JPH06298681A - フッ化炭素の製造法 - Google Patents

フッ化炭素の製造法

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JPH06298681A
JPH06298681A JP9288693A JP9288693A JPH06298681A JP H06298681 A JPH06298681 A JP H06298681A JP 9288693 A JP9288693 A JP 9288693A JP 9288693 A JP9288693 A JP 9288693A JP H06298681 A JPH06298681 A JP H06298681A
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fluorocarbon
carbon material
metal
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water
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JP9288693A
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Takashi Takuma
貴 詫間
Teruhisa Niinuma
輝久 新沼
Akira Suzuki
明 鈴木
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Kanto Denka Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意のフッ素化率及び粒度のフッ化炭素を安
全に、且つ経済的に製造する方法を提供する。 【構成】 炭素材料とフッ素とを反応させてフッ化炭素
〔(CFx)n〕を製造する方法において、融点、昇華点もし
くは分解温度が 600℃を超える金属及び金属フッ化物の
内から選択された1種又は2種以上を炭素材料に混合
し、しかる後フッ素化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体潤滑剤、撥水撥油剤
等として使用されるフッ化炭素〔(CFx)n〕を製造する方
法に関し、さらに詳しくは、熱的に安定な金属又は金属
フッ化物を炭素材料に混合してフッ素化することによ
り、任意のフッ素化率及び粒度のフッ化炭素を安全に、
且つ経済的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
らフッ化炭素の製造法としては、黒鉛、カーボンブラッ
ク、石油コークス等の炭素材料を、反応温度−10〜600
℃でフッ素と直接反応させる方法が採られている。しか
し、炭素材料とフッ素との反応性は極めて高く、多大な
発熱(−ΔH=47.9kcal/mol)を伴い、また、生成した
フッ化炭素のフッ素化率が90%〔(CF0.9)n〕以上になる
と、フッ化炭素は次式により容易に分解して四フッ化炭
素(CF4) を生成する。 4CF(s) → 3C(s)+CF4(g) この分解反応は急激なCF4 ガスの発生と大きな発熱(−
ΔH=32.6kcal/mol)を伴うため、非常に危険である。
特に原料炭素材料として1μm 以下の微粉末を使用した
場合は、生成するフッ化炭素も微粉末で、表面活性が高
いために容易に急激な分解反応を起こす危険がある。フ
ッ化炭素を安全に製造するためには、この急激な分解反
応を抑制する必要があり、これまでに種々の工夫がなさ
れて来た。例えば、フッ素を多量の窒素、アルゴン、四
フッ化炭素等の不活性ガスで希釈して使用するか、或い
はフッ素に酸素を混入させたもの(特公昭49−29076 号
公報)及び六フッ化硫黄を混入させたもの(特公昭49−
46281 号公報)等を使用する方法が提案されている。一
方、炭素材料は出来るだけ低温でフッ素と反応するよう
に、アンモニアガス又は水蒸気で予め賦活させてから使
用する方法(特開昭51−39597 号公報)、或いは極微粉
末炭素に予め用意した極微粒径フッ化炭素を添加、混合
してフッ素化することにより極微粒径フッ化炭素を安全
に製造する方法等が提案されている。しかし、これらの
製造方法の内、賦活処理する方法は、高温で賦活処理し
た活性炭を使用するため経済的に大きな負担になる。ま
た、ガスを混合する方法は混合ガスの調整が難しい上に
必要以上にフッ素ガス分圧が高くなると急激な分解反応
が起きるおそれがあり、或いは、フッ素化率を100%
〔(CF)n〕にすることが出来ない等々、種々の欠点を有
している。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は従来の方法
における上記欠点を排除し、いかなる炭素材料でも容易
に、そして安全にフッ化炭素が製造できる方法を提供す
ることを目的として種々検討を行って来た。フッ化炭
素、特にフッ素化率90%以上のフッ化炭素〔(CFx)n:x
≧0.9 〕を製造することの難しさは、炭素材料のフッ素
化温度(反応温度)と、生成したフッ化炭素が分解反応
を起こす温度が近いこと及びフッ素化反応が極めて大き
な発熱を伴う反応であることにある。炭素材料のフッ素
化により発生する熱のために炭素材料の温度が上がり、
