JPH06299301A - 110Ksi グレードの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管 - Google Patents
110Ksi グレードの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管Info
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- JPH06299301A JPH06299301A JP10602993A JP10602993A JPH06299301A JP H06299301 A JPH06299301 A JP H06299301A JP 10602993 A JP10602993 A JP 10602993A JP 10602993 A JP10602993 A JP 10602993A JP H06299301 A JPH06299301 A JP H06299301A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 重量比で所定量のC,Cr, Si, Mn, Ni, N,
P,S,Mo, Alを含有し、残部がFeおよび不可避不純物
からなる組成であって、Cr−12C+0.75Ni+10N≧13.0
の関係を満足し、かつδ−フェライト相を相の割合で1
5%以下とする。 【効果】 耐力を110Ksi 以上にしても現用13%Cr
系鋼より優れた耐食性を有し、靱性も油井管などとして
の特性を満足しており、しかも経済性を有する鋼管を提
供できる。
P,S,Mo, Alを含有し、残部がFeおよび不可避不純物
からなる組成であって、Cr−12C+0.75Ni+10N≧13.0
の関係を満足し、かつδ−フェライト相を相の割合で1
5%以下とする。 【効果】 耐力を110Ksi 以上にしても現用13%Cr
系鋼より優れた耐食性を有し、靱性も油井管などとして
の特性を満足しており、しかも経済性を有する鋼管を提
供できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度耐食性マルテンサ
イト系ステンレス鋼管に係り、湿潤炭酸ガス、さらに塩
分、極微量の硫化水素を含有する高深度油井に使用する
に適した高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管
に関するものである。
イト系ステンレス鋼管に係り、湿潤炭酸ガス、さらに塩
分、極微量の硫化水素を含有する高深度油井に使用する
に適した高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管
に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】油井管として従来広く用
いられているのは、高強度管としては炭素鋼、低合金鋼
である。しかし近年においては石油資源の確保のため高
深度油井が開発されているが、その環境は湿潤炭酸ガス
を含むなど厳しい腐食環境状態にあることが多く、従来
の炭素鋼、低合金鋼に代って13%Crマルテンサイト系
ステンレス鋼などの高合金鋼が用いられるようになって
いる。
いられているのは、高強度管としては炭素鋼、低合金鋼
である。しかし近年においては石油資源の確保のため高
深度油井が開発されているが、その環境は湿潤炭酸ガス
を含むなど厳しい腐食環境状態にあることが多く、従来
の炭素鋼、低合金鋼に代って13%Crマルテンサイト系
ステンレス鋼などの高合金鋼が用いられるようになって
いる。
【0003】またこのような鋼に要求される特性として
高強度と共に耐食性、耐応力腐食割れ性があり、これら
の性質を満足させる鋼として、例えば特公昭61-3391
号、特開昭58-199850 号、特開昭61-207550 号などが発
表されている。
高強度と共に耐食性、耐応力腐食割れ性があり、これら
の性質を満足させる鋼として、例えば特公昭61-3391
号、特開昭58-199850 号、特開昭61-207550 号などが発
表されている。
【0004】しかし、上記した従来の13%Cr系鋼は耐
食性が充分でなく、また高強度化による靱性劣化が著し
く、従って高強度耐食性油井管としての特性が満足され
ていない。一方現用の2相系ステンレス鋼には高強度と
良好な靱性を兼備した鋼も開発されてはいるが本系の鋼
は製造性に劣り、また高価であるという課題がある。
食性が充分でなく、また高強度化による靱性劣化が著し
く、従って高強度耐食性油井管としての特性が満足され
ていない。一方現用の2相系ステンレス鋼には高強度と
良好な靱性を兼備した鋼も開発されてはいるが本系の鋼
は製造性に劣り、また高価であるという課題がある。
【0005】また、前記した特公昭61-3391 号、特開昭
58-199850 号、特開昭61-207550 号などに示された鋼は
高強度化に伴う靱性低下から、油井の高深度化に伴い生
じる更に高強度化した材料を用いて軽量薄肉化すべき要
望に即応できない不利がある。
58-199850 号、特開昭61-207550 号などに示された鋼は
高強度化に伴う靱性低下から、油井の高深度化に伴い生
