JPH026992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は冷・暖房運転、ならびに暖房運転時
における除霜運転可能な空気調和装置の改善に関
する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

空気調和装置にあつては、第１図で示すような
ものが従来から知られている。

すなわち、第１図に示すものは、圧縮機ａ、四
方弁ｂ、室外側熱交換器ｃ、減圧機構としての膨
張弁ｄ、室内側熱交換器ｅを順次連結して冷房
（除霜）あるいは暖房運転可能な冷凍サイクル回
路ｆを構成し、圧縮機ａの吸込側に、暖房運転
時、冷凍サイクル回路の高圧側が異常な高圧とな
つたとき圧縮機ａを異常な高圧から守るためにそ
の高圧を低圧側に逃がす開閉弁ｇを設けて空気調
和装置を構成したものである。そして、冷房（除
霜）を行なうときには四方弁ｂを冷房側へ切換え
て圧縮機ａを運転することにより、実線の矢印で
示すように室外側熱交換器ｃ、膨張弁ｄ、室内側
熱交換器ｅを順に冷媒が流れる冷房サイクル（除
霜サイクル）が形成されて冷房（除霜）が行なわ
れ、また四方弁ｂを暖房側へ切換えることによ
り、破線の矢印で示すように室内側熱交換器ｅ、
膨張弁ｄ、室外側熱交換器ｃを順に冷媒が流れる
暖房サイクルが形成されて暖房が行なわれる。そ
してさらに、暖房時、過負荷により高圧側が異常
な高圧となつたときには開閉弁ｇが開いてその高
圧を低圧側にレリースすることになる。

ところで、このような冷凍サイクル回路ｆにお
いては、通常、圧縮機ａの吸込側に感熱管などの
センサーｈを設け、このセンサーｈで検知される
冷凍サイクル温度にもとづき膨張弁ｄの絞り量を
制御している。

ところが、このような膨張弁ｄの絞り制御を用
いて暖房運転中、逆サイクルで除霜運転を働らか
す構造、すなわち暖房サイクルから一旦冷房サイ
クルに切換えて室外側熱交換器ｅの着霜を解消す
る技術によると、除霜運転としては、極端に冷え
た圧縮機ａの吸込側冷媒温度により膨張弁ｄの絞
り量が増加（閉じる）した状態で行なわれるとい
つた問題がある。このため、冷媒はどうしても流
れにくくなり、除霜性能が低下してしまう不都合
を伴なう。

そこで、この点を鑑みて第２図で示すように、
室外側熱交換器ｃと室内側熱交換器ｅとの短絡す
るように、開閉弁ｉを介挿した除霜運転用の短絡
路ｊを設けて、除霜を行なうようにしたものが考
えられるが、これではレリース用の開閉弁ｇの他
に高価な開閉弁ｊを有した回路が必要であるばか
りか、開閉弁ｊを独立に制御する手段が必要とさ
れ、実用的ではない。なお、一点鎖線で示す矢印
は除霜のときの冷媒の流れを示す。

〔発明の目的〕

この発明は上記事情に着目してなされるもの
で、その目的とするところは、１つの開閉弁でレ
リース効果、ならびに性能に優れる除霜運転を行
なうことができ、同時に制御の簡易化を図ること
ができる空気調和装置を提供することにある。

〔発明の概要〕

この発明は、冷・暖房運転可能な冷凍サイクル
の四方弁と室内側熱交換器との間に第１の冷媒分
岐路を設け、室外側熱交換器と減圧機構との間に
第２の冷媒分岐路を設け、これら第１および第２
の冷媒分岐路をレリースをなす開閉弁に連結し
て、レリースをなす開閉弁を除霜用の開閉弁を共
用させた１開閉弁構造にして、第２の冷媒分岐路
を通じる室外側熱交換器側の閉回路で減圧機構を
通らない除霜サイクルを形成するとともに、第１
の冷媒分岐路を通じる圧縮機側の短絡回路でレリ
ース回路を形成しようとするものである。

