JPH06297863A - 熱転写記録方法及び中間媒体 - Google Patents

熱転写記録方法及び中間媒体

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JPH06297863A
JPH06297863A JP5088309A JP8830993A JPH06297863A JP H06297863 A JPH06297863 A JP H06297863A JP 5088309 A JP5088309 A JP 5088309A JP 8830993 A JP8830993 A JP 8830993A JP H06297863 A JPH06297863 A JP H06297863A
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Akihiro Imai
章博 今井
Hiroyuki Matsuo
浩之 松尾
Yasuo Fukui
康雄 福井
Takayoshi Oga
隆義 大賀
Tadao Matsuzaki
直生 松崎
Nobuyoshi Taguchi
信義 田口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染着層と中間媒体との材料構成の組合せを最
適化することにより、昇華形熱転写の普通紙記録プロセ
スが安定に成立し、又繰り返し記録安定性にも優れてい
る熱転写記録方法及び中間媒体を得ること。 【構成】 色材層と染着層とを有する転写体と、中間媒
体と、受像体との組合せにおいて、最初に転写体の染着
層を中間媒体上に転写させ、次に中間媒体上の染着層に
転写体の色材層を用いて昇華型画像を記録し、次に画像
記録された染着層を受像体に転写させて受像体に画像を
形成する熱転写記録方法に於て、前記染着層がポリビニ
ルアセタ−ル系樹脂であり、且つ、前記中間媒体の表面
がアクリレ−ト樹脂の硬化物あるいはポリイミド系樹脂
である記録方法及び基材上にアクリレ−ト樹脂の硬化物
を有する中間媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サ−マルヘッド、レ−
ザ等の光ヘッド、通電ヘッド等の記録手段を用いた熱転
写記録方法及び熱転写記録用中間媒体に関する。特に昇
華型熱転写記録の普通紙記録に優れた特性を有する熱転
写記録方法、及び熱転写記録用中間媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】普通紙上に昇華型熱転写画像を形成する
方法が知られている(例えば、特開昭58−22287
7号公報、米国特許No.4923848、特開平4−
156384号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最初に染着層を中間媒
体上に転写形成し、次に中間媒体上の染着層に熱転写画
像を記録し、さらに最終の受像体上に前記染着層をもう
一度再転写することにより受像体上に画像を形成するに
は、種々の課題が存在する。即ち、最初に染着層を中間
媒体上に形成する時には、容易に中間媒体上に付着形成
され、次に染着層に画像を記録する熱転写記録時の加熱
状態では染着層が中間媒体から剥離せずに安定に中間媒
体上に存在し、さらに次に受像体上に転写される時に
は、容易に受像体上に転写される特性を要求されるから
である。最初に染着層を中間媒体上に形成する時及び最
後に染着層を受像体上に転写する時にも一般に加熱下で
転写され、又画像記録時にも記録ヘッドで加熱されるた
め、この様な加熱条件下で染着層を中間媒体上に適度の
付着力で安定に保持するには、染着層と中間媒体との材
料構成の組合せが重要な課題となる。又、中間媒体を繰
り返し使用する場合に、中間媒体の繰り返し使用安定性
も問題となる。
【0004】本発明は上記問題点に鑑み、染着層と中間
媒体との最適な材料構成の組合せにより上記記録プロセ
スが安定に成立し、又繰り返し記録安定性にも優れてい
る熱転写記録方法及び熱転写記録用中間媒体を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の主な熱転写記録
方法は、基材上のそれぞれ異なる位置に色材層と染着層
とを有する転写体と、中間媒体と、受像体との組合せに
おいて、最初に転写体の前記染着層を中間媒体上に転写
させ、次に中間媒体上の染着層に前記転写体の色材層を
重ね合わせて記録ヘッドにより中間媒体上の染着層に昇
華型熱転写画像を記録し、次に画像を記録された中間媒
体と前記受像体とを記録画像を有する染着層面が前記受
像体側になるようにして重ね合わせ、熱および/または
圧力の媒体により記録画像を有する染着層を中間媒体か
ら前記受像体上に転写させて受像体に画像を形成する熱
転写記録方法において、前記染着層がポリビニルアセタ
−ル系樹脂であり、且つ、前記中間媒体の表面がアクリ
レ−ト樹脂の硬化物あるいはポリイミド系樹脂である、
あるいは上記記録方法の転写体として基材上に染着層を
有する染着層転写体と、基材上に色材層を有する色材層
転写体とに分離した複数の転写体を使用するものであ
る、あるいは上記記録方法の中間媒体として基材上に弾
性層とアクリレ−ト樹脂の硬化物との順次積層物、ある
いは基材上に弾性層とポリイミド系樹脂との順次積層物
を有しているものを使用するものである、あるいは上記
記録方法の中間媒体として基材のそれぞれ異なる位置に
弾性層とアクリレ−ト樹脂の硬化物とを有している、あ
るいは基材のそれぞれ異なる位置に弾性層とポリイミド
系樹脂とを有している、あるいはポリイミド系樹脂基材
の一部分に弾性層を有しているものを使用するものであ
る、あるいは上記記録方法の中間媒体としてエンドレス
フイルムを使用するものである、あるいは上記記録画像
を有する染着層を中間媒体から前記受像体上に熱および
/または圧力の媒体により転写させる記録方法に引き続
いて、さらに受像体上の染着層を熱および/または圧力
の媒体により受像体に定着させて受像体に画像を形成す
るものである。
【0006】又、本発明の熱転写記録用中間媒体は、基
材上にアクリレ−ト樹脂の硬化物を有するもの、あるい
は請求項1または2記載の記録方法に用いられる中間媒
体に少なくともポリイミド系樹脂を用いているものであ
る。
【0007】
【作用】染着層がポリビニルアセタ−ル系樹脂であり、
中間媒体の表面がアクリレ−ト樹脂の硬化物で形成され
ている組合せ、あるいは染着層がポリビニルアセタ−ル
系樹脂であり、中間媒体がポリイミド系樹脂である組合
せを用いた場合に、ポリビニルアセタ−ル系樹脂は中間
媒体表面と適度な接着強度を有しているため、中間媒体
上に染着層が転写形成でき、中間媒体上の染着層への画
像記録、及び受像体上への染着層転写を良好に行なうこ
とができる。叉、この構成からなる中間媒体とポリビニ
ルアセタ−ル系樹脂との接着強度の安定性が良好なた
め、中間媒体上の染着層へ画像記録を行なう時にも染着
層が中間媒体上に安定に保持されている。又、中間媒体
の表面が上記の耐熱性に優れた樹脂硬化物あるいは耐熱
性に優れたポリイミド系樹脂で形成されているため、中
間媒体を繰り返し使用する場合の安定性にも優れてい
る。
【0008】
【実施例】図1に本発明の記録方法の1実施例として記
録方法を原理的に示した模式図を示す。転写体は基材上
のそれぞれ異なる位置に少なくとも色材層と染着層とを
有するもの、あるいは転写体は基材上に少なくとも色材
層を有する色材層転写体と基材上に少なくとも染着層を
有する染着層転写体とに分離した少なくとも2種類の転
写体である。
【0009】図1においては、基材上のそれぞれ異なる
位置に少なくとも色材層と染着層とを有する転写体の例
を示した。転写体3として高分子フイルム4上にアンカ
−コ−ト層5が形成されている基材26上に離型層6を
介して染着層7が、又基材26上にイエロ−色材層8、
マゼンタ色材層9及びシアン色材層10とがそれぞれ面
順次に形成されている転写体を代表的実施例として示し
た。
【0010】染着層7は少なくともポリビニルアセタ−
ル系樹脂から形成されている。中間媒体11は、その表
