JPH06308732A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物

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JPH06308732A
JPH06308732A JP9753093A JP9753093A JPH06308732A JP H06308732 A JPH06308732 A JP H06308732A JP 9753093 A JP9753093 A JP 9753093A JP 9753093 A JP9753093 A JP 9753093A JP H06308732 A JPH06308732 A JP H06308732A
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acid
group
compound
reaction
resin composition
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JP9753093A
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Chikayuki Otsuka
周幸 大塚
Kazuyuki Kawamura
和之 川村
Mamoru Kiyoo
守 清尾
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可とう性、密着性に優れ、露光感度が高く、
現像時間の短い、かつ現像時の未露光部の膨潤あるいは
溶解が抑制されたポジ型感光性樹脂組成物の提供。 【構成】 ポリエポキシド、フェノール性水酸基を有
する芳香族または複環式カルボン酸、脂肪族モノカルボ
ン酸、1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドの反
応により得られた樹脂を含むポジ型感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント配線板、集積回
路などの製造に際し使用される微細加工用レジストとし
て、また平版印刷版の製造に際し使用される感光材料と
して有用なポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポジ型感光性樹脂組成物は集積回
路の製造プロセス、プリント配線板ならびに印刷版の製
造プロセスなどに広く利用されている。ポジティブ画像
を形成する感光性樹脂組成物としてはアルカリ可溶性の
ノボラック樹脂にキノンジアジド化合物を混合したもの
が使用されていた。かかる系ではキノンジアジド化合物
が有機溶媒にのみ溶解し、アルカリ水溶液には溶解しな
い特性を利用し現像液であるアルカリ水溶液に対して溶
解阻止剤として系内に存在しているが、紫外線の照射を
うけるとキノンジアジド基が分解しケテンを経てカルボ
ン酸基を生じ、アルカリ水溶液に対して可溶性となり現
像を促進するものである。
【0003】しかしながら、かかる系においてはレジス
トフィルムとした場合に脆く、また基板との密着性にお
いても充分満足のいくものではなく、改良が望まれてい
た。
【0004】本発明者等に既に、ポリエポキシド化合
物、フェノール性水酸基を有する化合物およびキノンジ
アジド酸ハロゲン化物を用いて、これら全てを反応させ
て得られた組成物を提案した(米国特許4,999,27
4号)。かかる系では、キノンジアジド系感光剤自身が
良好な造膜性、可とう性、基板との密着性、光照射後の
良好なアルカリ溶解性等を有し、かつアルカリ可溶性樹
脂との間で良好な相溶性を有する優れたものである。本
発明者等は、上記組成物の露光感度を更に向上させると
ともに、所要現像時間も更に短縮することを試みた。本
発明者等の検討によれば、露光感度の向上、すなわち光
照射後の溶解性の向上は疎水性の大なるナフトキノンジ
アジド酸ハロゲン化物の付加率を低くおさえることによ
って達成することが可能であり、その結果、所要現像時
間も短縮することが解った。しかしながらこの場合に
は、未露光部すなわち画線部の現像液に対する親和性が
向上し、ポジ型感光剤の溶解性阻止剤としての機能が損
なわれ、現像時に膨潤あるいは一部溶解するといった不
具合を生じ易い。従って露光感度の向上および所要現像
時間の短縮化と耐現像液性の両立は困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで可とう性、密着
性に優れる他に、露光感度が高い上、短時間での現像が
可能であり、かつ現像時の未露光部の膨潤あるいは溶解
が抑制されるならばきわめて有効であり、かかるポジ型
感光性樹脂組成物を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は(A)多価
アルコールのグリシジルエーテル化合物、ポリカルボン
酸のグリシジルエステル化合物、脂環式グリシジル化合
物、グリシジルアミン化合物、複素環式グリシジル化合
物およびビスフェノールAのアルキレンオキサイド化合
物からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ当
量75〜1000のポリエポキシド化合物、(B)一般式
(I)で表されるフェノール性水酸基を有する芳香族また
は、複素環式カルボン酸化合物(I)式
【0007】
【化2】
【0008】(式中Aは置換基を有していてもかまわな
いアルキレン、アリーレンあるいは−CH=CH−、−
CO−R3−、−CO−O−R4−、−CO−CH2NH
−であり、R3、R4は置換基を有していてもかまわない
アルキレンまたはアリーレン基であり、nは0または1
を表し、mは1〜3の基数を表し、R1とR2は同一でも
異なっていてもよく夫々水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルケニル基、ニトロ基あるいはアルコキシ基
を表し、またR1とR2はベンゼン環の炭素原子と共に芳
香族環、脂環族環あるいは複素環を形成することができ
る)
【0009】(C)一般式(II)で表される飽和または不
飽和脂肪族モノカルボン酸化合物および、(II)式 R1'−COOH (式中R1'は水素原子または置換基を有していてもかま
わないアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基あるい
は、R2'−O−CO−R3'−、R4'−NH−CO−R5'
−であり、R2'、R4'は置換基を有していてもかまわな
いアルキル基、アルケニル基あるいはモノアルコキシア
ルキル基を表し、またR3'、R5'は置換基を有していて
もかまわないアルキレン基、アルキレンエーテル基ある
いは−CH=CH−である。)
【0010】(D)1,2−キノンジアジドスルホン酸ハ
ライド化合物の4成分の反応により得られ、カルボン酸
成分である(B)と(C)の比率は、カルボキシル基当量換
算で、(C)が最小10%、最大95%となる構成比であ
り、かつ、(B)+(C)のカルボキシル基:(A)のエポキ
シ当量=1:0.8〜1.2であり、さらに、(B)のフ
ェノール性水酸基と(D)のスルホニルハライドの反応に
より1分子中に残存する未反応フェノール性OH基数が
反応前の全フェノール性OH基数の0〜75%となる当
量比である樹脂からなるポジ型感光性樹脂組成物によっ
て達成させられる。
【0011】本発明にかかる感光性樹脂組成物は(A)
多価アルコールのグリシジルエーテル化合物、ポリカル
ボン酸のグリシジルエステル化合物、脂環式グリシジル
化合物、グリシジルアミン化合物、複素環式グリシジル
化合物およびビスフェノールAのアルキレンオキサイド
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキ
シ当量75〜1000のポリエポキシド化合物と、
【0012】(B) 一般式(I)で表されるフェノール性
水酸基を有する芳香族または、複素環式カルボン酸化合
物および(C)一般式(II)で表される飽和または不飽和
脂肪族モノカルボン酸化合物とを、(B)成分と(C)成分
についてカルボキシル基当量換算で(C)成分の比率が1
0〜95%となる範囲内で(両者のカルボキシル基当量
の和):(エポキシ基の当量)=1:0.8〜1.2の割合
で反応せしめ、次いで該反応生成物に対し、(B)成分の
フェノール性水酸基に対し(D)1.2−キノンジアジド
酸ハロゲン化物をそれぞれ当量比で1:0.25〜1.
