JPH06305168A - 熱転写プリンタ - Google Patents

熱転写プリンタ

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JPH06305168A
JPH06305168A JP9786093A JP9786093A JPH06305168A JP H06305168 A JPH06305168 A JP H06305168A JP 9786093 A JP9786093 A JP 9786093A JP 9786093 A JP9786093 A JP 9786093A JP H06305168 A JPH06305168 A JP H06305168A
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JP
Japan
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ink
transfer
thermal transfer
recording paper
sheet
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JP9786093A
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English (en)
Inventor
Takayuki Nouyama
貴之 納山
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融型熱転写プリンタに於いて、印字面積を
可変することにより階調制御を行うと共に、印字時の種
々の条件変化に対しても常に安定した高品質画像の再現
を可能とするる熱転写プリンタを提供する。 【構成】 複数の発熱素子をライン状に配置することで
構成されるサーマルヘッド9と、多値画像データを二値
データに変換する変換手段と、前記変換手段により変換
された二値画像データに基づいて前記サーマルヘッド9
を選択的に発熱させ、インクシート1のインクを記録紙
6に転写する駆動手段を有し、前記インクシート1の構
成を、多数の微小孔あるいは凹部を有するシート状の基
材と、前記の微小孔あるいは凹部内に加熱により溶融あ
るいは粘性変化を生じるホットメルトワックス等や補助
材等からなるバインダ剤に顔料または染料などの色材を
添加したインクを充填させることにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッド等の加
熱よりインクシート上のインクを記録紙上に転写させる
ことで画像を形成する溶融型の熱転写プリンタに関する
ものであり、特に記録時の印字面積等の印字環境の変化
に対しても常に良好な印字を可能とする熱転写プリンタ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルヘッド等の加熱によりイ
ンクを記録紙上に転写することで任意の画像再現を行う
熱転写プリンタは、ノンインパクトプリンタの中でも特
に低騒音、かつメンテナンスフリーであり、さらに高品
質及び高画質の再現画像が得られることから、現在では
広い分野に渡って利用されている記録技術である。
【0003】ここで、従来の熱転写プリンタに使用され
る熱転写記録用インクシートの構成について説明する、
図7は従来のインクシートの構成を示す断面図であり、
従来のインクシート34の構成は、シート状の基材35
上にインク層36が塗布されることで構成される。
【0004】ここで前記の基材35は、転写時の加熱等
に対する耐熱性、インクシート搬送時の摩耗等の機械的
な負荷に対する耐久性及び熱伝導性を有するシート状の
基材であり、ポリエチレンテレフタレート等の材料で構
成されてあり、前記インク層36は、加熱によって溶融
または粘性変化を生じるバインダ剤に顔料または染料等
の色材を添加したものあり、バインダ剤としては主にワ
ックス類が用いられ、その他に柔軟剤及び添加剤等が添
加され、さらに色材としてカーボンブラックや有機無機
の顔料もしくは染料により構成されている。
【0005】次に、従来の熱転写プリンタにおける加熱
及び転写方法について説明する。図8(a)は、従来の
熱転写プリンタにおける加熱過程を示すものであり、サ
ーマルヘッド37をプラテンローラ39に対して加圧す
ることで、前記インクシート34のインク層の塗布面と
記録紙6とを密着させると共に、入力画像に応じて前記
サーマルヘッド37の発熱体38を通電し発熱させる。
