JPH0629657A - インテリジェントリフロー半田付け方法とその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品を搭載したプリント配線板を、加熱半田
付け炉の中を搬送し、所定の温度プロファィルにて自動
半田付けするリフロー半田付け方法に関し、各種外形の
プリント配線板に対して、生産効率を下げることなく、
常に最適温度プロファィルにてリフロー半田付けするこ
とを目的とする。 【構成】 プリント配線板１の外形と重量の情報より、
外形幅の値にて搬送チェーン３の搬送幅寸法を自動設定
し、記憶された加熱半田付け炉２固有の特性から外形板
厚と重量の値に応じた搬送チェーン３の最適速度を選出
して自動設定し、プリント配線板１を搬送チェーン３に
搭載する間隔を自動設定して、各種外形のプリント配線
板に対応して所定温度プロファィルにて効率よく半田付
けしたり、プリント配線板１の前記情報を、これを格納
運搬する収容ラック４に設けた固有の識別表示41に基づ
いて、センターのデータベースを検索して抽出するよう
にする半田付け方法とその装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、部品を搭載したプリン
ト配線板を、加熱半田付け炉の中を搬送し、所定の温度
プロファィルにて自動半田付けするリフロー半田付け方
法に関する。

【０００２】半導体部品の小形化、高集積化、及び他の
回路部品のチップ化により、リードレスの表面実装型部
品が出現し、これらを実装するプリント配線板は一段と
小形、高密度実装が実現している。

【０００３】かような表面実装型部品の実装工程は、プ
リント配線板の半田付け位置にクリーム半田を印刷し、
その上に部品を載置させた後、半田を溶融させ、冷却し
た後に、フラックスの除去と洗浄を行い終了する。

【０００４】部品は小さく精密なため、何れの工程も人
手作業は困難で、自動作業装置が必要となり、部品の搭
載までを搭載装置にて行い、予備加熱から半田付け、冷
却までをリフロー半田付け装置、洗浄を洗浄装置、と夫
々専用化し、工程の合理化と設備の効率的運用を図るこ
とが要求される。

【０００５】

【従来の技術】図２にリフロー半田付けの温度プロファ
ィル、図３に従来の一例のリフロー半田付け装置を示
す。

【０００６】リフロー半田付けには全体加熱式と部分加
熱式とがあり、表面実装型部品を多数実装するプリント
配線板には前者が適するが、部品の耐熱性が揃ったもの
でなければならない。耐熱性の劣る部品の半田付けは後
者による。

【０００７】全体加熱式の従来の一例のリフロー半田付
け装置は、図３に概要を示す如くで、横長の装置筐体29
と、部品を搭載したプリント配線板１を装置筐体29の入
口から出口まで通して断面中央部を搬送する搬送チェー
ン39とから成り、装置筐体29の内部は入口側に予備加熱
室21、次に本加熱する半田付け室22、最後に冷却室23が
連なっており、ヒータ28には遠赤外線ランプ又はシーズ
ヒータ（棒状ヒータ）等を用い、上下から加熱し、冷却
はファン27によっている。

【０００８】部品を搭載したプリント配線板１は、入口
で搬送チェーン39に載置され、定速度で搬送されて、先
ず予備加熱室21で部品に影響が少なく、半田が溶けず、
接続部が高い温度に予備加熱され、次に半田付け室22で
本加熱して半田を溶かして半田付けし、最後の冷却室23
で半田を冷却固化させ、全体も冷却させて出口に排出す
る。

【０００９】この半田付け工程の温度プロファィルは、
図２に示すような値が適切である。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 本装置にて半田付けするプリント配線板１は各種の
外形寸法のものがあり、何れの外形にあっても、半田付
け時には図２に示すような温度プロファィルに加熱され
る必要がある。 従って、プリント配線板１の外形の差異により、ヒ
ータ28の熱量調整、及び搬送速度を調整して、所定温度
に抑え込んでいた。 しかし、ヒータ28の熱量調整は、変更してから安定
するまでに時間単位の長時間を要する。 このため、外形の異なるプリント配線板１の生産
は、日中に切替えることは相当なロスタイムを生じるの
で、日単位に生産を切替えざるを得なかった。 等の問題点があった。