0の割合で反応せしめる方法によって容易に製造せられ
る。一方であらかじめ(D)成分である1,2−キノンジ
アジド酸ハロゲン化物と(B)成分のフェノール性水酸基
を有する芳香族あるいは複素環化合物とを所定量反応せ
しめ後、所定量の(C)成分とともに(A)成分のポリエポ
キシド化合物とを反応せしめる方法もあるがキノンジア
ジド化合物の熱安定性を考慮するならば前者の方法が好
ましい。
【0013】尚、本願明細書でいうところの「ポリエポ
キシド化合物」なる語は平均して1分子あたりのエポキ
シ基数が1.2以上のエポキシ化合物を意味するものと
する。本発明で使用せられる(A)成分のポリエポキシド
化合物は、多価アルコールのグリシジルエーテル化合
物、ポリカルボン酸のグリシジルエステル化合物、脂環
式グリシジル化合物、グリシジルアミン化合物、複素環
式グリシジル化合物、およびビスフェノールAのアルキ
レンオキサイド化合物よりなる群より選ばれる少なくと
も1種の化合物でエポキシ当量が75〜1000、好ま
しくは100〜350の範囲内にあるものである。エポ
キシ当量が75より小さいものは分子量が小さすぎ造膜
性が悪いし、また1000を超えると分子量が大になり
すぎてアルカリに溶解しがたくなりポジ型感光性が低下
するので共に好ましくない。
【0014】より具体的には、 (a)多価アルコールのグリシジルエーテル化合物;例え
ばポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオポンチ
ルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリ
シジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテルなど
【0015】(b)ポリカルボン酸のグリシジルエステル
化合物;例えばフタル酸ジグリシジルエステル、テトラ
ヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグ
リシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルな
ど (c)脂環式グリシジル化合物;例えば水添ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル、シクロヘキセン誘導体、ジシ
クロペンタジエン誘導体など (d)グリシジルアミン化合物;例えばテトラグリシジルビ
スアミノメチルシクロヘキサンなど
【0016】(e)複素環式グリシジル化合物;例えばトリ
グリシジルイソシアヌレート、N,N−ジグリシジル5,
5−ジメチルヒダントインなど (f)ビスフェノールAのアルキレンオキサイド化合物;例
えばビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付
加物のジグリシジルエーテルなどが用いられる。 これ
らのポリエポキシド化合物の選択使用により膜の可とう
性、密着性が良好で解像度の改善が期待される。
【0017】本発明で使用せられる(B)成分のフェノー
ル性水酸基を有する芳香族あるいは複素環式カルボン酸
化合物は式(I)で示される。この式中、アルキル基は好
ましくは炭素数1〜20、アルケニル基好ましくは炭素
数2〜10、アルコキシ基は好ましくは炭素数1〜2
0、アルキレン基は好ましくは炭素数1〜20、アリー
レン基は好ましくは炭素数6〜20を有する。ハロゲン
原子は具体的にはヨウ素、フッ素、塩素および臭素であ
る。R2とR3とベンゼン環とで形成する芳香族環、脂肪
族環および複素環の例としては2ヒドロキシ−1−ナフ
タリックアシッド、8ヒドロキシキノリン−7−カルボ
キシリックアシッドモノハイドライト、4',5'−ジブ
ロモオレセインが挙げられる。かかるカルボン酸の化合
物の例としては、3−メトキシサリシリックアシッド、
3−メチルサリシリックアシッド、5−メチルサリシリ
ックアシッド、5−tert−オクチルサリシリックアシッ
ド、3−クロロ−4−ヒドロキシベンゾイックアシッ
ド、5−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾイックアシッ
ド、4−エトキシ−2−ヒドロキシベンゾイックアシッ
ド、5−メチルチオ−サリシリックアシッド、3−ヒド
ロキシ−4−ニトロベンゾイックアシッド、3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッド、1,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシ
ッド、3−フェニルサリシリックアシッド、4−ベンズ
アミド−サリシリックアシッド、4−ジメチルアミノサ
リシリックアシッド、3,4−ジヒドロキシベンゾイッ
クアシッド、2,3−ジヒドロキシベンゾイックアシッ
ド、2,6−ジヒドロキシベンゾイックアシッド、4−
ブロモ−3,5−ジヒドロキシベンゾイックアシッド、
3,4,5−トリヒドロキシベンゾイックアシッド、2,
4,6−トリヒドロキシベンゾイックアシッド、ジブロ
モガーリックアシッド、o−ヒドロキシフェニルアセテ
ィックアシッド、m−ヒドロキシフェニルアセティック
アシッド、p−ヒドロキシフェニルアセティックアシッ
ド、4−ヒドロキシ3−メトキシフェニルアセティック
アシッド、DL−4−ヒドロキシ−3−メトキシ−マン
デリックアシッド、p−ヒドロキシフェニルピルビック
アシッド、3−(p−ヒドロキシフェニル)−ラクティッ
クアシッド、DL−3,4−ジヒドロキシマンデリック
アシッド、3,4−ジヒドロキシフェニルアセティック
アシッド、o−ヒドロキシシンナミックアシッド、m−ヒ
ドロキシシンナミックアシッド、p−ヒドロキシシンナ
ミックアシッド、3−ヒドロキシ−4−メトキシシンナ
ミックアシッド、3,4−ジヒドロキシシンナミックア
シッド、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシシンナミ
ックアシッド、3,4−ジヒドロキシヒドロシンナミッ
クアシッド、N−(p−ヒドロキシフェニル)グリシン、
3,5−ジイオドチロシン、ホモジェンティジックアシ
ッドなどが挙げられる。
