JPH06299354A - Al合金薄膜及びその製造方法並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents
Al合金薄膜及びその製造方法並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲットInfo
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- JPH06299354A JPH06299354A JP8325093A JP8325093A JPH06299354A JP H06299354 A JPH06299354 A JP H06299354A JP 8325093 A JP8325093 A JP 8325093A JP 8325093 A JP8325093 A JP 8325093A JP H06299354 A JPH06299354 A JP H06299354A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び遷移
金属元素を非平衡的に固溶させたAl合金薄膜をスパッタ
リング等の物理蒸着法により基板上に形成させた後、該
Al合金薄膜中の固溶元素を熱処理により金属間化合物と
して析出させることを特徴とするAl合金薄膜の製造方
法、この薄膜形成用の溶製Al合金スパッタリングターゲ
ット、及び、この製造方法によって製造されるAl合金薄
膜。 【効果】 耐熱性に優れてヒロック、ストレスマイグレ
ーション及びエレクトロマイグレーションが生じ難く、
又、熱処理後に比抵抗:15μΩcm以下となるAl合金薄膜
であって、液晶ディスプレイ及び半導体装置用の配線膜
・電極膜、液晶ディスプレイ及び固体撮像素子用の遮光
膜、機能電子部品用の配線膜として好適に使用し得るAl
合金薄膜が得られるようになる。
金属元素を非平衡的に固溶させたAl合金薄膜をスパッタ
リング等の物理蒸着法により基板上に形成させた後、該
Al合金薄膜中の固溶元素を熱処理により金属間化合物と
して析出させることを特徴とするAl合金薄膜の製造方
法、この薄膜形成用の溶製Al合金スパッタリングターゲ
ット、及び、この製造方法によって製造されるAl合金薄
膜。 【効果】 耐熱性に優れてヒロック、ストレスマイグレ
ーション及びエレクトロマイグレーションが生じ難く、
又、熱処理後に比抵抗:15μΩcm以下となるAl合金薄膜
であって、液晶ディスプレイ及び半導体装置用の配線膜
・電極膜、液晶ディスプレイ及び固体撮像素子用の遮光
膜、機能電子部品用の配線膜として好適に使用し得るAl
合金薄膜が得られるようになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Al合金薄膜及びその製
造方法並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲッ
トに関し、特には、液晶ディスプレイ又は半導体装置用
の配線膜・電極膜、液晶ディスプレイ又は固体撮像素子
用の遮光膜、機能電子部品用の配線膜として好適なアル
ミニウム合金薄膜(Al合金薄膜)、及び、該Al合金薄膜
の製造方法、並びに、該Al合金薄膜形成用スパッタリン
グターゲットに関する。
造方法並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲッ
トに関し、特には、液晶ディスプレイ又は半導体装置用
の配線膜・電極膜、液晶ディスプレイ又は固体撮像素子
用の遮光膜、機能電子部品用の配線膜として好適なアル
ミニウム合金薄膜(Al合金薄膜)、及び、該Al合金薄膜
の製造方法、並びに、該Al合金薄膜形成用スパッタリン
グターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】 液晶ディスプレイ用の配線膜・電極膜 液晶ディスプレイ:Liquid Cristal Display(以降 LCD
という)は、従来のブラウン管に比し、薄型化・軽量化
・低消費電力化がはかれ、しかも高い解像度の画像が得
られるため、近年その用途が拡大しつつある。かかるLC
D として最近では、画像品質を高めるために LCD内部即
ち画面内に半導体装置である薄膜トランジスター:Thin
Film Transister(以降 TFTという)を組み込んだ構造
の LCDが提案され、広く用いられるようになってきた。
という)は、従来のブラウン管に比し、薄型化・軽量化
・低消費電力化がはかれ、しかも高い解像度の画像が得
られるため、近年その用途が拡大しつつある。かかるLC
D として最近では、画像品質を高めるために LCD内部即
ち画面内に半導体装置である薄膜トランジスター:Thin
Film Transister(以降 TFTという)を組み込んだ構造
の LCDが提案され、広く用いられるようになってきた。
【0003】上記 LCDに使用される配線膜に要求される
特性は種々あるが、特に近年の LCDの大型化或いは高精
細化の動向より、信号の遅延を防止するために低比抵抗
化が最も重要な要求特性になりつつある。例えば10イン
チ以上の大型カラー LCDでは比抵抗(電気抵抗値)は15
μΩcm以下にすることが必須である。
特性は種々あるが、特に近年の LCDの大型化或いは高精
細化の動向より、信号の遅延を防止するために低比抵抗
化が最も重要な要求特性になりつつある。例えば10イン
チ以上の大型カラー LCDでは比抵抗(電気抵抗値)は15
μΩcm以下にすることが必須である。
【0004】これら LCD用配線膜の中、TFT を搭載した
LCD(以降 TFT-LCDという)の配線膜の材料としては、
従来、Ta、Mo、Cr、Ti等の高融点金属が使用されてきた
が、これらの薄膜での比抵抗はいづれも50μΩcm以上で
ある。即ち、Taで約180 、Moで約50、Crで約50、Tiで約
80μΩcmである。従って、 TFT-LCDの大型化、高精細化
のために高融点金属に代わる低比抵抗(15μΩcm以下)
の薄膜材料の開発が求められている。
LCD(以降 TFT-LCDという)の配線膜の材料としては、
従来、Ta、Mo、Cr、Ti等の高融点金属が使用されてきた
が、これらの薄膜での比抵抗はいづれも50μΩcm以上で
ある。即ち、Taで約180 、Moで約50、Crで約50、Tiで約
80μΩcmである。従って、 TFT-LCDの大型化、高精細化
のために高融点金属に代わる低比抵抗(15μΩcm以下)
の薄膜材料の開発が求められている。
【0005】かかる低比抵抗薄膜材料としてはAu、Cu、
Alが挙げられるが、Auはシート状配線膜の成膜後に所定
のパターンにするのに必要なエッチングの特性が悪いと
共に高価であり、又、Cuは膜の密着性及び耐食性に問題
