JPH06306017A - クロロギ酸エステルの製造法 - Google Patents
クロロギ酸エステルの製造法Info
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- JPH06306017A JPH06306017A JP5101230A JP10123093A JPH06306017A JP H06306017 A JPH06306017 A JP H06306017A JP 5101230 A JP5101230 A JP 5101230A JP 10123093 A JP10123093 A JP 10123093A JP H06306017 A JPH06306017 A JP H06306017A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、白金族金属又はその塩類を担持し
た固体触媒の存在下、塩化水素又は塩化ニトロシルから
選ばれる塩素化合物1モルに対して亜硝酸エステルを
0.1〜100モル存在させて、該塩素化合物と一酸化
炭素及び亜硝酸エステルを接触反応させることを特徴と
するクロロギ酸エステルの製造法に関する。 【効果】 本発明の、白金族金属又はその塩類を担持し
た固体触媒の存在下、塩化水素又は塩化ニトロシルから
選ばれる塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝酸エステルを
接触反応させる方法によって、有毒なホスゲンを使用す
ることなく、高収率でクロロギ酸エステルを製造するこ
とができる。
た固体触媒の存在下、塩化水素又は塩化ニトロシルから
選ばれる塩素化合物1モルに対して亜硝酸エステルを
0.1〜100モル存在させて、該塩素化合物と一酸化
炭素及び亜硝酸エステルを接触反応させることを特徴と
するクロロギ酸エステルの製造法に関する。 【効果】 本発明の、白金族金属又はその塩類を担持し
た固体触媒の存在下、塩化水素又は塩化ニトロシルから
選ばれる塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝酸エステルを
接触反応させる方法によって、有毒なホスゲンを使用す
ることなく、高収率でクロロギ酸エステルを製造するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体触媒存在下、塩化
水素又は塩化ニトロシルから選ばれる塩素化合物と一酸
化炭素及び亜硝酸エステルを気相接触反応させてクロロ
ギ酸エステルを製造する方法に関する。クロロギ酸エス
テルは、種々の化学薬品の重要な合成原料として知られ
ており、工業的には、炭酸エステル及びポリカーボネー
トの製造或いは医農薬、染料などの製造に使用されてい
る。また、その他、プラスチック改質、繊維処理、重合
触媒にも使用されるなど多くの用途を有しており、産業
上非常に有用な化合物である。
水素又は塩化ニトロシルから選ばれる塩素化合物と一酸
化炭素及び亜硝酸エステルを気相接触反応させてクロロ
ギ酸エステルを製造する方法に関する。クロロギ酸エス
テルは、種々の化学薬品の重要な合成原料として知られ
ており、工業的には、炭酸エステル及びポリカーボネー
トの製造或いは医農薬、染料などの製造に使用されてい
る。また、その他、プラスチック改質、繊維処理、重合
触媒にも使用されるなど多くの用途を有しており、産業
上非常に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、クロロギ酸エステルはホスゲンと
アルコ−ルとの反応により工業的に製造されているが、
下記の反応式に示すように、この方法では反応したホス
ゲンと等モルの循環・再利用できない塩化水素が生成す
るため、塩素原単位の半分が無駄になるという問題点が
存在していた。また、ホスゲンは毒性が極めて強いた
め、生成物中に溶け込んだホスゲンの回収が煩雑になる
など、環境衛生上からもこの方法は好ましい製造法では
なかった。
アルコ−ルとの反応により工業的に製造されているが、
下記の反応式に示すように、この方法では反応したホス
ゲンと等モルの循環・再利用できない塩化水素が生成す
るため、塩素原単位の半分が無駄になるという問題点が
存在していた。また、ホスゲンは毒性が極めて強いた
め、生成物中に溶け込んだホスゲンの回収が煩雑になる
など、環境衛生上からもこの方法は好ましい製造法では
なかった。
【0003】
【化1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来公
知のクロロギ酸エステルの製造法には、原料の塩素が有
効に利用されず、使用する原料のホスゲンも極めて有毒
であるという問題点が存在していた。本発明の目的は、
クロロギ酸エステルの製造において、塩素基準の収率が
高く、有毒なホスゲンを合成原料として使用しない工業
的に好適なクロロギ酸エステルの製造法を提供すること
である。
知のクロロギ酸エステルの製造法には、原料の塩素が有
効に利用されず、使用する原料のホスゲンも極めて有毒
