JP3338209B2 - 湿式排煙脱硫装置の吸収塔 - Google Patents
湿式排煙脱硫装置の吸収塔Info
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- JP3338209B2 JP3338209B2 JP26711694A JP26711694A JP3338209B2 JP 3338209 B2 JP3338209 B2 JP 3338209B2 JP 26711694 A JP26711694 A JP 26711694A JP 26711694 A JP26711694 A JP 26711694A JP 3338209 B2 JP3338209 B2 JP 3338209B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式排煙脱硫装置の吸
収塔に係り、特にドラフト損失が小さく、脱硫効率が高
い湿式排煙脱硫装置の吸収塔に関するものである。
収塔に係り、特にドラフト損失が小さく、脱硫効率が高
い湿式排煙脱硫装置の吸収塔に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】湿式排煙脱硫装置において、硫黄酸化物
含有ガスと塔内を循環する吸収剤スラリとの気液接触を
行う吸収塔としては、吸収剤スラリをガスと対向流で噴
霧する噴霧ノズルを備えたものが知られており、このよ
うな吸収塔（以下、スプレー塔ということがある）はド
ラフト損失が小さく、構造が簡単であるという利点を有
している。しかし、その反面、高い脱硫率を得るために
は吸収液スラリを多量に噴霧するため、被処理ガス導入
部への吸収液スラリの飛散が多く、乾湿境界部となる被
処理ガス導入部でのスケーリングが発生するという問題
がある。この問題を解決するために種々の工夫がなされ
ており、その代表的なものとして吸収塔下部の被処理ガ
スの導入部に多孔板を設けたもの（特開昭５４−１６１
５８７号公報）、被処理ガスの導入部に多孔板と該多孔
板の下面を洗浄する洗浄用スプレーを設けたもの（特願
昭６０−１４０６２５号公報）等が知られている。
含有ガスと塔内を循環する吸収剤スラリとの気液接触を
行う吸収塔としては、吸収剤スラリをガスと対向流で噴
霧する噴霧ノズルを備えたものが知られており、このよ
うな吸収塔（以下、スプレー塔ということがある）はド
ラフト損失が小さく、構造が簡単であるという利点を有
している。しかし、その反面、高い脱硫率を得るために
は吸収液スラリを多量に噴霧するため、被処理ガス導入
部への吸収液スラリの飛散が多く、乾湿境界部となる被
処理ガス導入部でのスケーリングが発生するという問題
がある。この問題を解決するために種々の工夫がなされ
ており、その代表的なものとして吸収塔下部の被処理ガ
スの導入部に多孔板を設けたもの（特開昭５４−１６１
５８７号公報）、被処理ガスの導入部に多孔板と該多孔
板の下面を洗浄する洗浄用スプレーを設けたもの（特願
昭６０−１４０６２５号公報）等が知られている。
【０００３】図２はこのような吸収塔を示す説明図であ
る。この吸収塔は被処理ガス導入部に多孔板１０および
洗浄スプレー１１が設けられている。ガス入口ダクト５
からスプレー塔本体１に導入された硫黄酸化物を含有す
る排ガスは、多孔板１０を通過して上昇し、スプレー塔
本体１の多孔板１０および洗浄スプレー１１より上部に
設けられた多段の噴霧ノズル２から噴霧される吸収液ス
ラリと接触して硫黄酸化物が除去された後、処理ガスと
してガス出口ダクト７から系外へ排出される。噴霧ノズ
ル２から噴霧される吸収液スラリはスプレー塔本体１の
下部に設けられた循環タンク８から循環ポンプ６により
スプレー配管９を介して供給される。このとき洗浄スプ
レー１１は前記多孔板１０の下面に吸収液スラリをスプ
レーすることによりスケールの発生を防止している。
る。この吸収塔は被処理ガス導入部に多孔板１０および
洗浄スプレー１１が設けられている。ガス入口ダクト５
からスプレー塔本体１に導入された硫黄酸化物を含有す
