JPH06302449A - 永久磁石の製造方法 - Google Patents

永久磁石の製造方法

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JPH06302449A
JPH06302449A JP5088866A JP8886693A JPH06302449A JP H06302449 A JPH06302449 A JP H06302449A JP 5088866 A JP5088866 A JP 5088866A JP 8886693 A JP8886693 A JP 8886693A JP H06302449 A JPH06302449 A JP H06302449A
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magnets
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ring
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Seiji Ihara
清二 伊原
Osamu Kobayashi
理 小林
Fumio Takagi
富美男 高城
Sei Arai
聖 新井
Koji Akioka
宏治 秋岡
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Seiko Epson Corp
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱間での曲げ加工で成形した磁石を接着し、
リング形状にする。 【構成】 R(ただしRはYを含む希土類元素のうち少
なくとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該基本
成分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴット
を500℃以上の温度において熱間加工し、熱間で曲げ
加工を行なう工程により製造した円弧状磁石を複数個組
合せ、非酸化性雰囲気中で500〜1100℃の温度に
保持する。また、この操作を磁石とヨークを組み合わせ
た状態で行なう。 【効果】 高性能なラジアル異方性を持ったリング形状
の磁石を低コストで製造できる。また、ヨーク一体形磁
石の製造が可能なため、磁石とヨークを組み立てる工程
が軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的配向による磁気
異方性を有する永久磁石の製造方法、特にR(ただしR
はYを含む希土類元素のうち少なくとも1種),Fe,
Bを原料基本成分とする永久磁石の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石は、一般家庭の各種電気製品か
ら大型コンピューターの周辺端末機器まで、幅広い分野
で使用されている重要な電気・電子材料の一つであり、
最近の電気製品の小型化、高効率化の要求にともない、
永久磁石も益々高性能化が求められている。
【0003】永久磁石は、外部から電気的エネルギーを
供給しないで磁界を発生するための材料であり、保磁力
が大きく、また残留磁束密度も高いものが適している。
【0004】現在使用されている永久磁石のうち代表的
なものはアルニコ系鋳造磁石、フェライト磁石及び希土
類−遷移金属系磁石であり、特に希土類−遷移金属系磁
石であるR−Co系永久磁石やR−Fe−B系永久磁石
は、極めて高い保磁力とエネルギー積を持つ永久磁石と
して、従来から多くの研究開発がなされている。
【0005】従来、これらR−Fe−B系の高性能異方
性永久磁石の製造方法には、次のようなものがある。
【0006】(1)焼結法 (特開昭59−46008号
公報、M.Sagawa,S.Fujimura,N.Togawa,H.Yamamoto and
Y.Matsu-ura;J.Appl.Phys. Vol.55,No.6, p2083 等) (2)急冷法 (特開昭59−211549号公報、 J.J.
Croat,J.F.Herbst,R.W.Lee and F.E.Pinkerton; J.App
l.Phys. Vol.55,No.6, p2078等) (3)2段階ホットプレス法 (特開昭60−10040
2号公報、R.W.Lee; Appl.Phys.Lett. Vol.46,No.8, p7
90等) (4)鋳造−熱間加工法 (特開昭62−276803号
公報等) これらの方法の中で、ラジアル異方性を有するリング状
の永久磁石の製造には、焼結法および2段階ホットプレ
ス法が用いられている。
【0007】焼結法では、溶解・鋳造により原子百分比
で8〜30%のR(ただしRはYを含む希土類元素の少
なくとも1種)、2〜28%のB及び残部Feを基本組
成とする合金インゴットを作製し、粉砕して適当な粒度
