JPH0630778A - ピキア酵母により抗体を製造するためのベクタ−、該ベクタ−で形質転換されたピキア酵母及び形質転換ピキア酵母を培養することを特徴とする抗体の製造方法 - Google Patents
ピキア酵母により抗体を製造するためのベクタ−、該ベクタ−で形質転換されたピキア酵母及び形質転換ピキア酵母を培養することを特徴とする抗体の製造方法Info
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- JPH0630778A JPH0630778A JP4212287A JP21228792A JPH0630778A JP H0630778 A JPH0630778 A JP H0630778A JP 4212287 A JP4212287 A JP 4212287A JP 21228792 A JP21228792 A JP 21228792A JP H0630778 A JPH0630778 A JP H0630778A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大腸菌等を宿主として抗体遺伝子を発現させ
て抗体分子を製造する方法と比較して、抗体分子製造量
が大きく、かつ、製造操作後の抗体分子精製操作等が簡
単な、遺伝子組換えで抗体分子を製造する方法等を提供
する。 【構成】 ピキア酵母染色体由来アルコ−ル酸化酵素遺
伝子領域に存在する2つのピキア酵母染色体由来アルコ
−ル酸化酵素遺伝子プロモ−タ−を含み、その一方の3
´側には末端領域にタ−ミネ−タ−を有する抗体のH鎖
をコ−ドする遺伝子が、その他方の3´側には末端領域
にタ−ミネ−タ−を有する抗体のL鎖をコ−ドする遺伝
子が、これらタ−ミネ−タ−及び抗体遺伝子が発現可能
に連結されているベクタ−。
て抗体分子を製造する方法と比較して、抗体分子製造量
が大きく、かつ、製造操作後の抗体分子精製操作等が簡
単な、遺伝子組換えで抗体分子を製造する方法等を提供
する。 【構成】 ピキア酵母染色体由来アルコ−ル酸化酵素遺
伝子領域に存在する2つのピキア酵母染色体由来アルコ
−ル酸化酵素遺伝子プロモ−タ−を含み、その一方の3
´側には末端領域にタ−ミネ−タ−を有する抗体のH鎖
をコ−ドする遺伝子が、その他方の3´側には末端領域
にタ−ミネ−タ−を有する抗体のL鎖をコ−ドする遺伝
子が、これらタ−ミネ−タ−及び抗体遺伝子が発現可能
に連結されているベクタ−。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピキア酵母により抗体
を製造するためのベクタ−、該ベクタ−で形質転換され
たピキア酵母及び形質転換ピキア酵母を培養することを
特徴とする抗体の製造方法に関するものである。
を製造するためのベクタ−、該ベクタ−で形質転換され
たピキア酵母及び形質転換ピキア酵母を培養することを
特徴とする抗体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抗体は高度の抗原識別能力を備えた蛋白
質であり、抗原識別能力を利用し、酵素等で標識した抗
体を用いることによる微量抗原の好感度検出法が広く行
われている。
質であり、抗原識別能力を利用し、酵素等で標識した抗
体を用いることによる微量抗原の好感度検出法が広く行
われている。
【0003】抗体は、一般に抗原性物質を兎やヤギ等の
動物に免疫することによってその血清中に得ることがで
きる。また、抗原中の特定の抗原決定部位に対して厳密
な特異性を有するモノクロ−ナル抗体は、例えばマウス
等に抗原を投与して得た脾臓細胞とミエロ−マ細胞等を
融合し、これをマウス腹腔や実験室で人工的に培養する
ことで得ることができる。
動物に免疫することによってその血清中に得ることがで
きる。また、抗原中の特定の抗原決定部位に対して厳密
な特異性を有するモノクロ−ナル抗体は、例えばマウス
等に抗原を投与して得た脾臓細胞とミエロ−マ細胞等を
融合し、これをマウス腹腔や実験室で人工的に培養する
ことで得ることができる。
【0004】近年になって様々な抗体遺伝子がクローニ
ングされるに及び、目的抗体の遺伝子を大腸菌や酵母あ
るいは動物細胞に組み込んで発現する試みが行われてい
る。抗体は通常H鎖2本とL鎖2本からなる4量体蛋白
質であるが、遺伝子組み換えによって抗体遺伝子を発現
させる場合には、H鎖遺伝子とL鎖遺伝子の全長を発現
させずに、抗体の抗原結合能を担う、いわゆる可変領域
を含むFab部分やFv部分に相当するH鎖遺伝子とL
鎖遺伝子のみの部分蛋白を発現させることも可能であ
る。
ングされるに及び、目的抗体の遺伝子を大腸菌や酵母あ
るいは動物細胞に組み込んで発現する試みが行われてい
る。抗体は通常H鎖2本とL鎖2本からなる4量体蛋白
質であるが、遺伝子組み換えによって抗体遺伝子を発現
させる場合には、H鎖遺伝子とL鎖遺伝子の全長を発現
させずに、抗体の抗原結合能を担う、いわゆる可変領域
を含むFab部分やFv部分に相当するH鎖遺伝子とL
鎖遺伝子のみの部分蛋白を発現させることも可能であ
る。
【0005】このように遺伝子組み換え技術で抗体又は
その機能を持った部分蛋白を生産する場合、大腸菌、酵
母又は動物細胞を宿主として用いることになるが、抗体
遺伝子を適当なプロモーターとターミネーター(転写終
結領域)の間に挿入したベクタ−等を構築し、該ベクタ
−で宿主を形質転換し、該宿主を培養してその上清中に
抗体を分泌させる方法が一般的である。
その機能を持った部分蛋白を生産する場合、大腸菌、酵
母又は動物細胞を宿主として用いることになるが、抗体
遺伝子を適当なプロモーターとターミネーター(転写終
結領域)の間に挿入したベクタ−等を構築し、該ベクタ
−で宿主を形質転換し、該宿主を培養してその上清中に
抗体を分泌させる方法が一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】抗体を遺伝子組み換え
で製造する場合、H鎖をコ−ドする遺伝子とL鎖をコ−
ドする遺伝子を同時にかつ同程度発現させ、しかも発現
したH鎖蛋白質とL鎖蛋白質が正しく会合して効率よく
分泌されるように操作する必要がある。
で製造する場合、H鎖をコ−ドする遺伝子とL鎖をコ−
ドする遺伝子を同時にかつ同程度発現させ、しかも発現
したH鎖蛋白質とL鎖蛋白質が正しく会合して効率よく
分泌されるように操作する必要がある。
【0007】大腸菌を宿主として用いる場合(Skerra
A. ら、Science 240 巻、1034-1041頁、1988年、Better
M. ら、Science 240 巻、1041-1043 頁、1988年)に
は、分泌が期待できるのは細胞膜と細胞壁の間のいわゆ
るペリプラズムまでであり、培養液上清に分泌させるこ
とができず、抗体製造量が低下するという課題がある。
また大腸菌を使用する場合には、、培養の途中に菌が溶
解するという現象も観察される。これらの課題のために
大腸菌を使用する場合、抗体の製造量は極めて低くなっ
てしまう。更に、時として製造された抗体は抗原結合性
が低下する、という課題もある。
A. ら、Science 240 巻、1034-1041頁、1988年、Better
M. ら、Science 240 巻、1041-1043 頁、1988年)に
は、分泌が期待できるのは細胞膜と細胞壁の間のいわゆ
るペリプラズムまでであり、培養液上清に分泌させるこ
とができず、抗体製造量が低下するという課題がある。
また大腸菌を使用する場合には、、培養の途中に菌が溶
解するという現象も観察される。これらの課題のために
