JPH06308031A - 光学的測定装置 - Google Patents

光学的測定装置

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JPH06308031A
JPH06308031A JP9630593A JP9630593A JPH06308031A JP H06308031 A JPH06308031 A JP H06308031A JP 9630593 A JP9630593 A JP 9630593A JP 9630593 A JP9630593 A JP 9630593A JP H06308031 A JPH06308031 A JP H06308031A
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Kenji Masuda
堅司 増田
Ryuji Akiyama
竜司 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 励起光を光導波路に導入して全反射させなが
ら伝播させ、エバネッセント波成分により光導波路の表
面近傍の光学的性質を示す信号光を得て励起光入射面か
ら出射させる場合において、励起光の反射、散乱成分を
低減して測定精度を高める。 【構成】 半導体レーザ4から出射されるレーザ光をλ
/2板5を透過させることによりP偏光とし、シリンド
リカルレンズ7により集光させながらダイクロイックミ
ラー8で反射させてスラブ型光導波路1の励起光入射用
プリズム3に入射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光学的測定装置に関
し、さらに詳細にいえば、光導波路に励起光を導入して
全反射させながら伝播させ、励起光の伝播に伴なって生
じるエバネッセント波成分により光導波路の表面近傍の
光学的性質を測定するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からスラブ型光導波路の表面に予め
抗体等を固定しておき、測定対象溶液中の抗原等とで抗
原−抗体反応を行なわせ、スラブ型光導波路に励起光を
導入して全反射させながら伝播させることにより生じる
エバネッセント波成分によって、上記抗原−抗体反応の
結果スラブ型光導波路の表面近傍に拘束された物質量の
測定を行なう蛍光免疫測定方法が提案されている。ま
た、この蛍光免疫測定方法を具体化するための装置とし
て、図10に示す構成のものが提案されている(特開昭
63−273042号公報参照)。この装置は、スラブ
型光導波路41の一面に反応槽42を一体形成し、励起
光光源43から出射される励起光をダイクロイックミラ
ー44により反射させてスラブ型光導波路41に導入す
る。そして、抗原−抗体反応により拘束された抗原等と
の間で、予め標識蛍光体で標識された抗体等による抗体
−抗原反応を行なわせておくことによりスラブ型光導波
路41の表面近傍に拘束された蛍光標識体を、励起光に
起因するエバネッセント波成分により励起して蛍光を放
射させ、この蛍光をスラブ型光導波路41を通して出射
させる。さらに、スラブ型光導波路41から出射された
蛍光をダイクロイックミラー44および光学フィルタ4
5を通して受光装置46に入射させる。
【0003】上記装置において、スラブ型光導波路41
の表面に予め固定された抗体等と抗原−抗体反応を行な
って表面近傍に拘束される抗原等の量は測定対象溶液中
の抗原等の量に基づいて定まり、さらに抗原−抗体反応
を行なって表面近傍に拘束される蛍光標識抗体等の量も
測定対象溶液中の抗原等の量に基づいて定まることにな
る。そして、エバネッセント波成分により励起されて標
識蛍光体から放射される蛍光の強度およびスラブ型光導
波路中を伝播して出射される蛍光の強度が測定対象溶液
中の抗原等の量に比例することになる。したがって、受
光装置46により蛍光の強度を測定することにより、免
疫反応の有無、免疫反応の程度等を測定することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成の光学的測
定装置においては、微弱な信号光である蛍光の強度を測
定するのであるから、蛍光以外の光は全てノイズ光とな
る。特に、励起光と蛍光とは、スラブ型光導波路41の
光入出射部において光軸を共有しているので、スラブ型
光導波路41の表面で反射され、散乱された励起光を蛍
光と空間的に分離することが不可能になる。また、ダイ
クロイックミラー44、光学フィルタ45を用いて波長
