JPH06306573A - 高強度オーステナイト組織機械部品の製造方法 - Google Patents

高強度オーステナイト組織機械部品の製造方法

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JPH06306573A
JPH06306573A JP9159693A JP9159693A JPH06306573A JP H06306573 A JPH06306573 A JP H06306573A JP 9159693 A JP9159693 A JP 9159693A JP 9159693 A JP9159693 A JP 9159693A JP H06306573 A JPH06306573 A JP H06306573A
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JP
Japan
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steel
hardness
high strength
thermal expansion
strength
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9159693A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Mizuno
水野  淳
Tatsuro Ochi
達朗 越智
Yoshiro Koyasu
善郎 子安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
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Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自動車等の機械部品用の高強度で高
熱膨張率を有するオーステナイト組織機械部品の製造方
法を提供するものである。 【構成】 特定量のC,Mn,Cr,Ni,Nを含有す
る鋼を600℃以下の温度で20〜60%の加工率で加
工を加え、更に該鋼材を400〜600℃の温度範囲で
窒化処理することを特徴とする高強度オーステナイト組
織機械部品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の機械部品用の
高強度で高熱膨張率を有するオーステナイト組織鋼部品
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年地球規模の環境問題に端を発し、自
動車の燃費低減が強く求められており、そのため車両の
軽量化を目的に鉄より軽いAlの使用が増えてきつつあ
る(例えば特殊鋼40巻7号24項)。この動きは自動
車の外板あるいはエンジンブロック等にAlを使用する
といったことにとどまらず、足回り部品、駆動部品等の
機械部品にも使われ始めている。
【0003】エンジン部品の如く往復、回転運動する部
品(例えばコンロッド特殊鋼40巻7号35項)にAl
またはAl合金を使用する場合、それを支持する軸受け
は鋼部品であることが多く、Alと鉄鋼材料では熱膨張
率が大きく異なるため、運転中の熱膨張率の差を見込ん
だ設計を考慮せざるを得ないといった困難さが生じてい
た。熱膨張率がAlに近い鋼としては、オーステナイト
系ステンレス鋼等が知られているが(例えばステンレス
鋼便覧104項)、これらのオーステナイト系の鋼では
強度が低く、機械部品としての使用には大きな制約があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決し、Alと同様に大きな熱膨張率を有し、且つ機
械部品として十分な強度を有する鋼部品の製造方法を提
供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】オーステナイト組織を有
する鋼が大きな熱膨張率を有することはよく知られてお
り、本発明者らはこの鋼材を適当な温度範囲で加工する
ことにより、比較的小さな変形抵抗で加工でき且つ大き
な熱膨張率が得られるオーステナイト組織を維持しつつ
十分な強度を出せ、更に窒化処理を加えると十分な表面
強度と内部硬さを兼ね備え、摺動部品として最適である
ことを見いだし発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は重量比で、C:0.01〜
0.15%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.5〜
10.0%、Ni:10.0〜25.0%、Cr:1
7.0〜24.0%、N:0.20%以下を含有し、残
りは実質的にFeである鋼を600℃以下の温度で20
〜60%の加工率で加工を加え、更に該鋼材を400〜
600℃の温度範囲で窒化処理することを特徴とする高
強度オーステナイト組織機械部品の製造方法である。
【0007】以下に本発明について詳細に説明する。C
は固溶強化作用が大きく、オーステナイトを安定化させ
るため少なくとも0.01%必要である。しかし過度に
含有すると加工性の劣化につながるので上限を0.15
%にした。Siは脱酸元素であり、またその酸化膜を鋼
材表面に形成することにより耐摩耗性を向上させる。し
かしその含有量が0.1%未満であるとその効果は不十
分で、過度の添加はその効果を飽和させることになるの
で上限を2.0%とした。
【0008】Mnはオーステナイトを安定化させ、強度
