JPS6021438Y2 - 製紙用ニ−ドルカンバス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は製紙用ニードルカンバスに関するものである。

この製紙用ニードルカンバスは基布の片面又は両面に繊
維ウェブを積層し、ニードルパンチングを施してウェブ
を基布に１体積層したカンバスであって接紙面のウェブ
層により表面平滑性、柔軟性に優れ、紙匹にマーク、皺
等を発生することが殆どない事のすぐれた点から高級紙
用として広く使用されている。

ところでこのウェブ層をニードルパンチングにより層着
する基布としては従来織物がが多く使用され、この織物
基布の上面又は上下両面にウェブ層を重合し、ニードル
マシンによりニードルパンチングしていた。

ところがこの場合は基布にウェブを重層してニードルリ
ングを施せばよいから製造が容易で得られるニードルカ
ンバスの耐久性も織物基布により良好であるが基布織物
はその構成経糸が屈曲し緯糸と上下に交叉して織成され
ているから使用中織物組織の伸びはさけることが出来ず
寸法の変化を来たし、又使用する糸が太くて剛性がある
場合、例えば太いモノフィラメント糸の場合はニードル
リングの時、針で糸を突きさし易く、これがため針の切
損の恐れが多いことなどの欠点があった。

また、この他にニードルカンバスの製造方法としてカー
ドから供給されるウェブ層の全面に糸条を縦、横、斜め
方向或はそれらの組合せ方向に交叉させて配糸し、この
重合体を単層又は複層にて糸条の交叉を輻軽状態にした
り、或は単に糸条をウェブの長さ方向に並列し、ニード
ルマシンでパンチングを施し、特に基布を使用しないで
ニードルカンバスをつくる場合もある。

しかしこれらの糸層構成の場合は通気性の良好なカンバ
スが得られるがその製造工程は比較的に複雑となって手
間がかかり、而も得られるニードルカンバスはウェブ保
持体が糸条であるから寸法安定性は大きく期待されず、
また糸条の配糸状態も均一になり難いため表面性が劣り
、カンバスとしての使用範囲は成る程度限定されていた
。

本考案は以上の点に鑑み、基布を改良し、通気性、寸法
安定性が良好でウェブのすぐれた表面性を十分に発揮で
きるニードルカンバスを提供することを目的とするもの
である。

以下本考案の構成を図面に示す実施例に基いて説明する
とつぎのとおりである。

第１図に示すものは本考案に使用する基布ａである。

基布ａは経編み組織をする編糸１とこの経編み組織内に
挿入する経糸２と緯糸３とで構成する。

即ち、図面に示すように経糸２を経編みのゲージに相当
した間隔て縦方向に並列させ緯糸３は任意の希望間隔で
経編み組織内に挿入配糸し、編糸１がこれら経糸２及び
緯糸３に巻回絡着した状態のトリコット布の基布とする
。

使用する経糸及び緯糸は例えばポリエステル系、或はポ
リアミド系等の合成樹脂繊維よりなるモノフィラメント
糸或はマルチフィラメント糸、スパン糸その他モノフィ
ラメント糸混入の撚糸等であって強力に優れ過度な柔軟
性を有し、而も伸縮性の少ない糸条を選ぶ。

また編糸は特に強力に優れ、経、緯糸よりも遥かに細い
フィラメント糸が好ましい。

以上のようにして編成した経、緯糸挿入トリコット布の
基布ａに従来と同一方法で第２図及び第３図に示す如く
ウェブｂを積層し、ニードルパンチングを施してウェブ
ｂを基布ａに１体層着してニードルカンバスＡを得る。

このウェブ繊維はポリアクリル系、或はポリアミド系、
ポリエステル系等の嵩高性に富んだ繊維とし、このウェ
ブにより接糸面を柔軟性、平滑性に優れた表面とする。

なお、上記ウェブ層すは図示の如く、基布ａの片面に層
着するほか、上下両面に夫々適当な厚さで層着してもよ
い。

この場合は表裏両面が適時接紙面として使用できるので
カンバスの利用度を高めることができる。

つぎに本カンバスの具体的な一例を示す。

経糸はポリエステル系繊維よりなる太さ０．５７ＦＥ１
７１φのモノフィラメント糸を緯糸はポリエステル系繊
維よりなる太さ０．５５ｍｍφのモノフィラメント糸を
、また編糸はポリアミド系繊維よりなる太さ２１０Ｄの
フィラメント糸とした。

上記経糸及び緯糸を夫々１１本／吋、及び１０本／吋の
密度で経編み組織内に縦、横方向に配糸し、編成して基
布を作成した。

この基布にポリアクリル系薦維とポリアミド繊維との混
合繊維よりなるウェブを基布表面に５１０ｇ／ｒＩｌ、
裏面に１５０ｇ／−の目方で積層し、ニードルマシンで
パンチンクラ施しニードルカンバスを得た。

得られたカンバスの通気度は４０００ｃｃ／ｃｒｌ ／
ｍｉｎで従来の織物基布使用のニードルカンバスが通常
１５００〜２５００ｃｃ／ｃｎ！／ｍｉｎであったのと
較べかなり大きい値を示し、また、引裂き強力及び寸法
安定性も基布の経、緯糸挿入トリコット布により必要度
を確実に保持していた。

以上説明したように本考案は基布の片面又は両面に繊維
ウェブを積層し、ニードルパンチングを施してウェブを
基布に１体層着してなる製紙用ニードルカンバスに於て
、経糸及び緯糸を夫々縦、横方向に並列交叉して編組識
内に挿入したトリコット布を基布としたから基布の並列
交叉している経糸、緯糸はこれに巻回絡着している編糸
により保持されているので、経、緯密度を比較的粗にし
てもこれらの並列交叉状態が乱れることはなく、その粗
な密度により所望の通気度を持たせることができる。

而も本考案によればこの基布の優れた保形性によりカン
バス寸法が不安定となったりすることはなく、また引裂
き防止し得る強力を永く保持し、ウェブによるすぐれた
表面性を長期に亘り発揮することができるカンバスとな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例であって、第１図は本考案カンバ
スの基布の一部の平面組織図、第２図は本考案カンバス
の断片の平面図、第３図はその基布緯糸方向の断面図で
ある。 ａ・・・・・・基布、ｂ・・・・・・ウェブ、１・・・
・・・編糸、２・・・・・・経糸、３・・・・・・緯糸
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基布の片面又は両面に繊維ウェブを積層し、ニードルパ
   ンチングを施してウェブを基布に１体層着してなる製紙
   用ニードルカンバスに於て、経紙及び緯糸を夫々縦、横
   方向に並列交叉して編組識内に挿入したトリコット布を
   基布としたことを特徴とする製紙用ニードルカンバス。