JPH06302427A - 円筒状異方性磁石 - Google Patents

円筒状異方性磁石

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JPH06302427A
JPH06302427A JP11373093A JP11373093A JPH06302427A JP H06302427 A JPH06302427 A JP H06302427A JP 11373093 A JP11373093 A JP 11373093A JP 11373093 A JP11373093 A JP 11373093A JP H06302427 A JPH06302427 A JP H06302427A
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magnetic
cylindrical
magnet
poles
anisotropic
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JP11373093A
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English (en)
Inventor
Takehisa Sakaguchi
武久 坂口
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YOKOHAMA SUMITOKU DENSHI KK
Hitachi Metals Ltd
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YOKOHAMA SUMITOKU DENSHI KK
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダー型磁気カップリング、モーター等
に採用した場合に円滑な回転を阻害することなく高トル
ク化、小型軽量化を達成できる、特に内径の小さな円筒
状異方性磁石の提供。 【構成】 円筒状異方性焼結磁石10を内周面に8極を
有する着磁器20に挿入し、電磁コイル22に所定の電
流を印加することにより、磁石10の外周面に複数の磁
極を形成すると、圧縮成形時の配向方向(図中矢印M方
向)に位置する(A),(E)の位置の磁極から発生さ
れる磁束量と、配向方向に対して45度異なる方向に位
置する(B),(D),(F),(H)の位置の磁極か
ら発生される磁束量と、同様に90度異なる方向に位置
する(C),(G)の位置の磁極から発生される磁束量
もほぼ同様な値を示す。 【効果】 円筒状ラジアル異方性磁石の如く成形体の内
径寸法に制約されることなく、完全な配向が達成でき、
磁性材料が本来有する磁気特性を有効に発現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダー型磁気カ
ップリング、モーター等に使用される円筒状異方性磁石
の改良に係り、径方向に2極以上の異方性配向をしてな
る円筒状異方性磁石の外周面または内周面に、前記配向
極数を超える極数の磁極を形成することにより、特に内
径の小さな円筒状異方性磁石に有効な構成を得るもの
で、磁気カップリングやモーター等に採用した場合に円
滑な回転を阻害することなく高トルク化、小型軽量化を
達成できる円筒状異方性磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダー型磁気カップリング、モータ
ー等に使用される円筒状磁石はその外周面または内周面
に複数の磁極、通常4極、6極、8極等あるいはそれ以
上の2極を超える偶数極を形成してなり、フェライト系
焼結磁石、希土類系焼結磁石、ボンド磁石等公知の種々
の材料が用いられている。また、要求される形状から円
筒状等方性磁石、円筒状ラジアル異方性磁石、弓形状の
ラジアル異方性磁石を円筒状に組合せ一体化した円筒状
異方性磁石、円筒状極異方性磁石等が用いられている。
【0003】シリンダー型磁気カップリング、モーター
等においても近年の高トルク化、小型軽量化の観点か
ら、磁界発生源となる円筒状異方性磁石の高磁気特性化
が望まれている。以下、円筒状磁石としてフェライト系
焼結磁石の場合を一例として説明する。円筒状の等方性
焼結磁石を配置した構成では、本質的に磁石自体の磁気
特性が低いことから要求される高トルク化、小型軽量化
を達成することができない。円筒状のラジアル異方性焼
結磁石を配置した構成では、円筒状の等方性焼結磁石を
配置した構成に比べ高トルク化、小型軽量化を達成する
ことができるが、磁界中成形時に成形体にひび割れが発