る排ガスは、多孔板１０を通過して上昇し、スプレー塔
本体１の多孔板１０および洗浄スプレー１１より上部に
設けられた多段の噴霧ノズル２から噴霧される吸収液ス
ラリと接触して硫黄酸化物が除去された後、処理ガスと
してガス出口ダクト７から系外へ排出される。噴霧ノズ
ル２から噴霧される吸収液スラリはスプレー塔本体１の
下部に設けられた循環タンク８から循環ポンプ６により
スプレー配管９を介して供給される。このとき洗浄スプ
レー１１は前記多孔板１０の下面に吸収液スラリをスプ
レーすることによりスケールの発生を防止している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は、多孔板１０によるドラフト損失が大きいとい
う欠点があり、例えば排ガス中の硫黄酸化物濃度が高い
場合または高い脱硫率が要求される場合等において、循
環吸収液量を多くするとその傾向は一段と強くなる。ま
た、多孔板１０の下面へのスケーリングを防止するため
に、洗浄スプレー１１から多量のスラリーを噴出させね
ばならず、循環ポンプ６が大型化し、消費電力量が増大
するという問題がある。本発明の目的は、上記従来技術
の問題点を解消し、ドラフト損失が小さく、優れた脱硫
性能が得られる湿式排煙脱硫装置の吸収塔を提供するこ
とにある。また、本発明の目的は、ドラフト損失が小さ
く、消費電力量が少ない湿式排煙脱硫装置の吸収塔を提
供することにある。
来技術は、多孔板１０によるドラフト損失が大きいとい
う欠点があり、例えば排ガス中の硫黄酸化物濃度が高い
場合または高い脱硫率が要求される場合等において、循
環吸収液量を多くするとその傾向は一段と強くなる。ま
た、多孔板１０の下面へのスケーリングを防止するため
に、洗浄スプレー１１から多量のスラリーを噴出させね
ばならず、循環ポンプ６が大型化し、消費電力量が増大
するという問題がある。本発明の目的は、上記従来技術
の問題点を解消し、ドラフト損失が小さく、優れた脱硫
性能が得られる湿式排煙脱硫装置の吸収塔を提供するこ
とにある。また、本発明の目的は、ドラフト損失が小さ
く、消費電力量が少ない湿式排煙脱硫装置の吸収塔を提
供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、次の構成を採用する。すなわち、塔下部に
導入される排ガスを塔内で２段以上からなるスプレーヘ
ッダに取り付けられた噴霧ノズルから噴霧される吸収液
スラリに接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液に
吸収させ、塔頂部から処理ガスを排出する湿式排煙脱硫
装置の吸収塔において、前記２段以上からなるスプレー
ヘッダは吸収塔水平面方向に複数個の噴霧ノズルが配置
され、少なくとも前記排ガスの導入部に最も近い最下段
のスプレーヘッダに取り付けられる噴霧ノズルを上向き
にし、それより上部に設置されるスプレーヘッダに取り
付けられる噴霧ノズルを下向きにして、互いに対向流で
吸収液スラリをそれぞれ噴霧して接触させるように前記
上向き噴霧ノズルと下向き噴霧ノズルを同一鉛直線上に
配置したことを特徴とする湿式排煙脱硫装置の吸収塔で
ある。
の本発明は、次の構成を採用する。すなわち、塔下部に
導入される排ガスを塔内で２段以上からなるスプレーヘ
ッダに取り付けられた噴霧ノズルから噴霧される吸収液
スラリに接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液に
吸収させ、塔頂部から処理ガスを排出する湿式排煙脱硫
装置の吸収塔において、前記２段以上からなるスプレー
ヘッダは吸収塔水平面方向に複数個の噴霧ノズルが配置
され、少なくとも前記排ガスの導入部に最も近い最下段
のスプレーヘッダに取り付けられる噴霧ノズルを上向き
にし、それより上部に設置されるスプレーヘッダに取り
付けられる噴霧ノズルを下向きにして、互いに対向流で
吸収液スラリをそれぞれ噴霧して接触させるように前記
上向き噴霧ノズルと下向き噴霧ノズルを同一鉛直線上に
配置したことを特徴とする湿式排煙脱硫装置の吸収塔で