(数μm)の磁性粉を得る。磁性粉は成形助剤のバイン
ダーと混練され、磁場中でプレス成形されて成形体が出
来上がる。成形体はアルゴン中で1100℃前後の温度
1時間焼結され、その後室温まで急冷される。磁場中で
成形する際に、成形体の径方向に放射状に磁場を印加し
ながらプレス成形することによりラジアル異方性を持っ
た磁石を製造できることが特開昭60−153109号
公報に開示されている。また、同様にしてラジアル異方
性を有するリング状磁石を製造する方法が特開昭62−
117305号公報に開示されている。
【0008】2段階ホットプレス法では、アモルファス
合金を製造するに用いる急冷薄帯製造装置で、厚さ30
μm程度の非常に微細な結晶性の磁性相を持つ急冷薄片
を作り、その急冷薄片を、真空中あるいは不活性雰囲気
中で1段目のホットプレスを行ない、圧密体を成形す
る。次いで、2段目のホットプレス、据込、押出などを
行ない、この際の塑性流動の方向と平行あるいは垂直な
方向に異方性を持った磁石を成形する。この方法で、1
段目のホットプレスを行ない圧密化した材料に対し、押
し出し加工をする方法によりラジアル異方性を持ったリ
ング状の磁石を製造する方法が特開昭60−10040
2号公報に開示されている。また、押出の際の歪や摩擦
による割れがを防ぐために金属容器内に密封して押出を
行なう方法が、特開平1−248503号公報に開示さ
れている。
【0009】この他に、ラジアル異方性を有する円弧状
の磁石を複数個貼り合わせてリング形状とする方法もあ
る。この円弧状磁石の製造には、上記の2方法の他に、
鋳造−熱間加工法による磁石から成形する方法がある。
【0010】この鋳造−熱間加工により異方性化された
板状の永久磁石を熱間で曲げ加工を行なうことによって
成形する方法は、特開平2−252222号公報、特開
平4−187722号公報に開示されている。また、特
開平2−297910号公報には鋳造合金を熱間圧延に
よって配向させた後、プレスにより円弧状に成形しラジ
アル配向磁石を製造する方法が開示されている。これら
の方法は、該磁石材料がきわめて脆い R2Fe14B金属
間化合物を主相としてもちながら、低融点の粒界相をも
ち、高温において半溶融状態にあるため、塑性変形しや
すいという性質を利用したものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】叙上の従来のR−Fe
−B系のラジアル異方性を有するリング状永久磁石の製
造方法は、次のごとき欠点を有している。
【0012】焼結法による製造方法は、合金を粉末にす
ることを必須とするものであるが、R−Fe−B系合金
はたいへん酸素に対して活性を有するので、粉末化する
と余計酸化が激しくなり、焼結体中の酸素濃度はどうし
ても高くなってしまう。また、粉末を成形する際には成
形助剤を使用しなければならず、これは焼結後に磁石中
に炭素の形で残ってしまう。磁石中に含まれる酸素や炭
素はR−Fe−B系磁石の耐食性や磁気性能を著しく低
下させるという問題がある。また、一般的にR−Fe−
B系の焼結磁石の製造は工程が煩雑であり、高価な設備
が必要で、生産効率が悪く、結局磁石の製造コストが高
くなってしまう。
【0013】また、磁場中成形の工程においてラジアル
異方性を付与し、ラジアル異方性を持ったリング状磁石
を製造する場合、磁気的な異方性とともに機械的な異方
性を持つため、焼結時に磁化容易方向と磁化困難方向で
は収縮の不均一が生じ、割れが起こりやすいという欠点
がある。このため、特に大型の磁石になると配向度を抑
えなければならず、性能を犠牲にしなければならない。
また、この収縮のために寸法精度が低く、焼結後に機械
加工を行なう必要があり、これも製造コストを高くして
いる原因である。
【0014】次に、2段階ホットプレス法による製造方
法は、真空メルトスピニング装置を使用するが、この装
置は、大変生産性が悪くしかも高価である。また、2段
階の塑性加工を要するため、実際に量産を考えると非効
率であることは否めない。更にこの方法では、高温例え
ば800℃以上では結晶粒の粗大化が著しく、それによ
って保磁力iHcが極端に低下し、実用的な永久磁石に
はならない。
【0015】また、ホットプレスして圧密化した材料を
押出加工することによるラジアル異方性を持ったリング
形状の磁石の製造では、押出の際の歪や摩擦により割れ
が起こりやすいという欠点がある。これを防ぐために潤
滑剤を使用したり、金属容器内に密封して押出を行なう
が、製品として使用するにはさらに潤滑剤や金属容器の
除去といった工程が必要となり、コストが高くなってし
まう。また、成形された磁石も機械的強度が低いという
欠点を有している。
【0016】円弧状に成形した磁石を接着してリングに
するという方法は、接着部分で表面磁束密度の不均一が
生じるという欠点がある。また、接着剤による接着で
は、接着部分の強度が低いという欠点がある。
【0017】鋳造インゴットに熱間加工を施して得られ
