JPH06304820A - 刃物およびその製造方法 - Google Patents

刃物およびその製造方法

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JPH06304820A
JPH06304820A JP9822193A JP9822193A JPH06304820A JP H06304820 A JPH06304820 A JP H06304820A JP 9822193 A JP9822193 A JP 9822193A JP 9822193 A JP9822193 A JP 9822193A JP H06304820 A JPH06304820 A JP H06304820A
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JP
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blade
layer
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manufacturing
energy beam
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Application number
JP9822193A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Matsumae
利幸 松前
Takahiro Miyano
孝広 宮野
Masanobu Ogasawara
小笠原正信
Tokuo Yoshida
徳雄 吉田
Masao Kubo
雅男 久保
Isao Fuwa
勲 不破
Masahiro Ikegami
正弘 池上
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刃切部に厚みが十分で剥がれ難い表層を有す
る刃物およびその製造方法を提供する。 【構成】 この発明の刃物は、少なくとも刃切部では基
材と表層の間に基材と表層が入り交う界面層が設けられ
ていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、刃物およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、刃物の耐磨耗性を向上させるため
に、刃切部では基材の上にセラミックスやダイヤモンド
などの硬質の表層をコーティングにより形成するように
することが行われている(例えば、特開平4−2103
15号公報、特開平1−280492号公報)。
【0003】しかしながら、従来の場合、表層の膜の厚
みが薄いため、膜自体の硬度で強度を持たせられず、基
材自体に硬度が必要となり、基材として特定の材料しか
使えないという問題が生じることになる。表層の膜の厚
みを厚くすれば、基材自体の硬度を高くする必要はなく
なるが、表層の膜の厚みを増す場合には、表層が基材層
から剥離し易いという問題が生じることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記事情
に鑑み、刃切部に厚みが十分で剥がれ難い表層を有する
刃物およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明は、例えば、図1にみるように、少なくと
も刃切部では基材2と表層3の間に基材2と表層3が入
り交う界面層4が設けられている構成をとるようにして
いる。この発明の場合、表層3や界面層4の厚みは、基
材2の素材や表層3の材料の種類により異なるが、通常
は、表層3の厚みは1μm〜1000μm程度、界面層
4の厚みは100Å〜1000μm程度である。
【0006】この発明の刃物において、基材2と表層3
が入り交う界面層4の具体的な形態としては、基材2の
凹凸形成表面に表層3があって凹凸領域で基材2と表層
3が入り交じる形態、基材2と表層3の間に融合層や化
合物層のある形態、基材2に表層3の構成する分子や原
子が未反応状態で侵入している形態が挙げられる。この
発明の刃物は、以下のように幾つかの方法で製造するこ
とが出来る。
【0007】第1の方法は、少なくとも刃切部に位置す
る面(刃物となった時に刃切部に位置することとなる
面)を粗面化処理した後、基材の粗化面に粉体を付着さ
せて表層を形成するようにする方法である。第2の方法
は、基材に傾斜面を形成して刃切部とし、前記刃切部に
階段状の凹凸面を形成し、この凹凸面に粉体を付着させ
て表層を形成するという方法である。
【0008】これら第1および第2の方法の場合、刃切
部に位置する面がエネルギービーム切断により形成され
ていて、前記エネルギービーム切断により粗化面または
凹凸面を同時形成する形態、刃切部に位置する面が塑性
加工により形成されていて、この塑性加工により、ある
いは、その後さらに行う塑性加工により粗化面または凹
凸面を形成する形態が具体的に挙げられる。
【0009】第3の方法は、樹脂材料含浸シートを積層
硬化してなる基材の刃切部に位置する面に表層形成用の
材料を堆積形成するとともに表層と基材層の間に両層の
融合層を界面層として形成する方法であり、第3の方法
の場合、樹脂材料含浸シートと共に表層に対する接着性
のよいシートが積層されており、積層端面が刃切部に位
置する面であるのが好ましい形態である。
【0010】第4の方法は、少なくとも刃切面となる面
を有する基材の少なくとも前記刃切面に表層用の粉体層
を形成するとともにエネルギービームの照射により界面
層を形成するという方法である。この場合、粉体層の形
成は乾式法や液体と粉体の混合物を塗布する方法など様
々な方法を用いることが出来、粉体層を形成してからエ
ネルギービームの照射を行う場合、粉体層を形成しつつ
エネルギービームの照射を行う場合、さらには、粉体層
の形成中および粉体層の形成後の両方ともにエネルギー
ビームの照射を行う場合など様々な照射形態がある。
【0011】最後の粉体層の形成中および粉体層の形成
後の両方ともにエネルギービームの照射形態の場合、表
層および/または界面層を多層化することが可能であ
り、多層化された層では組成が段階的に変化していた
り、多層化された層では外側の層に向かって硬度が増し
ており、表層の表面の硬度が最も高くなっていたりする
のは、好ましい形態である。
【0012】第5の方法は、少なくとも刃切面となる面
を有する基材の少なくとも前記刃切面に表層用のシート
を貼付けるとともにエネルギービームの照射により界面
層を形成する方法である。第6の方法は、少なくとも刃
切面となる面を有する基材の少なくとも前記刃切面に表
層用の材料を溶射により形成することにより表層と基材
層の間に界面層をも同時に形成するようにする方法であ
る。この場合、溶射中にエネルギービームの照射を行
い、表層を緻密化させたり、溶射後にエネルギービーム
