JPH06298273A - 水溶性フィルムによる液体包装体 - Google Patents
水溶性フィルムによる液体包装体Info
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Abstract
ルムによる液体包装体を得る。 【構成】 水分量が25〜90重量%で、塩を形成する陽イ
オンが1価である無機塩が特定量溶解している水溶液
を、ポリビニルアルコール等の水溶性フィルムで包装し
てなる液体包装体。
Description
液体包装体に関する。更に詳しくは、水溶液を安定に包
装することを可能にし、また水中へ投入した際の破包性
に優れる水溶性フィルムによる液体包装体に関する。
フィルムパッケージを使用して単位投与量の包装体を与
えることについては、すでに多くの報告がなされてい
る。粉末物質に関しては、1958年以来米国で、粒状洗剤
及び粒状漂白剤包装体という形態で販売されている。ま
た近年、粉末物質のひとつとして特開昭61−57700 号公
報、特開昭63−8497号公報などに、水溶性フィルムパウ
チ中にコンパクト洗剤を包装することが記載されてい
る。
ト状物質については、特開昭63−8496号公報及び特開昭
63−12466 号公報に、ペースト洗剤としての記述がなさ
れている。その他、水溶性フィルムに詰められたペース
ト、ゲルまたはゾルのいずれかである洗剤組成物に関す
る更に他の開示を、カナダ国特許1112534 号及び欧州特
許158464号および234867号明細書に見出すことができ
る。
フィルムで包装することが、すでに公知であり、また水
溶液の包装については、特公平1−24066 号公報(特許
第1539489 号)及び特開平2−155999号公報に開示がな
されている。このうち前者は水溶性フィルムの片面(液
体が接する面)に、水に対して不活性な粉末状プラスチ
ックを担持させることにより、内部の水溶液(水分は20
重量%以下)の攻撃から水溶性フィルムを保護した包装
体を得ている。後者は有機中和系を含む液体洗剤につい
て、水分が約10〜24重量%の配合品が、水溶性フィルム
で良好な包装体を与えることを開示している。このよう
に、水溶性フィルムで水溶液を包装することは公知であ
るが、包装可能とされる水溶液中の水分は少量に過ぎ
ず、水分量が25重量%を越える水溶液を水溶性フィルム
で包装することについては未だ報告されていない。
ルカリ性であると、これを水溶性フィルムで包装し、長
期保存した後に水中に投入すると破包までに要する時間
が長くなり、アルカリ性洗浄剤組成物等の水溶液を水溶
液フィルムで包装して製品化するには未だ問題があっ
た。
体包装体は、そのまま水中に投げ込んで使用できるとい
うことから、洗浄剤として応用された場合をはじめ、あ
らゆる分野において非常に魅力的なものになるものと考
えられる。更に水溶性フィルムによる液体包装体の利点
としては、美的外観が向上すること、使用時の取り扱い
が簡便であること、及び内部の液体の分散性が良好であ
ること等が挙げられる。
水溶液が水溶性フィルムで包装できれば、内部の液体の
分散性がより向上し、また水溶性成分の配合量を増やす
ことができるため、例えば、分包包装洗剤として有用と
なる。従って、水分の多い水溶液を水溶性フィルムで包
装した液体包装体の開発が望まれていた。
解決すべく鋭意研究の結果、水に、1価陽イオンを有す
る特定の塩を特定量溶解せしめた水溶液を用いることに
より、かかる水溶液を水溶性フィルムで包装すること並
びにその場合の水溶液の水分量を従来よりも多くでき、
その結果、水分含有量の高い液体包装体が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
であり、塩を形成する陽イオンが1価である無機塩を水
分量に対する重量比で0.15以上溶解せしめた水溶液を、
水溶性フィルムで包装してなる液体包装体を提供するも
のである。
溶液については、特開平2−155999号公報のように有機
中和系を用いることにより水溶性フィルムでの包装が可
能であるが、25重量%を超える水溶液については水溶性
フィルムで包装することは困難と考えられていた。しか
し、本発明者らは鋭意努力を重ねた結果、水溶液中に上
記のような特定の無機塩を溶解させることにより、水分
の多い水溶液であっても水溶性フィルムで包装できるこ
とを見出し、本発明を完成させたものである。
オンが電荷を中和する形で生じた化合物のことである。
