JPH06301929A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH06301929A
JPH06301929A JP10875293A JP10875293A JPH06301929A JP H06301929 A JPH06301929 A JP H06301929A JP 10875293 A JP10875293 A JP 10875293A JP 10875293 A JP10875293 A JP 10875293A JP H06301929 A JPH06301929 A JP H06301929A
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magnetic head
predetermined
cut
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insulating layer
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JP10875293A
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Shigenori Suzuki
茂徳 鈴木
Genichi Ishida
玄一 石田
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各素子間でのギャップディプスGDのばらつ
きを少なくし、所望の特性を得ることのできる薄膜磁気
ヘッドを製造する方法を提供すること 【構成】 スライダ12の前面に所定の構成からなる磁
気ヘッド素子13と、それと略同一構成からなるダミー
素子27を形成する。ダミー素子は、磁気ヘッド素子が
有する上部磁極層22並びに、外部回路との接続をとる
配線24とパッド25が設けられていないだけで、同一
の工程で形成される。そして、ダミー素子は、不透明の
上部磁極層がないため、その表面側からAPEX位置の
基準となる第2の絶縁層17′の先端17′aの位置か
ら確認できる。レール12bから係る先端までの距離G
Dは、レール12aから磁気ヘッド素子のそれ17aま
での距離と等しいと類推できるので、ダミー素子を用い
てGDの管理が行え、所定の許容範囲内に抑えることが
でき、その管理も外部から視認でき簡単となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、HDDやコンピュータ
等の磁気記録装置に用いられる薄膜磁気ヘッド及びその
製造方法に関するもので、より具体的には、GDを一定
にするための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法として
は、図6に示すように裏面側にスライダを構成する部材
が取り付けられた円板上の基板1の表面上所定位置に、
半導体プロセスを用いて下部磁極層,ギャップ層,所定
数の絶縁層並びにコイル層、及び上部磁極層を順次積層
配置し、さらにその上面に透明な保護層を形成すること
により、多数の磁気ヘッド素子2を格子状に形成する。
そして、係る基板1の所定部位を切削・切断することに
より所定形状に加工されたスライダ付きの薄膜磁気ヘッ
ドが製造される。
【0003】ところで、係る薄膜磁気ヘッドの特性、特
にオーバーライト特性は、磁気記録媒体の接触面から、
APEX(ギャップ層のすぐ上に形成された絶縁層の立
ち上がりポイント)までの距離であるGD(ギャップデ
ィプス)の長さに影響を受ける。よって、このGDが所
定の長さになるように製造する必要がある。
【0004】そこで従来は、同図(B)に示すように基
板1上に多数の磁気ヘッド素子2を格子状に形成した際
に、これと同時に横一例に並んだ磁気ヘッド素子2の両
端に抵抗モニター3と、断面モニター4を形成する。す
なわち、抵抗モニター3は、略コ字状でその底辺部3a
が、横一列の配置方向と略平行で、しかも最終製品でギ
ャップの先端となる部位(切削終了位置)が含まれるよ
うに形成される。また、断面モニター4は、磁気ヘッド
素子と同様の構造で形成される。
【0005】そして、係るモニター3,4を用いてGD
の管理(所定長さのものを製造する)を行うのである
が、まず、同図(B)に示すように基板1をまず横方向
に切断して1列分1′を取り出す。そして、ギャップ側