そのために炭素材料のフッ素化が促進され、益々大きな
反応熱が発生する。この大きな反応熱のために炭素材料
のみならず生成したフッ化炭素の温度も急激に上昇し、
フッ化炭素の分解を引き起こす結果となる。即ち、フッ
化炭素を安全に製造するためには、炭素材料のフッ素化
により発生する反応熱を速やかに系外に逃がすか、発生
した熱が蓄積して局所的に高温になることを防げば良い
と言うことになる。本発明者等は、反応熱を速やかに系
外に逃がすか、或いは分解反応を抑制する手段として炭
素材料に金属及び/又は金属フッ化物を添加、混合して
フッ素化することにより95%以上の高い収率でフッ化炭
素を得ることが出来、また、生成したフッ化炭素と添加
した金属及び/又は金属フッ化物との混合物は、水又は
水と有機溶剤の混合液中で攪拌或いは振盪することで、
両者の撥水性の差により、容易に分離出来ることを見出
し、本発明を完成することができた。即ち本発明は、炭
素材料とフッ素とを反応させてフッ化炭素〔(CFx)n〕を
製造する方法において、融点、昇華点もしくは分解温度
が 600℃を超える金属及び金属フッ化物の内から選択さ
れた1種又は2種以上を炭素材料に混合し、しかる後フ
ッ素化することを特徴とするフッ化炭素の製造法、及び
炭素材料とフッ素とを反応させてフッ化炭素〔(CFx)n
を製造する方法において、融点、昇華点もしくは分解温
度が 600℃を超える金属及び金属フッ化物の内から選択
された1種又は2種以上を炭素材料に混合し、しかる後
フッ素化することにより生成したフッ化炭素を含む生成
物から、水又は水と有機溶剤の混合液を使用してフッ化
炭素を分離精製することを特徴とするフッ化炭素の製造
法である。
【0004】本発明の方法に使用する炭素材料は黒鉛、
石油コークス、カーボンブラック、活性炭等のいずれで
も良い。また、炭素材料の粒径についても何ら制限はな
く、最終的に得られるフッ化炭素の使用目的に合わせた
粒径を適宜選択すれば良い。例えば粒径1〜50μm のフ
ッ化炭素を製造したい場合は、炭素材料として粒径1〜
50μm のものを使用すれば良く、粒径1μm 未満の極微
粒径のフッ化炭素が必要な場合はアセチレンブラックの
様な粒径が1μm 未満の炭素材料を使用すれば良い。一
般的に本発明の方法は平均粒径が0.01〜150 μm 程度の
フッ化炭素の製造に適用するのが、原料である炭素材料
の入手状況等から好ましいと言える。
【0005】添加、混合する金属或いは金属フッ化物
は、炭素材料とフッ素の反応が−10〜600 ℃、好ましく
は 150〜550 ℃の範囲で行われるので、その温度で熱的
に安定なものであることが必要であり、 600℃以下で融
解、昇華もしくは分解するものは不適当であり、また生
成したフッ化炭素を混合物から分離する際、水又は有機
溶剤に溶解せず、分離後再生再使用が可能なものが好ま
しい。具体的には鉄、アルミニウム、ニッケル、クロ
ム、フッ化鉄(II)(FeF2)、フッ化鉄(III)(FeF3)、フ
ッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化ニッケル(NiF2)、フッ
化クロム(II)(CrF2)、フッ化クロム(III)(CrF3)、フ
ッ化カルシウム(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、氷
晶石(3NaF・AlF3) 等が挙げられるが、この内でも特に
アルミニウム、ニッケル、クロム、フッ化ニッケル(Ni
F2) 、フッ化クロム(III)(CrF3)、フッ化アルミニウム
(AlF3)、及び氷晶石(3NaF・AlF3) が好ましい。また、
添加、混合する金属又は金属フッ化物の粒径は2mm以下
の粒ないし粉末であれば良く、形状は不定形、鱗片状、
球状等いずれでも良い。金属又は金属フッ化物の粒径を
2mm以下とするのは、粒径が2mmを超えると炭素原料と
の混合が均一にならないので好ましくないためである。
【0006】次に、炭素材料と金属又は金属フッ化物の
混合比率であるが、急激な分解反応を抑制する範囲内で
金属又は金属フッ化物は少ない方が経済的である。添
加、混合する金属又は金属フッ化物の量が過剰になる
と、炭素材料のフッ素化に長時間を要し、また生成した
フッ化炭素の分離にも多くのエネルギーを要する。従っ
て、炭素材料の種類及び粒径、フッ化炭素のフッ素化率
或いは添加、混合する金属又は金属フッ化物の種類等に
よって好ましい範囲が変わってくるが、おおよそ炭素材
料に対して重量で金属又は金属フッ化物は 0.5〜50倍が
好ましい範囲と言える。また、両者の混合は、通常の混
合機、例えばVブレンダー等で行えば良いが、使用する
炭素材料の種類、粒径によっては他の方法で充分に混合
する必要がある。
【0007】使用するフッ素は、そのままでも良いが、
反応装置がフッ素によって腐食されるのを防止するた
め、及び熱制御を容易にするために窒素、アルゴン等の
不活性ガスで希釈して使用することが望ましく、希釈の
割合はフッ素モル濃度10%以上であることが好ましい。
【0008】反応は既に記した通り−10〜600 ℃、好ま
しくは 150〜550 ℃の範囲で行われる。反応によって発
生する熱は添加してある金属又は金属フッ化物の存在に
より、均一に分散し、局所的に過熱状態になることなく
安全にフッ化炭素を製造することが出来る。尚、金属を