ある。
【０００６】また、最下段より２段以上の上のスプレー
ヘッダに取り付けられる噴霧ノズルも上向きにし、該上
向き噴霧ノズルより噴霧される吸収液スラリを、それよ
り上部に設置されるスプレーヘッダに取り付けられる下
向きの噴霧ノズルより噴霧される吸収液スラリと対向流
で接触させる構成を採用してもよい。このとき、互いに
対向する上向きの噴霧ノズルと下向きの噴霧ノズルは同
一鉛直線上に設けると対向流で接触する噴霧スラリは効
率良く、衝突させることができる。スプレーヘッダの上
向きの噴霧ノズルと向い合うその上段のスプレーヘッダ
の下向きの噴霧ノズルとのノズル先端間の距離は１ｍ以
上とすることが望ましい。また、上向きの噴霧ノズルの
背圧を下向きの噴霧ノズルの背圧より高くすることによ
り、対向する噴霧スラリの衝突効果が上がり、また、上
向き噴霧ノズル用のポンプとこれより一段上の下向きの
噴霧ノズル用のポンプとを同一の揚程容量のポンプが使
用できる。
ヘッダに取り付けられる噴霧ノズルも上向きにし、該上
向き噴霧ノズルより噴霧される吸収液スラリを、それよ
り上部に設置されるスプレーヘッダに取り付けられる下
向きの噴霧ノズルより噴霧される吸収液スラリと対向流
で接触させる構成を採用してもよい。このとき、互いに
対向する上向きの噴霧ノズルと下向きの噴霧ノズルは同
一鉛直線上に設けると対向流で接触する噴霧スラリは効
率良く、衝突させることができる。スプレーヘッダの上
向きの噴霧ノズルと向い合うその上段のスプレーヘッダ
の下向きの噴霧ノズルとのノズル先端間の距離は１ｍ以
上とすることが望ましい。また、上向きの噴霧ノズルの
背圧を下向きの噴霧ノズルの背圧より高くすることによ
り、対向する噴霧スラリの衝突効果が上がり、また、上
向き噴霧ノズル用のポンプとこれより一段上の下向きの
噴霧ノズル用のポンプとを同一の揚程容量のポンプが使
用できる。
【０００７】
【作用】被処理ガス（排ガス）は、吸収塔の導入部から
塔内に導入され、上向き噴霧ノズルからスプレーされた
吸収液スラリと接触して一部が脱硫されるとともに、該
上向き噴霧ノズルと同一鉛直線上に配置された下向き噴
霧ノズルからスプレーされた吸収液スラリと前記上向き
噴霧ノズルからスプレーされた吸収液スラリとが接触し
て交差、干渉する領域を通過することにより、流速が均
一化されると同時に、硫黄酸化物の一部も除去された
後、吸収塔上部に設置された下向き噴霧ノズルによりス
プレーされた吸収液スラリと接触して硫黄酸化物の大部
分が除去される。吸収塔下部の被処理ガス（排ガス）の
導入部に上向きの噴霧ノズルを取り付けたスプレーヘッ
ダを設けたことにより、これより上部で被処理ガスと対
向流で噴霧される吸収液スラリが被処理ガスの導入部に
飛散することを抑制し、被処理ガス導入部でのスケーリ
ングを防止することができる。また、多孔板を設けるこ
となく被処理ガス導入部への吸収液スラリの飛散を防止
できるため、多孔板部ではドラフト損失を考慮する必要
がなく、吸収塔のドラフト損失が低減される。本発明に
おいてはスプレーヘッダの上向きの噴霧ノズルと向い合
うその上段のスプレーヘッダの下向きの噴霧ノズルとの
ノズル先端間の距離は１ｍ以上とし、上向きの噴霧ノズ
ルの噴霧圧を高く（望ましくは０．５ｂａｒ以上）する
ことが望ましい。これにより、噴霧吸収液スラリの衝突
効果を上げることができる。これに反し、ノズル先端間
の距離を１ｍ以下にすると、下向きの噴霧ノズルからの
噴霧液の噴霧力が強く、上向きの噴霧液による緩衝効果
が減じられるとともに、下向きの噴霧ノズルが被処理ガ
ス導入部に近くなるため、被処理ガス導入部への吸収液
スラリの飛散防止効果が低下し、ガス入口ダクト内にス
ラリが堆積する原因となる。また、起動時には、上向き
の噴霧ノズルから先に吸収液スラリの噴霧を開始させる
ことで、吸収塔下部の被処理ガス導入部でのスケーリン
グ発生を防ぐことができる。
塔内に導入され、上向き噴霧ノズルからスプレーされた
吸収液スラリと接触して一部が脱硫されるとともに、該
上向き噴霧ノズルと同一鉛直線上に配置された下向き噴