端面1′aを切削加工するとともに、抵抗モニター3の
抵抗値を測定する。すると、切削加工開始当初は、切削
面が抵抗モニター3の底辺部3aに到達しないため、抵
抗値は変化しないが、ある程度切削が進み底辺部3aに
いたると、抵抗モニタ3の底辺部3aが削られるため、
その切削量に応じて抵抗値が変化(増加)する。そし
て、両側に形成した抵抗モニター3の抵抗値を見ながら
両者のバランスを取りつつ切削する。これにより、ギャ
ップ側端面1′aからの切削量は各部で同じとなるとと
もとに、各素子2のAPEX位置も直線上に配置されて
いるので、各素子のGDが同一に保たれる。そして、係
る抵抗値が所定の値になったなら、切削を終了する。こ
れにより、各素子が所望のGD寸法に形成されたと推測
できる。
【0006】次いで、断面モニター4をその中央から切
断しギャップ部の内部を直接見ることにより、その断面
モニター4における実際のGD寸法を測定し、許容寸法
内か否かを判断する。そして、断面モニター4は、磁気
ヘッド素子と同一工程で製造されるため、係る断面モニ
ター4のGD寸法がその列の各磁気ヘッド素子のGD寸
法とほぼ等しいと推定できるので、断面モニター4のG
D寸法の良否判定により磁気ヘッド素子の良否判定を行
い、許容範囲内の場合には、所定部位を切断して仕上げ
加工を行うことにより、スライダ付きの薄膜磁気ヘッド
が製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の製造方法では、以下に示す問題を生じる。すなわち、
GD寸法の良否判定のために、断面モニター4を切断す
る必要があり、係る切断処理が煩雑となる。また、上記
切削加工中等において1ブロック内(ある磁気ヘッド素
子周辺)で反りなどが生じた場合に、切削量にばらつき
が生じ、両端の断面モニター4のGD寸法は所定の範囲
内であるにも拘らず、実際の素子のGD寸法は許容範囲
外となるおそれがある。すなわち、GDがばらつく可能
性があり、仮にばらついたとしても、その段階ではその
現象を検出することができない。さらに、各磁気ヘッド
素子のAPEXの位置等が必ずしも一直線上に配置され
ているとは限らず、特に、断面モニター4から離れて中
央付近の素子のそれは断面モニター4のものと位置がず
れているおそれが高い。よって、正確にGD管理ができ
ず、GDがばらついてしまうと、上記したごとく所望の
特性(特にオーバーライト特性)が得られないという問
題を有する。
【0008】一方、かかる問題を解決するために、例え
ば、断面モニター4を横一列上に多数設置することも考
えられるが、断面モニター4を形成した箇所は最終製品
として使用できずにデットスペースとなってしまうた
め、基板の有効利用が図れずコスト高を招くため、実用
に供し得ない。
【0009】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、製造後或いは任意の
製造プロセス中に各ブロック(素子)のGDを容易にチ
ェックすることができ、GDの修正を可能とすることに
より、各素子間でのGDのばらつきを少なくし、所望の
特性を得ることのできる薄膜磁気ヘッド及びその製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、底面に少なく
とも2本の浮上用のレールを有するスライダと、前記一
方のレールに近接する前記スライダの前面所定位置に配
置された薄膜状の磁気ヘッド素子とを備えた薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、前記スライダの前面の所定位置に、少な
くとも前記磁気ヘッド素子のAPEX位置を決定する絶
縁層までを対となるその磁気ヘッド素子と同一工程で形
成し、かつ前記絶縁層の上方を所定数の透明及びまたは
半透明部材で被覆してなるダミー素子を設けた。
【0011】そして、かかる薄膜磁気ヘッドを製造する
方法としては、基板上に下部磁極層を設け、その下部磁
極層の上に、ギャップ用の非磁性材層,APEX位置を
決定する絶縁層、所定数のコイル層,そのコイル層を覆
う絶縁層を所定の位置関係で積層形成し、さらにその上
面に上部磁極層並びに保護層を形成してなる磁気ヘッド
素子を多数形成し、次いで、前記磁気ヘッド素子が横一
列に配置するように前記基板の所定部位を切断するとと
もに、その切断された部材の所定面を切削して、その切
