JPH06343824A - 湿式排煙脱硫装置と方法 - Google Patents

湿式排煙脱硫装置と方法

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JPH06343824A
JPH06343824A JP5134927A JP13492793A JPH06343824A JP H06343824 A JPH06343824 A JP H06343824A JP 5134927 A JP5134927 A JP 5134927A JP 13492793 A JP13492793 A JP 13492793A JP H06343824 A JPH06343824 A JP H06343824A
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JP
Japan
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desulfurizing agent
exhaust gas
particle size
desulfurization
concentration
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JP5134927A
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Hirobumi Yoshikawa
博文 吉川
Hiroshi Ishizaka
浩 石坂
Naruhito Takamoto
成仁 高本
Hiroyuki Kako
宏行 加来
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より高い脱硫性能を経済的に達成すること。 【構成】 脱硫剤を分級装置13で分級して、例えばス
プレノズル4Cから粗い脱硫剤を含む吸収液を供給し、
スプレノズル4Aから細かい脱硫剤を含む吸収液を供給
する。相対的に亜硫酸ガス濃度の高い領域に粒径の粗い
脱硫剤を含む吸収液を供給すると、亜硫酸ガス濃度の高
い領域では液滴中に溶解する亜硫酸ガス量も増加し、液
中のH2SO3濃度も高くなる。そのため、粒径の粗い脱
硫剤でも十分に反応する。一方、相対的に亜硫酸ガス濃
度の低い領域では液滴中に溶解する亜硫酸ガスや液中の
亜硫酸量も少なくなるが、粒径の細かい脱硫剤を含む吸
収液を供給することにより液中の亜硫酸濃度が低くても
十分に反応する。その結果、粒径分布の広い脱硫剤をそ
のまま用いる場合と比較して高い脱硫性能を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式排煙脱硫装置と湿
式排煙脱硫方法に係わり、特に排ガスに噴霧する吸収液
中の脱硫剤粒子に着目して高い脱硫性能を得ることがで
きる湿式排煙脱硫装置と方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所等において、化石燃料の燃焼
に伴って発生する排煙中の硫黄酸化物、中でも特に二酸
化硫黄(SO2)は、大気汚染、酸性雨等の地球的環境
問題の主原因の一つである。このため、排煙中からSO
2を除去する排煙脱硫法の研究および脱硫装置の開発は
極めて重要な課題となっている。上記脱硫法としては、
さまざまなプロセスが提案されているが、湿式法が主流
を占めている。この湿式法には、吸収剤にソーダ化合物
を用いるソーダ法、カルシウム化合物を用いるカルシウ
ム法およびマグネシウム化合物を用いるマグネシウム法
などがある。このうち、ソーダ法は吸収剤とSO2との
反応性に優れている反面、使用するソーダ類が非常に高
価である。このため、発電用の大型ボイラ等の排煙脱硫
装置には、比較的安価な炭酸カルシウム等のカルシウム
化合物を用いる方法が最も多く採用されている。
【0003】このカルシウム化合物を吸収液として用い
る脱硫システムは、気液接触方法の違いによりスプレー