であるという問題点が存在していた。本発明の目的は、
クロロギ酸エステルの製造において、塩素基準の収率が
高く、有毒なホスゲンを合成原料として使用しない工業
的に好適なクロロギ酸エステルの製造法を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来公知
のクロロギ酸エステルの製造法における前述したような
問題点を解決すべく、塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝
酸エステルとの接触反応によってクロロギ酸エステルを
合成する反応について鋭意検討した結果、固体触媒を使
用し、ある種の塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝酸エス
テルを温和な反応条件下で接触反応させる全く新規な反
応により、高収率でクロロギ酸エステルを製造できるこ
とを見出して、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は、次式に示すように、白金族金属又はその塩類を担
持した固体触媒の存在下、塩化水素又は塩化ニトロシル
から選ばれる塩素化合物1モルに対して亜硝酸エステル
を0.1〜100モル存在させて、該塩素化合物と一酸
化炭素及び亜硝酸エステルを接触反応させることを特徴
とするクロロギ酸エステルの製造法に関する。
のクロロギ酸エステルの製造法における前述したような
問題点を解決すべく、塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝
酸エステルとの接触反応によってクロロギ酸エステルを
合成する反応について鋭意検討した結果、固体触媒を使
用し、ある種の塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝酸エス
テルを温和な反応条件下で接触反応させる全く新規な反
応により、高収率でクロロギ酸エステルを製造できるこ
とを見出して、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は、次式に示すように、白金族金属又はその塩類を担
持した固体触媒の存在下、塩化水素又は塩化ニトロシル
から選ばれる塩素化合物1モルに対して亜硝酸エステル
を0.1〜100モル存在させて、該塩素化合物と一酸
化炭素及び亜硝酸エステルを接触反応させることを特徴
とするクロロギ酸エステルの製造法に関する。
【0006】
【化2】 (但し、式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基などの炭素数1〜8の低級アルキル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜8のシ
クロアルキル基及びベンジル基、フェニルエチルなどの
炭素数7〜8のアラルキル基を示す)
ブチル基などの炭素数1〜8の低級アルキル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜8のシ
クロアルキル基及びベンジル基、フェニルエチルなどの
炭素数7〜8のアラルキル基を示す)
【0007】以下に、本発明の方法を詳しく説明する。
本発明において使用される固体触媒は、白金族金属又は
その塩類が担体に担持されたものであればよい。白金族
金属としては、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウ
ム、イリジウムなどが、また、その塩類としては、硝酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、ハロゲン化物等の無機酸塩、酢
酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩、又はテト
ラアンミン錯体等の錯体が挙げられるが、特に好ましく
は硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、
テトラクロロパラジウム酸リチウム、テトラクロロパラ
ジウム酸カリウム、酢酸パラジウム、テトラアンミンパ
ラジウム塩化物一水和物などが使用される。なお、これ
ら白金族金属又はその塩類は、必ずしも単独で使用する
必要はなく、二種以上併用することもできる。
本発明において使用される固体触媒は、白金族金属又は
その塩類が担体に担持されたものであればよい。白金族
金属としては、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウ
ム、イリジウムなどが、また、その塩類としては、硝酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、ハロゲン化物等の無機酸塩、酢
酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩、又はテト
ラアンミン錯体等の錯体が挙げられるが、特に好ましく
は硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、
テトラクロロパラジウム酸リチウム、テトラクロロパラ
ジウム酸カリウム、酢酸パラジウム、テトラアンミンパ
ラジウム塩化物一水和物などが使用される。なお、これ
ら白金族金属又はその塩類は、必ずしも単独で使用する
必要はなく、二種以上併用することもできる。
【0008】これらの白金族金属又はその塩類は、通
常、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ケイ
ソウ土、軽石、ゼオライト、酸化マグネシウム、酸化チ
タン、モレキュラーシーブ、炭化珪素などの担体に担持
させて使用するのが好ましい。この場合、担持量は白金
族金属換算で担体に対して0.01〜20重量%、好ま
しくは0.05〜5重量%の範囲であることが望まし
い。
常、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ケイ
ソウ土、軽石、ゼオライト、酸化マグネシウム、酸化チ
タン、モレキュラーシーブ、炭化珪素などの担体に担持
させて使用するのが好ましい。この場合、担持量は白金
族金属換算で担体に対して0.01〜20重量%、好ま
しくは0.05〜5重量%の範囲であることが望まし
い。
【0009】また、本発明では、上記の触媒は、粉末、
粒状のもの、もしくは成形体が使用されるが、そのサイ
ズについては特に限定されるものではなく、粉末の場合
は通常用いられる20〜100μmのもの、粒状の場合
は4〜200メッシュ程度の通常用いられるもの、そし
て、成形体の場合は通常0.5〜10mmのものを用い
るのが望ましい。
粒状のもの、もしくは成形体が使用されるが、そのサイ
ズについては特に限定されるものではなく、粉末の場合
は通常用いられる20〜100μmのもの、粒状の場合
は4〜200メッシュ程度の通常用いられるもの、そし
て、成形体の場合は通常0.5〜10mmのものを用い
るのが望ましい。
【0010】本発明で使用される亜硝酸エステルとして
は、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi
−)プロピル、亜硝酸n−(又はi−、sec−)ブチ
ル等の炭素数1〜8の低級脂肪族1価アルコールの亜硝
酸エステル、亜硝酸シクロペンチル、亜硝酸シクロヘキ
シル等の脂環式アルコールの亜硝酸エステル、亜硝酸ベ
ンジル、亜硝酸フェニルエチル等のアラルキルアルコー
ルの亜硝酸エステルが好適に挙げられるが、特に前記の
炭素数1〜8の低級脂肪族1価アルコールの亜硝酸エス
テルが好ましく、これらの亜硝酸エステルは窒素ガス等
の不活性ガスで希釈して反応に使用されることが望まし
い。
は、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi
−)プロピル、亜硝酸n−(又はi−、sec−)ブチ
ル等の炭素数1〜8の低級脂肪族1価アルコールの亜硝
酸エステル、亜硝酸シクロペンチル、亜硝酸シクロヘキ
シル等の脂環式アルコールの亜硝酸エステル、亜硝酸ベ
ンジル、亜硝酸フェニルエチル等のアラルキルアルコー
ルの亜硝酸エステルが好適に挙げられるが、特に前記の
炭素数1〜8の低級脂肪族1価アルコールの亜硝酸エス
テルが好ましく、これらの亜硝酸エステルは窒素ガス等
の不活性ガスで希釈して反応に使用されることが望まし
い。
【0011】なお、上記の亜硝酸エステルは必ずしも亜
硝酸エステルの形で反応に供する必要はなく、反応系内
で亜硝酸エステルを生成する原料を使用してもよい。即
ち、亜硝酸エステルの代わりに必要に応じて分子状酸素
を導入しながら、一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒
素、四酸化二窒素から選ばれる窒素酸化物又はこれらの
水和物とアルコールとの混合物を使用することも可能で
ある。更には、本反応の原料の一つである塩化ニトロシ
ルとアルコールとの混合物も、前述の反応により平衡状
態を形成し、目的の亜硝酸エステルを反応系内で生成さ
せることができる。このとき、使用されるアルコールは
前記亜硝酸エステルの構成成分であるアルコールの中か
ら選ばれる。
硝酸エステルの形で反応に供する必要はなく、反応系内
で亜硝酸エステルを生成する原料を使用してもよい。即
ち、亜硝酸エステルの代わりに必要に応じて分子状酸素
を導入しながら、一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二窒
素、四酸化二窒素から選ばれる窒素酸化物又はこれらの
水和物とアルコールとの混合物を使用することも可能で
ある。更には、本反応の原料の一つである塩化ニトロシ
ルとアルコールとの混合物も、前述の反応により平衡状
態を形成し、目的の亜硝酸エステルを反応系内で生成さ
せることができる。このとき、使用されるアルコールは
前記亜硝酸エステルの構成成分であるアルコールの中か
ら選ばれる。
【0012】本発明で使用される塩素化合物としては、
