JP3215644B2 - ダイヤモンドヒートシンクの製造方法 - Google Patents

ダイヤモンドヒートシンクの製造方法

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JP3215644B2 JP2444397A JP2444397A JP3215644B2 JP 3215644 B2 JP3215644 B2 JP 3215644B2 JP 2444397 A JP2444397 A JP 2444397A JP 2444397 A JP2444397 A JP 2444397A JP 3215644 B2 JP3215644 B2 JP 3215644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイヤモンドヒート
シンクの製造方法に関する。より詳しくは、ダイヤモン
ドに所定のメタライズ層を形成させた後その上層に保護
皮膜を設け、YAGレーザーを用いて切断することによ
り、レーザーアブレーションによって生じるメタライズ
層の劣化を防止し、その後保護皮膜を除去してなるダイ
ヤモンドヒートシンクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体高周波素子、半導体レーザ
ーダイオード、発光ダイオードなどデバイスを動作させ
た際に生じる熱を、外部に効率的に逃がすヒートシンク
用の素材として、他の材料に比べて極めて高い熱電導率
を有するダイヤモンドを用いることが試みられている。
現在ヒートシンクに用いられるダイヤモンドとしては、
天然または合成による単結晶ダイヤモンド、あるいは合
成による多結晶ダイヤモンドが用いられている。
【0003】これらのダイヤモンドを素材とするヒート
シンクは、次に示すようにして製造される。すなわち、
第一の製造方法として、ダイヤモンドの上下面が平行に
なるように研削した後、ダイヤモンドソーを用いて所定
の大きさに切断し、切断したダイヤモンドを隙間なく平
らに並べて、その上下面にメタライジング層を形成させ
る。または、上記のようにダイヤモンドを所定の大きさ
に切断し、最終形状に仕上げ加工した後、その全面にメ
タライジング層を形成させ、上下二面を残し、他の側面
をダイヤモンド研磨してメタライジング層を除去する。
このようにして、上下面にメタライジング層を有するダ
イヤモンドヒートシンクが得られる。
【0004】また第二の製造方法として、ダイヤモンド
の上下面が平行になるように研削した後、その上下面に
メタライジング層を形成させ、次いでダイヤモンドソー
を用いて所定の大きさに切断し、最終形状に仕上げ加工
する。
【0005】上記の製造方法に第一の方法においては、
個々のヒートシンクの大きさに切断分割した後、それら
を並べ直してメタライジング層を形成させるか、または
個々の分割体の全面にメタライジング層を形成させ、次
いで側面のみ研磨除去する、といった煩雑な工程を必要
とし、極めて生産性に欠ける。
【0006】また上記の第一の製造方法および第二の製
造方法においては、個々のヒートシンクの大きさに分割
するのにダイヤモンドソーを用いるが、高精度で切断す
るのが困難であり、かつ切断の切りしろが多く、ダイヤ
モンドの歩留まりが悪い。
【0007】上記の欠点を克服するダイヤモンドヒート
シンクの製造方法として、特開平 5−114677号公報に記
載の方法が開示されている。この製造方法は、気相合成
されたダイヤモンド多結晶体の上下二面に金属化処理を
施した後、その片面、または両面に縦横方向にYAGレ
ーザーを用いて溝を形成し、次いでその溝に楔をあてが
ってプレスすることにより溝に沿って個々のヒートシン
クの大きさに分割するか、またはダイヤモンド多結晶体
の片面、または両面に縦横方向にYAGレーザーを用い
て溝を形成した後金属化処理を施し、次いでその溝に楔
をあてがってプレスすることにより溝に沿って個々のヒ
ートシンクの大きさに分割するものである。
【0008】この方法を用いることにより、切断しろが
少なく歩留まり良く、容易に高い量産性でダイヤモンド
ヒートシンクが得られるとしている。しかしながら、こ
の方法によると、ダイヤモンドはYAGレーザーを用い
て溝が形成された後折って分割されるため、曲げ強度が
高い単結晶のダイヤモンドを素材とした場合は分割する
際に亀裂が生じ安くまた欠損も大きくなるため、この製