的に弁別するようにしているが、現在利用可能な光学素
子では、励起光を完全には遮断できないため、受光装置
46により励起光の一部が受光されてしまう。そして、
上記ノイズ光は受光装置46により得られる測定値にお
いてオフセット値となり、測定感度を低下させて阻害し
てしまう。
【0005】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、光導波路の光入出射面における励起光の
反射、散乱を大幅に抑制して、信号光に基づく測定感度
を向上させることができる光学的測定装置を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の光学的測定装置は、光導波路に導入す
る励起光を出射するための励起光光源として、入射面に
平行な偏光方向成分を主成分とする光を出射するものを
採用したものである。請求項2の光学的測定装置は、入
射面に平行な偏光方向成分を主成分とする光を、入射面
に対してブリュースター角以下の入射角で入射させるべ
く励起光光源が配置されたものである。
【0007】請求項3の光学的測定装置は、入射面に平
行な偏光方向成分を主成分とする光を、入射面に対して
ほぼブリュースター角に等しい入射角で入射させるべく
励起光光源が配置されたものである。請求項4の光学的
測定装置は、励起光光源として、半導体レーザとλ/2
板とを含むものである。
【0008】請求項5の光学的測定装置は、半導体レー
ザが温度制御用ハウジングの内部に埋め込み状に配置さ
れてあるとともに、λ/2板が、温度制御用ハウジング
のレーザ光出射用開口を覆うべく温度制御用ハウジング
に対して熱結合された状態で配置されたものである。請
求項6の光学的測定装置は、光導波路の表面近傍の光学
的性質を示す信号光を受光する受光装置の直前に、少な
くとも励起光成分を除去するための光学的フィルタ手段
が配置されたものである。
【0009】
【作用】請求項1の光学的測定装置であれば、光導波路
に励起光を導入して全反射させながら伝播させ、励起光
の伝播に伴なって生じるエバネッセント波成分に基づい
て光導波路の表面近傍の光学的性質を示す信号光を得、
信号光を光導波路の励起光入射面から出射させ、励起光
入射面から出射される信号光を受光することにより光導
波路の表面近傍の光学的性質を測定するに当って、励起
光光源として、入射面に平行な偏光方向成分を主成分と
する光を出射するものを採用してあるので、入射面にお
ける励起光の反射成分を低減でき、ひいては、信号光に
基づく光学的性質の測定感度を高めることができる。
【0010】請求項2の光学的測定装置であれば、入射
面に平行な偏光方向成分を主成分とする光を、入射面に
対してブリュースター角以下の入射角で入射させるべく
励起光光源が配置されているので、入射面における励起
光の反射成分の、一層高い低減効果を達成でき、ひいて
は、信号光に基づく光学的性質の測定感度を一層高める
ことができる。
【0011】請求項3の光学的測定装置であれば、入射
面に平行な偏光方向成分を主成分とする光を、入射面に
対してほぼブリュースター角に等しい入射角で入射させ
るべく励起光光源が配置されているので、入射面におけ
る励起光の反射成分の、十分に高い低減効果を達成で
き、ひいては、信号光に基づく光学的性質の測定感度を
著しく高めることができる。
【0012】請求項4の光学的測定装置であれば、請求
項1から請求項3の何れかの作用に加え、励起光光源
が、半導体レーザとλ/2板とを含んでいるので、半導
体レーザから出射されるレーザ光の大部分を光導波路に
導入される励起光として利用でき、半導体レーザとして
必要以上に大出力のものを使用する必要がなくなる。請
求項5の光学的測定装置であれば、請求項4の作用に加
え、半導体レーザが温度制御用ハウジングの内部に埋め
込み状に配置されてあるとともに、λ/2板が、温度制
御用ハウジングのレーザ光出射用開口を覆うべく温度制
御用ハウジングに対して熱結合された状態で配置されて
あるので、半導体レーザの温度制御およびλ/2板の温
度制御を同時に達成でき、両者を温度制御するための装
置を簡素化できる。
【0013】請求項6の光学的測定装置であれば、請求
項1から請求項5の何れかの作用に加え、光導波路の表
面近傍の光学的性質を示す信号光を受光する受光装置の
直前に、少なくとも励起光成分を除去するための光学的
フィルタ手段が配置されてあるので、光学的フィルタ手
段の小形化を簡単に達成できる。さらに詳細に説明する