面がアクリレ−ト樹脂の硬化物で少なくとも形成されて
いる、あるいは少なくともその表面がポリイミド系樹脂
である。中間媒体11は、中間媒体そのものがポリイミ
ド系樹脂で形成されていても良い。
【0011】図1に中間媒体11として、ポリイミドの
エンドレスフイルム(厚さ、25μm)上にアンカ−コ
−ト層(厚さ0.2μm)を介してポリエステルアクリ
レ−ト樹脂の紫外線硬化膜(厚さ3μm)が形成されて
いる中間媒体を代表的実施例として示した。転写体3
は、巻出しロ−ル22、巻取りロ−ル23及びその他必
要とされるガイドロ−ルと共にカセットに内蔵されてい
る構成になっていても良い。転写体3について、その部
分拡大断面図を図1に記載した。
【0012】最初に記録ヘッド1(例えばサ−マルヘッ
ド)をプラテン2側に押圧させ中間媒体11と転写体3
とを同一方向に(例えば、時計回転方向)走行させなが
ら、記録ヘッド1を発熱させることにより転写体3の染
着層7を中間媒体11上に熱転写させ、中間媒体11上
に染着層を形成する。
【0013】中間媒体上への染着層の形成は、図1にお
いては記録ヘッドを用いたがこれに限定されるものでは
無い。中間媒体上への染着層の形成は、熱および/また
は圧力の媒体により形成させても良い。熱および/また
は圧力の媒体として以下に記載する中間媒体上の染着層
を受像体上に転写させる熱および/または圧力の媒体と
同様な手段を用いることができる。例えば、プラテン2
あるいは記録ヘッド近傍のロ−ルがハロゲンランプ等の
ヒ−タを内臓している加熱ロ−ルであり、この加熱ロ−
ルの熱により中間媒体上に染着層を形成させても良い。
【0014】叉、中間媒体上へ染着層を形成前あるいは
形成時に中間媒体を電気的に処理(例えば、コロナ放電
あるいは静電気帯電処理)して、染着層形成手段等を設
けても良い。特に中間媒体がエンドレスの場合は、繰り
返し使用されるため中間媒体を電気的に処理することに
よりその表面をクリ−ニングあるいは表面処理を行なっ
ても良い。
【0015】次に中間媒体を時計の回転方向にさらに回
転させ、中間媒体上の染着層がプラテン位置に戻ってき
た後、中間媒体上の染着層に転写体のイエロ−色材層8
を重ね合わせ、染着層にイエロ−画像を熱転写記録す
る。以下、同様にして染着層にマゼンタ画像、シアン画
像を記録する。中間媒体は、染着層が転写形成された後
1回転してプラテン部分に戻らずに、反時計方向に回転
してプラテン部分に戻ってきても良い。各色を記録する
場合に対しても同様である。染着層への熱転写記録は、
転写体と中間媒体とが同一速度での走行記録、或はお互
いに速度差があるいわゆる相対速度での走行記録等どの
ような走行形態でも良い。
【0016】次に中間媒体11上の染着層に供給ロ−ル
13により供給された受像体12を重ね合わせ、シリコ
−ンゴムロ−ル14を加熱ロ−ル15に押圧させた後、
この両ロ−ル間を中間媒体と受像体とを通過させる。さ
らにロ−ル16とロ−ル17間を通過後受像体12と中
間媒体11とが分離して染着層が中間媒体から受像体上
に転写されて画像記録された染着層を有する受像体がト
レイ21に排出される。
【0017】もちろん、ロ−ル(14と15)間を通過
後に染着層が中間媒体から受像体上に転写されていても
良いものである。受像体12と中間媒体11とを分離す
るために必要に応じ図1の様に分離爪20を設けても良
い。ロ−ル18を加熱ロ−ル15としてロ−ル18の部
分に中間媒体上の染着層を受像体上に転写させる媒体で
ある加熱ロ−ル15とシリコ−ンゴムロ−ル14とを設
けても良い。
【0018】中間媒体上の染着層に転写体の色材層を重
ね合わせて画像記録を行なう場合に、記録後も中間媒体
11と転写体3とが重ね合わさった状態で走行するよう
に、例えばロ−ル24を設けることが望ましい。図1で
は、ロ−ル24が記録ヘッド1と共に動いて中間媒体に
転写体を重ね合わせる役割をしている。このような構成
で記録直後に中間媒体から転写体を分離させないことに
より、中間媒体上の染着層が中間媒体上に安定に保持さ
れ、記録後に転写体側に染着層が転移しにくくなる。こ
の理由は、記録時に主に転写体上の色材層(あるいは色
材層と染着層と)が熱溶融(あるいは熱軟化)状態にあ
るために染着層と色材層とが熱融着しやすく、又中間媒
体と染着層との接着強度があまり大きくない(中間媒体
と染着層との接着強度が大きいと次の記録プロセスの染
着層を受像体上に転写する場合に転写できないため)た
めに、記録後冷却距離を持たせて両者が熱融着しにくく
なった後、両者を分離しないと染着層が色材層側に転移
しやすいからである。
【0019】加熱ロ−ル15(及びシリコ−ンゴムロ−
ル14)と、ロ−ル17との間の距離を大きく取ること
が望ましい。中間媒体上の染着層を受像体12上に転写
する場合に、シリコ−ンゴムロ−ル14と加熱ロ−ル1
5間で加熱加圧処理された後、染着層が軟化温度(ある
いはガラス転移点)付近以下に冷却した後、受像体と中
間媒体とを分離することにより(冷却距離を持たせるこ
とにより)容易に染着層が受像体側に転移しやすくなる
からである。この理由は、加熱加圧処理直後は、染着層
が熱溶融(あるいは熱軟化)状態にあるため中間媒体と
の接着強度が大きくなり受像体側に転移しにくいためで
ある。
【0020】一方、中間媒体の硬化膜に粘着剤、各種微
粒子(超微粒子)そして/あるいは離型剤を添加して硬
化膜に接着性と離型性との両特性を保持させることによ
り、あるいは中間媒体の表面に粗面化と離型性とを保持
させることにより、特に、加熱ロ−ル15と、ロ−ル1
7との間の距離を大きく取る必要がなく、例えばロ−ル
16と同17部分にシリコ−ンゴムロ−ル14と加熱ロ
−ル15とを設定することができ、染着層が冷却する前
に染着層を受像体側に転移させることができる。
【0021】加熱ロ−ル15は、最初から中間媒体11
に接触していても良い。あるいは最初は中間媒体11に
接触せずにシリコ−ンゴムロ−ル14と押圧状態を形成
する時に中間媒体11に接触する機構でも良い。
【0022】中間媒体を保持しているロ−ルの少なくと
も1つのロ−ルを中間媒体の蛇行を防止するロ−ルにす
ることが可能である。例えばロ−ル18は、蛇行防止ロ
−ルであり例えば、太鼓型ロ−ル、ソレノイド等による
位置調節ロ−ル等を用いることができる。又、中間媒体
を保持しているロ−ルの少なくとも1つのロ−ルを中間
媒体のフイルムの張力を制御するテンションロ−ルにす
ることも可能である。例えば、ロ−ル19は、テンショ
ンロ−ルである。又、例えば、ロ−ル17、同18、同
19のいずれか、あるいは更に付加されたロ−ルが蛇行
防止ロ−ルあるいはテンションロ−ルであっても良い。
又、ロ−ルが蛇行防止ロ−ルとテンションロ−ルとを兼
用していても良い。
【0023】図1においては、中間媒体と受像体とに熱
および/または圧力を与える方法として加熱ロ−ル15
とシリコ−ンゴムロ−ル14との例を示したが、特にこ
の組合せに限定されるもので無い。例えば、特願平4−
196707号に記載されている内容を本願に適用する
ことができる。又、転写体、中間媒体、受像体等に必要
に応じ検出マ−クが付与されており、それに対する位置
センサ−が必要に応じ付与されていること、加熱ロ−ル
の温度センサ−、温度コントロ−ラ等、特願平4−19
6707号に記載されている内容を本願に適用すること
ができる。
【0024】記録ヘッドは、例えばサ−マルヘッド、通
電ヘッド、光ヘッド等を使用して転写体の色材層の色材
を昇華あるいは拡散させて中間媒体の染着層に画像を形
成できるもの、あるいは転写体の染着層を中間媒体に転
写できる記録ヘッドであれば特に限定されるものでな
い。又、転写体の染着層を中間媒体に転写させる手段
と、中間媒体上の染着層を受像体上に転写させる手段と
に対し同様な手段を用いることができる。
【0025】図2に本発明の記録方法の1実施例として
記録方法を原理的に示した模式図を示す。
【0026】図2においては、色材層転写体32と染着
層転写体33という2種類の転写体を用いている。図2
は、記録ヘッドを2つ(34と35)用いている例が示
されているが、例えば記録ヘッド34だけを用い、染着
