JPH06304414A - 浄水場における凝集沈澱プロセスの制御装置 - Google Patents

浄水場における凝集沈澱プロセスの制御装置

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JPH06304414A
JPH06304414A JP12034293A JP12034293A JPH06304414A JP H06304414 A JPH06304414 A JP H06304414A JP 12034293 A JP12034293 A JP 12034293A JP 12034293 A JP12034293 A JP 12034293A JP H06304414 A JPH06304414 A JP H06304414A
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coagulant
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JP12034293A
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Michimasa Oguri
道正 小栗
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 界面現象測定器の出力値に影響する変動因子
の除去、関数演算等により補正して凝集剤注入率の適正
化を計ること及び/又は定期的あるいは高濁度時に凝集
剤調節器の目標値を決定すること及び/又は凝集剤注入
率からアルカリ注入量、攪拌翼回転数を演算して調節す
ることである。 【構成】 網状篩の内側に循環流を流して一部粒径の揃
った濁質粒子を界面現象測定器に供給するクロスフロー
方式による篩い分け、自動排泥、逆洗機能を有する篩分
器と、温度、電気電導度、凝集剤注入率、濁度、時間関
数、処理量等を入力して関数補正あるいはファジー推算
して凝集剤調節器の目標値を補正する演算装置及び/又
はポンプで段階的に凝集剤を注入し、注入率、出力値の
曲線における変曲点を求める演算器及び/又は凝集剤調
節器からの出力値に基づいてアルカリ注入量及び攪拌翼
回転数の目標値を演算する演算器、それら目標値によっ
てポンプ、モータを調節する調節器から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浄水場における、凝集剤
注入率、アルカリ注入量、緩速攪拌速度の制御装置に係
わり、特に界面現象計測器の測定値を基本的な制御量と
して凝集剤注入率、アルカリ注入量、緩速攪拌翼回転数
を演算制御する浄水場における凝集沈澱プロセスの制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来図5に示すような温度、季節変動、
高濁度等の補正を行わない流動電流計等の界面現象測定
器を用いた凝集剤注入率の制御装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】凝集剤調節器の目標値
はJISのジャーテスト法に準拠して決定された適正注
入率における原水の界面現象測定器の出力値を求めて決
定される。このとき日毎、月毎に変動する温度、電気電
導度、濁度、粒径等によって目標値が変動すると云う問
題がある。
【0004】季節変動等の周期的に影響するがその因果
関係が明確でない、測定手段が無い、台風等の高濁度時
における突発変動、操業条件等が大きく変わる場合等に
おいて制御が困難になり人海戦術に頼ることになると云
う問題がある。
【0005】目標値を決定する装置にはジャーテスト法
に準拠する操作手順を自動化したものが知られている。
凝集理論に準拠する方法によって目標値を決定する装置
は知られていないと云う問題がある。
【0006】大きく、圧密なフロックを形成するために
は凝集剤注入率のみならずアルカリ度、攪拌翼回転数を
調節する必要があるが、界面現象計測器の出力値を基本
データにして凝集沈澱プロセスを総合的に統御するもの