の照射を行い、表層を緻密化させるのが好ましい形態で
ある。このエネルギービームの照射により緻密化と同時
に表面整形を行ったり、溶射を刃切面以外の面にも行
い、エネルギービームの照射を刃切面のみ選択的に行う
こともできる。さらに、溶射膜からなる表層に対し潤滑
材料の含浸を行う形態も有用である。
【0013】第7の方法は、少なくとも刃切部位置する
面を有する基材の前記刃切部に位置する面に表層用の粉
体層を形成するとともにエネルギービームの照射により
界面層を形成するとともに前記エネルギービームの照射
により刃形成形を同時に行う方法である。第1〜7の方
法の場合、基材に対しエネルギービーム照射による溶融
ないし除去を行いあさりのある刃先を形成するようにす
るのも、有用な形態である。
【0014】勿論、この発明の刃物は、上記以外の方法
で作製されてもよい。
【0015】
【作用】この発明にかかる刃物およびこの発明の製造方
法で得た刃物では、刃切部において表層と基材の間に基
材と表層の入り交う界面層があるため、表層と基材の結
合が強くなり、表層が厚くとも基材から剥がれ難くな
る。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。この発
明は、下記の実施例に限らないことは言うまでもない。 −実施例1− 実施例1は請求項1の発明の実施例であって、図2,3
は実施例1の刃物における刃切部まわりの構成をあらわ
す。
【0017】図2の(a)の刃物1は、刃切部に位置す
る面が粗化面あるいは凹凸形成面となっている基材2の
粗化面または凹凸形成面に対し成膜を行うことにより表
層3を設けてなる構成である。凹凸領域では基材2と表
層3が入り交い界面層4となっている。基材2として
は、SKDやSKHなどの鋼材が挙げられ、表層3とし
ては、スパッタリングなどで形成したアルミナ膜などが
挙げられる。粗化面あるいは凹凸形成面は通常の物理的
ないし化学的な処理方法により形成されたものである。
【0018】図2の(b)の刃物1は、基材2の刃切部
に位置する面に対し成膜を行いつつイオンビームを照射
し表層3を設けるとともに基材2と表層3が入り交う界
面層4を設けてなる構成である。基材2がマルテンサイ
ト系ステンレスであって、成膜材料がTiで窒素イオン
ビームを照射する場合、TiN膜の表層3となり、界面
層4は、TiN分子ないしTi原子が化合物を形成する
ことなく侵入したステンレス層部分である。
【0019】図2の(c)の刃物1は、基材2の刃切部
に位置する面に対し粉体塗布を行い加圧して真空中(例
えば、0.001torr)で加熱(例えば、1300℃) することに
より表層3を設けるとともに基材2と表層3が入り交う
界面層4を設けてなる構成である。基材2がマルテンサ
イト系ステンレスであって、成膜が部分安定化ジルコニ
ア層の場合、界面層4ではジルコニアがステンレスと化
合物を形成して入り交じった状態となる。
【0020】図3の(a)の刃物1は、基材2の刃切部
に位置する面に対し適当な方法で表層3用の成膜を行い
イオン注入を行って界面層4を形成する。界面層4は成
膜分子が化合物を形成することなく基材の上層と入り交
じった状態となる。基材2としては、SKDやSKHの
鋼材が挙げられ、表層3にイオン照射による硬度上昇層
を形成する場合、窒素イオンを100keVで注入すれ
ばよく、注入イオン分布が減少することによる界面層4
が形成され、ここでは徐々に基材硬度へと硬度が変化し
てゆく。
【0021】図3の(b)の刃物1は、基材2の刃切部
に位置する面に対し溶射により表層3用の成膜を行うと
ともに溶射後にレーザーを照射することにより成膜材料
と基材の融合層を界面層4として形成してなる構成であ
る。基材2としては、SKDやSKHなどの鋼材が挙げ
られ、表層3は、部分安定化ジルコニアの溶射皮膜であ
って、CO2 レーザで基材2とジルコニアの融合層を界
面層4とするのである。
【0022】図3の(a),(b)の場合、イオンの照
射や注入で表層3の緻密化などの改質も同時になされる
ので好都合なのである。界面層で基材と表層の密着性が
確保され、基材の制限を受けずに厚い皮膜(時に加えて
改質層)の形成が可能となる。 −実施例2− 実施例2は請求項2の発明の実施例であって、図4は実
施例2で得た刃物1をあらわす。
【0023】図4の刃物1の製造の場合、少なくとも刃
切部に位置する面を粗面化処理した後、基材2の粗化面
に粉体を付着させて表層3を形成するようにしている。
つまり、刃切部に位置する面が粗化面となっている基材
2を用いる。基材2の表面を成形パンチによる塑性加工
などの機械的、化学的あるいはエネルギービームによる
熱(切断)加工などで粗化するのである。そして、基材
2の粗化面に適当な方法で粉体を塗布した後、レーザ照
射や加熱により表層3および界面層4を形成する。基材
2と表層3の界面近傍では基材と粉体が入り交い界面層
4となる。
【0024】基材2の粗化面の粗度は、コーティングさ
れる粉体の材質や粒度、さらには、刃物の用途、コスト
等を勘案して調整すればよい。具体的には、基材2がS
K5であって粗化がプレス加工でなされており、粉体と
してWとCの混合物を塗布したものが挙げられる。粗化
により、界面層4の付着面積は増える上、界面層4に対
してはアンカー効果もある。基材2と表層3の材質の差
異による熱膨張係数の差が粗化面で吸収され緩和される
ことにもなる。
【0025】界面層で基材と表層の密着性が低コストで
確保され、基材の制限を受けずに厚い皮膜の形成が可能
となる上、切削加工時などの熱発生時の基材と表層の熱
膨張率の差に起因する界面層や表層の剥離が減少する。 −実施例3− 実施例3は請求項3の発明の実施例であって、図5は実
施例3で刃物を製造する時の様子をあらわす。
【0026】図5の(a),(b)の場合、基材に傾斜
面を形成して刃切部とし、前記刃切部に階段状の凹凸面
を形成し、この凹凸面に粉体を付着させて表層を形成す
る。基材2の階段状の凹凸面は、機械的ないし熱加工に
より形成された傾斜面である。凹凸面に粉体を適当な方
法で塗布により付着させ粉体層7を形成してから加熱や
レーザ照射した後、研削等により表面整形を施して、表
層3および界面層4を完成することで刃物1が得られ
る。基材2と表層3の界面近傍では凹凸で基材と粉体が
入り交い界面層4となっているのである。図5の(a)
の場合、凹凸を直角に形成し、図5の(b)の場合、凹
凸を鋭角に形成している。
【0027】具体的には、基材2がSKDであって粉体
としてWを塗布したものが挙げられる。階段状の凹凸面
により界面層4の付着面積は増えるし界面層4に対しア
ンカー効果もある他、切断抵抗に対して受圧面が直角に
近くなり、剥がれ難くなる。界面層で基材と表層の密着
性が確保され、基材の制限を受けずに厚い皮膜の形成が
可能となる上、切削加工時などの熱発生時の基材と表層
の熱膨張率の差に起因する界面層や表層の剥離が減少す
るだけでなく、刃物使用時の切断抵抗に対する強度が上