層転写体と色材層転写体とを記録ヘッド34の周囲に配
置させ、それぞれの転写体を記録ヘッド34に供給する
ことにより単一の記録ヘッドを用いることができる。
【0027】図2においては、染着層転写体33が基材
31上に離型層6を介して染着層7が例えば画像記録に
必要とされる大きさにそれぞれ形成された構成になって
おり、又色材層転写体32は、高分子フイルム4上にア
ンカ−コ−ト層5が形成された基材30上にイエロ−、
マゼンタ、シアンの各色材層が面順次に形成されている
構成からなっている例をそれぞれの転写体の代表例とし
て示した。中間媒体11は、図1と同一の材料からなっ
ている。
【0028】記録ヘッド35をプラテン36側に押圧さ
せ中間媒体と染着層転写体とを同一方向に(例えば、時
計回転方向)走行させながら、記録ヘッド35により染
着層転写体33の染着層7を中間媒体11上に熱転写さ
せ、中間媒体11上に染着層を形成させる。次に中間媒
体11上の染着層と色材層転写体32のイエロ色材層と
が重なるように中間媒体11と色材層転写体との位置合
わせを行い、記録ヘッッド34により図1の説明と同様
に中間媒体上の染着層にイエロ−画像を熱転写記録す
る。以下、図1での説明と同様にマゼンタ、シアン画像
を記録した後、受像体12上に中間媒体11上の染着層
を転写させ、受像体12上に画像を形成する。
【0029】図3に本発明の記録方法の1実施例として
記録方法を原理的に示した模式図を示す。図3は、例え
ば、図1(あるいは図2)の記録方法に引き続いてさら
に受像体上の染着層に定着処理を行なう記録方法を示し
た図である。
【0030】転写体3及び中間媒体11は、それぞれ図
1と同一のものである。中間媒体11上への染着層の転
写形成、転写形成された染着層への各色の画像記録は、
図1の説明と同様である。以下、中間媒体上の染着層へ
の画像記録後のプロセスについて記載する。中間媒体上
の染着層に受像体12を重ね合わせ、図1の説明と同様
に押圧されたシリコ−ンゴムロ−ル14と加熱ロ−ル1
5間を中間媒体11と受像体12とを通過させ、ロ−ル
16と同17間を通過後中間媒体上の染着層が受像体側
に転写され、さらに受像体は、押圧下にある金属ロ−ル
40と加熱シリコ−ンゴムロ−ル41間を通過すること
により受像体上の染着層が受像体に定着処理される。受
像体が普通紙のように多孔質の場合には、染着層が紙の
繊維間に圧入(叉は熱圧入)されて、染着層が存在する
部分の光沢が著しく低下して普通紙のみの表面部分(染
着層が無い部分)と染着層が定着処理された表面部分と
の光沢度の差が殆ど無くなり、目視的に両部分の光沢の
違いを認識できない程度の定着画像が得られる。光沢度
が20以下、望ましくは10以下の光沢度が良好であ
る。
【0031】金属ロ−ル40と加熱シリコ−ンゴムロ−
ル41とは、図3において押圧された状態が示されてい
るが、シリコ−ンゴムロ−ル14と加熱ロ−ル15との
様に最初はお互いのロ−ルが離れており、定着処理する
場合に押圧される可動の構成になっていても良いもので
ある。定着処理に関して、例えば、特願平4−1967
07号に記載されている内容を本願に適用することがで
きる。例えば、加熱シリコ−ンゴムロ−ル41が加熱部
上を走行するエンドレスベルトあるいは抵抗加熱部を有
しているエンドレスベルトであっても良い。
【0032】受像体上に光沢度の低い画像を得る記録方
法の他の実施例を示す。図1において、トレイ21に排
出された染着層を有する受像体(例えば、普通紙)を、
もう1度転写部分のロ−ル(14と15)間を受像体の
染着層面がシリコ−ンゴムロ−ル14(弾性ロ−ルの例
として)面側にして通すことにより、定着処理されて光
沢度の低い記録画像が得られる。この場合、シリコ−ン
ゴムロ−ル14も加熱ロ−ル15によって加熱されてい
る、あるいはヒ−タ−等を内蔵した加熱シリコ−ンゴム
ロ−ルであることが望ましい。
【0033】叉、他の実施例として図1において、中間
媒体11の構成として例えばポリイミド等の耐熱性のエ
ンドレスフイルム上に弾性層(例えば、厚さ約40μ
m)を介してポリエステルアクリレ−ト樹脂の紫外線硬
化膜(厚さ3μm)が形成されている(弾性層と硬化膜
とが順次積層構成になっている)中間媒体を用いる。中
間媒体上への染着層の転写形成、そして染着層への各色
の記録は、図1の説明と同様に行なう。次に受像体12
として例えば、多孔質の紙として普通紙を用い、中間媒
体と普通紙とを転写部分のロ−ル(14と15)間を通
過させることにより、中間媒体に形成されている弾性層
が紙表面の凹凸に追随が可能であるため中間媒体上の染
着層が紙に転写されると共に弾性層により紙の繊維間に
圧入(熱圧入)され、図3の定着ロ−ルを用いたと同様
に光沢度の低い記録画像を特に別の定着ロ−ルを用いず
に受像体上に形成できる。
【0034】叉、他の実施例を図4に示す。中間媒体5
0は、耐熱性基材上の1部分に弾性層51が形成されて
おり、他の部分に例えばアクリレ−ト樹脂の紫外線硬化
膜(厚さ3μm)が形成されている。
【0035】中間媒体の硬化膜上への染着層の転写形
成、そして染着層への各色の記録は、図1の説明と同様
に行なう。次に受像体12として例えば、上記と同様に
例えば普通紙を用い、中間媒体と普通紙とを転写部分の
ロ−ル(14と15)間を通過させ、ロ−ル(16と1
7)を通過後に中間媒体上と普通紙が分離し、トレイ5
3上に染着層を有する普通紙が得られる。次に供給ロ−
ル52により染着層を有する普通紙を再度中間媒体上に
戻し、中間媒体の弾性層51に普通紙の染着層を重ね合
わせた状態で中間媒体を反時計方向に回転させてロ−ル
(14と15)間を弾性層51を介して通過させること
により、染着層が普通紙に定着処理されて普通紙上に光
沢度の低い記録画像を形成できる。
【0036】上記の各実施例において中間媒体上の染着
層に熱転写画像を形成する場合、例えば、シアン色材
層、マゼンタ色材層、イエロ−色材層のように異なる色
材を有する複数の色材層を有する転写体を用いて染着層
に画像を形成する時、1つの染着層に複数の色材層を用
いてカラ−画像を形成する、あるいは各色の色材層に対
応して各染着層(例えば、基材上に染着層が分離して設
けられている各染着層を用いて)に各色の画像を別々に
記録しても良い。特に、後者の場合は、受像体への転写
において各色の染着層を重ね転写して受像体上に各色の
染着層を積層させることにより受像体上に複数色あるい
はフルカラ−の画像を形成できる。
【0037】転写体は、少なくとも色材層そして/ある
いは染着層を有する以外に各種の層を有していても良
い。叉、複数の転写体を用いる場合は、色材層あるいは
染着層以外の各種の層のみを有する転写体も一緒に用い
ることができる。各種の層として例えば、基材上に高分
子物質層、紫外線吸収剤層あるいはオ−バ−コ−ト層等
を有している、あるいはこれらの層が積層されている、
あるいは基材のそれぞれ異なる位置にこれらの層が形成
されている転写体を用いることができる。これらの層
は、記録プロセスの各段階に必要に応じて転写させて用
いることができる(例えば、中間媒体上に染着層を形成
する前後、染着層に画像を記録後、受像体上に染着層を
転写後等)。各種の層として、熱溶融型の顔料インキ層
を有している転写体も用いることができる。
【0038】以上の実施例においては、転写体3の染着
層7あるいは染着層転写体33の染着層7として、基材
上に離型層、あるいは基材上にアンカ−コ−ト層と離型
層とを介して染着層が形成されている例を示したが、こ
の実施例に限定されるものでない。例えば、基材上に直
接染着層、基材上に染着層と高分子物質層との積層、基
材上に離型層(あるいはアンカ−コ−ト層と離型層)を
介して染着層と高分子物質層との積層あるいは基材上に
3層以上の多層構成からなっていても良い。中間媒体上
への転写は、基材と染着層との界面あるいは離型層と染
着層との界面から染着層が剥離して転写される。例え
ば、基材上に離型層を介して染着層と高分子物質層とが
積層形成されている場合は、染着層と高分子物質層との
積層物が中間媒体上に転写形成される。離型層が粘着剤
を含有していても良い。染着層あるいは高分子物質層上