方式、濡れ壁方式およびバブリング方式の3種類に大別
される。各方式ともそれぞれ特徴を有しているが、実績
が多く信頼性の高いスプレー方式が世界的にも多く採用
されている。このスプレー方式の脱硫システムとして
は、従来から排ガスの冷却・除塵を行う冷却塔、吸収液
を噴霧して排ガス中のSO2と反応させる吸収塔、吸収
塔で生成した亜硫酸カルシウムを酸化する酸化塔の3塔
で構成されていた。しかし、近年になって吸収塔に冷却
・酸化の機能を持たせた1塔型脱硫塔(タンク内酸化
法)の開発が進み、最近では1塔型脱硫システムがスプ
レー方式の主流になりつつある。
【0004】図5に従来技術のスプレー方式による1塔
型脱硫装置の一例を示す。1塔型の脱硫塔は、主に塔本
体1、入口ダクト2、出口ダクト3、スプレーノズル
4、吸収液ポンプ5、酸化タンク6、撹拌機7、空気吹
き込み装置8、ミストエリミネータ9、吸収液抜き出し
管10、石膏抜き出し管11、石灰石供給管12等から
構成される。吸収液供給管14は高さ方向に複数段(1
4A〜14C)設置され、各吸収液供給管14にはスプ
レーノズル4が水平方向に複数個設置されている。ま
た、撹拌機7および空気吹き込み装置8は脱硫塔下部の
吸収液が滞留する酸化タンク6に設置され、ミストエリ
ミネータ9は吸収塔内最上部あるいは出口ダクト内に設
置される。ボイラから排出される排ガスは、入口ダクト
2より脱硫塔本体1に導入され、出口ダクト3より排出
される。この間、脱硫塔には吸収液抜き出し管10を通
じて吸収液ポンプ5から送られる吸収液が複数のスプレ
ーノズル4から噴霧され、吸収液と排ガスの気液接触が
行われる。
【0005】このとき吸収液は排ガス中のSO2を選択
的に吸収し、亜硫酸カルシウムを生成する。亜硫酸カル
シウムを生成した吸収液は酸化タンク6に溜まり、撹拌
機7によって撹拌されながら、空気吹き込み装置8から
供給される空気により吸収液中の亜硫酸カルシウムが酸
化され石膏を生成する。石灰石などの脱硫剤は石灰石供
給管12より酸化タンク6内の吸収液に添加される。炭
酸カルシウムおよび石膏が共存する酸化タンク6内の吸
収液の一部は、吸収液ポンプ5によって吸収液抜き出し
管10、吸収液供給管14から再びスプレーノズル4に
送られ、一部は石膏抜き出し管11より図示していない
廃液処理・石膏回収系へと送られる。また、スプレーノ
ズル4から噴霧され微粒化された吸収液の内、液滴径の
小さいものは排ガスに同伴されるが、脱硫塔上部に設け
られたミストエリミネータ9によって回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、吸収
液のSO2吸収性能に及ぼす石灰石の粒径の影響につい
て配慮されておらず、高い脱硫性能が得られないという
問題があった。すなわち、SO2の吸収率は吸収液中の
アルカリ(例えば石灰石)の反応性に影響され、例えば
粒径の小さな石灰石は単位重量当りの表面積が大きいた
め、これを用いた時の脱硫性能も高くなる。しかし、石
灰石を粉砕してその粒径を小さくするには多くの粉砕動
力を必要とするため、石灰石の粉砕率を上げて、粒径の
小さい石灰石だけからなる脱硫剤を用いるとコストが高
くなるという問題点がある。本発明の目的は、より高い
脱硫性能を経済的に達成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、次
の構成によって達成される。すなわち、ボイラ等の燃焼
装置から排出される排ガスと吸収液を接触させることに
より排ガス中の硫黄酸化物を処理する湿式排煙脱硫装置
において、相対的に亜硫酸ガス濃度の高い排ガス領域に
粒径の粗い脱硫剤を含む吸収液を供給する手段と、相対
的に亜硫酸ガス濃度の低い排ガス領域に粒径の細かい脱
硫剤を含む吸収液を供給する手段を設けた湿式排煙脱硫
装置である。本発明の上記湿式排煙脱硫装置は、粒径の
粗い吸収液を供給する手段と粒径の細かい脱硫剤を含む
吸収液を供給する手段には脱硫剤粒子を予め分級する分