じる更に高強度化した材料を用いて軽量薄肉化すべき要
望に即応できない不利がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解決すべく検討を重ねて創案さ
れたものであって、13%Cr系鋼を強度、靱性および耐
食性のバランスを保ちながら共に改善することにより従
来技術における課題を適切に解決する。
従来技術における課題を解決すべく検討を重ねて創案さ
れたものであって、13%Cr系鋼を強度、靱性および耐
食性のバランスを保ちながら共に改善することにより従
来技術における課題を適切に解決する。
【0007】即ち耐食性向上のためにはCrの増加が有効
であるが、それは一方でδ−フェライト相を生成させる
ので鋼の強度、靱性を低下させる。このため前記δ−フ
ェライト相を抑制する必要があるが、オーステナイト生
成元素であるNiの増加はコスト面から制約がある。また
C量の増加もδ−フェライト相の抑制に有効であるが焼
戻し時に炭化物を形成し、耐食性や靱性の劣化を導くの
でその増加には限界がある。
であるが、それは一方でδ−フェライト相を生成させる
ので鋼の強度、靱性を低下させる。このため前記δ−フ
ェライト相を抑制する必要があるが、オーステナイト生
成元素であるNiの増加はコスト面から制約がある。また
C量の増加もδ−フェライト相の抑制に有効であるが焼
戻し時に炭化物を形成し、耐食性や靱性の劣化を導くの
でその増加には限界がある。
【0008】本発明者は上記のようなCr量の増加による
組成の制約を考慮しつつ、110〜130Ksi の耐力を
保つよう焼戻し温度を調整した材料を用い、各種の実験
および検討を重ね、従来の13%Cr系鋼でなし得なかっ
た110Ksi グレードの高靱性耐CO2 腐食性鋼管を得る
ことに成功したものであって、以下の如くである。
組成の制約を考慮しつつ、110〜130Ksi の耐力を
保つよう焼戻し温度を調整した材料を用い、各種の実験
および検討を重ね、従来の13%Cr系鋼でなし得なかっ
た110Ksi グレードの高靱性耐CO2 腐食性鋼管を得る
ことに成功したものであって、以下の如くである。
【0009】(1) 重量比で、 C:0.02〜0.15
%、 Cr:14.0〜16.0%、Si:1.0 %以下、
Mn:2.0%以下、 Ni:0.5 〜5.0 %、N:0.05〜
0.15%、 P:0.02%以下、 S:0.01%以
下、Mo:0.4 〜1.5 %、 Al:0.001 〜0.1 %を含
有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成であっ
て、 Cr−12C +0.75Ni+10N ≧13.0 なる関係を満足し、かつδ−フェライト相を相の割合に
て15%以下としたことを特徴とする110Ksi グレー
ドの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管。
%、 Cr:14.0〜16.0%、Si:1.0 %以下、
Mn:2.0%以下、 Ni:0.5 〜5.0 %、N:0.05〜
0.15%、 P:0.02%以下、 S:0.01%以
下、Mo:0.4 〜1.5 %、 Al:0.001 〜0.1 %を含
有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成であっ
て、 Cr−12C +0.75Ni+10N ≧13.0 なる関係を満足し、かつδ−フェライト相を相の割合に
て15%以下としたことを特徴とする110Ksi グレー
ドの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管。
【0010】なお上記成分に関しては、V:0.05〜0.
3%、Nb:0.01〜0.2%の1種または2種をも含有
し、またCu:0.2〜3.0%を含有せしめ、更にそれらを
複合して含有させることができる。
3%、Nb:0.01〜0.2%の1種または2種をも含有
し、またCu:0.2〜3.0%を含有せしめ、更にそれらを
複合して含有させることができる。
【0011】
【作用】上記したような本発明について、その成分限定
理由を各成分について順次説明すると、以下の如くであ
る。
理由を各成分について順次説明すると、以下の如くであ
る。
【0012】Cは、最も有効な強化元素であり、またオ
ーステナイト生成元素でもあって、マルテンサイト相を
得るためにも有効な元素である。このCが0.02%未満
では強度の確保に十分でなく、またδ−フェライト相が
増加し、このδ−フェライト相抑制に高価なNiの使用を
増加させることになるため、下限を0.02%とした。過
剰な含有は焼戻し時にCr等の炭化物などの析出量を増加
させ、耐食性と靱性を損うことからその上限を0.15%
とした。
ーステナイト生成元素でもあって、マルテンサイト相を
得るためにも有効な元素である。このCが0.02%未満
では強度の確保に十分でなく、またδ−フェライト相が
増加し、このδ−フェライト相抑制に高価なNiの使用を
増加させることになるため、下限を0.02%とした。過
剰な含有は焼戻し時にCr等の炭化物などの析出量を増加
させ、耐食性と靱性を損うことからその上限を0.15%