塩化水素又は塩化ニトロシルが挙げられ、これらはその
まま或いは窒素等の不活性ガスで希釈して反応に使用さ
れる。このとき、反応系にフィードされる原料ガス中の
塩素化合物、一酸化炭素及び亜硝酸エステルの使用割合
は、塩素化合物1モルに対して、一酸化炭素が0.1〜
100モル、好ましくは0.5〜50モルの範囲であ
り、亜硝酸エステルが0.1〜100モル、好ましくは
0.5〜50モルの範囲であることが望ましい。特に、
塩素化合物に対する亜硝酸エステルの使用割合が塩素化
合物1モルに対して100モルを越えると炭酸エステル
が生成してくるため不適当である。なお、反応系にフィ
ードされる塩素化合物、一酸化炭素及び亜硝酸エステル
を含有する原料ガスの空間速度は、500〜50000
hr-1、好ましくは1000〜40000hr-1の範囲
であることが望ましい。
塩化水素又は塩化ニトロシルが挙げられ、これらはその
まま或いは窒素等の不活性ガスで希釈して反応に使用さ
れる。このとき、反応系にフィードされる原料ガス中の
塩素化合物、一酸化炭素及び亜硝酸エステルの使用割合
は、塩素化合物1モルに対して、一酸化炭素が0.1〜
100モル、好ましくは0.5〜50モルの範囲であ
り、亜硝酸エステルが0.1〜100モル、好ましくは
0.5〜50モルの範囲であることが望ましい。特に、
塩素化合物に対する亜硝酸エステルの使用割合が塩素化
合物1モルに対して100モルを越えると炭酸エステル
が生成してくるため不適当である。なお、反応系にフィ
ードされる塩素化合物、一酸化炭素及び亜硝酸エステル
を含有する原料ガスの空間速度は、500〜50000
hr-1、好ましくは1000〜40000hr-1の範囲
であることが望ましい。
【0013】本発明の接触反応の形式は気相又は液相
で、バッチ式又は連続式の何れでもよいが、工業的には
気相、連続式の方が有利である。また、触媒の反応系へ
の存在形態は固定床又は流動床の何れでも差し支えない
が、好ましくは固定床の形態が望ましい。そして、前記
触媒を充填した上記の反応系に原料ガスをフィードして
本発明の反応を行うときの反応温度は0〜200℃、好
ましくは30〜140℃、特に好ましくは50〜120
℃の範囲であって、反応圧は0.1〜100kg/cm
2、好ましくは大気圧〜20kg/cm2 の範囲である
ことが望ましい。
で、バッチ式又は連続式の何れでもよいが、工業的には
気相、連続式の方が有利である。また、触媒の反応系へ
の存在形態は固定床又は流動床の何れでも差し支えない
が、好ましくは固定床の形態が望ましい。そして、前記
触媒を充填した上記の反応系に原料ガスをフィードして
本発明の反応を行うときの反応温度は0〜200℃、好
ましくは30〜140℃、特に好ましくは50〜120
℃の範囲であって、反応圧は0.1〜100kg/cm
2、好ましくは大気圧〜20kg/cm2 の範囲である
ことが望ましい。
【0014】本発明の方法において製造されるクロロギ
酸エステルとしては、使用される亜硝酸エステルの種類
によって異なるが、例えば、クロロギ酸メチル、クロロ
ギ酸エチル、クロロギ酸プロピル等のクロロギ酸アルキ
ルエステル、クロロギ酸シクロヘキシル等のクロロギ酸
シクロアルキルエステル、クロロギ酸ベンジル等のクロ
ロギ酸アラルキルエステルを挙げることができる。特
に、本発明では、クロロギ酸メチルなどのクロロギ酸低
級アルキルエステルを好適に製造することができる。そ
して、生成したクロロギ酸エステルは、冷却塔で凝縮さ
れた後、通常の蒸留により容易に分離精製することがで
きる。
酸エステルとしては、使用される亜硝酸エステルの種類
によって異なるが、例えば、クロロギ酸メチル、クロロ
ギ酸エチル、クロロギ酸プロピル等のクロロギ酸アルキ
ルエステル、クロロギ酸シクロヘキシル等のクロロギ酸
シクロアルキルエステル、クロロギ酸ベンジル等のクロ
ロギ酸アラルキルエステルを挙げることができる。特
に、本発明では、クロロギ酸メチルなどのクロロギ酸低
級アルキルエステルを好適に製造することができる。そ
して、生成したクロロギ酸エステルは、冷却塔で凝縮さ
れた後、通常の蒸留により容易に分離精製することがで
きる。
【0015】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明の方
法を具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定す
るものではない。 実施例1 金属換算で1重量%の塩化パラジウムをアルミナに担持
した触媒(エヌ・イーケムキャット社製)2mlを内径
13mmの硬質ガラス製気相反応管(外部ジャケット付
き)に充填した後、この反応管を垂直に固定し、反応管
ジャケットに熱媒を循環させて触媒層内の温度が60℃
になるように加熱制御した。次いで、一酸化窒素、酸素
及びメタノールから合成して5℃コールドトラップを通
過させた亜硝酸メチルを含むガスと、窒素で希釈した塩
化水素、及び一酸化炭素との混合ガス、即ち、塩化水
素:0.6容量%、一酸化炭素:6容量%、亜硝酸メチ