削面から前記APEXまでの距離を所定長さに形成し、
さらに、前記切断された部材の所定箇所を切断するよう
にした薄膜磁気ヘッドの製造方法において、少なくとも
所定の前記磁気ヘッド素子に隣接する前記基板上の所定
位置に、前記磁気ヘッド素子と同一工程で、少なくとも
APEX位置を決定する絶縁層までを形成し、次いで、
その絶縁層の上方には、透明及びまたは半透明の部材を
形成してダミー素子を設ける。そして、前記切削加工時
の前記切削面から前記APEXまでの距離の検査を前記
ダミー素子の前記APEX位置をその表面側から確認す
ることにより行なうようにした。
【0012】また、前記薄膜磁気ヘッドを製造するので
はないが、上記と同様にAPEX位置までの距離を正確
に管理しながら薄膜磁気ヘッドを製造する方法として
は、上記構成のダミー素子を、少なくとも前記切断され
た部材の両端側に位置する前記基板上に設け、そして、
前記切削加工時の前記切削面から前記APEXまでの距
離の検査を前記ダミー素子の前記APEX位置をその表
面側から確認することにより行なうようにすることであ
る。そして、両製造方法を組合わせて使用するのが好ま
しい。さらに、ダミー素子側の前記絶縁層の上に形成す
る透明または半透明の部材としては、磁気ヘッド素子の
対応する他の絶縁層等を用いることができる。
【0013】
【作用】本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、実際にデー
タの読み書きを行なう薄膜磁気ヘッドに隣接して、それ
と略同一構成のダミー素子が形成されているため、その
ダミー素子の所定の絶縁層(APEXの位置を決定する
もの)を外部から確認することにより、その浮上面側か
らAPEXまでの距離(GD寸法)のチェックが製品毎
に行える。
【0014】また、係るダミー素子のうち、磁気ヘッド
素子と同一(対応)する層については、磁気ヘッド素子
と同一工程により形成するため、ダミー素子と磁気ヘッ
ド素子とはほぼ同一の構成が保証される。そして、ダミ
ー素子側では、APEXを規定する絶縁層を形成後は、
透明或いは半透明の部材でその上方を覆うため、ダミー
素子を切断することなくその外部からダミー素子に形成
された絶縁層の先端(APEX)位置を確認することが
できるため、所定面の切削加工時に行うGD寸法のチェ
ックを上記ダミー素子のAPEXに基づいて行うことに
より簡単に行える。なお、ダミー素子側に前記絶縁層の
上方に形成する透明または半透明の部材としては、例え
ば、その後の工程で作成される磁気ヘッド素子の絶縁層
或いは非磁性材層などを用いても良い。但し、上部磁極
層は不透明であるため使用できない。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方
法の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述する。図
1は、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの好適な一実施例を
示しており、同図に示すように本例では、いわゆるマイ
クロスライダ形式の小寸法形状の磁気ヘッドに適用した
ものであり、AL−Tic層10,保護層として
のAL層11からなるスライダ(基板)12の前
面所定位置に半導体プロセスにより製造された磁気ヘッ
ド素子13を形成している。すなわち、スライダ12
は、その下面両側に浮上用のレール部12a,12bを
有し、その一方のレール部12a側の前面に上記磁気ヘ
ッド素子13を配置するのである。
【0016】そして、この磁気ヘッド素子13の構造を
説明すると、同図(B)に示すように、基板の上面に所
定形状からなる下部磁極層14,第1の絶縁層15を形
成し、さらにその上にギャップ層を構成する非磁性材層
16,第2の絶縁層17,第1のコイル層18,第3の
絶縁層19,第2のコイル層20,第4の絶縁層21、
上部磁極層22を順次積層配置する。そして、その上部
磁極層22の後方には凹部22aが形成され、その凹部
22aを介して下部磁極層14と接続され、ヨークを構
成している。さらに、その上部磁極層22の上側には、
透明な保護層23が形成される。さらにまた、同図
(A)に示すように、上記コイル層を構成するコイルの
端部等には、引き出し配線24が接続され、さらにその
引き出し配線24の上にはパッド25が成形され、この