大腸菌を使用する場合、抗体の製造量は極めて低くなっ
てしまう。更に、時として製造された抗体は抗原結合性
が低下する、という課題もある。
【0008】動物細胞を宿主として用いる場合には、微
生物を用いるよりもより本来の立体構造に近い構造を有
した抗体の生産が期待できるものの、培養コストが高
く、そのスケールアップが微生物に比べて困難である等
の改善されるべき点がある。
生物を用いるよりもより本来の立体構造に近い構造を有
した抗体の生産が期待できるものの、培養コストが高
く、そのスケールアップが微生物に比べて困難である等
の改善されるべき点がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】パン酵母等に代表される
酵母は、大腸菌や動物細胞両者の利点を兼ね備えた宿主
として広く利用されているが、抗体の分泌生産について
は、非常に低い発現量であると報告されている(Arnold
H.Horwitzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85 巻8678-868
2 頁、1988年)。
酵母は、大腸菌や動物細胞両者の利点を兼ね備えた宿主
として広く利用されているが、抗体の分泌生産について
は、非常に低い発現量であると報告されている(Arnold
H.Horwitzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85 巻8678-868
2 頁、1988年)。
【0010】本発明者らは、メタノール資化性酵母であ
るピキア酵母が高度の蛋白質分泌生産能力を有している
こと、また、メタノール資化の際に最初に働く酵素であ
りピキア酵母をメタノール存在下で培養した際に強力に
発現するアルコール酸化酵素1(以下AOX1と呼ぶ)
遺伝子のプロモーターとターミネーターの間に抗体遺伝
子を挿入したベクタ−で形質転換したピキア酵母によれ
ば、抗体遺伝子をピキア酵母染色体上に安定に保持させ
得、かつメタノールによる効率的な抗体遺伝子発現の誘
導が可能であり、しかも抗原結合性の高い抗体を培養液
上清中に分泌発現させ得ることが可能なことを見出だ
し、本発明を完成させた。
るピキア酵母が高度の蛋白質分泌生産能力を有している
こと、また、メタノール資化の際に最初に働く酵素であ
りピキア酵母をメタノール存在下で培養した際に強力に
発現するアルコール酸化酵素1(以下AOX1と呼ぶ)
遺伝子のプロモーターとターミネーターの間に抗体遺伝
子を挿入したベクタ−で形質転換したピキア酵母によれ
ば、抗体遺伝子をピキア酵母染色体上に安定に保持させ
得、かつメタノールによる効率的な抗体遺伝子発現の誘
導が可能であり、しかも抗原結合性の高い抗体を培養液
上清中に分泌発現させ得ることが可能なことを見出だ
し、本発明を完成させた。
【0011】即ち本発明は、ピキア酵母染色体由来アル
コ−ル酸化酵素遺伝子領域に存在する2つのAOX1遺
伝子プロモ−タ−含み、その一方の3´側には末端領域
にタ−ミネ−タ−を有する抗体のH鎖をコ−ドする遺伝
子が、その他方の3´側には末端領域にタ−ミネ−タ−
を有する抗体のL鎖をコ−ドする遺伝子が、これらタ−
ミネ−タ−及び抗体遺伝子が発現可能に連結されている
ベクタ−である。また本発明は、前記ベクタ−により形
質転換されたピキア酵母である。更に本発明は、前記ピ
キア酵母を培養する操作を含む、抗体の製造方法であ
る。以下に本発明を詳細に説明する。
コ−ル酸化酵素遺伝子領域に存在する2つのAOX1遺
伝子プロモ−タ−含み、その一方の3´側には末端領域
にタ−ミネ−タ−を有する抗体のH鎖をコ−ドする遺伝
子が、その他方の3´側には末端領域にタ−ミネ−タ−
を有する抗体のL鎖をコ−ドする遺伝子が、これらタ−
ミネ−タ−及び抗体遺伝子が発現可能に連結されている
ベクタ−である。また本発明は、前記ベクタ−により形
質転換されたピキア酵母である。更に本発明は、前記ピ
キア酵母を培養する操作を含む、抗体の製造方法であ
る。以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明のベクタ−は、その一例として環状
の形態を有する、いわゆるプラスミドであっても良く、
宿主を形質転換した場合、形質転換した宿主と形質転換
していない宿主を選択するための指標をなる形質を宿主
に付与する遺伝子や、宿主の染色体にそれ自身を組み込
むための遺伝子を含んでいることが好ましい。
の形態を有する、いわゆるプラスミドであっても良く、
宿主を形質転換した場合、形質転換した宿主と形質転換
していない宿主を選択するための指標をなる形質を宿主
に付与する遺伝子や、宿主の染色体にそれ自身を組み込
むための遺伝子を含んでいることが好ましい。
【0013】本発明のプラスミドの一例を図1に示す。
図1のプラスミド(pHIL-D1.3Fv )は、AOX1遺伝子
のプロモーター(1)、タ−ミネ−タ−(2)、形質転
換体を選別するための指標となる遺伝子(本図では、ヒ
スチジン合成遺伝子を示してある、3)及び抗体のH鎖
又はL鎖をコ−ドする遺伝子(4)を含んでいる。更に
該プラスミドでピキア酵母を形質転換したときに、1と
相伴ってピキア酵母染色体上のAOX1遺伝子と相同組
み換えを起こすのに必要なAOX1遺伝子の下流領域
(5)を含んでいる。ここで抗体の遺伝子は、AOX1
遺伝子プロモーターと向きが一致するように、すなわち
抗体遺伝子のN末をコードする領域がプロモ−タ−側に
位置するよう挿入する。
図1のプラスミド(pHIL-D1.3Fv )は、AOX1遺伝子
のプロモーター(1)、タ−ミネ−タ−(2)、形質転
換体を選別するための指標となる遺伝子(本図では、ヒ
スチジン合成遺伝子を示してある、3)及び抗体のH鎖
又はL鎖をコ−ドする遺伝子(4)を含んでいる。更に
該プラスミドでピキア酵母を形質転換したときに、1と
相伴ってピキア酵母染色体上のAOX1遺伝子と相同組
み換えを起こすのに必要なAOX1遺伝子の下流領域
(5)を含んでいる。ここで抗体の遺伝子は、AOX1
遺伝子プロモーターと向きが一致するように、すなわち
抗体遺伝子のN末をコードする領域がプロモ−タ−側に
位置するよう挿入する。
【0014】前記した形質転換体の選別を可能にする指
標となる形質を宿主に付与する遺伝子としては、例え
ば、ヒスチジン要求性のピキア酵母を宿主として使用す
る場合に、ヒスチジン合成遺伝子を使用することが例示
できる。これにより宿主のヒスチジン要求性が消滅した
場合には形質転換したことが理解できる。なおこれは一
例であり、ヒスチジン要求性に限らず他のアミノ酸やヌ
クレオチドの要求性であっても良い。また特にこのよう
な遺伝子を含まないベクタ−であっても、ピキア酵母染
色体上のAOX1遺伝子の位置にベクターが挿入された
場合宿主のメタノール資化性が弱くなるから、これを確
認することで形質転換したことを理解できる。ここで、
ピキア酵母はAOX1遺伝子とは別に活性の弱いアルコ
ール酸化酵素2(以下AOX2と呼ぶ)の遺伝子を有し
ているので、ベクターとの相同組み換えによりAOX1
遺伝子が失われた後もメタノール資化能を失うことはな
い。
標となる形質を宿主に付与する遺伝子としては、例え
ば、ヒスチジン要求性のピキア酵母を宿主として使用す
る場合に、ヒスチジン合成遺伝子を使用することが例示
できる。これにより宿主のヒスチジン要求性が消滅した
場合には形質転換したことが理解できる。なおこれは一
例であり、ヒスチジン要求性に限らず他のアミノ酸やヌ
クレオチドの要求性であっても良い。また特にこのよう
な遺伝子を含まないベクタ−であっても、ピキア酵母染