と、励起光を光導波路に導入して全反射させながら伝播
させる場合には、偏光方向が入射面に対して垂直な成分
の波(以下、S波と称する)に起因するエバネッセント
波成分のしみ出し範囲が、偏光方向が入射面に対して平
行な成分の波(以下、P波と称する)に起因するエバネ
ッセント波成分のしみ出し範囲よりも大きいことが知ら
れている。したがって、例えば、既に述べたように、抗
原−抗体反応により光導波路の表面近傍に蛍光標識抗体
等を拘束し、エバネッセント波成分により標識蛍光体を
励起する場合には、S波を励起光として採用することが
好ましいと思われていた(Angular distribution of fl
uorescence from liquids and monodispersed spheres
by evanescent wave exitation: El-Hang Lee, R.E.Ben
ner, J.B.Fenn, and R.K.Chang: Applied Optics/Vol.1
8,No.6/15 March 1979参照)。
【0014】しかし、本件発明者がエバネッセント波成
分に基づく光導波路の表面近傍の光学的性質の測定につ
いて鋭意研究を重ねた結果、S波を採用することにより
信号光強度を高めることはできるが、励起光の反射、散
乱がかなり増加し、この結果、信号光に基づく測定感度
を高めることができないことを見出した。また、エバネ
ッセント波成分のしみ出し範囲が小さいP波を採用して
光導波路の表面近傍の光学的性質の測定を行なったとこ
ろ、S波を採用した場合と比較して信号光強度がかなり
低下したが、励起光の反射、散乱が信号光強度の低下割
合よりも大きい割合で低下し、この結果、信号光に基づ
く測定感度を高め得ることを見出し、本件発明を完成し
たのである。
【0015】図2に示すように、励起光が、屈折率n0
の媒質中に存在する屈折率n1の物質に対して入射角i
で入射する場合における、入射面での反射率は、P波の
場合には、 Rp={tan(i−r)/tan(i+r)}2 で与えられ、S波の場合には、 Rs={sin(i−r)/sin(i+r)}2 で与えられる。尚、 sini/sinr=n1/n0 である。また、図2中、黒丸がS偏光を、光の進行方向
と垂直な線分がP偏光をそれぞれ示している。
【0016】そして、例えば、屈折率n0の媒質が空気
であり、屈折率n1の物質がガラスである場合には、反
射率と入射角との関係は図3に示すとおりになる。即
ち、Rsは入射角の増加に伴なって4%から100%ま
で単調増加するのに対して、Rpは、入射角の増加に伴
なって一旦減少し、入射角がブリュースター角と等しい
状態で0になり、その後100%まで増加する。尚、自
然光のように偏光特性を有していない光の場合には、R
sとRpとの平均値で反射率が与えられる。したがっ
て、入射角が0°、90°の場合を除いてP波の入射面
における反射率が最も小さくなることが分る。
【0017】この結果、励起光をP波にすることにより
入射面における励起光の反射成分を小さくできることが
分る。特に、励起光をP波とし、かつ入射角をほぼブリ
ュースター角に設定することにより、入射面における励
起光の反射を殆ど0にできる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明の光学的測定装置の一実施例
としての蛍光免疫測定装置を概略的に示す図であり、ス
ラブ型光導波路1の何れか一方の側面に抗原−抗体反応
を行なわせるための反応槽2を一体形成しているととも
に、スラブ型光導波路の一方の端部に励起光入射用プリ
ズム3を一体形成している。そして、半導体レーザ4か
ら出射されるレーザ光をλ/2板5を通して偏光方向を
90°回転させることによりP偏光を得、コリメートレ
ンズ6に導くことにより平行光化し、シリンドリカルレ
ンズ7およびダイクロイックミラー8によって入射面よ
りも上流側所定位置で集光させ、集光後に拡散するP偏
光をスラブ型光導波路1に導入して全反射させながら伝
播させるようにしている。また、励起光入射用プリズム
3から出射される信号光をダイクロイックミラー8を透
過させて、シャープカットフィルタ9およびコンデンサ
レンズ10を通して光電子増倍管等からなる受光装置1
1により受光させるようにしている。尚、12は励起光
の不要部分をカットするためのアパーチャーである。
【0019】したがって、この実施例の場合には、励起
光としてP偏光を採用しているので、シリンドリカルレ
ンズ7により集光されながらダイクロイックミラー8で