に接着剤層等、あるいは前記高分子物質層上にさらに染
着層等の各種の層が形成されていても良い。染着層と同
様に紫外線吸収剤層等の各種の層の場合も離型層等が形
成されていても良いものである。
【0039】図5〜図8に実施例として本発明の記録方
法に使用される転写体の断面模式図を示す。転写体とし
て少なくとも基材上に色材層と染着層とを有している転
写体、あるいは基材上に少なくとも色材層を有している
色材層転写体と基材上に少なくとも染着層を有している
染着層転写体とを用いるものである。例えば、ポリエチ
レンテレフタレ−ト等の高分子フイルム上に直接染着層
等を形成したものを用いることができる。
【0040】図5は、高分子フイルム4の上面のそれぞ
れ異なる位置に離型層6とアンカ−コ−ト層5と、下面
にバックコ−ト層70とを有する基材71の前記離型層
6上に染着層7を、叉前記アンカ−コ−ト層5上にイエ
ロ−色を呈する染料を含有するイエロ−色材層8とマゼ
ンタ色を呈する染料を含有するマゼンタ色材層9とシア
ン色を呈する染料を含有するシアン色材層10とを有
し、染着層7と各色の色材層とが面順次に形成されてい
る実施例である。
【0041】さらにブラック色を呈する染料(例えば単
独の黒色染料あるいは複数の染料からなる混合物染料)
を含有するブラック色材層を有していても良い。叉、さ
らに熱溶融型の色材層(色材と結着剤とが転写されるも
の)を有していても良い。熱溶融型色材層を基材上に設
ける場合は、特にアンカ−コ−ト層等を設けずにその基
材表面が昇華型色材層とは異なっていても良い。即ち、
基材表面が各層に対応した表面処理(例えば、アンカ−
コ−ト、離型コ−ト等)の有無により異なっていて良い
ものである。転写体には、さらに染着層あるいは色材層
を検出するためのマ−カ−等が通常付与されている。
【0042】図6は、高分子フイルム4の上面にアンカ
−コ−ト層5と下面にバックコ−ト層70とを有する基
材72の前記アンカ−コ−ト層5上に色材層73を有す
る色材層転写体の実施例である。前記アンカ−コ−ト層
5上に図5の様に各色の色材層が面順次に形成されてい
ても良い。
【0043】図7は、高分子フイルム4の上面に離型層
6と下面にバックコ−ト層70とを有する基材74の前
記離型層6上に染着層7を有する染着層転写体の実施例
である。前記離型層6上に染着層がある大きさ(例えば
記録画像の大きさに対応した大きさ)で分離して形成さ
れていても良い。
【0044】図8は、図7と同一基材74上に染着層7
と高分子物質層75とが順次積層されている染着層転写
体の実施例である。高分子物質層75は、染着層7より
もガラス転移点が高く染着しにくい構成になっており、
中間媒体上で染着層に画像を記録する際に染料が染着層
を貫通して中間媒体表面を汚染するのを防止する、叉、
例えば図3の場合のように受像体上の染着層(及び高分
子物質層)を定着処理する場合に染着層を貫通した染料
が定着ロ−ルを汚染するのを防止する機能を有してい
る。
【0045】転写体の基材の高分子物質層は、特に限定
されない。例えば、各種高分子フイルム、あるいは塗工
等により表面処理された高分子フイルム、あるいは各種
導電性フイルム等がある。各種高分子フイルムとして、
例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステ
ル系、ポリイミド系、ポリエ−テル系、セルロ−ス系、
ポリパラバン酸系、ポリオキサジアゾ−ル系、ポリスチ
レン系、フッ素系フイルム等がある。特に、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、アラミ
ド、トリアセチルセルロ−ス、ポリパラバン酸、ポリサ
ルホン、ポリプロピレン、セロファン、防湿処理セロハ
ンあるいはポリエチレン等の各フイルムが有用である。
基材がその少なくとも片面に耐熱層、滑性層(あるい
は滑性導電層)あるいは滑性耐熱層(あるいは滑性耐熱
導電層)を有する場合は、基材の耐熱性向上あるいは記
録ヘッドとの走行安定性が良好であるため特に望まし
い。又、高分子フイルムあるいは導電性フイルムが昇華
性(あるいは拡散性)染料を含有する色材層と接する面
に色材層が記録時にフイルムから剥離しないために接着
層(アンカ−コ−ト層)を設けた高分子フイルムあるい
は導電性フイルムを基材として使用することが望まし
い。各種導電性フイルムとして、例えば、カ−ボンブラ
ック、金属粉末等の各種導電性粒子含有高分子フイル
ム、導電性塗工層を形成された高分子フイルム、導電性
蒸着層を有する高分子フイルム等が有用である。
【0046】色材層は、少なくとも色材と結着材とから
構成されている。色材層の内容については、特願平4−
196707号に記載されている内容を本願に適用でき
る。昇華性(あるいは拡散性)染料を含有する色材層と
共に熱溶融型色材層を有する転写体あるいは色材層とし
て熱溶融型色材層のみを有する転写体も一緒に用いるこ
とができる。
【0047】染着層7は、少なくともポリビニルアセタ
−ル系樹脂から形成されている。ポリビニルアセタ−ル
系樹脂についても特願平4−196707号に記載され
ている内容を本願に適用できる。
【0048】染着層は、必要に応じ(例えば、色材層に
ロイコ染料等を用いた場合)電子受容性物質等の顕色剤
を含有しても良い。電子受容性物質として、例えば、ビ
スフェノ−ルA等のフェノ−ル系化合物、カルボン酸系
化合物、シリカ、活性白土等がある。染着層は、ポリビ
ニルアセタ−ル系樹脂に各種樹脂、例えば色材層の結着
剤に用いられている樹脂等を添加して使用することがで
きる。樹脂のガラス転移点が40℃〜150℃の範囲、
樹脂の平均重合度が150〜3000の範囲、あるいは
フロ−軟化点が300℃以下のものが特に望ましい。受
像体への染着層の転写、あるいは受像体が例えば紙等の
多孔質の場合、紙の繊維中へ染着層樹脂を定着(充填あ
るいは注入)させる目的に対し、平均重合度が2000
以下の分子量の小さい高分子、あるいはフロ−軟化点が
250℃以下の高分子が特に望ましい。染着層が、含フ
ッ素湿分硬化型樹脂あるいは含シロキサン湿分硬化型樹
脂から選択される少なくとも1種を少なくとも用いて形
成されている時、熱融着防止特性が特に優れているた
め、熱転写記録時に色材層と熱融着をまったく発生しな
い。
【0049】高分子物質層75は、少なくとも高分子物
質を用いて形成されている。高分子物質は、特に限定さ
れない。高分子物質として例えば、各種熱可塑性樹脂、
熱、光、電子線等による各種硬化性樹脂を用いることが
できる。高分子物質層の材料等について特願平4−19
6707号に記載されている内容を本願に適用できる。
高分子物質層の材料としてポリビニルアルコ−ル誘導体
が有用であり、ポリビニルアルコ−ル誘導体として染着
層の項で述べた各種ポリビニルアセタ−ルが特に有用で
ある。高分子物質層は、含フッ素湿分硬化型樹脂、含シ
ロキサン湿分硬化型樹脂あるいは以下の離型層について
記載されている各種離型剤等、叉粘着剤等を含有してい
ても良い。
【0050】離型層6は、特に限定されない。離型層の
材料等について特願平4−196707号に記載されて
いる内容を本願に適用できる。特に熱可塑性樹脂あるい
は熱、光、電子線による各種硬化性樹脂あるいはイソシ
アネ−ト等の各種架橋剤等により架橋する各種反応性樹
脂と、各種反応性シリコ−ンオイル、変性シリコ−ンオ
イル、シリコ−ン変性樹脂(例えばシリコ−ン変性アク
リル樹脂)あるいはフッ素変性樹脂(例えばフッ素変性
アクリル樹脂)、反応性シリコ−ン樹脂(あるいはゴ
ム)との組合せが良好である。叉、単独で用いることも
できる。
【0051】図9〜図12に実施例として本発明の中間
媒体の断面模式図を示す。図9は、基材80上に表面処
理層81を有する中間媒体の実施例である。
【0052】図10は、ポリイミドフイルム82が中間
媒体である実施例である。図11は、基材80上に弾性
層83と表面処理層81との順次積層物を有する中間媒
体の実施例である。
【0053】図12は、基材80上のそれぞれ異なる位
置に表面処理層81と弾性層83とを有する中間媒体の
