JPS5928053Y2 - 基布用フラットヤ−ン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はニードルパンチカーペット、タッチ、７ドカー
ペツト等の不織カーペットの一次基布用フラットヤーン
に関する。

下織カーペットは、綿、ズック、シュート、ポリオレフ
ィンを基材としたフラットヤーン等で織られた基布に連
続多条繊維束紡糸等の繊維素材を針（ｎｅｅｄｌｅ）で
刺し込み、該基布の表面に繊維素材を固定させることに
よって製造される。

近年、不織カーペットの耐久性、強度等を向上させるた
めに、上記基布のうちポリオレフィンを基材としたフラ
ットヤーンで織られた基布が一般に利用されている。

従来、上記ポリオレフィンを基材としたフラットヤーン
として延伸ポリオレフィンフィルムよりなるヤーンが知
られている。

しかしながら、上記ヤーンによって得られた基布け、前
記繊維素材を斜で刺し込む工程で、該ヤーン内への繊維
素材の刺し込みによりヤーンが歪んだ状態となるため、
基布が収縮したり、繊維素材が該ヤーンの裂は易い箇所
に集中して刺し込まれる等の現象が起こり得られる製品
の品質を低下させるという問題を有していた。

上記問題を解決する手段として、前記ヤーンの延伸方向
ｌこ連続した溝部を複数本形成させた筋入ヤーンＥこよ
って得られた基布を用いることが考えられる。

筋入ヤーンｌこよって得られた基布を用いることにより
繊維素材の刺し込みによるヤーンの歪みが少なく、シか
も繊維素材の分布が均一化され、前記問題を解決するこ
とができる。

しかしながら、上記基布は針の刺し込みにより基布を構
成するヤーンが分裂切断し、その一部が製品の表面に露
出する（基布露出）という致命的な問題を有する。

また、筋入ヤーンはその延伸方向の応力によりヤーンの
巾方向に収縮し易く、該ヤーンで織った基布はスダレ現
象という目すきが起こりその商品価値を著しく低下させ
る。

本考案者は上述した問題を解決すべく検討を重ねた結果
、基布を構成する前記筋入ヤーンの溝部を特定の間隔を
あけて形成することにより繊維素材の刺し込みによる収
縮が少なく、繊維素材の分布が均一化され、しかも基布
露出がない基布が得られることを見い出し本考案を提案
するに至った。

即ち、本考案は延伸方向に連続した溝部を０．１〜０．
４關間隔で複数本有する延伸ポリオレフィンフィルムよ
りなる基布用フラットヤーンである。

以下、本考案を添付図面に準じて説明するが本考案はこ
れらの添付図面に限定されるものではない。

第１図は本考案のフラットヤーンの代表的な態様の概略
図である。

本考案のフラットヤーン１は延伸方向に連続した溝部２
をｏ、ｉ〜０．４ｍｍ、好ましくは０．２〜０．３ ｍ
ｍ間隔りで複数本有する延伸ポリオレフィンフィルムで
構成されていることを特徴とする。

従来、上記溝部を複数本有する延伸ポリオレフィンフィ
ルムは公知である。

しかし、これらのフィルムは溝部と溝部との間隔が通常
０．５朋以上であり、該フィルムをフラットヤーンとし
て得られる基布は前記した如く針の刺し込みによる基布
露出及びすだれ現象を生じる。

本考案にあっては、該溝部の間隔を縮めて前記特定な間
隔とすることにより、基布露出及びすだれ現象を完全に
防止することができるという驚くべき効果が得られる。

即ち、該溝部の間隔りが前記範囲を越えると基布露出が
生じ、本考案の目的を達成することができない。

また、溝部の間隔は小さい程好ましいが、製造の困難性
から前記範囲の下限が限度である。

本考案において、溝部２の形状は特に制限されない。

例えば、断面図において、第２図に示す如く溝部底面が
平らな形状とするのが一般的であるが、第３図に示す如
く溝部底面が折曲或いは湾曲した形状その他の形状とし
てもよい。

また、該溝部の深さＳはフィルムの厚さＴｌこ対して１
１５〜１／２、好ましくは１／／４〜１／３となるよう
に決定することが、前記針の刺し込みによる裂は易さを
向上させ、均一な繊維素材の刺し込みを行なうために好
適である。

また、溝部２は第２図及び第３図に示すようｆこフィル
ムの片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。

本考案において、上述した溝部を有する延伸ポリオレフ
ィンフィルムは公知の方法で得ることができる。

一般には前記溝部を形成する形状のグイ（Ｔダイ或いは
環状ダイ）からポリオレフィンを押出し、該押出し方向
に公知の方法で延伸することによって得ることができる
。

上記延伸倍率は、６〜９倍程妾が好適である。

また、本発明において、ポリオレフィンは結晶性を有す
るものであれば特に制限なく使用される。

例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体等が好適に使用される。

本考案のプラットヤーンは、公知の織り方法によって基
布を構成することができる。

一般には、第４図に示す如く、縦糸と横糸を交互に重ね
合せた織り方法、所謂平織が採用される。

以上の説明より理解される如く、本考案のフラットヤー
ンによって得られる基布は、繊維素材の刺し込みｆこお
いて、ヤーンの歪みが少なく繊維素材の分布が均一化さ
れ、基布露出がなくしかもすだれ現象がない等優れた特
性を有し、得られる不、峨カーペットの品質向上及び生
差性の向上に大きく貢献するものである。

本考案のフラットヤーンによって得られる基布はニード
ルパンチカーペット、タフテッドカーペットの基布とし
て使用できるが、特にニードルパンチカーペット、更に
は両面刺しニードルパンチカーペットに好適ｌこ使用さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のフラットヤーンの概略図、第２図及び
第３図は本考案の代表的なフラットヤーンの断面図、第
４図は基布の一態様を示す概略図である。 また、図において、１はフラットヤーン、２は溝部、Ｌ
は溝部の間隔、Ｓは溝部の深さ、及びＴはフィルムの厚
みを夫々示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）延伸方向に連続した溝部を０．１〜０．４７１１
   π間隔で複数本有する延伸ポリオレフィンフィルムより
   なる基布用フラットヤーン。
2. （２）溝部の深さがフィルムの厚さに対して１１５〜１
   ／２である実用新案登録請求の範囲第１項記載の基布用
   フラットヤーン。