【００１１】本発明は、かかる問題点に鑑みて、各種外
形のプリント配線板に対して、生産効率を下げることな
く、常に最適温度プロファィルにてリフロー半田付けす
ることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的は、図１に示す
如く、 [1] 部品を搭載したプリント配線板を、加熱半田付け炉
の中を所定速度にて搬送し、所定の温度プロファィルに
て自動的にリフロー半田付けするリフロー半田付け方法
において、プリント配線板１の外形と重量の情報より、
外形幅の値にて搬送チェーン３の搬送幅寸法を自動設定
し、記憶された加熱半田付け炉２固有の特性から外形板
厚と重量の値に応じた搬送チェーン３の最適速度を自動
的に設定すると共に、プリント配線板１を搬送チェーン
３に搭載する間隔を自動設定して、各種外形のプリント
配線板に対応して所定温度プロファィルにて効率よく半
田付けする、本発明のインテリジェントリフロー半田付
け方法により達成される。 [2] 更に、プリント配線板１の外形と重量の情報を、プ
リント配線板１を格納運搬する収容ラック４に設けた固
有の識別表示41に基づいて、センターのデータベースを
検索し、抽出するようにする、上記本発明のインテリジ
ェントリフロー半田付け方法によっても適えられる。 [3] その装置は、部品を搭載したプリント配線板１を格
納し、固有の識別表示41を所定位置に設けた外形同一の
収容ラック４と、収容ラック４からプリント配線板１を
順に取り出し、搬送チェーン３に載置するローダ５と、
予備加熱室21と半田付け室22と冷却室23とをこの順に直
列配設し、予備加熱室21と半田付け室22は各々内部を常
に所定温度に維持しており、内部を貫通してプリント配
線板１を搬送する搬送チェーン３を備える加熱半田付け
炉２と、搬送チェーン３から排出された前記プリント配
線板１を順に収容ラック４に格納するアンローダ６と、
前記収容ラック４の識別表示41から内容を読み取る読み
取り器７と、前記各部の動作を制御する制御部８と、デ
ータの送受信機能と計算と制御部８に対する指令を行う
パソコン９と、から構成し、収容ラック４が定位置に固
定されると、読み取り器７が識別表示41を読み取り、そ
のデータをパソコン９が受け取り、センターに送信し、
センターから返送された収容プリント配線板１に関する
外形と重量のデータを受信して、外形幅の値から搬送チ
ェーン３の搬送幅寸法を決め、各種の外形板厚と重量値
に対して所定の温度プロファィルを得る加熱半田付け炉
２固有の記憶された搬送チェーン３の速度特性から、外
形板厚と重量の値に応じて搬送チェーン３の最適搬送速
度を選出し、ローダ５のプリント配線板１の取り出し間
隔時間を決め、制御部８に前記各データを指令し、制御
部８にて動作制御させる、本発明のインテリジェントリ
フロー半田付け装置により達成される。

【００１３】

【作用】物を同一の加熱炉内で加熱した時、物の有する
熱容量の大小により、物の温度上昇は小大となり、周囲
温度と同一になる熱的平衡状態に到達するまでの時間は
大小と異なる。

【００１４】即ち、半田付けする部品を搭載したプリン
ト配線板１は、外形と重量が大きくなれば、熱容量も大
となり、加熱半田付け炉２に入れても温度上昇は緩やか
になり、熱的平衡状態に達するのに時間を余計要するこ
とになる。

【００１５】一方、プリント配線板１をリフロー半田付
けするには、前述の図２に示す温度プロファィルを満た
すことが必要であり、最も量産するプリント配線板１に
対して最適となり、且つ今後のプリント配線板１の動向
に応じられるように、加熱半田付け炉２は設計され設備
されるのが一般的である。

【００１６】従って、最も量産するプリント配線板１以
外の、外形寸法や重量の異なるプリント配線板１に対し
ても、同じ温度プロファィルにて半田付けするために
は、プリント配線板１の熱容量が異なるので、内部の温
度や搬送速度を加減しなければならない。

【００１７】しかし、炉内温度の変更は、安定するまで
に長時間を要し非生産的である。搬送速度の変更は、極
めて容易に行え、極度に遅くならなければ生産への影響
は少ない。

【００１８】ここで、最適温度プロファィルは、予備加
熱領域では半田付け上は所定時間以上幾らでも良く、半
田付け領域は所定温度、例えば 200℃を越える時間を所
定範囲内に抑えなければならない。