反射されて励起光入射用プリズム3の入射面からスラブ
型光導波路1内に導入される場合に、励起光の反射、散
乱成分を低減でき、ひいては、ダイクロイックミラー
8、シャープカットフィルタ9、コンデンサレンズ10
を通して受光装置11に導かれる励起光強度を十分に小
さくすることができる。この結果、オフセットノイズ
(励起光の反射、散乱に起因するノイズ光を含む)を小
さくして、蛍光免疫測定感度を高めることができる。
【0020】尚、上記説明においては、P偏光の入射角
度を特には規定していないが、図3を参照しながら既に
述べたように、入射角度をブリュースター角以下に設定
することが好ましく、入射角度をほぼブリュースター角
に設定することが最も好ましい。上記の構成の蛍光免疫
測定装置を用い、励起光としてP偏光、S偏光、無偏光
を入射させた場合であって、シャープカットフィルタ9
の遮断波長を変化させた場合におけるオフセットノイ
ズ、蛍光信号、およびオフセットノイズに対する蛍光信
号の比を表1に示す。尚、励起光波長が650nm、入射
光量が35μW、励起光の入射角が55°、抗原濃度が
30ng/ml β2M、蛍光標識抗体濃度が10μg/ml C
MI−antiβ2M、スラブ型光導波路1の材質がポ
リメチルメタクリレート(PMMA、屈折率1.498
3)にそれぞれ設定されている。
【0021】表1から明らかなように、P偏光を用いた
場合には、蛍光信号が最も小さいが、オフセットノイズ
も小さくなっており、オフセットノイズに対する蛍光信
号の比はP偏光を用いた場合が最も大きくなっている。
したがって、P偏光を用いることにより測定感度を向上
できることが分る。特に、シャープカットフィルタ9の
遮断波長を十分に大きくすれば、励起光の違いに起因す
る蛍光信号のばらつきが小さくなるので、測定感度を著
しく高めることができることが分る。
【0022】
【表1】 この実施例において、励起光がダイクロイックミラー8
を透過し、信号光がダイクロイックミラー8により反射
されるように構成することも可能であるが、励起光の光
軸調整をダイクロイックミラー8の角度調整だけで達成
できることを考慮すれば、図1の構成を採用することが
好ましい。
【0023】
【実施例2】図4はこの発明の光学的測定装置の他の実
施例としての蛍光免疫測定装置を概略的に示す図であ
り、図1の実施例と異なる点は、コンデンサレンズ10
の間にシャープカットフィルタ9を配置する代わりに、
受光装置11の直前にシャープカットフィルタ9を配置
した点のみである。尚、標識蛍光体としてCMI(Carb
oxymethylindocyanine)を用い、レーザ光の波長を65
0nmに設定し、シャープカットフィルタ9の遮断波長を
695nmに設定している。
【0024】したがって、この実施例の場合には、シャ
ープカットフィルタ9を小形化でき、しかも図1の実施
例と同様の作用を達成できる。標識蛍光体としてFIT
C(Fluorescei isothiocyanate )を用い、レーザ光源
としてレーザ光波長がほぼ488nmのArレーザを用い
る場合には、シャープカットフィルタ9の遮断波長を例
えば515nmに設定することになる。この場合には、図
5に破線で示すように、シャープカットフィルタ9自体
が励起光により蛍光を発することを本件発明者は確認し
た。したがって、上記の設定に係る蛍光免疫測定装置を
構成する場合には、シャープカットフィルタ9から発せ
られる蛍光が受光装置11に及ぼす影響を小さくするた
めに、図1に示すように、シャープカットフィルタ9を
コンデンサレンズ10の近傍に配置しなければならなか
った。
【0025】しかし、この実施例のように標識蛍光体と
してCMIを用い、レーザ光の波長を650nmに設定
し、シャープカットフィルタ9の遮断波長を695nmに
設定した場合には、図5に実線で示すように、シャープ
カットフィルタ9自体が励起光により発する蛍光を著し
く少なくできることを本件発明者は見出した。この結
果、シャープカットフィルタ9を受光装置11の直前に
配置することが可能になり、受光装置11の直前に配置
することに起因してシャープカットフィルタ9を小形化
できる。
【0026】図6から図8はこの発明の光学的測定装置
に適用可能な励起光用光学系の構成例を示す概略図であ
る。尚、これら概略図の各部に、レーザ光の断面形状お
よび偏光方向を示している。また、ハッチングを施した
矩形領域が励起光として機能する部分である。図6に示
す励起光用光学系は、シリンドリカルレンズを組み合せ