【0018】本発明で用いられる飽和または不飽和脂肪
族化合物は、(A)成分であるポリエポキシド化合物と反
応できうる活性水素、即ち、従来公知であるカルボキシ
ル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基等を分子内に有
していればよい。しかしながら、(D)成分であるキノン
ジアジド酸ハロゲン化物の反応部位である(C)成分中の
フェノール性水酸基よりエポキシ基との反応性が高い官
能基が好ましく、かかる観点から、本発明で用いられる
活性水素を有する飽和または不飽和脂肪族化合物として
は、一般式(II)で示されるモノカルボン酸が好まし
い。この式中、アルキル基は好ましくは炭素数1〜3
0、アルケニル基は好ましくは炭素数2〜20、アルコ
キシ基は好ましくは炭素数1〜20、モノアルコキシア
ルキル基は好ましくは炭素数2〜30、アルキレン基は
好ましくは炭素数1〜20、アルキレンエーテル基は好
ましくは炭素数2〜20を有する。かかるカルボン酸化
合物の例としては、ホルミックアシッド、アセティック
アシッド、プロピオニックアシッド、n−プタリックア
シッド、トリメチルアセティックアシッド、n−バレリ
ックアシッド、イソバレリックアシッド、2−メチルブ
タリックアシッド、ヘキサノイックアシッド、2−メチ
ルバレリックアシッド、2,2−ジメチルブタリックア
シッド、2−エチル−n−ブタリックアシッド、tert−
ブチルブタリックアシッド、イソカプロイックアシッ
ド、n−ヘプタノイックアシッド、オクタノイックアシ
ッド、2−エチルヘキサノイックアシッド、n−ノナノ
イックアシッド、n−デカノイックアシッド、ウンデシ
リックアシッド、ラウリックアシッド、トリデカノイッ
クアシッド、3−ペンチルオクタノイックアシッド、ミ
リスチックアシッド、パルミチックアシッド、ヘプタデ
カノイックアシッド、3−ヘプチルデカノイックアシッ
ド、ステアリックアシッド、イソステアリックアシッ
ド、ノナデカノイックアシッド、アラキジックアシッ
ド、3−ノニルドデカノイックアシッド、n−ドコサノ
イックアシッド、2−デシルドデカノイックアシッド、
3−ウンデシルテトラデカノイックアシッド、2−ドデ
シルテトラデカノイックアシッド、3−トリデシルヘキ
サデカノイックアシッド、2−テトラデシルヘキサデカ
ノイックアシッド、トリアコンタノイックアシッド、2
−ヘキサデシルオクタデカノイックアシッド、2−オク
タデシルエイコサノイックアシッド、クロトニックアシ
ッド、3−ブテノイックアシッド、アリルアセチックア
シッド、ティグリックアシッド、アンジェリックアシッ
ド、3−メチル−2−ブテノイックアシッド、6−ヘプ
テノイックアシッド、trans−2−オクテノイックアシ
ッド、trans−2−ノネノイックアシッド、trans−2−
デセノイックアシッド、リイレリックアシッド、2−ア
リル−4−メチル−4−ペンテノイックアシッド、エラ
イジックアシッド、オレイックアシッド、メトキシアセ
チックアシッド、エトキシアセチックアシッド、3−エ
トキシプロピオニックアシッド、ジフルオロアセティッ
クアシッド、トリフルオロアセティックアシッド、ヘプ
タフルオロアセティックアシッド、ペンタデカフルオロ
オクタノイックアシッド、オナデカフルオロオクタノイ
ックアシッド、クロロジフルオロアセティックアシッ
ド、ジクロロフルオロアセティックアシッド、トリクロ
ロアセティックアシッド、ブロモアセティックアシッ
ド、トリブロモアセティックアシッド、2−クロロプロ
ピオニックアシッド、2−ブロモプロピオニックアシッ
ド、3−クロロプロピオニックアシッド、3−ブロモプ
ロピオニックアシッド、2,3−ジクロロプロピオニッ
クアシッド、2,3−ジブロモプロピオニックアシッ
ド、β−クロロピバリックアシッド、ββ−ジクロロピ
バリックアシッド、Tris−(クロロメチル)−アセティ
ックアシッド、2−ブロモブタリックアシッド、3−ク
ロロブタリックアシッド、4−クロロブタリックアシッ
ド、5−クロロブタリックアシッド、5−ブロモバレリ
ックアシッド、6−ブロモヘキサノイックアシッド、1
1−ブロモウンデカノイックアシッド、trans−3−ク
ロロクロトニックアシッド、cis−3−クロロクロトニ
ックアシッド、DL−ラクティックアシッド、メルカプ
トアセティックアシッド、2−メルカプトプロピオニッ
クアシッド、3−メルカプトプロピオニックアシッド、
チオアセティックアシッド、4−(エチルチオ)−ブタリ
ックアシッド、2−ケトブタリックアシッド、2−ケト
デカノイックアシッド、レブリニックアシッド、4−ア
セトアミドアクリックアシッド、3−ニトロプロピオニ
ックアシッドなどが挙げられる。
【0019】成分のポリエポキシド化合物(A)と反応せ
しめる(B)および(C)成分はカルボキシル基当量換算で
(C)成分の比率が10〜95%となる範囲内で、(両者
のカルボキシル基当量の和):(エポキシ基の当量)=1:
0.8〜1.2、好ましくは1:0.9〜1.1の割合
で通常溶媒中、触媒下に50〜180℃、好ましくは8
0〜150℃に加熱することによって実施せられる。溶
媒としてはジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルなどが適当量、例えば樹脂分1
00重量部に対し5〜500重量部用いられる。また触
媒としてはエポキシ基とカルボキシル基との反応に有用
な三級アミン化合物、四級アンモニウム化合物、イミダ
ゾール化合物、無機アルカリ等の公知のものが、0.0
01〜5%の濃度で好都合に使用せられる。
【0020】また本発明においてはカルボキシル基1当
量に対しエポキシ基0.8〜1.2当量で反応せしめら
れることを必須とする。というのはエポキシ基が0.8
当量より少ないと最終樹脂に遊離のカルボキシル基が過
剰に存在しアルカリ現像液に対して溶解性が過度に大と
なり未露光部の耐現像液性を損なう。一方逆にエポキシ
基が1.2当量を超えるとポリエポキシド化合物完での
架橋反応が進んでしまいアルカリ水抵抗性が大となり十
分な量の光照射によっても現像できないという問題を生
じる。
【0021】本発明にあっては上記ポリエポキシド化合
物と(B)および(C)成分のカルボン酸化合物との反応生
