JPH06304444A - 高性能排煙脱硫方法 - Google Patents

高性能排煙脱硫方法

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JPH06304444A
JPH06304444A JP5094300A JP9430093A JPH06304444A JP H06304444 A JPH06304444 A JP H06304444A JP 5094300 A JP5094300 A JP 5094300A JP 9430093 A JP9430093 A JP 9430093A JP H06304444 A JPH06304444 A JP H06304444A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硫黄酸化物を含む排ガスの高性能脱硫方法に
関する。 【構成】 硫黄酸化物を含む燃焼排ガスを脱硫装置に導
き、アルカリ物質を吸収剤とする吸収液によって排ガス
中の硫黄酸化物の大部分を除去し、さらに内管内部をア
ルカリ吸収液の通路とし、同内管と外管の間を該脱硫装
置を通過した燃焼排ガスの通路とする二重管からなり、
前記内管壁に比較的小径の吸収液流出口を、同流出口に
向い合う前記外管壁に同流出口より大径の燃焼排ガス噴
出口をそれぞれ設けた噴霧装置を使用して脱硫する二段
脱硫を行わせる高性能排煙脱硫方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石炭焚きボイラ排ガスの
如き硫黄酸化物を含む排ガスの脱硫方法に関するもの
で、特に処理排ガス中の硫黄酸化物濃度を従来技術で達
成し得なかった低濃度レベルにまで、経済的に脱硫でき
る高性能排煙脱硫方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】湿式石灰法や湿式ソーダ法、湿式水酸化
マグネシウム法などの排煙脱硫装置は既に多数が実用に
供されている。例えば事業用火力発電所の大型排煙脱硫
装置として主流を占める湿式石灰石膏法は硫黄酸化物を
含む排ガスをグリッドを充填した吸収部に導き、CaC
3 と反応によって生成したCaSO4 ・2H2 Oを含
むスラリ状吸収液と気液接触しCaSO4 ・2H2 Oを
生成し脱硫している。この吸収部での脱硫性能はL/G
{アルカリ吸収液量(リットル/hr)/処理ガス量
(m3 N/h)}=10〜20、pH=5〜7の条件下
で脱硫率が90〜96%が得られる。硫黄酸化物を吸収
した吸収液は吸収部の下部に設けられたタンクに流下
し、アーム回転式スパージャなどにより空気を微細な気
泡として吹き込み吸収液中の亜硫酸イオン(HS
3 - )の酸化を促進し脱硫性能の向上を計ると共にC
aCO3 による中和反応によりCaSO4 ・2H2 Oを
生成する。このスラリを含む吸収液は硫黄酸化物の吸収
剤として循環使用されるが、その一部を抜き出し遠心分
離機にて固液分離されCaSO4 ・2H2 Oは副生石膏
として回収される。
【0003】また、本発明者らは先に従来の脱硫装置の
吸収塔出口後流部に付設した微細化噴霧装置によりアル
カリ吸収液を噴霧する2段脱硫方法を提供した(特願平
4−298378号)。すなわち、アルカリ吸収液を3
0〜500μmに微細化することにより、液滴の表面積
を増大し気液接触面積を大きくしてSO2 の吸収効率を
高める方法である。その結果、L/G{アルカリ吸収液
量(リットル/hr)/処理ガス量(m3 N/h)}=
0.05〜2程度でも十分にSO2 吸収性能を発揮する
こととなり従来方式の脱硫装置を2塔設置するのに比較
して費用の低減、装置の簡略化が可能となる方法を提供
