JPH06304413A - 浄水場における凝集沈澱プロセスの制御法 - Google Patents

浄水場における凝集沈澱プロセスの制御法

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JPH06304413A
JPH06304413A JP12033993A JP12033993A JPH06304413A JP H06304413 A JPH06304413 A JP H06304413A JP 12033993 A JP12033993 A JP 12033993A JP 12033993 A JP12033993 A JP 12033993A JP H06304413 A JPH06304413 A JP H06304413A
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sedimentation process
coagulant
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particles
coagulation
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Kiyomi Ogawa
清美 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 界面現象測定器の出力値に影響する変動因子
の除去あるいは関数演算により補正し凝集剤注入率の適
正化を計ること及び/又は凝集剤注入率からアルカリ注
入量、攪拌翼回転数を演算して調節すること及び/又は
定期的あるいは高濁度時に凝集剤調節器の目標値を自動
的に決定することである。 【構成】 網状篩の内側に循環流を流して一部粒径の揃
った濁質粒子を界面現象測定器に供給するクロスフロー
方式を採用し、目標値、温度、電気電導度、凝集剤注入
率、濁度、月数、処理量等を入力して関数補正あるいは
ファジー推算によって補正された目標値を凝集剤調節器
に入力して凝集剤注入率を調節すること及び/又は段階
的に凝集剤を注入して注入率、出力値の曲線における変
曲点を求めて調節器の目標値を決定すること及び/又は
凝集剤調節器からの出力値を入力してアルカリ注入量及
び攪拌翼回転数の目標値を演算し、それら目標値によっ
てポンプ、モータを調節することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浄水場における凝集剤注
入率、アルカリ注入量、緩速攪拌速度の制御に係わり、
特に界面現象計測器からの出力信号に基づいて凝集剤注
入率、アルカリ注入量、攪拌翼回転数を調節する凝集沈
澱プロセスの制御法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来図5に示すような流動電流計からの
電気信号を入力して凝集剤注入率をフィードバック制御
する凝集剤注入率の制御法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】凝集剤調節器の目標値
はジャーテスト法によって求めた適正注入率における原
水の界面現象計測器の出力値を測定して決定される。し
かしながらその出力値は濁質の成分、濁度、温度、電気
電導度、粒径等の濁質や水質等によって変動すると云う
問題がある。
【0004】季節変動等のように周期的に変動すると
き、台風等のように急激に高濁度化するとき、スィーピ
ングフロック等操業条件が変わるとき等は、人海戦術に
頼ることになると云う問題がある。
【0005】界面現象計測器には、特に高濁度時におい
て濁質粒径の均一化、原水に含まれる夾雑物の分離・除
去、検出部の薬液洗浄等が十分でないため測定精度、信
頼性の劣化、保守・管理の煩雑さを助長すると云う問題
がある。
【0006】目標値はジャーテスト法に準拠した手順で
自動的に決定されるものがあるが、凝集理論に叶う方法
による決定法がないと云う問題がある。
【0007】圧密な沈澱性フロックを形成するには凝集
剤注入率のみならずアルカリ度、攪拌翼回転数を調節す
る必要があるが、界面現象計測器の出力値等僅かな測定
データに基づいて全凝集沈澱プロセスを統御する制御法
がないと云う問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による問題点の解
決手段は、温度、濁度等のように界面現象計測器の出力
値との関係が明確な場合には、それぞれの相対偏差の1
次線形結合を演算して補正する。季節変動、台風、特殊
操業等のように統計調査を要する場合には、それぞれの