成物に対し、次に(D)成分の1,2−キノンジアジド酸
ハロゲン化物、例えば1,2−ナフトキノンジアジド−
4−スルホニルクロライド、1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホニルクロライド、1,2−ベンゾキノ
ンジアジド−4−スルホニルクロライド等をフェニール
性水酸基1当量に対して0.25〜1.00当量となる
割合で反応せしめられる。この反応は通常ジオキサン、
アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンな
どの溶媒中、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの
無機アルカリ、ジエチルアミン、トリエチルアミンなど
の有機アミンの存在下−20〜50℃、好ましくは−1
0〜30℃の温度で好都合に実施せられる。反応条件は
原料物質により適宜選択せられる。
【0022】本発明によるポジ型感光性樹脂粗製物で
は、樹脂中に(C)成分を導入する。かかる成分の樹脂骨
格への導入は(B)成分のみで反応せしめた場合に比して
分子中のフェノール性水酸基の量が低減され、未露光部
の耐現像液性が顕著に向上するものである。すなわち疎
水性の大なるナフトキノンジアジド酸ハロゲン化物の導
入量を低く抑えて光照射後の溶解性を向上しているにも
かかわらず、一方で未露光部においては(C)成分の導入
によって耐現像液性が向上するという相反する特性の両
立が可能となるものである。したがって(C)成分の比率
が10%より低い場合は、未露光部の耐現像液性に効果
が認められず、逆に95%を超えると1,2−キノンジ
アジド酸ハロゲン化物の付加数が減少し、ポジ型として
の感光性の発現が不十分となる。
【0023】また、本発明にあってはフェノール性水酸
基と1,2−キノンジアジド酸ハロゲン化物の当量比が
必須条件として挙げられるが、1,2−キノンジアジド
酸ハロゲン化物が0.25当量以下である場合には未露
光部の耐アルカリ性が低下し、逆に1.0当量を超える
と、最終樹脂組成物中に分子量の小さいキノンジアジド
化合物が不純物として残存し鮮明像が得られず、また膜
性能にバラツキを生じ望ましくないからである。
【0024】かかる感光基を有する樹脂組成物はそれ自
体良好な造膜性を有しており、さらに可とう性、金属へ
の密着性に優れている。また必要に応じて使用するアル
カリ可溶性樹脂の組成に応じたポリエポキシド化合物を
選択使用することにより両者の良好な相溶性を得ること
ができ、両者の混合樹脂組成被膜を透明ならしめること
が可能である。
【0025】本発明においては、ポジ型感光性樹脂組成
物としてかかる感光剤のみであってもその良好な造膜性
と密着性によって樹脂被膜として使用可能であるがアル
カリ可溶性樹脂との組み合せによる使用形態が好まし
い。この場合、両者を適当な溶剤に溶解してスピンナー
・コーターなどの従来公知の塗布手段によって支持体上
に塗布し乾燥することによって感光層を形成することが
できる。この場合の適当な溶媒としては、例えばエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノエチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテ
ルアセテート類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類
などがありこれらの溶媒を単独あるいは混合して使用す
る。また支持体としては、例えばシリコンウエハー、ア
ルミニウム板、プラスチックフイルム、紙、ガラス、銅
メッキ板、プリント配線板用銅張積層板などが用途に応
じて適宜使用される。
【0026】また、本発明におけるポジ型感光性樹脂組
成物は、塩形成基を有する樹脂組成物及びかかる塩形成
基の中和剤とともに混合され水中に分散せしめた電着塗
装用の感光性樹脂組成物として好適に使用せられる。
【0027】かかる電着塗装法とは電荷を有する水溶
性、あるいは水分散性の感光性樹脂組成物を含む電着塗
装浴中に導電性表面を有する基板を浸漬し、かかる基板
を該感光性樹脂被膜の反対電荷に相当する極として通電
することにより該感光性樹脂被膜を基板上に析出させる
ものである。かかる電着塗装法によれば、基板銅表面へ
の均一膜厚による被膜形成が可能であり、その膜厚制御
は印可電圧および印可時間により容易に行われ、さらに
基板表面の凹凸、傷等への追従性が良好である。したが
って基板表面の特別な前処理が不要である等の利点を有
している。また被塗物がプリント配線用基板である場合
には一般に基板内に小径スルーホール、あるいはバイア
ホールを有しているが、この場合にもその内部への電着
塗装液が侵入し該感光性樹脂被膜を形成しその後の工程
のエッチングに対しても十分な保護膜となる。
【0028】本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物そ
れ自身は自己乳化性を有していないために、水系の分散
液とするために塩形成基を有する樹脂組成物と混合する
必要がある。かかる樹脂組成物としては、塩形成基を有
し、かつ該塩形成基を中和することによって、水に対し
て溶解または分散するものであればよい。この際には、
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は被乳化性に優
れ、その水分散液は経時による樹脂成分の沈降が発生し
にくく、また熱時の流動性にすぐれるために電着後の被
膜の加熱乾燥によって電極反応により発生するガスにも
とずく析出被膜中のピンホールを容易に修復するもので
ある。
【0029】塩形成基を有する樹脂組成物としては、酸
性基を有する樹脂組成物に塩基性化合物を中和剤として
含有する系、および塩基性基を有する樹脂組成物に酸性
化合物を中和剤として含有する系が挙げられる。しかし
ながら、ナフトキノンジアジド化合物は塩基性物質との
接触により変質しやすく、特に電着塗装後の析出被膜中
では樹脂組成物中の塩基性基の多くは中和剤とのイオン
対は消失して塩基性を有しており電着後の加熱乾燥時に
キノンジアジドユニットの熱変質を生じ易い。このため
塩形成基としては酸性基が好ましい。