た磁石では、粉末工程を含まず、熱間加工も一段階でよ
いために、最も製造工程が簡略化され量産コストの低減
が図れる製造法であり、板状の磁石の曲げ加工により円
弧状磁石の製造ができるが、板状の磁石を曲げ加工によ
って成形した磁石は円弧状のセグメントの状態であり、
曲げ加工ではリング形状に成形できず、上述のような欠
点があるという問題があった。また、磁石単体で製造し
てからヨークあるいは軸に組み付けるため、円周面を精
度良く加工しなければならないという工程上の問題があ
った。
【0018】本発明は、以上の様なラジアル異方性を有
するリング状永久磁石の製造に関する問題を解決するも
のであり、その目的とするところは、高性能かつ低コス
トのラジアル異方性を持ったリング状永久磁石の製造方
法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の永久磁石の製造
方法は、R(ただしRはYを含む希土類元素のうち少な
くとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該基本成
分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴットを
500℃以上の温度において熱間加工し、熱間で曲げ加
工を行なう工程により製造した円弧状磁石を複数個組合
せ、非酸化性雰囲気中で450〜1100℃の温度に保
持することにより、磁石−磁石間を接着し、リング状の
ラジアル異方性磁石に成形することを特徴とする。
【0020】また、円弧状磁石をヨーク上に複数個組み
合わせ、磁石とヨークを組み合わせた状態で非酸化性雰
囲気中で450〜1100℃の温度に保持することによ
り、磁石−磁石間および磁石−ヨーク間を接着し、リン
グ状のラジアル異方性磁石に成形することを特徴とす
る。
【0021】即ち、本発明では、鋳造−熱間加工による
方法で製造された板状の永久磁石に対し熱間で曲げ加工
を行なうことによって成形されたラジアル異方性を有す
る円弧状磁石を用いて、ラジアル異方性を有するリング
形状磁石を成形する方法を提供するものである。
【0022】本発明では、本発明の鋳造−熱間加工によ
る磁石合金は主相である R2Fe14B金属間化合物の他
に低融点の粒界相をもち、粒界相が溶融している温度に
保持することにより粒界相の影響により磁石合金同士の
接着が可能であることを見いだした。このため、曲げ加
工による円弧状磁石を複数個組み合わせて高温に保持、
あるいは締め付け力を加えた状態で高温に保持すること
により、磁石同士が接着され、リング状磁石が成形でき
ることを見いだした。また、円弧状磁石をヨーク上に組
み合わせてから高温に保持することにより、磁石とヨー
クが一体となったものが製造可能となるため、ヨークと
接合するための加工工程が省略でき、切断・研磨といっ
た工程が著しく軽減されることを見いだした。また、鋳
造−熱間加工による製造方法では大型の磁石が製造可能
なため、大型のリング状磁石の成形も可能である。
【0023】以下、本発明における永久磁石の好ましい
組成範囲について説明する。
【0024】希土類としては、Y,La,Ce,Pr,
Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luが候補として挙げられ、これらのうちの
1種あるいは2種以上を組み合わせて用いる。最も高い
磁気性能はPrで得られるので、実用的には Pr,P
r−Nd合金,Ce−Pr−Nd合金等が用いられる。
少量の重希土元素、例えばDy,Tb等は保磁力の向上
に有効である。
【0025】R−Fe−B系磁石の主相はR2Fe14
である。従ってRが8原子%未満では、もはや上記化合
物を形成せず高磁気特性は得られない。一方Rが30原
子%を越えると非磁性のRリッチ相が多くなり磁気特性
は著しく低下する。よってRの範囲は8〜30原子%が
適当である。しかし高い残留磁束密度のためには、好ま
しくはR8〜25原子%が適当である。
【0026】Bは、R2Fe14B 相を形成するための必
須元素であり、2原子%未満では菱面体のR−Fe系に
なるために高保磁力は望めない。また28原子%を越え
るとBに富む非磁性相が多くなり、残留磁束密度は著し
く低下してくる。しかし高保磁力を得るためには、好ま
しくはB8原子%以下がよく、それ以上では微細なR2
Fe14B 相を得ることが困難で、保磁力は小さい。
【0027】Coは本系磁石のキュリ−点を増加させる
のに有効な元素であるが、保磁力を小さくするので50
原子%以下がよい。
【0028】Cu,Ag,Au,Pd,Ga等のRリッ
チ相とともに存在し、その相の融点を低下させる元素
は、保磁力の増大効果を有する。しかし、これらの元素
は非磁性元素であるため、その量を増すと残留磁束密度
が減少するので、6原子%以下が好ましい。
【0029】なお、上記の組成範囲の内、曲げ加工を行