がないと云う問題がある。
【0007】界面現象測定器には、濁質粒径を揃えた
り、夾雑物の除去・排出、逆洗、検出部の薬洗浄を行う
ものがないため保守点検が煩雑で測定の信頼性を損なう
と云う問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による問題点の解
決手段として、温度、電気電導度、濁度等のように界面
現象測定器の出力値に影響する関係が明確な場合には、
それぞれの相対偏差の1次線形関数を演算プログラムに
組み込んで補正する演算器を設ける。季節変動、台風、
特殊操業等のような統計的調査を要する場合には、それ
らの知識をルール、メンバーシップ関数等を用いて作成
してファジー推算するファジー推算器を設ける。
【0009】定量ポンプで凝集剤注入率Pを1,2,
4,6,10,16,25,40,63,100pp
m,・・・等と段階的に変えてPに対する界面現象測定
器の出力値Iを求めるシーケンスプログラム、P−I曲
線、logP−logI曲線あるいはlogP−I曲線
の1次微分≧max及び2次微分≦minで計算される
変曲点(P,I)のIを求める演算プログラムによって
目標値を決定する。
【0010】凝集剤調節器からの凝集剤注入率、浄水場
の処理量の電気信号を入力してアルカリ注入量、攪拌翼
回転数をそれらの相対偏差を用いてプログラム演算する
演算器を設け、それらの目標値によって定量ポンプ、攪
拌翼モータを調節するアルカリ調節器、攪拌翼調節器を
設ける。
【0011】濁質粒径の篩い分け等を行うために網状篩
の内側に循環流を作り、一部粒径の揃った濁質粒子を通
過させるクロスフロー方式による篩い分け、泥等の逆
洗、排出を行う篩分器、検出部を浸漬洗浄する薬洗浄器
を設ける。
【0012】
【作用】本発明に係わる凝集沈澱プロセスは、凝集剤が
加水分解して沈澱粒子が生成し、それが濁質粒子に吸着
して電気的に中和する機構、電気的に中和した粒子同士
が攪拌によって衝突合一する機構、粒子間に形成される
架橋構造によって大きな圧密フロックが形成される機構
によって説明される。
【0013】界面現象計測器の出力値Iは、ポリ塩化ア
ルミニウム等の凝集剤注入率Pを増加すると、初め浸透
圧により電気二重層が圧縮されP1/2に比例して増加す
るが、溶解度を越すと沈澱生成する正の沈澱粒子が負の
濁質粒子に吸着されPに比例して増加するようになる。
浄水場におけるポリ塩化アルミニウムの凝集機構では、
この吸着による中和が重要になり、アルミニウムの溶解
度と架橋構造の形成条件を加味したPH6.8近辺で沈
澱粒子の中和能力が最高になることが分かっている。
【0014】凝集モデルを単純化したとき界面現象計測
器の出力値Iは濁質粒子の荷電量と濃度の積及び凝集剤
粒子の荷電量と濃度の積の総和によって数式化される。
またその出力値Iは電気的中和点を境にして負の大きな
濁質粒子から正の小さなアルミニウム粒子への移行によ
り電荷の逆転と粒径の変化により大きな変化を受ける。
その結果P−I曲線、logP−logI曲線、log
P−I曲線における変曲点(P,I)を計算することに
よって電気的中和点を求めることができる。実際計算上
のIはジャーテスト法で決定された適正注入率における
原水のIに合致する。
【0015】凝集剤調節器の目標値は、数カ月間程度、
濁度10度≦C≦150度程度、温度10℃≦T≦30
℃の範囲において、温度T、電気電導度E、濁度Cに対
して目標値を決定した状態(温度T0、電気電導度E0
濁度C0)からの相対偏差を数1、数2、数3を用いて
定義し1次線形で近似補正される。ただし数3において
凝集剤注入率Pが濁度Cの平方根に比例する吸着等温式
の関係を用いた。
【0016】
【数1】△I≒−a(T−T0)/T0・I0,a:定
数,−:濁質粒子の荷電状態
【0017】
【数2】△I≒−b(E−E0)/E0・I0,b:定
数,−:濁質粒子の荷電状態
【0018】
【数3】△I≒−c(C−C0)/C0・I0≒−2c
(P−P0)/P0・I0,c:定数
【0019】前述の補正関数では対処し難い、微生物、