生しやすく、製造歩留が悪いという問題を有していた。
【0004】先に本願出願人は、円筒状のラジアル異方
性焼結磁石の製造方法として、平均粒度2μm以下から
なるSrフェライトの微粉砕粉50wt%〜80wt%
と、前記微粉砕粉と異種で粒度が14メッシュ〜200
メッシュからなるBaフェライトの等方性造粒粉20w
t%〜50wt%との混合粉末を、円筒状成形体用ダイ
ス内に充填し、成形体の径方向に放射状に磁界を印加し
ながら磁界中圧縮(プレス)成形する方法を提案した
(特公平1−48643号)。この方法によって、円筒
状ラジアル異方性焼結磁石のひび割れ発生を大幅に低減
することが可能となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法によ
って得られる焼結磁石の磁気特性も、最近の高性能化を
満足するものとは言い難く、さらに本願出願人は改良を
重ね、Sr及び/またはBaを含有するフェライト組成
からなり、焼結のまま又は焼結後の真円加工後に円筒状
でかつ1箇所の切れ目を有する以外は一体化されたこと
を特徴とする円筒状ラジアル異方性焼結磁石を提案した
(特願平4−93688号)。すなわち、焼結後の収縮
代を考慮して決定した径方向断面形状を略C字型にした
成形体を焼結することにより、従来から使用不可能とさ
れていた基本磁気特性の高い磁性粉末を使用しても焼結
時の割れがなく、高い磁気特性を有する円筒状ラジアル
異方性焼結磁石の提供を可能としたのである。
【0006】しかし、上記1箇所の切れ目を有する円筒
状ラジアル異方性焼結磁石においても、その内径が小さ
い場合には、磁界中成形時の異方性の配向構成によって
必然的に形状寸法が制約されてしまうという問題を有し
ている。すなわち、円筒状ラジアル異方性焼結磁石を得
るためには、磁界中成形時に円筒状成形体に対してラジ
アル方向に作用する磁界によって異方性を付与(配向)
するが、成形体内周部に配置される磁性体コアが、上記
磁界を形成するための磁路を構成しており、該磁性体コ
アの断面積によって磁性体コア内を経由する磁束量の上
限が決定されることから、必然的に上記磁界の強度も制
約を受けることとなる。したがって、内径の小さい成形
体や、内径に対して肉厚や高さが大きい成形体を得る場
合では、該成形体をラジアル方向に十分配向するに足る
磁界を形成可能な磁性体コアの断面積を確保することが
困難となり、必然的に磁性体コア自体が磁気的に飽和し
てしまい、得られる円筒状ラジアル異方性焼結磁石の磁
気特性も低いものとなってしまう。
【0007】弓形状のラジアル異方性焼結磁石を円筒状
に組合せ一体化した円筒状異方性磁石は、十分に配向さ
れた弓形状のラジアル異方性磁石が比較的容易に得られ
ることから、高トルク化、小型軽量化が達成できるが、
円筒状に組合せて一体化する作業が煩雑であり、また、
互いの接合部に必然的に空隙が生じることから一体品か
ら構成される円筒状ラジアル異方性焼結磁石に比べ円滑
な回転が得られないという問題点を有している。
【0008】円筒状極異方性焼結磁石は、最終製品の磁
極数と同数の磁極を、あらかじめ成形時の成形体外周面
または内周面に形成(表面多極異方性の付与)しておく
必要があり、金型の形状が複雑になるとともに、金型の
機械的強度や励磁コイルの配置スペース等の観点から一
極当たりの円周長が制約され、すなわち通常2.5mm
以上必要であり、外径および内径が小さい場合は磁極数
を多くすることができない。
【0009】この発明は、上記問題点の解決を目的とす
るもので、特に内径の小さな円筒状異方性磁石に有効な
構成を提案するもので、シリンダー型磁気カップリン
グ、モーター等に採用した場合に円滑な回転を阻害する
ことなく高トルク化、小型軽量化を達成できる円筒状異
方性磁石の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来から、異方性磁石の
使用に際しては、基本的に、成形時の配向方向と最終製
品の磁化方向(着磁方向)とを同一にしなければならな
いとの技術思想があった。したがって、この発明の対象
とする円筒状異方性磁石においても、成形時の配向方向
と異なる方向に磁化(着磁)されて形成された磁極から
発生される磁束量は、成形時の配向方向と同一方向に磁
化(着磁)されて形成された磁極から発生される磁束量
に比べて非常に少ないと考えられていた。例えば、一直
径方向に異方性配向をしてなる円筒状異方性磁石(円筒
状直角異方性磁石)の場合、すなわち、径方向に2極の
異方性配向をしてなる円筒状異方性磁石の場合、該円筒
状異方性磁石の外周面に2極を超える極数の磁極を形成
