JPH06302232A - 酸化物超電導素材及び酸化物超電導線の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導素材及び酸化物超電導線の製造方法

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JPH06302232A
JPH06302232A JP5112212A JP11221293A JPH06302232A JP H06302232 A JPH06302232 A JP H06302232A JP 5112212 A JP5112212 A JP 5112212A JP 11221293 A JP11221293 A JP 11221293A JP H06302232 A JPH06302232 A JP H06302232A
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JP
Japan
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oxide
wire
pipe
metal wire
noble metal
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JP5112212A
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English (en)
Inventor
Makoto Hiraoka
誠 平岡
Kazuhiko Sawada
和彦 澤田
Takashi Sato
隆士 佐藤
Takayuki Komatsu
高行 小松
Kazumasa Matsushita
和正 松下
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶の配向性に優れて臨界電流密度等の超電
導特性に優れる酸化物超電導線を得ること。 【構成】 酸化物超電導体の溶融固化物からなるパイプ
(1)内に貴金属線(2)を配置して加熱し(3)、前
記パイプの軟化下に線引き処理して貴金属線の外周に酸
化物超電導体の溶融固化物(11)を密着させる酸化物
超電導素材の製造方法(4)、及び前記の酸化物超電導
素材を加熱処理して貴金属線の外周に酸化物超電導体層
を形成する酸化物超電導線の製造方法。 【効果】 貴金属線をコアとする複合形態を有して引張
り強度や曲げ強度等の機械的特性に優れる酸化物超電導
線が効率よく得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨界電流密度等の超電
導特性や引張り強度、曲げ強度等の機械的特性などに優
れる酸化物超電導線及びその素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物超電導線の製造方法として
は、酸化物超電導体の粉末を白金坩堝等に入れて加熱溶
融させ、その溶融液を銅ブロック上に展開してアイロン
による押圧下に急冷させ、得られたガラスプリフォーム
より小片を切り出して電気炉等で加熱軟化させ、線引き
処理して線材形態としたのち高温で加熱処理して超電導
相を生成させる方法が知られていた。しかしながら、得
られる酸化物超電導線が超電導特性、特に臨界電流密度
に乏しい問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記の
問題点を克服するために鋭意研究するなかで前記の方法
では形成される超電導相が結晶の配向性に乏しく、その
結果、臨界電流密度等の超電導特性に乏しいことを究明
した。
【0004】従って本発明は、結晶の配向性に優れて臨
界電流密度等の超電導特性に優れる酸化物超電導線を得
ることができる方法の開発を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化物超電導
体の溶融固化物からなるパイプ内に貴金属線を配置して
加熱し、前記パイプの軟化下に線引き処理して貴金属線
の外周に酸化物超電導体の溶融固化物を密着させること
を特徴とする酸化物超電導素材の製造方法、及び前記の
酸化物超電導素材を加熱処理して貴金属線の外周に酸化