色体上のAOX1遺伝子の位置にベクターが挿入された
場合宿主のメタノール資化性が弱くなるから、これを確
認することで形質転換したことを理解できる。ここで、
ピキア酵母はAOX1遺伝子とは別に活性の弱いアルコ
ール酸化酵素2(以下AOX2と呼ぶ)の遺伝子を有し
ているので、ベクターとの相同組み換えによりAOX1
遺伝子が失われた後もメタノール資化能を失うことはな
い。
【0015】以上のような本発明のベクタ−(プラスミ
ド)を調製するには、例えば図2に示した、AOX1遺
伝子のプロモーター(1)、タ−ミネ−タ−(2)、形
質転換体を選別するための指標となるヒスチジン合成遺
伝子(3)及びAOX1遺伝子の下流領域(5)を含む
プラスミド(pAO 804 、K.Sreekrishna ら、Biochemist
ry、28巻、p4117-4125、1989年)を使用すれば良い。
ド)を調製するには、例えば図2に示した、AOX1遺
伝子のプロモーター(1)、タ−ミネ−タ−(2)、形
質転換体を選別するための指標となるヒスチジン合成遺
伝子(3)及びAOX1遺伝子の下流領域(5)を含む
プラスミド(pAO 804 、K.Sreekrishna ら、Biochemist
ry、28巻、p4117-4125、1989年)を使用すれば良い。
【0016】本発明のベクタ−で宿主であるピキア酵母
を形質転換する操作は通常の方法に従えば良く、特別の
操作は必要ない。得られた形質転換体を培養する操作
は、好ましくは、初めに例えばグリセロールを炭素源と
してある程度高密度まで培養を行い、炭素源をメタノー
ルに変換し培養を継続する等が例示できる。
を形質転換する操作は通常の方法に従えば良く、特別の
操作は必要ない。得られた形質転換体を培養する操作
は、好ましくは、初めに例えばグリセロールを炭素源と
してある程度高密度まで培養を行い、炭素源をメタノー
ルに変換し培養を継続する等が例示できる。
【0017】以上の操作により、抗体が培地中に抗原結
合能を有した形で分泌生産されるから、培養液上清を回
収してクロマトグラフや硫安沈殿等、通常の方法に従っ
て精製操作を行うことで目的とする抗体を製造すること
ができる。
合能を有した形で分泌生産されるから、培養液上清を回
収してクロマトグラフや硫安沈殿等、通常の方法に従っ
て精製操作を行うことで目的とする抗体を製造すること
ができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を記載するが、これらは本発明の一例であって本
発明を制限するものではない。
実施例を記載するが、これらは本発明の一例であって本
発明を制限するものではない。
【0019】実施例1 抗リゾチーム抗体Fv領域のV
H部分をコードする遺伝子用発現ベクター、pHIL-D1.3V
H の構築 (1)pHIL−N1の構築(図3) プラスミドpAO804(K.Sreekrishna ら、Biochemi
stry、28巻、p4117-4125、1989年)のDNA 2μg を50
μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM Na
Cl、1 mMジチオスレイト−ル)中でBgl II(5 ユニッ
ト)により37℃で1 時間消化し、反応液を等量のフェノ
−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを
添加して消化されたプラスミドDNAを沈殿・回収し
た。回収したプラスミドDNAを10μl のTE緩衝液(10
mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。
以後、この溶解液をDNA溶液Aとする。
H部分をコードする遺伝子用発現ベクター、pHIL-D1.3V
H の構築 (1)pHIL−N1の構築(図3) プラスミドpAO804(K.Sreekrishna ら、Biochemi
stry、28巻、p4117-4125、1989年)のDNA 2μg を50
μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM Na
Cl、1 mMジチオスレイト−ル)中でBgl II(5 ユニッ
ト)により37℃で1 時間消化し、反応液を等量のフェノ
−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを
添加して消化されたプラスミドDNAを沈殿・回収し
た。回収したプラスミドDNAを10μl のTE緩衝液(10
mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。
以後、この溶解液をDNA溶液Aとする。
【0020】次式の合成DNA-1(2 μg 、470 p mol
e)と合成DNA-2(1.4 μg 、470p mole)を含む50μ
l の緩衝液(50 mM トリス−塩酸 pH 7.6 、10 mM MgCl
2 、10 mM メルカプトエタノール、0.3 mM ATP)にT4D
NAキナーゼ(10ユニット)を添加して37℃で1 時間反
応させて5'末端をリン酸化した。
e)と合成DNA-2(1.4 μg 、470p mole)を含む50μ
l の緩衝液(50 mM トリス−塩酸 pH 7.6 、10 mM MgCl
2 、10 mM メルカプトエタノール、0.3 mM ATP)にT4D
NAキナーゼ(10ユニット)を添加して37℃で1 時間反
応させて5'末端をリン酸化した。
【0021】更に、上記反応液を70℃で10分間加温した
後、37℃で30分間加温することによって合成DNA-1と
合成DNA-2をアニ−リングさせた。このアニ−リング
した合成DNA-1と-2を含む溶液を以後DNA溶液Bと
する。
後、37℃で30分間加温することによって合成DNA-1と
合成DNA-2をアニ−リングさせた。このアニ−リング
した合成DNA-1と-2を含む溶液を以後DNA溶液Bと
する。
【0022】 合成DNA-1(一本鎖)5´ GATCCGCGGCCGC 3´ 合成DNA-2(一本鎖)5’ GCGGCCGCG 3’ 5 μl のDNA溶液Aと10μl のDNA溶液Bを含む50
μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6 、5 mM MgC
l2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM ATP)にT4DN
Aリガ−ゼ(50ユニット)を添加した後、16℃で20時間
反応させた。反応後、反応液を等量のフェノ−ル/クロ
ロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加して消
化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収した
プラスミドDNAを50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩
酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1 mMジチオスレイト−ル)に
溶解し、Not I(10ユニット)を加え37℃で1 時間反応
させ消化した。反応後、反応液を等量のフェノ−ル/ク
ロロフォルムで抽出し、2倍量のエタノ−ルを添加して
消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収し
たDNAを50μl の緩衝液(66 mM トリス−塩酸 pH 7.