【0030】かかる樹脂組成物の具体例を挙げるなら
ば、カルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸基等の酸
性基を有するアルカリ可溶性樹脂、および塩基性化合物
を中和剤として含有するものが挙げられる。とくに好ま
しくは酸性基としてはカルボン酸基が挙げられ、中和剤
としてはモノエタノールアミン、ジエチノールアミン、
トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン剤、モ
ノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンな
どのアルキルアミン類、ジメチルアミノエタノールなど
のアルキルアルカノールアミン類、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、アンモニ
アなどが挙げられる。酸性基を有するアルカリ可溶性樹
脂骨格は特に限定されるものではないが好適に使用せら
れるものとしてアクリル樹脂組成物が挙げられる。
【0031】かかるアクリル樹脂組成物はカルボン酸基
含有不飽和単量体およびこれらと共重合可能な他のα,
β−エチレン性不飽和単量体とを公知の手法により重合
して製造せられる。具体的には、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、あるいは米国特許4,946,757号記載の式
[I]、[II]で表される不飽和単量体等が挙げられる。
これらの酸性基含有不飽和単量体は単独でも併用しても
よく、共重合の際、アクリル樹脂組成物に対して、2〜
80重量%使用せられる。2重量%より少ない場合には
水分散液とした場合に分散液安定性が悪く、またアルカ
リ可溶性に乏しくしたがって現像不良を生じ易く、80
重量%を超える場合にはアルカリ現像液に対する耐性が
損なわれ未露光部の画線部までもが溶解してしまう。
【0032】他の共重合成分としてのα,β−エチレン
性不飽和単量体としてはメチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i-ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テル類、スチレン、ビニルトルエン等の重合性芳香族化
合物、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等の重合性アミド化合物、(メタ)アクリロニトリル等
の重合性ニトリル化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有化合物な
どが挙げられる。また米国特許4,673,458等に記
載のフェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する
芳香族化合物と、グリシジル基を有する不飽和単量体を
反応せしめてなるフェノール性水酸基を有する不飽和単
量体も挙げられる。これらの単量体は単独もしくは併用
して使用せられる。
【0033】かくして得られるアクリル樹脂組成物の分
子量の範囲は重量平均分子量で1,000〜200,00
0が適当であり、好ましくは3,000〜100,000
である。重量平均分子量が200,000以上であると
アルカリ水溶液に対する溶解速度が極めて遅くなり従っ
て現像時間が長くなり実用的ではない。逆に1,000
未満であるとアルカリ水溶液に対する溶解性が高すぎて
未露光部の残存率が悪くなるばかりかパターンがやせる
現像が顕著となる。
【0034】本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は、
かかるアルカリ樹脂組成物100重量部に対して3〜1
50重量部であり、好ましくは5〜100重量部であ
る。3重量部未満である場合には光分解によって生じる
カルボン酸量が少なく、光照射前後のアルカリ水溶液に
対する溶解度に差をつけることができずバターニングが
困難となる。逆に150重量部を超える場合には短時間
の光照射では添加したポジ型感光基であるキノンジアジ
ドユニットの大半が未だそのままの形で残存しアルカリ
水溶液への不溶化効果が高すぎて現像することが困難と
なる。
【0035】かかる本発明によるポジ型感光性樹脂組成
物を含むアクリル樹脂組成物の水分散あるいは水溶化は
該アクリル樹脂組成物中の塩形成基を中和することによ
って行われる。中和剤の使用量は塩形成基1当量に対
し、0.2〜1.0当量の範囲が好ましく、0.2当量
より少ない場合には水分散安定性が低下し時間経過とと
もに沈澱物の生成が認められ、逆に1.0当量より多い
場合にはキノンジアジド基の安定性が低下したり電着に
よる析出被膜の外観が低下したりする。通常、水分散ま
たは水溶化は塩形成基を有する樹脂組成物、ポジ型感光
性樹脂組成物、中和剤の他、任意の成分、例えば電着塗
装膜厚、析出被膜の熱フロー性などの調整のための有機
溶媒、可視画像化のための顔料、染料等、あるいは消泡
剤、界面活性剤等とともに混合された水によって希釈さ
れて製造される。
【0036】本発明によるポジ型感光性樹脂の電着塗装
は導電性表面を有する基板であればいかなる形状のもの
に対しても被膜を形成することができ、従来適応が困難
であった小径スルーホールを有するプリント配線板用銅
基板には特に有用である。電着塗装の実施にあたって
は、該樹脂組成物を含む電着塗装浴を固形分濃度3〜4
0%、好ましくは5〜25%、浴温度10〜40℃、好
ましくは10〜35℃に管理し所望の導電性表面を有す
る基板を浴中に浸漬した後、該樹脂組成物中の塩形成基
に対して反対電極として直流電流を所望の膜厚に達する
まで通電することによって容易に行われる。
【0037】電着塗装後、電着塗装浴から被塗物を引き
上げ水洗の後、従来公知の手法により加熱乾燥すること
により被膜中に残存する水分、溶剤などを除去し均一で
ピンホールのないポジ型感光性樹脂被膜が得られる。加
熱乾燥は40〜150℃、好ましくは60〜130℃で
行われる。乾燥温度が40℃未満である場合には長時間
を費やしても電極反応により発生したガスによるピンホ
ールが十分に修復されず、また150℃を超える場合に
はキノンジアジド基の熱変質をもたらし好ましくない。