知識をルール、メンバーシップ関数を用いて表現・作成
しファジー推算して補正する。
【0009】網状篩の内側に循環流を作り一部粒径の揃
った濁質粒子を透過するクロスフロー方式を採用して濁
質粒径の均一化を行い、定期的な泥等の排出及びジェッ
ト逆洗を行う。さらに検出部を薬液に浸漬してマンガ
ン、鉄等を溶解洗浄して保守管理の信頼性と測定精度の
向上を計る。
【0010】目標値は凝集剤注入率Pを1,2,4,
6,10,16,25,40,63,100ppm・・
・等と段階的に変えて、そのときのPに対する界面現象
計測器からの出力値を測定するシーケンスを設け、I−
logP曲線、I−P曲線あるいはlogI−logP
曲線の1次微分≧max及び2次微分≦minを演算し
て求められる変曲点(P,I)のIによって決定され
る。
【0011】アルカリ注入量及び攪拌翼回転数は、凝集
剤調節器からの出力値、処理量等を入力し、それぞれの
相対偏差の1次線形関数を演算して求められる。界面現
象計測器の出力値等僅かな測定データによって凝集沈澱
プロセスを総合的に統御することができる。
【0012】
【作用】本発明に係わる凝集沈澱プロセスは、凝集剤の
加水分解によって生成する荷電粒子が濁質粒子に吸着し
て電気的に中和する凝集機構と、電気的に中和した粒子
同士が攪拌によって衝突合一する衝突機構と、衝突した
粒子間に架橋構造が形成されて大きな圧密粒子になるフ
ロック形成機構から説明される
【0013】界面現象計測器の出力値Iは、粒子の荷電
状態を示す測定値であり、凝集剤注入率Pが増すと、電
気二重層の圧縮が起こりP1/2に比例して増加し、溶解
度を越すと沈澱生成物である正の荷電粒子の負の濁質粒
子への吸着が起こりPに比例して増加する。そして電気
的中和点を越すと正の荷電粒子自身の荷電状態を強く反
映して急激に変化する。その関係がP−I曲線、log
P−logI曲線、logP−I曲線等に現れる。すな
わちそれら曲線の微分法によって求められる変曲点
(P,I)のIを求めることは電気的中和点に対応する
目標値を求めることに帰結する。その変曲点のPはジャ
ーテスト法による注入率Pに合致する。
【0014】凝集剤調節器の目標値は、濁度Cは、10
ppm≦C≦150ppm、温度Tは、5℃≦T≦30
℃の範囲において、温度T、電気電導度E、濁度Cに対
して目標値を決定した状態(温度T0、電気電導度E0
濁度C0)からの相対偏差を定義して数1、数2、数3
の1次線形関数で近似補正される。なお数3では凝集剤
注入率Pが濁度Cの平方根に比例する吸着等温式の関係
を用いた。
【0015】
【数1】△I≒−a(T−T0)/T0・I0,a:定数,
−:濁質粒子の荷電状態
【0016】
【数2】△I≒−b(E−E0)/E0・I0,b:定数,
−:濁質粒子の荷電状態
【0017】
【数3】△I≒−c(C−C0)/C0・I0≒−2c(P
−P0)/P0・I0,c:定数
【0018】季節変動等のように測定が困難な場合、大
雨、台風等で濁度が200ppmを越す場合、冬場の低
濁度における操業等の場合には、それぞれの条件に対処
する知識を時間関数、濁度等のファジー変数、ルール、
メンバーシップ関数を用いて表現・作成しファジー推算
して補正される。
【0019】衝突合一における緩速攪拌の回転数N(≒
2/3)はフロック形成攪拌速度G値(sec-1)、濁
度C(≒P2)(ppm)、滞留時間S(=フロック形
成槽容量V/処理量F)(sec)の積で定義されるフ
ロック形成度合(G・C・S≒1)を用いて、凝集剤注
入率Pと処理量Fで数4に表される。
【0020】
【数4】N≒d・P-4/3・F2/3,d:定数
【0021】回転数Nは、凝集剤調節器の目標値を決定
した状態の回転数N0に数4の両対数の微分から求めた
相対偏差の関係を用い数5に表される。
【0022】
【数5】 N=N0−d(4/3・△P/P0−2/3・△F/F0)N0
【0023】架橋構造に重要なアルカリ注入量Aは凝集
剤の沈澱形成に適するPHに維持されていることを前提
にするが、凝集剤の加水分解によって費消されるアルカ
リ量に一致する。前述同様に目標値を決定した状態(ア
ルカリ注入量A0、凝集剤注入率P0)からの相対偏差の
関係を用いて数6に表される。
【0024】
【数6】 A≒A0+h(△P/P0)A0,h:0.35〜0.5
【0025】濁質粒径等の均一化及び夾雑物の除去のた
めにクロスフロー方式の篩分器を用い、3%過酸化水素
水で検出部に付着するマンガン、鉄等を溶解洗浄するこ
とにより信頼性及び安定性の向上を計る。
【0026】斯くの如くして、界面現象計測器等からの