級装置または予め粒径の互いに異なる脱硫剤粒子の製造
装置からそれぞれ粒径の異なる脱硫剤を供給することが
できる。
【0008】本発明の上記目的は、次の構成によっても
達成される。すなわち、ボイラ等の燃焼装置から排出さ
れる排ガスを吸収塔内で吸収液と接触させ、排ガス接触
後の吸収液を吸収塔下部に設けた酸化タンクで酸化さ
せ、該酸化タンク内の吸収液の一部を吸収塔内に再循環
させることにより排ガス中の硫黄酸化物を処理する湿式
排煙脱硫装置において、相対的に亜硫酸ガス濃度の高い
吸収塔の排ガス領域に粒径の粗い脱硫剤を含む吸収液を
供給する手段と、相対的に亜硫酸ガス濃度の低い吸収塔
の排ガス領域に粒径の細かい脱硫剤を含む吸収液を供給
する手段と、前記各々の吸収液供給手段にそれぞれ粒径
の異なる脱硫剤を供給するための脱硫剤粒子を予め分級
する分級装置または予め粒径の互いに異なる脱硫剤粒子
の製造装置を設け、さらに酸化タンクを吸収塔内での排
ガスの流れ方向に複数に分割した区画を設け、各々の区
画内の吸収液を前記吸収液供給手段のうちの特定の吸収
液供給手段にそれぞれ循環供給する循環路を設けた湿式
排煙脱硫装置である。
【0009】本発明の上記目的は、次の構成によっても
達成される。すなわち、ボイラ等の燃焼装置から排出さ
れる排ガスと吸収液を接触させることにより排ガス中の
硫黄酸化物を処理する湿式排煙脱硫方法において、相対
的に亜硫酸ガス濃度の高い排ガス領域に粒径の粗い脱硫
剤を含む吸収液を供給し、相対的に亜硫酸ガス濃度の低
い領域に粒径の細かい脱硫剤を含む吸収液を供給する湿
式排煙脱硫方法である。このとき、脱硫剤粒子をあらか
じめ分級し、または互いに異なる粒径の脱硫剤粒子を製
造し、相対的に亜硫酸ガス濃度の低い排ガス領域に粒径
の粗い吸収液を供給し、相対的に亜硫酸ガス濃度の低い
排ガス領域に粒径の細かい脱硫剤を含む吸収液を供給す
る方法を用いることができる。本発明に使用される脱硫
剤には石灰石、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属化
合物、アルカリ土類金属化合物を用いる。
【0010】
【作用】アルカリ性の吸収液として石灰石スラリを用い
る場合を例に挙げて吸収液がSO2を吸収する際の主な
反応式を下記に示す。 SO2+H2O→H2SO3 CaCO3+H2SO3→CaSO3+H2O+CO2 吸収液がSO2を吸収すると液滴のpHが低くなってS
2の吸収性能がある程度低下する。液滴内部のpHが
低下(水素イオンが増加)すると、これが石灰石と反応
して液滴のpHを回復(増加)させる。このようにし
て、石灰石を含んだ吸収液はSO2を吸収するが、石灰
石の粒径が大きいと液滴内部での石灰石と亜硫酸(H2
SO3)との反応が遅く、脱硫性能が低下する。また、
1つの液滴中に存在する石灰石の粒径分布が広い(大き
な粒子と小さな粒子が共存する)と小さな石灰石粒子が
優先的に反応して大きな石灰石粒子が反応しないまま残
る。
【0011】石灰石を分級して、相対的に亜硫酸ガス濃
度の高い領域に粒径の粗い脱硫剤を含む吸収液を供給す
ると、亜硫酸ガス濃度の高い領域では液滴中に溶解する
亜硫酸ガス量も増加し、液中の亜硫酸(H2SO3)濃度
も高くなる。そのため、粒径の粗い石灰石でも十分に反
応する。一方、相対的に亜硫酸ガス濃度の低い領域では
液滴中に溶解する亜硫酸ガスや液中の亜硫酸量も少なく
なるが、粒径の細かい石灰石を含む吸収液を供給するこ
とにより液中の亜硫酸濃度が低くても十分に反応する。
その結果、粒径分布の広い石灰石をそのまま用いる場合
と比較して高い脱硫性能を得ることができる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面と共に説明する。本発
明は下記の実施例で制限されるものではない。 実施例1 本発明による実施例を図1に示す。図5に示した従来技
術の脱硫塔と同様に本実施例の脱硫塔も塔本体1、入口
ダクト2、出口ダクト3、スプレーノズル4、吸収液ポ