6 、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM
ATP )に溶解し、更にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)
を添加した後、16℃で20時間反応させた。反応後、反応
液を等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍
量のエタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNA
を沈殿、回収した。回収したプラスミドDNAを50μl
の緩衝液(10 mM トリス−塩酸pH 7.5、50 mM NaCl、1
mMジチオスレイト−ル)に溶解し、Bgl II(10ユニッ
ト)を加え37℃で1 時間反応させ消化した。この反応液
10μl を使用して、既知の手法に従って大腸菌JM 109株
を形質転換し、アンピシリンを50μg/mlの濃度で含むLB
プレ−トに塗布し、37℃で一晩放置した。出現した大腸
菌のコロニ−をアンピシリンを50μg/mlの濃度で含むLB
培地に接種し、37℃で一晩振盪培養した。得られた菌体
溶液からアルカリ溶解法によってプラスミドDNAを回
収した。該プラスミドDNAは、Not Iでの消化によっ
て約5200塩基対のDNA断片と約2600塩基対のDNA断
片が生じることから目的のプラスミド(pHIL-N1 )であ
ることが確認された。 (2)pHIL−N2の構築(図4) (1)に記載のプラスミドpHIL-N1 のDNA 2μg を50
μl の緩衝液(10 mMトリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaC
l、1 mMジチオスレイト−ル)中でCla I(1ユニット)
により37℃で30分間消化し、反応液を等量のフェノ−ル
/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加
して消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回
収したプラスミドDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM ト
リス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。上記D
NA溶液5 μl を含む25μl の緩衝液(66 mM リン酸カ
リウム pH 7.4 、6.7 mM MgCl2 、1 mMメルカプトエタ
ノール、0.25 mM dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、
0.25 mM dCTP)にDNAポリメラーゼのクレノウ断片
(2 ユニット)を添加し37℃で30分間反応させた。反応
液を等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍
量のエタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNA
を沈殿、回収した。回収したDNAを50μlの緩衝液(6
6 mM トリス−塩酸 pH 7.6 、5 mM MgCl2 、5 mMジチ
オスレイト−ル、0.6 mM ATP)に溶解し、更にT4DNA
リガ−ゼ(50ユニット)を添加し、16℃で20時間反応さ
せた。この反応液10μl を使用して、既知の手法に従っ
て大腸菌 JM109株を形質転換し、アンピシリンを50μg/
mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、37℃で一晩放置し
た。出現した大腸菌のコロニ−をアンピシリンを50μg/
mlの濃度で含むLB培地に接種し、37℃で一晩振盪培養し
た。得られた菌体溶液からアルカリ溶解法によってプラ
スミドDNAを回収した。該プラスミドDNAをSph I
とCla Iで消化することで、約3200塩基対のDNA断片
と約4600塩基対のDNA断片が生じたことから目的のプ
ラスミド(pHIL-N2 )が得られたことが確認された。 (3)pHIL−D1.3VHの構築(図5) (2)のプラスミドpHIL-N2 のDNA5 μg を50μl の
緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1
mMジチオスレイト−ル)中でEcoRI(10ユニット)によ
り37℃で1 時間消化し、反応液を等量のフェノ−ル/ク
ロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加して
消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収し
たプラスミドDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM トリス
−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。上記DNA
溶液5 μl を含む25μl の緩衝液(66 mM リン酸カリウ
ム pH 7.4 、6.7 mM MgCl2 、1 mMメルカプトエタノー
ル0.25 mM dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 m
M dCTP)にDNAポリメラーゼのクレノウ断片(2 ユニ
ット)を添加し、37℃で30分間反応させ、反応液を等量
のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタ
ノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈殿、
回収した。回収したプラスミドDNAを10μl のTE緩衝
液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解
した。以後、この溶解液をDNA溶液Cとする。
μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6 、5 mM MgC
l2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM ATP)にT4DN
Aリガ−ゼ(50ユニット)を添加した後、16℃で20時間
反応させた。反応後、反応液を等量のフェノ−ル/クロ
ロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加して消
化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収した
プラスミドDNAを50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩
酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1 mMジチオスレイト−ル)に
溶解し、Not I(10ユニット)を加え37℃で1 時間反応
させ消化した。反応後、反応液を等量のフェノ−ル/ク
ロロフォルムで抽出し、2倍量のエタノ−ルを添加して
消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収し
たDNAを50μl の緩衝液(66 mM トリス−塩酸 pH 7.
6 、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM
ATP )に溶解し、更にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)
を添加した後、16℃で20時間反応させた。反応後、反応
液を等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍
量のエタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNA
を沈殿、回収した。回収したプラスミドDNAを50μl
の緩衝液(10 mM トリス−塩酸pH 7.5、50 mM NaCl、1
mMジチオスレイト−ル)に溶解し、Bgl II(10ユニッ
ト)を加え37℃で1 時間反応させ消化した。この反応液
10μl を使用して、既知の手法に従って大腸菌JM 109株
を形質転換し、アンピシリンを50μg/mlの濃度で含むLB
プレ−トに塗布し、37℃で一晩放置した。出現した大腸
菌のコロニ−をアンピシリンを50μg/mlの濃度で含むLB
培地に接種し、37℃で一晩振盪培養した。得られた菌体
溶液からアルカリ溶解法によってプラスミドDNAを回
収した。該プラスミドDNAは、Not Iでの消化によっ
て約5200塩基対のDNA断片と約2600塩基対のDNA断
片が生じることから目的のプラスミド(pHIL-N1 )であ
ることが確認された。 (2)pHIL−N2の構築(図4) (1)に記載のプラスミドpHIL-N1 のDNA 2μg を50
μl の緩衝液(10 mMトリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaC
l、1 mMジチオスレイト−ル)中でCla I(1ユニット)
により37℃で30分間消化し、反応液を等量のフェノ−ル
/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加
して消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回
収したプラスミドDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM ト
リス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。上記D
NA溶液5 μl を含む25μl の緩衝液(66 mM リン酸カ
リウム pH 7.4 、6.7 mM MgCl2 、1 mMメルカプトエタ
ノール、0.25 mM dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、
0.25 mM dCTP)にDNAポリメラーゼのクレノウ断片
(2 ユニット)を添加し37℃で30分間反応させた。反応
液を等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍
量のエタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNA
を沈殿、回収した。回収したDNAを50μlの緩衝液(6
6 mM トリス−塩酸 pH 7.6 、5 mM MgCl2 、5 mMジチ
オスレイト−ル、0.6 mM ATP)に溶解し、更にT4DNA
リガ−ゼ(50ユニット)を添加し、16℃で20時間反応さ
せた。この反応液10μl を使用して、既知の手法に従っ
て大腸菌 JM109株を形質転換し、アンピシリンを50μg/
mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、37℃で一晩放置し
た。出現した大腸菌のコロニ−をアンピシリンを50μg/
mlの濃度で含むLB培地に接種し、37℃で一晩振盪培養し
た。得られた菌体溶液からアルカリ溶解法によってプラ
スミドDNAを回収した。該プラスミドDNAをSph I
とCla Iで消化することで、約3200塩基対のDNA断片
と約4600塩基対のDNA断片が生じたことから目的のプ
ラスミド(pHIL-N2 )が得られたことが確認された。 (3)pHIL−D1.3VHの構築(図5) (2)のプラスミドpHIL-N2 のDNA5 μg を50μl の
緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1
mMジチオスレイト−ル)中でEcoRI(10ユニット)によ
り37℃で1 時間消化し、反応液を等量のフェノ−ル/ク
ロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加して
消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収し
たプラスミドDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM トリス
−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。上記DNA
溶液5 μl を含む25μl の緩衝液(66 mM リン酸カリウ
ム pH 7.4 、6.7 mM MgCl2 、1 mMメルカプトエタノー
ル0.25 mM dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 m
M dCTP)にDNAポリメラーゼのクレノウ断片(2 ユニ
ット)を添加し、37℃で30分間反応させ、反応液を等量
のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタ
ノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈殿、
回収した。回収したプラスミドDNAを10μl のTE緩衝
液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解
した。以後、この溶解液をDNA溶液Cとする。
【0023】プラスミドpSW1VHD1.3VkD1.3Tag1(E.S.Wa
rdら、Nature 341巻、p544-546、1989年)のDNA5 μ
g を50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50
mMNaCl、1 mMジチオスレイト−ル)中でSph I(10ユ
ニット)により37℃で1 時間消化し、反応液を等量のフ
ェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−
ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収
した。回収したプラスミドDNAを25μl の緩衝液(66
mM トリス−塩酸 pH 8.8 、6.7 mM MgCl2 、10 mM メ
ルカプトエタノール、6.7 μM EDTA、0.25 mM dATP、0.
25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 mM dCTP)に溶解し、
T4DNAポリメラーゼ(2 ユニット)を添加し、37℃で
30分間反応させた。反応液から、VH遺伝子を含む約470
塩基対のDNA断片を電気泳動によって精製した。精製
したDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸 p
H 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。以後、この溶解液を
DNA溶液Dとする。
rdら、Nature 341巻、p544-546、1989年)のDNA5 μ
g を50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50
mMNaCl、1 mMジチオスレイト−ル)中でSph I(10ユ
ニット)により37℃で1 時間消化し、反応液を等量のフ
ェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−
ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈殿、回収
した。回収したプラスミドDNAを25μl の緩衝液(66
mM トリス−塩酸 pH 8.8 、6.7 mM MgCl2 、10 mM メ
ルカプトエタノール、6.7 μM EDTA、0.25 mM dATP、0.