物超電導体層を形成することを特徴とする酸化物超電導
線の製造方法を提供するものである。
【0006】
【作用】酸化物超電導体の溶融固化物からなるパイプ
は、例えば酸化物超電導体の溶融液を耐熱性パイプ内に
供給しその耐熱性パイプを介して冷却処理する方式など
により得られるが、当該パイプを線引き処理するにあた
り貴金属線を内在させて貴金属線をコアとする複合形態
の線材とすることにより、それを加熱処理して酸化物超
電導体の溶融固化物部分を超電導相とした場合に配向性
に優れる結晶層が形成される。
【0007】前記した結晶の配向は、結晶が貴金属線に
沿って成長することによるものと考えられるが、結晶の
高配向の結果、臨界電流密度等の超電導特性に優れる酸
化物超電導線を得ることができる。また得られた酸化物
超電導線は、貴金属線をコアとする複合形態を有するこ
とから引張り強度や曲げ強度等の機械的特性などにも優
れている。
【0008】
【実施例】本発明の製造方法は、酸化物超電導体の溶融
固化物からなるパイプ内に貴金属線を配置して加熱し、
前記パイプの軟化下に線引き処理して貴金属線の外周に
酸化物超電導体の溶融固化物が密着した酸化物超電導素
材を得るものである。
【0009】また本発明の他の製造方法は、前記の酸化
物超電導素材を加熱処理して貴金属線の外周に密着する
酸化物超電導体の溶融固化物を超電導相とし、これによ
り貴金属線の外周に酸化物超電導体層を有する複合形態
の酸化物超電導線を得るものである。
【0010】前記の酸化物超電導線を得る工程は、酸化
物超電導素材を得る工程と独立に行うこともできるし、
連続工程で行うこともできる。前者は、酸化物超電導素
材を予めコイル等の二次形態に成形後それを加熱処理し
て酸化物超電導線とする場合などに適用でき、形成する
二次形態が複雑な場合などに有利に適用することができ
る。後者の連続工程は、線引き処理時の熱を利用できて
省エネルギー化や酸化物超電導線の製造効率などの点よ
り有利である。
【0011】本発明において用いる酸化物超電導体の溶
融固化物からなるパイプの形成は、例えば鋳造方式等で
酸化物超電導体の溶融固化物からなる棒体を形成して穿
孔処理する方式、あるいは酸化物超電導体の溶融液を耐
熱性パイプ内に供給しパイプ内壁側の所定厚を冷却凝固
後、残存する溶融液を除去して耐熱性パイプ内に形成さ
れたパイプを回収する方式(パイプ内方式)などの適宜
な方式で行うことができる。
【0012】前記のパイプ内方式は、細径体等の目的寸
法のパイプを効率的に形成できる利点を有しており、そ
の工程を図2、図3に例示した。これは、図2のように
白金ルツボ等の耐熱性容器7に粉末状やバルク状等の酸
化物超電導体を入れて加熱溶融させ、その溶融液8を石
英ガラス等からなる耐熱性パイプ5内に吸引方式等の適
宜な方式で供給して耐熱性パイプ5内に溶融液の柱状体
6を形成し、その柱状体6の外側の所定厚を耐熱性パイ
プ5を介し冷却凝固させると共に、柱状体6の内部に残
存する溶融液を除去し、図3の如き耐熱性パイプ5内に
目的のパイプ1を形成したのち耐熱性パイプ5内より回
収するものである。
【0013】耐熱性パイプ5内よりのパイプ1の回収は
例えば、パイプ1を冷却収縮させる方式、耐熱性パイプ
を破壊する方式、耐熱性パイプを割型とする方式などの
任意な方式で行ってよい。従って前記パイプ内方式では
耐熱性パイプの内部形態に応じて目的パイプの外形を適
宜に制御でき、また耐熱性パイプ内での柱状溶融液の冷
却厚に応じて目的パイプの肉厚を適宜に制御することが
できる。
【0014】前記において、柱状体6の耐熱性パイプ側
からの冷却凝固は、当該耐熱性パイプ5を冷却雰囲気に
置く方式などにより効率よく行うことができる。柱状体
6の耐熱性パイプ側の所定厚を可及的に急冷凝固させ
て、アモルファス状ないしガラス状のパイプ1を形成す
る方式が超電導特性の安定した酸化物超電導線を得る点
より好ましい。
【0015】本発明において用いる酸化物超電導体の溶
融固化物からなるパイプは、円形や多角形などの任意な
形態を有していてよく、貴金属線の装填が可能な中空形
態を有していればよい。一般には、直径が1μm〜1m
m、就中10〜500μmの貴金属線が用いられることよ
り、内径が50μm〜2mm、就中100μm〜1mmで肉厚