した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】地球環境保護がクロー
ズアップされている現在、とりわけ酸性雨問題は深刻で
あり世界的に排煙脱硫装置の普及が進められており、経
済的で高性能な排煙脱硫技術の改良開発がなされてきた
が、従来技術では脱硫性能に限界があった。
【0005】例えば、石炭焚きボイラ排ガスのごとき数
千ppmの高濃度硫黄酸化物を含む排ガスに対し従来の
湿式石灰石膏法による脱硫装置でL/G{アルカリ吸収
液量(リットル/hr)/処理ガス量(m3 N/h)=
10〜20}、pH=5〜7の条件下で脱硫装置を運用
することにより脱硫率が90〜96%が得られる。この
ような高性能な脱硫装置においても、入口排ガス中の硫
黄酸化物濃度が高いと数十ppmの硫黄酸化物が大気中
に排出されることとなり、地球環境保護が叫ばれている
今日においては、さらに硫黄酸化物濃度を下げる努力が
必要であり、1ppm以下のレベルまでに硫黄酸化物濃
度を下げ得ればより理想的である。その手段としては、
従来法の脱硫装置を2系列並べた2塔式脱硫装置にする
ことにより解決されるが、費用が多大で経済的でない。
従ってより経済的で高性能な脱硫方式が望まれている。
【0006】一方酸性雨で特に問題となるSO3 ミスト
は超微細粒子であるため、従来の脱硫装置では除去性能
が悪い。硫黄酸化物濃度を1ppm以下のレベルにまで
脱硫しようとする場合は、SO2 の吸収率を極めて向上
させるばかりでなく、SO3の除去をも考慮することが
必要となってくる。
【0007】本発明者らは上記問題を解決するために、
先の提案(特願平4−298378号)方法により脱硫
装置の吸収塔出口後流部に微細化噴霧装置を付設してア
ルカリ吸収液を噴霧する2段脱硫方法を提供した。この
方法はアルカリ吸収液を30〜500μmに微細化し、
液滴の表面積を増大してSO2 の吸収効率を高める方法
であって、SO2 の吸収効率が大幅に改善され、高性能
脱硫方法として非常に有益な方法である。
【0008】しかしながら、該提案方法を広く普及さす
ためには、さらに安価で構造が簡単で、取り扱いが容易
で、しかも脱硫性能をさらに高めた噴霧装置を開発する
必要がある。
【0009】すなわち、従来の噴霧装置は通常液を単一
ノズルから噴霧させただけでは30〜300μmの微細
粒子を生成さすのは困難で、一般には空気と液を同時に
噴霧する二流体噴霧ノズルを使用するが、この二流体噴
霧ノズルは空気の噴霧圧力を1〜7kg/cm2 Gと圧
力の高い空気を大量に必要とし、しかも空気消費率{噴
霧空気流量(kg/h)/噴霧液供給量(kg/h)×
100}が30〜50wt%と大量の空気を必要とし、
その動力費が高い欠点がある。また、超音波噴霧装置の
使用も考えられるが、このものは単一機器当りの噴霧流
量が少ないため、高価な超音波噴霧装置を多数要し、事
業用火力発電所のごとく大量の排ガスを処理するために
は経済面で難があった。また装置の取扱いが面倒などの
問題があった。
【0010】本発明は上記技術水準に鑑み、特に、先の
提案方法(特願平4−298378号)をさらに改良
し、効率よく99%以上の脱硫が達成できる高性能排煙
脱硫方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は硫黄酸化物を含
む燃焼排ガスを脱硫装置に導き、アルカリ物質を吸収剤
とする吸収液によって排ガス中の硫黄酸化物の大部分を
除去し、さらに内管内部をアルカリ吸収液の通路とし、
同内管と外管の間を前記脱硫装置を通過した燃焼排ガス
の通路とする二重管からなり、前記内管壁に比較的小径
の吸収液流出口を、同流出口に向い合う前記外管壁に同
流出口より大径の燃焼排ガス噴出口をそれぞれ設けた噴
霧装置を使用して脱硫する二段脱硫を行わせることを特