25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 mM dCTP)に溶解し、
T4DNAポリメラーゼ(2 ユニット)を添加し、37℃で
30分間反応させた。反応液から、VH遺伝子を含む約470
塩基対のDNA断片を電気泳動によって精製した。精製
したDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸 p
H 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。以後、この溶解液を
DNA溶液Dとする。
【0024】5 μl のDNA溶液Cと5 μl のDNA溶
液Dを含む20μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6
、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM AT
P)にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)を添加し、16℃
で20時間反応させた。この反応液10μl を使用して、既
知の手法に従って大腸菌 JM109株を形質転換し、アンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、37
℃で一晩放置した。出現した大腸菌のコロニ−をアンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLB培地に接種して37℃で
一晩振盪培養した。得られた菌体溶液からアルカリ溶解
法によってプラスミドDNAを回収した。該プラスミド
DNAは、EcoRIでの消化によって約470 塩基対のDN
A断片と約7800塩基対のDNA断片が生じること、また
Pst IとSal Iでの消化によって約3300塩基対のDNA
断片、約2700塩基対のDNA断片及び約2300塩基対のD
NA断片が生じることから目的のプラスミド(pHIL-D1.
3VH )であることが確認された。
液Dを含む20μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6
、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM AT
P)にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)を添加し、16℃
で20時間反応させた。この反応液10μl を使用して、既
知の手法に従って大腸菌 JM109株を形質転換し、アンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、37
℃で一晩放置した。出現した大腸菌のコロニ−をアンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLB培地に接種して37℃で
一晩振盪培養した。得られた菌体溶液からアルカリ溶解
法によってプラスミドDNAを回収した。該プラスミド
DNAは、EcoRIでの消化によって約470 塩基対のDN
A断片と約7800塩基対のDNA断片が生じること、また
Pst IとSal Iでの消化によって約3300塩基対のDNA
断片、約2700塩基対のDNA断片及び約2300塩基対のD
NA断片が生じることから目的のプラスミド(pHIL-D1.
3VH )であることが確認された。
【0025】実施例2 抗リゾチーム抗体Fv領域のV
L部分をコードする遺伝子の発現ベクターpHIL-D1.3VL
の構築(図6) プラスミドpAO 804 のDNA5 μg を50μl の緩衝液
(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1 mMジチ
オスレイト−ル)中でEcoRI(10ユニット)により37℃
で1 時間消化し、反応液を等量のフェノ−ル/クロロフ
ォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加して消化さ
れたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収したプラ
スミドDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸
pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。上記DNA溶液5
μl を含む25μl の緩衝液(66 mMリン酸カリウム pH
7.4 、6.7 mM MgCl2 、1 mMメルカプトエタノール、0.
25 mM dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 mM dC
TP)にDNAポリメラーゼのクレノウ断片(2 ユニッ
ト)を添加し、37℃で30分間反応させた。反応後、反応
液を等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍
量のエタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNA
を沈殿、回収した。回収したプラスミドDNAを10μl
のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA
)に溶解した。以後、この溶解液をDNA溶液Eとす
る。一方、プラスミドpSW1VHD1.3Vk1.3Tag1のDNA5
μg を50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、
50 mM NaCl、1 mMジチオスレイト−ル)中でSph I(10
ユニット)、EcoRI(10ユニット)、Pst I(10ユニ
ット)により37℃で1 時間消化した。反応後、反応液を
等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量の
エタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈
殿、回収した。回収したプラスミドDNAを25μl の緩
衝液(66 mM トリス−塩酸 pH 8.8 、6.7 mM MgCl2 、
10 mM メルカプトエタノール、6.7 μM EDTA 、0.25 m
M dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 mMdCTP)
に溶解し、さらにT4DNAポリメラーゼ(2 ユニット)
を添加し、37℃で30分間反応させた。反応液から、VL遺
伝子を含む約490 塩基対のDNA断片を電気泳動によっ
て精製した。精製したDNAを10μl のTE緩衝液(10 m
M トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。以
後、この溶解液をDNA溶液Fとする。
L部分をコードする遺伝子の発現ベクターpHIL-D1.3VL
の構築(図6) プラスミドpAO 804 のDNA5 μg を50μl の緩衝液
(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1 mMジチ
オスレイト−ル)中でEcoRI(10ユニット)により37℃
で1 時間消化し、反応液を等量のフェノ−ル/クロロフ
ォルムで抽出し、2 倍量のエタノ−ルを添加して消化さ
れたプラスミドDNAを沈殿、回収した。回収したプラ
スミドDNAを10μl のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸
pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。上記DNA溶液5
μl を含む25μl の緩衝液(66 mMリン酸カリウム pH
7.4 、6.7 mM MgCl2 、1 mMメルカプトエタノール、0.
25 mM dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 mM dC
TP)にDNAポリメラーゼのクレノウ断片(2 ユニッ
ト)を添加し、37℃で30分間反応させた。反応後、反応
液を等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍
量のエタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNA
を沈殿、回収した。回収したプラスミドDNAを10μl
のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA
)に溶解した。以後、この溶解液をDNA溶液Eとす
る。一方、プラスミドpSW1VHD1.3Vk1.3Tag1のDNA5
μg を50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、
50 mM NaCl、1 mMジチオスレイト−ル)中でSph I(10
ユニット)、EcoRI(10ユニット)、Pst I(10ユニ
ット)により37℃で1 時間消化した。反応後、反応液を
等量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量の
エタノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈
殿、回収した。回収したプラスミドDNAを25μl の緩
衝液(66 mM トリス−塩酸 pH 8.8 、6.7 mM MgCl2 、
10 mM メルカプトエタノール、6.7 μM EDTA 、0.25 m
M dATP、0.25 mM dTTP、0.25 mM dGTP、0.25 mMdCTP)
に溶解し、さらにT4DNAポリメラーゼ(2 ユニット)
を添加し、37℃で30分間反応させた。反応液から、VL遺
伝子を含む約490 塩基対のDNA断片を電気泳動によっ
て精製した。精製したDNAを10μl のTE緩衝液(10 m
M トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )に溶解した。以
後、この溶解液をDNA溶液Fとする。
【0026】5 μl のDNA溶液Eと5 μl のDNA溶
液Fを含む20μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6
、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM AT
P)にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)を添加し、16℃
で20時間反応させた。この反応液10μl を使用して、既
知の手法に従って大腸菌 JM109株を形質転換し、アンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、37
℃で一晩放置した。出現した大腸菌のコロニ−をアンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLB培地に接種して27℃で
一晩振盪培養し、得られた菌体溶液からアルカリ溶解法
によってプラスミドDNAを回収した。該プラスミドD
NAは、EcoRI、Bam HIでの消化によって約480 塩基
対のDNA断片と約7800塩基対のDNA断片が生じるこ
と、またEcoRIとSal Iでの消化によって約5700塩基対
のDNA断片及び約2600塩基対のDNA断片が生じるこ
とから目的のプラスミド(pHIL-D1.3VL )が得られたこ
とが確認された。
液Fを含む20μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6
、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM AT