があり、いづれも実用し得ない。一方、Alは、配線膜形
成後にTFT 製造プロセス上不可避である加熱過程(300〜
400℃)において、ヒロックと呼ばれる微小な凹凸が表
面に形成されるという問題点がある。通常 TFT-LCDでは
配線膜が最下層となるため、かかるヒロックが発生する
と、その上に膜を積層できなくなるので具合が悪い。
Alが挙げられるが、Auはシート状配線膜の成膜後に所定
のパターンにするのに必要なエッチングの特性が悪いと
共に高価であり、又、Cuは膜の密着性及び耐食性に問題
があり、いづれも実用し得ない。一方、Alは、配線膜形
成後にTFT 製造プロセス上不可避である加熱過程(300〜
400℃)において、ヒロックと呼ばれる微小な凹凸が表
面に形成されるという問題点がある。通常 TFT-LCDでは
配線膜が最下層となるため、かかるヒロックが発生する
と、その上に膜を積層できなくなるので具合が悪い。
【0006】このAl配線膜でのヒロック発生問題の回避
策として、Al配線膜の上に強度の高い薄膜を積層した
後、前記加熱過程を遂行する手法が採用されている。し
かし、この手法ではエッチング特性の異なる薄膜を同時
にエッチングすることになるため、良好な配線パターン
が得られ難い。従って、以上の問題点を解消し得、ヒロ
ックを生じず且つ比抵抗が小さい(15μΩcm以下) TFT
-LCD用配線膜材料の開発が望まれている。
策として、Al配線膜の上に強度の高い薄膜を積層した
後、前記加熱過程を遂行する手法が採用されている。し
かし、この手法ではエッチング特性の異なる薄膜を同時
にエッチングすることになるため、良好な配線パターン
が得られ難い。従って、以上の問題点を解消し得、ヒロ
ックを生じず且つ比抵抗が小さい(15μΩcm以下) TFT
-LCD用配線膜材料の開発が望まれている。
【0007】 半導体装置用の配線膜・電極膜 一般に広く用いられているSiウェハー上に素子を形成す
る半導体装置の集積回路の配線膜・電極膜としては、純
Al薄膜又はSi或いはCuを含有するAl合金薄膜が使用され
ている。この中、純Alは比抵抗が小さい点では最も優れ
ているが、ストレスマイグレーション(以降SMという)
やエレクトロマイグレーション(以降EMという)が生じ
るという問題点がある。ここで、SMとは使用中に発生す
る応力に起因する配線膜・電極膜(薄膜)のふくれ(ヒ
ロック)及び断線(通電不良)であって主に温度上昇に
より発生する。EMとは使用中の電気泳動に起因する薄膜
の断線であって主に通電により発生する。一方、Si又は
Cuを含有するAl合金は、上記問題点を改善すべく開発さ
れたものであるが、耐SM性及び耐EM性が未だ充分でな
く、又、耐食性も充分とはいい難い。従って、耐SM性及
び耐EM性に優れ、より信頼性の高い新規の配線膜・電極
膜材料の開発が要望されている。
る半導体装置の集積回路の配線膜・電極膜としては、純
Al薄膜又はSi或いはCuを含有するAl合金薄膜が使用され
ている。この中、純Alは比抵抗が小さい点では最も優れ
ているが、ストレスマイグレーション(以降SMという)
やエレクトロマイグレーション(以降EMという)が生じ
るという問題点がある。ここで、SMとは使用中に発生す
る応力に起因する配線膜・電極膜(薄膜)のふくれ(ヒ
ロック)及び断線(通電不良)であって主に温度上昇に
より発生する。EMとは使用中の電気泳動に起因する薄膜
の断線であって主に通電により発生する。一方、Si又は
Cuを含有するAl合金は、上記問題点を改善すべく開発さ
れたものであるが、耐SM性及び耐EM性が未だ充分でな
く、又、耐食性も充分とはいい難い。従って、耐SM性及
び耐EM性に優れ、より信頼性の高い新規の配線膜・電極
膜材料の開発が要望されている。
【0008】一方、近年精力的に開発が進められている
ダイヤモンドやSiC をベースとした半導体装置では、Si
半導体装置に比し、配線膜形成後に高い温度での加熱過
程が避けられず、より耐熱性に優れた配線膜・電極膜材
料の開発が必須である。
ダイヤモンドやSiC をベースとした半導体装置では、Si
半導体装置に比し、配線膜形成後に高い温度での加熱過
程が避けられず、より耐熱性に優れた配線膜・電極膜材
料の開発が必須である。
【0009】 液晶ディスプレイ及び固体撮像素子用の遮光膜 液晶ディスプレイでは、石英やガラス等の透明絶縁基板
上にa-Si,p-Si等の半導体領域を部分的に形成し、その
領域内にスイッチング素子として TFTを形成し、更にそ
の上に電極、液晶等の表示体を形成している。しかし、
透明基板を用いるため、光が TFT領域に入り、光励起電
流が流れ、スイッチング動作が不充分になる。そこで、
その対策として TFTの上部又は/及び下部に遮光のため
の金属薄膜(遮光膜)を形成する手法が用いられる。
又、この遮光膜は TFT領域だけでなく、各画素間の上下
に細巾で格子状に形成し、コントラスト向上手段として
も用いられている。
上にa-Si,p-Si等の半導体領域を部分的に形成し、その
領域内にスイッチング素子として TFTを形成し、更にそ
の上に電極、液晶等の表示体を形成している。しかし、
透明基板を用いるため、光が TFT領域に入り、光励起電
流が流れ、スイッチング動作が不充分になる。そこで、
その対策として TFTの上部又は/及び下部に遮光のため
の金属薄膜(遮光膜)を形成する手法が用いられる。
又、この遮光膜は TFT領域だけでなく、各画素間の上下
に細巾で格子状に形成し、コントラスト向上手段として
も用いられている。
【0010】従来、かかる遮光膜としてはCr等の高融点
金属又は着色樹脂製薄膜が用いられている。ところが、
これらは光の反射率が低いため、遮光膜に光が吸収さ
れ、その温度上昇が起こるという問題点がある。特に高
融点金属膜では熱伝導率が高いため、遮光膜外面に照射
された光により遮光膜内面部での温度上昇が容易に起こ
り、その結果、液晶の温度が上昇し、表示品位の著しい
低下が生じる。
金属又は着色樹脂製薄膜が用いられている。ところが、
これらは光の反射率が低いため、遮光膜に光が吸収さ
れ、その温度上昇が起こるという問題点がある。特に高
融点金属膜では熱伝導率が高いため、遮光膜外面に照射
された光により遮光膜内面部での温度上昇が容易に起こ
り、その結果、液晶の温度が上昇し、表示品位の著しい
低下が生じる。
【0011】この対策として、反射率の高い遮光膜の採
用が考えられる。かかる遮光膜の候補としてAl,Auが挙
げられるが、この中ではエッチング特性等の観点からAl
が最適であり、純Alや Al-Si合金薄膜が検討されてき
た。しかし、純Alや Al-Si合金薄膜では、前述の配線膜
・電極膜の場合と同様、遮光膜形成後のプロセス上不可
避である加熱過程においてヒロックが発生するという問
題点がある。そこで、ヒロック発生防止のため、この遮