〔発明の実施例〕 以下、この発明を第３図ないし第５図に示す一
実施例にもとづいて説明する。第３図中１は能力
可変形の圧縮機、２は四方弁、３は室外側熱交換
器、４は減圧機構としての膨張弁、５は室内側熱
交換器ｅである。そして、これら各機器は冷媒循
環路６を介して順次連結されていて、冷・暖房運
転可能な冷凍サイクル回路７を構成している。ま
た膨張弁４は圧縮機１の吸込側に設けたセンサ
ー、たとえば感熱管８と連絡絡していて、感熱管
８で検知される冷媒温度にもとづき絞り制御が行
なわれるようになつている。なお、９はインジエ
クシヨン回路、１０ａ，１０ｂは室内側熱交換器
５の据付用配管ジヨイント、１１ａ，１１ｂ，１
１ｃ，１１ｄは膨張弁４に対し一定の方向に冷媒
が流れるようにするための逆止弁である。また、
圧縮機１に吸込側には、開閉弁１２を介挿したレ
リース路１３が設けられている。

一方、このように構成された冷凍サイクル回路
７の四方弁２と室内側熱交換器５との間には第１
の冷媒分岐路１４が接続されている。また、室外
側熱交換器３と膨張弁４との間には第２の冷媒分
岐路１５が接続されている。そして、これら第１
および第２の冷媒分岐路１４，１５の端部は上記
開閉弁１２にレリース路１３を介して連結され
る。そして、各第１の冷媒分岐路１４、第２の冷
媒分岐路１５には、開閉弁１２側に向つてのみ冷
媒が流れるようにそれぞれ逆止弁１６，１６が設
けられるとともに、減圧機構としてのキヤピラリ
ーチユーブ１７が設けられていて、１つの開閉弁
１２でレリース効果、膨張弁４を通じない除霜サ
イクルをそれぞれ得ることができるようになつて
いる。すなわち、開閉弁１２は暖房過負荷時に、
また冷媒の流れ方向が暖房時とは異なる除霜運転
が開始されるときのみに、それぞれ開くよう図示
しない制御部で制御されていて、暖房過負荷時の
異常な高圧をきたすときには、第１の冷媒分岐路
１４を通じて圧縮機１側に、低圧側と短絡する短
絡回路で構成されるレリース回路を形成すること
ができるようになつている。また除霜運転を行う
ときには、第２の冷媒分岐路１５を通じる、膨張
弁４を通らない室外側熱交換器３側の閉回路を得
て、除霜サイクルを形成することができるように
なつている。そして、この除霜運転は、室外側熱
交換器３に設けた除霜検知センサー１７の検知に
より制御されるようになつていて、その除霜検知
センサー１７の取付構造が第４図および第５図に
示されている。ここで、除霜検知センサー１７廻
りの構造について説明すれば、室外側熱交換器３
は、多数並んだフイン１８…の上・下段にそれぞ
れ熱交換パイプ列１９ａ，１９ｂを配設し、これ
ら熱交換パイプ列１９ａ，１９ｂをたとえばＹジ
ヨイント２１，２１を介して冷媒循路６に対して
並列に接続して構成されている。そして、熱交換
パイプ列１９ａ，１９ｂの暖房運転時、出口側と
なる並列に並んだ冷媒配管２２ａ，２２ｂの間
に、第５図でも示すように除霜検知センサー１７
をパイプ状のホルダー２３を介して固定してな
る。詳しくは、除霜検知センサー１７を保持した
ホルダー２３の外周面をそれぞれ冷媒配管２２
ａ，２２ｂにたとえばロー付けしてなり、除霜検
知センサー１７は相方の冷媒配管２２ａ，２２ｂ
に接触して取付けられる。そして、このような除
霜検知センサー１７の取付けにより、各熱交換パ
イプ列１９ａ，１９ｂにおける温度をそれぞれ確
実に検知して、確実なる除霜運転を行なうことが
できるようになつている。

つぎにこのように構成された空気調和装置の作
用について説明する。

冷房を行なうときには、開閉弁１２が閉じた状
態において四方弁２を冷房側へ切換え、圧縮機１
を運転することにより、第３図の実線の矢印で示
すように室外側熱交換器３、膨張弁４、室内側熱
交換器５を順に冷媒が流れる冷凍サイクルが形成
されて冷房が行なわれる。