【００１９】従って、外形板厚と重量が異なる各種のプ
リント配線板１に対して、何れも半田付け領域に於ける
温度プロファィルを満たすように、搬送チェーン３の搬
送速度を決定し、その速度で予備加熱領域にて最小時間
以上となる条件は、加熱半田付け炉２毎に固有の特性を
示し、搬送チェーン３の搬送速度とプリント配線板１の
熱容量、即ち重量との関係は、図１の(b) に示すように
プリント配線板１の板厚をパラメータとして下降直線特
性であったり、図示省略するが上凸状の下降曲線特性や
上凹状の下降曲線特性となる。

【００２０】かくして、図２の最適な温度プロファィル
を満たして、各種のプリント配線板１を半田付けする加
熱半田付け炉２には、内部室の加熱温度を所定に保持し
たままで、固有の特性から最適搬送速度が得られる。

【００２１】従って、プリント配線板１の外形と重量の
情報が得られれば、その加熱半田付け炉２固有の速度特
性から、必要な搬送速度を選定することができる。プリ
ント配線板１の外形と、搬送速度が決まれば、搬送チェ
ーン３に載置する最小間隔が決められる。

【００２２】又、プリント配線板１は生産単位に収容ラ
ック４に格納して移動させており、この収容データを収
容ラック４毎に持たせるより、収容ラック４の固有の識
別表示41をキーにセンターのデータベースに登録させる
方が、データの紛失や挿着忘れが無くなり、読み取り時
間が短くその分データの信頼性が高まり、且つ一括デー
タ管理が行える利点を有する。

【００２３】かくして、本発明により、各種外形のプリ
ント配線板に対して、生産効率を下げることなく、常に
最適温度プロファィルにてリフロー半田付けすることが
可能となる。

【００２４】

【実施例】以下図面に示す実施例によって本発明を具体
的に説明する。全図を通し同一符号は同一対象物を示
す。図１に本発明の一実施例を示し、(a) は構成図、
(b) は加熱半田付け炉の特性図である。

【００２５】本実施例の装置は、図１の(a) に示す如
く、１は部品を搭載した最大32×33cmのプリント配線
板、２は予備加熱室21と半田付け室22と冷却室23とをこ
の順に直列配設し、予備加熱室21と半田付け室22は各々
内部を常に所定温度に維持しており、内部を貫通してプ
リント配線板１を搬送する搬送チェーン３を備える加熱
半田付け炉、４はこのプリント配線板１を最高10個格納
し、一側面所定位置に固有番号を表示した銘板の識別表
示41を固着した同一外形の収容ラック、５はこの収容ラ
ック４からプリント配線板１を順に取り出し、搬送チェ
ーン３に載置するローダ、６は搬送チェーン３から排出
された前記プリント配線板１を順に収容ラック４に格納
するアンローダ、７は前記収容ラック４の識別表示41か
ら内容を光学的に読み取る読み取り器、８は前記各部の
動作を制御する制御部、９はデータの送受信機能と計算
と制御部８に対する指令を行うパソコンであり、これら
により構成する。

【００２６】装置の動作は、収容ラック４が定位置に固
定されると、読み取り器７が識別表示41を読み取り、そ
のデータをパソコン９が受け取り、センターに送信し、
センターから返送された収容プリント配線板１に関する
外形と重量のデータを受信する。

【００２７】この外形幅の値から搬送チェーン３の搬送
幅寸法を決め、各種の外形と重量値に対して、前述の図
２に示す所定の温度プロファィルを得るには、図１の
(b) に示すように加熱半田付け炉２固有の記憶された搬
送チェーン３の速度特性から、外形板厚と重量の値に応
じて搬送チェーン３の最適搬送速度を選出する。

【００２８】更に、この搬送速度とプリント配線板１の
外形長さとから、ローダ５のプリント配線板１の取り出
し間隔最小時間が決まる。次に、制御部８に前記各デー
タを指令し、制御部８にて半田付け動作を開始制御させ
る。

【００２９】先ず、加熱半田付け炉２の予備加熱室21と
半田付け室22のヒータ28を加熱し、冷却室23のファン27
も回し、内部温度が夫々所定の値に維持された安定状態
になってから、搬送チェーン３を指定速度で動かす。

【００３０】次に、収容ラック４からローダ５によりプ
リント配線板１を取り出し、搬送チェーン３に載置す
る。自動的にプリント配線板１は搬送され、予備加熱室
21にて 120〜150 ℃に80秒以上加熱され、次の半田付け
室22にて 200〜220 ℃の加熱時間が25〜40秒以内となる
ように加熱され半田付けが行われ、次の冷却室23にて徐
々に冷却されて排出される。