とした。
【0013】Crは、耐食性を向上させる元素で、含有量
が少くて14.0%未満では13.0%Cr鋼と同等の耐食性
しか示されず、またその含有量が高くなって16.0%を
超えるとδ−フェライト相の生成量が増すため、14.0
〜16.0%とした。
が少くて14.0%未満では13.0%Cr鋼と同等の耐食性
しか示されず、またその含有量が高くなって16.0%を
超えるとδ−フェライト相の生成量が増すため、14.0
〜16.0%とした。
【0014】Siは、脱酸剤として必要であるが、強力な
フェライト生成元素でもあるため、1.0%以下とした。
フェライト生成元素でもあるため、1.0%以下とした。
【0015】Mnは、脱酸、脱硫剤として有効な元素であ
るとともに、オーステナイト相生成元素であるが、過剰
に添加しても効果は飽和するため2.0%以下とする。
るとともに、オーステナイト相生成元素であるが、過剰
に添加しても効果は飽和するため2.0%以下とする。
【0016】Niは、耐食性に有効であると共にオーステ
ナイト生成元素であり、δ−フェライト相の抑制に有効
な元素であるが、0.5%未満ではその効果は適切に得ら
れない。一方このNiは高価であるため5.0%を上限とし
て、0.5〜5.0%とした。
ナイト生成元素であり、δ−フェライト相の抑制に有効
な元素であるが、0.5%未満ではその効果は適切に得ら
れない。一方このNiは高価であるため5.0%を上限とし
て、0.5〜5.0%とした。
【0017】Nは、耐食性に有効な元素であり、またオ
ーステナイト生成元素でもあるが、0.05%未満とその
含有量が少い場合は効果が十分でなく、一方0.15%を
超えると加工性を損うため、0.05〜0.15%とした。
ーステナイト生成元素でもあるが、0.05%未満とその
含有量が少い場合は効果が十分でなく、一方0.15%を
超えると加工性を損うため、0.05〜0.15%とした。
【0018】P、Sは、鋼の熱間加工性および耐応力腐
食割れ性を低下させる元素であるため、それぞれ0.02
%以下、0.01%以下とした。
食割れ性を低下させる元素であるため、それぞれ0.02
%以下、0.01%以下とした。
【0019】Alは脱酸元素であり、0.001〜0.1%の
範囲で添加した。0.001%未満では脱酸材としての効
果が適切に得られず、一方0.1%を超えるとAlN の析出
が起り、耐食性に悪影響を与えるのでこれを上限とし
た。
範囲で添加した。0.001%未満では脱酸材としての効
果が適切に得られず、一方0.1%を超えるとAlN の析出
が起り、耐食性に悪影響を与えるのでこれを上限とし
た。
【0020】Moは、耐食性、特に耐孔食性に有効な元素
であるが、0.4%未満ではその効果が明かでなく、また
1.5%を超える過剰なδ−フェライト相を増加させ、し
かも高価であるため0.4〜1.5%とした。
であるが、0.4%未満ではその効果が明かでなく、また
1.5%を超える過剰なδ−フェライト相を増加させ、し
かも高価であるため0.4〜1.5%とした。
【0021】V、Nbは、強力な炭化物形成元素であり、
結晶粒の細粒化に有効であるが、フェライト生成元素で
あるためその添加量をそれぞれ0.05〜0.3%、0.01
〜0.2%とした。即ち夫々の下限はその効果の認められ
る量であり、またそれぞれの上限はその効果が飽和し且
つ靱性に悪影響が顕われる点を考慮して定めた。
結晶粒の細粒化に有効であるが、フェライト生成元素で
あるためその添加量をそれぞれ0.05〜0.3%、0.01
〜0.2%とした。即ち夫々の下限はその効果の認められ
る量であり、またそれぞれの上限はその効果が飽和し且
つ靱性に悪影響が顕われる点を考慮して定めた。
【0022】Cuは、上記したMoと同様に耐食性を改善す
る元素であって、0.2%以下ではその効果が不充分であ
り、また3.0%を超えて添加してもその効果が飽和して
しまうため、0.2〜3.0%とした。
る元素であって、0.2%以下ではその効果が不充分であ
り、また3.0%を超えて添加してもその効果が飽和して
しまうため、0.2〜3.0%とした。
【0023】次に、本発明では、Cr−12C +0.75Ni+10
N なる式の値を13.0以上とするもので、添付図面に示
すようにこの関係式の数値が13.0以上となることによ
り腐食度が顕著に減少することが確認され、また後述す
る衝撃試験および引張試験の結果、δ−フェライト相が
15%以上あると後述する実施例の表に示すように衝撃
特性および常温強度を低下させることも確認され、従来
の13%Cr系鋼で得られなかった110Ksi グレードで
の高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管を得し
める。
N なる式の値を13.0以上とするもので、添付図面に示
すようにこの関係式の数値が13.0以上となることによ
り腐食度が顕著に減少することが確認され、また後述す
る衝撃試験および引張試験の結果、δ−フェライト相が
15%以上あると後述する実施例の表に示すように衝撃
特性および常温強度を低下させることも確認され、従来
の13%Cr系鋼で得られなかった110Ksi グレードで