ンプ5、酸化タンク6、撹拌機7、空気吹き込み装置
8、ミストエリミネータ9等から構成されるが、本実施
例では、石灰石は、まず分級装置13に送られ、そこで
粒径の異なる3種類の石灰石に分級される。粒径の最も
細かい石灰石は石灰石供給管12Aを通じてスプレーノ
ズル4Aに通じる吸収液供給管14A中に、粒径が中間
の石灰石は石灰石供給管12Bを通じてスプレーノズル
4Bに通じる吸収液供給管14B中に、粒径の最も粗い
石灰石は石灰石供給管12Cを通じてスプレーノズル4
Cに通じる吸収液供給管14C中にそれぞれ供給され、
脱硫塔内部に噴霧される。
【0013】ボイラから排出される排ガスは、入口ダク
ト2より脱硫塔本体1に導入され、出口ダクト3より排
出される。この間、脱硫塔には吸収液ポンプ5から送ら
れる吸収液が吸収液供給管14A〜14Cにそれぞれ設
けられたスプレーノズル4A〜4Cから噴霧され、吸収
液と排ガスの気液接触が行われる。このとき吸収液は排
ガス中のSO2を選択的に吸収し、亜硫酸カルシウムを
生成する。亜硫酸カルシウムを生成した吸収液は酸化タ
ンク6に溜まり、撹拌機7によって撹拌されながら、空
気吹き込み装置8から供給される空気により吸収液中の
亜硫酸カルシウムが酸化され石膏を生成する。石灰石お
よび石膏が共存する酸化タンク6内の吸収液の一部は、
吸収液ポンプ5によって吸収液抜き出し管10から再び
スプレーノズル4A〜4Cに送られ、一部は石膏抜き出
し管11より廃液処理・石膏回収系へと送られる。
【0014】本実施例に基づく装置を用いて脱硫試験を
行った。ただし、脱硫塔入口での排ガス中の亜硫酸ガス
濃度は800ppmであり、吸収液供給管14A〜14
C中に供給される石灰石は合計で排ガス中の亜硫酸ガス
の等量の0.97倍である。また、酸化タンク6内部の
吸収液の固体濃度(吸収液スラリ単位重量当りの石膏、
石灰石および亜硫酸カルシウムなどの固体粒子の占める
割合、以下同様)は10重量%であり、スプレーノズル
4A〜4Cからは同量の液が噴霧された。分級前の石灰
石の平均粒径は8.9μmであり、吸収液供給管14A
〜14C中に供給された石灰石の平均粒径はそれぞれ
3.2μm、8.6μm、14.9μmであった。図2
中の(a)に、吸収液量L(l/分)と排ガス量G(m
3N/分)の比(以下L/Gと略す)と脱硫率の関係を
示す。 比較例1 図5に示した従来技術に基づく装置を用いて、実施例1
と同一の条件で脱硫試験を行った。その結果を図2中の
(b)に示す。ただし、石灰石は分級しないで吸収液供
給管14A〜14C中に同量供給した。
【0015】実施例2 実施例1と同じ条件で図1の脱硫塔を用いて脱硫試験を
行った。ただし、脱硫塔入口で排ガス中の亜硫酸ガス濃
度は2000ppmであった。L/Gと脱硫率の関係を
図3中(a)に示す。 比較例2 比較例1と同じ条件で図5の脱硫塔を用いて脱硫試験を
行った。ただし、脱硫塔入口で排ガス中の亜硫酸ガス濃
度は2000ppmであった。L/Gと脱硫率の関係を
図3中(b)に示す。
【0016】実施例3 実施例1と同じ条件で図1の脱硫塔を用いて脱硫試験を
行った。ただし、酸化タンク6内の固体濃度を5〜40
重量%と変化させた。L/G=15での脱硫率を表1に
示す。
【0017】
【表1】
【0018】比較例3 比較例1と同じく図5に示す装置で、実施例3と同様に
酸化タンク6内の固体濃度を5〜40重量%と変化させ
たときの脱硫性能を調べた。その結果を表2に示す。た
だし、脱硫率はL/G=15での値である。
【0019】
【表2】
【0020】実施例1〜3および比較例1〜3の結果か
ら、本実施例のごとく相対的に亜硫酸ガス濃度の高い領
域に粒径の粗い脱硫剤を含む吸収液を供給し、相対的に
亜硫酸ガス濃度の低い領域に粒径の細かい脱硫剤を含む
吸収液を供給することにより、従来技術に基づく脱硫装
置に比較してより高い脱硫性能が得られる。また、実施
例3および比較例3の結果から分かるように、酸化タン
ク6内の固体濃度が高いほど、すなわち噴霧供給する吸
収液の固体濃度が高いほど、本発明の効果も大きくなっ
ている。この理由は明らかでないが、以下のことが考え
られる。
【0021】すなわち、酸化タンク6内の固体濃度が高
くなると吸収液の粘度も高くなるため、噴霧された吸収
液滴内部の混合が低下する。すなわち、SO2を含むガ
ス中にスラリを噴霧した場合、固体濃度の高い吸収液の
方が液滴中の亜硫酸と石灰石の反応が低下する。従来技
術に基づく脱硫装置では、亜硫酸ガス濃度の高い領域に
も亜硫酸ガス濃度の低い領域と同じ粒径分布の石灰石を
含む吸収液を噴霧しているため粒径の小さい石灰石から
反応し、粒径の大きな石灰石は未反応で残るため脱硫性
能が低下する。これに対し、本発明法に基づく装置で
は、脱硫装置出口に近い領域で粒径の小さい石灰石を含
んだ吸収液を噴霧するためスラリ濃度が高くなっても脱
硫性能の低下が小さい。
【0022】本実施例で用いる分級装置13は石灰石を
分級できるものであれば、どのようなものでも使用可能
である。例えば、空気分級や湿式サイクロンが考えられ
る。石灰石を分級する代わりに、粉砕装置を複数設置し
て粉砕条件により粒径の異なる石灰石を製造し、これを
分級装置13として用いることも可能である。また、本
発明法がスプレー方式の脱硫装置だけでなく濡れ壁方式
等の他の方式の脱硫装置にも適用可能であることは言う
までもない。
【0023】実施例4 上記各実施例1〜3では、排ガスと吸収液が向流で接触
する装置について、本発明法の効果を述べているが、本
発明法の効果は排ガスと吸収液の接触方向に関係なく有
効である。図4に排ガスと噴霧される吸収液が直交する
方式の脱硫装置のフローを示す。本実施例の脱硫塔は塔
本体21、入口ダクト22、出口ダクト23、スプレー
ノズル24、吸収液ポンプ25、酸化タンク26、撹拌
機27、空気吹き込み装置28、石灰石供給管32等か
ら構成され、酸化タンク26から吸収液ポンプ25によ
り3つの吸収液供給管34A〜34Cにそれぞれ設けら
れたスプレーノズル24A〜24Cから噴霧される(吸
収液供給管34B用の吸収液ポンプ25は図示せず)。
スプレーノズル24A〜24Cは塔本体21の天井部に
配置され、しかも、スプレーノズル24Aは出口ダクト
23側に、スプレーノズル24Bは出口ダクト23と入
口ダクト22の中間部に、そしてスプレーノズル24C
は入口ダクト22側に互いに区分けされて配置されてい
る。また、塔本体21の対向する側壁部にそれぞれ入口
ダクト22と出口ダクト23が設けられているためスプ
レーノズル24A〜24Cから噴霧される吸収液と排ガ
スとは直交する方向で接触する。本実施例においても、
石灰石は分級装置33で粒径の異なる3種類の石灰石に
分級され、粒径の最も細かい石灰石は石灰石供給管32
Aを通じてスプレーノズル24Aに通じる吸収液供給管
34A中に、粒径が中間の石灰石は石灰石供給管32B
を通じてスプレーノズル24Bに通じる吸収液供給管3
4B中に、粒径の最も粗い石灰石は石灰石供給管32C
を通じてスプレーノズル24Cに通じる吸収液供給管3
4C中にそれぞれ供給され、脱硫塔内部に噴霧される。
【0024】また、酸化タンク26はガスの流れ方向で
複数に分割され、お互いに混合されない構造とし、各々
酸化タンク区分から別々に吸収液供給管34A〜34C
を介してスプレーノズル24A〜24Cに吸収液を循環
させることで、噴霧される吸収液中に含まれる石灰石が
入口ダクト22に近いほど粗くなるようにする。なお、
本図では、酸化タンク26、スプレノズル24を3つに
分けた例を示しているが、これらの分割数は適宜、選択
できる。この装置を用いて、実施例1および比較例1と
同じ条件で脱硫試験を行った。L/G=15での脱硫率
は、石灰石を分級しない場合の93.8%に対して、石
灰石を3種類の粒径に分級した場合は脱硫率96.0%
とより高い脱硫性能が得られた。
【0025】
【発明の効果】本発明法によれば、同一の吸収液供給量
(L/G)でより高い脱硫性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一実施例の1塔型湿式排煙脱硫
塔の概略図である。
【図2】 脱硫性能について従来法と本発明の実施例と
の比較を示す図である。
【図3】 脱硫性能について従来法と本発明の実施例と
の比較を示す図である。
【図4】 本発明による一実施例の1塔型湿式排煙脱硫
塔の概略図である。他の実施例である。
【図5】 従来の技術における湿式排煙脱硫塔の概略図
である。
【符号の説明】
1、21…塔本体、2、22…入口ダクト、3、23…
出口ダクト、4、24…スプレーノズル、6、26…酸
化タンク、13、33…分級装置、14、34…吸収液
供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加来 宏行 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ等の燃焼装置から排出される排ガ
    スと吸収液を接触させることにより排ガス中の硫黄酸化
    物を処理する湿式排煙脱硫装置において、 相対的に亜硫酸ガス濃度の高い排ガス領域に粒径の粗い
    脱硫剤を含む吸収液を供給する手段と、相対的に亜硫酸
    ガス濃度の低い排ガス領域に粒径の細かい脱硫剤を含む
    吸収液を供給する手段を設けたことを特徴とする湿式排
    煙脱硫装置。
  2. 【請求項2】 粒径の粗い吸収液を供給する手段と粒径
    の細かい脱硫剤を含む吸収液を供給する手段には脱硫剤
    粒子を予め分級する分級装置または予め粒径の互いに異
    なる脱硫剤粒子の製造装置からそれぞれ粒径の異なる脱
    硫剤を供給することを特徴とする請求項1記載の湿式排
    煙脱硫装置。
  3. 【請求項3】 ボイラ等の燃焼装置から排出される排ガ
    スを吸収塔内で吸収液と接触させ、排ガス接触後の吸収
    液を吸収塔下部に設けた酸化タンクで酸化させ、該酸化
    タンク内の吸収液の一部を吸収塔内に再循環させること
    により排ガス中の硫黄酸化物を処理する湿式排煙脱硫装
    置において、 相対的に亜硫酸ガス濃度の高い吸収塔の排ガス領域に粒
    径の粗い脱硫剤を含む吸収液を供給する手段と、相対的
    に亜硫酸ガス濃度の低い吸収塔の排ガス領域に粒径の細
    かい脱硫剤を含む吸収液を供給する手段と、前記各々の
    吸収液供給手段にそれぞれ粒径の異なる脱硫剤を供給す
    るための脱硫剤粒子を予め分級する分級装置または予め
    粒径の互いに異なる脱硫剤粒子の製造装置を設け、さら
    に酸化タンクを吸収塔内での排ガスの流れ方向に複数に
    分割した区画を設け、各々の区画内の吸収液を前記吸収
    液供給手段のうちの特定の吸収液供給手段にそれぞれ循
    環供給する循環路を設けたことを特徴とする湿式排煙脱
    硫装置。
  4. 【請求項4】 ボイラ等の燃焼装置から排出される排ガ
    スと吸収液を接触させることにより排ガス中の硫黄酸化
    物を処理する湿式排煙脱硫方法において、 相対的に亜硫酸ガス濃度の高い排ガス領域に粒径の粗い
    脱硫剤を含む吸収液を供給し、相対的に亜硫酸ガス濃度
    の低い領域に粒径の細かい脱硫剤を含む吸収液を供給す
    ることを特徴とする湿式排煙脱硫方法。
  5. 【請求項5】 脱硫剤粒子を予め分級し、または予め粒
    径の互いに異なる脱硫剤粒子を製造し、相対的に亜硫酸
    ガス濃度の低い排ガス領域に粒径の粗い吸収液を供給
    し、相対的に亜硫酸ガス濃度の低い排ガス領域に粒径の
    細かい脱硫剤を含む吸収液を供給することを特徴とする
    請求項4記載の湿式排煙脱硫方法。
JP5134927A 1993-06-04 1993-06-04 湿式排煙脱硫装置と方法 Pending JPH06343824A (ja)

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