がりこの点でも剥離が減少するようになる。
【0028】−実施例4− 実施例4は請求項4の発明の実施例であって、図6は実
施例4の刃物を製造における基材作製の様子をあらわ
す。すなわち、図6にみるように、基材2の先端部分を
エネルギービーム8で切断し、傾斜面において階段状の
ある凹凸面が形成されるようにするのであるが、切断面
に階段状の凹凸9が出来るようにエネルギービーム8の
照射を行うのである。この後は実施例3と同様にして刃
物1を得る。
【0029】凹凸9形状や粗度の程度は、粉体の種類・
材質や粒度や刃物の用途、コストなどにより適当に調整
すればよく、例えば、エネルギービームのガス圧、パワ
ー、ビーム照射位置等の切断条件の制御で簡単に実現で
きる。具体的には、基材2がSUS440であって、C
2 レーザで凹凸9形成し、粉体としてC又はグラファ
イトを塗布したものが挙げられる。
【0030】実施例3での利点に加え、凹凸9形状や粗
度の変更が簡単であり、多品種少量生産を低コストで行
えるという利点がある。 −実施例5− 実施例5は請求項5の発明の実施例であって、図7は実
施例5の刃物を製造における基材作製の様子をあらわ
す。すなわち、図7の(a)にみるように、ダイ11と
成形パンチ12で1次プレス加工した傾斜面付きの基材
2に対し、さらに、図7の(b)にみるように、成形パ
ンチ13で刃切部に位置する傾斜面に階段状の凹凸9を
形成し凹凸面を設けるのである。この後は、実施例3と
同様にして刃物1を得る。成形パンチ12によるプレス
加工で凹凸面も同時形成するようにしてもよい。
【0031】凹凸9形状や粗度の程度は、粉体の種類・
材質や粒度や刃物の用途、コストなどにより適当に調整
すればよく、例えば、成形パンチの変更、パンチの加工
力や押し込み量の制御で簡単に実現できる。具体的に
は、基材2がSKであって、0.1mmピッチで階段状
の凹凸の付いた成形パンチ13で凹凸9形成し、粉体と
してWを塗布したものが挙げられる。
【0032】実施例3での利点に加え、凹凸9形状や粗
度の変更が簡単であり、多品種少量生産を低コストで行
えるという利点がある。 −実施例6− 実施例6は請求項6の発明の実施例であって、図8は実
施例6で刃物を製造する時の様子をあらわす。
【0033】まず、図8にみるように、樹脂材料含浸シ
ート15を平リング状に打ち抜いて積層硬化し周囲が突
出した円板状基材2を得る。基材2では周囲の突出面
(積層端面)が刃切部の位置となる面であり、この突出
面にエネルギービームを照射しつつ成膜を行い、表層3
と界面層4を形成し刃物1を得た。成膜後、研削などで
エッジを鋭くしてもよい。
【0034】樹脂材料含浸シート15はアラミド繊維を
編んだ布状体にポリイミド樹脂を含浸させたものであ
り、ポリイミド樹脂をジメチルアセトアミドに溶解さ
せ、布状に編んだアラミド繊維に含浸させたのち、大気
中で180℃に加熱して、ジメチルアセトアミドを除去
し、さらに、ポリイミド樹脂をBステージ状態に保持し
たものである。積層時には繊維方向が同一方向にならな
いように積層することが望ましく、積層硬化の際には5
0kg/cm2 に加圧して250℃に加熱する。エネル
ギービームはCO2 レーザ、成膜は部分安定化ジルコニ
アの溶射で行う。
【0035】CO2 レーザの照射で基材の表面の樹脂部
分が再溶解し部分安定化ジルコニアを包み込み界面層4
を形成するとともに表面に近づくにつれ緻密なジルコニ
ア層となって表層3が出来る。界面層で基材と表層の密
着性が確保され、基材の制限を受けずに厚い皮膜の形成
が可能となる上、軽量・高剛性で切削振動の低減、切断
工具用の駆動モータの負荷軽減という利点があるととも
に、耐磨耗性に富む緻密で硬質の表層であるため切れ味
寿命が長くなるという利点がある。
【0036】−実施例7− 実施例7は請求項7の発明の実施例であって、図9は実
施例7で刃物を製造する時の様子をあらわす。実施例7
では、樹脂組成物含浸シートと共に皮膜接着性のよいシ
ートとしてアルミニウムシート16も打ち抜き積層する
ようにして基材2を得た他、実施例6と同様にして刃物
1を得た。
【0037】実施例6の場合の利点に加え、皮膜接着性
のよいシートを用いた分、結果的に表層3が剥がれ難く
なるという利点が加わる。 −実施例8− 実施例8は請求項8の発明の実施例であって、図10は
実施例8で刃物を製造する時の様子をあらわす。
【0038】まず、図10の(a)にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心に図10の(b)にみるように、粉体層2
1を形成した後、図10の(c)にみるように、エネル
ギービーム22を照射して、緻密で硬質の面をもつ表層
3と界面層4を形成し刃物1を得た。エネルギービーム
22の照射で粉体層21と基材2の融合層(合金化、ク
ラッディング、ミキシング)が界面層4として形成され
る一方、表面が緻密な状態となるのである。成膜後、研
削などでエッジを鋭くしてもよい。
【0039】基材2としては、焼き入れが無いため、S
K、SKDなどの焼き入れ可能な鋼材の他にSSやSU
Sなどの焼き入れ不可の鋼材の場合でも刃面が緻密で硬
質の刃物が出来るようになる。粉体層21用の粉体とし
ては、セラミックやサーメットあるいは金属の粉体、例
えば、Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、WC−17%
Co、Cr3 2 、Cr、Mo、Ni、Tiなどが挙げ
られる。
【0040】エネルギービームとしては、レーザ(YA
Gレーザ、CO2 レーザ)、電子ビーム、プラズマ、光
ビームなどが挙げられる。エネルギーの調整により、界
面層での合金化、クラッディング、ミキシングの形態の
調整も可能となってくる。具体的には、基材2がSK
5、粉体がWC−17%Co、エネルギービームがYA
Gレーザの組み合わせが挙げられる。
【0041】界面層で基材と表層の密着性が確保され、
基材の制限を受けずに厚い皮膜の形成が可能となる上、
耐磨耗性に富む緻密で硬質の表層であるため切れ味寿命
が長くなるという利点がある。それに、焼き入れやロウ
付けなどの手間も要らず、製造コストの低減も可能であ
る。 −実施例9− 実施例9は請求項9の発明の実施例であって、図11は
実施例9で刃物を製造する時の様子をあらわす。実施例
9では、粉体層21の形成を乾式法を行った他は、実施
例8と同様にして刃物1を得た。基材、粉体、エネルギ
ービームなど実施例8と同様である。
【0042】つまり、図11の(a)にみるように、板
状の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断
等で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置
となる面を中心に図11の(b)にみるように、粉体層
21を乾式法で形成した後、図11の(c)にみるよう
に、エネルギービーム22を照射して、緻密で硬質の面