【0006】これにより前記サーマルヘッド37の発熱
体38より発生した熱は、インクシート34の基材35
を伝熱し、発熱体下にあるインク層の領域40(以下、
このインク層の領域を加熱領域と称する)を加熱させ、
前記加熱領域40内のインク41を溶融もしくは粘性変
化させる、これにより加熱領域40内のインク41は記
録紙6との間に接着力42を生じさせる。
【0007】また図8(b)は、従来の熱転写プリンタ
におけるインクシートと記録紙との剥離時の状態を示す
ものであり、上記のとおりに加熱され、記録紙6に対し
て接着状態となったインクシート34は、搬送手段によ
り矢印Aの方向へ記録紙と密着状態で搬送され、前記の
搬送過程において剥離ガイド45からインクシート34
と記録紙6との剥離が行われる。
【0008】この時、前述のとおりに加熱され、記録紙
と接着状態にある加熱領域内のインク層41では周囲の
未加熱状態のインク層43との間でインク自身の凝集力
44が生じるが、図示しない搬送手段による搬送トルク
と記録紙との接着力が前記凝集力より大きいため、加熱
領域と未加熱領域のインク層での間にインク層せん断力
が発生することとなり、インクシートから分離し転写さ
れたインク46が記録紙6上に転写される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のとおり、従来の
熱転写記録用のインクシートによれば、簡単な装置構成
で高品質な画像を再現することが可能となる。ところ
が、前述の加熱過程において、加熱領域にあるインクは
加熱により記録紙に対し接着力を生じるが、他の未加熱
状態にあるインクの凝集力及び記録紙の表面状態のばら
つき等の影響により部分的に接着力の低下を生じ、剥離
時に於いてインクをせん断する力が不足し転写量不足、
印字ドットの細りといった転写不良を生ずる。
【0010】また転写面積が大きい場合では、上記の現
象とは逆に加熱領域にあるインク層の蓄熱性等が他の未
加熱状態にあるインクに対して影響を与え、転写面積の
増大副走査方向への尾引きといった転写不良を生じる。
そのため、これらの転写不良が再現される画像の印字品
質に大きく影響を与えるといった課題を有していた。
【0011】また、従来の溶融型熱転写プリンタにおけ
る再現画像が二値記録画像であることに対して、近年で
はサーマルヘッドに対する通電量の制御によりインクの
転写面積を可変させて階調記録を実現するドット面積可
変方式が提案されているが、転写面積を可変させる際に
は、上記の課題がさらに大きな影響を与えるため、ドッ
ト面積可変方式により良好な印字品質を得ることはさら
に困難であった。
【0012】したがって、本発明における目的は、加熱
時のインク凝集力、記録紙の表面状態ばらつき及び転写
面積等の影響に対しても常に安定した印字再現を可能と
し、さらに面積階調制御時においても常に良好な印字再
現を可能する熱転写プリンタを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した従来の熱転写プ
リンタにおける課題を課題を解決するために、本発明の
熱転写プリンタにおいては、複数の発熱素子をライン状
に配置することで構成されるサーマルヘッドと、多値画
像データを二値データに変換する変換手段と、前記変換
手段により変換された二値画像データに基づいて前記サ
ーマルヘッドを選択的に発熱させ、インクシートのイン
クを記録紙に転写する駆動手段を有し、前記インクシー
トの構成を、多数の微小孔あるいは凹部を有するシート
状の基材と、前記の微小孔あるいは凹部内に加熱により
溶融あるいは粘性変化を生じるホットメルトワックス等
や補助材等からなるバインダ剤に顔料または染料などの
色材を添加したインクを充填させることにより構成す
る。
【0014】
【作用】上記のとおりに熱転写プリンタを構成すること
により、多値データを二値データに変換する変換手段
と、変換された二値データによりサーマルヘッドを駆動
する手段により多値の画像データを印字することが可能
となり、またインクシート上のインクは、微小孔もしく
は微小凹部の内部に各々独立して充填することで構成す
るため、加熱時において溶融あるいは粘性変化を生じた
インクは、他の未加熱状態にあるインクの凝集力等の影
響を受けることなく記録紙に対する接着力を生じること
が可能となり、またさらにインクシートと記録紙との剥
離時においても、他の未加熱状態にあるインクの凝集力
等の影響を受けることないため、転写させる面積の変
化、加熱時のインク凝集力、記録紙の表面ばらつき等の