出力値を基本的な制御量として凝集剤注入率、アルカリ
注入量、攪拌翼回転数を統御することができる。
【0027】
【実施例1】本発明について添付図面を参照しつつ具体
的に説明する。図1は本発明制御法を浄水場の凝集沈澱
プロセスに適用した説明図である。原水は滞留時間10
分程度の混和池で凝集剤、アルカリ剤が注入され、フラ
ッシュミキサ−による急速攪拌が行われる。攪拌後、緩
速攪拌回転数50回/分程度のフロック形成池に送ら
れ、フロック形成が行われる。沈澱性フロックは沈澱池
で重力分離され、上澄液が砂濾過池に送られて濾過され
る。サンプル水は混和池出口等に置かれたサンプリング
ポンプ5aによって界面現象計測装置1aに供給され流
動電流あるいはゼータ電位等が測定される。
【0028】1aは界面現象計測装置であり、原水等に
含まれる濁質粒子の流動電流あるいはゼータ電位を測定
する界面現象測定器5、篩分器2、薬洗浄器3を備えた
界面現象計測器6と、温度計7a及び電気電導度計7b
から成る。1bは界面現象計測装置1aからの電気信号
を入力して制御出力装置1cの目標値を演算補正する演
算装置である。制御出力装置1cは、演算装置1bから
の目標値、界面現象計測装置1aからの電気信号を入力
して電磁弁8a等を調節する調節器8を備えている。
【0029】2は篩分器であり、原水がサンプリングポ
ンプ5a等によって中央部から供給されると、網状篩2
dの内側に循環流を作り、一部篩い分けられた濁質粒子
が網状篩2dを透過して界面現象測定器の検出部に供給
され、大部分が、取水口を底部に持ち越流口をサンプル
水取口(図示せず)より若干高めにしたサイホン式越流
路2cを越流されるクロスフロー方式を採用することに
より排泥・洗浄周期を長くし、安定したサンプル水量を
界面現象測定器5に供給できる。蓄積砂泥、浮遊物等を
排出する排泥弁2b、篩分器2dをジェット洗浄する逆
洗弁2a及びそれらを制御するシーケンサ4が備えられ
ている。電気電導度計7a、温度計7b等はこれに付設
される。
【0030】3は薬洗浄器であり、薬液ポンプ、電磁弁
3a等で薬液槽3bの過酸化水素水等の薬液を界面現象
測定器5の検出部5bに一定量注入して数10分間浸漬
洗浄して、検出部壁に付着するマンガン、鉄等を除去す
る。定期的洗浄あるいは高濁度を検出して自動的に洗浄
するために供給弁3b、排液弁3c及びそれらを制御す
るシーケンサ4が備えられている。
【0031】界面現象測定器5の一種である流動電流計
は、一対の電極を出入口に持つ毛管中において圧力を加
えて荷電粒子を移動させると、電気二重層を形成してい
る荷電粒子と対イオンがそれらの質量差によって分離、
分極する。他方その分極を相殺して平衡状態に戻ろうと
する自発的なイオンの流れが生じて電極間に粒子の電荷
量に比例する電流が発生することを応用したものであ
る。
【0032】界面現象測定器5は、その出力値が電気的
中和点である目標値において、濁質粒子の静電反発力が
失われ凝集が開始されることを応用して凝集剤注入率の
モニタあるいは制御に適用されるものである。ポリ塩化
アルミニウム、硫酸バンド等の凝集剤を注入してジャー
テスト法に準拠して適正注入率を求めると、その注入率
における界面現象測定器5の出力値が目標値に合致する
ことが分かる。
【0033】粒子の荷電状態の計測器としては、流動電
流計のみならず電場中を移動する粒子の易動度を測定す
るゼータ電位計、電気二重層のインピーダンスを測定す
るインピーダンス計等がある。ゼータ電位と濁質粒子の
安定性に関する研究はよく知られているが、ゼータ電
位、電荷量、流動電流、電気容量等において相互の関係
が分かるものであればいずれでも使用できる。
【0034】図2において演算装置1bは界面現象計測
装置1aからの電気信号を入力してディジタル(A/
D)変換するA/D変換器と、関数演算・シーケンス機
能を持つ演算器と、あいまいなファジー演算機能を持つ
ファジー推算器と、ファジー推算に必要な、ファジー規
則、メンバーシップ関数、ファイル管理等のプログラム
を記憶管理するためのルール記憶装置と、演算器、ファ
ジー推定器、加算器へ入力されるシーケンスプログラ
ム、規則、関数、定数、目標値等をテンキー等で外部入
力する状況値入力装置と、演算器、ファジー推算器で演
算された補正値を目標値に加減算する加算器と、加算器
からの目標値をアナログ(D/A)変換して制御出力装
置1cへ出力するD/A変換器から成る。
【0035】界面現象計測器6の出力値I、温度T、電
気電導度E及び調節器8の出力値P(=凝集剤注入
率)、時間関数、濁度等は演算装置1bに入力され、デ
ィジタル変換されて補正関数を演算する演算器あるいは
