JPH062997A - 冷凍装置の除霜構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】一個の温度スイッチにより蒸発器の除霜を完全
に行うことができる冷凍装置の除霜構造を提供する。 【構成】蒸発器４に温度スイッチ７を設け、温度スイッ
チ７の検知信号に基づき除霜運転或いは冷却運転を行う
冷凍装置の除霜構造において、温度スイッチ７の感温部
７ａ´を蒸発器４の少なくとも異なる２以上の部分に装
着したので、蒸発器４全体の除霜状態を適確に判断で
き、その除霜を確実に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は蒸発器に付着した霜の状
態を検知しこの霜が過着霜状態となったとき除霜運転を
行う冷凍装置の除霜構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の冷凍装置として、図２に
示されているものが知られている。

【０００３】即ち、この冷凍装置は、圧縮機１、凝縮器
２、減圧装置３、蒸発器４が順次接続する一方、圧縮機
１から吐出された冷媒を凝縮器２及び減圧装置３を迂回
して直接に蒸発器４に給送するバイパス管５を有してお
り、このバイパス管５に電磁弁６を設置している。

【０００４】この冷凍装置によれば、冷却運転を行って
いるときは、電磁弁６が閉状態となっており、これによ
り、冷媒が圧縮機１→凝縮器２→減圧装置３→蒸発器４
→圧縮機１と順次循環し、この蒸発器４が設置された部
分例えば冷蔵ショ−ケ−スの庫内や家屋の室内が冷却さ
れる。他方、この冷却運転を継続するときこの蒸発器４
に霜が付着し、この霜が徐々に成長し、蒸発器１の熱交
換率が低下する。

【０００５】このように蒸発器４で過着霜の事態が起き
たときは、除霜運転に移行する。この除霜運転では電磁
弁６を開状態とし、高温の冷媒を蒸発器４に給送するこ
とにより霜を融解し除去する。

【０００６】この過着霜状態を検知し運転制御する着霜
検知スイッチとして、図３に示す温度スイッチ７が知ら
れている。即ち、この温度スイッチ７は作動ガスが封入
された感温部７ａと、感温部７ａによりオン・オフ動作
するスイッチ本体７ｂとからなり、このスイッチ本体７
ｂのベロ−ズ７ｃが作動ガスの膨脹及び収縮により伸縮
し、常開の開閉部７ｄをオン・オフ動作させ、電磁弁６
を開閉動作させる。この電磁弁６の動作により前述した
冷却運転及び除霜運転が継続される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような冷却運転及
び除霜運転における蒸発器温度変化を図３に示してお
り、この図３では蒸発器６の感温部７ａが装着された側
のＡ点と、これと反対側のＢ点を取り、この各点の温度
変化を表している。この図に示すように、冷却運転を継
続するとき蒸発器４に霜が徐々に付着成長し、これに伴
い各Ａ，Ｂ点の温度が低下する。そして、この温度が温
度スイッチ７の下限設定温度−２０℃に達したとき過着
霜状態となり、温度スイッチ７の開閉部７ｄが閉状態と
なる。この温度スイッチ７のオン動作により除霜運転に
移行する。

【０００８】この除霜運転により蒸発器４の温度が徐々
に上昇するが、その蒸発器４の設置状態及び冷凍負荷の
大小等により蒸発器４の各部分における除霜速度が異な
り、Ａ点の除霜速度がＢ点の除霜速度より大きくなる場
合がある。このような場合に従来の冷凍装置の除霜構造
では、温度スイッチ７の感温部７ａがＡ点にのみ設置さ
れているため、Ｂ点の除霜が完了する前に上限設定温度
５℃に達することとなり、冷却運転が再開されるという
問題点を有していた。

【０００９】このような問題点を解決するためには、多
数の温度スイッチ７を用意し、各温度スイッチ７の感温
部７ａを蒸発器４の異なる部分に多数設置すればよい
が、これではコストが割高となる。

【００１０】本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、一
個の着霜検知スイッチにより蒸発器の除霜を完全に行う
ことができる冷凍装置の除霜構造を提供することにあ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、蒸発器に着霜検知スイッチを設け、該着霜検
知スイッチの検知信号に基づき除霜運転或いは冷却運転
を行う冷凍装置の除霜構造において、前記着霜検知スイ
ッチの感温部を前記蒸発器の少なくとも異なる２以上の
部分に装着したことを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明によれば、着霜検知スイッチの感温部が
蒸発器の複数の異なる場所の着霜及び除霜状態を検知す
るため、蒸発器全体の除霜状態を適確に判断でき、除霜
を確実に行うことができる。