が50μm〜10mm、就中500μm〜5mmのパイプが用
いられる。
【0016】酸化物超電導体の溶融固化物からなるパイ
プ内に配置する貴金属線としては、例えば銀、金、白
金、あるいはそれらの合金、就中、銀・白金合金、銀・
パラジウム合金等の高融点合金などからなるものが用い
られる。
【0017】貴金属線の外周に酸化物超電導体の溶融固
化物が密着した酸化物超電導素材を得るための線引き処
理は、酸化物超電導体の溶融固化物からなるパイプ内に
貴金属線を配置した状態で行われる。図1に線引き処理
の工程を例示した。1が酸化物超電導体の溶融固化物か
らなるパイプ、2が貴金属線、3が線引き処理用の加熱
部、4が貴金属線2の外周に酸化物超電導体の溶融固化
物11が密着した酸化物超電導素材である。
【0018】線引き処理は、例えば酸化物超電導体の溶
融固化物からなるパイプの下端部を加熱して軟化させつ
つ貴金属線に密着させ、その貴金属線を順次、下方向に
移動させる方式などのファイバ形成法に準じた方式で行
うことができる。パイプを軟化させるための加熱温度
は、酸化物超電導体の種類に応じて適宜に決定される。
一般的な加熱温度は300〜1000℃である。
【0019】前記の線引き処理時における加熱温度や移
動(線引き)速度などにより、貴金属線の外周に密着す
る酸化物超電導体の溶融固化物の厚さを制御することが
できる。その厚さは、目的に応じて適宜に決定してよい
が、一般には1μm〜5mm、就中10μm〜1mmとされ
る。なお前記の線引き処理では通常、内部の貴金属線の
細線化は行わないが、必要に応じて細線化してもよい。
【0020】酸化物超電導線の製造は、前記の酸化物超
電導素材を加熱処理することにより行うことができ、そ
の加熱処理で良好な超電導特性が付与される。すなわち
酸化物超電導素材の状態では、その貴金属線の外周に密
着する酸化物超電導体の溶融固化物は通常、超電導性を
示さないか、その特性に乏しい。しかし、それを加熱処
理することで容易に超電導性を付与、ないし向上させる
ことができる。
【0021】前記加熱処理による超電導性の発現、ない
し向上は、貴金属線の外周に密着する酸化物超電導体の
溶融固化物が貴金属線の関与のもとで結晶が良好に配向
した超電導相を形成することによるものと考えられる。
なお酸化物超電導素材の加熱処理は、上記した酸化物超
電導線を得る工程との独立性や連続性などに応じて適宜
な形態、ないし適宜な方式で行うことができる。
【0022】前記の結果、目的とする貴金属線の外周に
酸化物超電導体層を有する複合形態の酸化物超電導線が
得られる。酸化物超電導線を得るための加熱条件は、酸
化物超電導体の種類に応じて適宜に決定される。一般的
な加熱温度は700〜1200℃である。なお必要に応
じて酸素アニール処理などが施される。また得られた酸
化物超電導線は種々の用途に用いることができる。
【0023】本発明においては、種々の酸化物超電導線
を形成でき、酸化物超電導体の種類については特に限定
はない。その例としては、YBa2Cu3yやYBa2Cu4
yの如きY系酸化物超電導体、Ba1-xxBiO3の如き
Ba系酸化物超電導体、Nd2-xCexCuOyの如きNd系酸
化物超電導体、Bi2Sr2CaCu2y、Bi2-xPbxSr2
a2Cu3yの如きBi系酸化物超電導体、その他La系酸
化物超電導体、Tl系酸化物超電導体、Pb系酸化物超電
導体などがあげられる。
【0024】また、前記のY等の成分を他の希土類元素
で置換したものや、Ba等の成分を他のアルカリ土類金
属で置換したもの、あるいはO成分をFなどで置換した
ものなどもあげられる。
【0025】実施例1 Bi2Sr2CaCu2y系酸化物超電導体の溶融固化物から
なる外径約3mm、肉厚1mm、長さ20cmのパイプ内に直
径0.1mmの銀ワイヤを装填し、パイプの下端部を50
0〜550℃で加熱軟化させつつ銀ワイヤに密着させ、
その銀ワイヤを1m/分の速度で下方に移動させて線引
き処理し順次、銀ワイヤの外周にBi2Sr2CaCu2y
酸化物超電導体の溶融固化物を密着させて直径約0.2
mmの酸化物超電導素材を得た(銀ワイヤ直径0.1mm、
溶融固化物層厚約0.05mm)。
【0026】なお前記のパイプは、Bi2Sr2CaCu2y