の高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管を得し
める。
【0024】
(実施例1)本発明によるものの具体的実施例について
説明すると、本発明者等は次の表1に示すような本発明
鋼A〜Gおよび比較鋼1〜6を供試鋼として溶製し、熱
間押出ししてから900〜950℃焼準、500〜65
0℃焼戻しの熱処理を行い、110〜130Ksi の耐力
とし、各種試験片を採取した。
説明すると、本発明者等は次の表1に示すような本発明
鋼A〜Gおよび比較鋼1〜6を供試鋼として溶製し、熱
間押出ししてから900〜950℃焼準、500〜65
0℃焼戻しの熱処理を行い、110〜130Ksi の耐力
とし、各種試験片を採取した。
【0025】
【表1】
【0026】上記のようにして準備された試験片に対す
る耐食性の試験は、29.95atm CO2−0.05atm H2S
−10%NaCl溶液中に336時間浸漬し、その腐食減量
を測定した。試験温度は200℃である。またδ−フェ
ライト量の測定は、熱処理後の試料で光学顕微鏡を用い
た画像処理法で行った。
る耐食性の試験は、29.95atm CO2−0.05atm H2S
−10%NaCl溶液中に336時間浸漬し、その腐食減量
を測定した。試験温度は200℃である。またδ−フェ
ライト量の測定は、熱処理後の試料で光学顕微鏡を用い
た画像処理法で行った。
【0027】衝撃試験は2mmVノッチ、フルサイズの試
験片を用い、0℃で試験し吸収エネルギーを求めた。ま
た引張試験は、直径6mmφ、標点距離30mmの試験片を
用いて常温で行ったが、これらの各試験結果は次の表2
に示す如くである。
験片を用い、0℃で試験し吸収エネルギーを求めた。ま
た引張試験は、直径6mmφ、標点距離30mmの試験片を
用いて常温で行ったが、これらの各試験結果は次の表2
に示す如くである。
【0028】
【表2】
【0029】前記した腐食試験の結果は添付図面に要約
して示す如くであって、Cr−12C +0.75Ni+10N の数値
が13.0未満の場合の腐食速度は1.3g/m2/hr以上で
あるが、Cr−12C +0.75Ni+10N の数値が13.0以上場
合は0.6g/m2/hr以下であり、上記Cr−12C+0.7
5Ni+10Nの数値が13.0を境として腐食速度が顕著
に改善されることが示されている。
して示す如くであって、Cr−12C +0.75Ni+10N の数値
が13.0未満の場合の腐食速度は1.3g/m2/hr以上で
あるが、Cr−12C +0.75Ni+10N の数値が13.0以上場
合は0.6g/m2/hr以下であり、上記Cr−12C+0.7
5Ni+10Nの数値が13.0を境として腐食速度が顕著
に改善されることが示されている。
【0030】δ−フェライト相は腐食速度には影響しな
いが、衝撃特性を低下させる。15%以上のδ−フェラ
イト相生成鋼(比較鋼3、5、6)では0℃の吸収エネ
ルギーが2kgf ・m 以下になり十分な靱性を有しない。
これに対して、本発明鋼は110〜130Ksi の耐力で
も靱性が比較鋼に比べて優れており、油井管としての使
用に耐えうることを示している。
いが、衝撃特性を低下させる。15%以上のδ−フェラ
イト相生成鋼(比較鋼3、5、6)では0℃の吸収エネ
ルギーが2kgf ・m 以下になり十分な靱性を有しない。
これに対して、本発明鋼は110〜130Ksi の耐力で
も靱性が比較鋼に比べて優れており、油井管としての使
用に耐えうることを示している。
【0031】(実施例2)次の表3に示す鋼を溶製し、
分塊圧延によりビレットとなし、マンネスマン圧延機に
より外径73.0mm、肉厚5.51mmの鋼管となし、900
〜950℃で焼ならし、500〜650℃焼戻しの熱処
理を行い、その特性を検討した。
分塊圧延によりビレットとなし、マンネスマン圧延機に
より外径73.0mm、肉厚5.51mmの鋼管となし、900
〜950℃で焼ならし、500〜650℃焼戻しの熱処
理を行い、その特性を検討した。
【0032】
【表3】
【0033】上記のようにして得られた結果は次の表4
に示す如くであって、本発明による鋼A1〜鋼A3のも
のは腐食度が0.20〜0.3で比較鋼C1より著しく低
く、また本発明のものは吸収エネルギーは8.0〜8.4で
あって、比較鋼の3倍以上を得しめていることは明らか
である。
に示す如くであって、本発明による鋼A1〜鋼A3のも
のは腐食度が0.20〜0.3で比較鋼C1より著しく低
く、また本発明のものは吸収エネルギーは8.0〜8.4で
あって、比較鋼の3倍以上を得しめていることは明らか
である。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるとき
は、耐力を110Ksi 以上にしても現用13%Cr系鋼よ
り優れた耐食性を有し、靱性も油井管などとしての特性
を満足させ、しかも経済性を有する鋼管を提供すること
ができる。
は、耐力を110Ksi 以上にしても現用13%Cr系鋼よ
り優れた耐食性を有し、靱性も油井管などとしての特性
を満足させ、しかも経済性を有する鋼管を提供すること
ができる。
【図1】腐食度とCr−12C+0.75Ni+10Nとの関
係を示した図表である。