パッド25の上面は、保護層23を貫通し、外部に露出
するようにしている。
【0017】そして、使用に際しては、磁気ヘッド素子
13に形成されたパッド25を介して外部回路と接続
し、対面するHD等に対して適宜、データの読み出し/
書き込みを行うようになっている。
【0018】ここで本発明では、従来、その寸法形状上
の要請から何も形成されていなかった他方のレール部1
2b側の前面に、ダミー素子27を設けている。このダ
ミー素子27は、基本的な構造は、磁気ヘッド素子13
と同様であるが、本例では外部から視認可能とするため
に、上部磁極層22を形成していない。すなわち、同図
(C)に示すように最上層の第4の絶縁層21′の上に
は、磁気ヘッド素子13のように上部磁極層を設けるこ
となく透明な保護層23を形成する。
【0019】係る構成にすることにより、透明な保護層
23並びに半透明な絶縁層21′,19′,17′等を
介してダミー素子27の内部構造、より具体的には、第
2の絶縁層17′の先端17′a(APEX)の位置
が、外部から確認することができる。よって、係るAP
EXからスライダ12の下面までの距離(GD)を、切
断等することなく、そのままの状態でチェックできる。
【0020】そして、ダミー素子27は、磁気ヘッド素
子13と同一工程で製造されるため、各層の位置(スラ
イダ12の下面からの距離)は略一致しているため、ダ
ミー素子27の第2の絶縁層17′の先端17′aと、
磁気ヘッド素子13の第2の絶縁層17の先端17aの
位置は同じと推定できるので(特に両素子13,27は
隣接しているため,その一致の精度は非常に高い)、ダ
ミー素子27のGDが許容範囲内にあれば、実際の磁気
ヘッド素子13のGDも許容範囲内と推定できる。よっ
て、GDが許容範囲内にある以下否かのチェックが、各
製品単位で行うことができ、さらに、GDが長いような
場合には、製品単位で切削を行い、修正処理をすること
ができ、不良品の発生率を可及的に減少できる。
【0021】なお、本例の磁気ヘッド素子13の構成で
は、コイル層が2層構造のものを用いたが、この磁気ヘ
ッド素子13の構成は、これに限られることなく、単層
或いは3層以上でも良く、さらには、ギャップ層を構成
する非磁性材層の形成位置も、上記した例のように下部
磁極層の上ではなく、上部磁極層の下など種々のものを
用いることができ、その構造は問わず、係る構造の変更
に応じてダミー素子側の構成も変更すれば良い。
【0022】なおまた、上記した実施例では、スペース
上の要請からダミー素子27は、磁気ヘッド素子13が
有するコイル層に接続される引き出し配線24やパッド
25を設けないようにしているが、例えば図2に示すよ
うな、やや大型のミニスライダ形式の場合には、製品の
重量バランスなどを考慮し、ダミー素子27′側にも、
配線24′並びにパッド25′も設けるのが好ましい。
【0023】次に、上記構成の薄膜磁気ヘッドの製造方
法について説明する。まず、図3に示すように、基板上
に横一列に所定の間隔をおいて磁気ヘッド素子13と、
ダミー素子27とを交互に形成し、さらに横一列の両端
には、従来と同様の抵抗パターン30を形成する。そし
て、図示省略するが、係る構成のものを縦方向に所定列
形成することにより、1枚の基板上に多数の磁気ヘッド
素子13,ダミー素子27が格子状に配置されることに
なる。
【0024】具体的には、まず図4(A)に拡大して示
すように、実際にスライダになる部分(破線で示す)の
レール部位に、その先端が突出するように磁気ヘッド素
子用の下部磁極層14と、ダミー素子用の下部磁極層1
4′をそれぞれ形成する(便宜上、1対の磁気ヘッド素
子とダミー素子のみを示す)。次いで、各下部磁極層1
4,14aと、同一平面所定部位に第1の絶縁層を形成
するとともに、それらの上にギャップ層を構成する非磁
性材層,第2の絶縁層17,17′を積層配置する(同
図(B)参照)。そして、これら形成された各層は、同
時に形成されて、縦方向の位置が同じになるように設定
されているため、第2の絶縁層17,17′の浮上側の
先端部(APEX)17a,17′aも同一線上に位置
する(以下同じ)。そしてここまでの工程では、磁気ヘ
ッド素子用もダミー素子用もともに同一であり、その配
置位置が異なるだけである。
【0025】次いで、同図(C)に示すように、第2の
絶縁層17,17′の上に、第1のコイル層18,1
8′を形成するのであるが、磁気ヘッド素子用は、その