P)にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)を添加し、16℃
で20時間反応させた。この反応液10μl を使用して、既
知の手法に従って大腸菌 JM109株を形質転換し、アンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、37
℃で一晩放置した。出現した大腸菌のコロニ−をアンピ
シリンを50μg/mlの濃度で含むLB培地に接種して27℃で
一晩振盪培養し、得られた菌体溶液からアルカリ溶解法
によってプラスミドDNAを回収した。該プラスミドD
NAは、EcoRI、Bam HIでの消化によって約480 塩基
対のDNA断片と約7800塩基対のDNA断片が生じるこ
と、またEcoRIとSal Iでの消化によって約5700塩基対
のDNA断片及び約2600塩基対のDNA断片が生じるこ
とから目的のプラスミド(pHIL-D1.3VL )が得られたこ
とが確認された。
【0027】実施例3 抗リゾチーム抗体Fv領域のVH部
分をコードする遺伝子とVL部分をコ−ドする遺伝子両者
を発現するベクターpHIL-D1.3Fv の構築(図7) (3)のプラスミドpHIL-D1.3VH のDNA5 μg を50μ
l の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaC
l、1 mMジチオスレイト−ル)中でCla I(10ユニッ
ト)により37℃で1 時間消化した。反応後、反応液を等
量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエ
タノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈
殿、回収した。回収したプラスミドDNAを10μl のT
E緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )
に溶解した。以後、この溶解液をDNA溶液Gとする。
分をコードする遺伝子とVL部分をコ−ドする遺伝子両者
を発現するベクターpHIL-D1.3Fv の構築(図7) (3)のプラスミドpHIL-D1.3VH のDNA5 μg を50μ
l の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaC
l、1 mMジチオスレイト−ル)中でCla I(10ユニッ
ト)により37℃で1 時間消化した。反応後、反応液を等
量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエ
タノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈
殿、回収した。回収したプラスミドDNAを10μl のT
E緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM EDTA )
に溶解した。以後、この溶解液をDNA溶液Gとする。
【0028】一方、実施例2に記載のプラスミドpHIL-D
1.3VL のDNA5 μg を50μl の緩衝液(10 mM トリス
−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1 mMジチオスレイト−
ル)中でCla I(10ユニット)により37℃で1 時間消化
した。反応液から、AOX1遺伝子上流領域、VL遺伝子
及びAOX1遺伝子下流領域を含む約1800塩基対のDN
A断片を電気泳動によって精製した。精製したDNAを
10μl のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM
EDTA )に溶解した。以後、この溶解液をDNA溶液H
とする。
1.3VL のDNA5 μg を50μl の緩衝液(10 mM トリス
−塩酸 pH 7.5 、50 mM NaCl、1 mMジチオスレイト−
ル)中でCla I(10ユニット)により37℃で1 時間消化
した。反応液から、AOX1遺伝子上流領域、VL遺伝子
及びAOX1遺伝子下流領域を含む約1800塩基対のDN
A断片を電気泳動によって精製した。精製したDNAを
10μl のTE緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8.0 、1 mM
EDTA )に溶解した。以後、この溶解液をDNA溶液H
とする。
【0029】5 μl のDNA溶液Gと5 μl のDNA溶
液Hを含む20μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6
、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM AT
P)にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)を添加した後、1
6℃で20時間反応させた。この反応液10μl を使用し、
既知の手法に従って大腸菌 JM109株を形質転換し、アン
ピシリンを50μg/mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、
37℃で一晩放置した。出現した大腸菌のコロニ−をアン
ピシリンを50μg/mlの濃度で含むLB培地に接種し、37℃
で一晩振盪培養した。得られた菌体溶液からアルカリ溶
解法によってプラスミドDNAを回収した。該プラスミ
ドDNAは、Cla Iでの消化によって約1800塩基対のD
NA断片と約8300塩基対のDNA断片が生じること、ま
たBam HIとSal Iでの消化によって約2000塩基対のD
NA断片、約8100塩基対のDNA断片が生じることから
目的のプラスミド(pHIL-D1.3Fv )が得られたことが確
認された。
液Hを含む20μl の緩衝液(66 mMトリス−塩酸 pH 7.6
、5 mM MgCl2 、5 mMジチオスレイト−ル、0.6 mM AT
P)にT4DNAリガ−ゼ(50ユニット)を添加した後、1
6℃で20時間反応させた。この反応液10μl を使用し、
既知の手法に従って大腸菌 JM109株を形質転換し、アン
ピシリンを50μg/mlの濃度で含むLBプレ−トに塗布し、
37℃で一晩放置した。出現した大腸菌のコロニ−をアン
ピシリンを50μg/mlの濃度で含むLB培地に接種し、37℃
で一晩振盪培養した。得られた菌体溶液からアルカリ溶
解法によってプラスミドDNAを回収した。該プラスミ
ドDNAは、Cla Iでの消化によって約1800塩基対のD
NA断片と約8300塩基対のDNA断片が生じること、ま
たBam HIとSal Iでの消化によって約2000塩基対のD
NA断片、約8100塩基対のDNA断片が生じることから
目的のプラスミド(pHIL-D1.3Fv )が得られたことが確
認された。
【0030】実施例4 実施例3のプラスミドpHIL-D1.3Fv でピキア酵母を形質
転換し、VH遺伝子とVL遺伝子がピキア酵母染色体のAO
X1遺伝子の位置に発現可能な形で組み込まれた目的の
形質転換体を得た。
転換し、VH遺伝子とVL遺伝子がピキア酵母染色体のAO
X1遺伝子の位置に発現可能な形で組み込まれた目的の
形質転換体を得た。
【0031】プラスミドpHIL-D1.3Fv のDNA10μg を
50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM
NaCl、1 mMジチオスレイト−ル)中でNot I(20ユニッ
ト)により37℃で1 時間消化した。反応後、反応液を等
量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエ
タノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈
殿、回収した。回収したプラスミドDNAを10μl のTE
緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8,0 、1 mM EDTA )に
溶解した。IRL PRESS 社刊、DNA cloning vol.IIp52 に
記載の方法に従って、ピキア酵母GT 1155株(his-ヒス
チジン要求性)のスフェロプラストを調製し、スフェロ
プラスト100 μl に対しNot Iで切断したプラスミドpH
IL-D1.3Fv のDNA溶液10μl を加え、前記方法に従っ
て形質転換した。形質転換後、スフェロプラストを45℃
のヒスチジンを含まないRD軟寒天培地(18.6 %ソルビト
ール、1%アガロース、2%グルコース、1.34% yeast nitr
ogenbase、0.4 μg/ml biotin、0.2%his assay mediu
m、およびグルタミン酸、メチオニン、リジン、ロイシ
ン、イソロイシン各50μg/ml)10 ml と混合後ヒスチジ
ンを含まないRD寒天培地(アガロース濃度が1.5%である
他はRD軟寒天培地と同じ組成)プレートに上層し、30℃
にて3 日間静置した。RD寒天培地上に出現したコロニー
は、プラスミドpHIL-D1.3Fv で形質転換されてヒスチジ
ン要求性を失なった形質転換菌であるが、凝集したスフ
ェロプラストから再生したコロニーであるので、純粋な
クローンを得るために以下の操作を行った。すなわちRD
寒天培地上に出現したコロニーを滅菌したつまようじで
数百個つつき、500 μl の滅菌水に懸濁したのち緩やか
な条件で超音波処理を行うことにより菌の凝集を解い
た。超音波処理を行った菌の懸濁液を、適当に希釈しMD
寒天培地(1.5%寒天、1.34% yease nitrogen base 、0.
4 μg/ml biotin 、2%グルコース)に塗布し、30℃にて
3 日間静置した。以上の操作によりMD寒天培地上に、純
粋なクローンであるコロニーが多数得られた。
50μl の緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、50 mM
NaCl、1 mMジチオスレイト−ル)中でNot I(20ユニッ
ト)により37℃で1 時間消化した。反応後、反応液を等
量のフェノ−ル/クロロフォルムで抽出し、2 倍量のエ
タノ−ルを添加して消化されたプラスミドDNAを沈
殿、回収した。回収したプラスミドDNAを10μl のTE
緩衝液(10 mM トリス−塩酸 pH 8,0 、1 mM EDTA )に
溶解した。IRL PRESS 社刊、DNA cloning vol.IIp52 に
記載の方法に従って、ピキア酵母GT 1155株(his-ヒス
チジン要求性)のスフェロプラストを調製し、スフェロ
プラスト100 μl に対しNot Iで切断したプラスミドpH
IL-D1.3Fv のDNA溶液10μl を加え、前記方法に従っ
て形質転換した。形質転換後、スフェロプラストを45℃
のヒスチジンを含まないRD軟寒天培地(18.6 %ソルビト
ール、1%アガロース、2%グルコース、1.34% yeast nitr
ogenbase、0.4 μg/ml biotin、0.2%his assay mediu
m、およびグルタミン酸、メチオニン、リジン、ロイシ
ン、イソロイシン各50μg/ml)10 ml と混合後ヒスチジ
ンを含まないRD寒天培地(アガロース濃度が1.5%である
他はRD軟寒天培地と同じ組成)プレートに上層し、30℃
にて3 日間静置した。RD寒天培地上に出現したコロニー
は、プラスミドpHIL-D1.3Fv で形質転換されてヒスチジ
ン要求性を失なった形質転換菌であるが、凝集したスフ
ェロプラストから再生したコロニーであるので、純粋な
クローンを得るために以下の操作を行った。すなわちRD
寒天培地上に出現したコロニーを滅菌したつまようじで
数百個つつき、500 μl の滅菌水に懸濁したのち緩やか
な条件で超音波処理を行うことにより菌の凝集を解い
た。超音波処理を行った菌の懸濁液を、適当に希釈しMD
寒天培地(1.5%寒天、1.34% yease nitrogen base 、0.
