JPS6212585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は敷物等として利用可能な毛状突起を有
する床材に関するものである。

従来のじゅうたん等の敷物はパイル織物の裏面
にゴム、樹脂液等を用いてパツキングを施したも
のが普通であるが、これは織成によるパイル織物
であるため製造能率が劣り、コスト高ちなる欠点
があつた。又従来も能率を上げてコストの低減を
図るために、ニードルパンチングにより得られた
敷物が提案され、又その裏面にクツシヨン材を貼
着したものも提案されているが、このニードルパ
ンチングによるものは刺針で繊維を基布に押込ん
で形成するため、硬い感じの敷物しか得られず、
かつ敷物面に長目の繊維を突出させることはでき
なかつた。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、柔軟で感触がよく、脱落して抜け
出す虞れのない毛状突起を有し、かつ高能率に製
造できてコスト低下を図ることができる毛状突起
を有する床材を提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、１は経糸２、緯糸３を用いた平織物である。
なお、以下の説明はこの平織物１による布帛を用
いた場合について説明するが、布帛としては他の
構造の織物、メリヤス等の編物なども織目、織目
を有するものであれば使用可能である。４は織物
１の裏面に配設され、織物１の織目５から表面に
突出して毛状突起６となつた樹脂と一本の熱可塑
性合成樹脂シートで、加工前に重ねられた樹脂シ
ートから毛状突起となつた樹脂を除いた残留樹脂
であり、その厚さは厚くても薄くてもよいが、一
般には毛状突起として消費された部分は薄くなつ
ていたり、織物が樹脂シート４の薄い部分から見
えるようになつていたりする。

毛状突起６は織物と熱可塑性合成樹脂シートを
重ね、更に織物の面に図示しない金網を重ね板状
物、ロール等を用いて加熱加圧することにより、
金網の線部分が位置しない部分の織物の織目から
織物の裏面に、裏面の樹脂シートの１部の樹脂が
突出して形成されたものであり、突起の長さがラ
ンダムで、かつランダムな方向に夫々適宜湾曲
し、互に独立した別体の毛状突起となつている。
なお、毛状突起の形状及び密度は織物の織目５の
密度、加工温度、圧力及び金網の網目の粗密等に
より変化するが、該毛状突起は感触等の点で直径
と長さの比が約１：５以上、密度は１cm²当り略
100本以上のものが用いられる。

第２図の７は前記金網の線部分が織物１面に当
接していた部分で、この部分の織目からは樹脂は
突出できない。しかし全体的に見れば毛状突起は
ランダムな長さのものが、ランダムな方向に夫々
適宜湾曲して形成されており、また金網の目に比
して織物の目が充分小さいため、殆ど無地状を呈
する表面状態となつている。又裏面に残留した樹
脂シート４と織物１は、加熱加工の際樹脂が溶融
して織物を包むような状態で融着している。

８は樹脂シート４の裏面に接着剤９を用いて接
着されたウレタンフオーム等の多孔性弾性体、フ
エルト、不織布等のクツシヨン材で、床材として
使用する場合踏圧によるクツシヨン効果を高める
ために用いるものである。なお、クツシヨン材８
を樹脂シート４に接着する場合、前記のような接
着剤を用いることなく、樹脂シートを織物１と重
ね、加熱加圧により織物の表面に毛状突起を突出
させる加工処理の際、クツシヨン材８も樹脂シー
トの裏面に重ねた状態で加熱加工処理を施すこと
により、クツシヨン材８と樹脂シート４を融着に
より固定するようにしてもよい。

以上詳細に説明した如く、本考案の床材に於い
て布帛の表面に突出している毛状突起は、織物又
は編物等の布帛と熱可塑性合成樹脂シートを重
ね、更に同布帛の面に金網を重ねて加熱加圧する
ことにより布帛の表面に多数突出して毛状に形成
されたものであり、該毛状突起は金網の縦横線間
の空間と、線の重なりにより得られた空間に突出
して形成されたもので、縦方向のみならず、横方
向にもランダムに伸長し、金網を取り除いた後の
金網による線の跡を覆いかくすことができるた
め、みにくい筋目が表面に表われるような欠点は
なく、かつ裏面に残留する樹脂シートと布帛は一
体に融着されているため、毛状突起は切断しない
限り抜け出して脱落するような虞れは全くない。
また本考案に使用する金網は、従来提案されてい
る毛状突起を押出すように形成されたロール面等
の凹孔等の大きさに比べ、網目が極めて小さく形
成でき、しかも前記凹孔の穿孔に比べ遥かに安い
コストで製造できる。更に本考案の毛状突起はラ
ンダムな長さで、ランダムな方向に夫々適宜湾曲
し、直径と長さの比が約１：５以上で、１cm²当り
略100本以上の毛状となつて多数突出しているの
で、極めて感触がよく、かつ柔らかい。又本考案
は裏面の樹脂シートにはクツシヨン材を固着して
あるので、毛状突起とクツシヨン材との相乗効果
により、踏圧性に優れ、使用心地のよい床材とす
ることができる。なお、布帛と樹脂の色を同色、
又は異色とすることにより、異なつた感じの床材
とすることができる。即ち、同色の場合には毛状
突起の密度が実際より大きく緻密に見え、異色の
場合には布帛の色が毛状突起の隙間より見えて、
これが玉虫模様状となつて一種独特な感じのもの
とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す毛状突起を有す
る床材の１部を巻きほどいたロール体の斜視図、
第２図は第１図のＡ〜Ａ拡大断面図、第３図は第
２図の要部の詳細図、第４図は第３図のＢ〜Ｂ断
面図である。 図の主要部分の説明、１……織物、４……熱可
塑性合成樹脂シート、５……織目、６……毛状突
起、８……クツシヨン材、９……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 織物又は編物等の布帛と熱可塑性合成樹脂シー
   トを重ね、更に同布帛の面に金網を重ねて加熱加
   圧することにより前記布帛の表面に多数突出した
   毛状突起を備え、同毛状突起はランダムな長さ
   で、縦横のランダムな方向に夫々適宜湾曲し、直
   径と長さの比が１：５以上で、１cm²当り略100本
   以上の毛状突起となつて多数突出しており、かつ
   前記布帛に融着されている前記裏面に残留する樹
   脂シート面にクツシヨン材が固着されていること
   を特徴とする毛状突起を有する床材。