光膜の上に高強度薄膜を積層し2層構造にするという手
法が採用されているが、この場合には前述の配線膜の場
合と同様のエッチングに係る問題点がでてくる。従っ
て、耐ヒロック性の改善が要望される。
用が考えられる。かかる遮光膜の候補としてAl,Auが挙
げられるが、この中ではエッチング特性等の観点からAl
が最適であり、純Alや Al-Si合金薄膜が検討されてき
た。しかし、純Alや Al-Si合金薄膜では、前述の配線膜
・電極膜の場合と同様、遮光膜形成後のプロセス上不可
避である加熱過程においてヒロックが発生するという問
題点がある。そこで、ヒロック発生防止のため、この遮
光膜の上に高強度薄膜を積層し2層構造にするという手
法が採用されているが、この場合には前述の配線膜の場
合と同様のエッチングに係る問題点がでてくる。従っ
て、耐ヒロック性の改善が要望される。
【0012】固体撮像装置においても、液晶ディスプレ
イと同様の目的で遮光膜が使用される。この遮光膜には
Al薄膜が多用されているが、固体撮像装置では基板にSi
半導体が使われ、この半導体基板の表面準位消去のため
のアニール(300〜 450℃) によってAl薄膜にヒロックが
発生する問題があり、その改善が望まれる。
イと同様の目的で遮光膜が使用される。この遮光膜には
Al薄膜が多用されているが、固体撮像装置では基板にSi
半導体が使われ、この半導体基板の表面準位消去のため
のアニール(300〜 450℃) によってAl薄膜にヒロックが
発生する問題があり、その改善が望まれる。
【0013】 機能電子部品用の配線膜 磁気抵抗効果素子を利用した回転角度センサー或いは蛍
光表示管等の機能電子部品では、素子の制御用配線膜と
して比抵抗が低く且つエッチング特性がよい純Al薄膜が
使用されてきた。薄膜形成後に加熱過程がある場合、こ
のAl配線膜にはヒロックが発生する。従来の機能電子部
品では配線膜の上に膜を積層しないので、ヒロックの発
生は問題にならなかった。しかし、部品の小型化や高機
能化の要求から多層膜採用の必要性が出てきており、加
熱過程でヒロックの生じない低比抵抗の配線膜が必要に
なってきた。
光表示管等の機能電子部品では、素子の制御用配線膜と
して比抵抗が低く且つエッチング特性がよい純Al薄膜が
使用されてきた。薄膜形成後に加熱過程がある場合、こ
のAl配線膜にはヒロックが発生する。従来の機能電子部
品では配線膜の上に膜を積層しないので、ヒロックの発
生は問題にならなかった。しかし、部品の小型化や高機
能化の要求から多層膜採用の必要性が出てきており、加
熱過程でヒロックの生じない低比抵抗の配線膜が必要に
なってきた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その目的は従来のも
のがもつ以上のような問題点を解消し得る高機能の新規
なAl合金薄膜、即ち、耐熱性に優れてヒロック、SM及び
EMが生じ難く、又、比抵抗:15μΩcm以下であって、液
晶ディスプレイ(LCD) 及び半導体装置用の配線膜・電極
膜、LCD 及び固体撮像素子用の遮光膜、機能電子部品用
の配線膜として好適に使用し得るAl合金薄膜を提供する
と共に、該Al合金薄膜の製造方法及び該Al合金薄膜の形
成用スパッタリングターゲットを提供しようとするもの
である。
に着目してなされたものであって、その目的は従来のも
のがもつ以上のような問題点を解消し得る高機能の新規
なAl合金薄膜、即ち、耐熱性に優れてヒロック、SM及び
EMが生じ難く、又、比抵抗:15μΩcm以下であって、液
晶ディスプレイ(LCD) 及び半導体装置用の配線膜・電極
膜、LCD 及び固体撮像素子用の遮光膜、機能電子部品用
の配線膜として好適に使用し得るAl合金薄膜を提供する
と共に、該Al合金薄膜の製造方法及び該Al合金薄膜の形
成用スパッタリングターゲットを提供しようとするもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るAl合金薄膜、該Al合金薄膜の製造方
法及び該Al合金薄膜の形成用スパッタリングターゲット
は、次のような構成としている。即ち、請求項1記載の
製造方法は、Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び遷
移金属元素を非平衡的に固溶させたAl合金薄膜をスパッ
タリング等の物理蒸着法により基板上に形成させた後、
該Al合金薄膜中の固溶元素を熱処理により金属間化合物
として析出させ、電気抵抗値:15μΩcm以下のAl合金薄
膜を得ることを特徴とするAl合金薄膜の製造方法であ
る。
めに、本発明に係るAl合金薄膜、該Al合金薄膜の製造方
法及び該Al合金薄膜の形成用スパッタリングターゲット
は、次のような構成としている。即ち、請求項1記載の
製造方法は、Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び遷
移金属元素を非平衡的に固溶させたAl合金薄膜をスパッ
タリング等の物理蒸着法により基板上に形成させた後、
該Al合金薄膜中の固溶元素を熱処理により金属間化合物
として析出させ、電気抵抗値:15μΩcm以下のAl合金薄
膜を得ることを特徴とするAl合金薄膜の製造方法であ
る。
【0016】請求項2記載の製造方法は、前記得られる
Al合金薄膜が液晶ディスプレイ又は半導体装置用の配線
膜或いは電極膜である請求項1記載のAl合金薄膜の製造
方法である。請求項3記載の製造方法は、前記得られる
Al合金薄膜が機能電子部品用の配線膜である請求項1記
載のAl合金薄膜の製造方法である。請求項4記載の製造
方法は、前記得られるAl合金薄膜が液晶ディスプレイ又
は固体撮像素子用の遮光膜である請求項1記載のAl合金
薄膜の製造方法である。請求項5記載の製造方法は、前
記基板上へのAl合金薄膜の形成が、スパッタリングター
ゲットとして溶製Al合金を用いるスパッタリングにより
行われる請求項1、2、3又は4記載のAl合金薄膜の製
造方法である。
Al合金薄膜が液晶ディスプレイ又は半導体装置用の配線
膜或いは電極膜である請求項1記載のAl合金薄膜の製造
方法である。請求項3記載の製造方法は、前記得られる
Al合金薄膜が機能電子部品用の配線膜である請求項1記
載のAl合金薄膜の製造方法である。請求項4記載の製造
方法は、前記得られるAl合金薄膜が液晶ディスプレイ又
は固体撮像素子用の遮光膜である請求項1記載のAl合金
薄膜の製造方法である。請求項5記載の製造方法は、前
記基板上へのAl合金薄膜の形成が、スパッタリングター
ゲットとして溶製Al合金を用いるスパッタリングにより
行われる請求項1、2、3又は4記載のAl合金薄膜の製
造方法である。
【0017】請求項6記載のスパッタリングターゲット
は、請求項1〜5記載の製造方法における基板上へのAl