をもつ表層3と界面層4を形成し刃物1を得た。
【0043】粉体層21を乾式法で形成する方法として
は、粉体散布(プレスも可)する、粉体を板状にプレス
成形したものを圧接する、粉体中を基材を通過させるな
どの方法がある。乾式法の場合、粉体の流動性がよく均
一に塗布することができるという利点がある。これ以外
に、実施例8に挙げた利点も有することは言うまでもな
い。
【0044】具体的には、基材2がSK5、粉体がW、
乾式法が粉体の吹きつけ、エネルギービームがCO2
ーザの組み合わせが挙げられる。 −実施例10− 実施例10は請求項10の発明の実施例であって、図1
2は実施例10で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例10では、粉体層21の形成を液体と粉体が混合
されてなるスラリの塗布により行った他は、実施例8と
同様にして刃物1を得た。基材、粉体やエネルギービー
ムなど実施例8と同様である。
【0045】つまり、図12の(a)にみるように、板
状の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断
等で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置
となる面を中心に図12の(b)にみるように、粉体層
21をスラリ塗布により形成した後、図12の(c)に
みるように、エネルギービーム22を照射して、緻密で
硬質の面をもつ表層3と界面層4を形成し刃物1を得
た。
【0046】粉体層21を乾式法で形成する方法として
は、水や有機溶剤(アルコール、酢酸ビニルなど)のバ
インダーに粉体を混合しペースト状にしたものを塗布す
る。液体と粉体の混合物塗布の場合、基材への付着性が
よく下面(重力方向)への付着も可能であるという利点
がある。これ以外に、実施例8に挙げた利点も有するこ
とは言うまでもない。
【0047】具体的には、基材2がSUS304、粉体
がWとCの混合物、混合物塗布がアルコールでスラリ状
にしたものの塗布、エネルギービームがYAGレーザの
組み合わせが挙げられる。 −実施例11− 実施例11は請求項11の発明の実施例であって、図1
3は実施例11で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例11では、粉体層21の形成の後にエネルギービ
ームの照射を行った他は、実施例8と同様にして刃物1
を得た。基材、粉体やエネルギービームなど実施例8と
同様である。
【0048】つまり、図13の(a)にみるように、板
状の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断
等で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置
となる面を中心に図13の(b)にみるように、粉体層
21を形成した後、図13の(c)にみるように、エネ
ルギービーム22を照射して、緻密で硬質の面をもつ表
層3と界面層4を形成し刃物1を得た。粉体層21の形
成は、実施例9または実施例10のいずれの方法でもよ
い。
【0049】粉体層21形成の後でエネルギービーム2
2を照射する場合、粉体間を結合させて緻密化を進める
とともに、基材へも一部溶け込むという利点がある。こ
れ以外に、実施例8に挙げた利点も有することは言うま
でもない。具体的には、基材2がSK5、粉体がW、粉
体層形成が粉体の吹き付け、エネルギービームがYAG
レーザの組み合わせが挙げられる。
【0050】−実施例12− 実施例12は請求項12の発明の実施例であって、図1
4は実施例12で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例12では、粉体層21を形成しつつエネルギービ
ーム22の照射を行った他は、実施例8と同様にして刃
物1を得た。基材、粉体やエネルギービームなどは実施
例8と同様である。
【0051】つまり、図14の(a)にみるように、板
状の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断
等で歯形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置
となる面を中心に図14の(b)にみるように、粉体層
21を形成しつつエネルギービーム22を照射して、緻
密で硬質の面をもつ表層3と界面層4を形成し刃物1を
得た。この場合、粉体層21の形成は、実施例9または
実施例10のいずれの方法でもよい。
【0052】粉体層21を形成しつつでエネルギービー
ム22を照射する場合、処理時間が短い、かつ、界面部
での入り混じり量が多く強固につくという利点がある。
これ以外に、実施例8に挙げた利点も有することは言う
までもない。具体的には、基材2がSUS304、粉体
がWとC、粉体層形成がスラリ状物の塗布、エネルギー
ビームがCO2 レーザの組み合わせが挙げられる。
【0053】−実施例13− 実施例13は請求項13の発明の実施例であって、図1
5は実施例13で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例13では、粉体層21の形成中および粉体層21
の形成後の両方でエネルギービームの照射を行った他
は、実施例8と同様にして刃物1を得た。基材、粉体や
エネルギービームなど実施例8と同様である。
【0054】つまり、図15の(a)にみるように、板
状の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断
等で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置
となる面を中心に図15の(b)、(c)にみるよう
に、粉体層21を形成しつつエネルギービーム22を照
射するとともに、図15の(d)にみるように、粉体層
21の形成後にもエネルギービーム22を照射して、緻
密で硬質の面をもつ表層3と界面層4を形成し刃物1を
得た。粉体層21の形成は、実施例9または実施例10
のいずれの方法でもよい。この場合、表層3と界面層4
のいずれか一方または両方が複数化構造となる。
【0055】表層3や界面層4の複数化構造は、両層
3,4の特性を細かく調整することが可能となるなどの
利点がある。これ以外に、実施例8に挙げた利点も有す
ることは言うまでもない。具体的には、基材2がSK
5、粉体がZrO2 、Al2 3 および両者の混合物、
粉体層形成がスラリ状物の塗布、エネルギービームがY
AGレーザの組み合わせが挙げられ、この場合、表層3
や界面層4のうち界面層4が複数化構造となる。
【0056】−実施例14− 実施例14は請求項14の発明の実施例であって、図1
6は実施例14で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例14でも、粉体層21の形成中および粉体層21