係を示した図表である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量比で、C:0.02〜0.15%、 Cr:1
4.0〜16.0%、 Si:1.0 %以下、 Mn:2.0%以下、 Ni:
0.5 〜5.0 %、 N:0.05〜0.15%、 P:0.02%以下、 S:
0.01%以下、 Mo:0.4 〜1.5 %、 Al:0.001 〜0.1 % を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる組成で
あって、 Cr−12C +0.75Ni+10N ≧13.0 なる関係を満足し、かつδ−フェライト相を相の割合に
て15%以下としたことを特徴とする110Ksi グレー
ドの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管。 - 【請求項2】 重量比で、C:0.02〜0.15%、 Cr:1
4.0〜16.0%、 Si:1.0 %以下、 Mn:2.0%以下、 Ni:
0.5 〜5.0 %、 N:0.05〜0.15%、 P:0.02%以下、 S:
0.01%以下、 Mo:0.4 〜1.5 %、 Al:0.001 〜0.1 % を含有すると共に、 V:0.05〜0.3 %、 Nb:0.01〜0.2 % の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避不純
物からなる組成であって、 Cr−12C +0.75Ni+10N ≧13.0 なる関係を満足し、かつδ−フェライト相を相の割合に
て15%以下としたことを特徴とする110Ksi グレー
ドの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管。 - 【請求項3】 Cu:0.2〜3.0%をも含有することを特
徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の高強
度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10602993A JP2962098B2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | 110Ksi グレードの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10602993A JP2962098B2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | 110Ksi グレードの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299301A true JPH06299301A (ja) | 1994-10-25 |
JP2962098B2 JP2962098B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=14423219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10602993A Expired - Fee Related JP2962098B2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | 110Ksi グレードの高強度耐食性マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2962098B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999004052A1 (fr) * | 1997-07-18 | 1999-01-28 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Acier inoxydable en martensite a haute resistance a la corrosion |
KR100831823B1 (ko) * | 2000-12-11 | 2008-05-28 | 우데홀름툴링악티에보라그 | 플라스틱 몰딩 장비용 홀더 및 홀더 디테일스, 및 이들 용도용 강 |
CN103469097A (zh) * | 2013-09-29 | 2013-12-25 | 宝山钢铁股份有限公司 | 高强度马氏体铁素体双相不锈钢耐腐蚀油套管及其制造方法 |
JP2019518871A (ja) * | 2016-05-19 | 2019-07-04 | フォエスタルピネ ベーラー エデルシュタール ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー | 鋼材の製造方法および鋼材 |
-
1993
- 1993-04-09 JP JP10602993A patent/JP2962098B2/ja not_active Expired - Fee Related
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