すると、その直径方向(配向方向)と同一方向に位置す
る磁極以外から発生される磁束量は非常に少なく、特
に、その直径方向(配向方向)に対して90度異なる方
向に位置する磁極から発生される磁束はほとんど無いも
のと考えられていたのである。本発明者は、上記の目的
を達成するために、円筒状異方性磁石の成形時の配向方
向と、最終製品における磁化方向との関係および最終製
品の表面に形成される磁極から発生する磁束量等の関係
を種々検討した結果、成形時の配向方向と異なる方向に
位置する磁極から発生される磁束量も、成形時の配向方
向と同一方向に位置する磁極から発生される磁束量とほ
ぼ同程度であり、シリンダー型磁気カップリング、モー
ター等に採用した場合においても、円滑な回転を阻害す
ることなく高トルク化、小型軽量化を達成することが可
能であることを知見したのである。すなわち、この発明
は上記の知見に基づくもので、例えば、径方向に2極以
上の異方性配向をしてなる円筒状異方性磁石の外周面ま
たは内周面に、前記配向極数を超える極数の磁極を形成
してなることを特徴とする円筒状異方性磁石である。
【0011】
【作用】以下、この発明の作用をSrフェライト系円筒
状異方性焼結磁石の場合に基づいて説明する。図1は、
この発明のSrフェライト系円筒状異方性焼結磁石を製
造する際に使用する成形装置の一実施例を示す説明図で
あり、Aは横断説明図、Bは縦断説明図である。電磁コ
イル2a,2bを巻回した一対の磁極1a,1b間に磁
界印加方向(図中矢印M方向)が長径となる楕円状の成
形空間を有する非磁性体の成形用ダイス3を配置し、ま
た、成形空間の中央部に該成形空間と略相似形の非磁性
体からなるコア4を配置してなる。図中5は非磁性体か
らなる下パンチ、6は非磁性体からなる上パンチであ
る。
【0012】上記の構成からなる成形装置の楕円状成形
空間に所定組成からなる磁性原料粉末7を所定量充填し
た後、電磁コイル2a,2bに電流を印加して一対の磁
極1a,1b間に図中矢印M方向の磁界を印加しながら
圧縮成形すると、磁性原料粉末7には図中破線にて示す
如き磁束線が作用して、一直径方向(図中矢印M方向)
に異方性配向をしてなる楕円状成形体、いわゆる径方向
に2極の異方性配向をしてなる楕円状成形体が得られ
る。さらに、この楕円状成形体を所定温度にて焼結する
ことによって図2に示すような一直径方向(図中矢印M
方向)に異方性を有する略真円状の円筒状異方性焼結磁
石を得ることができる。必要に応じて焼結体に機械的な
加工を施して所定寸法の円筒状異方性焼結磁石とするこ
とも可能である。
【0013】先の説明において、円筒状異方性焼結磁石
を得るための成形体を楕円状とするのは、磁界中で圧縮
成形すると、磁界印加方向とその直角方向では収縮率が
異なり、通常、磁界印加方向の収縮率が大きくなること
から、予めそれらの収縮率を考慮して磁界印加方向が長
径となるような楕円状とし、焼結後に略真円状とするこ
とによって、研削加工の加工取代を減少させ、歩留りを
向上し、コストダウンを達成するためである。
【0014】上記の製造方法によって得られた円筒状異
方性焼結磁石10を、図3に示すような内周面に複数の
磁極21、すなわち図においては8極を有する着磁器2
0に挿入し、電磁コイル22に所定の電流を印加するこ
とによって、円筒状異方性焼結磁石10の外周面に複数
の磁極を形成することができる。図3において、圧縮成
形時の配向方向(図中矢印M方向)に位置する外周面に
形成される磁極、すなわち図中(A),(E)の位置の
磁極から発生される磁束量と、配向方向に対して45度
異なる方向に位置する外周面に形成される磁極、すなわ
ち図中(B),(D),(F),(H)の位置の磁極か
ら発生される磁束量と、さらに配向方向に対して90度
異なる方向に位置する外周面に形成される磁極、すなわ
ち図中(C),(G)の位置の磁極から発生される磁束
量もほぼ同様な値を示す。
【0015】上述のごとく、径方向に2極の異方性配向
をしてなるSrフェライト系円筒状異方性焼結磁石、所
謂直角異方性焼結磁石の外周面に、2極を超える図にお
いては8極の磁極を形成することによって、この発明の
円筒状異方性焼結磁石を得ることができる。前述のよう
に、いずれの磁極から発生される磁束量もほぼ同様な値
を示し、シリンダー型磁気カップリング、モーター等に
採用した場合において、円滑な回転を阻害することなく
高トルク化、小型軽量化を達成することができる。以
上、この発明の円筒状異方性磁石をSrフェライト系円
筒状異方性焼結磁石の例によって説明したが、この一実
施例に限定されることなく他の材質からなる焼結磁石や
ボンド磁石等においても同様な効果を得ることができ