なう際に好ましい組成範囲は、その合金の組成が RxFeyz100-x-y-z (但し、MはFe以外の遷移金属元素及びAl、Ga、
In、Si、Snの内少なくとも1種で、100−x−
y−z=0である場合を含む)で表わされるとき、 x−2z>0 y−14z>0 5≦100−17z≦35 の範囲である。
【0030】熱間加工における温度は再結晶温度以上が
望ましく、本発明R−Fe−B系合金においては好まし
くは500℃以上である。
【0031】曲げ加工における温度は加工中に割れが発
生することなく生産性の高い加工速度での加工を実現さ
せるためには600℃以上が必要である。そしてその加
工温度が1050℃を超えると結晶粒の粗大化による保
磁力の低下を起こす可能性が高いので、これ以下の温度
が望ましい。
【0032】円弧状磁石の接着の工程は、粒界相を利用
して接着を行なうため粒界相の融点以上の温度が必要で
ある。即ち450℃以上の温度が好ましい。しかし、1
100℃を超える温度では R2Fe14B相が急激に粒成
長して保磁力を失うのでそれ以下の温度が好ましい。
【0033】次に本発明の実施例について述べる。
【0034】
【実施例】
(実施例1)アルゴン雰囲気中で誘導加熱炉を用いて、
表1に示す組成の合金を溶解し、鋳造した。この時、希
土類、鉄及び銅の原料としては、99.9%の純度のも
のを用い、ボロンはフェロボロンを用いた。
【0035】こうして得られた鋳造インゴットを鉄製の
カプセルに入れ、脱気し、密封して、実施例1の場合と
同様に、加工温度950℃で熱間圧延を施した。この
時、加工度30%の圧延を4回行い、最終的な加工度が
76%になるようにした。
【0036】こうして得られた圧延磁石から、幅25m
m×長さ16mm×厚さ1.5mmの板状サンプルを切
り出し、不活性ガス中で1000℃に加熱した後、加工
速度0.512mm/minで外径20mm、内径17
mmの円弧状磁石に成形した。成形後の円弧状磁石の中
心角は90°である。この円弧状磁石を4個組み合わ
せ、治具を用いてリング状にし、不活性ガス中で次に示
す3条件で加熱した後15分間保持し、接着を行なっ
た。
【0037】条件1:加熱温度 350℃ 条件2:加熱温度 900℃ 条件3:加熱温度1200℃ 接着後の磁石について、接着部を切り取って曲げ試験を
行ない、接着部の強度を測定した。その結果を磁石の表
面状態と併せて表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】条件1の場合は全く接着がされておらず、
また、条件3の場合は接着はされているものの、溶融し
てしみだした粒界相により、磁石表面が荒れている。
【0041】この結果より、曲げ加工により製造した円
弧状磁石を複数個組合せ、非酸化性雰囲気中で500〜
1100℃の温度に保持することにより、リング状のラ
ジアル磁石の形成が可能であり、接着部の曲げ強度も接
着部を含まない通常の鋳造−熱間加工磁石の板材の値
(36kg/mm2以上)に匹敵する値が得られていることが
わかる。
【0042】(実施例2)実施例1と同様に、アルゴン
雰囲気中で誘導加熱炉を用いて、Pr15.5Fe78 .1
5.2Cu1.2なる組成の合金を溶解し、鋳造した。この
時、希土類、鉄及び銅の原料としては実施例1と同様に
99.9%の純度のものを用い、ボロンはフェロボロン
を用いた。
【0043】こうして得られた鋳造インゴットを鉄製の
カプセルに入れ、脱気し、密封して、加工温度950℃
で熱間圧延を施した。この時、一回の圧延での高さの減
少量が30%の圧延を4パス行い、総加工量が76%に
なるようにした。
【0044】またこの熱間加工時においては、合金の圧
下方向に平行になるように結晶の磁化容易軸は配向し
た。こうして得られた圧延磁石から幅15mm×長さ2
0mm×厚さ2.5mmのサンプルを切り出し、不活性
ガス中で1000℃に加熱した後、加工速度0.48m
m/minで外径25.5mm、内径23mmの円弧状
磁石に成形した。成形後の円弧状磁石の中心角は90°
である。この円弧状磁石を4個組み合わせ、治具を用い
てリング状にし、次に示す条件で接着を行なった。
【0045】条件4:不活性ガス中 800℃、15分
間保持 条件5:エポキシ系接着剤により接着 接着後の磁石について、接着部を切り取って曲げ試験を
行ない、接着部の強度を測定した。また、接着部とそれ
以外の部分の磁気特性の測定を行なった。その結果を表
3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】この結果より、曲げ加工により製造した円
弧状磁石を複数個組合せ、非酸化性雰囲気中で500〜
1100℃の温度に保持して接着を行ない成形したリン
グ状のラジアル磁石は、接着部の強度は接着剤により接
着した場合よりも高く、接着部での性能低下もないこと
がわかる。
【0048】(実施例3)実施例1及び2と同様に、ア
ルゴン雰囲気中で誘導加熱炉を用いて、Pr16Fe77.4