造方法には、多結晶のダイヤモンドしか適用することが
できない。さらに、ダイヤモンド多結晶体に金属化処理
を施した後YAGレーザーを用いて溝を形成した場合
は、レーザーのアブレーションによって金属化処理層や
その下層のダイヤモンド層からの炭素が気化し飛散し、
再び金属化処理層に付着し、金属化処理層の導電性を劣
化させる。そして、この再付着した付着物を除去するこ
とは、極めて困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する技術課題は、全てのダイヤモンド素材に適用可能で
かつ、メタライズ層(金属化処理層)を形成させたダイ
ヤモンドをYAGレーザーを用いて切断する際に、レー
ザーのアブレーションによって生じるメタライズ層の劣
化を防止することが可能で、さらに高精度に切断可能な
ダイヤモンドヒートシンクの製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、ダイヤ
モンドの上下二面にメタライズ層を設け、さらに上層と
して保護皮膜を形成させ、次いでYAGレーザーを用い
て切断分割し、その後前記保護皮膜を除去することを特
徴とするダイヤモンドヒートシンクの製造方法である。
また本発明の第2は、ダイヤモンドの上下二面にメタラ
イズ層を設け、その片面にさらに上層として局部的にろ
う付け層または半田めっき層からなる接着層を設けた
後、その上下二面に保護皮膜を形成させ、次いでYAG
レーザーを用いて前記接着層で被覆されない非被覆部に
沿って切断分割し、その後前記保護皮膜を除去すること
を特徴とするダイヤモンドヒートシンクの製造方法であ
り、前記非被覆部の幅が前記YAGレーザーによる切断
の切断幅より広いことを特徴とし、またフォトレジスト
法を用いて、前記非被覆部とするレジスト塗布部を前記
メタライズ層上に設け、次いで前記レジスト塗布部以外
の非レジスト塗布部に前記接着層を形成させた後、前記
レジスト塗布部のレジスト膜を除去することを特徴とす
る。また本発明の第2のダイヤモンドヒートシンクの製
造方法は、前記非被覆部に沿って前記YAGレーザーで
切断し、切断後に前記非被覆部を局部的に残存させるこ
とを特徴とし、また前記非被覆部が前記メタライズ層上
に縦横方向に設けられ、この前記非被覆部に沿って前記
YAGレーザーで切断する際に、切断された後の個々の
ヒートシンクの前記メタライズ層および前記接着層が形
成された矩形の面において、縦横いずれかの少なくとも
一つの辺の縁には前記非被覆部が残存しないように切断
することを特徴とする。さらに本発明の第1および第2
のダイヤモンドヒートシンクの製造方法は、前記保護皮
膜が、ZnO、Ta25、SiO2 、BN、C(炭
素)、ITO(インジウム錫酸化物)のいずれかからな
ることを特徴とし、また前記保護皮膜を、水、酸または
アルカリ水溶液中、もしくは有機溶剤中に浸漬して除去
することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、ダイヤモンドにメ
タライズ層を形成させた後、その上層に保護皮膜を設
け、YAGレーザー等を用いて切断した後、保護皮膜を
除去することにより、全てのダイヤモンド素材に適用可
能でかつ、メタライズ層を形成させたダイヤモンドをY
AGレーザーを用いて切断する際に、レーザーのアブレ
ーションによって生じるメタライズ層の劣化を防止する
ことが可能で、さらに高精度に切断可能であることを見
出した。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明に用いるダイヤモンド素材について説明する。本発
明においてはダイヤモンドの切断は、YAGレーザーの
みによる切断で完了するので、ダイヤモンド素材として
は合成ダイヤモンドまたは高圧合成ダイヤモンド、ある
いは天然ダイヤモンドのいずれを用いても差し支えな
い。また単結晶体ダイヤモンド、あるいは多結晶体ダイ
ヤモンドのいずれも適用可能である。しかし、本発明に
おいてはヒートシンクを歩留まり良く製造することを目
的とし、1回の工程で可能な限り広い面積にメタライズ
層を形成させた後、1回のYAGレーザーによる切断工
程で可能な限り多数のヒートシンクに分割することを可
能とするため、マイクロ波プラズマCVD法などの気相
合成法を用いて製造されたダイヤモンドを用いることが
好ましい。
【0013】上記のいずれかのダイヤモンドは、厚さ