バクテリア、濁質等のように測定困難時、台風等の高濁
度(>200ppm)時、冬場の低濁度における特殊操
業時等の場合には、それらに関する知識をルール、メン
バーシップ関数等を用いてファジー推算法を作成して演
算補正する。
【0020】衝突合一における緩速攪拌の回転数N(≒
2/3)はフロック形成攪拌速度G値(sec-1)、濁
度C(≒P2)(ppm)、滞留時間S(=フロック形
成槽容量V/処理量F)(sec)の積で定義されるフ
ロック形成度合(G・C・S)≒1を用いて、凝集剤注
入率Pと処理量Fの関数に直して数4を得る。
【0021】
【数4】N≒d・P-4/3・F2/3,d:定数
【0022】攪拌翼回転数Nは、凝集剤調節器8の目標
値を決定した状態のN0、P0、F0を用い、数4の両対
数を微分した相対偏差の関係を用いて数5を得る。
【0023】
【数5】 N=N0−d(4/3・△P/P0−2/3・△F/F0)N0
【0024】アルカリ注入量Aは、凝集剤の沈澱形成に
適するPH=6.8程度に維持されていることを前提に
して、凝集剤の加水分解によって消費されたアルカリ量
に相当する。前述同様に目標値を決定した状態のA0
0を用い、相対偏差の関係を用いて数6を得る。
【0025】
【数6】A≒A0+h(△P/P0)A0,h:定数
【0026】網状篩の内側に多量の循環流を流し、一部
粒径の揃った濁質粒子を透過して篩い分けるクロスフロ
ー方式を採用すると全量透過による篩い分けに比べ高濁
度時における泥等の堆積による負荷が軽減して逆洗、排
泥周期が長くなり篩い分け効率が向上する。
【0027】界面現象計測装置等の出力値を基本的なデ
ータとして凝集剤注入量、アルカリ注入量、攪拌翼回転
数の凝集沈澱プロセスを総合的に統御できることにな
る。
【0028】
【実施例1】本発明について添付図面を参照しつつ具体
的に説明する。図1は浄水場における本発明凝集沈澱プ
ロセスの制御装置1の一実施例を示す説明図である。1
aは界面現象計測装置であり、原水等に含まれる濁質粒
子の電荷量を測定する界面現象測定器5、篩分器2、薬
洗浄器3を備えた界面現象計測器6と、温度計7a及び
電気電導度計7bから成る。1bは界面現象計測装置1
aからの電気信号を入力して制御出力装置1cの目標値
を演算補正する演算装置である。制御出力装置1cは、
演算装置1bからの目標値、界面現象計測装置1aから
の電気信号を入力して電磁弁8a等を調節する凝集剤調
節器から成る。
【0029】2は篩分器であり、サンプリングポンプ5
a等によって網状篩2dの下部内側に循環流を作り大部
分が越流路2cを通って排出され、一部粒径の揃った濁
質粒子が上部網状篩2dを透過して分別され、同時に浮
遊・夾雑物等が遮蔽・分離される構造になっている。ま
た越流路2cの越流口をサンプル水取口より若干高めに
して過剰サンプル水を排出して一定のサンプル水量が界
面現象測定器5に供給される構造になっている。また蓄
積した砂泥、浮遊物等を排出する排泥弁2b、網状2d
をジェット洗浄する逆洗弁2a、それらを制御するシー
ケンサ4が備えられる。電気電導度計7a、温度計7b
等はこれに付設される。
【0030】3は薬洗浄器であり、薬液ポンプ、電磁弁
3a等で薬液槽3bの過酸化水素水等の薬液を界面現象
測定器5の検出部5bに注入して浸漬洗浄するものであ
る。定期的に自動洗浄するために供給弁3b、排液弁3
c、それらを制御するシーケンサ4が備えられる。演算
装置1bの演算器のシーケンス機能を利用すればシーケ
ンサ4は省かれる。
【0031】5は濁質粒子の電荷量を測定する界面現象
測定器であり、流動電流計の場合、検出部5bは、出入
口部に一対の電極を設け、圧力を加えたとき層流を作る
毛管路が形成されている。原理は荷電粒子を強制的に移
動させると、質量差によって荷電粒子と対イオンが分離
・分極するが、反発力として分極を相殺する方向に自発
的なイオンの流れが生じ外部回路に粒子の電荷量に比例
する電流が発生することを応用したものである。
【0032】界面現象測定器5は、出力値が電気的中和