系酸化物超電導体の粉砕物を白金ルツボに入れ、120
0℃に加熱して溶融させた後、その溶融液を内径3mm、
肉厚1mmの石英ガラス内に吸引し、それを−5℃の冷却
雰囲気中で5秒間冷却後取出して残存する溶融液を除去
し、ついで石英ガラスを破壊して内部に形成されたパイ
プを回収することにより得たものである。
【0027】次に前記で得た酸化物超電導素材を巻回形
態として加熱炉に導入し、800〜850℃で約30時
間加熱処理して直径約0.2mmの酸化物超電導線を得た
(銀ワイヤ直径0.1mm、酸化物超電導層厚約0.05
mm)。この酸化物超電導線は、臨界温度が85Kで、臨
界電流密度が800A/cm2(77.3K)であった。な
お、前記の酸化物超電導素材は超電導特性を示さなかっ
た。
【0028】比較例 Bi2Sr2CaCu2y系酸化物超電導体の溶融液を銅ブロ
ック上に展開しその上からアイロンを押しつけて急冷さ
せ、得られたガラスプリフォームより小片を切り出し5
00〜550℃で加熱軟化させて線引き処理し幅100
μm、厚さ20μmの矩形ファイバを得てそれを実施例1
に準じ加熱処理して酸化物超電導線を得た。この酸化物
超電導線は、臨界温度が85Kで、臨界電流密度が40
A/cm2(77.3K)であった。なお前記のファイバは
超電導特性を示さなかった。
【0029】前記において、臨界温度は0.1A/cm2
電流密度下、液体窒素で冷却しながら4端子法で電気抵
抗の温度変化を測定し、電圧端子間の発生電圧が0とな
ったときの温度である。
【0030】また臨界電流密度は、パワーリードと共に
液体窒素で冷却しながら徐々に電流値を上げて、4端子
法により電圧端子間の電圧の印加電流による変化を測定
し、X−Yレコーダにおいて1μv/cmの電圧が出現し
たときの電流値を酸化物超電導層の断面積で除した値で
ある。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、結晶が良好に配向して
臨界電流密度等の超電導特性に優れると共に、貴金属線
をコアとする複合形態を有して引張り強度や曲げ強度等
の機械的特性に優れる酸化物超電導線を効率よく得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化物超電導素材の製造工程の説明図。
【図2】酸化物超電導体の溶融固化物からなるパイプの
製造工程説明図。
【図3】前記パイプ製造の他工程の説明図。
【符号の説明】
1:酸化物超電導体の溶融固化物からなるパイプ 2:貴金属線 3:加熱部 4:酸化物超電導素材 11:溶融固化物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 593091603 松下 和正 新潟県三島郡越路町来迎寺白山2387 (72)発明者 平岡 誠 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内 (72)発明者 澤田 和彦 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 隆士 新潟県長岡市深沢町1769−1 深沢町宿舎 2−503 (72)発明者 小松 高行 新潟県長岡市七日町790番地 (72)発明者 松下 和正 新潟県三島郡越路町来迎寺白山2387

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導体の溶融固化物からなるパ
    イプ内に貴金属線を配置して加熱し、前記パイプの軟化
    下に線引き処理して貴金属線の外周に酸化物超電導体の
    溶融固化物を密着させることを特徴とする酸化物超電導
    素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸化物超電導素材を加
    熱処理して貴金属線の外周に酸化物超電導体層を形成す
    ることを特徴とする酸化物超電導線の製造方法。
JP5112212A 1993-04-15 1993-04-15 酸化物超電導素材及び酸化物超電導線の製造方法 Pending JPH06302232A (ja)

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