合金薄膜形成のために用いるスパッタリングターゲット
であって、Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び遷移
金属元素を含有させた溶製Al合金よりなるAl合金薄膜形
成用スパッタリングターゲットである。請求項7記載の
Al合金薄膜は、請求項1、2、3、4又は5記載のAl合
金薄膜の製造方法によって製造されるAl合金薄膜であ
る。
は、請求項1〜5記載の製造方法における基板上へのAl
合金薄膜形成のために用いるスパッタリングターゲット
であって、Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び遷移
金属元素を含有させた溶製Al合金よりなるAl合金薄膜形
成用スパッタリングターゲットである。請求項7記載の
Al合金薄膜は、請求項1、2、3、4又は5記載のAl合
金薄膜の製造方法によって製造されるAl合金薄膜であ
る。
【0018】
【作用】Al合金において耐熱性を向上させる合金組成に
すると比抵抗が増大するので、充分な耐熱性及び低比抵
抗(15μΩcm以下)の条件を同時に充たすことは極めて
困難な課題である。そこで、薄膜形成後の加熱過程を材
料特性の変化を起こさせるための熱処理として積極的に
利用し、その加熱過程(熱処理)前後で各々必要な耐熱
性及び低比抵抗の条件を充たすようにすればよいとの発
想に基づき、研究を行った。その結果、Alに固溶限以上
の希土類元素又は/及び遷移金属元素を非平衡的に固溶
させたAl合金薄膜をスパッタリング等の物理蒸着法によ
り基板上に形成させた後、該Al合金薄膜中の固溶元素を
熱処理により金属間化合物として析出させるとよいこと
がわかった。本発明は、かかる知見に基づき完成され
た。
すると比抵抗が増大するので、充分な耐熱性及び低比抵
抗(15μΩcm以下)の条件を同時に充たすことは極めて
困難な課題である。そこで、薄膜形成後の加熱過程を材
料特性の変化を起こさせるための熱処理として積極的に
利用し、その加熱過程(熱処理)前後で各々必要な耐熱
性及び低比抵抗の条件を充たすようにすればよいとの発
想に基づき、研究を行った。その結果、Alに固溶限以上
の希土類元素又は/及び遷移金属元素を非平衡的に固溶
させたAl合金薄膜をスパッタリング等の物理蒸着法によ
り基板上に形成させた後、該Al合金薄膜中の固溶元素を
熱処理により金属間化合物として析出させるとよいこと
がわかった。本発明は、かかる知見に基づき完成され
た。
【0019】即ち、スパッタリング等の物理蒸着法によ
れば、Alに対し従来固溶し難いと思われていた所謂固溶
限の小さい元素(例えばTa等の遷移金属元素)でも大量
に非平衡的に固溶させ得ることが、研究の結果明らかに
なった。その一例を図1に示す。図1はスパッタリング
により得られたTa含有Al合金薄膜(スパッタ膜)につい
ての電子線回折の結果(薄膜の金属組織を示す図面代用
写真、その個所での電子線回折による回折リング及びA
l,金属間化合物の格子定数d)である。通常AlへのTa
の固溶限はほぼ0であるが、図1(a) に示す如くスパッ
タ膜ではAlの回折リングのみが観察され、TaはAl中に固
溶している。これは、蒸着と同時に溶融金属が急冷され
て凝固するためであり、それにより非平衡的に固溶され
る。そのため、スパッタリング等の物理蒸着法により、
Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び遷移金属元素
(以降、固溶強化元素という)を多量に非平衡的固溶さ
せたAl合金薄膜を基板上に形成させ得る。
れば、Alに対し従来固溶し難いと思われていた所謂固溶
限の小さい元素(例えばTa等の遷移金属元素)でも大量
に非平衡的に固溶させ得ることが、研究の結果明らかに
なった。その一例を図1に示す。図1はスパッタリング
により得られたTa含有Al合金薄膜(スパッタ膜)につい
ての電子線回折の結果(薄膜の金属組織を示す図面代用
写真、その個所での電子線回折による回折リング及びA
l,金属間化合物の格子定数d)である。通常AlへのTa
の固溶限はほぼ0であるが、図1(a) に示す如くスパッ
タ膜ではAlの回折リングのみが観察され、TaはAl中に固
溶している。これは、蒸着と同時に溶融金属が急冷され
て凝固するためであり、それにより非平衡的に固溶され
る。そのため、スパッタリング等の物理蒸着法により、
Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び遷移金属元素
(以降、固溶強化元素という)を多量に非平衡的固溶さ
せたAl合金薄膜を基板上に形成させ得る。
【0020】該Al合金薄膜において、固溶強化元素の非
平衡的固溶状態は安定であり、前記プロセス上必要な加
熱の如き多少の加熱を受けても、固溶強化元素の全て又
は殆どは固溶した状態にあり、固溶体を形成している。
例えば前記スパッタ膜の場合、図1(b) に示す如く 200
℃迄の加熱では変化がなくて安定であり、図1(c) に示
す如く 400℃の加熱により初めて平衡状態で安定な金属
間化合物Al3Ta の回折リングが観察され、非平衡的固溶
元素Taの一部が金属間化合物として析出し始め、Taの殆
どは未だ固溶している。ところで、かかる固溶強化元素
はAl中に固溶しているとき、所謂固溶効果により、該Al
合金薄膜を著しく強化し、耐熱強度等の耐熱性を高める
作用がある。従って、該Al合金薄膜は耐熱性に優れてヒ
ロックが生じ難く、又、SM及びEMも生じ難い。例えば、
図2に示す如く、スパッタリングによりTa:2at%以上
を非平衡的固溶させたAl合金薄膜は 400℃に加熱されて
も全くヒロックが生じない。このときの400℃加熱後の
薄膜表面の観察結果の例を図13(薄膜表面の金属組織を
示す図面代用写真)に示す。図13(a) に示す如くTa:無
添加の場合はヒロックが認められるが、図13(b) に示す
如くTa:2at%の場合はヒロックが全く認められない。
又、図3はTaに代えて他の元素:2at%とした場合の結
果であるが、この元素が固溶強化元素のとき、固溶系の
SiやCuのときに比してヒロックが極めて生じ難くなる。
尚、これはヒロック発生防止のための添加元素は固溶強
化元素とする必要があることを示す傍証でもある。
平衡的固溶状態は安定であり、前記プロセス上必要な加
熱の如き多少の加熱を受けても、固溶強化元素の全て又
は殆どは固溶した状態にあり、固溶体を形成している。
例えば前記スパッタ膜の場合、図1(b) に示す如く 200
℃迄の加熱では変化がなくて安定であり、図1(c) に示
す如く 400℃の加熱により初めて平衡状態で安定な金属
間化合物Al3Ta の回折リングが観察され、非平衡的固溶
元素Taの一部が金属間化合物として析出し始め、Taの殆
どは未だ固溶している。ところで、かかる固溶強化元素