添加混合した場合は、当該金属のフッ素化によって反応
当初には若干発熱があるが、金属のフッ素化は、金属フ
ッ化物皮膜が不働体化して表面のみのフッ素化に止まる
ため、以後は金属フッ化物を添加した場合と同様の効果
を得ることができる。
【0009】次に、生成したフッ化炭素と添加した金属
又は金属フッ化物との分離は、フッ化炭素の高い撥水性
を利用して、水又は水と有機溶剤の混合液中で攪拌する
ことにより行うことができる。即ち、フッ化炭素はその
高い撥水性のため、比重が 2.2〜2.7 g/cm3 であるに
もかかわらず水に浮く。一方、金属又は金属フッ化物は
撥水性が低く、比重が水又は有機溶剤より大きいため、
沈降するのである。
【0010】フッ化炭素と金属又は金属フッ化物との分
離は水だけでも充分であるが、さらに完全に分離、精製
するためには、分離したフッ化炭素を有機溶剤又は有機
溶剤の水溶液で洗浄するのが好ましい。フッ化炭素は水
には濡れないが、有機溶剤には濡れるので、有機溶剤又
は有機溶剤の水溶液中で攪拌することにより、フッ化炭
素に付着している微量の金属又は金属フッ化物が遊離す
る。攪拌後、必要に応じ水を添加することにより、フッ
化炭素は水溶液の上部又は有機溶剤と水との界面に浮
き、金属又は金属フッ化物は沈降して分離するのであ
る。本発明に使用される有機溶剤としては、フッ化炭素
と反応しないものであれば良く、炭化水素類、アルコー
ル類、ケトン類及びエーテル類が挙げられ、より具体的
には、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキ
サン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ペ
ンタノール、アセトン、シクロヘキサノン、ジブチルエ
ーテル等がある。この内、特に好ましいものとしてはメ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ペンタノー
ル等のアルコール類である。
【0011】
【実施例】以下に実施例により、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 平均粒径5μm の石油コークス20gに粒径 0.1〜1mmの
ニッケル粒 100gを添加し、混合した原料を回転式反応
炉内に置いた。系内を窒素ガスで充分置換した後、フッ
素モル濃度60%のフッ素と窒素の混合ガスを通じ、温度
370〜390 ℃で3時間反応させた。冷却後、得られた混
合物は2リットルの水を入れた水槽内で強力に攪拌し、
水の上に浮いた白色粉末を分取して、乾燥した。乾燥し
た50gの白色粉末の組成は(CF1.0) n に相当し、Ni分は
0.1%以下で、平均粒径は5μmであった。
【0012】実施例2 平均粒径0.01μm のアセチレンブラック10gに粒径 200
μm のフッ化アルミニウム(AlF3) 200gを添加し、混合
した原料を実施例1と同様の方法でフッ素化及び添加し
たAlF3の分離を行った。得られた黄灰色の粉末を300ml
のメタノールに浸漬した後、3リットルの水を加えて強
力に攪拌し、水の上に浮いた白色粉末を分取して、乾燥
した。乾燥した24.6gの黄灰色粉末の組成は(CF1.0) n
に相当し、Al分は 50ppm以下で、平均粒径は0.01μm で
あった。
【0013】実施例3 アセチレンブラックを熱処理することにより得られた極
微粒径(粒径0.01〜0.05μm )の黒鉛15gに粒径 150μ
m の氷晶石(3NaF・AlF3) 150gを添加し、混合した原
料を、反応温度 430〜450 ℃とした以外は実施例2と同
様の方法で実施した。得られた34.6gの灰色粉末の組成
は(CF0.5) n に相当し、Al分は 50ppm以下で、平均粒径
は0.03μm であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素材料とフッ素とを反応させてフッ化
    炭素〔(CFx)n〕を製造する方法において、融点、昇華点
    もしくは分解温度が 600℃を超える金属及び金属フッ化
    物の内から選択された1種又は2種以上を炭素材料に混
    合し、しかる後フッ素化することを特徴とするフッ化炭
    素の製造法。
  2. 【請求項2】 炭素材料とフッ素とを反応させてフッ化
    炭素〔(CFx)n〕を製造する方法において、融点、昇華点
    もしくは分解温度が 600℃を超える金属及び金属フッ化
    物の内から選択された1種又は2種以上を炭素材料に混
    合し、しかる後フッ素化することにより生成したフッ化
    炭素を含む生成物から、水又は水と有機溶剤の混合液を
    使用してフッ化炭素を分離精製することを特徴とするフ
    ッ化炭素の製造法。
JP9288693A 1993-04-20 1993-04-20 フッ化炭素の製造法 Pending JPH06298681A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019131114A1 (ja) 2017-12-28 2019-07-04 昭和電工株式会社 テトラフルオロメタンの製造方法
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