変化があるとしても、加熱領域に存在する微小孔あるい
は微小凹部内のインクのみが記録紙上に転写され、イン
クの転写不足、転写過剰等の印字不良による印字品質の
劣化が防止されるだけでなく、階調制御時において常に
安定した転写面積の再現が可能となり、高品質な多値画
像を再現することが可能となる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図2は本発明の熱転写プリンタに用いられ
るインクシートの一実施例を示す断面図であり、このイ
ンクシート1の構成は、シート状の基材2の表面上に、
無数の微小孔4を設けたインク保持基材3を設け、さら
に前記インク保持基材3の微小孔4内にバインダ剤に色
材を添加することで構成されるインク5を充填すること
で構成される。
【0016】ここで前記の基材2は、転写時の加熱に対
する耐熱性及び搬送時の摩耗等の機械的な負荷に対する
耐久性及び熱伝導性を有するシート状の基材であり、材
料例としてはコンデンサ紙、ポリエステル、ポリプロビ
レン、ポリカーボネイド、ポリミイド、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)等の単体または複合材で構成さ
れる。
【0017】また前記基材2の厚みは前記材料に応じて
適宜変更することができるが、好ましくは2〜15μm
であり、さらに好ましくは、4〜6μmである。また前
記のインク保持基材3は、前記基材2と同様に転写時の
加熱に対する耐熱性及び搬送時の摩耗等の機械的な負荷
に対する耐久性及び熱伝導性を有するシート状の基材で
あり、材料例としてはコンデンサ紙、ポリエステル、ポ
リプロビレン、ポリカーボネイド、ポリミイド、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)等の単体または複合材
で構成される。
【0018】また前記インク保持基材3の厚みは前記材
料に応じて適宜変更することができるが、好ましくは2
〜15μmであり、さらに好ましくは、4〜6μmであ
る。また前記インク保持基材3に設けられる微小孔4の
内径及び微小孔間のピッチは任意に設定することが可能
であるが、好ましくは内径1〜40μm、ピッチ1.5
〜50μmである。
【0019】インク5は、加熱によって溶融または粘性
変化するワックスを主とするバインダ剤に、顔料または
染料などの色材を添加したものであって、主な材料例と
しては、ミツロウ、カルナバワックス、木ロウ等の天然
ワックス類、パラフィンワックス、マイクロワックス、
等のパラフィン系ワックス類、エステル系ワックス類、
高級脂肪酸類、高級アルコール類、高級アミド類、エス
テル類、等があり、又さらに熱溶融性樹脂らを配合する
ことにより熱溶融性バインダ剤が構成され、その他の添
加物としては柔軟剤、及び添加剤がある。また、色材の
材料例としては、カーボンブラックや有機無機の顔料も
しくは染料がモノクロ印字あるいはカラー印字に応じて
選択され、さらにカラー印字時においては、イエロー、
マゼンタ、シアンの3種類あるいはイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの4種類の顔料あるいは染料が選
択され、面順次に設定される1画面内の前記微小孔4内
に充填されることで構成されている。
【0020】次に、本発明の熱転写プリンタの印字機構
の構成について説明する、図1は本発明の熱転写プリン
タの印字機構の一実施例を示すものであり、本発明の熱
転写プリンタの印字機構部において、前記のインクシー
ト1は、供給ロール7により供給され、サーマルヘッド
9とプラテンローラ10との間を通り、さらにインクシ
ート1の搬送路に設けられる剥離ガイド11を介して図
示しない駆動手段により駆動される巻き取りロール8に
よって巻き取られる構成となっており、また記録紙6
は、図示しない供給手段によって供給され、インクシー
ト1と密着した状態でサーマルヘッド9とプラテンロー
ラ10との間を搬送され、図示しない駆動手段により駆
動される搬送ローラ12によって搬送される構成となっ
ている。
【0021】ここで前記サーマルヘッド9は、図示しな
い機構によりプラテンローラ10の方向に加圧される構
成となってあり、これによりインクシート1のインク塗
布面と記録紙6との間で加圧されると共に、サーマルヘ
ッド9の発熱体を通電し発熱させることで前記インクシ
ート1の微小孔内のインクが記録紙6上に転写される。
その後、巻き取りロール8によりインクシート1を巻き