てなるものであり、半導体レーザ4から出射される楕円
形状のレーザ光をコリメートレンズ21により平行光束
化し、凹シリンドリカルレンズ22により、平行光束化
されたレーザ光を拡大し、さらに互に逆配置の1対のシ
リンドリカルレンズ23,24により円形状のレーザ光
を得る。そして、アパーチャー25により不要部分を除
去してP偏光の励起光を得る。
【0027】したがって、この具体例の場合には、一旦
円形状のレーザ光を得た後にアパーチャー25により不
要部分を除去するのであり、除去される部分がかなり多
いのであるから、レーザ光利用効率が低いという不都合
を有している。また、上記全てのレンズの焦点位置の制
御、光軸の調整等が必要であり、所望の光学系を得るた
めの作業が著しく煩雑になるという不都合もある。さら
に、ホルダー等が必要になるため、コストアップを招い
てしまう。
【0028】図7に示す励起光用光学系は、プリズムペ
アを採用してなるものであり、半導体レーザ4から出射
される楕円形状のレーザ光をコリメートレンズ21によ
り平行光束化し、互に逆向きに配置された1対のプリズ
ム26,27により、平行光束化されたレーザ光を短軸
方向に拡大して円形状のレーザ光を得、さらにシリンド
リカルレンズ28により円形状のレーザ光を集光させる
とともに、アパーチャー29により不要部分を除去して
P偏光の励起光を得る。
【0029】したがって、この具体例の場合にも、一旦
円形状のレーザ光を得た後にアパーチャー25により不
要部分を除去するのであり、除去される部分がかなり多
いのであるから、レーザ光利用効率が低いという不都合
を有している。また、プリズム26,27自体の精度お
よびプリズム26,27同士の相対位置の精度を高めな
ければならないので、所望の光学系を得るための作業が
著しく煩雑になるという不都合もある。さらに、半導体
レーザ4の光軸とシリンドリカルレンズ28の光軸とが
必然的にずれてしまうので、励起光入射用プリズム3に
対する各構成部分の配置が煩雑になってしまうという不
都合もある。
【0030】図8に示す励起光用光学系は、λ/2板5
を採用してなるものであり、半導体レーザ4から出射さ
れるレーザ光が楕円形状であり、しかも偏光方向が短軸
方向であるが、λ/2板5を透過することにより偏光方
向が90°回転され、偏光方向が長軸方向になる。そし
て、このレーザ光をコリメートレンズ6に導くことによ
り平行光束化し、シリンドリカルレンズ7により集光さ
せるとともに、アパーチャー12により不要部分を除去
してP偏光の励起光を得る。
【0031】したがって、この具体例の場合には、レー
ザ光の断面形状が楕円形状のままであるから、アパーチ
ャー12により除去される不要部分を著しく少なくで
き、レーザ光利用効率を高めることができる。また、図
6、図7に示す励起光用光学系と異なり、各種調整が必
要な光学素子が不要であり、所望の光学系を得るための
作業を大幅に簡素化できる。
【0032】図9は半導体レーザ4とλ/2板5との具
体的配置構成例を示す縦断面図であり、半導体レーザ4
収容空間が形成された1対の銅ブロック31,32によ
り半導体レーザ4を包囲し、Oリング33により半導体
レーザ4を固定している。そして、背面側の銅ブロック
31をペルチェ素子34の吸熱面に接触させ、ペルチェ
素子34の発熱面をアルミニウム等からなるヒートシン
ク35に接触させている。また、前面側、即ち、レーザ
光出射側の銅ブロック32の開口を覆うようにλ/2板
5が配置されている。尚、36は銅ブロックホルダ、3
7はλ/2板ホルダ、38はOリング、39はレーザ光
出射用開口である。また、破線がレーザ光を示してい
る。
【0033】上記λ/2板5としては、任意の材質から
なるものを採用することができるが、透過光の偏光比が
大きく、かつ光損失が少ない、水晶からなるものを用い
ることが好ましい。但し、水晶からなるλ/2板5は、
−0.01%/℃程度の温度依存性を有しているので、
高精度の光学的測定を行なうに当っては、上記温度依存
性に拘らずλ/2板5の時間的安定性を確保することが
必要になる。
【0034】また、半導体レーザ4は、発振波長がかな
り大きい温度依存性を有しているので、高精度の光学的
測定を行なうための光源として半導体レーザを採用する
場合には、温度変化を補償すべく温度制御を行なうこと
が一般的である。図9の構成は上記両者の要請を同時に
満足させることができるものであり、例えば、ペルチェ
素子34を用いたPID制御等によって銅ブロック3
1,32を介して半導体レーザ4のケース温度を±0.