【0038】本発明のポジ型感光性樹脂組成物により形
成された感光層は、通常ポジティブパターンフイルムを
通しての光照射により露光され導体回路とすべき部分以
外の露光部分は現像処理によって除去され所望のレジス
トパターンを得る。本発明において使用される露光用光
源は、主として300〜450nmの波長領域を有するも
のであればよく具体的には高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
メタルハライドランプ、キセノンランプ、アーク灯など
が挙げられる。
【0039】また現像処理は従来公知の手法によりアル
カリ水溶液を用いて容易に行われる。具体的には浸漬
法、スプレー法、ブラッシング法などがありなかでもス
プレー法が好的に使用せられる。アルカリ水溶液として
は通常、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ
酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ類の水溶液、n
−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ピロー
ル、ピペリジン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミ
ンなどの有機アミン類の水溶液、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シドなどの第4級アンモニウム塩の水溶液、アンモニア
水などが挙げられる。また上記アルカリ類の水溶液に有
機溶剤、界面活性剤、あるいは消泡剤等を適当量添加し
た水溶液を現像液として使用することができる。
【0040】ついでプリント配線板の製造の場合には現
像処理によって基板上に露出した銅表面を塩化第2鉄水
溶液、塩化第2銅水溶液等の酸性エッチング液、あるい
は銅アミン錯体を主成分としたアルカリエッチング液等
によりエッチングされる。この時、感光層が電着塗装法
により形成されている場合には、小径スルーホール内は
該感光層被膜の形成によりエッチング液から完全に保護
されている。しかる後に導体パターン上の未露光レジス
ト被膜や小径スルーホール内レジスト被膜は高濃度の水
酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の強アルカリ水溶液
によって銅表面から剥離され基板上に所望の銅回路パタ
ーンが得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明によるポジ型感光性樹脂組成物
は、従来のキノンジアジド系化合物を使用した系にみら
れるような露光感度および所要現像時間を更に改善で
き、露光感度が高く所要現像時間を短縮すると同時に現
像時の未露光部の耐現像液性に優れており膨潤あるいは
溶解性の不具合の発生を抑制するものであり現像ラチチ
ュードが広い。従って、工業的にきわめて有用である。
また水分散液として電着塗装液の供する場合には、塩形
成基を有する樹脂組成物との相溶性、貯蔵安定性に優
れ、電着塗装時、被塗物を浸漬した場合、該組成物と接
触可能な部位であればいかなる表面形状に対しても連従
して被膜が析出しその後の加熱乾燥により粘着性がなく
平滑で欠陥のない均一被膜を形成する。さらに、この感
光性樹脂被膜は露光、現像により原画に忠実な微細レジ
ストパターンを形成することができ、近時、高密度化、
多層化の要求に対応したプリント配線板の製造には特に
有用である。
【0042】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0043】感光剤合成例1 撹拌機、還流管、温度計を取り付けた1Lのガラス製反
応フラスコの中にトリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテル(エポキシ当量150)105重量部、o−ヒ
ドロキシベンゾイックアシッド58重量部(全エポキシ
基に対し60モル%)、プロピオニックアシッド21重
量部(全エポキシ基に対し40モル%)、ジオキサン46
重量部をそれぞれ仕込み、温度を120℃まで上げ、触
媒としてテトラメチルアンモニウムクロリド1.8重量
部を添加後、5時間反応させた。反応溶液の酸価は6.
5であり、反応率は96.2%であった。次に内容物を
10℃まで冷却し、1,2−ナフトキノンジアドジ−5
−スルホニルクロリド94重量部(残存するOH基に対
し80モル%)、アセトン570重量部を添加後、触媒
としてトリエチルアミン39重量部を滴下し、10℃で
2時間反応させ、多量の2重量%の希塩酸水溶液中に反
応生成物を滴下し沈澱させた。水洗後、40℃で18時
間真空乾燥させてポジ型感光性樹脂を得た。収率は95
%であった。
【0044】感光剤合成例2 感光剤合成例1と同様の反応容器の中にポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量192.
5)126重量部、o−ヒドロキシベンゾイックアシッド
31重量部(全エポキシ基に対し35モル%)、n−デカ
ノイックアシッド73重量部(全エポキシ基に対し65
モル%)、ジエチレングリコールジメチルエーテル42
重量部をそれぞれ仕込み、温度を120℃まで上げ、触
媒としてテトラメチルアンモニウムクロリド2.3重量
部を添加後、5時間反応させた。反応溶液の酸価は5.
5であり、反応率は95.9%であった。次に内容物を
10℃まで冷却し、1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホニルクロリド53重量部(残存するOH基に対
し86モル%)、アセトン600重量部を添加後、触媒
としてトリエチルアミン21重量部を滴下し、10℃で
2時間反応させ、多量の2重量%の希塩酸水溶液中に反
応生成物を滴下し沈澱させた。水洗後、40℃で20時
間真空乾燥させてポジ型感光性樹脂を得た。収率は94
%であった。
【0045】感光剤合成例3 感光剤合成例1と同様の反応容器の中にポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量192.