取りを行うと共に剥離ガイド11によりインクシート1
と記録紙6との剥離を行うことで記録紙上にサーマルヘ
ッドに通電したとおりの画像が再現される。
【0022】次に、本発明の熱転写プリンタの印字制御
部について説明する。図3は、本発明の熱転写プリンタ
の印字制御部を示す構成ブロック図であり、本発明の熱
転写プリンタに於いて、ホストコンピュータ等から転送
される多値の画像データに対し、0〜63階調の64階
調で印字制御を行うものである。
【0023】ここで本発明の熱転写プリンタの印字制御
部による、任意のMライン目の印字動作は、前述の印字
機構部の駆動制御を含む本発明の熱転写プリンタ全体の
制御を行うプリンタ制御部13(マイコン、タイマー等
から構成されるCPU回路)に対して、印字機構部の駆
動手段より、記録紙の搬送周期に同期した1ラインの印
字周期毎に出力されるLCLK信号が送られることによ
り、1ライン内の印字動作が開始される。
【0024】ここで、ラインバッファ14は、公知であ
るSRAM等により構成される1ラインの多値画像デー
タの記憶を行うラインバッファであり、現在の印字ライ
ンであるMライン目の多値画像データの記憶が行われ
る。上記の通りにMライン目のLCLK信号が出力され
ると、プリンタ制御部13は制御信号aにより、ライン
バッファ14に記憶されてあるMライン目の各ドットの
階調値に対応した多値の画像パラレルデータbをシリア
ル変換器15へ転送させると共に、制御信号cにより、
シリアル変換器15に転送された多値画像パラレルデー
タbを各階調毎の二値シリアルデータへの変換を行う。
【0025】ここで前記シリアル変換器15は公知であ
るマルチプレクサ等で構成される。ここで上記のとおり
にシリアル変換された画像シリアルデータdは、プリン
タ制御部13からの制御信号oにより、0階調の画像デ
ータから順にラインセレクタ16へ読み込まれると共
に、プリンタ制御部13からの制御信号pにより各階調
の画像シリアルデータeがサーマルヘッド17へ転送さ
れる。そして、前記サーマルヘッド17へ転送される画
像データeの階調値データvがパルス幅変調部20へ転
送するように動作する。
【0026】この時プリンタ制御部13は、上記の各階
調の画像シリアルデータeの前記ラインセレクタ16か
らの読み出しと同期したクロック信号gとデータラッチ
hを発生させることにより、サーマルヘッド17に各階
調の画像シリアルデータeを格納する。
【0027】またプリンタ制御部13は、前記画像シリ
アルデータeのサーマルヘッド17への転送動作と共
に、制御信号qを動作させることで前記画像シリアルデ
ータeを印字率カウンタ18への転送を行うことによ
り、各階調での印字率をカウントする。そして、制御信
号uにより、温度変換回路19を動作させることにより
図示しない温度検出手段により検出される前記サーマル
ヘッド17のヘッド温度iと熱転写プリンタの装置内環
境温度jを検出を行う。
【0028】ここで、ラインセレクター16は、公知で
あるANDゲート等やセレクタ等で構成され、またサー
マルヘッド17は、公知でありライン状に配設された発
熱抵抗体とそれを通電する為のドライバーIC、発熱抵
抗体を選択的に発熱させる為のシフトレジスタとラッチ
回路等から構成されてあり、上記印字率カウンタ18
は、公知であるタイマーカウンタ等で構成され、温度変
換回路19も公知であるA/Dコンバータ等で構成され
ている。
【0029】また、上記のとおり、各階調の画像シリア
ルデータeのサーマルヘッド17への格納と同期して、
プリンタ制御部13は制御信号f1、f2により、パル
ス幅変調部20を動作させることにより、サーマルヘッ
ド17に格納された画像シリアルデータeの階調値を示
す階調値データvと、印字率カウンタ18によるカウン
トされた印字率データlと、温度変換回路19により変
換されたヘッド温度データm及び環境温度データnとを
パルス幅変調部20に読み込み、前記印字率データl、
ヘッド温度データm、環境温度データn、階調データv
とに対応した印可パルス幅(通電時間)をファンクショ
ンテーブルより決定する。プリンタ制御部13は制御信
号wにより、パルス制御部21を動作させて前記パルス
幅変調部20から出力される印加パルス幅データrの読
み込みを行い、パルス制御部21は転送された印加パル
ス幅データrに従って通電制御信号sを発生させてサー
マルヘッド17の0階調目の通電制御が行われる。
【0030】ここで、前記パルス幅変調部20は、公知
であるROM等のメモリで構成され、前記パルス幅変調