の形成後の両方でエネルギービームの照射を行うが、多
層化された層では組成が段階的に変化している点が異な
る他は、実施例13と同様にして刃物1を得た。基材、
粉体やエネルギービームなど実施例8と同様である。
【0057】つまり、図16の(a)にみるように、板
状の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断
等で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置
となる面を中心に図16の(b)、(c)にみるよう
に、粉体層21を形成しつつエネルギービーム22を照
射するとともに、図16の(d)にみるように、粉体層
21の形成後にもエネルギービーム22を照射して、緻
密で硬質の面をもつ表層3と界面層4を形成し刃物1を
得た。粉体層21の形成は、実施例9または実施例10
のいずれの方法でもよい。この場合、表層3と界面層4
のいずれか一方または両方が複数化構造となるととも
に、多層化された層では組成が段階的に変化している。
【0058】多層化された層の間では組成が段階的に変
化している場合、表層3や界面層4が剥がれ難くなると
いう利点がある。これ以外に、実施例13に挙げた利点
も有することは言うまでもない。具体的には、基材2が
SK5(鋼材)であって、界面層4用の粉体層を下記の
粉体A〜Cを順次用いて形成したあと、最後にZrO2
のみの粉体A〜Cを表層3用の粉体層として形成すると
ともにエネルギービームとしてCO2 を使うものが挙げ
られる。
【0059】 A:SK5の粉末80wt%+ZrO2 粉末20wt% B:SK5の粉末60wt%+ZrO2 粉末40wt% C:SK5の粉末20wt%+ZrO2 粉末80wt% 界面層は、多層化構成であって、各層はSK5とZrO
2 が混合粉末での割合となった3層で構成されることに
なる。
【0060】−実施例15− 実施例15は請求項15の発明の実施例であって、図1
7は実施例15で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例15でも、粉体層21の形成中および粉体層21
の形成後の両方でエネルギービームの照射を行うが、多
層化された層では外側の層に向かって硬度が徐々に高く
なり、表層3が最も硬くなっている点が異なる他は、実
施例13と同様にして刃物1を得た。基材、粉体やエネ
ルギービームなど実施例8と同様である。
【0061】つまり、図17の(a)にみるように、板
状の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断
等で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置
となる面を中心に図17の(b)、(c)にみるよう
に、粉体層21を形成しつつエネルギービーム22を照
射するとともに、図17の(d)にみるように、粉体層
21の形成後にもエネルギービーム22を照射して、緻
密で硬質の面をもつ表層3と界面層4を形成し刃物1を
得た。粉体層21の形成は、実施例9または実施例10
のいずれの方法でもよい。この場合、表層3と界面層4
のいずれか一方または両方が複数化構造となるととも
に、多層化された層では外側の層に向かって硬度が徐々
に高くなっている。
【0062】多層化された層では外側の層に向かって硬
度が徐々に高くなり、表層3が最も硬くなっている形態
は、刃物として適した形態であるという利点がある。こ
れ以外に、実施例13に挙げた利点も有することは言う
までもない。なお、具体的な形態としては、先の実施例
14の場合と同じ形態が挙げられる。 −実施例16− 実施例16は請求項16の発明の実施例であって、図1
8は実施例16で刃物を製造する時の様子をあらわす。
【0063】まず、図18の(a)にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心に、図18の(b)にみるように、シート
体25を貼り付けたあと、図18の(c)にみるよう
に、エネルギービーム22を照射して、緻密で硬質の面
をもつ表層と界面層を形成し刃物1を得た。エネルギー
ビーム22の照射でシート体25と基材2の融合層(合
金化、クラッディング、ミキシング)が界面層として形
成される一方、表面が緻密な状態となるのである。
【0064】基材2としては、焼き入れが無いため、S
K、SKDなどの焼き入れ可能な鋼材の他にSSやSU
Sなどの焼き入れ不可の鋼材の場合でも刃面が緻密で硬
質の刃物が出来るようになる。シート体25用の材料と
しては、セラミックやサーメットあるいは金属の粉体、
例えば、Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、WC−17
%Co、Cr3 2 、Cr、Mo、Ni、Tiなどが挙
げられる。
【0065】エネルギービームとしては、レーザ(YA
Gレーザ、CO2 レーザ)、電子ビーム、プラズマ、光
ビームなどが挙げられる。エネルギービームの調整によ
り、界面層での合金化、クラッディング、ミキシングの
形態の調整も可能となってくる。具体的には、基材2が
SK5、シート体がWC−17%Co、エネルギービー
ムがCO2 レーザの組み合わせが挙げられる。
【0066】界面層で基材と表層の密着性が確保され、
基材の制限を受けずに厚い皮膜の形成が可能となる上、
緻密で硬質の表層であるため切れ味寿命が長くなるとい
う利点がある。それに、焼き入れやロウ付けなどの手間
も要らず、製造コストの低減も可能である。 −実施例17− 実施例17は請求項17の発明の実施例であって、図1
9は実施例17で刃物を製造する時の様子をあらわす。
【0067】まず、図19の(a)にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心に、図19の(b)にみるように、表層用
の材料を溶射により厚み1〜100μm程度堆積するこ
とにより表層3と界面層4を同時に形成するようにして
緻密な面をもつ刃物1を得た。溶射により基材2との融
合層(合金化、クラッディング、ミキシング)が界面層
4として形成される一方、表面が緻密な状態となるので
ある。
【0068】溶射方法としてはプラズマ溶射やレーザ溶
射が挙げられる。基材2としては、焼き入れが無いた
め、SK、SKDなどの焼き入れ可能な鋼材の他にSS
やSUSなどの焼き入れ不可の鋼材の場合でも刃面が緻
密で硬質の刃物が出来るようになる。全体溶射の場合
は、Al等の軟質材でも可能である。溶射材料として
は、セラミックやサーメットなど、具体的には、Al2
3 、ZrO2 、TiO2 、WC−17%Co、Cr3
2 などが挙げられる。
【0069】具体的には、基材2がSKD、溶射材料が
Al2 3 という組み合わせが挙げられる。界面層で基
材と表層の密着性が確保され、基材の制限を受けずに厚