霧ノズルからスプレーされた吸収液スラリと前記上向き
噴霧ノズルからスプレーされた吸収液スラリとが接触し
て交差、干渉する領域を通過することにより、流速が均
一化されると同時に、硫黄酸化物の一部も除去された
後、吸収塔上部に設置された下向き噴霧ノズルによりス
プレーされた吸収液スラリと接触して硫黄酸化物の大部
分が除去される。吸収塔下部の被処理ガス（排ガス）の
導入部に上向きの噴霧ノズルを取り付けたスプレーヘッ
ダを設けたことにより、これより上部で被処理ガスと対
向流で噴霧される吸収液スラリが被処理ガスの導入部に
飛散することを抑制し、被処理ガス導入部でのスケーリ
ングを防止することができる。また、多孔板を設けるこ
となく被処理ガス導入部への吸収液スラリの飛散を防止
できるため、多孔板部ではドラフト損失を考慮する必要
がなく、吸収塔のドラフト損失が低減される。本発明に
おいてはスプレーヘッダの上向きの噴霧ノズルと向い合
うその上段のスプレーヘッダの下向きの噴霧ノズルとの
ノズル先端間の距離は１ｍ以上とし、上向きの噴霧ノズ
ルの噴霧圧を高く（望ましくは０．５ｂａｒ以上）する
ことが望ましい。これにより、噴霧吸収液スラリの衝突
効果を上げることができる。これに反し、ノズル先端間
の距離を１ｍ以下にすると、下向きの噴霧ノズルからの
噴霧液の噴霧力が強く、上向きの噴霧液による緩衝効果
が減じられるとともに、下向きの噴霧ノズルが被処理ガ
ス導入部に近くなるため、被処理ガス導入部への吸収液
スラリの飛散防止効果が低下し、ガス入口ダクト内にス
ラリが堆積する原因となる。また、起動時には、上向き
の噴霧ノズルから先に吸収液スラリの噴霧を開始させる
ことで、吸収塔下部の被処理ガス導入部でのスケーリン
グ発生を防ぐことができる。
【０００８】
【実施例】図１は、本発明の一実施例を示す湿式排煙脱
硫装置の吸収塔を示す図である。図１においてこの吸収
塔は、ガス入口ダクト５およびガス出口ダクト７を有す
るスプレー塔本体１と、該スプレー塔本体１の上部に設
けられた排ガスと対向流で気液接触を行うための吸収液
を噴霧する下向き噴霧ノズル２と、該噴霧ノズル２の上
方のガス出口ダクト７の近傍に設けられたミストエリミ
ネータ４と、前記ガス入口ダクト５とスプレー塔本体１
との連結部の直上部に設けられた上向き噴霧ノズル３
と、前記スプレー塔本体１の下部に設けられた吸収液ス
ラリの循環タンク８内の吸収液スラリをスプレー配管９
を経て循環させる循環ポンプ６から主として構成されて
いる。
硫装置の吸収塔を示す図である。図１においてこの吸収
塔は、ガス入口ダクト５およびガス出口ダクト７を有す
るスプレー塔本体１と、該スプレー塔本体１の上部に設
けられた排ガスと対向流で気液接触を行うための吸収液
を噴霧する下向き噴霧ノズル２と、該噴霧ノズル２の上
方のガス出口ダクト７の近傍に設けられたミストエリミ
ネータ４と、前記ガス入口ダクト５とスプレー塔本体１
との連結部の直上部に設けられた上向き噴霧ノズル３
と、前記スプレー塔本体１の下部に設けられた吸収液ス
ラリの循環タンク８内の吸収液スラリをスプレー配管９
を経て循環させる循環ポンプ６から主として構成されて
いる。
【０００９】硫黄酸化物含有排ガスは、ガス入口ダクト
５からスプレー塔本体１に導入され、スプレー配管９お
よび上向き噴霧ノズル３を経て円錐状にスプレーされた
吸収液スラリと接触して一部が脱硫されるとともに、該
上向き噴霧ノズル３によりスプレーされた吸収液スラリ
と下向き噴霧ノズル２を経て円錐状にスプレーされた吸
収液スラリとの交差、干渉部を通過することにより、流
速が均一化されると同時に、硫黄酸化物の一部も除去さ
れた後、上部に設置の下向き噴霧ノズル２によりスプレ
ーされた吸収液スラリと接触して硫黄酸化物の大部分が
除去され、さらにスプレー塔本体１の上部に設けられた
ミストエリミネータ４で同伴ミストが除かれた後、処理
ガスとしてガス出口ダクト７から系外に排出される。
５からスプレー塔本体１に導入され、スプレー配管９お
よび上向き噴霧ノズル３を経て円錐状にスプレーされた
吸収液スラリと接触して一部が脱硫されるとともに、該