点である目標値において濁質粒子が静電反発力を失い凝
集することを応用して凝集剤注入率のモニタ、制御に適
用されるものである。ジャーテスト法で求めた凝集剤の
適正注入率の原水における界面現象計測器6の出力値が
目標値に合致する。
【0033】電荷量の計測手段として、流動電流計のみ
ならず電場中を移動する荷電粒子の易動度からゼータ電
位を求めるゼータ電位計、電気二重層膜の電気容量を求
めるインピーダンス計等がある。ゼータ電位と濁質粒子
の安定性の研究はよく知られているが、ゼータ電位、電
荷量、流動電流、電気容量等において相互に有意な関係
が認められるものであればいずれも使用できる。
【0034】浄水場における凝集沈澱プロセスの制御装
置1の動作について述べる。原水は数10分程度の滞留
時間を持つ混和池に流入されて凝集剤、アルカリ剤が注
入され、フラッシュミキサ−による急速攪拌が行われ
る。攪拌後滞留時間1時間半程度で、緩速攪拌回転数が
50回/分程度のフロック形成池に送られ沈降性フロッ
クが形成される。沈澱池で濁質粒子は重力分離され、上
澄液は砂濾過池へ送られ濾過される。
【0035】サンプル水は、凝集剤を注入して加水分解
が終了する数10分程度経過後の混和池出口、フロック
形成池入口等に設けたサンプリングポンプ5aによって
凝集沈澱プロセスの制御装置1へ供給される。
【0036】網状篩2dの内側をサンプル水が循環して
大部分が排出され、一部粒径の揃った濁質粒子が網状篩
2dを透過するクロスフロー方式で篩い分けられるた
め、排泥の必要が少なくなり全量透過方式に比べ高濁度
における使用が可能である。
【0037】篩分器2に堆積した泥等はシーケンサ4に
よって1回/日程度排出・逆洗される。サンプリングポ
ンプ5aが停止し、排泥弁2bが開弁して泥が排出され
る。排出後逆洗弁2aが開弁して一定時間ジェット逆洗
されて排泥弁2bが閉弁される。
【0038】逆洗後薬洗浄器3が作動する。排液弁3c
と供給弁3dが閉弁し、電磁弁3aが一定時間開弁して
過酸化水素水等の薬液が検出部5bに注入される。数1
0分程度の浸漬洗浄が行われる。薬洗浄後排液弁3cお
よび供給弁3dが開弁し、サンプリングポンプ5aが作
動して制御が開始される。逆洗、薬洗中、凝集剤調節器
の目標値は前回値に保持される。
【0039】図2は本発明装置の演算フローを示す説明
図である。演算装置1bは界面現象計測装置1aからの
電気信号を入力してディジタル変換するA/D変換器
と、関数演算・シーケンス機能を持つ演算器と、感覚的
なファジー演算機能を持つファジー推算器と、ファジー
推算に必要なルール、メンバーシップ関数、ファイル管
理等のプログラムを記憶管理するルール記憶器と、演算
器、ファジー推算器、加算器へ入力されるシーケンスプ
ログラム、規則、関数、定数、目標値等をテンキー等で
入力する状況値入力器と、演算器、ファジー推算器で演
算された補正値を目標値に加算する加算器と、加算器か
らの目標値をアナログ変換して制御出力装置1cへ出力
するD/A変換器から成る。
【0040】界面現象計測器6の出力値I、温度T、電
気電導度E、凝集剤調節器8の出力値P、状況値入力器
からの目標値等が演算装置1bに入力され、ディジタル
変換後、演算器、ファジー推算器に入力され補正値が求
められる。その補正値は目標値に加算されアナログ変換
後制御出力装置1cへ出力される。
【0041】演算装置1bの演算器は、凝集沈澱プロセ
スの制御装置全体に係わり、データ等の入力出力プログ
ラム等を含むメインプログラム、篩分器、薬洗浄器等の
シーケンスプログラム、補正関数、アルカリ注入量、攪
拌翼回転数等の演算プログラムを収納・実行する機能を
持つものである。
【0042】補正関数は目標値を決定した状態(T0
0、E0、P0)からの相対偏差で定義された数1、数
2、数3の1次線形関数で表され数6を得る。
【0043】
【数6】△I=(−a(T−T0)/T0−b(E−E0
/E0−c(P−P0)/P0)I0
【0044】数6は濁度範囲10ppm<濁度<150
ppmにおいて適用される。ここで、a=0.1〜0.