い皮膜の形成が可能となる上、耐磨耗性に富む緻密で硬
質の表層であるため切れ味寿命が長くなるという利点が
ある。それに、焼き入れやロウ付けなどの手間も要ら
ず、製造コストの低減も可能である。
【0070】−実施例18− 実施例18は請求項18の発明の実施例であって、図2
0は実施例18で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例18では、溶射中にエネルギービーム22の照射
を行った他は、実施例17と同様にして刃物1を得た。
基材や溶射材料・方法などは実施例17と同様である。
【0071】まず、図20の(a)にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で歯形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心に、図20の(b)にみるように、表層用
の材料を溶射により厚み1〜100μm程度堆積すると
ともにエネルギービーム22を照射することにより表層
3と界面層4を同時に形成するようにして緻密な面をも
つ刃物1を得た。
【0072】エネルギービームとしては、YAGレー
ザ、CO2 レーザ、電子ビーム、光ビームなどが挙げら
れる。エネルギービームの照射により緻密で硬質の膜と
なる他、基材のFeとの複合化によるサーメット化も図
れたり、密着性向上も図れる。溶射材料としては、Mo
やTiなどの金属材料も可能であり、エネルギービーム
の照射により生成される金属間化合物による硬質化が可
能であり、密着性向上も図れるようになる。
【0073】エネルギービームは溶射中連続して照射す
る必要はなく、例えば、溶射初期だけエネルギービーム
を照射して融合させて界面層の密着力を確保し、後はエ
ネルギービームの照射を停止し溶射だけ行うという形態
もある。エネルギービームの照射制御で膜構造の調節が
可能なのである。実施例18の場合、勿論、実施例17
の利点をも有することは言うまでもない。
【0074】具体的には、基材2がSK5、溶射材料が
ZrO2 、エネルギービームがYAGレーザという組み
合わせが挙げられる。 −実施例19− 実施例19は請求項19の発明の実施例であって、図2
1は実施例19で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例19では、溶射後にエネルギービームの照射を行
った他は、実施例17と同様にして刃物1を得た。基材
や溶射材料・方法などは実施例17と同様である。
【0075】まず、図21の(a)にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で歯形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心に、図21の(b)にみるように、表層用
の材料を溶射により厚み1〜100μm程度堆積し皮膜
35を形成してから、図21の(c)にみるように、エ
ネルギービームを照射することにより表層3と界面層4
が設けられた緻密な面をもつ刃物1を得た。溶融深さ
は、普通、2〜300μm程度である。
【0076】エネルギービームとしては、YAGレー
ザ、CO2 レーザ、電子ビーム、光ビームなどが挙げら
れる。エネルギービームの照射により緻密で硬質の膜と
なる他、基材のFeとの複合化によるサーメット化も図
れたり、密着性向上も図れる。溶射材料としては、Mo
やTiなどの金属材料も可能であり、エネルギービーム
の照射により生成される金属間化合物による硬質化が可
能であり、密着性向上も図れるようになる。
【0077】実施例19の場合、勿論、実施例17の利
点をも有することは言うまでもない。具体的には、基材
2がSK5、溶射材料がCr、エネルギービームがYA
Gレーザという組み合わせが挙げられる。また、溶射後
だけでなく溶射中にもエネルギービームを照射するよう
にしてもよいことは言うまでもない。
【0078】−実施例20− 実施例20は請求項20の発明の実施例であって、図2
2は実施例20で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例20では、エネルギービームの照射により刃切部
の表面整形(フォーミング)を行う他は、実施例17〜
19と同様にして刃物1を得た。基材や溶射材料・方法
などは実施例17〜19と同様である。
【0079】まず、図22の(a)にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心に、図22の(b)にみるように、表層用
の材料を溶射により厚み1〜100μm程度堆積し皮膜
35を形成してから、図22の(c)にみるように、エ
ネルギービーム22を照射することにより緻密な表層3
と界面層4を設け、その後、図22の(d),(e)に
みるように、エネルギービーム27を照射することによ
り刃形整形を行い刃物1を得た。
【0080】実施例20の場合、刃形整形のためのエネ
ルギービーム照射は、緻密化のためのエネルギービーム
照射よりも照射エネルギー密度を大きくするので、刃形
整形と緻密化の両方を同じエネルギービーム照射で行う
ことは無理である。溶射膜の場合、丸みが付いて切れ味
が十分でない場合があるが、刃形整形で丸みのない鋭い
切れ味の十分な刃切部となる。
【0081】実施例20の場合、勿論、実施例17〜1
9の利点をも有することは言うまでもない。具体的に
は、基材2がSK5、溶射材料がWとCの混合物、刃形
整形用エネルギービームがCO2 レーザという組み合わ
せが挙げられる。 −実施例21− 実施例21は請求項21の発明の実施例であって、図2
3は実施例21で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例21では、刃切部に位置する面以外の面にも溶射
を行い(基材全体でもよい)、緻密化のためのエネルギ
ービームの照射を刃切部の位置にのみ選択的に行う他
は、実施例17〜20と同様にして刃物1を得た。基材
や溶射材料・方法などは実施例17〜20と同様であ
る。
【0082】まず、図23の(a)にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心に、図23の(b)にみるように、表層用
の材料を溶射により厚み1〜100μm程度で広く堆積
してから、図23の(c)〜(e)にみるように、エネ
ルギービーム26を刃切部となる面のみに照射すること
により表層3と界面層4が設けられた緻密な面をもち刃
形整形された刃物1を得た。
【0083】実施例21の場合、勿論、実施例17〜2
0の利点をも有することは言うまでもない。具体的に
は、基材2がSK5、溶射材料がAl2 3 、緻密化用
のエネルギービームがYAGレーザという組み合わせが
挙げられる。 −実施例22− 実施例22は請求項22の発明の実施例であって、図2