はAl中に固溶しているとき、所謂固溶効果により、該Al
合金薄膜を著しく強化し、耐熱強度等の耐熱性を高める
作用がある。従って、該Al合金薄膜は耐熱性に優れてヒ
ロックが生じ難く、又、SM及びEMも生じ難い。例えば、
図2に示す如く、スパッタリングによりTa:2at%以上
を非平衡的固溶させたAl合金薄膜は 400℃に加熱されて
も全くヒロックが生じない。このときの400℃加熱後の
薄膜表面の観察結果の例を図13(薄膜表面の金属組織を
示す図面代用写真)に示す。図13(a) に示す如くTa:無
添加の場合はヒロックが認められるが、図13(b) に示す
如くTa:2at%の場合はヒロックが全く認められない。
又、図3はTaに代えて他の元素:2at%とした場合の結
果であるが、この元素が固溶強化元素のとき、固溶系の
SiやCuのときに比してヒロックが極めて生じ難くなる。
尚、これはヒロック発生防止のための添加元素は固溶強
化元素とする必要があることを示す傍証でもある。
【0021】上記非平衡的固溶状態のAl合金薄膜の形成
後、該Al合金薄膜中の固溶元素の一部又は全部を熱処理
により金属間化合物として析出させ得る。かかる析出が
起こると、マトリックスのAl中での固溶元素量が減少
し、そのためAl合金薄膜の比抵抗が低下し、比抵抗(電
気抵抗値):15μΩcm以下のAl合金薄膜を得ることがで
きる。例えば、図4に示す如く、スパッタリングにより
Taを非平衡的固溶させたAl合金薄膜は、熱処理(加熱)
により比抵抗が低下し、Ta:2.4at%の膜では 350℃以上
の加熱により、Ta:4.3at%の膜では 430℃以上の加熱に
より、比抵抗:15μΩcm以下のAl合金薄膜となる。又、
図5及び6に示す如く、固溶強化元素を2種添加した場
合も熱処理により比抵抗が低下する。ここで、金属間化
合物の析出量の調整等によって熱処理後のマトリックス
中固溶元素量を調整し得、そのため熱処理後のAl合金薄
膜の比抵抗及び耐熱性を必要水準に調整し得、SM及びEM
が生じ難く同時に比抵抗:15μΩcm以下であるAl合金薄
膜を得ることも可能である。
後、該Al合金薄膜中の固溶元素の一部又は全部を熱処理
により金属間化合物として析出させ得る。かかる析出が
起こると、マトリックスのAl中での固溶元素量が減少
し、そのためAl合金薄膜の比抵抗が低下し、比抵抗(電
気抵抗値):15μΩcm以下のAl合金薄膜を得ることがで
きる。例えば、図4に示す如く、スパッタリングにより
Taを非平衡的固溶させたAl合金薄膜は、熱処理(加熱)
により比抵抗が低下し、Ta:2.4at%の膜では 350℃以上
の加熱により、Ta:4.3at%の膜では 430℃以上の加熱に
より、比抵抗:15μΩcm以下のAl合金薄膜となる。又、
図5及び6に示す如く、固溶強化元素を2種添加した場
合も熱処理により比抵抗が低下する。ここで、金属間化
合物の析出量の調整等によって熱処理後のマトリックス
中固溶元素量を調整し得、そのため熱処理後のAl合金薄
膜の比抵抗及び耐熱性を必要水準に調整し得、SM及びEM
が生じ難く同時に比抵抗:15μΩcm以下であるAl合金薄
膜を得ることも可能である。
【0022】従って、本発明に係るAl合金薄膜の製造方
法によれば、耐熱性に優れてヒロック、SM及びEMが生じ
難く、又、熱処理(加熱過程)後に比抵抗:15μΩcm以
下となるAl合金薄膜であって、 LCD及び半導体装置用の
配線膜・電極膜、LCD 及び固体撮像素子用の遮光膜、機
能電子部品用の配線膜として好適に使用し得るAl合金薄
膜が得られるようになる。即ち、ヒロックが生じ難く、
加熱後に比抵抗:15μΩcm以下となる LCD用配線膜・電
極膜及び機能電子部品用配線膜として好適なAl合金薄
膜、SM及びEMが生じ難くて半導体装置用配線膜・電極膜
として好適なAl合金薄膜、又、ヒロックが生じ難くてLC
D 及び固体撮像素子用の遮光膜として好適なAl合金薄膜
が得られるようになる。
法によれば、耐熱性に優れてヒロック、SM及びEMが生じ
難く、又、熱処理(加熱過程)後に比抵抗:15μΩcm以
下となるAl合金薄膜であって、 LCD及び半導体装置用の
配線膜・電極膜、LCD 及び固体撮像素子用の遮光膜、機
能電子部品用の配線膜として好適に使用し得るAl合金薄
膜が得られるようになる。即ち、ヒロックが生じ難く、
加熱後に比抵抗:15μΩcm以下となる LCD用配線膜・電
極膜及び機能電子部品用配線膜として好適なAl合金薄
膜、SM及びEMが生じ難くて半導体装置用配線膜・電極膜
として好適なAl合金薄膜、又、ヒロックが生じ難くてLC
D 及び固体撮像素子用の遮光膜として好適なAl合金薄膜
が得られるようになる。
【0023】前記非平衡的固溶状態のAl合金薄膜での耐
熱性を向上し、ヒロック、SM及びEMの発生を防止するた
めには、固溶元素としては希土類元素又は/及び遷移金
属元素とする必要がある。又、かかるAl合金薄膜の形成
法としては物理蒸着法を採用する必要がある。尚、上記
固溶元素の量については、熱処理後のAl合金薄膜の比抵
抗を確実に小さくするという観点から5at% 以下にする
ことが望ましい。又、上記物理蒸着法の中、特にスパッ
タリングは他の方法に比して粒子の持つエネルギが高い
ので、蒸着の際の溶融金属の急冷度合が大きく、そのた
め非平衡的固溶量を増大し易く、従って、スパッタリン
グを採用することが望ましい。
熱性を向上し、ヒロック、SM及びEMの発生を防止するた
めには、固溶元素としては希土類元素又は/及び遷移金
属元素とする必要がある。又、かかるAl合金薄膜の形成
法としては物理蒸着法を採用する必要がある。尚、上記
固溶元素の量については、熱処理後のAl合金薄膜の比抵
抗を確実に小さくするという観点から5at% 以下にする
ことが望ましい。又、上記物理蒸着法の中、特にスパッ
タリングは他の方法に比して粒子の持つエネルギが高い
ので、蒸着の際の溶融金属の急冷度合が大きく、そのた
め非平衡的固溶量を増大し易く、従って、スパッタリン
グを採用することが望ましい。
【0024】上記Al合金薄膜の形成をスパッタリングに
より行う場合、スパッタリングターゲットとしては、Al
と合金粉末とを混合し焼結した所謂粉末Al合金ターゲッ
ト、又、溶解過程を経て作られる所謂溶製Al合金ターゲ
ットが挙げられる。この中、粉末Al合金ターゲットは、
Al粒子と合金粉末粒子とが混合した組織であると共に各
元素のスパッタ効率が相違するので、形成されるAl合金
膜の組成が安定せず、又、原料粉末表面に大量の酸素が
吸収し易いことに起因して、Al合金膜に多量の酸素が導
入されるという欠点がある。これに対し、溶製Al合金タ
ーゲットは、合金元素の極一部がAlマトリックス中に固
溶限迄固溶し、殆どがAlとの金属間化合物となって均一
に分布した組織であるので、形成されるAl合金膜の組成