2,b=0.001,c=0.01〜0.2であるが、
河川毎に水質、濁質、操業条件等の統計調査が必要であ
る。この補正によって年間累計6割程度の凝集剤注入率
の制御が可能になる。
【0045】演算装置1bのファジー推算器は、季節変
動等の周期的変動、台風等の突発的変動、スタートアッ
プ時、スイーピングフロック等の特殊操業に対処するも
のである。
【0046】図3におけるファジー推算は、ある事象と
の関係が統計的または感覚的に認識されるとき、例えば
「もし<冬で濁度が低い>ならば(正側に補正する)」
等のルールが作成される。入力側の四季(SEA)の冬
(W)・春(Sp)・夏(Su)・秋(F)、濁度(T
UR)等の高(H)・中(M)・低(L)等を数量化す
るために縦軸に適合度、横軸に濁度、月数等の数値を取
った縦、横軸上に三角形の関数で表したメンバーシップ
関数を作って感覚的表現の数値化が行われる。出力側
(OUT)は補正値の大(PB)・小(B)・負(N)
を数量化する同様のメンバーシップ関数が作られる。1
つのルール内に複数の条件があるときの演算法は、適合
度の低い方の条件に対応する出力側のメンバーシップ関
数が選択され、同時に出力側の三角形が低い方の適合度
を頂点にする三角形に変形されて行われる。ルール間の
演算法は、ルール毎に変換された三角形の総面積が求め
られ、その面積重心によって補正値が推算されて行われ
る。その推算法はMIN−MAX法と重心法と言われる
ファジー推算の一演算法である。
【0047】季節変動、台風等におけるルール例を示
す。 もし<冬で濁度が低い>ならば(正側に補正する) もし<濁度がかなりに高い>ならば(大きく正側に補正
する) もし<春あるいは冬>ならば(補正しない) もし<夏あるいは秋>ならば(正側に補正する)
【0048】周期的に変動する季節変動、突発的に変動
する台風、操業方法の異なる特殊操業等における制御を
簡単な知識の組み込みによって可能にする有力な制御手
段である。なおルール、メンバーシップ関数等の決定に
あたって制御の応答性に注意してシミュレーションを行
う。
【0049】補正された目標値は制御出力装置1cの凝
集剤調節器8に入力され、目標値の設定変更が行われ
る。同時に入力される界面現象計測器6からの電気信号
によって凝集剤ポンプ(叉は弁)8aが調節(開閉)さ
れる。
【0050】図4において、本発明装置のプログラム手
順について説明する。電源をオンにしてスタートする。
テンキーから調節器の目標値、演算補正に必要な係数、
目標値を決定した状態の温度、電気電導度、凝集剤注入
率等、ファジー推算器に必要なルール、メンバーシップ
関数等、シーケンサのタイマ値等が状況値入力器から入
力される。なおファジーに関する入力はRS232Cを
介して転送される。
【0051】逆洗・薬液洗浄のシーケンス4が働き、篩
分器2及び流動電流計等の界面現象測定器5の検出部5
bの洗浄が数10分程度行われる。洗浄後通常の測定に
入り、流動電流値、温度、電気電導度、凝集剤調節器8
の出力値等が演算装置1bに読み込まれる。演算装置1
bの演算器とファジー推算器では、数6の補正関数と季
節変動、大雨等の突発変動に対するファジー推算がそれ
ぞれ独立して行われ、外部入力された目標値に加算され
て目標値が補正される。
【0052】このようにして凝集沈澱プロセスの制御装
置1は無保守に近い形のオンライン計測を可能にする。
季節変動、台風等の厳しい状況においても制御が可能に
なり、年間8〜9割程度の凝集剤注入率制御が可能にな
る。
【0053】
【実施例2】本発明装置の凝集剤調節器の目標値を決定
するための目標値決定装置11について述べる。図6に
おいて目標値決定装置11は、凝集剤注入前の原水を採
水するサンプリングポンプ(図示せず)あるいはサンプ
リングポンプ5aの吐出側に接続する定量ポンプ11a
と、それによって10分毎の間隔で1,2,4,6,1
