JPH06307730A - 吸収式冷凍機 - Google Patents

吸収式冷凍機

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JPH06307730A
JPH06307730A JP5094773A JP9477393A JPH06307730A JP H06307730 A JPH06307730 A JP H06307730A JP 5094773 A JP5094773 A JP 5094773A JP 9477393 A JP9477393 A JP 9477393A JP H06307730 A JPH06307730 A JP H06307730A
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徹 福知
Kaoru Kawamoto
薫 河本
Hideki Tani
英樹 谷
Shinsuke Takahashi
慎介 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収液中の界面活性剤の濃度を適正濃度に維
持するようにして、界面活性剤の使用量が多い、吸収液
の吸収能力が低下するので冷凍能力が低下するといった
従来の諸問題を解消する。 【構成】 冷媒を蒸発させる蒸発器6と、その蒸発器6
で蒸発した冷媒蒸気を界面活性剤が含有された吸収液に
吸収させる吸収器5とが設けられた吸収式冷凍機におい
て、吸収器5内における界面活性剤の蒸気圧が飽和蒸気
圧になるように、前記蒸気圧の低下に伴って、界面活性
剤を蒸気状態で供給し、且つ、前記蒸気圧が飽和蒸気圧
に達するのに伴って、供給を停止する供給手段Kが設け
られている。又、供給手段Kが、吸収液の浸入を阻止す
る状態で界面活性剤を貯留し且つ吸収器5内に設けられ
た容器31と、その容器31内と前記吸収器5内とを連
通させる連通部32とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒を蒸発させる蒸発
器と、その蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を界面活性剤が含
有された吸収液に吸収させる吸収器とが設けられた吸収
式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる吸収式冷凍機では、吸収液が冷媒
蒸気を吸収する能力(以下、吸収能力と称する場合もあ
る)を高めるために、吸収液に界面活性剤を含有させて
いる。ところで、再生器において、冷媒を蒸気として分
離するために吸収液を加熱するが、その加熱により、吸
収液に含有されている界面活性剤が分解して、吸収液中
の界面活性剤の濃度(以下、単に界面活性剤濃度と称す
る場合もある)が徐々に低下する。従って、従来は、界
面活性剤の分解による界面活性剤濃度の低下を考慮し
て、予め、界面活性剤濃度が適正濃度以上になる状態で
界面活性剤を吸収液に添加し、その後、適宜、界面活性
剤を追加していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の吸収式冷
凍機では、一度に多量の界面活性剤を添加するので、界
面活性剤濃度が適正濃度以上であるばかりか、吸収液の
循環経路の場所による界面活性剤濃度の差が大きい。
又、次に界面活性剤を追加するまでの間で界面活性剤濃
度が徐々に低下するので、界面活性剤濃度が適正濃度以
下になる場合がある。従って、界面活性剤濃度が適正濃
度以上である場合は、その濃度が高い程、加熱による界
面活性剤の分解量が多くなるので、界面活性剤の使用量
が多くなるという問題があった。又、界面活性剤濃度が
適正濃度以下の場合は、吸収液の吸収能力が低下するの
で、冷凍能力が低下するという問題があった。
【0004】本発明は、かかる実情に鑑みて成されたも
のであり、その目的は、吸収液中の界面活性剤の濃度を
適正濃度に維持するようにして、上記従来の諸問題を解
消することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による吸収式冷凍
機の第1の特徴構成は、前記吸収器内における界面活性
剤の蒸気圧が飽和蒸気圧になるように、前記蒸気圧の低
下に伴って、界面活性剤を蒸気状態で供給し、且つ、前
記蒸気圧が飽和蒸気圧に達するのに伴って、供給を停止
する供給手段が設けられている点にある。
【0006】第2の特徴構成は、第1の特徴構成を実施
する際の好ましい具体構成を示すものであって、前記供
給手段が、吸収液の浸入を阻止する状態で界面活性剤を
貯留し且つ前記吸収器内に設けられた容器と、その容器
内と前記吸収器内とを連通させる連通部とから構成され
ている点にある。