ファジー推算するファジー推算器で演算補正される。演
算補正された補正値は状況値入力装置あるいは目標値決
定装置から入力される目標値に加算されアナログ変換後
制御出力装置1cへ出力される。
【0036】目標値の補正関数は数1、数2、数3の1
次結合により数7で表される。
【0037】
【数7】△I=(−a(T−T0)/T0−b(E−E0
/E0−c(P−P0/P0))I0
【0038】数7は濁度範囲10ppm<濁度<150
ppmにおいて適用される。ここで、a=0.1〜2,
b=0.001,c=0.01〜0.2であるが、水
質、濁質、操業方法等の年間の統計調査によって変わ
る。この補正法によって年間累計6割程度までの凝集剤
注入率の制御が可能になる。
【0039】前記補正関数では対処し難い季節変動等の
周期的変動、台風等の突発的変動、スタートアップ時、
スイーピングフロック等の特殊条件における操業を可能
にするためにファジー推算によって補正が行われる。
【0040】図3のファジー推算について述べる。目標
値がある事象の影響を受けることが統計的あるいは感覚
的に認められるとき、例えば「もし<冬で濁度が低い>
ならば(正側に補正する)」等のルールが作成される。
四季(SEA)の春(Sp)・夏(Su)・秋(F)・
冬(W)、濁度(TUR)等の高(H)・中(M)・低
(L)、出力(OUT)の大きく正(PB)・正(B)
・負(N)等のファジー変数を数量化するために縦軸に
適合度、横軸に数値を取るグラフに三角形で表したメン
バーシップ関数が作られる。1つのルールに複数の条件
があるときの演算は適合度の低い方の条件が選択され、
それに対応する出力側の三角形が選択され且つ低い方の
適合度を頂点にする三角形に変形されて行われる。ルー
ル間の演算はルール毎に変換された出力側の三角形を総
和した総面積を演算して行われる。最後に面積重心が演
算され補正値に変換される。いわゆるMIN−MAX法
と面積重心法が適用される。
【0041】季節変動、台風等におけるルール例を示
す。 もし<冬で濁度が低い>ならば(正側に補正する) もし<濁度がかなりに高い>ならば(大きく正側に補正
する) もし<春あるいは冬>ならば(補正しない) もし<夏あるいは秋>ならば(正側に補正する)
【0042】以上では関数補正とファジー推算を分離し
て演算したが、関数補正に対応するルールとメンバーシ
ップ関数を作成することによって代替可能である。この
際ルール間の干渉効果に注意して事前にシミュレーショ
ンを行う必要がある。
【0043】制御出力装置1cの調節器8は、補正後の
目標値を入力して設定変更し、界面現象計測器6からの
電気信号によって定量ポンプ8aが調節される。
【0044】アルカリ注入量Aと攪拌翼回転数Nは、演
算装置1bの演算器において調節器8からの出力値P、
処理流量F等を入力して数5と数6に基づいて攪拌翼回
転数N及びアルカリ注入量Aが演算される。演算された
値を受けて調節器10と調節器9によって攪拌モータ1
0aと定量ポンプ9aが調節される。
【0045】斯くの如くして、凝集沈澱プロセスの制御
装置1は、無保守に近い形のオンライン計測が可能にな
る。季節変動、台風等の厳しい状況においても凝集剤注
入率の制御が可能になる。
【0046】目標値決定装置11は、凝集剤調節器8の
目標値を自動的に決定するものであり、サンプリングポ
ンプ5aの吐出側に注入口を接続する定量ポンプ11a
を用いて10分程度の間隔で1,2,4,6,10,1
6,25,40,63,100ppm等段階的に凝集剤
注入率を変えて凝集剤の適正注入後の原水に追加注入さ
れる。ただし、凝集剤注入前の原水に注入することが好
ましい。
【0047】目標値は、凝集剤注入率Pと界面現象計測
器6の出力値Iから求まるP−I曲線、logP−lo
gI曲線、logP−I曲線の微分法による変曲点を演
算して求められる。好ましくはlogP−I曲線の1次
微分(dI/dlogP)≧max及び2次微分(d2
/dlogP2)≦minにおける変曲点(P,I)のI
を求めて決定される。本発明は比較的簡単な目標値決定
法であるが、ジャーテスト法の結果に合致する。
【0048】図4のプログラム手順について述べる。電
源をオンにして作動開始する。サンプル水は凝集剤が注
入されて凝集反応が終了する数10分程度経過後の混和
池出口等に設置されたサンプリングポンプ5aにより凝
集沈澱プロセスの制御装置1に供給される。そして関数
計算に必要な係数、ファジー推算に必要な入力等は状況
値入力装置等から演算装置1bに入力される。
【0049】スタートするとサンプリングポンプ5aが