4は実施例22で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例22では、基材に設けられた溶射膜(表層)に対
して潤滑材料の含浸を行う他は、実施例17〜21と同
様にして刃物1を得た。基材や溶射材料・方法などは実
施例17〜21と同様である。
【0084】まず、図24の(a)にみるように、基材
2の刃切部の位置となる面を中心に、表層用の材料を溶
射により厚み1〜100μm程度で広く堆積してから、
図24の(b)にみるように、エネルギービーム(例え
ば、レーザ)33を刃切部となる面のみに照射すること
により表層3と界面層4が設けられた緻密な面をもち刃
形整形された刃物1を得たあと、潤滑材料の含浸を行
う。エネルギービーム25の照射面は、図24の(c)
にみるように、比較的緻密であり、潤滑材料の含浸は殆
どないが、エネルギービーム25の非照射面の表層は、
図24の(d)にみるように、ポーラスで空孔28があ
って、図24の(e)にみるように、潤滑材料29が含
浸される。
【0085】潤滑材料としては、鉱物油やグリスそれら
に添加物を加えたものが挙げられる。空孔28に含浸さ
れた潤滑材料により長期にわたり低摩擦状態が保持さ
れ、切断時の刃物1にかかる負荷が軽減されるようにな
る。実施例22の場合、勿論、実施例17〜21の利点
をも有することは言うまでもない。
【0086】具体的には、基材2がSK5、溶射材料が
Al2 3 、緻密化用のエネルギービームがYAGレー
ザ、潤滑材料がMoS2 という組み合わせが挙げられ
る。 −実施例23− 実施例23は請求項23の発明の実施例であって、図2
5は実施例23で刃物を製造する時の様子をあらわす。
実施例23では、図25の(a)にみるように、板状の
素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等で
刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置とな
る面を中心に表層用の粉体層を形成してから、エネルギ
ービームを照射する。エネルギービームの照射により界
面層が形成されるとともに、図25の(b),(c)に
みるように、刃先部分2aが局部的に溶融し表面張力で
変形して刃切成形が同時に出来ることとなる。
【0087】基材、粉体層の種類や形成方法などは上の
実施例の場合に用いたものが使える。また、エネルギー
ビームとしては、レーザや電子ビームなどが使われる。
エネルギービーム照射による急熱・急冷で焼き入れ効果
も得られる。粉体としては、Ti、Mo、Cなどを用い
た場合、合金化による硬化が可能となる。界面層で基材
と表層の密着性が確保され、基材の制限を受けずに厚い
皮膜の形成が可能となる上、耐磨耗性をもつ緻密で硬質
の表層であるため切れ味寿命が長くなるという利点があ
る。それに、焼き入れやロウ付けなどの手間も要らず、
製造コストの低減も可能である。
【0088】具体的には、基材2がSUS304、粉体
層がC、エネルギービームがYAGレーザという組み合
わせが挙げられる。 −実施例24− 実施例24は請求項24の発明の実施例であって、図2
6は実施例24で刃物を製造する時の基材作製の様子を
あらわす。実施例24では、図26にみるように、板状
の素材20の周囲に沿ってプレス、研削、レーザ切断等
で刃形加工を行い、基材2を得てから、刃切部の位置と
なる面を中心にエネルギービームを照射し、溶融・凝固
させて刃先にあさり付けを行う他は、実施例1〜23と
同様にして刃物を得ている。
【0089】エネルギービーム照射による急熱・急冷で
焼き入れ効果も得られる。エネルギービームの照射タイ
ミングは、膜形成前、膜形成中、膜形成後のいずれであ
ってもよい。あさり付け用のエネルギービームの照射が
他の目的を兼ねているようであってもよい。従来の刃先
の曲げ加工→焼き入れ→研削という手間のかかる工程を
経ずにあさり付けが行えるため、非常に有用である。
【0090】具体的には、基材2がSK5、あさり付け
用のエネルギービームがCO2 レーザ、粉体層がAl2
3 という組み合わせが挙げられる。
【0091】
【発明の効果】この発明にかかる刃物およびこの発明の
製造方法で得た刃物では、刃切部において表層と基材の
間に基材と表層の入り交う界面層があるため、表層と基
材の結合が強くなり、表層が厚くとも基材から剥がれ難
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の刃物の構成例をあらわす説明図。
【図2】実施例1の刃物の構成をあらわす説明図。
【図3】実施例1の刃物の構成をあらわす説明図。
【図4】実施例2で得た刃物の構成をあらわす説明図。
【図5】実施例3の刃物の製造過程をあらわす説明図。
【図6】実施例4の刃物の製造過程の基材加工の様子を
あらわす説明図。
【図7】実施例5の刃物の製造過程の基材加工の様子を
あらわす説明図。
【図8】実施例6の刃物の製造過程をあらわす説明図。
【図9】実施例7の刃物の製造過程をあらわす説明図。
【図10】実施例8の刃物の製造過程をあらわす説明図。
【図11】実施例9の刃物の製造過程をあらわす説明図。
【図12】実施例10の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図13】実施例11の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図14】実施例12の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図15】実施例13の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図16】実施例14の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図17】実施例15の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図18】実施例16の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図19】実施例17の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図20】実施例18の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図21】実施例19の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図22】実施例20の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図23】実施例21の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図24】実施例22の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図25】実施例23の刃物の製造過程をあらわす説明