無機塩の中にはCaCl2 、MgCl2 などの2価の陽イオンを
有するものがあるが、これらのみを溶解した水溶液で
は、本発明の効果は得られず、水溶性フィルムは溶解し
パッケージングはできない。
が1価である無機塩であれば、種類によらずどれを用い
てもよいが、その中でも酸性塩、正塩が特に好ましい。
これらは1種でも或いは2種以上を併用してもよい。な
お、酸性塩、正塩については、岩波書店(株)発行の
「理化学辞典第4版」に定義されている。酸性塩として
は、NaHSO4、K2HPO4等が挙げられ、また、正塩として
は、K2SO4、K2CO3、NaKCO3、Na2S2O3 、K2S2O3、Na2CO3
等が挙げられる。本発明において、これらの無機塩は、
20℃における水100 gに対する溶解度が20g以上であ
り、水分量に対して重量比で少なくとも0.15以上が溶解
した状態であることが必要であるが、無機塩の溶解量は
多いほど水溶性フィルムは安定化し、飽和量を越えてい
てもよい。
に好適に利用でき、その際には上記のごとき本発明に係
る無機塩の他に、水溶性フィルムに影響を及ぼさない程
度に、洗浄剤組成物成分として一般に知られている成分
を配合することができる。配合できるものとして、各種
界面活性剤、酵素、本発明に係る無機塩以外の塩、その
他の水溶性ポリマー等が挙げられる。
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、石鹸、モノアルキ
ルリン酸塩、長鎖ジアルキル4級アンモニウム塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、アルキルジメチルア
ミンオキサイド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキル
グリコシド、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホ
ベタイン、アミドアミノ酸塩等の既存の界面活性剤が挙
げられる。
ゼ、リパーゼ、プルナラーゼ等が挙げられる。
態を損なわない程度のCaCl2、MgCl2などの2価の陽イオ
ンを有する塩、ゼオライト等のアルミノシリケートなど
が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリカルボン酸、香料、顔料、さらにはポリエチレング
リコール、ポリアクリル酸塩等の水溶性ポリマー、また
可溶化剤としてエタノール等のアルコール類、グリセリ
ン、ジエチレングリコール等が挙げられる。
に限定されるものではないが、ポリビニルアルコール
系、ポリビニルピロリドン系、メチルセルロース系、ポ
リエチレンオキサイド系、ゼラチン系、エチルセルロー
ス系、ヒドロキシプロピルセルロース系、澱粉系、糖
系、あるいは水溶性エステル化合物等が挙げられる。こ
れらの中でもポリビニルアルコール系フィルムが経済的
な面及び加工の容易さの面で好ましい。水溶性フィルム
中には、必要に応じてグリセリン等の可塑剤、界面活性
剤等の剥離剤、無機粉末等を加えてもよい。
90重量%でpH8が以上のアルカリ性水溶液を包装する場
合は、水溶性フィルムの原料としてケン化度が95%以上
のアニオン基変性ポリビニルアルコールを用いることに
よって、長期保存後、特に高温・高湿条件下で長期保存
後の水中での破包までに要する時間が短く、アルカリ洗
浄剤組成物水溶液等を包装した液体包装体が得られる。
もちろん、中性から酸性の水溶液でもかかるケン化度が
95%以上のアニオン基変性ポリビニルアルコールで包装
することができる。
体は、例えばカルボキシル基を有するモノマーとポリビ
ニルアルコールの共重合体が挙げられる。また、ケン化
度が95%未満のアニオン基変性ポリビニルアルコール系
フィルムにて水溶液を包装したものは長期保存により水
中へ投入した後、包装体が破包するまでに要する時間が
長くなり、また、ケン化度が95%未満のアニオン基変性
ポリビニルアルコール重合体は強度が弱く好ましくな
い。
用いられるアニオン基を有するモノマーとしては、アク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコ
ン酸などの不飽和カルボン酸、あるいはこれらのエステ
ルもしくは無水物が用いられ、その後ケン化行程により
同時に酸塩化されたものが水溶性フィルム原料として用
いられる。この変性率は、全分子中のモノマー単位の総