5)106重量部、o−ヒドロキシベンゾイックアシッド
61重量部(全エポキシ基に対し80モル%)、オレイッ
クアシッド31重量部(全エポキシ基に対し20モル
%)、ジオキサン50重量部をそれぞれ仕込み、温度を
120℃まで上げ、触媒としてテトラメチルアンモニウ
ムクロリド2.0重量部を添加後、5時間反応させた。
反応溶液の酸価は6.0であり、反応率は95.1%で
あった。次に内容物を10℃まで冷却し、1,2−ナフ
トキノンジアジド−5−スルホニルクロリド89重量部
(残存するOH基に対し75モル%)、アセトン590重
量部を添加後、触媒としてトリエチルアミン37重量部
を滴下し、10℃で2時間反応させ、多量の2重量%の
希塩酸水溶液中に反応生成物を滴下し沈澱させた。水洗
後、40℃で18時間真空乾燥させてポジ型感光性樹脂
を得た。収率は96%であった。
【0046】感光剤比較例1 感光剤合成例1と同様の反応容器の中にトリメチロール
プロパントリグリシジルエーテル(エポキシ当量150)
75重量部、o−ヒドロキシベンゾイックアシッド69
重量部(全エポキシ基に対し100モル%)、ジオキサン
48重量部をそれぞれ仕込み、温度を120℃まで上
げ、触媒としてテトラメチルアンモニウムクロリド1.
4重量部を添加後、5時間反応させた。反応溶液の酸価
は6.6であり、反応率は95.5%であった。次に内
容物を10℃まで冷却し、1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホニルクロリド81重量部(残存するOH
基に対し60モル%)、アセトン550重量部を添加
後、触媒としてトリエチルアミン33重量部を滴下し、
10℃で2時間反応させ、多量の2重量%の希塩酸水溶
液中に反応生成物を滴下し沈澱させた。水洗後、40℃
で18時間真空乾燥させてポジ型感光性樹脂を得た。収
率は95%であった。
【0047】感光剤比較例2 感光剤合成例1と同様の反応容器の中にポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量192.
5)96重量部、o−ヒドロキシベンゾイックアシッド6
9重量部(全エポキシ基に対し100モル%)、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル50重量部をそれぞれ仕
込み、温度を120℃まで上げ、触媒としてテトラメチ
ルアンモニウムクロリド1.7重量部を添加後、5時間
反応させた。反応溶液の酸価は5.9であり、反応率は
96.5%であった。次に内容物を10℃まで冷却し、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリ
ド121重量部(残存するOH基に対し90モル%)、ア
セトン570重量部を添加後、触媒としてトリエチルア
ミン46重量部を滴下し、10℃で2時間反応させ、多
量の2重量%の希塩酸水溶液中に反応生成物を滴下し沈
澱させた。水洗後、40℃で20時間真空乾燥させてポ
ジ型感光性樹脂を得た。収率は95%であった。
【0048】樹脂合成例 撹拌機、還流管、温度計および空気導入管を取り付けた
1Lのガラス製反応フラスコの中に無水トリメリット酸
77重量部、プラクセルFM−5(ε−カプロラクトン
と2−ヒドロキシエチルメタクリレートの5:1モル付
加物、ダイセル化学製)300重量部、および全仕込量
に対して500ppmのヒドロキノンモノメチルエーテル
を仕込んだ。ついで空気を導入しながら内部温度を16
5℃に加熱し、同温度で30分間撹拌することによって
反応を行った。反応終了後、生成物を熱時濾過し、少量
の未反応物を除去した。この合成中間体は酸価125の
半固形物質(25℃)であった。
【0049】次に上記の合成法によって得られた合成中
間体にカージュラーE−10(バーサティック酸グリシ
ジルエステル:シェル化学製)100重量部を仕込んだ
後、再び空気を導入しながら、内部温度150℃で40
分間撹拌することによって反応を行った。反応によって
得られた反応性アクリル単量体[A]は酸価52、粘度4
00cP(25℃)であり、反応率は95%であった。次
に、撹拌機、還流管、温度計、滴下ロートおよび窒素導
入管を取り付けた1Lのガラス製反応フラスコの中に予
めエチレングリコールモノブチルエーテル328重量部
を仕込んだ後、反応性アクリル単量体[A]154重量
部、メタクリル酸14.4重量部、メチルメタクリレー
ト158重量部、n−ブチルアクリレート13.2重量
部、および重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート10.6重量部を予め混合した
溶液を滴下ロートを用いて内温120℃にて3時間撹拌
しながら滴下し、固形分=55.0重量%のアクリル樹
脂組成物を得た。反応生成樹脂は重量平均分子量26、
000 酸価43.5であった。
【0050】実施例1 感光剤合成例1で製造されたポジ型感光性樹脂5重量部
をメチルエチルケトン50重量部に溶解した感光液を、
バーコーターを用いて銅厚35μmのプリント配線板両
面回路用基板上に塗布した。その後、乾燥機により80
℃で10分間乾燥し、膜厚1.5μmのポジ型感光性樹
脂被膜を形成した。 露光感度試験 回路パターンを有するポジティブフイルムとストーファ
ーステップタブレットを上記の方法によって得られた樹
脂被膜上に密着させ、HMW−201B露光機(オーク
製作所(株))を用い、各々被膜表面で0mJ/cm2(未露
光)から600mJ/cm2まで20mJ/cm2単位の各露光
量を与え、30℃の1%メタ珪酸ナトリウム水溶液で6
0秒間スプレー(スプレー圧=1kgf/cm2)現像を行うこ
とにより、現像が可能で、回路パターンを得るために必
要な最小露光量、および、200mJ/cm2と400mJ
/cm2の各露光量を与えた樹脂被膜の現像後に残存する
ストーファー最小段数を調べた。 最短現像時間の測定 上記と同様の操作を行うことにより、各々200mJ/c
m2、400mJ/cm2の露光量を与えた樹脂被膜を30℃
の1%メタ珪酸ナトリウム水溶液で現像後、露出した銅
を40℃の塩化第二鉄溶液でエッチングすることによ
り、露光部に残銅がなく忠実な回路パターンが再現され