ル:7容量%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:8
容量%の組成からなる原料ガスを、反応管の上部から1
5000hr-1の空間速度(GHSV)で供給しなが
ら、常圧下、60℃で反応を行った。反応管を通過した
ガスをガスクロマトグラフィーによって分析した結果、
クロロギ酸メチルが720mg/hrの速度(塩素基準
収率100%)で生成し、その他に微量の炭酸ジメチル
が生成していた。
法を具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定す
るものではない。 実施例1 金属換算で1重量%の塩化パラジウムをアルミナに担持
した触媒(エヌ・イーケムキャット社製)2mlを内径
13mmの硬質ガラス製気相反応管(外部ジャケット付
き)に充填した後、この反応管を垂直に固定し、反応管
ジャケットに熱媒を循環させて触媒層内の温度が60℃
になるように加熱制御した。次いで、一酸化窒素、酸素
及びメタノールから合成して5℃コールドトラップを通
過させた亜硝酸メチルを含むガスと、窒素で希釈した塩
化水素、及び一酸化炭素との混合ガス、即ち、塩化水
素:0.6容量%、一酸化炭素:6容量%、亜硝酸メチ
ル:7容量%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:8
容量%の組成からなる原料ガスを、反応管の上部から1
5000hr-1の空間速度(GHSV)で供給しなが
ら、常圧下、60℃で反応を行った。反応管を通過した
ガスをガスクロマトグラフィーによって分析した結果、
クロロギ酸メチルが720mg/hrの速度(塩素基準
収率100%)で生成し、その他に微量の炭酸ジメチル
が生成していた。
【0016】比較例1 実施例1における原料ガス組成を、塩化水素:0.6容
量%、一酸化炭素:8容量%、亜硝酸メチル:0容量
%、一酸化窒素:0容量%、メタノール:19容量%に
変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行った。そ
の結果、クロロギ酸メチルの生成は全く認められなかっ
た。また、炭酸ジメチルの生成も全く認められなかっ
た。
量%、一酸化炭素:8容量%、亜硝酸メチル:0容量
%、一酸化窒素:0容量%、メタノール:19容量%に
変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行った。そ
の結果、クロロギ酸メチルの生成は全く認められなかっ
た。また、炭酸ジメチルの生成も全く認められなかっ
た。
【0017】比較例2 実施例1において、触媒使用量を1mlに変え、原料ガ
ス組成を塩化水素:0.1容量%、一酸化炭素:15容
量%、亜硝酸メチル:15容量%、一酸化窒素:2容量
%、メタノール:7容量%に、空間速度(GHSV)を
30000hr -1に、反応温度を120℃に変化させた
以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、炭
酸ジメチルが1230mg/hrの速度で生成し、その
他にクロロギ酸メチルが120mg/hrの速度で生成
していた。
ス組成を塩化水素:0.1容量%、一酸化炭素:15容
量%、亜硝酸メチル:15容量%、一酸化窒素:2容量
%、メタノール:7容量%に、空間速度(GHSV)を
30000hr -1に、反応温度を120℃に変化させた
以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、炭
酸ジメチルが1230mg/hrの速度で生成し、その
他にクロロギ酸メチルが120mg/hrの速度で生成
していた。
【0018】実施例2 実施例1における原料ガス組成を、塩化水素:1容量
%、一酸化炭素:4容量%、亜硝酸メチル:2.5容量
%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:4容量%に変
化させた以外は、実施例1と同様に反応を行った。その
結果、クロロギ酸メチルが1140mg/hrの速度
(塩素基準収率99%)で生成し、その他に微量の炭酸
ジメチルが生成していた。
%、一酸化炭素:4容量%、亜硝酸メチル:2.5容量
%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:4容量%に変
化させた以外は、実施例1と同様に反応を行った。その
結果、クロロギ酸メチルが1140mg/hrの速度
(塩素基準収率99%)で生成し、その他に微量の炭酸
ジメチルが生成していた。
【0019】実施例3 実施例1における原料ガス組成を、塩化水素:1容量
%、一酸化炭素:6容量%、亜硝酸メチル:3容量%、
一酸化窒素:4容量%、メタノール:7容量%に変化さ
せた以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結
果、クロロギ酸メチルが1225mg/hrの速度(塩