が安定し易く、又、ターゲットの酸素含有量を低水準に
し得るので、低酸素量のAl合金膜が確実に得られ、その
酸素量を300ppm以下にし得、Al合金薄膜の所要特性をよ
り向上し得る。従って、溶製Al合金ターゲットを使用す
ることが望ましく、かかるターゲットは即ちAlに固溶限
以上の希土類元素又は/及び遷移金属元素を含有させた
溶製Al合金よりなるAl合金薄膜形成用スパッタリングタ
ーゲットである。
より行う場合、スパッタリングターゲットとしては、Al
と合金粉末とを混合し焼結した所謂粉末Al合金ターゲッ
ト、又、溶解過程を経て作られる所謂溶製Al合金ターゲ
ットが挙げられる。この中、粉末Al合金ターゲットは、
Al粒子と合金粉末粒子とが混合した組織であると共に各
元素のスパッタ効率が相違するので、形成されるAl合金
膜の組成が安定せず、又、原料粉末表面に大量の酸素が
吸収し易いことに起因して、Al合金膜に多量の酸素が導
入されるという欠点がある。これに対し、溶製Al合金タ
ーゲットは、合金元素の極一部がAlマトリックス中に固
溶限迄固溶し、殆どがAlとの金属間化合物となって均一
に分布した組織であるので、形成されるAl合金膜の組成
が安定し易く、又、ターゲットの酸素含有量を低水準に
し得るので、低酸素量のAl合金膜が確実に得られ、その
酸素量を300ppm以下にし得、Al合金薄膜の所要特性をよ
り向上し得る。従って、溶製Al合金ターゲットを使用す
ることが望ましく、かかるターゲットは即ちAlに固溶限
以上の希土類元素又は/及び遷移金属元素を含有させた
溶製Al合金よりなるAl合金薄膜形成用スパッタリングタ
ーゲットである。
【0025】
(実施例1)純Alターゲット上に5mm角のIIIa〜VIII族
遷移金属又は希土類元素チップを所定量設置した複合タ
ーゲット、又、遷移金属又は希土類元素(固溶強化元
素)を所定量含有する溶製Al合金スパッタリングターゲ
ットを用いて、DCマグネトロンスパッタリング法によ
り、厚さ:0.5mmのガラス基板上に厚さ:3000ÅのAl合金
薄膜を形成した。次いで該薄膜をフォトリソグラフィ、
ウェットエッチングにより所定のテストパターン形状に
加工し、これを第1段階試料として、4端子(探針)法
により薄膜の比抵抗値を室温にて測定した。又、この試
料に更に所定温度で1時間加熱する真空熱処理を施し、
これを第2段階試料として、上記と同様法により薄膜の
比抵抗値を測定した。その結果の数例について以下記述
する。
遷移金属又は希土類元素チップを所定量設置した複合タ
ーゲット、又、遷移金属又は希土類元素(固溶強化元
素)を所定量含有する溶製Al合金スパッタリングターゲ
ットを用いて、DCマグネトロンスパッタリング法によ
り、厚さ:0.5mmのガラス基板上に厚さ:3000ÅのAl合金
薄膜を形成した。次いで該薄膜をフォトリソグラフィ、
ウェットエッチングにより所定のテストパターン形状に
加工し、これを第1段階試料として、4端子(探針)法
により薄膜の比抵抗値を室温にて測定した。又、この試
料に更に所定温度で1時間加熱する真空熱処理を施し、
これを第2段階試料として、上記と同様法により薄膜の
比抵抗値を測定した。その結果の数例について以下記述
する。
【0026】図7に固溶強化元素量:2at% の場合の比抵
抗値と熱処理温度との関係を示す。固溶強化元素の種類
によって若干の差異は認められるものの、いづれも200
℃付近から金属間化合物の析出が始まり、薄膜比抵抗が
減少する。図8に示す如く、第1段階試料についての比
抵抗値は固溶強化元素量の増加に伴って単調に増加し、
又、比較例のAl-Cu 系の場合よりも大きい。これに対
し、図9に示す如く、第2段階試料(熱処理温度400 ℃
の場合)についての比抵抗値は低く、固溶強化元素量の
増加に伴って増加するが、この場合には固溶強化元素量
4〜5at% 以下のとき15μΩcm以下である。
抗値と熱処理温度との関係を示す。固溶強化元素の種類
によって若干の差異は認められるものの、いづれも200
℃付近から金属間化合物の析出が始まり、薄膜比抵抗が
減少する。図8に示す如く、第1段階試料についての比
抵抗値は固溶強化元素量の増加に伴って単調に増加し、
又、比較例のAl-Cu 系の場合よりも大きい。これに対
し、図9に示す如く、第2段階試料(熱処理温度400 ℃
の場合)についての比抵抗値は低く、固溶強化元素量の
増加に伴って増加するが、この場合には固溶強化元素量
4〜5at% 以下のとき15μΩcm以下である。
【0027】(実施例2)薄膜の厚さを4000Åとし、こ
の点を除き実施例1と同様のスパッタリング法により同
様のAl合金薄膜を形成した。この薄膜をチッ素雰囲気中
にて5℃/min の昇温及び冷却速度で500 ℃迄加熱し、
この加熱中及び冷却中のAl合金薄膜の内部応力をレーザ
ー光によるガラス基板の反り量から算出した。次いで、
この内部応力を加熱温度に対してプロットし、これより
加熱時の温度変化に対して内部応力が直線的に変化する
領域(弾性変形領域)から内部応力が飽和し始める領域
(塑性変形領域)に遷移する応力値(降伏応力値)を求
め、この応力値より耐SM性を評価した。図10及び11に上
記プロットの結果を例示する。図12にAl合金薄膜の組成
と降伏応力値との関係を例示する。比較例のCu添加によ
っては耐SM性は全く改善されないが、本発明に係る固溶
強化元素を非平衡的固溶させたAl合金薄膜は、その元素
量の増加につれて降伏応力値が増加し、耐SM性が向上す
る。尚、ここに例示される如き本発明に係るAl合金薄膜
は、200 ℃以上の加熱により金属間化合物の一部析出が
認められが、残留する非平衡的固溶体により塑性変形し
難く、充分な耐SM性が確保され、平衡状態での固溶限以
上の添加固溶強化元素の全量が金属間化合物として析出
するまで塑性変形は生じないので、耐SM性に極めて優
れ、例え加熱されても塑性変形可能状態に至る迄の相当
長期間耐SM性を有する。
の点を除き実施例1と同様のスパッタリング法により同
様のAl合金薄膜を形成した。この薄膜をチッ素雰囲気中
にて5℃/min の昇温及び冷却速度で500 ℃迄加熱し、
この加熱中及び冷却中のAl合金薄膜の内部応力をレーザ
ー光によるガラス基板の反り量から算出した。次いで、
この内部応力を加熱温度に対してプロットし、これより
加熱時の温度変化に対して内部応力が直線的に変化する
領域(弾性変形領域)から内部応力が飽和し始める領域
(塑性変形領域)に遷移する応力値(降伏応力値)を求
め、この応力値より耐SM性を評価した。図10及び11に上
記プロットの結果を例示する。図12にAl合金薄膜の組成
と降伏応力値との関係を例示する。比較例のCu添加によ
っては耐SM性は全く改善されないが、本発明に係る固溶
強化元素を非平衡的固溶させたAl合金薄膜は、その元素