0.1〜1.0mm、縦 0.3〜50mm、横 0.3〜5
0mmの寸法を有し、またダイヤモンド層の絶縁性を確
保するために 109Ω・cm以上の比抵抗を有している
ことが好ましい。 さらに良好な放熱性を確保するた
め、3〜21W/cm・Kの範囲の熱伝導率を有してい
ることが好ましい。
【0014】上記のようにして得られたダイヤモンドの
上下面を研磨し、次いで水素プラズマクリーニングを施
した後、DCマグネトロンスパッタ法を用いてメタライ
ズ層を形成させる。メタライズ層はW、Ti、Mo、N
i、Cr、Pt、Pd、Au、Ag、Cuの1種以上で
1層以上の単体膜、合金膜、または複合膜であることが
好ましく、ダイヤモンドと化学的に反応して接着力を向
上させ、耐熱性を有し、かつろう付けが可能であること
が必要である。メタライズ層の厚さは100〜5000
nmの範囲が好ましい。
【0015】上記のメタライズ層はそれ自体でろう付け
が可能であることが好ましいが、半導体レーザーチップ
のように高温では破壊するようなデバイスをヒートシン
クに低温でろう付けを可能とするために、上記のメタラ
イズ層を形成させた上下面のどちらか一方の面上に、比
較的低温でろう付けが可能な接着層を設けることが好ま
しい。このようなろう付け層としては、例えばRFマグ
ネトロンスパッタ法で形成されるAu−Sn合金層など
がある。また、この接着層はいわゆる半田めっき層であ
ってもよい。半田めっき層は湿式めっき法、またはRF
スパッタ法のいずれの方法を用いて施してもよい。半田
はPb/Snが1/9〜6/4の範囲の合金組成である
ことが好ましい。接着層の厚さは 0.5〜5μmの範囲
が好ましい。
【0016】上記の接着層は上記のメタライズ層の全面
を被覆せず、非被覆部を設け、さらに次工程で保護皮膜
を形成させた後、その非被覆部に沿ってYAGレーザー
を用いて切断分割するようにする。そして非被覆部の幅
はYAGレーザーによる切断の切断幅より広く、100
〜500μmであることが好ましい。
【0017】この非被覆部は次のようにして設けること
ができる。すなわち、フォトレジスト法を用いて、メタ
ライズ層上の非被覆部とする部分にレジストを塗布し、
次いでレジスト塗布部以外のレジストを塗布していない
部分に接着層を形成させた後、レジスト塗布部のレジス
ト膜を除去する。
【0018】上記のようにしてメタライズ層上に接着層
と非被覆部を設け、その上に保護皮膜を形成させた後、
非被覆部に沿って前記YAGレーザーで切断するが、そ
の際に切断後に前記の非被覆部を局部的に残存させる。
これは、メタライズ層に電圧を印加するための金製のリ
ード線を、ワイヤーボンディング法などを用いて溶着す
る部分とするためである。
【0019】ヒートシンクは、通常は立方体ないしは立
方体に近い直方体の形状で用いられるので、前記の非被
覆部はメタライズ層上に図1に示すように縦横方向に設
けられ、この非被覆部に沿ってYAGレーザーで切断す
る。したがって、切断された個々のヒートシンクのメタ
ライズ層および接着層が形成された面は正方形ないしは
正方形に近い矩形となるが、この矩形の面において、図
2に示すように、縦横いずれかの少なくとも一つの辺の
縁にはこの非被覆部が残存せず、接着層が残存するよう
に切断する。これは、半導体レーザー等のデバイスがヒ
ートシンクに接着された後に、レーザー発光面の位置
を、この縁に接着層が残存した辺を基準として設けるた
めである。
【0020】次に、ダイヤモンドに上記のメタライズ
層、またはメタライズ層と接着層および非被覆部を形成
させた後、その上に保護皮膜を形成させる。この保護皮
膜は次の工程でメタライズ層、および接着層を形成させ
たダイヤモンドをYAGレーザーで切断する際に、メタ
ライズ層、および接着層がレーザーのアブレーションに
よって劣化するのを防止するために施される。そのた
め、保護皮膜はYAGレーザーの加熱に耐える十分な耐
熱性を有する物質からなる必要がある。また、この保護
皮膜はYAGレーザーで切断分割後、メタライズ層、お
よび接着層が劣化することなく、容易に除去可能な物質
からなるものでなくてはならない。これらの要求を満足
させる物質としては、炭素、炭化物、酸化物、窒化物な
どがあるが、中でもZnO、Ta25、SiO2 、IT
O(インジウム錫酸化物)、BN、炭素が好ましい。こ
れらの保護皮膜はRFマグネトロンスパッタ法により、
