くなる。この圧力差により通路28を通って室2a
内のオイルがフロント側の収容部24に流入し、室2a
→通路28→収容部24→ベアリング5→室2aという
オイルの流れが発生する。そして、ベアリング5の回転
あるいは駆動軸4とシャフトシール25との摺動により
発生した熱が収容部24を通過するオイルとともに収容
部24外に除去される。従って、収容部24内のオイル
はその潤滑性能が低下するほど高温とはならず、オイル
及びシャフトシール25の熱劣化が防止される。なお、
室2a内に設けられた斜板21とシュー12との摺動部
等も発熱するが、室2a内の容積が大きくオイルの量も
多く、又、ピストン,シリンダ間、シュー,斜板間から
漏洩したオイルがドレンへ向かって流れるため適度にオ
イル循環が行われ室2a内のオイルの温度はさほど上昇
しない。又、オイルがベアリング5を通過して室2aへ
流出するため、ベアリング5で発生した摩耗粉がオイル
により運び去られる。従って、従来と異なり摩耗粉がベ
アリング5内で固まることが確実に回避され、摩耗粉が
ベアリング5の回転に支障をきたすことはない。
する。又、シャフトシール25と駆動軸4との摺動部も
発熱する。従来はベアリング5及びシャフトシール25
の収容部24にはオイルの流れがなく、前記発熱に伴い
収容部24内のオイルが高温となり、オイルの被膜形成
能が低下してベアリング5の潤滑性が悪くなったり、オ
イルの熱劣化や炭化あるいはシャフトシール25の熱劣
化(ゴムの硬化)が生じ、ベアリング5やシャフトシー
ル25の耐久性が悪くなる。しかし、この考案の構成で
は、収容部24の壁面に室2aに連通する通路28の一
端が開口されているため、駆動軸4及びベアリング5の
回転に伴い収容室24内のオイルが駆動軸4を中心とし
て回転した場合、その遠心力によりオイルは外周方向へ
流れようとし、結果として通路28の収容部24側の開
口端の圧力が通路28の室2a側の開口端の圧力よりや
や低くなる。この圧力差により通路28を通って室2a
内のオイルがフロント側の収容部24に流入し、室2a
→通路28→収容部24→ベアリング5→室2aという
オイルの流れが発生する。そして、ベアリング5の回転
あるいは駆動軸4とシャフトシール25との摺動により
発生した熱が収容部24を通過するオイルとともに収容
部24外に除去される。従って、収容部24内のオイル
はその潤滑性能が低下するほど高温とはならず、オイル
及びシャフトシール25の熱劣化が防止される。なお、
室2a内に設けられた斜板21とシュー12との摺動部
等も発熱するが、室2a内の容積が大きくオイルの量も
多く、又、ピストン,シリンダ間、シュー,斜板間から
漏洩したオイルがドレンへ向かって流れるため適度にオ
イル循環が行われ室2a内のオイルの温度はさほど上昇
しない。又、オイルがベアリング5を通過して室2aへ
流出するため、ベアリング5で発生した摩耗粉がオイル
により運び去られる。従って、従来と異なり摩耗粉がベ
アリング5内で固まることが確実に回避され、摩耗粉が
ベアリング5の回転に支障をきたすことはない。
又、通路28の室2a側の開口端の圧力は駆動軸3の回
転速度に関係なくほぼ一定であるが、通路28の収容部
24側の開口端の圧力は駆動軸4の回転速度が速くなる
ほと低くなり、両者の差圧が大きくなって通路28を流
れるオイルの流量が増す。ベアリング5等の発熱は駆動
軸4の回転速度が速くなるほど増大するが、オイルの流
量もそれに対応して増すため、駆動軸4が高速回転され
ても収容部24内のオイルが異常高温となることはな
い。
転速度に関係なくほぼ一定であるが、通路28の収容部
24側の開口端の圧力は駆動軸4の回転速度が速くなる
ほと低くなり、両者の差圧が大きくなって通路28を流
れるオイルの流量が増す。ベアリング5等の発熱は駆動
軸4の回転速度が速くなるほど増大するが、オイルの流
量もそれに対応して増すため、駆動軸4が高速回転され
ても収容部24内のオイルが異常高温となることはな
い。
一方、リヤ側では弁板15の吐出ポート15bの周囲に
おいて、弁板15とシリンダブロック8間及び弁板15
とエンドカバー3間で、吐出ポート15bと室2a内の
差圧のため弁板15の内周側及び外周側へとシリンダボ
ア10内からオイルが漏洩する。そして、弁板15の内
周側(孔15c)側へ漏れたオイルの一部はシリンダブ
ロック8の収容室14及びスプライン部7を通って室2
a内に流出し、残りはリヤ側のベアリング6を通過した
後、通路29を通って室2aに流出する。吐出圧が高い
程ベアリング6に作用する荷重が大きくなって発熱量が
大きくなるとともに摩耗が生じ易くなるが、シリンダボ
ア10からのオイルの漏れ量も吐出圧が高い程多くなっ
てベアリング6の冷却効果が高くなる。すなわち、ポン
プの運転中は収容部27内にオイルが流入するとともに
ベアリング6を通って室2aに流出するので、フロント
側と同様に収容部27内のオイルはその潤滑性能が低下