量の増加につれて降伏応力値が増加し、耐SM性が向上す
る。尚、ここに例示される如き本発明に係るAl合金薄膜
は、200 ℃以上の加熱により金属間化合物の一部析出が
認められが、残留する非平衡的固溶体により塑性変形し
難く、充分な耐SM性が確保され、平衡状態での固溶限以
上の添加固溶強化元素の全量が金属間化合物として析出
するまで塑性変形は生じないので、耐SM性に極めて優
れ、例え加熱されても塑性変形可能状態に至る迄の相当
長期間耐SM性を有する。
【0028】(実施例3)3種類のスパッタリングター
ゲットA,B,Cを用いて、DCマグネトロンスパッタリ
ング法により、ガラス基板上にTaを非平衡的に固溶させ
た厚さ:3000ÅのAl合金薄膜を形成した。ここで、ター
ゲットA,Bは、Al及びTa粉末をVミキサーで混合した
後、CIP 及び焼結にて成型して作られた粉末ターゲット
であり、AとBとではTa量が異なる。ターゲットCは、
真空誘導溶解し、水冷銅鋳型内に鋳造して作られた溶製
ターゲットである。
ゲットA,B,Cを用いて、DCマグネトロンスパッタリ
ング法により、ガラス基板上にTaを非平衡的に固溶させ
た厚さ:3000ÅのAl合金薄膜を形成した。ここで、ター
ゲットA,Bは、Al及びTa粉末をVミキサーで混合した
後、CIP 及び焼結にて成型して作られた粉末ターゲット
であり、AとBとではTa量が異なる。ターゲットCは、
真空誘導溶解し、水冷銅鋳型内に鋳造して作られた溶製
ターゲットである。
【0029】
【表1】
【0030】上記Al合金薄膜について400 ℃に加熱した
後、ヒロック密度及び比抵抗値を測定した。その結果を
表1に示す。粉末ターゲットA,Bによる場合、ヒロッ
ク密度は略2×104 〜4×104 mm-2、加熱後の比抵抗値
は12〜22μΩcmである。これに対し、溶製ターゲットC
による場合、ヒロック密度は小さく(略8×103 〜9×
103 mm-2)、加熱後の比抵抗値も低く(略12μΩcm)、
これは粉末ターゲットよりも高機能膜を得易いことを示
している。尚、別の実験により、この溶製ターゲットC
により得られたAl合金薄膜の耐SM性及び耐EM性は極めて
優れており、充分な水準にあることが確認された。
後、ヒロック密度及び比抵抗値を測定した。その結果を
表1に示す。粉末ターゲットA,Bによる場合、ヒロッ
ク密度は略2×104 〜4×104 mm-2、加熱後の比抵抗値
は12〜22μΩcmである。これに対し、溶製ターゲットC
による場合、ヒロック密度は小さく(略8×103 〜9×
103 mm-2)、加熱後の比抵抗値も低く(略12μΩcm)、
これは粉末ターゲットよりも高機能膜を得易いことを示
している。尚、別の実験により、この溶製ターゲットC
により得られたAl合金薄膜の耐SM性及び耐EM性は極めて
優れており、充分な水準にあることが確認された。
【0031】又、粉末ターゲットA,Bによる場合、Al
合金薄膜中のTa量がターゲット中のTa量よりも極めて多
く、増加しており、更にターゲット使用初期に比し30kw
hr使用後の時点では薄膜中のTa量が大きく、このTa量は
ターゲットの消耗につれて増加する傾向にあり、調整が
必要である。これに対し、溶製ターゲットCによる場
合、Al合金薄膜中のTa量とターゲット中のTa量とはほぼ
一致しており、更にターゲット使用初期及び30kwhr使用
後の時点での薄膜中のTa量はほぼ等しく、このTa量はタ
ーゲットの消耗しつくす迄安定しており、これは粉末タ
ーゲットよりも薄膜の組成制御が容易であることを示し
ている。
合金薄膜中のTa量がターゲット中のTa量よりも極めて多
く、増加しており、更にターゲット使用初期に比し30kw
hr使用後の時点では薄膜中のTa量が大きく、このTa量は
ターゲットの消耗につれて増加する傾向にあり、調整が
必要である。これに対し、溶製ターゲットCによる場
合、Al合金薄膜中のTa量とターゲット中のTa量とはほぼ
一致しており、更にターゲット使用初期及び30kwhr使用
後の時点での薄膜中のTa量はほぼ等しく、このTa量はタ
ーゲットの消耗しつくす迄安定しており、これは粉末タ
ーゲットよりも薄膜の組成制御が容易であることを示し
ている。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性に優れてヒロッ
ク、ストレスマイグレーション(SM)及びエレクトロマイ
グレーション(EM)が生じ難く、又、熱処理(加熱過程)
後に比抵抗:15μΩcm以下となるAl合金薄膜であって、
液晶ディスプレイ(LCD) 及び半導体装置用の配線膜・電
極膜、液晶ディスプレイ及び固体撮像素子用の遮光膜、
機能電子部品用の配線膜として好適に使用し得るAl合金
薄膜が得られるようになる。即ち、ヒロックが生じ難
く、加熱後に比抵抗:15μΩcm以下となる液晶ディスプ
レイ用配線膜・電極膜及び機能電子部品用配線膜として
好適なAl合金薄膜、ストレスマイグレーション及びエレ
クトロマイグレーションが生じ難くて半導体装置用配線
膜・電極膜として好適なAl合金薄膜、又、ヒロックが生
じ難くて液晶ディスプレイ及び固体撮像素子用の遮光膜
として好適なAl合金薄膜が得られるようになる。
ク、ストレスマイグレーション(SM)及びエレクトロマイ
グレーション(EM)が生じ難く、又、熱処理(加熱過程)
後に比抵抗:15μΩcm以下となるAl合金薄膜であって、
液晶ディスプレイ(LCD) 及び半導体装置用の配線膜・電
極膜、液晶ディスプレイ及び固体撮像素子用の遮光膜、
機能電子部品用の配線膜として好適に使用し得るAl合金
薄膜が得られるようになる。即ち、ヒロックが生じ難
く、加熱後に比抵抗:15μΩcm以下となる液晶ディスプ
レイ用配線膜・電極膜及び機能電子部品用配線膜として
好適なAl合金薄膜、ストレスマイグレーション及びエレ
クトロマイグレーションが生じ難くて半導体装置用配線
膜・電極膜として好適なAl合金薄膜、又、ヒロックが生
じ難くて液晶ディスプレイ及び固体撮像素子用の遮光膜
として好適なAl合金薄膜が得られるようになる。
【図1】スパッタリングによる成膜後のTa含有Al合金薄
膜及び該薄膜の熱処理後の金属組織状態を説明する図で
あって、薄膜の金属組織を示す図面代用写真と共にその
個所での電子線回折による回折リング及びAl或いはさら
に金属間化合物の格子定数d(Å)測定値を示す図であ
り、(a) は成膜後の薄膜、(b) は200 ℃熱処理後の薄
膜、(c) は400 ℃熱処理後の薄膜についてのものであ
る。
膜及び該薄膜の熱処理後の金属組織状態を説明する図で
あって、薄膜の金属組織を示す図面代用写真と共にその
個所での電子線回折による回折リング及びAl或いはさら
に金属間化合物の格子定数d(Å)測定値を示す図であ
り、(a) は成膜後の薄膜、(b) は200 ℃熱処理後の薄