0,16,25,40,63,100ppm・・・等段
階的に凝集剤注入率Pを変えるシーケンスプログラム、
P及び界面現象計測器6の出力値Iの入出力プログラ
ム、変曲点等を求める演算プログラムを収納・演算でき
る演算器からなる。ここで前記制御装置1bの演算器が
代替される。
【0054】本装置は定期的あるいは高濁度等を検知し
て作動することになる。所定注入率の原水に追加注入し
たり、注入前の原水に新規注入することができるが、濁
度変動時でも目標値決定を可能にするためには1t程度
の貯留槽(図示せず)に一旦原水を貯留し、そこから採
水して凝集剤を注入することが好ましい。
【0055】目標値は界面現象計測器6の出力値Iと凝
集剤注入率Pから作図されたP−I曲線、logP−l
ogI曲線、logP−I曲線の1次微分≧max及び
2次微分≦minによって求められる変曲点(P,I)
のIによって決定される。追加注入する場合、変曲点が
現れないことがある、そのときには目標値を負側に補正
して再度繰り返す。
【0056】本装置は硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウ
ム等の凝集剤を用いて凝集沈澱させる方式であれば上述
以外にもパルセータ方式、急速濾過方式にも適用できる
ものである。
【0057】
【実施例3】図6における凝集沈澱プロセスの制御装置
1は図1の主要部に付加されて構成されており重複を避
けて説明する。界面現象計測装置1aには、高濁度時を
検出するために光電計(叉は濁度計)7cが設けられ
る。演算装置1bの演算器には光電計7cからの電気信
号と、オンライン入力される処理流量Fの電気信号が入
力される。このとき数5と数6に従って攪拌翼回転数N
とアルカリ注入量Aを演算するプログラムが演算器に追
加される。制御出力装置1cには、攪拌翼回転数N、ア
ルカリ注入量Aの演算された目標値を入力して攪拌翼モ
ータ10aと定量ポンプ9aを駆動する攪拌翼調節器1
0とアルカリ調節器9が設けられる。大雨等で200p
pm以上の濁度が光電計7cに検知されると、逆洗・薬
洗浄、目標値決定装置11を作動させるプログラムを演
算器に組み込まれる。
【0058】図7のプログラム操作手順は図4に追加さ
れるものであり重複を避けて説明する。アルカリ注入
量、攪拌翼回転数の演算に必要な凝集剤調節器8の目標
値を決定した状態におけるF0(t/日)、N0(min
-1)、A0(l/min)が状況値入力器から入力され
る。前述の如く目標値は目標値決定装置11が作動して
自動的に決定され凝集剤調節器8に出力される。この目
標値に設定された凝集剤調節器8からの操作量に基づい
てアルカリ注入量A、攪拌翼回転数Nが演算される。演
算後の目標値がアルカリ調節器9、攪拌翼調節器10に
入力され定量ポンプ9a、攪拌翼モータ10aが調節さ
れる。
【0059】本発明装置は界面現象計測装置からのデー
タを基本にして凝集沈澱プロセス全体を統御することが
でき、省エネ・省力化に多大な貢献をなすことができる
ものである。
【0060】
【発明の効果】本発明は、夾雑物の除去、濁質粒子の篩
い分け、サンプル水量の安定化を行う篩分器を付設した
ことにより装置の信頼性の向上と保守・管理の簡便が計
られ省力化に多大な貢献をなすものである。本発明は、
流動電流計等の界面現象測定器を基本に演算処理するこ
とによって、季節変動、大雨等においても凝集剤注入率
の制御が可能であるばかりでなく、アルカリ注入量と攪
拌翼回転数の制御も可能になるため凝集沈澱プロセス全
体の統御が可能になり、省エネ・省力化に多大な貢献を
なすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である浄水場における凝集沈
澱プロセスの制御装置を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例である凝集沈澱プロセスの演