するほど高温とはならず、オイルの熱劣化が防止され
る。又、オイルがベアリング6を通過して室2aへ流出
することによりベアリング6で発生した摩耗粉がオイル
により運び去られ、摩耗粉がベアリング6内で固まるこ
とが確実に回避され、摩耗粉がベアリング6の回転に支
障をきたすことはない。
おいて、弁板15とシリンダブロック8間及び弁板15
とエンドカバー3間で、吐出ポート15bと室2a内の
差圧のため弁板15の内周側及び外周側へとシリンダボ
ア10内からオイルが漏洩する。そして、弁板15の内
周側(孔15c)側へ漏れたオイルの一部はシリンダブ
ロック8の収容室14及びスプライン部7を通って室2
a内に流出し、残りはリヤ側のベアリング6を通過した
後、通路29を通って室2aに流出する。吐出圧が高い
程ベアリング6に作用する荷重が大きくなって発熱量が
大きくなるとともに摩耗が生じ易くなるが、シリンダボ
ア10からのオイルの漏れ量も吐出圧が高い程多くなっ
てベアリング6の冷却効果が高くなる。すなわち、ポン
プの運転中は収容部27内にオイルが流入するとともに
ベアリング6を通って室2aに流出するので、フロント
側と同様に収容部27内のオイルはその潤滑性能が低下
するほど高温とはならず、オイルの熱劣化が防止され
る。又、オイルがベアリング6を通過して室2aへ流出
することによりベアリング6で発生した摩耗粉がオイル
により運び去られ、摩耗粉がベアリング6内で固まるこ
とが確実に回避され、摩耗粉がベアリング6の回転に支
障をきたすことはない。
なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、
例えば、ベアリング5,6として円錐コロを使用するも
のに代えてボールベアリングやニードルベアリングを使
用してもよい。又、通路28,29を形成する位置は収
容部24,27の下側に限らず横側あるいは上側に形成
したり、リヤ側の通路29を省略してもよい。さらに
は、斜板式のアキシャルピストンポンプ以外に斜軸式の
アキシャルピストンポンプに適用したり、可変容量型で
はなく固定容量型のアキシャルピストンポンプに適用し
てもよい。
例えば、ベアリング5,6として円錐コロを使用するも
のに代えてボールベアリングやニードルベアリングを使
用してもよい。又、通路28,29を形成する位置は収
容部24,27の下側に限らず横側あるいは上側に形成
したり、リヤ側の通路29を省略してもよい。さらに
は、斜板式のアキシャルピストンポンプ以外に斜軸式の
アキシャルピストンポンプに適用したり、可変容量型で
はなく固定容量型のアキシャルピストンポンプに適用し
てもよい。
[考案の効果] 以上詳述したように、本考案によればポンプの運転中、
ベアリング及びシャフトシールが収容された収容部内に
オイルが滞留せずにベアリングを通過する状態で収容部
外との間で循環し、しかもオイルの循環量が駆動軸の回
転速度の増大にともない増大するため、駆動軸とシャフ
トシールとの摺動、ベアリングの回転に伴う発熱による
オイルの異常な温度上昇が確実に抑制され、オイルの潤
滑特性の低下やオイルの熱劣化(特に炭化)が防止され
るとともにシャフトシールのゴムの硬化が防止される。
又、ベアリングで発生した摩耗粉がオイルの循環により
随時除去され、摩耗粉がベアリング内で固まって回転に
支障をきたすことがなくなる。従って、ベアリングやシ
ャフトシールの耐久性が向上するとともにポンプの信頼
性が向上する。
ベアリング及びシャフトシールが収容された収容部内に
オイルが滞留せずにベアリングを通過する状態で収容部
外との間で循環し、しかもオイルの循環量が駆動軸の回
転速度の増大にともない増大するため、駆動軸とシャフ
トシールとの摺動、ベアリングの回転に伴う発熱による
オイルの異常な温度上昇が確実に抑制され、オイルの潤
滑特性の低下やオイルの熱劣化(特に炭化)が防止され
るとともにシャフトシールのゴムの硬化が防止される。
又、ベアリングで発生した摩耗粉がオイルの循環により
随時除去され、摩耗粉がベアリング内で固まって回転に
支障をきたすことがなくなる。従って、ベアリングやシ
ャフトシールの耐久性が向上するとともにポンプの信頼
性が向上する。
第1,2図は本考案を具体化した一実施例を示すもので
あって第1図は縦断面図、第2図は弁板とシリンダボア
の関係を示す図、第3図は従来の斜板式アキシャルピス
トンポンプの縦断面図である。 ハウジングを構成するケーシング2,エンドカバー3、
室2a、駆動軸4、ベアリング5,6、シリンダブロッ
ク8、シリンダボア10、ピストン11、変換機構を構
成する支持部材9,シュー12,シューリテーナ13、
弁板15、吸入ポート15a、吐出ポート15b、斜板
21、収容部24,27、シャフトシール25、通路2
8,29。
あって第1図は縦断面図、第2図は弁板とシリンダボア
の関係を示す図、第3図は従来の斜板式アキシャルピス
トンポンプの縦断面図である。 ハウジングを構成するケーシング2,エンドカバー3、