4 μg/ml biotin 、2%グルコース)に塗布し、30℃にて
3 日間静置した。以上の操作によりMD寒天培地上に、純
粋なクローンであるコロニーが多数得られた。
【0032】つぎに、プラスミドpHIL-D1.3Fv で形質転
換されてヒスチジン要求性を失った形質転換菌のうちVH
遺伝子とVL遺伝子がピキア酵母染色体のAOX1遺伝子
の位置に発現可能な形で組み込まれた目的の形質転換体
を得るために、以下の操作を行った。(1)で得られた
MD寒天培地上のヒスチジン要求性を失った形質転換菌の
コロニー(his +コロニー)をMD寒天培地(1.5%寒天、
1.34% yease nitorogen base、0.4 μg/ml biotin 、2%
グルコース)とMM寒天培地(1.5%寒天、1.34%yease nit
orogen base、0.4 μg/ml biotin 、0.8%メタノール)
にスポットし、30℃で3 日間静置した。MM寒天培地で生
育の遅いコロニー(mut sコロニー)、すなわちAOX
1遺伝子が欠損していると判定されるコロニーを目的の
形質転換体(GTS115/pHIL-D1.3Fv muts)と判定し、培
養及び抗体生産の有無の検討に用いた。
換されてヒスチジン要求性を失った形質転換菌のうちVH
遺伝子とVL遺伝子がピキア酵母染色体のAOX1遺伝子
の位置に発現可能な形で組み込まれた目的の形質転換体
を得るために、以下の操作を行った。(1)で得られた
MD寒天培地上のヒスチジン要求性を失った形質転換菌の
コロニー(his +コロニー)をMD寒天培地(1.5%寒天、
1.34% yease nitorogen base、0.4 μg/ml biotin 、2%
グルコース)とMM寒天培地(1.5%寒天、1.34%yease nit
orogen base、0.4 μg/ml biotin 、0.8%メタノール)
にスポットし、30℃で3 日間静置した。MM寒天培地で生
育の遅いコロニー(mut sコロニー)、すなわちAOX
1遺伝子が欠損していると判定されるコロニーを目的の
形質転換体(GTS115/pHIL-D1.3Fv muts)と判定し、培
養及び抗体生産の有無の検討に用いた。
【0033】実施例5 形質転換体による抗体の生産の
確認 実施例4で得た形質転換体GTS115/pHIL-D1.3Fv mutsを
YPD (1%酵母エキス、2%ペプトン、2%グルコース)培地
に植菌し、30℃で一晩振盪培養した。得られた一晩培養
液200 μl を100 mlのBMGY培地(1%酵母エキス、2%ペプ
トン、1.34% yeast nitorogen base、0.4 μg/ml bioti
n 、1%グリセロール、0.1 M リン酸カリウム緩衝液 pH
6)に植菌し、30℃でOD 600値が約20に達するまで(約
15時間)培養した。滅菌した遠心管を用いて培養液を
遠心(3000g ,5 分間)し、得られた菌体を100 mlのBM
MY培地(1%酵母エキス、2%ペプトン、1.34% yeast nitr
ogenbase 、0.4 μg/ml biotin 、0.8%メタノール、0.1
M リン酸カリウム緩衝液pH6 )に再び懸濁したのち培
養を続けVH遺伝子とVL遺伝子の発現を誘導し、BMMY培地
に懸濁後24時間ごとに1 mlのメタノールを添加しつつ10
0 時間培養を続けた。
確認 実施例4で得た形質転換体GTS115/pHIL-D1.3Fv mutsを
YPD (1%酵母エキス、2%ペプトン、2%グルコース)培地
に植菌し、30℃で一晩振盪培養した。得られた一晩培養
液200 μl を100 mlのBMGY培地(1%酵母エキス、2%ペプ
トン、1.34% yeast nitorogen base、0.4 μg/ml bioti
n 、1%グリセロール、0.1 M リン酸カリウム緩衝液 pH
6)に植菌し、30℃でOD 600値が約20に達するまで(約
15時間)培養した。滅菌した遠心管を用いて培養液を
遠心(3000g ,5 分間)し、得られた菌体を100 mlのBM
MY培地(1%酵母エキス、2%ペプトン、1.34% yeast nitr
ogenbase 、0.4 μg/ml biotin 、0.8%メタノール、0.1
M リン酸カリウム緩衝液pH6 )に再び懸濁したのち培
養を続けVH遺伝子とVL遺伝子の発現を誘導し、BMMY培地
に懸濁後24時間ごとに1 mlのメタノールを添加しつつ10
0 時間培養を続けた。
【0034】対照としてVH遺伝子、VL遺伝子を含まない
ベクターpHIL-D1 で形質転換したピキア酵母GTS115/pHI
L-D1 mutsも同様にして培養した。培養終了後培養液を
遠心(3000g g、5 分間)し、上清500 μl に170 μl
の60% トリクロロ酢酸を加え混合後、氷中に1 時間放置
した。遠心分離後、沈澱を常法に従って還元条件下で15
% SDS-PAGEかけたのち、100 倍希釈の兎抗マウスFv血清
と500 倍希釈のヤギ抗兎 IgG血清-horse radish peroxi
daseを用いて常法にしたがってウェスタンブロッティン
グを行った。その結果、培養上清中に抗リゾチーム抗体
FV断片が生産されていることが確認された。その生産量
はSDS-PAGEのバンドの強さから判定して約5 mg/lである
と推定された。
ベクターpHIL-D1 で形質転換したピキア酵母GTS115/pHI
L-D1 mutsも同様にして培養した。培養終了後培養液を
遠心(3000g g、5 分間)し、上清500 μl に170 μl
の60% トリクロロ酢酸を加え混合後、氷中に1 時間放置
した。遠心分離後、沈澱を常法に従って還元条件下で15
% SDS-PAGEかけたのち、100 倍希釈の兎抗マウスFv血清
と500 倍希釈のヤギ抗兎 IgG血清-horse radish peroxi
daseを用いて常法にしたがってウェスタンブロッティン
グを行った。その結果、培養上清中に抗リゾチーム抗体
FV断片が生産されていることが確認された。その生産量
はSDS-PAGEのバンドの強さから判定して約5 mg/lである
と推定された。
【0035】実施例6 生産された抗リゾチーム抗体の
抗原であるリゾチームへの結合性の確認 実施例5で得られたGTS115/pHIL-D1.3FV mutsの培養液
50 ml を緩衝液(20 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、500 mM
NaCl )3lに対して透析した。ニワトリリゾチーム1 μ
g を7.5% SDS-PAGE にかけたのち、上記透析液を10倍希
釈した液と100倍希釈の兎抗マウスFv血清、および500
倍希釈のヤギ抗兎IgG 血清-horse radish peroxidaseを
用いて常法にしたがってウェスタンブロッティングを行
った。その結果、生産された抗リゾチーム抗体Fv断片は
抗原であるニワトリリゾチームに対して結合能を有して
いることが確認された。
抗原であるリゾチームへの結合性の確認 実施例5で得られたGTS115/pHIL-D1.3FV mutsの培養液
50 ml を緩衝液(20 mM トリス−塩酸 pH 7.5 、500 mM
NaCl )3lに対して透析した。ニワトリリゾチーム1 μ
g を7.5% SDS-PAGE にかけたのち、上記透析液を10倍希
釈した液と100倍希釈の兎抗マウスFv血清、および500
倍希釈のヤギ抗兎IgG 血清-horse radish peroxidaseを
用いて常法にしたがってウェスタンブロッティングを行
った。その結果、生産された抗リゾチーム抗体Fv断片は
抗原であるニワトリリゾチームに対して結合能を有して
いることが確認された。
【0036】
【発明の効果】AOX1プロモ−タ−とタ−ミネ−タ−
の間に抗体遺伝子を挿入する本発明によれば、大腸菌と
動物細胞両者の利点を兼ね備えているものの抗体の生産
については低い発現量しか報告されていない酵母におい
て、そのH鎖とL鎖を同時にかつ同程度発現させること
が可能である。この結果、発現されたH鎖とL鎖は正し
く会合して免疫活性を有する抗体分子を製造できる。し
かも、製造された免疫活性を有する抗体分子は培養液中
に分泌されるから、その培養中に酵母が溶解するという
現象は生じず、製造量の低下を招くことはない。従って
本発明は、酵母を培養して培養液を取得し、これを適当
な方法で精製するだけで抗体を製造できるから、従来の
大腸菌を使用する抗体の製造に比較して精製操作等は簡
単である。
の間に抗体遺伝子を挿入する本発明によれば、大腸菌と
動物細胞両者の利点を兼ね備えているものの抗体の生産
については低い発現量しか報告されていない酵母におい