る。
【0016】この発明において、着磁前(圧縮成形時)
の円筒状異方性磁石の異方性配向は、前記の如き2極の
場合に限定されるものでなく、円筒状異方性磁石の形状
寸法、成形装置の構成等により、それ以上、例えば4極
でも良いが、工業的規模における生産性等を考慮すると
径方向の異方性配向は2極が望ましい。特に、径方向の
異方性配向が2極の場合、すなわち一直径方向に異方性
を有する場合は、その配向度が圧縮成形時の成形体外側
から作用させる磁界によって決定されるため、成形体の
内径寸法に制約されることなく、完全な配向が達成で
き、磁性材料が本来有する磁気特性を有効に発現するこ
とが可能となる。また、円筒状ラジアル異方性磁石の圧
縮成形に際しては、通常、圧縮成形装置における磁路形
成の機構から、一回の圧縮成形で一つの成形体しか得る
ことができないが、一直径方向に異方性を有するように
成形体径方向の異方性配向が2極の場合は、対向配置す
る一対の磁極間に複数の成形空間を配置することができ
るため、一回の圧縮成形で同時に複数の成形体を得る、
いわゆる多数個取りができ、工業的規模における量産に
適する。
【0017】この発明の円筒状異方性磁石において、外
周面または内周面に形成される磁極の数(極数)は、異
方性配向の極数を超える極数であれば、いずれもこの発
明の効果を得ることができるが、通常4極以上、好まし
くは8極以上、さらに好ましくは12極以上の場合にこ
の発明の効果を最も有効に活用することができる。この
際、成形時の配向方向と最終製品の磁化方向(着磁方
向)との角度は任意でよく、必ずしもこれらの方向を一
義的に同一とする必要はない。特に、最終製品の着磁に
際しては、図3に示すように複数極の着磁を同時に実施
する方法に限定されるものではなく、分割的(例えば、
1極毎)に着磁して行く方法を採用することも可能であ
る。また、円筒状異方性磁石の内側への磁性体着磁ヨー
クの配置要否についても磁石の形状寸法等に応じて適宜
選定することが望ましい。
【0018】さらに、この発明は、特に、内径の小さい
円筒状異方性磁石や、内径に対して肉厚や高さが大きい
円筒状異方性磁石の場合に有効であり、本発明者の実験
によれば、下記の条件からなる円筒状異方性磁石におい
て有効である。 (D+d)×L÷d2≧1.5 ただし、D:円筒状異方性磁石の外径(mm) d:円筒状異方性磁石の内径(mm) L:円筒状異方性磁石の長さ(mm)
【0019】
【実施例】
実施例1 Srフェライト系の円筒状異方性焼結磁石の場合を一実
施例として示し、この発明の効果をより一層明らかにす
る。磁性原料粉末として、基本磁気特性が残留磁束密度
(Br)=3.75kG、保磁力(Hc)=3.05k
Oe、最大エネルギー積((BH)max)=3.3M
GOeであるSrフェライト粉末を前述した図1の成形
装置を用いて圧縮成形した。なお、圧縮成形時の印加磁
界は6kOeであり、成形圧は1ton/cm2であっ
た。得られた楕円状成形体の寸法は長径=32.5m
m、短径=29.1mm、高さ=18.6mmであっ
た。この楕円状成形体を1200℃×1時間の条件にて
焼結した後、所定の機械加工により、図2に示す如き外
径=25mm、内径=12mm、高さ=15mmの略真
円状で径方向に2極の(一直径方向に)異方性配向をし
てなる円筒状異方性焼結磁石を得た。さらに、この円筒
状異方性焼結磁石の外周面に図3に示す如き着磁器にて
8極の磁極部を形成し、この発明の円筒状異方性磁石と
した。この発明の円筒状異方性磁石の外周面における磁
束密度分布を測定したところ、図4に示す如く、いずれ
の磁極部においても同様な磁束密度分布を示すことが分
かる。
【0020】実施例2 実施例1によって得られたこの発明の円筒状異方性磁石
を一旦脱磁した後、該円筒状異方性磁石の配向方向と着
磁器の磁極部21との位置関係を、実施例1の着磁の位
置関係から円筒状異方性磁石を円周方向に22.5度回
転させ、再度着磁(磁化)した結果、図4に示すと同様
な磁束密度分布を示すことが確認できた。すなわち、成
形時の配向方向による影響のないことが分かる。
【0021】実施例3 実施例1によって得られたこの発明の円筒状異方性磁石
を、インナー側磁石としたシリンダー型カップリングを
作成した。なお、アウター側磁石として、実施例1に使
用した磁性原料粉末と同一のSrフェライト粉末を使用
し、外径=40mm、内径=28.5mm、高さ=18
mmで、円周の1箇所に切れ目(円周方向の幅:0.5
mm)を有する円筒状ラジアル異方性焼結磁石を得、そ
の内周面に等間隔で8極の磁極を形成した磁石を使用し
た。なお、圧縮成形時の印加磁界は成形体の内径寸法に