徴とする高性能排煙脱硫方法である。
【0012】すなわち、石炭焚きボイラ排ガスの如き高
濃度のSO2 を含む排ガスは、従来の脱硫装置による第
一段目の脱硫工程で大部分のSO2 を除去し、良質の副
生品を得ると共に、第一段目の脱硫工程で除去しえなか
った残留SO2 については、後流部に設置した噴霧装置
によって微細噴霧されたアルカリ吸収液によって吸収除
去される。ここで従来の二流体噴霧ノズルでは空気の噴
霧圧力を1〜7kg/cm2 Gと圧力の高い空気を大量
に必要とし、しかも空気消費率が30〜50wt%と大
量の空気を必要とし、その動力費が高いなどの欠点があ
り、また、超音波噴霧装置では噴霧流量が少なく、高価
等の問題点があったが、本発明に供した噴霧装置は内管
壁に設けられた径2mm程度の流出口からアルカリ吸収
液が約1m/sの速度で流出し、また外管壁に設けられ
た径8mm程度の流出口から、硫黄酸化物を含む燃焼排
ガスの一部が50m/s以上の流速で噴出される。この
時、内管の外面と外管の内面管に形成される隙間は約3
mm程度である。ここで内管から流出するアルカリ吸収
液の周りに硫黄酸化物を含む燃焼排ガスによるガス流が
形成され、アルカリ吸収液はこの高速のガス流で霧状に
微粒子化される。この液体とガス体の噴出割合をコント
ロールすることにより、10μm〜数百μmの微細粒子
が容易に得られる。
【0013】ここでアルカリ吸収液が微細化されること
により、液滴の表面積が増大し気液接触面積が大きくな
って、SO2 の吸収効率が高まるのは従来法と同じであ
るが、本発明の特徴は硫黄酸化物を含む高流速の燃焼排
ガスで、アルカリ吸収液を霧状に微粒子化するため、噴
出口付近での液とガスとの接触効率が増し燃焼排ガス中
の硫黄酸化物の吸収効率が著しく向上する。従って総合
の脱硫率は従来方法に比べ増大する利点を有する。また
本発明で用いる噴霧装置は大径の外管とそれより小径で
外管との間に隙間の形成される内管だけになり、構造が
著しく簡単になると共に、ガス体の圧力も1000mm
2 O以下の低圧でよく、動力費が大幅に低減される。
また、空気の如く余分なガス体を導入しないため、排ガ
ス量の増加がなく後流機器の負荷が低減される。噴霧穴
を多く設けることで噴霧液量を増大さすことが簡単にで
き、高価な装置を多数必要とする超音波噴霧装置に比べ
より経済的である。SO2 の吸収効率が増すため、従来
法に比べL/Gを低くしても十分にSO2 吸収性能を発
揮することとなり、噴霧液量も少なくてすむ。
【0014】しかも、第2段目の脱硫工程ではSO2
荷も低いため、アルカリ吸収液濃度も低い領域で十分S
2 除去が可能で噴出口での詰りの発生もない。第2段
目の脱硫工程で使用する吸収液は第1段目の脱硫工程で
使用する吸収液(例えばCaCO3 )をそのまま使用す
ることもできるが、新たに調整した他のアルカリ吸収
液、例えばNa2 CO3 吸収液を使用することにより、
SO2 を吸収してNa2SO4 となった吸収液が、第1
段目の脱硫工程に戻されることにより、第1段目の脱硫
工程でのイオン強度が増し、CaCO3 の溶解速度が大
きくなって、SO 2 の吸収率が向上する相乗効果が生じ
る。なおNa2 SO4 を第1段目の脱硫工程に戻したと
しても、SO2 負荷が極めて低い領域で使用しているた
め、その濃度は薄く、第1段目の脱硫工程で生成する副
生品の純度は特に問題ない。
【0015】一方、酸性雨で特に問題となるSO3 ミス
トは超微細粒子であるため、従来の脱硫装置では除去性
能が悪かったが、本発明による微細化噴霧装置からの微
細な吸収液を噴霧させることで、SO3 ミストを一次的
に凝集肥大させることができ、後流部に設置する例えば
湿式電気集塵器、またはエリミネータで大部分が捕集さ
れ、排煙脱硫装置からの硫黄酸化物(SO2 とSO3