図。
【図26】実施例24の刃物の製造過程の基材作製の様子
をあらわす説明図。
【符号の説明】
1 刃物 2 基材 3 表層 4 界面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 徳雄 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 久保 雅男 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 不破 勲 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 池上 正弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも刃切部では基材と表層の間に
    基材と表層が入り交う界面層が設けられている刃物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の刃物の製造方法であっ
    て、少なくとも刃切部に位置する面を粗面化処理した
    後、基材の粗化面に粉体を付着させて表層を形成するこ
    とを特徴とする刃物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の刃物の製造方法であっ
    て、基材に傾斜面を形成して刃切部とし、前記刃切部に
    階段状の凹凸面を形成し、この凹凸面に粉体を付着させ
    て表層を形成することを特徴とする刃物の製造方法。
  4. 【請求項4】 刃切部に位置する面がエネルギービーム
    切断により形成されていて、前記エネルギービーム切断
    により粗化面または凹凸面が同時形成されている請求項
    2または3記載の刃物の製造方法。
  5. 【請求項5】 刃切部に位置する面が塑性加工により形
    成されていて、塑性加工により粗化面または凹凸面が形
    成されている請求項2または3記載の刃物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の刃物の製造方法であっ
    て、樹脂材料含浸シートを積層硬化してなる基材の刃切
    部に位置する面に表層形成用の材料を堆積形成するとと
    もに表層と基材層の間に両層の融合層を界面層として形
    成することを特徴とする刃物の製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂材料含浸シートと共に皮膜接着性の
    よいシートが積層されており、積層端面が刃切部に位置
    する面である請求項6記載の刃物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の刃物の製造方法であっ
    て、少なくとも刃切部に位置する面を有する基材の前記
    刃切部に位置する面に表層用の粉体層を形成するととも
    にエネルギービームの照射により界面層を形成するよう
    にすることを特徴とする刃物の製造方法。
  9. 【請求項9】 粉体層の形成を乾式法により行う請求項
    8記載の刃物の製造方法。
  10. 【請求項10】 粉体層の形成を液体と粉体の混合物を塗
    布することにより行う請求項8記載の刃物の製造方法。
  11. 【請求項11】 粉体層を形成してからエネルギービーム
    の照射を行う請求項8から10までのいずれかに記載の
    刃物の製造方法。
  12. 【請求項12】 粉体層を形成しつつエネルギービームの
    照射を行う請求項8から10までのいずれかに記載の刃
    物の製造方法。
  13. 【請求項13】 粉体層の形成中および粉体層の形成後の
    両方においてエネルギービームの照射を行い表層および
    /または界面層を多層化する請求項8から10までのい
    ずれかに記載の刃物の製造方法。
  14. 【請求項14】 多層化された層では組成が段階的に変化
    している請求項13記載の刃物の製造方法。
  15. 【請求項15】 多層化された層では外側の層に向かって
    硬度が増しており、表層の表面の硬度が最も高くなって
    いる請求項13または14記載の刃物の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の刃物の製造方法であっ
    て、少なくとも刃切部に位置する面を有する基材の前記
    刃切部に位置する面に表層用のシートを貼付けるととも
    にエネルギービームの照射により界面層を形成するよう
    にすることを特徴とする刃物の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の刃物の製造方法であっ
    て、少なくとも刃切部に位置する面を有する基材の前記
    刃切部に位置する面に表層用の材料を溶射して堆積する
    ことにより表層と基材層の間に界面層をも同時に形成す
    るようにすることを特徴とする刃物の製造方法。
  18. 【請求項18】 溶射中にエネルギービームの照射を行
    い、溶射膜を緻密化させる請求項17記載の刃物の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 溶射後にエネルギービームの照射を行
    い、溶射膜を緻密化させる請求項17または18記載の
    刃物の製造方法。
  20. 【請求項20】 エネルギービームの照射により刃切部の
    表面整形を行う請求項17から19までのいずれかに記
    載の刃物の製造方法。
  21. 【請求項21】 刃切部に位置する面以外の面にも溶射を
    行い、エネルギービームの照射を刃切部の位置にのみ選
    択的に行う請求項17から20までのいずれかに記載の
    刃物の製造方法。
  22. 【請求項22】 表層に対し潤滑材料の含浸を行う請求項
    17から21までのいずれかに記載の刃物の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1記載の刃物の製造方法であっ
    て、少なくとも刃切部に位置する面を有する基材の前記
    刃切部位置する面に表層用の粉体層を形成するとともに
    エネルギービームの照射により界面層を形成するととも
    に前記エネルギービームの照射により刃形成形を同時に
    行うことを特徴とする刃物の製造方法。
  24. 【請求項24】 基材に対しエネルギービーム照射による
    溶融ないし除去を行いあさりのある刃先を形成するよう
    にする請求項2から請求項23までのいずれかに記載の
    刃物の製造方法。
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