第1のコイル層18を構成するコイルの端部に引き出し
配線24を、対となるダミー素子側に向けて延びるよう
にして形成するが、ダミー素子用には係る配線を形成し
ない。
【0026】その後、両素子ともに同一の工程により、
第1のコイル層18,18′を覆うようにして、その上
面並びに露出する第2の絶縁層17,17′の上に、第
3の絶縁層,第2のコイル層20,20′,第4の絶縁
層21,21′を形成する。そして、ここまで製造した
なら、上部磁極層の形成前に、ダミー素子用の下部磁極
層14′,並びに第4の絶縁層21′(他の層は第4の
絶縁層にて覆われている)を覆うように、所定寸法形状
のレジスト32を塗布する(図5(A)参照)。これに
より、磁気ヘッド素子側のパターンのみが外部に露出す
ることになる。
【0027】この状態のまま、同図(B)に示すよう
に、第4の絶縁層21の上側所定位置に、下部磁極層と
略同一平面形状の上部磁極層22を形成(凹部22aで
下部磁極層と接続をとる)するが、ダミー素子側はレジ
スト32で覆われているため、上部磁極層が形成されな
い。
【0028】そして、さらに同図(C)に示すように、
磁気ヘッド素子側の引き出し配線24の先端側上面にパ
ッド25を形成する。なお、上記と同様の理由(レジス
ト32で覆われている)から、ダミー素子側では係るパ
ッドも形成されない。そして、このパッド25の形成工
程が修了したなら、レジスト32を除去する。これによ
り同図(D)に示すように、所定位置に磁気ヘッド素子
13と、ダミー素子27が露出配置されることになる
が、図示するように、磁気ヘッド素子13側では、最上
部に上部磁極層22が位置するのに対し、ダミー素子2
7側では第4の絶縁層21′が位置する。
【0029】この後、通常の半導体プロセス工程にした
がって、各素子13,27の上に保護層(Al
を形成し、保護層の表面を研磨等して平面化する。な
お、具体的な図示は省略するが、上記各素子の製造と同
時に、横一列の両端に、従来と同様に所定形状からなる
抵抗パターンも形成する。このようにして、半導体プロ
セスが修了したなら、次に、加工プロセスに移行する。
【0030】すなわち、上記製造された基板を横方向に
平行に切断し、図3に示すような各素子が横1列に並ん
だ状態にする。また、この時その両端も切断し、平面細
長矩形状にする(基板は円板上のため、そのままでは両
端が円弧状となるので、保持のしやすい形状に加工す
る)。次いで、切断された基板に対して、従来と同様に
抵抗パターン30の抵抗値を監視しながら、浮上側から
バランスよく切削加工を行い、抵抗値が所定の値になっ
たなら切削加工を修了する。そして、顕微鏡等を用いて
ダミー素子27を外部から観察し、そのダミー素子27
のGD寸法(端面からAPEX17′aまでの距離)が
所定の範囲内にあるか否かをチェックする。そして、係
るチェックは、従来のように基板を切断する必要がない
ため、簡単に行える。そして、GD寸法が長い場合に
は、さらに切削加工を行う。これにより、GD寸法の精
度出し(修正加工)が簡単に行える。また、従来のよう
にダミー素子が切断されていないため、修正加工(再切
削加工)時に、割れ(従来のものでは、一度切断すると
各層が両端面で露出してしまうため、そこが切削加工時
の圧力等により欠けやすい)なども生じないため、修正
加工後のGD寸法のチェックも正確に行える。
【0031】また、本例では、各磁気ヘッド素子の隣に
ダミー素子を設けているため、対となる両者間での各層
の浮上面側からの距離の位置ずれがほとんどなく、各ダ
ミー素子の内部構造(位置)は、各磁気ヘッド素子のも
のと同じと推定でき、より正確なGD管理ができる。そ
の後、基板の浮上面側に溝加工を施して上記レール部を
形成後、所定位置で切断して各一対の磁気ヘッド素子と
ダミー素子毎に分離し、仕上げ加工を施すことによりス
ライダ付きの薄膜磁気ヘッドが製造される。なお、加工
プロセスの具体的な処理工程は、上記ダミー素子を用い
たGD寸法のチェック以外は、従来と同様のものを用い
ることができるので、具体的な図示並びに詳細な説明等
は省略する。
【0032】なお、本例では、上記GD寸法のチェック
を行った結果、横1列に並んだ各磁気ヘッド素子のう
ち、一部の素子のGD寸法が許容寸法より長いような場
合には、各素子毎に切断した後、個別に修正加工をする
ことにより対応できる。
【0033】そして本例では、ダミー素子が、実際の製