実施例である。
【0054】基材80は、特に限定されない。各種高分
子、金属、ゴム等を用いることができる。叉、形状も特
に限定されず例えばフイルム、エンドレスフイルム、ド
ラム状等で使用することができる。各種高分子として、
例えば転写体の基材の項で記載した高分子等を用いるこ
とができる。
【0055】表面処理層81は、アクリレ−ト樹脂の硬
化物あるいはポリイミド系樹脂で形成されている。アク
リレ−ト樹脂として例えばポリエステルアクリレ−ト樹
脂、ウレタンアクリレ−ト樹脂(例えば、ポリエステル
ウレタンアクリレ−ト樹脂、ポリエ−テルウレタンアク
リレ−ト樹脂等)、エポキシアクリレ−ト樹脂、スピロ
アセタ−ル樹脂、シリコ−ンアクリレ−ト樹脂等を用い
ることができる。ポリイミド系樹脂として、熱可塑性あ
るいは熱硬化性ポリイミド樹脂を用いることができる。
又、もちろんこれらの樹脂を組み合わせて用いることも
できる。図10のポリイミドフイルム82についても熱
可塑性あるいは熱硬化性ポリイミド樹脂を用いることが
できる。硬化性の樹脂は、熱、紫外線あるいは電子線等
により従来公知の方法で硬化させることができる。又、
トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト等の各種反応
性希釈剤を添加して用いることもできる。
【0056】表面処理層は、各種粘着剤、各種微粒子
(超微粒子)、離型剤あるいは帯電防止剤を含有するこ
とができる。合成非晶質シリカ、酸化チタン、炭酸カル
シウム、アルミナ、タルク、カ−ボンブラック等の各種
微粒子(超微粒子)が有用である。微粒子と共にシラン
カップリング剤等の各種カップリング剤を用いることが
できる。離型剤として上記の離型層6について説明した
材料を用いることができる。粒子による表面粗面化そし
て/あるいは粘着剤添加により表面処理層の表面積の増
加、離型剤の添加等により表面処理層の表面物性を制御
することができる。
【0057】図10の様にポリイミドフイルム82が中
間媒体である場合も同様にポリイミドに粘着剤、粒子、
離型剤等を添加してその表面物性を制御することができ
る。
【0058】中間媒体の表面と染着層との剥離強度値
(剥離角度:180度剥離、剥離速度:10mm/秒、
測定値:走行50mm値)が10g〜150g/25m
mの範囲、望ましくは10g〜100g/25mmの範
囲にあることが望ましい。
【0059】弾性層83は、例えば100℃以下の温度
で90゜以下のゴム硬度値を示す弾性体あるいはガラス
転移温度が60℃以下の材料である。
【0060】例えば、フッ化ビニリデン・三フッ化塩化
エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピ
レン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン
・四フッ化エチレン三元共重合体、四フッ化エチレン・
プロピレン共重合体等のフッ素ゴム、過酸化物硬化型、
縮合反応型、付加反応型、紫外線硬化型等のシリコ−ン
ゴム、フロロシリコ−ンゴム、ウレタンゴム、クロロプ
レンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴ
ム、ニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、プロピ
レンオキサイドゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、エチ
レン−アクリルゴム、水素化ニトリルゴム、多硫化ゴム
等の各種合成ゴム、天然ゴムを用いることができる。
又、弾性体としてウレタン、ポリエステル、オレフイ
ン、スチレン、ポリアミド、塩ビ、フッ素系等の各種熱
可塑性エラストマ−あるいは発泡材を用いることもでき
る。又、ポリエ−テル系、ポリエステル系、アイオノマ
−型等の各種ウレタン、エポキシ、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
アクリル、シリコ−ン、フッ素等のエマルジョンから形
成される弾性体である。弾性体は、架橋構造の有無には
限定されない。弾性体には、カ−ボン、ホワイトカ−ボ
ン、弁柄等の各種粒子あるいは顔料等の着色剤あるいは
離型剤等が含有されていても良い。
【0061】図11の様に中間媒体が基材80上に弾性
層83と表面処理層81との順次積層物を有する場合
は、受像体として多孔質の受像体を用いた場合に中間媒
体上の染着層が受像体に転写される時に転写と同時に弾
性層83により染着層が多孔質中に押し込まれて定着さ
れるため、著しく表面光沢度の低い記録画像が得られ
る。
【0062】勿論、図9の表面処理層81自身が弾性を
有している場合にも同様な効果が得られる。表面処理層
81が上記の弾性層材料を含有していても良い。
【0063】表面光沢度の低い記録画像を得る場合に
は、受像体の表面粗さにも依存するが、通常弾性体の厚
さとして10μ以上であることが望ましい。又、中間媒
体の表面を粗面化して、表面光沢度の低い記録画像を得
ることもできる。
【0064】図12の様に弾性層が表面処理層81とは
異なる位置に形成されている場合は、弾性層の表面が離
型性を有していることが望ましい。離型性を付与する材
料として上記の離型層6について説明した材料を用いる
ことができる。弾性層の上層に離型層が形成されていて
も良い。基材と表面処理層間、弾性層と表面処理層間等
の構成材料間に接着層等の他の層が形成されていても良
い。中間媒体が、有機燐系、三酸化アンチモン系等の難
燃剤により難燃化されていることが望ましい。
【0065】受像体は、非塗工紙、塗工紙、フイルム、
シ−ト、OHP用の透明フイルム、表面粗さの大きいボ
ンド紙、合成紙、ア−ト紙、官製葉書、連続受像体ある
いはカット受像体等、特にその材質、紙質、形態等に限
定されないで使用できる。
【0066】中間媒体上の染着層に記録された画像は、
この染着層が受像体上に転写、定着されて受像体上に画
像が形成されるため受像体上の画像に対し左右反転画像
(鏡像)となる。そのため、記録ヘッドによる中間媒体
上の染着層への記録は、受像体上に得られる画像の左右
反転を通常考慮して記録される。
【0067】なお、本発明の記録方法は、中間媒体上の
画像記録された染着層が他の中間媒体にさらに転写され
た後、最終受像体に転写される記録方法も含むものであ
る。
【0068】以下、具体的実施例を示す。 (実施例1) ・転写体の作製 下面に滑性耐熱層を有し、上面にアンカ−コ−ト層を有
するポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PETと略
す)フイルム基材(幅200mm,厚さ5μm)のアン
カ−コ−ト層上に下記のそれぞれの塗料を用いて図1の
転写体3と同様な構成が繰り返されている転写体(即
ち、離型層と染着層との積層物と、イエロ−、マゼン
タ、シアンの各色材層とが面順次に印刷されている)を
作製した。又染着層及び各色材層を検出するための黒色
のマ−クも各層間に印刷した。印刷は、グラビア方式に
より印刷後熱風乾燥させた。膜厚は、離型層が0.3μ