前記のメタライズ層、または接着層の上に形成される。
【0021】次いで、上記のようにしてメタライズ層、
またはメタライズ層と接着層、および保護皮膜が形成さ
れたダイヤモンドを、YAGレーザーを用いて所定の寸
法に切断する。YAGレーザーによる切断は極めて高精
度の切断寸法が得られ、また切断しろが極端に少なく、
高歩留まりでダイヤモンドヒートシンクを得ることがで
きる。さらに、保護皮膜が形成されているため、メタラ
イズ層および接着層を劣化させることなく、切断分割す
ることができる。切断後の各ダイヤモンドヒートシンク
の寸法は、厚さ0.1〜1.0mm、縦0.3〜50m
m、横0.3〜50mmの寸法を有していることが好ま
しい。
【0022】最後に、分割切断されたダイヤモンドヒー
トシンクのメタライズ層および接着層の上に形成された
保護皮膜を除去する。除去は保護皮膜を損なうことな
く、短時間で容易に剥離可能な方法を用いる必要があ
る。このためには水、塩酸またはフッ化水素酸などの酸
の水溶液、、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液、
もしくはエタノールなどの有機溶剤中に浸漬する方法を
用いる。酸またはアルカリ水溶液を用いるばいは、高濃
度の水溶液を用いても除去に必要な時間は短縮されず、
メタライズ層または接着層が溶解する危険性が増加する
ので、20%以下の濃度の水溶液を用いることが好まし
い。
【0023】
【実施例】以下、本発明について、実施例によりさらに
具体的に説明する。 (実施例1) [ダイヤモンドの作成]マイクロ波CVD法を用いて、厚
さ 0.35mm、縦25mm、横25mmのダイヤモン
ドを作成した。このダイヤモンドの上下面を研磨し、
0.25mmの厚さとした。なお、このようにして得ら
れたダイヤモンドの比抵抗は 109Ω・cm、熱伝導率
は13W/cm・Kであった。
【0024】[メタライズ層の形成]研磨されたダイヤモ
ンドを水素プラズマでクリーニングした後、この上下面
にDCマグネトロンスパッタ法を用いて、Ti、Pt、
Auの順に各層を形成させた。各層の厚さは、Ti:1
00nm、Pt:100nm、Au:500nmとし
た。
【0025】[接着層および非被覆部の形成]このメタラ
イズ層が形成されたダイヤミンドの片面に、フォトレジ
スト法を用いて図1に示すような、縦横方向に幅 0.4
mmのレジスト塗布部と、そのレジスト塗布部に囲まれ
た個々の縦横の寸法が 0.5mmの正方形となるような
非レジスト塗布部を形成させた後、この上にRFマグネ
トロンスパッタ法を用いてAu−Sn合金層(Au/S
n=80重量%/20重量%)を2.8μmの厚さで形
成させた。次いで、Au−Sn合金層が形成されなかっ
た非被覆部に塗布されたレジスト膜を除去した。このよ
うにして、メタライズ層上に非被覆部を有する接着層が
得られた。
【0026】[保護皮膜層の形成]このメタライズ層とさ
らに片面に非被覆部を有する接着層が形成されたダイヤ
モンドの両面に、RFマグネトロンスパッタ法を用い
て、表1に示す保護皮膜を形成させた。
【0027】[切断分割]上記のようにして各種の皮膜が
形成されたダイヤモンドを、Nd−YAGレーザーを用
い、下記の条件で切断分割した。 平均出力 : 30W Qスイッチ周波数: 5kHz 加工速度 : 15mm/sec スキャン回数 : 20回 切断幅 :100μm 切断は、図1に示すメタライズ層に設けた接着層の非被
覆部に沿ってレーザービームを走査させて実施した。そ
の際に、分割された後の個々のダイヤモンドの各種の皮
膜が形成された正方形の面において、図2に示すよう
に、正方形の一辺の縁には非被覆部が残存しないように
切断した。
【0028】[保護皮膜の除去]上記のようにして切断分
割されたダイヤモンド上に残存している保護皮膜を、表
1に示す条件で除去した。以上のようにしてヒートシン
ク用ダイヤモンドが得られた。このヒートシンクに形成
されているメタライズ層に金製のリード線をワイヤーボ
ンディング法を用いて溶着したところ、十分な接着力で
溶着することが可能であった。
【0029】(実施例2) [ダイヤモンドの作成]ダイヤモンドの生成に高圧合成法
を用いて、厚さ 0.3mm、縦3mm、横1mmのダイ
ヤモンドを作成した。得られたダイヤモンドの比抵抗は
1016Ω・cm、熱伝導率は20W/cm・Kであっ
た。 [メタライズ層の形成]実施例1と同一の条件で同一のメ