膜、(c) は400 ℃熱処理後の薄膜についてのものであ
る。
【図2】非平衡的固溶型のTa含有Al合金薄膜に係るTa添
加量とヒロック密度との関係を示す図である。
加量とヒロック密度との関係を示す図である。
【図3】平衡的固溶型各種Al合金薄膜及び非平衡的固溶
型各種Al合金薄膜に係る熱処理温度とヒロック密度との
関係を示す図である。
型各種Al合金薄膜に係る熱処理温度とヒロック密度との
関係を示す図である。
【図4】非平衡的固溶型のTa含有Al合金薄膜に係る熱処
理温度と比抵抗との関係を示す図である。
理温度と比抵抗との関係を示す図である。
【図5】非平衡的固溶型のTi及びW等含有各種Al合金薄
膜に係る熱処理温度と比抵抗との関係を示す図である。
膜に係る熱処理温度と比抵抗との関係を示す図である。
【図6】非平衡的固溶型のTa及びW等含有各種Al合金薄
膜に係る熱処理温度と比抵抗との関係を示す図である。
膜に係る熱処理温度と比抵抗との関係を示す図である。
【図7】実施例1に係る非平衡的固溶型の各種Al合金薄
膜についての熱処理温度と比抵抗との関係を示す図であ
る。
膜についての熱処理温度と比抵抗との関係を示す図であ
る。
【図8】実施例1に係る非平衡的固溶型の各種Al合金薄
膜についての合金元素添加量と比抵抗との関係を示す図
である。
膜についての合金元素添加量と比抵抗との関係を示す図
である。
【図9】実施例1に係る非平衡的固溶型の各種Al合金薄
膜についての合金元素添加量と熱処理後の比抵抗との関
係を示す図である。
膜についての合金元素添加量と熱処理後の比抵抗との関
係を示す図である。
【図10】Al合金薄膜及び平衡的固溶型のCu含有Al合金
薄膜についての加熱温度と内部応力との関係を示す図で
ある。
薄膜についての加熱温度と内部応力との関係を示す図で
ある。
【図11】実施例2に係る非平衡的固溶型のTa又はTi含
有Al合金薄膜についての加熱温度と内部応力との関係を
示す図である。
有Al合金薄膜についての加熱温度と内部応力との関係を
示す図である。
【図12】平衡的固溶型のCu含有Al合金薄膜及び非平衡
的固溶型の各種Al合金薄膜についての合金元素添加量と
降伏応力との関係を示す図である。
的固溶型の各種Al合金薄膜についての合金元素添加量と
降伏応力との関係を示す図である。
【図13】400℃加熱後の薄膜表面の金属組織を示す図
面代用写真であって、(a) はTaを添加しない場合の薄膜
表面、(b) はTa:2at%の場合の薄膜表面についての金
属組織を示す図面代用写真である。
面代用写真であって、(a) はTaを添加しない場合の薄膜
表面、(b) はTa:2at%の場合の薄膜表面についての金
属組織を示す図面代用写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板山 克広 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 古賀 保行 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内
Claims (7)
- 【請求項1】 Alに固溶限以上の希土類元素又は/及び
遷移金属元素を非平衡的に固溶させたAl合金薄膜をスパ
ッタリング等の物理蒸着法により基板上に形成させた
後、該Al合金薄膜中の固溶元素を熱処理により金属間化
合物として析出させ、電気抵抗値:15μΩcm以下のAl合
金薄膜を得ることを特徴とするAl合金薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記得られるAl合金薄膜が液晶ディスプ
レイ又は半導体装置用の配線膜或いは電極膜である請求
項1記載のAl合金薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記得られるAl合金薄膜が機能電子部品
用の配線膜である請求項1記載のAl合金薄膜の製造方
法。 - 【請求項4】 前記得られるAl合金薄膜が液晶ディスプ
レイ又は固体撮像素子用の遮光膜である請求項1記載の
Al合金薄膜の製造方法。 - 【請求項5】 前記基板上へのAl合金薄膜の形成が、ス
パッタリングターゲットとして溶製Al合金を用いるスパ
ッタリングにより行われる請求項1、2、3又は4記載
のAl合金薄膜の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載のAl合
金薄膜の製造方法における基板上へのAl合金薄膜形成の
ために用いるスパッタリングターゲットであって、Alに
固溶限以上の希土類元素又は/及び遷移金属元素を含有
させた溶製Al合金よりなるAl合金薄膜形成用スパッタリ
ングターゲット。 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4又は5記載のAl合
金薄膜の製造方法によって製造されるAl合金薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08325093A JP3276446B2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | Al合金薄膜及びその製造方法並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08325093A JP3276446B2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | Al合金薄膜及びその製造方法並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299354A true JPH06299354A (ja) | 1994-10-25 |
JP3276446B2 JP3276446B2 (ja) | 2002-04-22 |
Family
ID=13797095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08325093A Expired - Lifetime JP3276446B2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | Al合金薄膜及びその製造方法並びにAl合金薄膜形成用スパッタリングターゲット |
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1993
- 1993-04-09 JP JP08325093A patent/JP3276446B2/ja not_active Expired - Lifetime
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