m、染着層が約3μm、各色材層が約1μmである。 (離型層塗料) シリコ−ン樹脂 10重量部 (LTC350G、東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社) 触媒 0.1重量部 (SRX212、東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社) トルエン 30重量部 (染着層塗料) ポリビニルブチラ−ル樹脂 4重量部 〔BL−S(平均重合度:約350)、積水化学工業株式会社〕 含シロキサンアクリルシリコン樹脂溶液 0.08重量部 (F−6A、有効成分54wt%、三洋化成工業株式会社) ジ−n−ブチル錫ジラウレ−ト 0.001重量部 フッ素系界面活性剤 0.12重量部 トルエン 10重量部 2−ブタノン 10重量部 (イエロ−色材層塗料) ジシアノメチン系分散染料 3重量部 アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコ−ンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805、日本アエロジル株式会社) 0.24重量部 トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 (マゼンタ色材層塗料) アゾ系分散染料 3重量部 アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコ−ンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805) 0.24重量部 トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 (シアン色材層塗料) インドアニリン系分散染料 3.5重量部 アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコ−ンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805) 0.24重量部 トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 ・中間媒体の作製 円周が約200mmのポリイミド(厚さ25μm)のエ
ンドレスフイルムの外面にアンカ−コ−ト層(厚さ約
0.2μm)を形成した後、ポリエステルアクリレ−ト
樹脂(M−8100、東亜合成化学工業株式会社)10
重量部、増感剤(IRGACURE184、日本チバガ
イギ−株式会社)0.3重量部、酢酸エチル20重量部
からなる塗料を塗工乾燥後、水銀ランプを照射して厚さ
3μmの硬化膜を形成した。中間媒体にも染着層を形成
させる位置に黒マ−クを設けた。
【0069】以下、図1の基本構成からなる装置を実施
例1に適応させた装置として用いて説明する。上記で作
製した転写体をカセットに組み込み図1の転写体3とし
て用い、又上記で作製した中間媒体を図1の中間媒体1
1として用いた。
【0070】最初に中間媒体の染着層を形成させる位置
を中間媒体の黒マ−クをセンサ−で検出してプラテン2
部分に中間媒体を移動させる。転写体3の染着層の位置
をセンサ−で検出した後、サ−マルヘッド(記録ヘッ
ド)をプラテン2側に押圧した後サ−マルヘッドを発熱
させて転写体の染着層を中間媒体上に転写形成した。こ
のサ−マルヘッドを用いた時の転写条件は以下の通りで
ある。
【0071】 記録速度: 16.8ms/line 記録パルス幅: 8ms 記録エネルギ−: 8J/cm2 次に転写体のイエロ−色材層を用いて中間媒体上の染着
層にイエロ−色の階調画像を熱転写記録した。この時の
記録条件は、以下の通りである。
【0072】 記録速度: 16.8ms/line 記録パルス幅: 0.8〜8ms 最大記録エネルギ−: 8J/cm2 以下、同様にして中間媒体の染着層のイエロ−色上にマ
ゼンタ色、シアン色を記録して、染着層に黒色の階調画
像を記録した。この3色記録時において、いずれの場合
も染着層が中間媒体上に安定に保持されていた。
【0073】次に受像体12として葉書を用い、シリコ
−ンゴムロ−ル14と加熱ロ−ル15の手前で中間媒体
上の染着層に葉書を重ね合わせ、又、加熱ロ−ル15
(表面温度150℃、直径25mm、長さ120mm、
内部にハロゲンランプを内蔵した金属ロ−ル)にシリコ
−ンゴムロ−ル14(ゴム硬度50゜のシリコ−ンゴム
被覆ロ−ル、直径25mm、長さ120mm)を押圧
(ロ−ル間圧力15kg)させた後、加熱ロ−ル15と
シリコ−ンゴムロ−ル14間を葉書と中間媒体とを通過
(走行速度10mm/秒)させ、トレイ21上に葉書を
排出させた。
【0074】以上の様にしてトレイ21上に排出された
葉書には、染着層が中間媒体から綺麗に転写形成されて
おり、最大パルス幅8msにおいて黒色の反射記録濃度
が1.80であり、低記録濃度から高記録濃度まで均一
ドットを有する高画質画像であった。又、以上の記録プ
ロセスを20回繰り返し行なった結果、いずれも良好な
記録画像を得ることができた。
【0075】(実施例2) ・転写体 実施例1の転写体を用いる。 ・中間媒体の作製 実施例1のポリイミドのエンドレスフイルムの外面に実
施例1の塗料中のポリエステルアクリレ−ト樹脂の代わ
りにエポキシアクリレ−ト樹脂(SP−1509、昭和
高分子株式会社)10重量部を用い、実施例1と同様に
してポリイミド上に硬化膜(厚さ3μm)を形成した。
【0076】以下、図1の構成と同様の装置を実施例1
と同様に記録装置として用いた。上記の転写体及び中間
媒体をそれぞれ図1の転写体3及び中間媒体11として
用いた。以下、実施例1と同様に記録を行なった結果、
転写体3から中間媒体11上への染着層の転写形成、中
間媒体上の染着層への3色記録及び中間媒体上の染着層
の葉書への転写形成のいずれもが良好であった。葉書上
の記録画像は、最大パルス幅8msにおいて黒色の反射
記録濃度が1.82であり、低記録濃度から高記録濃度
まで均一ドットを有する高画質画像であった。
【0077】(実施例3)実施例2で得られた記録画像
を有する葉書を図1のシリコ−ンゴムロ−ル14と加熱
ロ−ル15間に染着層面がシリコ−ンゴムロ−ル側にな
る様にして、もう一度通過(ロ−ル14と同15の条件
は、転写時の条件と同一)させ、葉書上の染着層に対す
して定着処理を行なった。この葉書の定着画像の表面光
沢度は6.0であり、鉛筆に対する筆記性も良好であっ
た。
【0078】(実施例4)実施例2で得られた記録画像
を有する葉書に対し、図3の様にさらに定着ロ−ル(金
属ロ−ル40と加熱シリコ−ンゴムロ−ル41)を有す
る装置により定着処理(記録画像面が加熱シリコ−ンゴ
ムロ−ル41側になるようにして)を行なった。金属ロ
−ル40(直径25mm、長さ120mm)と加熱シリ
コ−ンゴムロ−ル41(表面温度160℃、ゴム硬度3
0゜のシリコ−ンゴム被覆ロ−ル、直径25mm、長さ
120mm、内部にハロゲンランプを内蔵)との押圧
は、20Kgである。この葉書の定着画像の表面光沢度
は5.7であり、鉛筆に対する筆記性も良好であった。
【0079】(実施例5) ・転写体 実施例1の転写体を用いる。 ・中間媒体の作製 実施例1のポリイミドのエンドレスフイルムの外面にス
チレン・ブタジエン系ラテックス(Nipol LX4
30、日本ゼオン株式会社)を塗工後熱処理(100
℃、30分)して弾性層(厚さ50μm、ガラス転移温
度6℃)を形成した。この弾性層上にウレタンアクリレ
−ト樹脂(M−1600、東亜合成化学工業株式会社)
10重量部、増感剤(IRGACURE184)0.3
重量部、イソプロピルアルコ−ル20重量部からなる塗
料を塗工乾燥後、水銀ランプを照射して厚さ3μmの硬
化膜を形成した。
【0080】以下、図1の構成と同様の装置を実施例1
と同様に記録装置として用いた。上記の転写体及び中間
媒体をそれぞれ図1の転写体3及び中間媒体11として
用いた。以下、実施例1と同様に記録を行なった結果、
転写体3から中間媒体11上への染着層の転写形成、中
間媒体上の染着層への3色記録及び中間媒体上の染着層
の葉書への転写形成のいずれもが良好であった。なお、
中間媒体上の染着層が葉書へ転写される時に弾性層によ
り染着層が葉書の繊維間に圧入されるために弾性層が無
い場合よりも光沢度の低い画像が得られた。得られた葉
書上の記録画像は、最大パルス幅8msにおいて黒色の
反射記録濃度が1.40であり、低記録濃度から高記録
濃度まで均一ドットを有する高画質画像であり、画像表
面の光沢度は、10.5で鉛筆に対する筆記性も良好で
あった。
【0081】(実施例6) ・転写体 実施例1の転写体を用いる。 ・中間媒体の作製 ポリイミドのエンドレスフイルムの外面上に下記の弾性
層塗料により弾性層(厚さ70μm)と実施例5と同一
の硬化膜(厚さ3μm)とをそれぞれ並列に形成した
(図12の中間媒体の構成と同様)。弾性層は、塗工後
130℃で約30分熱処理した。