品上に搭載されるため、従来のダミー素子のように形成
箇所がデッドスペースとならないので、本例のようにす
べての磁気ヘッド素子の隣に形成してもスペース上は何
等問題はない。しかも、係る状態でダミー素子の内部が
外部から確認可能となっているため、最終製品の状態で
もその製品のGD寸法のチェックができ、品質保証をす
ることができる。
【0034】また、上記した実施例では、各磁気ヘッド
素子の隣にそれぞれ対となるダミー素子を形成したが、
本発明はこれに限ることはなく、任意の箇所に設置が可
能であり、その個数もn個おきや、ランダムにしてよ
い。さらには、従来のように横一列の両端にのみ設け、
各磁気ヘッド素子の隣には原則として設けないようにし
てもよい。すなわち、係る場合であっても、従来の方法
に比し、GD寸法のチェックを行うに際し、ダミー素子
の切断が不要で簡単に行うことができ、再切削加工(修
正加工)後のGD寸法のチェックも最初に行う場合と同
様簡単かつ正確にできると言う従来では得られない効果
を奏する。
【0035】さらにまた、上記した各実施例では、上部
磁極層を形成する前までは、原則として実際の磁気ヘッ
ド素子と同様のプロセスでダミー素子を製造した(配
線,パッドは除く)が、これは、できるだけ磁気ヘッド
と同一構成とすることにより、ダミー素子が示すGD寸
法が、磁気ヘッド素子のそれと同じになる精度を高くす
るため、並びに、先端位置が徐々に後退する各絶縁層を
層状に積層することにより、測定基準となるAPEXの
位置(第2の絶縁層の先端)を見易くするためである
が、本発明はこれに限ることはなく、少なくともAPE
Xの位置を決定する絶縁層を形成したならば、その後は
任意のプロセスの後(上部磁極層形成前)にダミー素子
をレジスト等でマスキングしその後の層の形成を阻止
し、最後に保護層を形成するようにしてもよい。
【0036】また、上記実施例では、APEX位置を決
定する絶縁層の上に形成する透明または半透明の部材と
して、対応する磁気ヘッド素子の各層(絶縁層、コイル
層)を用いたが、本発明はこれに限ることなく、他の部
材を用いてももちろん良い。しかも上記実施例のように
APEXの位置が隠れなければコイル層のように絶縁層
の一部を覆う不透明層を設置しても構わない。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明による薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法では、ダミー素子の所定の絶縁層(AP
EXの位置を決定するもの)を外部から確認することが
できるため、GD寸法のチェックが容易に行える。そし
て、係るダミー素子を実際の磁気ヘッド素子の近傍所定
位置に形成した場合には、より正確に磁気ヘッド素子の
内部構造を示すことができる。よって、GD寸法を正確
に管理し、オーバーライト特性のばらつきを可及的に抑
えることができる。
【0038】さらに、最終製品としての薄膜磁気ヘッド
素子に上記ダミー素子を実装した場合には、製品ごとに
GD寸法の適否を判定でき、品質保証をすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る薄膜磁気ヘッドの好適な
一実施例を示す斜視図である。(B)は(A)図の磁気
ヘッド素子の一部を示す断面図である。(C)は(A)
図のダミー素子の一部を示す断面図である。
【図2】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの他の実施例を示
す斜視図である。
【図3】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の好適
な一実施例を示す図である。
【図4】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の好適
な一実施例を示す工程図の一部である。
【図5】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の好適
な一実施例を示す工程図の一部である。
【図6】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す図であ
る。
【図7】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
