JPH0630822B2 - 多軸スポツト溶接装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多軸スポツト溶接装置に関するもので、任意の
間隔をあけて複数個所を同時にスポツト溶接することが
でき、溶接作業を正確に能率的に行うことができ経済的
であることを特徴とするものである。

〔従来の技術〕

スポツト溶接は溶接対象物の溶接個所を固定及び可動電
極で挾持して機械的圧力を加え、同時に電流を通して発
生する熱を利用して溶接を行うものであり、従来、鉄道
車両の車体の一部である側構（側壁）等の組立てにあつ
てはＣ字形に構成され、対向部に固定及び可動電極を設
けたスポツトガンが使用され、それらを作業者が操作し
て溶接していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記スポツトガンによる溶接は重労働であるとともに非
能率的であり、さらに溶接位置、特に所定間隔をあけて
多点溶接する場合に多くの時間を費やす欠点があつた。

本発明は上記問題点を解決するため、スポツトガン（可
動電極）を複数個設け、複数個所の同時溶接を可能とす
るとともに、複数のスポツトガン間の間隔調整を自在と
し、正確な溶接を行ないうるようにしたものであり、各
種の溶接対象物に使用でき、経済的である。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記問題点を解決するため、移動ブロツク下端
にそれぞれ下面にスポツトガンを取付けた四つのブロツ
クが正方形状に配置して設け、その一つを固定ブロツク
とするとともに、該固定ブロツクの一つの側方向にある
ブロツクを固定ブロツクに対して隔離調整自在とし、さ
らに上記固定ブロツクの他の側方向にあるブロツクを残
された斜方向にあるブロツクと一体にした固定ブロツク
に対して隔離調整自在とするとともに、上記斜方向にあ
るブロツクを一体に隔離調整自在とされた上記他の側方
向にあるブロツクに対して隔離調整自在としたものであ
る。

〔作 用〕

本発明では移動ブロツク下端にスポツトガンを取付けた
四つのブロツクを正方形状に配置して、その一つを固定
ブロツクとして他の三つのブロツクを所定データ等にも
とづき任意の間隔位置に移動させることができる。

したがつて、四個所を同時に正確にスポツト溶接するこ
とができるとともに各種溶接対象物の溶接に使用するこ
とができ、経済的である。

〔実施例〕

本発明の一実施例を図面について説明する。図面実施例
は鉄道車両の側構等のスポツト溶接装置であり、レール
１上に走行自在に設けた門型フレーム(F)は四本の支柱
２とそれぞれ両側の支柱２の下端に設けられた支持台３
と連結梁４及び天井部５により略々立方体に強固に構成
されている。

上記支持台３の両端にはそれぞれ走行輪６が設けられ、
第４図示のごとく、走行輪６の中心輪部にそれぞれ設け
たスプロケツト７間にチエーン８を懸架し、走行輪６が
モータ９及び減速機１０を介して均等に回転させられ、
レール１上を走行するよう構成されている。

図中１１は上記レール１間に構成されたピツト１２内に
設けられたリフトであり、適当間隔をあけて適数設けら
れ、長尺の溶接対象物、すなわち、鉄道車両の車体を構
成する側構(X)を支持し、上記門型フレーム(F)の走行時
には走行区間のリフト１１はピツト１２内に下降格納さ
れ、門型フレーム(F)の走行の邪魔にならないように制
御されるものである。

上記スポツト溶接装置においては門型フレーム(F)の下
方部に板状の固定電極１３が支持され、その上方部に本
発明の移動ブロツク１４、スポツトガン１５、可動電極
１６等が設けられる。

まず、下方部に設けられる固定電極１３について述べる
と、それらは多軸としたスポツトガン（可動電極）に対
して固定電極の作用をするように板状に構成され、上下
動自在とされる。

すなわち、第４図、第５図示のごとく、支持台３間に油
圧シリンダ１７により上下動自在にその支持枠１８が構
成され、その上面に取替自在の型台１９が設けられ、そ
の上面にクロム銅板等からなる板状の固定電極１３が載
置されている。

なお、上記型台１９及び固定電極１３はその上面が予め
溶接対象物である側構(X)の彎曲状態等、その形状に合
わせて構成され、型台１９及び固定電極１３は支持枠１
８に対して取替自在に構成されている。

図中２０は支持枠１８の垂直上下動を行うためのガイ
ド、２１はブレーキバー、２２は該ブレーキレバー２１
を駆動させるためのエアーシリンダである。

また、２３と２４は溶接対象物である側構(X)の位置決
めのためのもので、ローラと挾持アームである。

つぎに、門型フレーム(F)の上方部に本発明を構成する
移動ブロツク１４、スポツトガン１５、可動電極１６が
設けられる。

上記移動ブロツク１４はその詳細を図示していないが、
スライドブロツク２５に対して上下動自在に構成されて
いる。さらに、スライドブロツク２５は第２図、第３図
において前後、左右に移動自在とされている。

それらは交叉状態に設けたスクリユとボールネジを利用
して構成されている。

本発明は上記移動ブロツク１４の下端に設けられるが、
図面実施例の場合、スポツトガン１５が傾斜自在に構成
されている。

すなわち、第６図、第７図示のごとく、溶接対象物であ
る側構(X)の彎曲方向と同方向にアーチ状のガイドレー
ル２６を設け、該ガイドレールに移動自在のスポツトガ
ン１５の取付ブロツク２７を設けている。