の排出濃度レベルを1ppm以下にすることができ、極
めて高い脱硫性能が発揮される。
【0016】なお微細化噴霧装置で使用するアルカリ吸
収液はCaCO3 、Na2 CO3 以外にもNaOH、K
OK、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 、NH4 OH、
2CO3 、MgCO3 、(NH4 2 CO3 、NaH
CO3 、KHCO3 、Mg(HCO3 2 、NH4 HC
3 などSO2 を吸収して酸化された硫酸塩が水溶性の
化合物になるものが代替使用できる。
【0017】
【作用】硫黄酸化物を含む燃焼排ガスを既存の脱硫工程
に導き、吸収剤として例えばCaCO3 を使用し、この
吸収液と気液接触させSO2 の大部分を吸収除去する。
脱硫率は排ガス負荷及びL/G(液/ガス比)によって
若干異なるものの90〜96%となる。次に既存の脱硫
装置で吸収除去しえなかった硫黄酸化物は本発明方法の
噴霧方式による2段目の脱硫方式によって、より経済的
に効率よく脱硫することが可能となる。
【0018】すなわち、噴霧装置の内管から流出するア
ルカリ吸収液の周りに硫黄酸化物を含む燃焼排ガスが高
速で噴出されるため、アルカリ吸収液を霧状に微粒子化
すると同時に、噴出口付近での液とガスとの接触効率が
著しく増大し、従来法に比べ脱硫率が向上する。また、
噴霧装置の構造が簡単で1000mmH2 O以下の低噴
霧圧でよく、動力費が大幅に低減される。また、2段脱
硫方式を採用することにより、第2段目の脱硫工程で生
成したNa2 SO4 が第1段目の脱硫工程に戻されるこ
とにより、イオン強度が増し、第1段目の脱硫工程の脱
硫率が向上する相乗効果も生じる。
【0019】
【実施例】本発明方法の1実施例の態様を図1に基づい
て説明する。石炭焚きボイラ排ガスの如き硫黄酸化物を
含む排ガス1は既存の脱硫装置2に導かれる。脱硫装置
2では経路15から送られるCaCO3 と反応によって
生成したCaSO4 ・2H2 Oを含むスラリ状吸収液6
がポンプ9により経路10を介して脱硫装置2内のノズ
ル3から噴出される。スラリ状吸収液はグリッドを充填
した吸収部4で高濃度の硫黄酸化物を含む排ガスと気液
接触し、CaSO4 ・2H2 Oを生成し脱硫する。また
硫黄酸化物を吸収した吸収液6は経路8から供給された
空気がアーム回転式スパージャ7で微細な気泡としてタ
ンク5内に吹き込まれることにより、亜硫酸イオン(H
SO3 - )の酸化が促進され、SO2 の吸収率の向上を
計ると共にCaCO3 による中和反応によりCaSO4
・2H2Oが生成される。生成したCaSO4 ・2H2
Oを含むスラリ状吸収液6の一部は経路11から抜き出
され、遠心分離機12で固液分離され副生石膏13が回
収される。固液分離後の液は経路14にてタンク5内に
戻される。
【0020】一方、大部分の硫黄酸化物が除去された排
ガスは煙道16を介して微細化噴霧装置17に導かれ
る。この微細化噴霧装置17には経路26から供給され
る例えばNa2 CO3 がタンク20を経て、ポンプ21
及び経路22を介してアルカリ吸収液として供給される
と共に、ブロワ24から供給される硫黄酸化物を含む燃
焼排ガスが経路25を介して供給され、アルカリ吸収液
が微細化噴霧される。
【0021】噴霧装置17から噴霧されたアルカリ吸収
液により残留硫黄酸化物が除去された排ガスは微細水滴
捕集器18(例えば湿式電気集塵器またはミストエリミ
ネータ)に導かれミストを除去したのち排ガス27とし
て排出される。微細水滴捕集器18で捕集されたミスト
は経路19にてタンク20に抜き出される。タンク20
に抜き出されたアルカリ吸収液の一部はポンプ21及び
経路23を介して、第1段目の脱硫工程であるタンク5