上向き噴霧ノズル３によりスプレーされた吸収液スラリ
と下向き噴霧ノズル２を経て円錐状にスプレーされた吸
収液スラリとの交差、干渉部を通過することにより、流
速が均一化されると同時に、硫黄酸化物の一部も除去さ
れた後、上部に設置の下向き噴霧ノズル２によりスプレ
ーされた吸収液スラリと接触して硫黄酸化物の大部分が
除去され、さらにスプレー塔本体１の上部に設けられた
ミストエリミネータ４で同伴ミストが除かれた後、処理
ガスとしてガス出口ダクト７から系外に排出される。
【００１０】本実施例によれば、被処理ガス導入部の所
定の位置に上向き噴霧ノズル３を設け、下向き噴霧ノズ
ル２と対向流で吸収液を噴霧させることにより、吸収液
スラリのガス入口ダクト５部への飛散が防止されるの
で、ガス入口ダクト５内におけるスラリの堆積がなくな
る。さらに、上向き噴霧ノズル３と下向き噴霧ノズル２
を対向流で吸収液を噴霧、干渉させることにより吸収塔
内でガス流速が均一化しドラフト損失が減少すると共に
気液接触効率がよくなり脱硫効率が向上する。
定の位置に上向き噴霧ノズル３を設け、下向き噴霧ノズ
ル２と対向流で吸収液を噴霧させることにより、吸収液
スラリのガス入口ダクト５部への飛散が防止されるの
で、ガス入口ダクト５内におけるスラリの堆積がなくな
る。さらに、上向き噴霧ノズル３と下向き噴霧ノズル２
を対向流で吸収液を噴霧、干渉させることにより吸収塔
内でガス流速が均一化しドラフト損失が減少すると共に
気液接触効率がよくなり脱硫効率が向上する。
【００１１】また、図示していないが最下段より２段以
上の上のスプレーヘッダに取り付けられる噴霧ノズルも
上向きにし、該上向き噴霧ノズルより噴霧されるスラリ
を、それより上部に設置されるスプレーヘッダに取り付
けられる下向きの噴霧ノズルより噴霧されるスラリと対
向流で接触する構成を採用すると、さらに吸収塔内でガ
ス流速が均一化しドラフト損失が減少すると共に気液接
触効率がよくなり脱硫効率が向上する。
上の上のスプレーヘッダに取り付けられる噴霧ノズルも
上向きにし、該上向き噴霧ノズルより噴霧されるスラリ
を、それより上部に設置されるスプレーヘッダに取り付
けられる下向きの噴霧ノズルより噴霧されるスラリと対
向流で接触する構成を採用すると、さらに吸収塔内でガ
ス流速が均一化しドラフト損失が減少すると共に気液接
触効率がよくなり脱硫効率が向上する。
【００１２】このとき、互いに対向する上向きの噴霧ノ
ズル３と下向きの噴霧ノズル２は同一鉛直線上に設ける
と対向流で接触する噴霧スラリは効率良く、衝突させる
ことができる。そして、スプレーヘッダの上向きの噴霧
ノズル３と向い合うその上段のスプレーヘッダの下向き
の噴霧ノズル２とのノズル先端間の距離は１ｍ以上とす
ることが望ましい。また、上向きの噴霧ノズル３の背圧
を下向きの噴霧ノズル２の背圧より０．５ｂａｒ以上高
くすることにより、吸収液スラリの衝突効果が上がり、
さらに二次的効果として一段上の下向き噴霧ノズル２用
の吸収液スラリ供給ポンプと同一の揚程容量のポンプが
使用できる。また、起動時には、上向きの噴霧ノズル３
から先に吸収液スラリの噴霧を開始させることで、吸収
塔下部の被処理ガス導入部でのスケーリング発生を防ぐ
ことができる。
ズル３と下向きの噴霧ノズル２は同一鉛直線上に設ける
と対向流で接触する噴霧スラリは効率良く、衝突させる
ことができる。そして、スプレーヘッダの上向きの噴霧
ノズル３と向い合うその上段のスプレーヘッダの下向き
の噴霧ノズル２とのノズル先端間の距離は１ｍ以上とす
ることが望ましい。また、上向きの噴霧ノズル３の背圧
を下向きの噴霧ノズル２の背圧より０．５ｂａｒ以上高
くすることにより、吸収液スラリの衝突効果が上がり、
さらに二次的効果として一段上の下向き噴霧ノズル２用
の吸収液スラリ供給ポンプと同一の揚程容量のポンプが
使用できる。また、起動時には、上向きの噴霧ノズル３
から先に吸収液スラリの噴霧を開始させることで、吸収
塔下部の被処理ガス導入部でのスケーリング発生を防ぐ
ことができる。
【００１３】次に本発明を具体的データによりさらに詳