タライズ層を形成させた。
【0030】[接着層および非被覆部の形成]このメタラ
イズ層が形成されたダイヤミンドの片面に、実施例1と
同様にしてレジスト塗布部と非レジスト塗布部を形成さ
せた後、この上にRFマグネトロンスパッタ法を用いて
Pb−Sn合金層(Pb/Sn=30重量%/70重量
%)を3.1μmの厚さで形成させた。次いでPb−S
n合金層が形成されなかった非被覆部に塗布されたレジ
スト膜を除去した。このようにして、メタライズ層上に
非被覆部を有する接着層が得られた。
【0031】[保護皮膜層の形成]このメタライズ層とさ
らに片面に非被覆部を有する接着層が形成されたダイヤ
モンドの両面に、RFマグネトロンスパッタ法を用い
て、表1に示す保護皮膜を形成させた。
【0032】[切断分割]上記のようにして各種の皮膜が
形成されたダイヤモンドを、実施例1と同様にして切断
分割した。
【0033】[保護皮膜の除去]上記のようにして切断分
割されたダイヤモンド上に残存している保護皮膜を、表
1に示す条件で除去した。以上のようにしてヒートシン
ク用ダイヤモンドが得られた。このヒートシンクに形成
されているメタライズ層に金製のリード線をワイヤーボ
ンディング法を用いて溶着したところ、十分な接着力で
溶着することが可能であった。
【0034】(実施例3) [ダイヤモンドの作成]天然のダイヤモンドIaを用い
て、厚さ 0.3mm、縦3mm、横1mmのダイヤモン
ドを作成した。得られたダイヤモンドの比抵抗は1010
Ω・cm、熱伝導率は10W/cm・Kであった。 [メタライズ層の形成]実施例1と同一の条件で同一のメ
タライズ層を形成させた。
【0035】[接着層および非被覆部の形成]このメタラ
イズ層が形成されたダイヤミンドの片面に、実施例1と
同様にしてレジスト塗布部と非レジスト塗布部を形成さ
せた後、この上に市販のPb−Sn合金めっき浴(日本
リーロナール(株)製)を用いてPb−Sn合金層(P
b/Sn=40重量%/60重量%)を3.0μmの厚
さに電気めっきした。次いでPb−Sn合金層が形成さ
れなかった非被覆部に塗布されたレジスト膜を除去し
た。このようにして、メタライズ層上に非被覆部を有す
る接着層が得られた。
【0036】[保護皮膜層の形成]このメタライズ層とさ
らに片面に非被覆部を有する接着層が形成されたダイヤ
モンドの両面に、RFマグネトロンスパッタ法を用い
て、表1に示す保護皮膜を形成させた。
【0037】[切断分割]上記のようにして各種の皮膜が
形成されたダイヤモンドを、実施例1と同様にして切断
分割した。
【0038】[保護皮膜の除去]上記のようにして切断分
割されたダイヤモンド上に残存している保護皮膜を、表
1に示す条件で除去した。以上のようにしてダイヤモン
ドヒートシンクが得られた。このヒートシンクに形成さ
れているメタライズ層に金製のリード線をワイヤーボン
ディング法を用いて溶着したところ、十分な接着力で溶
着することが可能であった。
【0039】
【0040】(比較例)実施例1と同様にしてダイヤモ
ンドを作成し、その両面にメタライズ層を形成し、さら
にその上に実施例1と同様の接着層および非被覆部を形
成させた。このようにして得られたメタライズ層と接着
層を有するが、そのさらに上に保護皮膜を形成しないダ
イヤモンドを、実施例1と同様にしてYAGレーザーで
切断分割したところ、メタライズ層にレーザーアブレー
ションによる付着物が生成し、この部分に金製のリード
線を、ワイヤーボンディング法を用いて溶着することが
できなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明はダイヤモンドにメタライズ層を
形成させ、その上層に接着層および非被覆部を形成さ
せ、次いでその上層に保護皮膜を設け、YAGレーザー
等を用いて切断した後、保護皮膜を除去することによ
り、YAGレーザーを用いて切断するダイヤモンドヒー
トシンクの製造方法であり、本発明の方法を用いること
により、YAGレーザーによる切断分割に際して、レー
ザーのアブレーションによって生じるメタライズ層の劣
化を生じることなく切断分割することが可能となる。ま
た、YAGレーザーのみで切断するため、高精度に切断
可能であり、さらに全てのダイヤモンド素材に適用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダイヤモンドに形成させたメタライ