001℃の精度で制御することにより、専用の温度制御
装置を設けることなく、λ/2板5の温度を±0.01
℃の範囲で安定化できる。また、銅ブロック31,32
の半導体レーザ4収容空間がλ/2板5により外気と遮
断されているので、半導体レーザ4の温度安定性を高め
ることができる。さらに、λ/2板5のサイズを小さく
することもできる。
【0035】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、励起光
光源として、入射面に平行な偏光方向成分を主成分とす
る光を出射するものを採用してあるので、入射面におけ
る励起光の反射成分を低減でき、ひいては、信号光に基
づく光学的性質の測定感度を高めることができるという
特有の効果を奏する。
【0036】請求項2の発明は、入射面に平行な偏光方
向成分を主成分とする光を、入射面に対してブリュース
ター角以下の入射角で入射させるべく励起光光源が配置
されているので、入射面における励起光の反射成分の、
一層高い低減効果を達成でき、ひいては、信号光に基づ
く光学的性質の測定感度を一層高めることができるとい
う特有の効果を奏する。
【0037】請求項3の発明は、入射面に平行な偏光方
向成分を主成分とする光を、入射面に対してほぼブリュ
ースター角に等しい入射角で入射させるべく励起光光源
が配置されているので、入射面における励起光の反射成
分の、十分に高い低減効果を達成でき、ひいては、信号
光に基づく光学的性質の測定感度を著しく高めることが
できるという特有の効果を奏する。
【0038】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
の何れかの効果に加え、半導体レーザから出射されるレ
ーザ光の大部分を光導波路に導入される励起光として利
用でき、半導体レーザとして必要以上に大出力のものを
使用する必要がなくなるという特有の効果を奏する。請
求項5の発明は、請求項4の効果に加え、半導体レーザ
の温度制御およびλ/2板の温度制御を同時に達成で
き、両者を温度制御するための装置を簡素化できるとい
う特有の効果を奏する。
【0039】請求項6の発明は、請求項1から請求項5
の何れかの効果に加え、光学的フィルタ手段の小形化を
簡単に達成できるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光学的測定装置の一実施例としての
蛍光免疫測定装置を概略的に示す図である。
【図2】励起光の反射を概略的に説明する図である。
【図3】入射光がP偏光、S偏光である場合における、
それぞれの反射率と入射角との関係を示す図である。
【図4】この発明の光学的測定装置の他の実施例として
の蛍光免疫測定装置を概略的に示す図である。
【図5】シャープカットフィルタ自体が発する蛍光の波
長および強度を示す図である。
【図6】この発明の光学的測定装置に適用可能な励起光
用光学系の構成例を示す概略図である。
【図7】この発明の光学的測定装置に適用可能な励起光
用光学系の構成例を示す概略図である。
【図8】この発明の光学的測定装置に適用可能な励起光
用光学系の構成例を示す概略図である。
【図9】半導体レーザとλ/2板との具体的配置構成例
を示す縦断面図である。
【図10】従来の蛍光免疫測定装置を概略的に示す図で
ある。
【符号の説明】
1 スラブ型光導波路 4 半導体レーザ 5 λ/2板 9 シャープカットフィルタ 11 受光装置 31,32 銅ブロック 39 レーザ光出射用開口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路(1)に励起光を導入して全反
    射させながら伝播させ、励起光の伝播に伴なって生じる
    エバネッセント波成分に基づいて光導波路(1)の表面
    近傍の光学的性質を示す信号光を得、信号光を光導波路
    (1)の励起光入射面から出射させ、励起光入射面から
    出射される信号光を受光することにより光導波路(1)
    の表面近傍の光学的性質を測定する光学的測定装置であ
    って、励起光光源(4)(5)として、入射面に平行な
    偏光方向成分を主成分とする光を出射するものを採用し
    てあることを特徴とする光学的測定装置。
  2. 【請求項2】 入射面に平行な偏光方向成分を主成分と
    する光を、入射面に対してブリュースター角以下の入射
    角で入射させるべく励起光光源(4)(5)が配置され
    ている請求項1に記載の光学的測定装置。
  3. 【請求項3】 入射面に平行な偏光方向成分を主成分と
    する光を、入射面に対してほぼブリュースター角に等し
    い入射角で入射させるべく励起光光源(4)(5)が配
    置されている請求項1に記載の光学的測定装置。
  4. 【請求項4】 励起光光源(4)(5)が、半導体レー
    ザ(4)とλ/2板(5)とを含んでいる請求項1から
    請求項3の何れかに記載の光学的測定装置。
  5. 【請求項5】 半導体レーザ(4)が温度制御用ハウジ
    ング(31)(32)の内部に埋め込み状に配置されて
    あるとともに、λ/2板(5)が、温度制御用ハウジン
    グ(31)(32)のレーザ光出射用開口(39)を覆
    うべく温度制御用ハウジング(32)に対して熱結合さ
    れた状態で配置されてある請求項4に記載の光学的測定
    装置。
  6. 【請求項6】 光導波路(1)の表面近傍の光学的性質
    を示す信号光を受光する受光装置(11)の直前に、少
    なくとも励起光成分を除去するための光学的フィルタ手
    段(9)が配置されてある請求項1から請求項5の何れ
    かに記載の光学的測定装置。
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