細に説明する。 実施例１ 図１に示したスプレー塔本体１の塔径を６７０ｍｍ、上
向き噴霧ノズル３を１段、下向き噴霧ノズル２を４段と
して、吸収液に石灰石スラリを用い、排ガス量を２５０
０Ｎｍ3／ｈ（吸収塔入口ガスベース）として硫黄酸化
物含有排ガス中の硫黄酸化物を吸収したところ、脱硫率
は９５％であり、この時の吸収塔のドラフト損失は６０
ｍｍＨ2Ｏであった。また、ガス入口ダクト５内へのス
ラリの堆積は見られなかった。
細に説明する。 実施例１ 図１に示したスプレー塔本体１の塔径を６７０ｍｍ、上
向き噴霧ノズル３を１段、下向き噴霧ノズル２を４段と
して、吸収液に石灰石スラリを用い、排ガス量を２５０
０Ｎｍ3／ｈ（吸収塔入口ガスベース）として硫黄酸化
物含有排ガス中の硫黄酸化物を吸収したところ、脱硫率
は９５％であり、この時の吸収塔のドラフト損失は６０
ｍｍＨ2Ｏであった。また、ガス入口ダクト５内へのス
ラリの堆積は見られなかった。
【００１４】比較例１ 上向き噴霧ノズル３を取り付けた最下段のスプレーヘッ
ダの代わりに、従来の多孔板１０を用いた以外は前記実
施例１と同様にして硫黄酸化物含有ガスを脱硫したとこ
ろ、脱硫率は９５％であったが、吸収塔のドラフト損失
は９０ｍｍＨ2Ｏと大きかった。また多孔板１０の下面
にスケールが付着した。実施例１、比較例１におけるガ
スの塔断面積における偏流率、ドラフト損失および脱硫
率を表１に示す。
ダの代わりに、従来の多孔板１０を用いた以外は前記実
施例１と同様にして硫黄酸化物含有ガスを脱硫したとこ
ろ、脱硫率は９５％であったが、吸収塔のドラフト損失
は９０ｍｍＨ2Ｏと大きかった。また多孔板１０の下面
にスケールが付着した。実施例１、比較例１におけるガ
スの塔断面積における偏流率、ドラフト損失および脱硫
率を表１に示す。
【００１５】
【表１】 表１より、従来の多孔板１０を用いた場合（比較例１）
はドラフト損失が大きくなること、また多孔板１０への
スケーリング防止が必要となることがわかる。
はドラフト損失が大きくなること、また多孔板１０への
スケーリング防止が必要となることがわかる。
【００１６】
【発明の効果】本発明によれば、同一鉛直線上に配置さ
れた上向き噴霧ノズルと下向き噴霧ノズルを対向流で吸
収液を噴霧、干渉させることにより吸収塔内でガス流速
が均一化しドラフト損失が減少すると共に気液接触効率
がよくなり脱硫効率が向上する。さらに、吸収塔のドラ
フト損失が減少し、脱硫ファンの消費電力量の低減が可
能となる。また、十分な整流効果も得られ、気液接触効
率もよくなるので脱硫効率が向上する。さらに噴霧ノズ
ルから円錐状にスプレーされた吸収液スラリの飛散が防
止されるので、例えばガス入口ダクト内でのスラリの堆
積を防止することができる。
れた上向き噴霧ノズルと下向き噴霧ノズルを対向流で吸
収液を噴霧、干渉させることにより吸収塔内でガス流速
が均一化しドラフト損失が減少すると共に気液接触効率
がよくなり脱硫効率が向上する。さらに、吸収塔のドラ
フト損失が減少し、脱硫ファンの消費電力量の低減が可
能となる。また、十分な整流効果も得られ、気液接触効
率もよくなるので脱硫効率が向上する。さらに噴霧ノズ
ルから円錐状にスプレーされた吸収液スラリの飛散が防
止されるので、例えばガス入口ダクト内でのスラリの堆
積を防止することができる。
【図１】 本発明の一実施例による湿式排煙脱硫装置の
吸収塔を示す説明図である。
吸収塔を示す説明図である。
【図２】 従来の湿式排煙脱硫装置の吸収塔を示す説明
図である。
図である。
１…スプレー塔本体、２…下向き噴霧ノズル、３…上向
き噴霧ノズル、４…ミストエリミネータ、５…ガス入口
ダクト、６…循環ポンプ、７…ガス出口ダクト、８…循
環タンク、９…スプレー配管
き噴霧ノズル、４…ミストエリミネータ、５…ガス入口
ダクト、６…循環ポンプ、７…ガス出口ダクト、８…循