室2a、駆動軸4、ベアリング5,6、シリンダブロッ
ク8、シリンダボア10、ピストン11、変換機構を構
成する支持部材9,シュー12,シューリテーナ13、
弁板15、吸入ポート15a、吐出ポート15b、斜板
21、収容部24,27、シャフトシール25、通路2
8,29。
Claims (1)
- 【請求項1】ハウジング内に前後一対のベアリングを介
して駆動軸を回転可能に支持するとともに、駆動軸の回
転運動をシリンダブロックのシリンダボア内に摺動可能
に嵌挿されたピストンの往復運動に変換する変換機構が
収容された室を有し、かつ該室内に潤滑用オイルが収容
されたアキシャルピストンポンプにおいて、 前記ベアリングを収容する各収納部を前記室と連通する
状態でハウジングに形成し、一方の収容部をハウジング
の外部と連通させかつ該収容部には前記室寄りにベアリ
ングを配置するとともに外部寄りにシャフトシールを配
置し、ハウジングには少なくとも前記一方の収容部と前
記室とを連通する通路を設け、該通路の一端を該収容部
のベアリング配置位置とシャフトシール配置位置との間
に開口し、他端を前記室のベアリング外周部より外側に
開口したアキシャルピストンポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989143004U JPH0631190Y2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | アキシャルピストンポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989143004U JPH0631190Y2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | アキシャルピストンポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0382881U JPH0382881U (ja) | 1991-08-23 |
JPH0631190Y2 true JPH0631190Y2 (ja) | 1994-08-22 |
Family
ID=31689807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1989143004U Expired - Lifetime JPH0631190Y2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | アキシャルピストンポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0631190Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6929516B2 (ja) * | 2017-09-11 | 2021-09-01 | 株式会社不二越 | 斜板式可変容量ピストンポンプ |
JP7374638B2 (ja) * | 2019-07-18 | 2023-11-07 | ナブテスコ株式会社 | 流体機械及び建設機械 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5773881A (en) * | 1980-10-23 | 1982-05-08 | Nissan Motor Co Ltd | Variable capacity vane pump |
JPS5925096A (ja) * | 1982-08-03 | 1984-02-08 | Toyoda Autom Loom Works Ltd | 斜板式圧縮機の潤滑装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62203971U (ja) * | 1986-06-16 | 1987-12-26 |
-
1989
- 1989-12-11 JP JP1989143004U patent/JPH0631190Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5773881A (en) * | 1980-10-23 | 1982-05-08 | Nissan Motor Co Ltd | Variable capacity vane pump |
JPS5925096A (ja) * | 1982-08-03 | 1984-02-08 | Toyoda Autom Loom Works Ltd | 斜板式圧縮機の潤滑装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0382881U (ja) | 1991-08-23 |
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