部20内のファンクションテーブルは各階調毎に図9の
通りに構成される印加パルス幅のテーブルであり、ヘッ
ド温度、環境温度及び印字率に対応する印加パルス幅を
記憶する。
【0031】上記のとおりに行われる0階調目の通電が
行われると、上記の0階調目の印字動作と同様に1〜6
3階調目の印字が繰り返されることにより、ラインバッ
ファ14に記憶されている多値の画像データの印字が行
われ、さらにM+1ライン目の多値の画像パラレルデー
タtが図示しないホストコンピュータあるいはフレーム
バッファ等からラインバッファ14へ転送されることに
よって1ラインの印字動作が終了する。ここで、前記ホ
スト・コンピュータ等からの転送は公知であるセントロ
ニクスあるいはSCSIを使用して行う為、ラインバッ
ファ14は8bitあるいは16bitで構成される。
【0032】次に、本発明の熱転写プリンタにおける印
字過程について説明する。図4は、本発明の熱転写プリ
ンタにおける加熱及び剥離の過程を示すものであり、前
記のサーマルヘッド9をプラテンローラ10に対して加
圧し、インクシート1と記録紙6とを密着させると共
に、前述した図3中のパルス制御部21により制御され
る印加パルス幅に従って前記サーマルヘッド9の発熱体
22を通電し発熱させることにより、発熱体22より発
生した熱がインクシートの基材2を伝熱し、発熱体下に
ある加熱領域23内の微小孔に充填されているインク2
4を加熱させることにより、前記加熱領域23内の微小
孔に充填されるインク24が溶融もしくは粘性変化を生
じる。これにより加熱領域23内の微小孔に充填されて
いるインク24は記録紙6との間に接着力26が生じ
る。このとき隣接している未加熱領域の微小孔に充填さ
れているインク25は、加熱領域23内の微小孔に充填
されているインク24と未加熱領域の微小孔に充填され
ているインク25との間にインク保持基材3が存在する
ためその影響は遮断される、またインクシート1と記録
紙6との剥離時においては前記のとおりに加熱され、さ
らに記録紙6に対して接着状態となった接着領域53内
の微小孔に充填されているインク27は、搬送手段によ
り矢印Aの方向へ記録紙と密着状態で搬送され、剥離過
程において剥離ガイド11からインクシート1と記録紙
6との剥離が行われる。この時、前記接着領域53内の
微小孔に充填されているインク27に於いては、周囲の
未接着状態のインク28との間でインク層せん断性の影
響はインク間のインク保持基材2によりすでに分離され
ているため、接着領域53内の微小孔に充填されている
インク27は記録紙6に対する接着力29によって、記
録紙6上にインク30が転写され、記録紙上にはサーマ
ルヘッドにより加熱された領域のみの画像が再現され
る。
【0033】これは、加熱された微小孔内のインクと加
熱されていない微小孔内のインクは微小孔間のインク保
持基材によって物理的に遮断されているため、インクの
溶融に伴う記録紙に対する浸透及び接着は他の非溶融状
態にあるインクの影響をうけることなく任意に行われ、
また剥離時においては記録紙に対して接着状態にあるイ
ンクは他の非接着状態にあるインクの影響を受けること
なく鋭利なせん断性を有して転写されることが可能とな
る。
【0034】図5(a)及び(b)は、本発明の熱転写
プリンタにおけるインクの転写状態を示すものであり、
図5(a)は低階調印字時、図5(b)は中階調印字時
での1ドットの転写状態を各々示すものであり、印字階
調に応じて転写面積は可変するが、各階調の印字ドット
は、常に複数の転写インク30により構成されると共
に、さらに転写インク30の転写面積は前述した通りに
微小孔の面積と等しい面積で転写されるため、各階調の
印字時において、尾引きといったインクの蓄熱による転
写不良を発生させ印字品質を劣化させることがない。さ
らに、従来の熱転写における1ドット相当の画像を複数
の転写インクで構成するため、解像度を向上させる効果
も得ることが可能となる。
【0035】また図6は、本発明の熱転写プリンタに使
用されるインクシートのその他の実施例を示す断面図で
あり、そのインクシート30の構成は、シート状のイン
ク保持基材31の表面上に複数の微小凹部32を設け、
前記微小凹部32内にバインダ剤に色材を添加すること
で構成されるインク33を充填させることで構成され
る。
【0036】ここで前記インク保持基材31は前述した
インクシート1の基材2及びインク保持基材3と同様な
材料で構成されるシート状の基材であり、その厚みは前