環タンク、９…スプレー配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片川 篤 広島県呉市宝町６番９号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 平６−198121（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−39239（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−136617（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−134421（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−24331（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−21052（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B01D 53/18 B01D 53/34
Claims (3)
- 【請求項１】 塔下部に導入される排ガスを塔内で２段
以上からなるスプレーヘッダに取り付けられた噴霧ノズ
ルから噴霧される吸収液スラリに接触させて、排ガス中
の硫黄酸化物を吸収液に吸収させ、塔頂部から処理ガス
を排出する湿式排煙脱硫装置の吸収塔において、前記２段以上からなるスプレーヘッダは吸収塔水平面方
向に複数個の噴霧ノズルが配置され、 少なくとも前記排
ガスの導入部に最も近い最下段のスプレーヘッダに取り
付けられる噴霧ノズルを上向きにし、それより上部に設
置されるスプレーヘッダに取り付けられる噴霧ノズルを
下向きにして、互いに対向流で吸収液スラリをそれぞれ
噴霧して接触させるように前記上向き噴霧ノズルと下向
き噴霧ノズルを同一鉛直線上に配置したことを特徴とす
る湿式排煙脱硫装置の吸収塔。 - 【請求項２】 スプレーヘッダの上向きの噴霧ノズルと
向い合うその上段のスプレーヘッダの下向きの噴霧ノズ
ルとのノズル先端間の距離は１ｍ以上とすることを特徴
とする請求項１記載の湿式排煙脱硫装置の吸収塔。 - 【請求項３】 起動時には、上向きの噴霧ノズルから先
に吸収液スラリの噴霧を開始させる機構を備えたことを
特徴とする請求項１記載の湿式排煙脱硫装置の吸収塔。
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| JP26711694A JP3338209B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 湿式排煙脱硫装置の吸収塔 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP26711694A JP3338209B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 湿式排煙脱硫装置の吸収塔 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08126813A JPH08126813A (ja) | 1996-05-21 |
| JP3338209B2 true JP3338209B2 (ja) | 2002-10-28 |
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ID=17440294
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26711694A Expired - Fee Related JP3338209B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 湿式排煙脱硫装置の吸収塔 |
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| JP (1) | JP3338209B2 (ja) |
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