【００３１】標準の23×29×厚0.16cmプリント配線板１
では、搬送チェーン３の搬送速度は１m/min であり、全
工程約３分の所要時間である。大形の32×33cmの同厚の
プリント配線板１では、80cm/minの搬送速度が最適であ
る。

【００３２】

【発明の効果】以上の如く、本発明のインテリジェント
リフロー半田付け方法とその装置により、各種外形のプ
リント配線板に対応して、加熱半田付け炉内の搬送速度
を選定するのみで、生産効率を下げることなく、常に最
適温度プロファィルにてリフロー半田付けすることがで
き、著しく生産性を高めることができると共に、固有特
性の領域内であれば、初外形のプリント配線板に対して
も即座に適用することができ、得られる効果は著しいも
のがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例 (a) 構成図 (b) 加熱半田付け炉の特性図

【図２】 リフロー半田付けの温度プロファィル

【図３】 従来の一例のリフロー半田付け装置

【符号の説明】

１ プリント配線板 ２ 加熱半田付け炉 3,
39 搬送チェーン ４ 収容ラック ５ ローダ ６
アンローダ ７ 読み取り器 ８ 制御部 ９
パソコン 21 予備加熱室 22 半田付け室 23
冷却室 27 ファン 28 ヒータ 29
装置筐体 41 識別表示

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 部品を搭載したプリント配線板を、加熱
   半田付け炉の中を所定速度にて搬送し、所定の温度プロ
   ファィルにて自動的にリフロー半田付けするリフロー半
   田付け方法において、 プリント配線板(1) の外形と重量の情報より、 外形幅の値にて搬送チェーン(3) の搬送幅寸法を自動設
   定し、 記憶された加熱半田付け炉(2) 固有の特性から外形板厚
   と重量の値に応じた該搬送チェーン(3) の最適速度を自
   動的に設定すると共に、 該プリント配線板(1) を該搬送チェーン(3) に搭載する
   間隔を自動設定して、 各種外形のプリント配線板に対応して所定温度プロファ
   ィルにて効率よく半田付けすることを特徴とするインテ
   リジェントリフロー半田付け方法。
2. 【請求項２】 プリント配線板(1) の外形と重量の情報
   を、該プリント配線板(1) を格納運搬する収容ラック
   (4) に設けた固有の識別表示(41)に基づいて、センター
   のデータベースを検索し、抽出するようにすることを特
   徴とする、上記請求項１記載のインテリジェントリフロ
   ー半田付け方法。
3. 【請求項３】 部品を搭載したプリント配線板(1) を格
   納し、固有の識別表示(41)を所定位置に設けた外形同一
   の収容ラック(4) と、 該収容ラック(4) から該プリント配線板(1) を順に取り
   出し、搬送チェーン(3) に載置するローダ(5) と、 予備加熱室(21)と半田付け室(22)と冷却室(23)とをこの
   順に直列配設し、該予備加熱室(21)と半田付け室(22)は
   各々内部を常に所定温度に維持しており、内部を貫通し
   て該プリント配線板(1) を搬送する搬送チェーン(3) を
   備える加熱半田付け炉(2) と、 該搬送チェーン(3) から排出された前記プリント配線板
   (1) を順に該収容ラック(4) に格納するアンローダ(6)
   と、 前記収容ラック(4) の識別表示(41)から内容を読み取る
   読み取り器(7) と、 前記各部の動作を制御する制御部(8) と、 データの送受信機能と計算と該制御部(8) に対する指令
   を行うパソコン(9) と、から構成し、 該収容ラック(4) が定位置に固定されると、該読み取り
   器(7) が該識別表示(41)を読み取り、 そのデータを該パソコン(9) が受け取り、センターに送
   信し、該センターから返送された収容プリント配線板
   (1) に関する外形と重量のデータを受信して、 外形幅の値から該搬送チェーン(3) の搬送幅寸法を決
   め、 各種の外形板厚と重量値に対して所定の温度プロファィ
   ルを得る加熱半田付け炉(2) 固有の記憶された搬送チェ
   ーン(3) の速度特性から、外形板厚と重量の値に応じて
   該搬送チェーン(3) の最適搬送速度を選出し、 ローダ(5) のプリント配線板(1) の取り出し間隔時間を
   決め、 該制御部(8) に前記各データを指令し、 該制御部(8) にて動作制御させることを特徴とするイン
   テリジェントリフロー半田付け装置。