ズ層のさらに上に形成させた接着層と非被覆部を示す平
面図である。
【図2】 本発明のYAGレーザーで切断分割された後
の、個々のヒートシンクのダイヤモンド上に形成され
た、メタライズ層上に形成された接着層と非被覆の一関
係を示す平面図である。
【符号の説明】
1:メタライズ層およびその上に形成された接着層と非
被覆部を有するダイヤモンド 2:メタライズ層が接着層で被覆されている部分 3:メタライズ層が接着層で被覆されていない非被覆部 4:ヒートシンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−186276(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/36 - 23/373

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンドの上下二面にメタライズ層
    を設け、さらに上層として保護皮膜を形成させ、次いで
    YAGレーザーを用いて切断分割し、その後前記保護皮
    膜を除去することを特徴とする、ダイヤモンドヒートシ
    ンクの製造方法。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンドの上下二面にメタライズ層
    を設け、その片面にさらに上層として局部的にろう付け
    層または半田めっき層からなる接着層を設けた後、その
    上下二面に保護皮膜を形成させ、次いでYAGレーザー
    を用いて前記接着層で被覆されない非被覆部に沿って切
    断分割し、その後前記保護皮膜を除去することを特徴と
    するダイヤモンドヒートシンクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記非被覆部の幅が前記YAGレーザー
    による切断の切断幅より広いことを特徴とする請求項2
    に記載のダイヤモンドヒートシンクの製造方法。
  4. 【請求項4】 フォトレジスト法を用いて、前記非被覆
    部とするレジスト塗布部を前記メタライズ層上に設け、
    次いで前記レジスト塗布部以外の非レジスト塗布部に前
    記接着層を形成させた後、前記レジスト塗布部のレジス
    ト膜を除去することを特徴とする請求項2又は3に記載
    のダイヤモンドヒートシンクの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非被覆部に沿って前記YAGレーザ
    ーで切断し、切断後に前記非被覆部を局部的に残存させ
    ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のダ
    イヤモンドヒートシンクの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記非被覆部が前記メタライズ層上に縦
    横方向に設けられ、この前記非被覆部に沿って前記YA
    Gレーザーで切断する際に、切断された後の個々のヒー
    トシンクの前記メタライズ層および前記接着層が形成さ
    れた矩形の面において、縦横いずれかの少なくとも一つ
    の辺の縁には前記非被覆部が残存しないように切断する
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のダイ
    ヤモンドヒートシンクの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記保護皮膜が、ZnO、Ta25、S
    iO2 、BN、C(炭素)、ITO(インジウム錫酸化
    物)のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載のダイヤモンドヒートシンクの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記保護皮膜を、水、酸またはアルカリ
    水溶液中、もしくは有機溶剤中に浸漬して除去すること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のダイヤモ
    ンドヒートシンクの製造方法。
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