【0082】 (弾性層塗料) シリコ−ン樹脂 10重量部 (SD7328、東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社) 触媒 0.1重量部 (SRX212、東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社) トルエン 10重量部 以下、図4の基本構成からなる装置を実施例6に適応さ
せた装置として用いた。上記の転写体及び中間媒体をそ
れぞれ図4の転写体3及び中間媒体50として用いた。
以下、実施例1と同様に記録を行なった結果、転写体3
から中間媒体50の硬化膜上への染着層の転写形成、中
間媒体上の染着層への3色記録及び中間媒体上の染着層
の葉書への転写形成のいずれもが良好であった。
【0083】次に中間媒体の弾性層面と葉書の染着層面
とが重なるようにしてもう一度シリコ−ンゴムロ−ル1
4と加熱ロ−ル15間を通過させることにより定着処理
(染着層が葉書の繊維間に圧入される)され光沢度の低
い画像が得られた。得られた葉書上の記録画像は、最大
パルス幅8msにおいて黒色の反射記録濃度が1.42
であり、低記録濃度から高記録濃度まで均一ドットを有
する高画質画像であり、画像表面の光沢度は、6.1で
鉛筆に対する筆記性も良好であった。
【0084】(実施例7) ・色材層転写体の作製 実施例1のPETフイルム基材のアンカ−コ−ト層上に
実施例1のイエロ−、マゼンタ、シアンの各色材層塗料
を用いてイエロ−、マゼンタ、シアンの各色材層が面順
次に繰り返されている構成になるように印刷した。各色
材層を検出するための黒色のマ−クも各層間に印刷し
た。 ・染着層転写体の作製 実施例1のPETフイルム基材のアンカ−コ−ト層上に
実施例1の離型層塗料を塗工後、熱風乾燥させて膜厚が
0.3μmの離型層を形成させた。この離型層上に実施
例1の染着層塗料を塗工部分の長さ100mmと非塗工
部分の長さ20mmとが繰り返されているパタ−ンにな
るように塗工乾燥して染着層(厚さ1.0μm)を形成
した。この染着層上に下記の高分子物質層塗料を塗工部
分の長さが100mmになるように塗工乾燥して高分子
物質層(厚さ2.0μm)を形成(染着層上に高分子物
質層が積層されている構成)した。各染着層を検出する
ための黒色のマ−クも各層間に印刷した。 (高分子物質層塗料) ポリビニルブチラ−ル樹脂 1重量部 〔BL−1(平均重合度:約300)、積水化学工業株式会社〕 アセトアセタ−ル化ポリビニルアルコ−ル 3重量部 〔KS−0(平均重合度:約300)、積水化学工業株式会社〕 変性シリコ−ンオイル 0.02重量部 (L−77、日本ユニカ−株式会社) トルエン 10重量部 2−ブタノン 10重量部 ・中間媒体の作製 ポリイミドフイルム(厚さ25μm)の片面にスピロア
セタ−ル樹脂(T−502−4、昭和高分子株式会社)
25重量部、酢酸エチル75重量部からなる塗料を塗工
乾燥後、水銀ランプを照射して厚さ3μmの硬化膜を形
成した。
【0085】最初に染着層転写体の1つの染着層面と中
間媒体の硬化膜面とを重ね合わせ、サ−マルヘッドとプ
ラテン間に装着し、染着層転写体の基材側からサ−マル
ヘッドを発熱させて染着層転写体の染着層を中間媒体の
硬化膜上に転写形成させた。
【0086】次に中間媒体上の染着層面に色材層転写体
のイエロ−色材層面を重ね合わせ、同様にサ−マルヘッ
ドとプラテン間に装着し、染着層にイエロ−画像を熱転
写記録した。以下同様に色材層転写体を用いてイエロ−
画像上にマゼンタ及びシアン画像を記録した。染着層の
転写形成時及び染着層への画像記録時のサ−マルヘッド
の駆動条件は、実施例1と同一である。
【0087】次に中間媒体の記録画像を有する染着層上
に普通紙を重ね合わせ、実施例1と同一の加熱ロ−ル
(表面温度160℃)とシリコ−ンゴムロ−ル間を通過
させて中間媒体の染着層を普通紙上に転写させた。染着
層転写体から中間媒体上への染着層の転写形成、中間媒
体上の染着層への3色記録及び中間媒体上の染着層の普
通紙への転写形成のいずれもが良好であった。
【0088】さらにこの画像を有する普通紙を図3の様
にさらに定着ロ−ル(金属ロ−ル40と加熱シリコ−ン
ゴムロ−ル41)を有する装置により定着処理(記録画
像面が加熱シリコ−ンゴムロ−ル41側になるようにし
て)を行なった。
【0089】得られた普通紙上の記録画像は、低記録濃
度から高記録濃度まで均一ドットを有する高画質画像で
あり、最大パルス幅8msにおいて黒色の反射記録濃度
が1.40、画像表面の光沢度が、5.8で鉛筆に対す
る筆記性も良好であった。又、加熱シリコ−ンゴムロ−
ル41が染料により全く汚染され無かった。又、以上の
記録プロセスを20回繰り返し行なった結果、いずれも
良好な記録画像を得ることができた。
【0090】(実施例8) ・色材層転写体及び染着層転写体 実施例7の各転写体を用いる。 ・中間媒体 ポリイミドフイルム(厚さ25μm)を用いる。
【0091】最初に染着層転写体の1つの染着層面と中
間媒体とを重ね合わせ、実施例6と同様にして染着層を
中間媒体上に転写形成させた。次に次に中間媒体上の染
着層面に色材層転写体のイエロ−色材層面を重ね合わ
せ、染着層にイエロ−画像を熱転写記録した。以下実施
例7と同様にしてイエロ−画像上にマゼンタ及びシアン
画像を記録後、中間媒体の染着層を普通紙上に転写させ
た。
【0092】染着層転写体から中間媒体上への染着層の
転写形成、中間媒体上の染着層への3色記録及び中間媒
体上の染着層の普通紙への転写形成のいずれもが良好で
あった。普通紙上の記録画像は、最大パルス幅8msに
おいて黒色の反射記録濃度が1.78であり、低記録濃
度から高記録濃度まで均一ドットを有する高画質画像で
あった。又、以上の記録プロセスを20回繰り返し行な
った結果、いずれも良好な記録画像を得ることができ
た。
【0093】
【発明の効果】以上のように本発明は、基材上のそれぞ
れ異なる位置に色材層と染着層とを有する転写体と、中
間媒体と、受像体との組合せにおいて、最初に転写体の
前記染着層を中間媒体上に転写させ、次に中間媒体上の
染着層に前記転写体の色材層を重ね合わせて記録ヘッド
により中間媒体上の染着層に昇華型熱転写画像を記録
し、次に画像を記録された中間媒体と前記受像体とを記
録画像を有する染着層面が前記受像体側になるようにし
て重ね合わせ、熱および/または圧力の媒体により記録
画像を有する染着層を中間媒体から前記受像体上に転写
させて受像体に画像を形成する熱転写記録方法におい
て、前記染着層がポリビニルアセタ−ル系樹脂であり、
且つ、前記中間媒体の表面がアクリレ−ト樹脂の硬化物
あるいはポリイミド系樹脂である、あるいは上記記録方
法の転写体として基材上に染着層を有する染着層転写体
と、基材上に色材層を有する色材層転写体とに分離した
複数の転写体を使用するものである、あるいは上記記録
方法の中間媒体として基材上に弾性層とアクリレ−ト樹
脂の硬化物との順次積層物、あるいは基材上に弾性層と
ポリイミド系樹脂との順次積層物を有しているものを使
用するものである、あるいは上記記録方法の中間媒体と
して基材のそれぞれ異なる位置に弾性層とアクリレ−ト
樹脂の硬化物とを有している、あるいは基材のそれぞれ
異なる位置に弾性層とポリイミド系樹脂とを有してい
る、あるいはポリイミド系樹脂基材の一部分に弾性層を
有しているものを使用するものである、あるいは上記記
録方法の中間媒体としてエンドレスフイルムを使用する
ものである、あるいは上記記録画像を有する染着層を中
間媒体から前記受像体上に熱および/または圧力の媒体
により転写させる記録方法に引き続いて、さらに受像体
上の染着層を熱および/または圧力の媒体により受像体
に定着させて受像体に画像を形成する熱転写記録方法に
より、又、本発明は、基材上にアクリレ−ト樹脂の硬化
物を有する中間媒体を用いる、あるいは請求項1または
2記載の記録方法に用いられる中間媒体に少なくともポ
リイミド系樹脂を用いることにより、染着層と中間媒体
との材料構成の組合せが最適化されて記録プロセスが安
定に成立し、又繰り返し記録安定性にも優れている熱転