【0007】
【作用】第1の特徴構成によれば、吸収器内に供給され
る吸収液中の界面活性剤の濃度が低くなって、吸収機内
における界面活性剤の蒸気圧が低下すると、その蒸気圧
が飽和蒸気圧に達するまで、界面活性剤が蒸気状態で供
給される。つまり、吸収液中の界面活性剤の適正濃度と
は、吸収器内における界面活性剤の蒸気圧を飽和蒸気圧
に維持させるのに足りる量の界面活性剤が吸収液に含有
されている状態の濃度であり、その適性濃度となるよう
に界面活性剤が供給されることになる。
【0008】第2の特徴構成によれば、容器内と吸収器
内とは連通部により連通しているので、吸収器内に供給
される吸収液中の界面活性剤の濃度が低くなって、吸収
器内における界面活性剤の蒸気圧が低下すると、その蒸
気圧が飽和蒸気圧に達するまで、容器内に貯留されてい
る界面活性剤が蒸発することにより生成された界面活性
剤の蒸気が、連通部を通じて吸収器内に供給される。
【0009】
【発明の効果】従って、本発明の第1の特徴構成によれ
ば、吸収液中の界面活性剤の濃度を常に適正濃度に維持
することができるので、界面活性剤の使用量が多い、吸
収液の吸収能力が低下するので冷凍能力が低下するとい
った従来の諸問題を解消することができるようになっ
た。
【0010】また、本発明の第2の特徴構成によれば、
本来の構成を利用した簡素な構成で所望の目的に達する
ことができる。すなわち、例えば吸収中の界面活性剤の
濃度をセンサにて検出し、その検出情報に基づいて界面
活性剤を供給する供給手段を設けることが考えられる
が、本第2の特徴構成によれば、簡素な構成で所望の目
的に達することができる。
【0011】
【実施例】以下、図1に基づいて、本発明を二重効用吸
収式冷凍機に適用した実施例について説明する。先ず、
二重効用吸収式冷凍機の全体構成について説明する。
【0012】バーナBにより吸収液を加熱する高温再生
器1の上方に、縦型円筒形に形成した高温再生器気液分
離器2を配置し、その高温再生器気液分離器2の周部に
縦型の低温再生器3を配置し、その低温再生器3の上方
に低温再生器気液分離器4を配置し、低温再生器3の周
部に縦型の吸収器5を配置し、その吸収器5の周部で下
方に蒸発器6を、且つ、上方に凝縮器7を配置してあ
る。
【0013】冷媒蒸気と吸収液の上昇流路8で高温再生
器1に高温再生器気液分離器2を接続し、低温再生器3
の上部と低温再生器気液分離器4とを連通させてある。
吸収器5の下部の吸収液貯留部5aと高温再生器1とを
溶液ポンプ9を介装した稀溶液供給路10で接続し、高
温再生器気液分離器2と低温再生器3の下部とを中濃度
溶液供給路11で接続し、低温再生器気液分離器4と吸
収器5の上部の吸収液散布具12とを濃溶液供給路13
で接続してある。
【0014】中濃度溶液供給路11を通流する吸収液に
より稀溶液供給路10を通流する吸収液を加熱する高温
熱交換器14を設け、濃溶液供給路13を通流する吸収
液により稀溶液供給路10を通流する吸収液を加熱する
低温熱交換器15を設けてある。
【0015】高温再生器気液分離器2と低温再生器3と
を区画する隔壁16を、高温再生器気液分離器2内の冷
媒蒸気で低温再生器3内の吸収液を加熱するための伝熱
壁に形成し、隔壁16の内面での凝縮により発生した冷
媒液を隔壁16と内筒17との間の冷媒液貯留部2aに
流下させるように構成してある。
【0016】高温再生器気液分離器2の冷媒液貯留部2
aと凝縮器7とを冷媒液供給路18で接続し、低温再生
器気液分離器4と凝縮器7とを冷媒蒸気供給路19で接
続し、凝縮器7の下部の冷媒液貯留部7aと蒸発器6の
冷媒液散布具20とを冷媒液供給路21で接続してあ
る。又、蒸発器6と吸収器5とは、連通させてある。
【0017】冷却水供給源22からの冷却水を吸収器5
内の冷却コイル23から凝縮器7内の冷却コイル24へ
と供給するように、冷却コイル23と冷却コイル24と
を接続するとともに、それらに冷却水供給路25を接続
してある。蒸発器6内の被冷却コイル26からの冷水を
冷却対象27に供給するように、被冷却コイル26と冷
却対象27とをポンプを介装した冷水供給路28で接続
してある。
【0018】つまり、高温再生器1で吸収液から発生し
た冷媒蒸気を高温再生器気液分離器2で凝縮させ、その
冷媒液を凝縮器7に供給し、低温再生器3で吸収液から
発生した冷媒蒸気を凝縮器7に供給して、その冷媒蒸気
を冷却コイル24の作用で凝縮させるようにしてある。
そして、冷媒液貯留部7aに貯留されている冷媒液を、
冷媒液散布具20にて蒸発器6内に散布し、その散布冷
媒液を被冷却コイル26の作用で蒸発させ、その気化熱
により、被冷却コイル26を通流する水を冷却するよう
に構成してある。
【0019】一方、低温再生器気液分離器4からの吸収