図面実施例では上記ガイドレール２６は適当間隔をあけ
て平行に二本設けられ、上記スポツトガン１５の取付け
ブロツク２７に設けたガイドローラ２８をガイドレール
２６の上下に係合させて構成している。

さらに、上記ガイドレール２６の内側面位置にラツク２
９が構成される。

そして、上記スポツトガン１５の取付けブロツク２７に
は上記ラツク２９と噛合うピニオン３０及び該ピニオン
３０を回転させる正逆回転モータ３１が設けられる。図
中３２は減速機である。

上記構成のスポツトガン１５の取付けブロツク２７に複
数のスポツトガン１５が移動自在に取付けられる。

詳細に述べると、第６図、第７図及び第８図示のごと
く、移動ブロツク１４の下端に介在させたスポツトガン
１５の取付けブロツク２７の下端に、それぞれ下面にス
ポツトガン１５を取付けた四つのブロツク３３，３４，
３５，３６を正方形状に配置して設け、その一つ３３を
固定ブロツクするとともに、該固定ブロツク３３の一つ
の側方向にあるブロツク３４を固定ブロツク３３に対し
て隔離調整自在とする。

図面実施例の場合、上記間隔調整操作は正逆回転モータ
（図には表われていない。）から減速回転させられるス
クリユ３７によつてスライドさせることによつて行われ
る。

さらに、上記固定ブロツク３３の他の側方向にあるブロ
ツク３５が残された斜方向にあるブロツク３６と一体に
固定ブロツク３３に対して間隔調整自在とされる。

すなわち、ブロツク３５とブロツク３５の結合ブロツク
３８が正逆回転モータ３９から減速回転させられるスク
リユ４０によつてスライドさせられる。

さらにまた、固定ブロツク３３の斜方向にあるブロツク
３６が、それと一体に間隔調整自在とされた上記ブロツ
ク３５に対して間隔調整自在とされる。それらは正逆回
転モータ４１から減速回転させられるスクリユ４２によ
つてスライドさせることにより行われる。

上記構成の本発明はまず、モータ９が操作され、門型フ
レーム(F)を溶接対象物である鉄道車両の側溝(X)の所定
位置に移動させる。その際、走行区間のリフト１１は門
型フレーム(F)の走行に支障がないようにピツト１２内
に格納され、溶接対象物である上記鉄道車両の側溝(X)
は他のリフトで支持されている。

つぎに溶接位置において支持枠１８、型台１９及び固定
電極１３が油圧シリンダ１７により上昇させられ、溶接
対象物(X)の下面に当接させられる。

そして、ローラ２３と挾持アーム２４により溶接対象物
である鉄道車両の側溝(X)が位置決め固定される。

つぎに、予め入力されたデータにもとづき、可動電極１
６が溶接個所に移動させられる。すなわち、スライドブ
ロツク２５が門型フレーム(F)内を前後、左右に移動
し、さらに移動ブロツク１４が所定の高さに下降する。

そして、その溶接個所が彎曲部である場合にはこれも予
めデータを入力しておき、そのデータにより正逆回転モ
ータ３１が駆動させられる。

その結果、ピニオン３０が回転させられ、アーチ状のガ
イドレール２６に沿つてスポツトガン１５の取付けブロ
ツク２７が円弧を描いて移動する。

したがつて、本発明の場合、可動電極１６の先端の位置
を保持した状態で溶接対象物である鉄道車両の側溝(X)
の彎曲部と直角となるように可動電極１６が傾斜させら
れる。

上記過程において、四つのスポツトガン１５、及びそれ
にそれぞれ設けられている可動電極１６の間隔が調整さ
れる。

それはすでに述べたごとく、四つのブロツク３３，３
４，３５，３６を正逆回転モータ３９，４１等でスクリ
ユ３７，４０，４２を回転制御することにより自在であ
る。

すなわち、固定ブロツク３３を基準として他のブロツク
３４，３５，３６を正確に移動させることができるもの
である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、複数設けたスポツトガンを溶接対象物
の最適な位置に正確な間隔調整を行うことができ、実施
例の溶接対象物にかぎらず、各種の溶接対象物に使用で
き、複数点の溶接が同時に正確にできるので、経済的で
ある効果を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図はは視
図、第２図は正面図、第３図は右側面図、第４図は第３
図における支持台部の拡大図、第５図は第４図Ａ−Ａ線
断面図、第６図は可動電極部の正面図、第７図は第６図
Ｂ−Ｂ線断面図、第８図は第６図Ｃ−Ｃ線の概略断面図
である。 １３……固定電極、１４……移動ブロツク、１５……ス
ポツトガン、１６……可動電極、２７……（スポツトガ
ンの）取付けブロツク、３３，３４，３５，３６……ブ
ロツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】移動ブロツク下端にそれぞれ下面にスポツ
   トガンを取付けた四つのブロツクが正方形状に配置して
   設けられ、その一つを固定ブロツクとするとともに該固
   定ブロツクの一つの側方向にあるブロツクを固定ブロツ
   クに対して間隔調整自在とし、さらに上記固定ブロツク
   の他の側方向にあるブロツクを残された斜方向にあるブ
   ロツクと一体に固定ブロツクに対して間隔調整自在とす
   るとともに、上記斜方向にあるブロツクを一体に間隔調
   整自在とされた上記他の側方向にあるブロツクに対して
   間隔調整自在としたことを特徴とする多軸スポツト溶接
   装置。