写記録方法及び熱転写記録用中間媒体を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における記録方法を原理的に示
した模式図
【図2】本発明の実施例における記録方法を原理的に示
した模式図
【図3】本発明の実施例における記録方法を原理的に示
した模式図
【図4】本発明の実施例における記録方法を原理的に示
した模式図
【図5】本発明の実施例における転写体の断面模式図
【図6】本発明の実施例における色材層転写体の断面模
式図
【図7】本発明の実施例における染着層転写体の断面模
式図
【図8】本発明の実施例における染着層転写体の断面模
式図
【図9】本発明の実施例における中間媒体の断面模式図
【図10】本発明の実施例における中間媒体の断面模式
【図11】本発明の実施例における中間媒体の断面模式
【図12】本発明の実施例における中間媒体の断面模式
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 プラテン 3 転写体 4 高分子フイルム 5 アンカ−コ−ト層 6 離型層 7 染着層 8 イエロ−色材層 9 マゼンタ色材層 10 シアン色材層 11 中間媒体 12 受像体 13 供給ロ−ル 14 シリコ−ンゴムロ−ル 15 加熱ロ−ル 16 ロ−ル 17 ロ−ル 18 ロ−ル 19 ロ−ル 20 分離爪 21 トレイ 22 巻出しロ−ル 23 巻取りロ−ル 24 ロ−ル 25 バネ 26 基材 30 基材 31 基材 32 色材層転写体 33 染着層転写体 34 記録ヘッド 35 記録ヘッド 36 プラテン 40 金属ロ−ル 41 加熱シリコ−ンゴムロ−ル 42 ガイド 50 中間媒体 51 弾性層 52 供給ロ−ル 53 トレイ 70 バックコ−ト層71 基材 72 基材 73 色材層 74 基材 75 高分子物質層 80 基材 81 表面処理層 82 ポリイミドフイルム 83 弾性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大賀 隆義 香川県高松市寿町2丁目2番10号 松下寿 電子工業株式会社内 (72)発明者 松崎 直生 香川県高松市寿町2丁目2番10号 松下寿 電子工業株式会社内 (72)発明者 田口 信義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上のそれぞれ異なる位置に色材層と染
    着層とを有する転写体と、中間媒体と、受像体との組合
    せにおいて、最初に転写体の前記染着層を中間媒体上に
    転写させ、次に中間媒体上の染着層に前記転写体の色材
    層を重ね合わせて記録ヘッドにより中間媒体上の染着層
    に昇華型熱転写画像を記録し、次に画像を記録された中
    間媒体と前記受像体とを記録画像を有する染着層面が前
    記受像体側になるようにして重ね合わせ、熱および/ま
    たは圧力の媒体により記録画像を有する染着層を中間媒
    体から前記受像体上に転写させて受像体に画像を形成す
    る熱転写記録方法において、前記染着層がポリビニルア
    セタ−ル系樹脂であり、且つ、前記中間媒体の表面がア
    クリレ−ト樹脂の硬化物あるいはポリイミド系樹脂であ
    る熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】転写体が基材上に染着層を有する染着層転
    写体と、基材上に色材層を有する色材層転写体とに分離
    した複数の転写体であり、前記複数の転写体を用いる請
    求項1記載の熱転写記録方法。
  3. 【請求項3】中間媒体が基材上に弾性層とアクリレ−ト
    樹脂の硬化物との順次積層物、あるいは基材上に弾性層
    とポリイミド系樹脂との順次積層物を有しているもので
    ある請求項1または2記載の熱転写記録方法。
  4. 【請求項4】中間媒体が基材のそれぞれ異なる位置に弾
    性層とアクリレ−ト樹脂の硬化物とを有している、ある
    いは基材のそれぞれ異なる位置に弾性層とポリイミド系
    樹脂とを有している、あるいはポリイミド系樹脂基材の
    一部分に弾性層を有しているものである請求項1または
    2記載の熱転写記録方法。
  5. 【請求項5】弾性層が100℃以下の温度で90゜以下
    のゴム硬度値を示す弾性体である請求項3または4記載
    の熱転写記録方法。
  6. 【請求項6】アクリレ−ト樹脂がポリエステルアクリレ
    −ト樹脂、ウレタンアクリレ−ト樹脂、エポキシアクリ
    レ−ト樹脂あるいはスピロアセタ−ル樹脂である請求項
    1または2記載の熱転写記録方法。
  7. 【請求項7】中間媒体がエンドレスフイルムである請求
    項1、2、3または4記載の熱転写記録方法。
  8. 【請求項8】記録画像を有する染着層を中間媒体から前
    記受像体上に熱および/または圧力の媒体により転写さ
    せる請求項1または2記載の熱転写記録方法に引き続い
    て、さらに受像体上の染着層を熱および/または圧力の
    媒体により受像体に定着させて受像体に画像を形成する
    熱転写記録方法。
  9. 【請求項9】記録画像を有する染着層を中間媒体から前
    記受像体上に転写させる熱および/または圧力の媒体
    を、受像体上の染着層を受像体に定着させる媒体にも使
    用して受像体に画像を形成する請求項8記載の熱転写記
    録方法。
  10. 【請求項10】基材上にアクリレ−ト樹脂の硬化物を有
    する熱転写記録用中間媒体。
  11. 【請求項11】中間媒体として少なくともポリイミド系
    樹脂を用いている請求項1または2記載の記録方法に用
    いられる熱転写記録用中間媒体。
  12. 【請求項12】アクリレ−ト樹脂がポリエステルアクリ
    レ−ト樹脂、ウレタンアクリレ−ト樹脂、エポキシアク
    リレ−ト樹脂あるいはスピロアセタ−ル樹脂である請求
    項10記載の熱転写記録用中間媒体。
  13. 【請求項13】中間媒体がエンドレスフイルムである請
    求項10、11または12記載の熱転写記録用中間媒
    体。
  14. 【請求項14】中間媒体が弾性層を有する請求項10、
    11、12または13記載の熱転写記録用中間媒体。
  15. 【請求項15】中間媒体の表面の少なくとも1部分が粗
    面化している請求項10、11、12、13または14
    記載の熱転写記録用中間媒体。
  16. 【請求項16】中間媒体が粒子を含有しており、前記粒
    子により中間媒体の表面の少なくとも1部分が粗面化し
    ている請求項15記載の熱転写記録用中間媒体。
  17. 【請求項17】中間媒体が離型剤を含有している請求項
    10、11、12、13、14、15または16記載の
    熱転写記録用中間媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000076774A1 (fr) * 1999-06-16 2000-12-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif d'impression par transfert thermique et procede d'impression par transfert thermique utilisant le dispositif

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000076774A1 (fr) * 1999-06-16 2000-12-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif d'impression par transfert thermique et procede d'impression par transfert thermique utilisant le dispositif
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