12 スライダ(基板) 13 磁気ヘッド素子 17,17′ 第2絶縁層(APEXの位置を決定する
層) 22 上部磁極層 27,27′ ダミー素子 30 抵抗パターン 32 レジスト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面に少なくとも2本の浮上用のレール
    を有するスライダと、前記一方のレールに近接する前記
    スライダの前面所定位置に配置された薄膜状の磁気ヘッ
    ド素子とを備えた薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記スライダの前面の所定位置に、少なくとも前記磁気
    ヘッド素子のAPEX位置を決定する絶縁層までを対と
    なるその磁気ヘッド素子と同一工程で形成されるととも
    に、前記絶縁層の上方を所定数の透明及びまたは半透明
    部材で被覆してなるダミー素子を有することを特徴とす
    る薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 基板上に下部磁極層を設け、その下部磁
    極層の上に、ギャップ用の非磁性材層,APEX位置を
    決定する絶縁層、所定数のコイル層,そのコイル層を覆
    う絶縁層を所定の位置関係で積層形成し、さらにその上
    面に上部磁極層並びに保護層を形成してなる磁気ヘッド
    素子を多数形成し、 次いで、前記磁気ヘッド素子が横一列に配置するように
    前記基板の所定部位を切断するとともに、その切断され
    た部材の所定面を切削して、その切削面から前記APE
    Xまでの距離を所定長さに形成し、さらに、前記切断さ
    れた部材の所定箇所を切断するようにした薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法において、 少なくとも所定の前記磁気ヘッド素子に隣接する前記基
    板上の所定位置に、前記磁気ヘッド素子と同一工程で、
    APEX位置を決定する絶縁層までを形成し、次いで、
    その絶縁層の上方には、透明及びまたは半透明の部材を
    形成してダミー素子を設け、 かつ、前記切削加工時の前記切削面から前記APEXま
    での距離の検査を前記ダミー素子の前記APEX位置を
    その表面側から確認することにより行なうようにしたこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に下部磁極層を設け、その下部磁
    極層の上に、ギャップ用の非磁性材層,APEX位置を
    決定する絶縁層、所定数のコイル層,そのコイル層を覆
    う絶縁層を所定の位置関係で積層形成し、さらにその上
    面に上部磁極層並びに保護層を形成してなる磁気ヘッド
    素子を多数形成し、 次いで、前記磁気ヘッド素子が横一列に配置するように
    前記基板の所定部位を切断するとともに、その切断され
    た部材の所定面を切削して、その切削面から前記APE
    Xまでの距離を所定長さに形成し、さらに、前記切断さ
    れた部材の所定箇所を切断するようにした薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法において、 少なくとも前記切断された部材の両端側に位置する前記
    基板上に、前記磁気ヘッド素子と同一工程で、APEX
    位置を決定する絶縁層までを形成し、次いで、その絶縁
    層の上方には、透明及びまたは半透明の部材を形成して
    ダミー素子を設け、 かつ、前記切削加工時の前記切削面から前記APEXま
    での距離の検査を前記ダミー素子の前記APEX位置を
    その表面側から確認することにより行なうようにしたこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61227213A (ja) * 1985-03-30 1986-10-09 Fujitsu Ltd 薄膜磁気ヘツドの製造方法
JPH0520634A (ja) * 1991-07-10 1993-01-29 Nec Corp 薄膜磁気ヘツド・ウエハ

Patent Citations (2)

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