5.1Cu1.5なる組成の合金を溶解し、鋳造した。この
時、希土類、鉄及び銅の原料としては実施例1及び2と
同様に99.9%の純度のものを用い、ボロンはフェロ
ボロンを用いた。
【0049】こうして得られた鋳造インゴットを鉄製の
カプセルに入れ、脱気し、密封して、加工温度950℃
で熱間圧延を施した。この時、一回の圧延での高さの減
少量が30%の圧延を4パス行い、総加工量が76%に
なるようにした。
【0050】またこの熱間加工時においては、合金の圧
下方向に平行になるように結晶の磁化容易軸は配向し
た。こうして得られた圧延磁石から幅20mm×長さ2
5mm×厚さ2mmのサンプルを切り出し、不活性ガス
中で1000℃に加熱した後、加工速度1.25mm/
minで外径24mm、内径20mmの円弧状磁石に成
形した。成形後の円弧状磁石の中心角は120°であ
る。この円弧状磁石を外径20mmの鉄芯の上に3個組
み合わせてリング状にし、次に示す条件で接着を行なっ
た。
【0051】条件 6:不活性ガス中 250℃、15
分間保持 条件 7:不活性ガス中 750℃、15分間保持 条件 8:不活性ガス中 750℃、60分間保持 条件 9:不活性ガス中1000℃、15分間保持 条件10:不活性ガス中1300℃、15分間保持 その後、500℃×2時間の熱処理を行なった後、磁気
特性の測定を行なった。接着結果及び磁気特性を表4に
示す。
【0052】
【表4】
【0053】この結果より、曲げ加工により製造した円
弧状磁石をヨーク上に複数個組合せ、非酸化性雰囲気中
で500〜1100℃の温度に保持することにより、ヨ
ークと一体となったリング状のラジアル磁石の形成が可
能であることがわかる。また、この温度範囲であれば加
工後の磁石も高性能を維持していることがわかる。
【0054】以上の実施例から、曲げ加工により製造し
た円弧状磁石を複数個組合せ、非酸化性雰囲気中で50
0〜1100℃の温度に保持することにより、リング状
のラジアル磁石の形成が可能であり、また、磁石とヨー
クを組み合わせた状態で同様の条件で保持することによ
り、ヨークと一体となったリング状磁石が製造でき、ヨ
ークと磁石の両方を研磨して接着するという工程が必要
でなくなり、工程を軽減することができることは明らか
である。
【0055】
【発明の効果】叙上のごとく本発明の永久磁石の製造方
法は、次のごとき効果を持つ。
【0056】(1)製造プロセスが簡単であり、コストが
安い。
【0057】(2)従来の焼結法と比較して、加工工数及
び生産投資額を著しく低減させることが出来る。
【0058】(3)従来のメルトスピニング法による磁石
の製造方法と比較して、高性能でしかも低コストの磁石
を作ることが出来る。
【0059】(4)従来の熱間加工法による磁石の製造方
法では製造が困難であった回転機に最適な形状の磁石を
低コストで生産性よく製造することができる。
【0060】(5)従来のヨーク付き磁石の製法と比較し
て、工程が大幅に軽減され、コスト低減の効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 聖 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 秋岡 宏治 長野県諏訪市大和3丁目3番5号セイコー エプソン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただしRはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該
    基本成分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴ
    ットを500℃以上の温度において熱間加工し、熱間で
    曲げ加工を行なう工程により製造した円弧状磁石を複数
    個組合せ、非酸化性雰囲気中で450〜1100℃の温
    度に保持することにより、磁石−磁石間を接着し、リン
    グ状のラジアル異方性磁石に成形することを特徴とする
    永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 R(ただしRはYを含む希土類元素のう
    ち少なくとも1種),Fe,Bを原料基本成分とし、該
    基本成分とする合金を溶解・鋳造し、次いで鋳造インゴ
    ットを500℃以上の温度において熱間加工し、熱間で
    曲げ加工を行なう工程により製造した円弧状磁石をヨー
    ク上に複数個組合せ、磁石とヨークを組み合わせた状態
    で非酸化性雰囲気中で450〜1100℃の温度に保持
    することにより、磁石−磁石間および磁石−ヨーク間を
    接着し、リング状のラジアル異方性磁石に成形すること
    を特徴とする永久磁石の製造方法。
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