向上に有効な元素であり、少なくとも0.5%必要であ
る。しかし過度に含有すると著しく加工性を損なうこと
になるので、その上限を10.0%とした。Niはオー
ステナイトを安定化させるとともに耐食性、冷間加工性
の点からも重要な元素である。更に加工誘起マルテンサ
イトの生成を抑制する。そのため少なくとも10.0%
以上必要である。しかし過度の添加はコストの上昇を招
くのでその上限を25.0%とした。
【0009】Crは強度、耐食性向上に不可欠な元素で
あり、また多量のMn,Niを含有する鋼のオーステナ
イトを著しく安定にし、炭化物の溶解度を高める。更に
窒化処理を行う場合にはCrの窒化物を形成することに
より表面硬度を向上させる。このため少なくとも17.
0%以上必要である。しかしCrはフェライト形成元素
であるため過度の含有は熱膨張率の低下につながるので
その上限を24.0%とした。NはMn,Niとともに
オーステナイトの安定化効果が高い上に固溶強化、加工
効果作用が大きく、高強度、高硬度を得る上で有効な元
素である。しかし過度の含有は著しい硬度の上昇を招
き、脆くなるのでその上限を0.20%とした。
【0010】次に、本発明において、加工温度、加工率
を限定した理由について述べる。まず、加工温度を60
0℃以下としたのは、600℃超の温度で加工を行う
と、動的な回復、再結晶が生じ、機械部品として必要な
硬さであるHv=300が得られないためである。また
加工率を20%以上としたのは、20%未満の加工率で
は結晶粒の伸張、転位の導入等が小さくほとんど加工硬
化しないため、機械部品として必要な硬さが得られない
ためである。また上限を60%以下としたのは、これ超
の加工率では鋼は加工誘起マルテンサイト変態を生じ、
加工後の機械部品の熱膨張率が低下してしまうためであ
る。
【0011】更にピストンピン等のような摺動部品では
大きな耐摩耗性が要求されるので、上記方法で加工を加
えた鋼材に400〜600℃の温度範囲で窒化処理を行
い、表面をHv=700以上に硬化させる。窒化の温度
範囲の下限を400℃としたのは、これ未満の温度では
鋼材表面に十分な窒化層が形成されず必要な表面硬さが
得られないためである。また窒化の温度範囲の上限を6
00℃としたのは、これ超の温度では鋼材自身が軟化し
てしまい、機械部品として必要な強度を失ってしまうた
めである。
【0012】
【実施例】表2に示す化学成分の鋼を高周波炉にて溶製
し、150kgのインゴットに鋳造した。これから試験片
を切り出し、表1に示す条件で加工を行った。それらの
材料の中央部より硬度測定用サンプル、JIS1号回転
曲げ試験片を採取し、硬さ(Hv)、疲労強度を求め
た。表面及び内部硬さ、疲労強度を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】表2に示すように、比較例において本発明
の成分、製造方法から外れた加工No.1〜5において、
例えばNo.2では内部硬さ、表面硬さは本発明法と同等
であるが、組織がマルテンサイトとなってしまうため、
高い熱膨張率が得られなくなってしまう。更にNo.4で
は加工温度が1000℃と本発明法より高いため、必要
な内部硬さが得られていない。
【0016】これに比べ、加工No.6〜11で加工を行
った本発明法では、例えば鋼No.10の表面硬さHv=
842、内部硬さHv=325、疲労強度62kgf/mm2
や、鋼No.17の表面硬さHv=862、内部硬さHv
=407、疲労強度75kgf/mm2 や、鋼No.19の表面
硬さHv=701、内部硬さHv=328、疲労強度6
0kgf/mm2 のように表面硬さ、内部硬さ、疲労強度とも
に比較法を大きく上回っている。このように本発明法に
よると表面硬さHv=701〜895、内部硬さHv=
303〜407、疲労強度59〜75kgf/mm2 を得るこ
とができ、比較法より高い降伏比、疲労限度比を有する
ことがわかる。
【0017】
【発明の効果】本発明法を用いれば高強度を有するオー
ステナイト組織機械部品の製造が可能であり、機械構造
部品の軽量化が可能となり、産業上の効果は極めて顕著
なるものがある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C :0.01〜0.15%、 Si:0.1〜2.0%、 Mn:0.5〜10.0%、 Ni:10.0〜25.0%、 Cr:17.0〜24.0%、 N :0.20%以下、 残りは実質的にFeである鋼を600℃以下の温度で2
    0〜60%の加工率で加工を加え、更に該鋼材を400
    〜600℃の温度範囲で窒化処理することを特徴とする
    高強度オーステナイト組織機械部品の製造方法。
JP9159693A 1993-04-19 1993-04-19 高強度オーステナイト組織機械部品の製造方法 Withdrawn JPH06306573A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008031522A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 被覆部材およびその製造方法
CN117660849A (zh) * 2024-01-31 2024-03-08 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 一种控磷00Cr21Ni13Mn5N高氮奥氏体不锈钢及其生产方法

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