素基準収率100%)で生成し、炭酸ジメチル等の副生
は殆ど認められなかった。
%、一酸化炭素:6容量%、亜硝酸メチル:3容量%、
一酸化窒素:4容量%、メタノール:7容量%に変化さ
せた以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結
果、クロロギ酸メチルが1225mg/hrの速度(塩
素基準収率100%)で生成し、炭酸ジメチル等の副生
は殆ど認められなかった。
【0020】実施例4〜5 実施例1において、原料ガス組成を実施例3と同様に変
化させ、反応温度を表1に示す温度に変えた以外は、実
施例1と同様に反応を行った。その結果、クロロギ酸メ
チルが表1に示すような速度及び収率で生成し、その他
に微量の炭酸ジメチルが生成していた。
化させ、反応温度を表1に示す温度に変えた以外は、実
施例1と同様に反応を行った。その結果、クロロギ酸メ
チルが表1に示すような速度及び収率で生成し、その他
に微量の炭酸ジメチルが生成していた。
【0021】
【表1】
【0022】実施例6 実施例1における原料ガス組成を、塩化ニトロシル:
0.6容量%、一酸化炭素:4容量%、亜硝酸メチル:
2容量%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:7容量
%に変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行っ
た。その結果、クロロギ酸メチルが710mg/hrの
速度(塩素基準収率100%)で生成し、その他に微量
の炭酸ジメチルが生成していた。
0.6容量%、一酸化炭素:4容量%、亜硝酸メチル:
2容量%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:7容量
%に変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行っ
た。その結果、クロロギ酸メチルが710mg/hrの
速度(塩素基準収率100%)で生成し、その他に微量
の炭酸ジメチルが生成していた。
【0023】実施例7 実施例1における原料ガス組成を、塩化ニトロシル:1
容量%、一酸化炭素:5容量%、亜硝酸メチル:2容量
%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:6容量%に変
化させた以外は、実施例1と同様に反応を行った。その
結果、クロロギ酸メチルが1218mg/hrの速度
(塩素基準収率100%)で生成し、その他に微量の炭
酸ジメチルが生成していた。
容量%、一酸化炭素:5容量%、亜硝酸メチル:2容量
%、一酸化窒素:2容量%、メタノール:6容量%に変
化させた以外は、実施例1と同様に反応を行った。その
結果、クロロギ酸メチルが1218mg/hrの速度
(塩素基準収率100%)で生成し、その他に微量の炭
酸ジメチルが生成していた。
【0024】実施例8 実施例1における原料ガス組成を、塩化ニトロシル:1
容量%、一酸化炭素:2.5容量%、亜硝酸メチル:0
容量%、一酸化窒素:0容量%、メタノール:12容量
%に変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行っ
た。その結果、クロロギ酸メチルが567mg/hrの
速度で生成し、その他に微量の炭酸ジメチルが生成して
いた。この場合、塩化ニトロシルとメタノールから亜硝
酸メチルを生成させているため、クロロギ酸メチルの塩
素基準収率は49%であった。
容量%、一酸化炭素:2.5容量%、亜硝酸メチル:0
容量%、一酸化窒素:0容量%、メタノール:12容量
%に変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行っ
た。その結果、クロロギ酸メチルが567mg/hrの
速度で生成し、その他に微量の炭酸ジメチルが生成して
いた。この場合、塩化ニトロシルとメタノールから亜硝
酸メチルを生成させているため、クロロギ酸メチルの塩
素基準収率は49%であった。
【0025】実施例9〜11 実施例1において、触媒を金属換算で1重量%の塩化パ
ラジウムをシリカゲルに担持した触媒2ml(RDタイ
プ、8mesh:富士デヴィソン社製)に変え、反応ガ
ス組成を、塩化水素:1容量%、一酸化炭素:4.5容
量%、亜硝酸メチル:3容量%、一酸化窒素:1容量
%、メタノール:8容量%に、反応温度を表2に示す温
度に変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行っ
た。その結果、クロロギ酸メチルが表2に示す速度及び
収率で生成し、その他に微量の炭酸ジメチルが生成して
いた。
ラジウムをシリカゲルに担持した触媒2ml(RDタイ
プ、8mesh:富士デヴィソン社製)に変え、反応ガ
ス組成を、塩化水素:1容量%、一酸化炭素:4.5容
量%、亜硝酸メチル:3容量%、一酸化窒素:1容量
%、メタノール:8容量%に、反応温度を表2に示す温
度に変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行っ