て、そのH鎖とL鎖を同時にかつ同程度発現させること
が可能である。この結果、発現されたH鎖とL鎖は正し
く会合して免疫活性を有する抗体分子を製造できる。し
かも、製造された免疫活性を有する抗体分子は培養液中
に分泌されるから、その培養中に酵母が溶解するという
現象は生じず、製造量の低下を招くことはない。従って
本発明は、酵母を培養して培養液を取得し、これを適当
な方法で精製するだけで抗体を製造できるから、従来の
大腸菌を使用する抗体の製造に比較して精製操作等は簡
単である。
【0037】本発明によれば、マウス等の動物を使用し
なくても抗体分子を製造することが可能であり、しかも
製造された抗体は同一遺伝子に由来する、同一性質を有
するものである。従来、このようなモノクロ−ナル抗体
は複雑な操作でしか取得できなかったが、本発明ではよ
り簡単に製造できる。また、マウス等を使用して抗体を
製造する場合、大量の抗体を取得するにはより多くの動
物を飼育する必要があったが、本発明では酵母の培養規
模を大きくするだけで大量製造が可能になる。
なくても抗体分子を製造することが可能であり、しかも
製造された抗体は同一遺伝子に由来する、同一性質を有
するものである。従来、このようなモノクロ−ナル抗体
は複雑な操作でしか取得できなかったが、本発明ではよ
り簡単に製造できる。また、マウス等を使用して抗体を
製造する場合、大量の抗体を取得するにはより多くの動
物を飼育する必要があったが、本発明では酵母の培養規
模を大きくするだけで大量製造が可能になる。
【0038】しかも本発明では、挿入する遺伝子を変え
ることで、一種類ではなく種々の抗体分子を製造するこ
とも可能であるし、ヒト抗体遺伝子とマウス遺伝子等を
結合させものを挿入すればキメラ抗体を製造可能であ
り、更には抗体分子のL鎖やH鎖のみを製造することも
可能である。
ることで、一種類ではなく種々の抗体分子を製造するこ
とも可能であるし、ヒト抗体遺伝子とマウス遺伝子等を
結合させものを挿入すればキメラ抗体を製造可能であ
り、更には抗体分子のL鎖やH鎖のみを製造することも
可能である。
【図1】図1は、本発明のベクタ−の一例を示す図であ
る。
る。
【図2】図2は、図1に記載した本発明のベクタ−を構
築する出発材料となるベクタ−の一例を示すものであ
る。
築する出発材料となるベクタ−の一例を示すものであ
る。
【図3】図3は、本発明の実施例1(1)において構築
した、pHIL−N1の構築操作を示す図である。
した、pHIL−N1の構築操作を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1(2)において構築
した、pHIL−N2の構築操作を示す図である。
した、pHIL−N2の構築操作を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施例1(3)において構築
した、pHIL−D1.3VHの構築操作を示す図であ
る。
した、pHIL−D1.3VHの構築操作を示す図であ
る。
【図6】図6は、本発明の実施例2において構築した、
pHIL−D1.3VLの構築操作を示す図である。
pHIL−D1.3VLの構築操作を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施例3において構築した、
pHIL−D1.3Fvの構築操作を示す図である。
pHIL−D1.3Fvの構築操作を示す図である。
1 AOX1遺伝子のプロモ−タ− 2 タ−ミネ−タ− 3 形質転換体を選別するための指標となる遺伝子
(ヒスチジン合成遺伝子) 4 抗体のH鎖又はL鎖をコ−ドする遺伝子 5 AOX1遺伝子の下流領域
(ヒスチジン合成遺伝子) 4 抗体のH鎖又はL鎖をコ−ドする遺伝子 5 AOX1遺伝子の下流領域
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:84) (C12P 21/08 C12R 1:84)
Claims (5)
- 【請求項1】ピキア酵母染色体由来アルコ−ル酸化酵素
遺伝子領域に存在する2つのピキア酵母染色体由来アル
コ−ル酸化酵素遺伝子プロモ−タ−含み、その一方の3
´側には末端領域にタ−ミネ−タ−を有する抗体のH鎖
をコ−ドする遺伝子が、その他方の3´側には末端領域
にタ−ミネ−タ−を有する抗体のL鎖をコ−ドする遺伝
子が、これらタ−ミネ−タ−及び抗体遺伝子が発現可能
に連結されている、ベクタ−。 - 【請求項2】更に、該ベクタ−により形質転換された宿
主と形質転換されていない遺伝子を選択するための指標
となる形質を宿主に付与する遺伝子及びピキア酵母の染
色体に該ベクタ−を組み込むための遺伝子を含む請求項
1項記載のベクタ−。 - 【請求項3】プラスミドである請求項1又は2項記載の
ベクタ−。 - 【請求項4】請求項1又は2項記載のベクタ−により形
質転換されたピキア酵母。 - 【請求項5】請求項3項記載のピキア酵母を培養する操
作を含む、抗体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212287A JPH0630778A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ピキア酵母により抗体を製造するためのベクタ−、該ベクタ−で形質転換されたピキア酵母及び形質転換ピキア酵母を培養することを特徴とする抗体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212287A JPH0630778A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ピキア酵母により抗体を製造するためのベクタ−、該ベクタ−で形質転換されたピキア酵母及び形質転換ピキア酵母を培養することを特徴とする抗体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0630778A true JPH0630778A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16620104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4212287A Pending JPH0630778A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | ピキア酵母により抗体を製造するためのベクタ−、該ベクタ−で形質転換されたピキア酵母及び形質転換ピキア酵母を培養することを特徴とする抗体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0630778A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996027612A1 (en) * | 1995-03-03 | 1996-09-12 | Quest International B.V. | Production in yeasts of stable antibody fragments |
EP2392596A2 (en) | 1999-12-28 | 2011-12-07 | ESBATech, an Alcon Biomedical Research Unit LLC | Intrabodies with defined framework that is stable in a reducing environment and applications thereof |
-
1992
- 1992-07-17 JP JP4212287A patent/JPH0630778A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996027612A1 (en) * | 1995-03-03 | 1996-09-12 | Quest International B.V. | Production in yeasts of stable antibody fragments |
EP2392596A2 (en) | 1999-12-28 | 2011-12-07 | ESBATech, an Alcon Biomedical Research Unit LLC | Intrabodies with defined framework that is stable in a reducing environment and applications thereof |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |