JPH0819726A - 湿式排ガス脱硫方法および装置 - Google Patents

湿式排ガス脱硫方法および装置

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JPH0819726A
JPH0819726A JP6156213A JP15621394A JPH0819726A JP H0819726 A JPH0819726 A JP H0819726A JP 6156213 A JP6156213 A JP 6156213A JP 15621394 A JP15621394 A JP 15621394A JP H0819726 A JPH0819726 A JP H0819726A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収塔内での吸収液噴霧液滴径を適性にして
脱硫性能を向上し、装置全体をコンパクト化できる湿式
脱硫方法を提供する。 【構成】 硫黄酸化物含有排ガス24を脱硫塔1内に導
入し、これにカルシウム系吸収剤をスプレノズル4によ
り噴霧して排ガス中の硫黄酸化物を吸収し、吸収液を循
環タンク6内に収容し、空気吹込管8により空気を吹き
込んで吸収液中に石膏を生成させるとともに、循環タン
ク内の吸収液をスプレノズルに循環して供給する湿式排
ガス脱硫方法において、スプレノズルからの噴霧液滴平
均径を通常よりも大きく、2.7mm以上とし、かつ各
ノズルの噴射口間隔を0.25m〜1.1mとして噴霧
液滴同士の衝突干渉を生じさせ、液滴径を1.4〜2.
2mm程度とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式排ガス脱硫方法お
よび装置に係り、特に吸収液スプレーノズル装置の改良
により脱硫性能を向上させ装置の小型化と運転動力費の
低減を可能とした湿式排ガス脱硫方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】火力発電所等において、化石燃料の燃焼
に伴って発生する排煙中の硫黄酸化物、中でも特に二酸
化硫黄(SO2)は、大気汚染・酸性雨等の地球的環境問
題の主原因の一つである。このため、排煙中からSO2
を除去する排煙脱硫法の研究および脱硫装置の開発は極
めて重要な課題となっている。
【0003】上記脱硫法としては、最近低コストでシス
テムが簡単な簡易型の乾式脱硫装置の開発が進められて
いるが、脱硫率がせいぜい70〜80%と低いこともあ
り、まだ湿式法が主流を占めている。この湿式法には、
吸収剤にソーダ化合物を用いるソーダ法、カルシウム化
合物を用いるカルシウム法およびマグネシウム化合物を
用いるマグネシウム法等がある。このうち、ソーダ法は
吸収剤とSO2 との反応性に優れている反面、使用する
ソーダ類が非常に高価である。このため、発電用の大型
ボイラ等の排煙脱硫装置には、比較的安価な炭酸カルシ
ウム等のカルシウム化合物を用いる方法が最も多く採用
されている。
【0004】このカルシウム化合物を吸収液として用い
る脱硫システムは、気液接触方法の違いによりスプレー
方式、濡れ壁方式およびバブリング方式の3種類に大別
される。各方式ともそれぞれ特徴を有しているが、実績
が多く信頼性の高いスプレー方式が世界的にも多く採用
されている。このスプレー方式の脱硫システムとして
は、従来から排ガスの冷却・除塵を行なう冷却塔、吸収
液を噴霧して排ガス中のSO2 と反応させる吸収塔、吸
収塔で生成した亜硫酸カルシウムを酸化する酸化塔の3
塔で構成されていた。しかし、近年になって吸収塔に冷
却・酸化の機能を持たせた1塔型脱硫塔の開発が進み、
最近では1塔型脱硫システムがスプレー方式の主流にな
りつつある。
【0005】図9に従来技術のスプレー方式による1塔
型脱硫装置の一例を示す。1塔型の脱硫塔は、主に脱硫
塔本体1、入口ダクト2、出口ダクト3、スプレーノズ
ル4、吸収液の循環ポンプ5、循環タンク6、デミスタ
9等から構成される。スプレーノズル4は水平方向に複
数個、さらに高さ方向に複数段設置されており、通常各
段ごとに1台ずつ循環ポンプ5が設置される。スプレー
ノズル4の段数としては、一般に4〜10段程度設置さ
れることが多いが、本図では簡略化のため4段で示して
いる。また、スプレーノズル4から噴霧され微粒化され
た吸収液の中で、液滴径の小さいものは排ガスに同伴さ
れるが、脱硫塔上部に設けられたデミスタ9によって回
収される。
【0006】デミスタ9は吸収塔内最上部または出口ダ
クト3内に設置される。図には示していないがボイラか
ら排出される排ガス24は、入口ダクト2より脱硫塔本
体1に導入され、最終的には出口ダクト3より処理ガス
25として排出される。この間、脱硫塔には循環ポンプ
5から送られる炭酸カルシウムを含んだ吸収液が、脱硫
塔内に配置されたスプレ配管15に取付けられた複数の
スプレーノズル4から噴霧され、吸収液と排ガス24の
気液接触が行なわれる。このとき吸収液は排ガス中のS
2 を選択的に吸収し、重亜硫酸カルシウム(Ca(H
SO3)2 )を生成する。重亜硫酸カルシウムを生成した
吸収液は循環タンク6に溜まり、空気吹込み管8より導
入された空気を攪拌機7で循環タンク6内に均一に分散
させることにより、重亜硫酸カルシウムは酸化されて最
終的に石膏(CaSO4)を生成する。炭酸カルシウム
(CaCO3)および石膏が共存する循環タンク6内の吸
収液の一部は、循環ポンプ5によって再びスプレーノズ
ル4に送られる。
【0007】従来、スプレーノズル4により吸収液を噴
霧して脱硫する場合、通常用いられている2〜3インチ
のスプレーノズル4では平均液滴径が2mm程度であり、
スプレーノズル4の間隔を通常1.5m以上離してスプ
レーノズル4を配置していた。スプレーノズル4同士を
近づけて配置すると、液滴同士が干渉して液滴径が1mm
以下と小さくなり過ぎて、排ガス24に同伴されて飛散
する液滴量が増加すると同時に脱硫性能も低下してい
た。このように平均液滴径が2mm程度の場合、スプレー
ノズル4の間隔を1.5m以上に離す必要があるので必
然的にスプレー配管15の段数は多くなり、塔高が高く
なる。そのため装置コストが高くなり、循環液を循環す
るポンプ5の消費動力も大きくなる欠点がある。したが
って、脱硫塔内でノズル配置の間隔を小さくし、いかに
脱硫塔をコンパクトにするかが大きな課題となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】通常、実機の脱硫塔で
用いられる2〜3インチのスプレーノズル4から噴霧さ
れる平均液滴径は2mm程度であり、液滴同士が干渉して
液滴径が小さくなり過ぎないようにスプレーノズル4の
間隔は1.5m程度離して設置されていた。目標脱硫率
により必要液ガス比が決まり、液量が決まれば必要なス
プレーノズル4の個数が設定される。スプレーノズル4
の設置間隔が大きいほど、脱硫塔内のスプレ配管15の
段数が多くなり、塔高も高くなるので循環液量を循環す
る循環ポンプ5の消費動力も増加する。スプレー塔で噴
霧された液滴径は通常の2〜3インチのスプレーノズル
4では2mm程度であり、液滴同士が干渉して液滴径が小
さくなるとミスト飛散量は増加し脱硫性能が低下するの
で、スプレーノズル4の間隔を広げていた。特にガス流
速を高速化すると、その傾向が著しい。また塔外の酸化
方式では、液中の亜硫酸濃度が高いのでスプレーノズル
4の間隔を近づけて液滴を干渉させると、液滴中のpH
も下がり脱硫性能も低下していた。そのためにスプレー
ノズル4の間隔をある程度離す必要が生じたが、スプレ
ーノズル4の間隔を広げると塔内で必要なスプレ配管1
5の段数が増加するので望ましくない。また、スプレー
ノズル4の中心部分は液膜の抵抗が大きいのでとうして
もガスが偏流し脱硫性能も低下しやすく、また排ガス中
のダストの除塵性能も低下する問題点があった。したが
って、本発明の目的は、スプレーノズルの配置間隔を狭
くしても脱硫性能が低下しないように、コンパクトな脱
硫装置で高性能に脱硫することをができる湿式排ガス脱
硫方法および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)硫黄酸化物含有排ガスを脱硫塔内に導入し、これ
にカルシウム系吸収液をスプレーノズルにより噴霧して
排ガス中の硫黄酸化物を吸収し、吸収した吸収液を吸収
液循環タンク内に収容し、循環タンク内の吸収液中に空
気を吹込んで液中の亜硫酸塩を酸化して石膏を生成させ
るとともに、循環タンク内の吸収液を前記スプレーノズ
ルに供給する湿式排ガス脱硫方法において、前記スプレ
ーノズルから噴霧される平均噴霧吸収液滴径を2.7mm
以上とし、かつ各ノズルの噴射口間隔を0.25m〜
1.1mの範囲として噴霧液滴どうしを衝突干渉させる
ことを特徴とする湿式排ガス脱硫方法。
【0010】(2)上記(1)において、衝突干渉後の
噴霧液滴が主として1.4mmないし2.2mmのもので構
成されることを特徴とする湿式排ガス脱硫方法。 (3)硫黄酸化物含有排ガスを導入する排ガス入口と処
理された排ガスを排出する排ガス出口とを有する脱硫塔
と、脱硫塔内に排ガス流れ方向に多段に配置されて脱硫
塔内に導入された排ガスにカルシウム系吸収液を噴霧す
るスプレーノズルと、脱硫塔内で噴霧され排ガス中の硫
黄酸化物を吸収した吸収液を収容する吸収液循環タンク
と、循環タンク内の吸収液をスプレーノズルに循環供給
する循環装置と、循環タンク内に酸化用空気を吹込む装
置とを備えた湿式排ガス脱硫装置において、前記スプレ
ーノズルの平均噴霧液滴径が2.7mm以上、スプレーノ
ズル口配置間隔が0.25mないし1.1mとなるよう
にスプレーノズル部を構成したことを特徴とする湿式排
ガス脱硫装置。
【0011】
【作用】平均液滴径を2.7mm以上にしてスプレーノズ
ルの間隔を0.25〜1.1mに狭くすると、噴霧され
た液滴は脱硫塔内で液滴同士の衝突を繰り返す回数が増
加し、液滴は次第に小さくなり液滴の表面積は増加す
る。このような現象はPDPA装置(レーザ式の粒径測
定装置(ドップラーレーザ計測装置)により容易に確認
できる。液滴平均径が1.4〜2.2mm程度にまで小さ
くなると、ガスに同伴されて飛散する液滴径も少なく単
位容積当たりの液滴反応表面積が増加し、液滴とガス中
のSO2 ガスとの反応は促進される。従来の塔外酸化方
式では、液滴径が小さくなると液滴表面積が上がりpH
が低下する条件では大幅に脱硫率が下がる。これに対し
て、塔内酸化方式である一塔型脱硫方式ではpHが4前
後まで低下しても脱硫性能はほとんど低下せず、液滴を
積極的に衝突させ液滴径をある程度小さくすることが望
ましい。また、流体解析プログラムにより液滴を噴霧し
た場合の脱硫塔内のガス流れを解析すると、スプレーノ
ズルからの噴霧による液膜の部分がガスの抵抗となるの
で、ガスはどうしてもスプレーノズルとスプレーノズル
の間を流れることになる。これに対して本発明を利用す
れば、スプレーノズルの間隔が狭くなるので塔内でのガ
スの偏流はほとんどなくなり、脱硫性能の向上とダスト
の除塵性能も大幅に向上することになる。
【0012】以上のような方法により、脱硫塔でのスプ
レーノズルの間隔を狭くするとスプレーノズルのスプレ
配管15の段数が減るので、脱硫塔高が低くなり循環液
の循環ポンプの消費動力も低減ができ、脱硫性能および
脱塵性能も同時に改善できる。
【0013】
【実施例】本発明は、下記の実施例によって、さらに詳
細に説明されるが、下記の例で制限されるものではな
い。本発明の実施例を図1に示す。SO2 を含む燃焼排
ガス24は塔側壁部の入口ダクト2から脱硫塔本体1に
入る。脱硫塔では循環ポンプ5から送られる炭酸カルシ
ウムを含んだ吸収液が、スプレ配管15に設置された複
数のスプレーノズル4から噴霧される。ここで噴霧され
た吸収液と排ガス24の気液接触により、SO2 ガスが
吸収されて吸収液は循環タンク6に落下する。この循環
タンク6では、空気吹込み管8から供給される空気を循
環タンク6の側壁に設置した攪拌機7により循環タンク
6内に均一に分散させることにより、循環タンク6内に
存在する重亜硫酸カルシウムは酸化され、最終的にSO
2 は石膏(CaSO4)として回収される。吸収液の一部
を回収系配管14から抜き出して、石膏処理装置12で
石膏は処理される。反応した石膏と当量の石灰石を石灰
石供給管13より導入する。また、スプレーノズル4か
ら噴霧され微粒化された吸収液の中で、液滴径の小さい
ものは排ガスに同伴される。この液滴は脱硫塔内に設け
られたデミスタ9により回収される。SO2 ガスおよび
飛散ミストが除去された処理ガス25は出口ダクト3か
ら図示していない煙突を通り系外に排出される。
【0014】脱硫塔内のスプレ配管15に設置されたス
プレーノズル4の間隔は、0.25〜1.1mと従来法
より狭く設置されているので、噴霧された液滴(平均径
が2.7mm)の脱硫塔内で液滴同士の衝突を繰り返す回
数が増加し、液滴はある程度小さくなり液滴の表面積は
増加する。このような現象はPDPA装置により容易に
確認できる。液滴径が1.4〜2.2mmとある程度小さ
くなると単位容積当たりの液滴反応表面積が増加し、液
滴とガス中のSO2 ガスとの反応は促進されるので脱硫
率は向上することになる。また、このような液滴径では
飛散するミスト量もそれほど増加しない。従来の塔外酸
化方式では、液滴径が小さくなると液滴表面積が上がり
pHが低下する条件では大幅に脱硫率が下がる。これに
対して、塔内酸化方式である一塔型脱硫方式ではpHが
4前後まで低下しても脱硫性能はほとんど低下せず、噴
霧液滴径を2.7mm以上にすればスプレーノズル4の間
隔を狭くして液滴同士を衝突させ、液滴径をある程度小
さくすることが望ましい。
【0015】このように本実施例によれば、スプレーノ
ズル4の間隔を大幅に低減できるのでスプレ配管15の
段数が低減でき塔高を低くすることが可能となる。ま
た、液循環ポンプ5の動力費用も低減できる効果があ
る。図2には、横型の脱硫塔に適用した場合の実施例を
示す。横型反応塔の場合も同様の効果があるが、スプレ
ーノズル4の間隔を狭くするとガスに同伴されて飛散す
る液滴の液膜による捕集率も増加するので、この点から
も本実施例のようにスプレーノズル4の間隔を狭くする
ことは有効である。
【0016】図3は、本発明におけるスプレ配管15に
取付けたスプレーノズル4から噴霧される液滴とガスの
流れを示す図である。図4に示すような従来法では、ス
プレーノズル4の間隔が広いのでスプレーノズル4の中
心部と液滴と液滴が衝突する付近では液滴の密度が異な
るので、ガスの偏流が生じていた。すなわちガス流れ2
6はスプレーノズル4の付近を避けて偏流しながら塔内
を流れることになる。これに対して図3に示す本発明で
は、スプレーノズル4の間隔が従来法に比べ狭いので液
滴同士の干渉が非常に多くなり、液滴径は必然的に小さ
くなる。また、図3に示すように噴霧された液滴の密度
がほぼ均一となるので、ガス流れ26は従来法のように
偏流を起こすことはない。このようにスプレーノズル4
の間隔を狭くすると液滴がある程度小さくなり性能面で
も、ガス流れの面でも有利となり、塔高もそれだけ低く
することができる。
【0017】図5には、スプレーノズル4の間隔を0.
5mとしたスプレーノズル4から噴霧される平均液滴径
を変化させて脱硫率との関係を調べた結果を示す。噴霧
液滴径が3mmの場合を基準として脱硫率を比較すると、
噴霧液滴径を2.5mm以下にすると脱硫率は大幅に低下
し始め1mmの液滴径では約60%にまで低下する。これ
は噴霧液滴径が小さくなると液滴同士の衝突により液滴
径が1mm以下になり、ガスにより同伴されるミスト飛散
量が増加するためと考えられる。このように、スプレー
ノズル4の間隔を狭くして液滴同士を衝突させる場合に
は、噴霧液滴径を2.5mmよりも大きく、例えば2.7
mm以上に大きくすることが非常に重要となる。
【0018】図6には、実機で用いられているホロコー
ンノズルを用いて、平均液滴径:3mmの液滴を噴霧した
場合のスプレーノズル4の間隔と液滴径の関係をPDP
A装置を用いて測定した結果を示す。スプレーノズル4
の間隔が1.5mの条件での液滴径を1とすると、スプ
レーノズル4の間隔を狭くするほど液滴径は小さくなる
ことがわかる。すなわちスプレーノズル4の間隔を狭く
すると、噴霧された液滴径の衝突回数が増加するので液
滴径はある程度小さくなる。スプレーノズル4の間隔が
0.5mでは0.74まで液滴径比は小さくなり、この
場合図6に示した実験範囲の実際の液滴径は1.4〜
2.2mmとなりガスに同伴されて飛散する液滴径にまで
は小さくならない。
【0019】図7には、図6で同時に測定したスプレー
ノズル4の間隔と液滴比表面積との関係を示す。同様に
スプレーノズル4の間隔が1.5mの比表面積を1とす
れば、スプレーノズル4の間隔を狭くすると液滴の比表
面積は増加し、スプレーノズル4の間隔を0.4m程度
にすると液滴の比表面積は約3倍に増加することがわか
る。したがって、このようにスプレーノズル4の間隔を
狭くするとSO2 ガスとの反応面積が増加するので、脱
硫性能も増加することが期待できる。
【0020】図8には、本発明の実施例を実機の1/5
規模の寸法のパイロット試験で実施した結果を示す。ガ
ス流速は5m/sから10m/sの条件について、液ガ
ス比:15、SO2 濃度:700ppm の条件でスプレー
ノズル4の間隔を変化して脱硫率との関係を調べた結果
であるが、スプレーノズル4の間隔を1.5mから小さ
くすると脱硫率は増加している。スプレーノズル4の間
隔は0.5m前後で最大となり、これよりスプレーノズ
ル4の間隔を狭くすると液滴径が小さくなりすぎるので
ガスに同伴された飛散する液滴の割合が増加するため、
逆に脱硫率は低下している。この結果より、スプレーノ
ズル4の間隔を0.25mから1.1mの範囲に配置す
ることが重要であることがわかる。
【0021】本発明を用いると、脱硫塔でのスプレーノ
ズル4の間隔を狭くでき噴霧液滴の衝突により液滴径が
ある程度小さくなる。これにより脱硫性能が向上するの
でスプレ配管15の段数が減り、脱硫塔高が下がり循環
液のポンプ動力も低減ができ、脱硫性能および脱塵性能
も同時に改善できる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、脱硫塔でのノズル間隔
を所定範囲内で狭くするとノズル段数が減るので、脱硫
塔高が下がり循環液のポンプ動力も低減ができる。さら
に、塔内でのガス偏流の防止が可能となり脱硫性能およ
び脱塵性能も同時に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる脱硫装置構造図。
【図2】本発明の実施例にかかる脱硫装置構造図。
【図3】本発明における噴霧液滴とガスの流れを示す
図。
【図4】従来技術における噴霧液滴とガスの流れを示す
図。
【図5】噴霧液滴径と脱硫率の関係を示す図。
【図6】ノズル間隔と液滴径の関係を示す図。
【図7】ノズル間隔と液滴比表面積の関係を示す図。
【図8】ノズル間隔と脱硫性能の関係を示す図。
【図9】従来の技術を示す図。
【符号の説明】
1…脱硫塔本体、2…入口ダクト、3…出口ダクト、4
…スプレーノズル、5…循環ポンプ、6…循環タンク、
7…攪拌機、8…空気吹込み管、9…デミスタ、10…
吸収液抜出し管、11…循環液配管、12…石膏処理装
置、13…石灰石供給管、15…スプレ配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/34 ZAB (72)発明者 吉川 博文 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 野沢 滋 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄酸化物含有排ガスを脱硫塔内に導入
    し、これにカルシウム系吸収液をスプレーノズルにより
    噴霧して排ガス中の硫黄酸化物を吸収し、吸収した吸収
    液を吸収液循環タンク内に収容し、循環タンク内の吸収
    液中に空気を吹込んで液中の亜硫酸塩を酸化して石膏を
    生成させるとともに、循環タンク内の吸収液を前記スプ
    レーノズルに供給する湿式排ガス脱硫方法において、前
    記スプレーノズルから噴霧される平均噴霧吸収液滴径を
    2.7mm以上とし、かつ各ノズルの噴射口間隔を0.2
    5m〜1.1mの範囲として噴霧液滴どうしを衝突干渉
    させることを特徴とする湿式排ガス脱硫方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、衝突干渉後の噴霧液
    滴が主として1.4mmないし2.2mmのもので構成され
    ることを特徴とする湿式排ガス脱硫方法。
  3. 【請求項3】 硫黄酸化物含有排ガスを導入する排ガス
    入口と処理された排ガスを排出する排ガス出口とを有す
    る脱硫塔と、脱硫塔内に排ガス流れ方向に多段に配置さ
    れて脱硫塔内に導入された排ガスにカルシウム系吸収液
    を噴霧するスプレーノズルと、脱硫塔内で噴霧され排ガ
    ス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液を収容する吸収液循
    環タンクと、循環タンク内の吸収液をスプレーノズルに
    循環供給する循環装置と、循環タンク内に酸化用空気を
    吹込む装置とを備えた湿式排ガス脱硫装置において、前
    記スプレーノズルの平均噴霧液滴径が2.7mm以上、ス
    プレーノズル口配置間隔が0.25mないし1.1mと
    なるようにスプレーノズル部を構成したことを特徴とす
    る湿式排ガス脱硫装置。
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Cited By (5)

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CN1086306C (zh) * 1996-05-30 2002-06-19 三菱重工业株式会社 烟气处理的方法和系统
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CN112547387A (zh) * 2020-12-03 2021-03-26 武汉天空蓝环保科技有限公司 具有自动清理功能的喷枪以及脱硫废水零排放系统

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