【００１３】

【実施例】図１及び図５は本発明に係る冷凍装置の除霜
構造の一実施例を示すもので、図１は蒸発器への温度ス
イッチの取り付け状態を示す概略図、図５は蒸発器温度
の変化を示すグラフである。なお、従来例を示す図２乃
至図４で説明した構成と同一構成部分は同一の符号をも
って表わす。

【００１４】即ち、４は冷凍装置の蒸発器、６は冷却運
転及び除霜運転を切り換える電磁弁、７は着霜検知スイ
ッチ例えば温度スイッチである。この蒸発器４はフィン
アンドチュ−ブ式の蒸発器であり、この熱交換フィン４
ａが間隙をおいて横方向に多数枚配列され、この各熱交
換フィン４ａに蛇行状に冷媒管４ｂが貫通している。

【００１５】温度スイッチ７のスイッチ本体７ｂ、この
スイッチ本体７ｂ内に設置されたベロ−ズ７ｃ、このベ
ロ−ズ７ｃにより開閉動作する開閉部７ｄは従来例で示
した温度スイッチと同様であり、本発明の特徴点は温度
スイッチ７の感温部７ａ´の配置状態にある。

【００１６】即ち、温度スイッチ７の感温部７ａ´を蒸
発器４の長手方向一端側（Ａ点側）に設置するととも
に、その先端側を蒸発器４の長手方向他端側（Ｂ点側）
に延設し、蒸発器４の両側の着霜状態を検知するように
なっている。

【００１７】この実施例の作用を図５の蒸発器温度変化
を示すグラフに基づき説明する。

【００１８】即ち、冷却運転を継続するときは、蒸発器
４に霜が徐々に付着成長し、これに伴い各Ａ，Ｂ点の温
度が低下する。そして、この温度が温度スイッチ７の下
限設定温度−２０℃に達したとき過着霜状態となり、温
度スイッチ７の開閉部７ｄが閉状態となる。この温度ス
イッチ７のオン動作により除霜運転に移行する。

【００１９】この除霜運転により蒸発器４の温度が徐々
に上昇する（蒸発器温度が０℃のときは多量の融解潜熱
を必要とするため多少温度変化のない状態が継続す
る）。ここで、Ａ点の蒸発器温度が上限設定温度５℃に
達したときでも、Ｂ点の温度が５℃に達していないた
め、温度スイッチ７が未だオフ状態となっている。そし
て、Ｂ点の蒸発器温度が５℃に達したとき冷却運転が再
開される。

【００２０】このように本実施例によれば、温度スイッ
チ７の感温部７ａ´が蒸発器４の全く逆方向に位置する
Ａ点及びＢ点の両者に延設されているため、蒸発器４の
全体の除霜状態に基づき冷却運転及び除霜運転が行わ
れ、着霜状態で冷却運転を開始するという不具合が回避
される。

【００２１】なお、前記実施例では温度スイッチ７が過
着霜状態を検知して除霜運転を行っているが、この除霜
運転の開始をタイムスイッチで行い、この除霜完了をこ
の温度スイッチ７で行うようにしてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
着霜検知スイッチの感温部が蒸発器の複数の異なる場所
の着霜及び除霜状態を検知するため、蒸発器全体の除霜
状態を適確に判断でき、その除霜を確実に行うことがで
きる。従って、冷凍装置の冷却不良が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る蒸発器への温度スイッチの取り付
け状態を示す概略図

【図２】冷凍装置の冷媒回路図

【図３】従来の蒸発器への温度スイッチの取り付け状態
を示す概略図

【図４】従来の冷却運転及び除霜運転における蒸発器温
度変化を示すグラフ

【図５】本発明の冷却運転及び除霜運転における蒸発器
温度変化を示すグラフ

【符号の説明】

４…蒸発器、７…温度スイッチ、７ｄ´…感温部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸発器に着霜検知スイッチを設け、該着
   霜検知スイッチの検知信号に基づき除霜運転或いは冷却
   運転を行う冷凍装置の除霜構造において、 前記着霜検知スイッチの感温部を前記蒸発器の少なくと
   も異なる２以上の部分に装着したことを特徴とする冷凍
   装置の除霜構造。