るのに必要な最短現像時間を調べた。 未露光部樹脂被膜の耐現像液性試験 予め重量測定(W0)した銅厚35μmのプリント配線板両
面回路基板に、上記方法によって樹脂被膜を形成させた
後重量測定した(W1)。さらに、かかる樹脂被膜を30
℃の1%メタ珪酸ナトリウム水溶液で90秒間スプレー
現像後、100℃の乾燥機で2分間乾燥、冷却の後、重
量測定した(W2)。次いで、次式により、かかる樹脂被
膜の現像後における残膜率を算出した。 残膜率(重量%)=(W2−W0)/(W1−W0)×100 上記の評価結果を表1に示したが、感光剤合成例1で製
造された感光剤を用いて本樹脂被膜は、後述の比較例2
より高露光感度で最短現像時間が短縮し、かつ、比較例
1の様な未露光部樹脂被膜の耐現像液性低下は認められ
なかった。
【0051】実施例2〜4、比較例1〜2 現像液種が1%の炭酸ナトリウム水溶液である以外は、
実施例1と同様し、かつ、膜厚が全て5μmにして性能
評価を行った。表1に感光液組成および評価結果を示し
た。
【0052】
【表1】
【0053】実施例5(電着組成物としての評価) 樹脂合成例で製造した樹脂ワニス100重量部に、予め
感光剤合成例1で製造したポジ型感光性樹脂23.6重
量部をプロピレングリコールモノメチルエーテル24重
量部に溶解した溶液を加え、さらにトリエチルアミン
3.4重量部を加えて溶解し、撹拌下脱イオン水635
重量部を徐々に加えて電着組成物を得た。この電着液を
ガラス製容器の中に入れ20度で1週間静置した後、容
器の壁面、底面に凝集物や沈澱物は全くなく、乳化安定
性に優れた電着液であることを確認した。次いで上記電
着組成物中に0.3mm径のスルーホールを有する銅厚
35μmのプリント配線板両面回路用基板を浸漬し、該
基板に正電極を電着組成物を入れた金属容器に負電極を
接続し、25℃で50mA/dm2の電流密度で2分間通電
し、その後該基板を浴から取り出して水洗し、100℃
のオーブンで5分間乾燥させ、7μmのポジ型感光性樹
脂被膜を形成させた。この樹脂被膜は外観検査ではピン
ホールがなく均一であり、さらにスルーホール内は完全
に被覆されていた。次に、現像液種が1%炭酸ナトリウ
ム水溶液である以外は、実施例1と同様にして性能評価
を行い、その結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】実施例6〜7、比較例3(電着組成物とし
ての評価) 実施例5と同様にし、かつ、膜厚を7μm一定にして電
着液および樹脂被膜の性能評価を行った。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)多価アルコールのグリシジルエーテ
    ル化合物、ポリカルボン酸のグリシジルエステル化合
    物、脂環式グリシジル化合物、グリシジルアミン化合
    物、複素環式グリシジル化合物およびビスフェノールA
    のアルキレンオキサイド化合物からなる群より選ばれる
    少なくとも1種のエポキシ当量75〜1000のポリエ
    ポキシド化合物、 (B)一般式(I)で表されるフェノール性水酸基を有する
    芳香族または、複素環式カルボン酸化合物(I)式 【化1】 (式中、Aは置換基を有していてもかまわないアルキレ
    ン、アリーレンあるいは−CH=CH−、−CO−R3
    −、−CO−O−R4−、−CO−CH2NH−であり、
    3、R4は置換基を有していてもかまわないアルキレン
    またはアリーレン基であり、nは0または1を表し、m
    は1〜3の基数を表し、R1とR2は同一でも異なってい
    てもよく夫々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    ルケニル基、ニトロ基あるいはアルコキシ基を表し、ま
    たR1とR2はベンゼン環の炭素原子と共に芳香族環、脂
    環族環あるいは複素環を形成することができる) (C)一般式(II)で表される飽和または不飽和脂肪族モ
    ノカルボン酸化合物および、(II)式 R1'−COOH (式中R1'は水素原子または置換基を有していてもかま
    わないアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基あるい
    は、R2'−O−CO−R3'−、R4'−NH−CO−R5'
    −であり、R2'、R4'は置換基を有していてもかまわな
    いアルキル基、アルケニル基あるいはモノアルコキシア
    ルキル基を表し、またR3'、R5'は置換基を有していて
    もかまわないアルキレン基、アルキレンエーテル基ある
    いは−CH=CH−である。) (D)1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライド化合物
    の4成分の反応により得られ、カルボン酸成分である
    (B)と(C)の比率は、カルボキシル基当量換算で、(C)
    が最小10%、最大95%となる構成比であり、かつ、
    (B)+(C)のカルボキシル基:(A)のエポキシ当量=1:
    0.8〜1.2であり、さらに、 (B)のフェノール性水酸基と(D)のスルホニルハライド
    の反応により1分子中に残存する未反応フェノール性O
    H基数が反応前の全フェノール性OH基数の0〜75%
    となる当量比である樹脂からなるポジ型感光性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 塩形成基を有する樹脂組成物、該塩形成
    基を中和する中和剤、および請求項1記載のポジ型感光
    性樹脂組成物を含有する水溶液または分散液からなるポ
    ジ型感光性電着塗装液。
  3. 【請求項3】 塩形成基が酸性基であり、中和剤が塩基
    性化合物である請求項2記載のポジ型感光性電着塗装
    液。
JP9753093A 1993-01-29 1993-04-23 ポジ型感光性樹脂組成物 Pending JPH06308732A (ja)

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