た。その結果、クロロギ酸メチルが表2に示す速度及び
収率で生成し、その他に微量の炭酸ジメチルが生成して
いた。
【0026】
【表2】
【0027】実施例12 実施例1において、触媒を金属換算で1重量%のテトラ
クロロパラジウム酸リチウムをγ−アルミナに担持した
触媒2ml(比表面積:190m2 /g)に変え、反応
ガス組成を実施例3と同様に変化させた以外は、実施例
1と同様に反応を行った。その結果、クロロギ酸メチル
が661mg/hrの速度(塩素基準収率57%)で生
成し、その他に微量の炭酸ジメチルが生成していた。
クロロパラジウム酸リチウムをγ−アルミナに担持した
触媒2ml(比表面積:190m2 /g)に変え、反応
ガス組成を実施例3と同様に変化させた以外は、実施例
1と同様に反応を行った。その結果、クロロギ酸メチル
が661mg/hrの速度(塩素基準収率57%)で生
成し、その他に微量の炭酸ジメチルが生成していた。
【0028】実施例13 実施例12における一酸化炭素濃度を20容量%に変化
させた以外は、実施例12と同様に反応を行った。その
結果、クロロギ酸メチルが975mg/hrの速度(塩
素基準収率85%)で生成し、その他に微量の炭酸ジメ
チルが生成していた。
させた以外は、実施例12と同様に反応を行った。その
結果、クロロギ酸メチルが975mg/hrの速度(塩
素基準収率85%)で生成し、その他に微量の炭酸ジメ
チルが生成していた。
【0029】実施例14 実施例12において、触媒を金属換算で1重量%のテト
ラクロロパラジウム酸リチウムをシリカゲルに担持した
触媒2ml(RDタイプ、8mesh:富士デヴィソン
社製)に変え、一酸化炭素濃度を24容量%に変化させ
た以外は、実施例12と同様に反応を行った。その結
果、クロロギ酸メチルが774mg/hrの速度(塩素
基準収率65%)で生成し、その他に微量の炭酸ジメチ
ルが生成していた。
ラクロロパラジウム酸リチウムをシリカゲルに担持した
触媒2ml(RDタイプ、8mesh:富士デヴィソン
社製)に変え、一酸化炭素濃度を24容量%に変化させ
た以外は、実施例12と同様に反応を行った。その結
果、クロロギ酸メチルが774mg/hrの速度(塩素
基準収率65%)で生成し、その他に微量の炭酸ジメチ
ルが生成していた。
【0030】
【発明の作用効果】本発明の方法により、有害なホスゲ
ンを用いることなく、塩化水素又は塩化ニトロシルから
選ばれる塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝酸エステルを
反応させて、高収率でクロロギ酸エステルを製造するこ
とができる。
ンを用いることなく、塩化水素又は塩化ニトロシルから
選ばれる塩素化合物と一酸化炭素及び亜硝酸エステルを
反応させて、高収率でクロロギ酸エステルを製造するこ
とができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 白金族金属又はその塩類を担持した固体
触媒の存在下、塩化水素又は塩化ニトロシルから選ばれ
る塩素化合物1モルに対して亜硝酸エステルを0.1〜
100モル存在させて、該塩素化合物と一酸化炭素及び
亜硝酸エステルを接触反応させることを特徴とするクロ
ロギ酸エステルの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5101230A JPH06306017A (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | クロロギ酸エステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5101230A JPH06306017A (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | クロロギ酸エステルの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06306017A true JPH06306017A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14295103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5101230A Pending JPH06306017A (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | クロロギ酸エステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06306017A (ja) |
-
1993
- 1993-04-27 JP JP5101230A patent/JPH06306017A/ja active Pending
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