に戻され、第1段目の脱硫工程吸収液のイオン強度をア
ップさせ活性向上を計る。
【0022】こゝで微細化噴霧装置17を図2、図3に
よって説明する。図2は微細化噴霧装置の断面図、図3
は微細化噴霧装置の設置状態を示す概略斜視図である。
図2、図3に示すように、微細化噴霧装置17は内管2
8内部をアルカリ吸収液通路28aとし、該内管28と
外管29の間を硫黄酸化物を含む燃焼排ガス通路29a
とする二重管からなり、前記内管壁に比較的小径の吸収
液流出口30を、同流出口に向い合う前記外管壁に同流
出口より大径の硫黄酸化物を含む燃焼排ガス噴出口31
をそれぞれ設けた噴霧ノズルである。すなわち、経路2
2から供給されたアルカリ吸収液28aは内管28の壁
に設けられた液体流出口30から流出する一方、経路2
5から供給された硫黄酸化物を含む燃焼排ガスは外管2
9に設けられたガス噴出口31から高速で噴出される。
この際アルカリ吸収液は数十μm〜数百μmに微細化さ
れ噴霧される。
【0023】なお、一般的に、内管28の外面と外管2
9の内面間に形成される隙間は3mm前後である。ま
た、液体流出口30と空気噴出口31の中心は一致して
いる。なお液体流出口30は径2mm程度、ガス噴出口
31は径8mm程度である。
【0024】噴霧装置17から噴霧されたアルカリ吸収
液により残留硫黄酸化物が除去された排ガスは微細水滴
捕集器18(例えば湿式電気集塵器またはミストエリミ
ネータ)に導かれ、ミストを除去したのち排ガス27と
して排出される。微細水滴捕集器18で捕集されたミス
トは経路19にてタンク20に抜き出される。タンク2
0に抜き出されたアルカリ吸収液の一部はポンプ21及
び経路23を介して、第1段目の脱硫工程であるタンク
5に戻され、第1段目の脱硫工程吸収液のイオン強度を
アップさせ活性向上を計る。
【0025】石炭燃焼排ガスについて、図1に示した本
発明方法に適用した試験を行い次の結果を得た。石炭燃
焼量25kg/hrの燃焼炉から発生する排ガス200
3N/hrをアンモニア接触還元法による乾式脱硫装
置に導き、次いで熱交換器を通して150℃まで冷却
し、乾式集塵器で処理した後、図1に示した本発明方法
により構成されている脱硫装置に排ガスを導いた。但
し、噴霧装置17は使用しなかった。この時の脱硫装置
の運転条件は下記表1のとおりである。
【0026】
【表1】
【0027】上記条件において、吸収塔出口のSO2
度は50ppm、脱硫率は95%となり、SO3 濃度は
18ppmから14ppmと吸収塔で約8%除去され
る。
【0028】この残留硫黄酸化物(SO2 =50pp
m、SO3 =14ppm)排ガスを微細水滴捕集器18
の上流で噴霧装置17でアルカリ吸収液を噴霧させ二段
目の吸収を行わせた。その時の噴霧条件を結果と併せて
図4に示す。なお、図中、実線は本発明方法による結果
であり、点線は市販の2流体噴霧ノズルを用い、噴霧ガ
スとして空気を使用した従来法での結果である。但し空
気での希釈を補正し脱硫率を算出した。
【0029】以上の結果より、本発明方法を採用するこ
とにより、市販の2流体噴霧ノズルで、噴霧ガスとして
空気(2kg/cm2 G)を用いたよりも脱硫率が向上
し、同じ脱硫率を得るにも低L/Gでよく、例えば粒子
径70μmでL/G比が0.35以上であれば、SO2
濃度が1ppm以下になることを確認した。なお、噴霧
粒子の滞留時間をさらに長くすることにより、さらに小
さいL/GでSO2 濃度を1ppm以下にすることが可
能である。また、噴霧にかかる動力費も市販2流体噴霧
ノズルが2kg/cm2 Gの噴霧圧に対し、本発明での
噴霧圧は500mmH2 Oであり、大幅な動力費の削減
となる。さらに、余分な空気が混入しないため、ガス流
量の増加がなく、後流機器への負荷が低減される。