停止、排泥弁2bが開弁して泥が排出される。数分後逆
洗弁2aが開弁して一定時間ジェット逆洗して排泥弁2
bが閉弁される。
【0050】逆洗終了後薬洗浄器3が作動する。排液弁
3cが閉弁し、電磁弁3aが一定時間開弁して過酸化水
素水等の薬液が検出部5cに注入される。数10分程度
浸漬して薬洗浄が行われる。洗浄終了後排液弁3cが開
弁し、サンプリングポンプ5aが作動する。
【0051】続いて目標値決定装置11が作動し、前述
同様にして段階的に凝集剤が注入される。Pに対するI
が測定されlogP−I曲線の変曲点が演算され目標値
Iが決定される。なお逆洗、薬洗浄、目標値決定中、凝
集剤調節器8の目標値は前回値に保持される。
【0052】目標値決定後通常の測定状態になり、前述
の補正計算、ファジー推算、アルカリ注入量、攪拌翼回
転数の演算が行われ、凝集剤、アルカリ、攪拌翼の調節
器の目標値が設定され、それらが調節される。
【0053】このような測定・演算操作は数秒あるいは
数時間に1回行われ、また1日に1回程度逆洗、薬洗
浄、目標値決定操作が行われる。なお図示されていない
が高濁度時を光電計7cで検知して逆洗、薬洗浄、目標
値決定操作が随時行われる。
【0054】このようにして、凝集沈澱プロセス全体の
統御が可能になり、省エネ・省力化に多大な貢献をなす
ことができる。
【0055】
【発明の効果】本発明は篩分器によって夾雑物の除去、
濁質粒径の篩い分け、サンプル水量の安定化を促進する
ことにより測定精度・信頼性の向上、保守・管理の簡便
化が計られ省力化に多大な貢献をなすものである。本発
明は界面現象測定器の出力値を基本データとして季節変
動、大雨等における凝集剤注入率の制御を可能にし、さ
らにアルカリ注入量と攪拌翼回転数の制御を可能にする
ことができ省エネ・省力化に多大な貢献をなすものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である凝集沈澱プロセスの制
御フローを示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例である凝集沈澱プロセスの演
算フローを示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例である凝集剤注入率のファジ
ー推算法を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例である凝集沈澱プロセスのプ
ログラム手順を示す説明図である。
【図5】従来の凝集剤注入率の制御法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 凝集沈澱プロセスの制御装置 1a 界面現象計測装置 1b 演算装置 1c 制御出力装置 2 篩分器 3 薬洗浄器 5 界面現象測定器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動電流計等の界面現象測定器を用いる
    凝集沈澱プロセスの制御法において、網状篩内側に循環
    流を作り、一部粒径の揃った濁質粒子を透過するクロス
    フロー方式で篩い分け、温度、電気電導度、濁度等の変
    動因子はそれらの相対偏差の1次線形関数で演算し、季
    節変動、台風、特殊操業等の変動因子はそれらに関する
    知識に基づいてルール、メンバーシップ関数等を作って
    ファジー推論して凝集剤調節器の目標値を補正すること
    を特徴とする浄水場における凝集沈澱プロセスの制御
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1の凝集沈澱プロセスの制御法に
    おいて、凝集剤調節器の出力値の相対偏差の1次線形関
    数でアルカリ注入量及び攪拌翼回転数を演算し、それら
    値がアルカリ調節器、攪拌翼調節器の目標値に設定され
    ることを特徴とする浄水場における凝集沈澱プロセスの
    制御法。
  3. 【請求項3】 請求項1のオンライン装置における目標
    値は、1,2,4,6,10,16,25,40,6
    3,100ppm・・・等段階的に凝集剤注入率Pを変
    えて界面現象測定器の出力値Iを測定し、P−I曲線、
    logP−logI曲線、logP−I曲線等の1次微
    分値≧max及び2次微分値≦min等の演算によって
    求められる変曲点(P,I)のIにより決定されること
    を特徴とする凝集沈澱プロセスの制御法。
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