JPH0630438Y2 - 織物シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、織物シート、詳しくは合成繊維からなる織物
シートに関する。

（従来の技術） 従来、合成繊維からなる織物シートは単に緯糸と経糸と
を編成しなる略平坦状のものであるため、緩衝機能を備
えもつものではなかった。

（考案が解決しようとする課題） 従って、従来の織物シートを例えば外装材等としてＰＰ
等の硬質材からなるベランダ等の床上等に貼設したとし
ても、転んだ時の衝撃等を緩和できない等種々の不都合
があったものである。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みな
されたものであり、その目的とするところは、緩衝機能
を備えもつと共に、防水性をも付与する織物シートを提
供することである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案がなした技術的手段
は、複数の合成繊維で織成加工することにより縦方向に
伸びる凸条部を表裏両面の横方向に夫々平行状に多数設
けてなる緩衝織布と、該織布の裏面側に接着される防水
材とで構成したことである。

また、防水材を合成樹脂シートからなるものとしてもよ
い。

更に、防水材が合成樹脂シートと発泡材とからなるもの
としてもよい。

また、防水材を独立発泡材からなるものとしてもよい。

（考案の作用効果） 本考案は、複数の合成繊維で織成加工することにより縦
方向に伸びる凸条部を表裏両面の横方向に夫々平行状に
多数設けてなる緩衝織布と、該織布の裏面側に接着され
る防水材とで構成した織物シートとしたため、緩衝織布
の凸条部によってクッション性が付与され、更にその緩
衝織布の裏面側の防水材によって織布の隙間を通ってき
た水の浸透を防止するものとした新規な合成繊維からな
る織物シートが提供でき、例えばベランダ等のＰＰ等か
らなる硬質床材上に本考案織物シートを貼設すれば、転
んだ時（特に幼時等）等に怪我が少なく安全性が高くな
ると共に風合がよくなり大変有用で利用価値の高いもの
である。

また、前記防水材を合成樹脂シートをもって構成すれ
ば、合成樹脂シートが優れた防水性を付与しつつ、絶縁
性、耐薬品性等に優れる。

更に、防水材を合成樹脂シートと発泡材との二重構造と
すれば、合成樹脂シートが前記同様防水性等を付与しつ
つ、発泡材が緩衝織布のクッション性を有効に向上す
る。

また独立発泡材で防水材を構成すると、独立した気室に
よって下方に水は浸透せず防水性を与えつつクッション
性も向上する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、本
考案織物シートＡは緩衝織布ａと防水材ｂとで構成され
る。尚、織物シートＡは例えば床シート，壁シート材等
の内装材、あるいはベランダシート等の外装材等種々の
シート材として利用可能であり限定されるものではな
い。

まず第１図は表裏両面に凸条部３…を多数設けた緩衝織
布ａと合成樹脂シート４からなる防水材ｂとの二層構造
である。

緩衝織布ａは、例えば合成繊維からなる複数の経糸１…
と緯糸２…とを織成加工してなるもので、前記緯糸２…
には収縮率の異なるものを用いており、その一例を示す
と、平行状にして、かつ夫々の凹凸2b′，2b″，2c′，
2c″が交互に位置した塩化ビニリデン及びポリエステル
からなる波形状の緯糸2bと2cとで形成される縦方向にト
ンネル状の空隙７の横方向中心にポリエチレンからなる
緯糸2a…を、空隙７の周囲にポリエステルからなる多数
の経糸１…を設けるものとしたもので、表裏両面に縦方
向に伸びる凸条部３…が横方向に夫々平行状に多数設け
られたものである。

合成樹脂シート４は、所望厚みに形成した従来周知の例
えばＰＶＣ、ウレタン、ポリエチレン、ＥＶＡ等のシー
トであり、前記緩衝織布ａと接着剤５を介して一体的に
設けられる。

尚、緩衝織布ａの裏面側に接着剤５をあらかじめ塗布す
ることは困難であるため、シート状に形成されたＰＶＣ
シート４の表面にあらかじめ接着材５を塗布し、緩衝織
布ａをその表面に貼着するようにするか、あるいは両面
テープを用いるものとするのが好ましい。

ここで具体的な製造方法の一例について説明すると、ま
ず所望厚みに形成したＰＶＣシート４を前方へ送り出
し、その表面に所望な接着剤５を塗布した後に乾燥室等
を通過せしめ、そしてあらかじめ形成されている緩衝織
布ａを前記ＰＶＣシート４の接着面に対向せしめ、両者
が重なって通過する際に押圧されて両者が接触する程度
の間隙を有するロール間を通過させて接着結合してな
る。

尚、上記例は一例を示すにすぎず、これに限定されるも
のではなく、また乾燥室等を通過せしめる工程は、両者
ａ，４の接着後であってもよい。

次に第７図に示す織物シートＡ_１について説明すると、
このものにあっては前記同様の緩衝織布ａと接着される
防水材ｂ_１に、ＰＶＣ、ウレタン、ポリエチレン、ＥＶ
Ａ等の所望な合成樹脂シート４と発泡材６との重層構造
としたものを用いたものであり、発泡材６は、例えばポ
リプロピレン等からなる発泡材とし、連続発泡、独立発
泡のいずれであってもよい。

また第８図に示す如く合成樹脂シート４…を複数枚設け
るものとしてもよく任意である。

従って合成樹脂シート４によって緩衝織布ａを浸透して
きた水の侵入が防がれると共に、発泡材６が緩衝織布ａ
のクッション性と相まって緩衝機能が向上する。

次に第９図に示す織物シートＡ_２について説明すると、
このものにあっては前記同様の緩衝織布ａの裏面側に接
着される防水材ｂ_２を独立発泡材からなるものとし、独
立発泡による防水性とクッション性を付与するものであ
る。

また独立発泡材は、発泡ＰＶＣ、発泡ＰＰ、ゴム発泡体
等で任意である。

尚、上記各織物シートＡ，Ａ_１，Ａ_２の緩衝織布ａは一
例を示すにすぎず、材質、形状等これに限定されるもの
ではなく本考案の範囲内における変更等は任意である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案織物シ
ートの一部省略して示す全体斜視図、第２図は平面図、
第３図は第２図の（III）−（III）線断面図、第４図は
第２図の（IV）−（IV）線断面図、第５図は第２図の
（Ｖ）−（Ｖ）線断面図、第６図は第２図の（VI）−
（VI）線断面図、第７図及び第８図は請求項３記載の織
物シートを簡略して示す縦断正面図、第９図は請求項４
記載の織物シートを簡略して示す縦断正面図である。 尚、図中 Ａ，Ａ_１，Ａ_２：織物シート ａ：緩衝織布 ｂ，ｂ_１，ｂ_２：防水材 １：経糸 ２ａ，２ｂ，２ｃ：緯糸 ３：凸条部 ４：合成樹脂シート ５：接着剤 ６：発泡材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の合成繊維で織成加工することにより
   縦方向に伸びる凸条部を表裏両面の横方向に夫々平行状
   に多数設けてなる緩衝織布と、該織布の裏面側に接着さ
   れる防水材とから構成される織物シート。
2. 【請求項２】防水材が合成樹脂シートからなる請求項１
   記載の織物シート。
3. 【請求項３】防水材が合成樹脂シートと発泡材とからな
   る請求項１記載の織物シート。
4. 【請求項４】防水材が独立発泡材からなる請求項１記載
   の織物シート。