記材料に応じて適宣変更することができるが、好ましく
は2〜20μmであり、さらに好ましくは6〜10μm
である。
【0037】また前記微小凹部の深さ、内径及び微小凹
部間のピッチはインク保持基材の材料及び充填するイン
クに応じて適宣変更することができるが好ましくは、深
さ4〜6μm、内径1〜40μm、ピッチ1.5〜50
μmである。また前記微小凹部内に充填されるインク3
3は、前述したインクシート1に用いられるインクと同
様のものが使用される。
【0038】ここで本発明のその他の実施例であるイン
クシート30においても前述したインクシート1と同様
の効果を得ることが可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明の熱転写プリンタによれば、イン
クシート上に塗布されているインクは全て微小孔あるい
は微小凹部に各々単独で構成されているため、加熱時の
溶融あるいは粘性変化を生じている状態において、記録
紙に対して浸透あるいは接着しようとするインクが、他
の非加熱状態にあるインクからの影響を受けずに、また
同様にインクシートと記録紙との剥離時に於いては、記
録紙の接着しているインクは他の非接着状態のインクの
影響を受けることがなくなるため、微小孔あるいは微小
凹部の面積と等しい面積で転写することが可能となる。
【0040】つまり本発明の熱転写記録用インクシート
を用いることによれば、微小孔あるいは微小凹部内にイ
ンクを充填させたことにより、印字する階調値により転
写面積の大小が生じるとしても、常に一定のインク転写
量を維持して転写することが可能となり、高品質かつ高
画質なドット面積可変印字を実現することが可能とな
る。また、従来の熱転写プリンタでは転写不良の発生状
態に影響する剥離時のインク間の凝集力と記録紙との接
着力とのバランスを、インクシートの剥離角度及び剥離
トルクにより厳密に制御していたが、本発明においては
インク間相互の影響がインク保持基材により完全に遮断
されるため、厳密な制御を不必要とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写プリンタの印字機構部を示す構
成図である。
【図2】本発明の熱転写プリンタに使用されるインクシ
ートを示す断面図である。
【図3】本発明の熱転写プリンタの印字制御部の構成を
示すブロック図である。
【図4】本発明の熱転写プリンタの印字過程を示す概略
説明図である。
【図5】(a)は本発明の熱転写プリンタにおける低階
調印字時の転写状態を示す説明図である。(b)は本発
明の熱転写プリンタにおける中階調印字時の転写状態を
示す説明図である。
【図6】本発明に使用されるインクシートのその他の実
施例を示す断面図である。
【図7】従来の熱転写プリンタに使用されるインクシー
トの断面図である。
【図8】(a)は従来の熱転写プリンタの加熱過程を示
す概略説明図である。(b)は従来の熱転写プリンタの
剥離過程を示す概略説明図である。
【図9】本発明の熱転写プリンタに用いられる印加パル
ス幅を格納したファンクションテーブルの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 インクシート 2 基材 3 インク保持基材 4 微小孔 5 インク 6 記録紙 9 サーマルヘッド 10 プラテンローラ 11 剥離ガイド 13 プリンタ制御部 14 ラインバッファ 15 シリアル変換器 15 ラインセレクタ 17 サーマルヘッド 18 印字率カウンタ 19 温度変換回路 20 パルス幅変調部 21 パルス制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクシートに対する加熱により記録紙
    上にインクの転写を行う熱転写プリンタにおいて、複数
    の発熱素子をライン状に配置することで構成されるサー
    マルヘッドと、多値画像データを二値データに変換する
    変換手段と、前記変換手段により変換された二値画像デ
    ータに基づいて前記サーマルヘッドを選択的に発熱させ
    る駆動手段を有し、前記インクシートの構成を、多数の
    微小孔あるいは凹部を有するシート状の基材と、前記の
    微小孔あるいは凹部内に加熱により溶融あるいは粘性変
    化を生じるバインダ剤に色材を添加したインクを充填さ
    せることにより構成することを特徴とする熱転写プリン
    タ。
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