基づく制約からラジアル方向において約3.8kOeで
あった。また、成形圧は1ton/cm2であり、焼結
条件も実施例1と同一とした。また、比較例として、実
施例1に使用した磁性原料粉末と同一のSrフェライト
粉末を使用し、外径=25mm、内径=12mm、高さ
=15mmで、円周の1箇所に切れ目(円周方向の幅:
0.5mm)を有する円筒状ラジアル異方性焼結磁石を
得、その外周面に等間隔で8極の磁極を形成した磁石を
インナー側磁石とし、上記のアウター側磁石と組合せた
シリンダー型カップリングを作成した。なお、圧縮成形
時の印加磁界は成形体の内径寸法に基づく制約からラジ
アル方向において約1.5kOeであった。また、成形
圧は1ton/cm2であり、焼結条件も実施例1と同
一とした。これらのカップリングトルクを測定したとこ
ろ、この発明の円筒状異方性磁石をインナー側磁石とし
たシリンダー型カップリングでは2.8kg・cmであ
ったが、比較例の構成においては2.0kg・cmであ
った。すなわち、この発明の円筒状異方性磁石を使用す
ることによって、内径の小さな円筒状異方性磁石を使用
した場合でも、大きなカップリングトルクを得ることが
可能であることが確認できた。一方、比較例の構成にお
いては、この発明の円筒状異方性磁石と同一の磁性材料
を使用したにもかかわらず、圧縮成形時に十分な配向が
達成できず、磁性材料が有する本来の磁気特性を十分発
現できなかったものと推測する。
【0022】
【発明の効果】この発明は、従来から考えられていた技
術思想と、基本的技術思想を異とするもので、径方向に
2極以上の異方性配向をしてなる円筒状異方性磁石の外
周面または内周面に、前記配向極数を超える極数の磁極
を形成した場合、いずれの磁極からも同様な磁束が発生
し、シリンダー型カップリングやモーターのトルク向上
を可能とすることができる、優れた円筒状異方性磁石の
提供を可能とするものである。特に、径方向の異方性配
向が2極の場合、すなわち、一直径方向に異方性を有す
る場合は、その配向度が圧縮成形時の成形体外側から作
用させる磁界によって決定されるため、円筒状ラジアル
異方性磁石の如く成形体の内径寸法に制約されることな
く、完全な配向が達成でき、磁性材料が本来有する磁気
特性を有効に発現することが可能となる。また、成形装
置としても対向配置する一対の磁極間に複数の成形空間
を配置することができるため、一回の圧縮成形で同時に
複数の成形体を得る多数個取りができ、工業的規模にお
ける量産に適する。さらに、円筒状極異方性磁石に比
べ、成形装置(特に金型)の構成が簡単であり、また、
外径および内径の小さな形状寸法の場合でも、外周面お
よび内周面に形成する磁極数を増やすことができ、トル
ク向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のSrフェライト系円筒状異方性焼結
磁石を製造する際に使用する成形装置の一実施例を示す
説明図であり、Aは横断説明図、Bは縦断説明図であ
る。
【図2】この発明のSrフェライト系円筒状異方性焼結
磁石とする前(着磁前)の円筒状異方性焼結磁石を示す
平面説明図である。
【図3】この発明のSrフェライト系円筒状異方性焼結
磁石を得るための着磁器の一実施例を示す平面説明図で
ある。
【図4】この発明のSrフェライト系円筒状異方性焼結
磁石の外周面における磁束密度分布図である。
【符号の説明】
1a,1b 磁極 2a,2b 電磁コイル 3 成形用ダイス 4 コア 5 下パンチ 6 上パンチ 7 磁性原料粉末 10 円筒状異方性焼結磁石 20 着磁器 21 磁極 22 電磁コイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向に2極以上の異方性配向をしてな
    る円筒状異方性磁石の外周面または内周面に、前記配向
    極数を超える極数の磁極を形成してなることを特徴とす
    る円筒状異方性磁石。
JP11373093A 1993-04-15 1993-04-15 円筒状異方性磁石 Pending JPH06302427A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1675140A2 (en) * 2004-12-21 2006-06-28 TDK Corporation Cylindrical sintered magnet, motor and method for producing cylindrical sintered magnet

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