算フローを示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例である凝集剤注入率のファジ
ー演算法を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例である凝集沈澱プロセスのプ
ログラム手順を示す説明図である。
【図5】従来の凝集剤注入率の制御装置を示す説明図で
ある。
【図6】本発明の他例である浄水場における凝集沈澱プ
ロセスの制御装置を示す説明図である。
【図7】本発明の他例である凝集沈澱プロセスのプログ
ラム手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 凝集沈澱プロセスの制御装置 1a 界面現象計測装置 1b 演算装置 1c 制御出力装置 2 篩分器 3 薬洗浄器 4 シーケンサ 5 界面現象測定器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動電流計等の界面現象測定器を用いる
    凝集沈澱プロセスの制御装置において、網状篩の内側に
    サンプル水を循環させて一部粒径の揃った濁質粒子を外
    側に透過させるクロスフロー方式の篩分器及び界面現象
    測定器の検出部に薬液を注入して浸漬洗浄する薬洗浄器
    を持つ界面現象計測器に温度計、電気電導度計、光電計
    等を持つ界面現象計測装置と、凝集剤調節器の目標値等
    を入力する状況値入力器、界面現象計測装置からの各種
    制御量、凝集剤調節器からの操作量、時間関数、処理量
    等の電気信号をディジタル変換するA/D変換器、温
    度、電気電導度、濁度等の相対偏差に基づいて補正値を
    演算する演算プログラム、データ等の入出力プログラ
    ム、シーケンスプログラム、処理手続全体を統御するメ
    インプログラム等を収納・実行する演算器、時間、濁度
    等のファジー変数を入力してルール、メンバーシップ関
    数等によってファジー推算して補正値を推算するファジ
    ー推算器、目標値に補正値を加算する加算器及び目標値
    をアナログ変換するD/A変換器を設けた演算装置と、
    演算装置からの目標値、界面現象計測器からの制御量を
    入力して電磁弁等を調節する凝集剤調節器を持つ制御出
    力装置から構成されてなることを特徴とする浄水場にお
    ける凝集沈澱プロセスの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の演算装置には、定量ポンプを
    用いて10分毎に1,2,4,6,10,16,25,
    40,63,・・・ppm等の凝集剤注入率Pを変える
    と同時にPに対する界面現象計測器からの電気信号Iを
    測定するシーケンスプログラムを持ち、P−I曲線、l
    ogP−logI曲線あるいはlogP−I曲線の変曲
    点(P,I)を求める演算プログラムを組み込んだ演算
    器から成る目標値決定装置が具備されてなることを特徴
    とする浄水場における凝集沈澱プロセスの制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の演算装置には凝集剤調節器か
    らの電気信号に基づいてアルカリ注入量、緩速攪拌翼回
    転数を演算するプログラムが組み込まれ、演算装置から
    の電気信号に基づいてアルカリ注入弁を調節するアルカ
    リ調節器、攪拌翼回転数を調節する攪拌翼調節器が具備
    されてなることを特徴とする浄水場における凝集沈澱プ
    ロセスの制御装置。
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