【0030】一方、SO3 ミストについては、通常、脱
硫装置では50〜55℃、露点以下となっており、理論
的には捕集されるはずであるが、SO3 ミストの粒子径
がサブミクロン(1μm以下)であることから完全に除
去されず、前述したとおり脱硫装置では約8%程度しか
捕集されていなのが現状である。そこで上記の噴霧条件
にて噴霧液を微細化させSO3 ミストを凝集肥大化させ
ることで微細水滴捕集器での捕集効率の向上を狙った結
果、L/G=0.35でいずれの噴霧粒子径において
も、微細水滴捕集器18出口でのSO3 はほぼ完全に除
去されていることを確認した。
【0031】なお、この実施例では硫黄酸化物を含む燃
焼排ガスの取り出し口を第1段目の脱硫工程出口の噴霧
装置17前流部からであったが、この場所に限定するも
のではなく、噴霧装置17後流部例えば微細水滴捕集器
18の後流側からでもよく特に限定するものではない。
但し噴霧装置17の後流部から取り出すと前流部での取
り出しに比べ、脱硫率は低下する。また、この実施例に
おいては、噴霧装置を既存脱硫装置の吸収塔出口煙道部
に設置したが、既存脱硫装置内に設置することも可能で
ある。
【0032】なお、図3では、噴霧装置を横置きとした
実施例を示したが、この装置を竪置きに配置しても支障
がなく、廻りの他の装置の配置及び配管などを考慮し最
適な配置を決定すればよい。
【0033】
【発明の効果】従来湿式石灰石膏法によるSO2 吸収率
は約95%であり、SO3 の除去は全く考慮の対象外で
あったが、本発明によれば簡単な噴霧手段によってSO
2 とSO3 を含めた硫黄酸化物濃度は1ppm以下のレ
ベルにまで脱硫することができ、脱硫率に換算すると9
9%以上が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の説明図。
【図2】本発明で使用する噴霧装置の断面図。
【図3】本発明で使用する噴霧装置の設置状態を示す斜
視図。
【図4】本発明の一実施例の効果を示す図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩下 浩一郎 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄酸化物を含む燃焼排ガスを脱硫装置
    に導き、アルカリ物質を吸収剤とする吸収液によって排
    ガス中の硫黄酸化物の大部分を除去し、さらに内管内部
    をアルカリ吸収液の通路とし、同内管と外管の間を前記
    脱硫装置を通過した燃焼排ガスの通路とする二重管から
    なり、前記内管壁に比較的小径の吸収液流出口を、同流
    出口に向い合う前記外管壁に同流出口より大径の燃焼排
    ガス噴出口をそれぞれ設けた噴霧装置を使用して脱硫す
    る二段脱硫を行わせることを特徴とする高性能排煙脱硫
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6814942B2 (en) 1997-11-05 2004-11-09 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Oxygen-containing gas blowing devices
JP2013006125A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Babcock Hitachi Kk 湿式排煙脱硫装置及び湿式排煙脱硫方法
CN106669403A (zh) * 2017-02-22 2017-05-17 中国石油大学(北京) 一种联合脱硫脱硝装置

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