JPH0631019Y2 - 建築用板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、羽目板など無垢材の木質建築用板の改良に関
する。

［従来の技術とその問題点］ 無垢板材の建築用板は本物、高級志向から復活してきた
が、無垢材はもともと繊維と直交する方向の吸放湿寸法
変化が大きいので、気密性、断熱性を向上させた現代建
築では、過乾燥や開口部の結露などの影響で施工後に反
りや不陸を生じることがあった。

又、近年良質の原木が不足しており、製材時や保管時に
狂いが生じ易く、製品歩留まりが低下したり施工時に実
部の接合状態が悪く仕上がり外観が悪くなるという欠点
がありせっかくの高級感も損なわれるという問題点があ
った。

［目的］ 本考案は、羽目板など無垢板材において多少の反りや狂
いを生じても施工性や仕上がりを低下させないものであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記問題点を解決し、目的を達成するために、本考案
は、繊維方向に沿って木取りした長尺無垢板材の長辺端
面にそれぞれ雄雌実を設けた建築用板において、雌実の
凹部の表面側底部に段部を形成し雄実の先端部の表面側
を傾斜面に形成してなる構成としてある。

［作用］ 本考案にかかる建築用板は、上記構成により製造、保管
時に多少反りや狂いがあっても、施工時該建築用板を連
設して嵌合する際に、雄実の先端部の傾斜面をガイドに
してスムーズ嵌合でき、雌実の段部と雄実の傾斜面が接
触したところで固定でき、目地幅を一定にして取付ける
ことができるので施工性、仕上がりが良好である。

また、施工後に建築用板が多少伸縮しても、雄実先端が
雄実の先端の傾斜面をガイドにして雌実の凹部の表面側
内面の段部の下側に生じる空間部に潜り込めるので建築
板端部が持上がることがなく長期に渡って良好な美観性
を維持できる。

（本考案の構成） 以下、図面に示す本考案の実施例に従って説明すると、
第１図は第１実施例の側面図、第２図はその使用状態に
おける要部拡大断面図である。

第１図は、繊維方向に沿って木取りした長尺無垢板材１
の長辺端面にそれぞれ雄実２．雌実３を設けた建築用板
Ａで、Ｂは表面側、Ｃは裏面側である。

雄実２は、表面側２′を表面Ｂと平行に形成しその先端
部に傾斜面７が形成されており、裏面側２″は根元に向
かって傾斜して厚くなっている。

雌実３は、凹部４の表面側内面４′を表面Ｂと平行に形
成し、その底部５に段部６を設ける一方裏面側内面４″
は外方に向かって傾斜している。

また、裏面側Ｃには反り防止用の溝９．９．９が長手方
向に平行に設けられていて、建築用板Ａが少なくとも幅
方向に大きく山反りすることを防止しており、万が一、
幅方向に谷反りしても雄実２の表面側先端部の傾斜面７
が雌実３の凹部４の表面側内面４′に沿って嵌合され施
工が容易にできるようにしてある。

［効果］ 以上のように、本考案にかかる建築用板は、反りが生じ
やすい無垢材であっても、該建築用板を連設して嵌合す
る際に、雄実の先端部の傾斜面をガイドにしてスムーズ
嵌合でき、目地幅を一定にして取付けられるので施工
性、仕上がりが良好であり、また、施工後に建築用板が
多少伸縮しても、不陸を生じることがなく長期に渡って
良好な美観性を維持できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は第１実施
例の側面図、第２図はその使用状態における要部拡大断
面図である。 Ａ……建築用板、Ｂ……表面側、Ｃ……裏面側 １……長尺無垢板材、２……雄実、３……雌実 ７……傾斜面、４……凹部、６……段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】繊維方向に沿って木取りした長尺無垢板材
   の長辺端面にそれぞれ雄雌実を設けた建築用板におい
   て、雌実の凹部の表面側底部に段部を形成し、雄実の先
   端部の表面側を傾斜面に形成してなることを特徴とする
   建築用板。