液を吸収液散布具12にて吸収器5内に散布して、その
散布吸収液に蒸発器6で発生した冷媒蒸気を吸収させ、
その冷媒蒸気を吸収した吸収液を高温再生器1、高温再
生器気液分離器2、低温再生器3、低温再生器気液分離
器4に順次供給して冷媒を分離し、その冷媒を分離した
吸収液を吸収液散布具12にて吸収器5内に散布するよ
うに構成してある。つまり、吸収液を高温再生器1、高
温再生器気液分離器2、低温再生器3、低温再生器気液
分離器4、吸収器5、高温再生器1の順に循環する循環
サイクルを循環させるように構成してある。吸収器5内
で吸収液が冷媒蒸気を吸収することにより生じた吸収熱
を、冷却コイル23を通流する水に与えて外部に取り出
すようにしてある。
【0020】次に、界面活性剤(例えば、2エチルヘキ
サノール)を吸収液に含有させるための構成について説
明する。吸収器5内における界面活性剤の蒸気圧が飽和
蒸気圧になるように、前記蒸気圧の低下に伴って、界面
活性剤を蒸気状態で供給し、且つ、前記蒸気圧が飽和蒸
気圧に達するのに伴って、供給を停止する供給手段Kを
設けてある。
【0021】具体的には、供給手段Kは、吸収器5内の
吸収液貯留部5aに貯留されている吸収液に浸漬する状
態で設けた容器31と、その容器31に連通接続した筒
状体32とから構成してある。容器31は、吸収液貯留
部5aに貯留されている吸収液、及び、吸収液散布具1
2から散布された吸収液が内部に浸入するのを阻止する
状態で界面活性剤を貯留する構造としてあり、具体的に
は、壺状の形状の容器31の開口部に筒状体32を連通
接続してある。又、筒状体32の先端開口部からも吸収
液が容器31内部に浸入しないように、筒状体32の先
端開口部の位置が吸収液貯留部5aに貯留される吸収液
の最大液面よりも上方に位置するように筒状体32を設
けるとともに、筒状体32の先端開口部が水平方向向き
あるいは水平方向よりも下向きになるように筒状体32
を屈曲させてある。即ち、筒状体32が、容器31内と
吸収器5内とを連通させる連通部として機能する。
【0022】又、吸収器5の外部から容器31内に界面
活性剤を補給できるように、容器31に界面活性剤供給
管33を連通接続してある。又、界面活性剤供給管33
には、開閉弁34を介装してある。
【0023】〔別実施例〕次に別実施例を列記する。 供給手段Kの具体構造は、上記実施例の構造に限定
されるものではなく、種々変更可能であり、例えば、容
器31を吸収器5の外部に設け、筒状体32をその先端
開口部が吸収器5の内部に位置するように、吸収器5の
底部又は側壁部を貫通させる状態で設けても良い。
【0024】 容器31内に貯留される界面活性剤の
液面レベルを検出するレベルセンサと、そのレベルセン
サの検出情報に基づいて、前記液面レベルを設定レベル
に維持させるように開閉弁34を開閉制御する制御装置
を設けても良い。
【0025】 吸収器5、蒸発器6及び凝縮器7を、
高温再生器気液分離器2、低温再生器3及び低温再生器
気液分離器4とは別体で別置にしても良い。
【0026】 冷媒や吸収液は公知のものから適当に
選定することができる。
【0027】 上記実施例では、本発明を二重効用吸
収式冷凍機に適用する場合について例示したが、単効用
吸収式冷凍機に適用することも可能である。
【0028】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重効用吸収式冷凍機の構成図
【符号の説明】
5 吸収器 6 蒸発器 31 容器 32 連通部 K 供給手段
フロントページの続き (72)発明者 高橋 慎介 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を蒸発させる蒸発器(6)と、そ
    の蒸発器(6)で蒸発した冷媒蒸気を界面活性剤が含有
    された吸収液に吸収させる吸収器(5)とが設けられた
    吸収式冷凍機であって、 前記吸収器(5)内における界面活性剤の蒸気圧が飽和
    蒸気圧になるように、前記蒸気圧の低下に伴って、界面
    活性剤を蒸気状態で供給し、且つ、前記蒸気圧が飽和蒸
    気圧に達するのに伴って、供給を停止する供給手段
    (K)が設けられている吸収式冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記供給手段(K)が、吸収液の浸入を
    阻止する状態で界面活性剤を貯留し且つ前記吸収器
    (5)内に設けられた容器(31)と、その容器(3
    1)内と前記吸収器(5)内とを連通させる連通部(3
    2)とから構成されている請求項1記載の吸収式冷凍
    機。
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