量に対して1〜8モル%が好ましい。
ポリマーの平均重合度は 500〜3000が好ましい。平均重
合度が 500より小さいと、フィルムとしての強度が劣
る。また、3000より大きいと製膜性が悪くなる上、溶解
性も低下する。アニオン変性ポリビニルアルコール重合
体の平均重合度もこの範囲が好ましい。
としては、例えば特開昭53−91995号公報に記載の方法
を用いることができる。また、包装体の水溶性フィルム
の厚さは、特に限定されないが、1〜100 μm 、好まし
くは5〜50μm である。
フィルムにて安定に包装することを可能にしたものであ
る。本発明の利点は、例えば水分の多い液体洗浄剤組成
物を包装した場合、洗濯機投入時に内容物が洗濯液中に
分散しやすいといったことが挙げられる。
水溶性フィルムで包装することが可能になる。従って、
水中に投入した場合の内部の水溶液の分散性が良好であ
り、また効果を損なわない範囲で所望の成分を配合する
ことができるため、例えば、界面活性剤等を内包して分
包包装型の洗剤組成物として利用することが可能とな
る。特に、本発明の包装体はアルカリ性水溶液を包装し
ても長期保存後の水中での破包時間が短いため、アルカ
リ洗浄剤組成物等の分包包装に有効である。
はこれらの実施例に限定されるものではない。
ムを用いて10cm×5cmの開口した袋を作製し、これに表
1,2示す組成の水溶液を30ml入れ、ヒートシールで閉
口し、水溶性フィルムによる液体包装体を得た。 〔保存安定性の評価〕水溶性フィルムによる液体包装体
を30℃/80%RHの恒温室に保存し、30日後の包装体の状
態を確認した。結果を表1,2に示す。なお、表中の保
存安定性の評価の「○」は、液体のしみだしがなく外観
上の変化がないことを意味する。
(ケン化度:98%以上,平均重合度:1800,厚さ25μm
、(株)クラレ製:KM−118 )80重量%と、グリセリ
ン20重量%からなる。 ・ポリビニルアルコール系フィルムの組成 部分ケン化ポリビニルアルコール(ケン化度:約88%,
平均重合度:2000,厚さ25μm 、(株)クラレ製: PVA
−220 )85重量%と、グリセリン15重量%からなる。 ・フレキシーヌ エーテル系ポリマーからなる水溶性フィルムの商品名
(第一工業製薬 (株)製、厚さ30μm ) 実施例2 〔溶解性の評価〕実施例1で用いた各種水溶性フィルム
及びポリビニルアルコール系フィルムで表3に示す組
成の水溶液を包装して得た液体包装体を、30℃/80%RH
の恒温室に保存し30日後に取り出し、包装体の溶解性の
評価を行なった。評価は、先ず1リットルビーカー中に
20℃の水道水1リットルを入れ、その中に包装体を静か
に投入し、長さ30mmのマグネチックスターラーピースを
入れたスターラーにてゆっくり攪拌する(400rpm)。こ
の間電導度計(東亜電波工業 (株) 製、CM-60 S )にて
ビーカー内の水の電気電導度を測定し、包装体の内容物
が水中に放出され電気電導度の値が急激に変化するまで
の時間をその包装体の溶解性(溶解時間)とした。その
結果を表3に示す。
成 マレイン酸4モル変性ポリビニルアルコール(ケン化
度:約96%,平均重合度:1300,厚さ25μm )90重量%
と、グリセリン10重量%からなる。
Claims (7)
- 【請求項1】 水分量が25〜90重量%であり、塩を形成
する陽イオンが1価である無機塩を水分量に対する重量
比で0.15以上溶解せしめた水溶液を、水溶性フィルムで
包装してなる液体包装体。 - 【請求項2】 水溶性フィルムの原料ポリマーの平均重
合度が、 500〜3000である請求項1記載の液体包装体。 - 【請求項3】 水溶性フィルムの原料ポリマーが、ポリ
ビニルアルコール系ポリマーである請求項1又は2記載
の液体包装体。 - 【請求項4】 ポリビニルアルコール系ポリマーが、ケ
ン化度が95%以上のアニオン基変性ポリビニルアルコー
ルである請求項3記載の液体包装体。 - 【請求項5】 アニオン基変性ポリビニルアルコールの
アニオン基変性化率が、全分子中のモノマー単位の総量
に対して1〜8モル%である請求項4記載の液体包装
体。 - 【請求項6】 水溶液のpHが8以上である請求項1〜5
の何れか1項記載の液体包装体。 - 【請求項7】 水溶液が液体洗浄剤組成物である請求項
1〜6の何れか1項記載の液体包装体。
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