また、暖房を行なうときには、開閉弁１２を閉
じた状態のまま四方弁２を暖房側へ切換えること
により、第３図の破線の矢印で示すように室内側
熱交換器５、膨張弁４、室外側熱交換器３を順に
冷媒が流れる暖房サイクルが形成されて暖房が行
なわれる。

そして、この暖房運転中、室外側熱交換器３に
着霜が生じると、除霜検知センサー１７の信号か
ら四方弁２は冷房側へ切換わり、また開閉弁１２
は開く。これにより、第３図の二点鎖線で示すよ
うに圧縮機１、四方弁２、室外側熱交換器３、第
２の冷媒分岐路１５、開閉弁１２、圧縮機１を経
る閉回路を描いて除霜サイクルが形成されること
になる。かくして、不都合を伴なう要因となる膨
張弁４を通らずに室外側熱交換器３を除霜するこ
とができ、膨張弁４の絞りによる冷媒溜りを解消
して除霜性能の向上を図ることができるようにな
る。なお、第１の冷媒分岐路１４側は除霜サイク
ルの形成によつて低圧となることから、ほとんど
冷媒は流れない。

また上述した暖房運転中、過負荷により高圧側
が異常な高圧となるときは、図示しない制御部に
より開閉弁１２が開いて、第３図の一点鎖線の矢
印で示すように圧縮機１、四方弁２、第１の冷媒
分岐路１４、開閉弁１２を経る短絡したレリース
回路が形成され、一瞬にして圧力が低下し、レリ
ースの目的を十分に果たすことになる。

したがつて、１つの開閉弁１２でレリース効
果、ならびに性能に優れる除霜運転を実現するこ
とができる。しかも、１つの開閉弁１２の開閉動
作で２種類の作用が得られることから、コスト的
に安価で、また１つの制御系で２種類の制御を実
現することができ、制御は簡単ですむといつた利
点がある。加えて、１つの開閉弁１２なので確実
なる動作を期待することができるとともに、第１
および第２の冷媒分岐路１４，１５を設けただけ
なのでその構造は簡単である。

なお、上述した一実施例では、１つの室外側熱
交換器に対し１つの室内側熱交換器を対応させた
空気調和装置にこの発明を適用したが、第６図の
他の実施例に示すように１つの室外側熱交換器３
に対し複数の室内側熱交換器５，５を配してなる
マルチ形の空気調和装置にも適用することができ
るものである。なお、第６図において上述した一
実施例と同一構成部品は同一番号を付してその説
明を省略した。

〔発明の効果〕

以上説明したようにこの発明によれば、１つの
開閉弁でレリース効果、ならびに性能に優れる除
霜運転といつた２種類の効果を実現することがで
きる。しかも、コストは安価で、また１つの制御
系ですむことから制御の簡易化を図ることができ
る利点がある。加えて、第１および第２の冷媒分
岐路を設けただけなのでその構造は簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気調和装置を示す概略構成
図、第２図はその異なる従来の空気調和装置を示
す概略構成図、第３図はこの発明の一実施例の空
気調和装置を示す概略構成図、第４図はその室外
側熱交換器を示す斜視図、第５図はその室外側熱
交換器における除霜検知センサーの取付け構造を
示す斜視図、第６図はこの発明の他の実施例を示
す概略構成図である。 １……圧縮機、２……四方弁、３……室外側熱
交換器、４……膨張弁（減圧機構）、５……室内
側熱交換器、１２……開閉弁、１４……第１の冷
媒分岐路、１５……第２の冷媒分岐路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧縮機、四方弁、室外側熱交換器、減圧機
   構、室内側熱交換器を順次連結してなる冷凍サイ
   クル回路を有するとともに、上記圧縮機の吸込側
   には高圧の冷媒をレリースする開閉弁が設けられ
   てなる空気調和装置において、上記四方弁と室内
   側熱交換器との間に第１の冷媒分岐路を設け、上
   記室外側熱交換器と減圧機構との間に第２の冷媒
   分岐路を設け、これら第１および第２の冷媒分岐
   路を上記開閉弁に連結し、第２の冷媒分岐路を通
   じる室外側熱交換器側の閉回路で除霜サイクルを
   形成するとともに、第１の冷媒分岐路を通じる圧
   縮機側の短絡回路でレリース回路を形成すること
   を特徴とする空気調和装置。