JPH06296059A - 半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子の製造方法

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JPH06296059A
JPH06296059A JP8094093A JP8094093A JPH06296059A JP H06296059 A JPH06296059 A JP H06296059A JP 8094093 A JP8094093 A JP 8094093A JP 8094093 A JP8094093 A JP 8094093A JP H06296059 A JPH06296059 A JP H06296059A
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Takashi Ishizumi
隆司 石住
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 信頼性が高い高出力半導体レーザ素子を歩留
まり良く得る。 【構成】 基板11上に発光用積層体を形成し、発光用
積層体が形成された基板を劈開してバー状にする。そし
て、複数のバー状基板を劈開面のみが露出するように積
み重ねて治具に固定し、半導体レーザ素子の端面となる
劈開面に活性層14よりも禁制帯幅の大きい半導体層5
3を形成する。劈開面のみが露出するようにして成長を
行っているので、劈開面以外の余分な部分に上記半導体
層が形成されることがなく、エッチング工程などの余分
な工程を必要としない。また、レーザバーを積み重ねて
成長を行っているので、1度に多数のレーザバーの劈開
面に半導体層を成長させることができ、大面積の治具を
必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスク、固体
レーザ励起光源、高速レーザビームプリンタ等に用いら
れる高出力半導体レーザ素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、消去および書き込みが可能な光磁
気ディスク用の光源として、高出力半導体レーザ素子が
使用されている。この用途の半導体レーザ素子は、40
〜50mW程度の高出力状態においても高い信頼性を有
していることが要求され、光磁気ディスク装置を含むシ
ステム全体の動作速度を速めるために、さらに、高出力
であることが要望されている。また、高精細のレーザビ
ームプリンター装置の光源やYAGレーザ等の固体レー
ザ装置の励起光源としては、光出力が100mWの高出
力半導体レーザ素子が必要とされる。
【0003】しかし、上記のような半導体レーザ素子を
高出力で駆動させた場合には、その端面が強い光密度の
ために劣化して、ついには破壊されてしまうという問題
点を有しており、高出力状態で高い信頼性を得るための
阻害要因となっている。
【0004】この端面劣化を抑制するための手段とし
て、端面に活性層よりも禁制帯幅の広い半導体層を設け
て、端面での光吸収を抑制することが考えられる。
【0005】上記半導体層の形成は、例えば、端面をウ
ェハの劈開あるいはエッチングによって形成し、その端
面上に上記半導体層を気相成長することにより行われ
る。上記半導体層の材料としては、GaAlAs系半導
体レーザ素子の場合には、GaAlAs活性層よりもA
l混晶比の大きな半導体層とすることができる。
【0006】図4および図5に、従来の半導体レーザ素
子の製造方法を示す。これは、光磁気ディスク用レーザ
として代表的な構造であるVSIS(V-channel substr
ateinner stripe)レーザに適用した例である。
【0007】まず、p−GaAs基板11上に、LPE
法(Liquid Phase Epitaxy 液相成長法)によりn型G
aAs層12を1μm程度積層し、基板11に至るまで
フォトリソグラフィーとエッチングとによりV溝を形成
する。次に、2回目の液相成長工程により厚み0.2μ
m(V溝以外の部分)のp−Ga0.55Al0.45Asクラ
ッド層13、厚み0.06μmのp−Ga0.86Al0.14
As活性層14、厚み1μmのn−Ga0.55Al0.45
sクラッド層15および厚み1μmのn−GaAsキャ
ップ層16を順次積層する。以上により、図4(a)に
示すようなVSIS構造を備えたウェハが形成される。
【0008】次に、基板11側をラッピングして、ウェ
ハ全体の厚みを100μm程度にする。その後、図4
(b)に示すように、劈開により端面52を露出させ
て、共振器長400μm程度のバー状ウェハ51(以下
レーザバーと称する)に分割し、図4(c)に示すカー
ボン製治具111に挿入して固定する。この治具111
は、レーザバー51の端部31をはめ込むくぼみ112
が多数設けられており、各レーザバー51は、活性層1
4を含む積層構造成長面を上にし、適当な間隔を開けて
並べられる。
【0009】その後、図5(a)に示すように、このよ
うなレーザバー51が多数固定された治具111を、M
OCVD(Metal organic Chemical Vapour Deposition
有機金属気層成長)装置内に置く。この状態で、図5
(b)に示すように、バーの劈開面に、それぞれ活性層
よりも禁制帯幅の大きな半導体層(GaAlAs層)5
3を形成する。この際、キャップ層16の上にも半導体
層53が同様に形成されるが、基板11側は治具111
に接しているので、半導体層53が形成されない。
【0010】その後、キャップ層16の上に形成された
半導体層53を、エッチングにより除去し、図5(c)
に示すように、基板11側およびキャップ層16の上
に、電極54、55をそれぞれ蒸着する。また、劈開面
52上に形成された半導体層53上には、端面保護膜5
7を形成する。以上により、図5(d)に示すようなレ
ーザバーが得られる。このレーザバーを各チップに分割
し、パッケージングすることによりVSIS構造の半導
体レーザ素子が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
は、レーザバー51の劈開面上に活性層より禁制帯幅の
広い半導体層53を形成する際に、キャップ層16の上
にも上記半導体層53が形成される。このキャップ層1
6の上には、レーザチップに通電するための電極55が
設けられるが、キャップ層16の上に絶縁性が高い上記
半導体層53が形成されているので、半導体レーザ素子
の素子抵抗が増大されてしまう。特に、高出力動作時に
は、この素子抵抗増大のため、効率劣化、短寿命化など
の問題が生じる。尚、バー51を治具111に固定する
際に、基板の積層構造成長面が下になるように設置した
場合には、上記半導体層53は基板側に形成され、やは
り、半導体レーザ素子の素子抵抗を増大させる。
【0012】これを防ぐためには、電極54、55の形
成前にキャップ層16上の半導体層53を完全に除去す
る必要がある。
【0013】この半導体層53を除去するためには、 (1)劈開面上の半導体層53上がエッチングにより除
去されないように、保護膜を設ける工程: (2)キャップ層16上の半導体層53をエッチングに
より除去する工程:の2工程を必要とするので、製造工
程が増大して歩留り低下の原因となっている。また、上
記保護膜を除去する工程を必要とすることもある。
【0014】さらに、図5(a)に示したような治具1
11にレーザバー51を平面的に並べる方法では、多数
のレーザバー51に半導体層53を形成するために大面
積の治具111が必要となる。しかし、気相成長装置の
大きさが決まっているので、治具を大面積にすることに
は限界があり、半導体レーザ素子の量産性を向上させる
上で問題となっている。
【0015】本発明は上記問題点を解決しようとするも
のであり、信頼性が高い高出力半導体レーザ素子を、歩
留まり良く製造することのできる半導体レーザ素子の製
造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ素
子の製造方法は、活性層を含む発光用積層体が形成され
た基板の端面に、該活性層よりも禁制帯幅の大きい半導
体層が形成された半導体レーザ素子の製造方法におい
て、該基板よりも大きい基板の上に発光用積層体が形成
されてなるウェハを劈開して共振器長幅の複数のバー状
ウェハを形成する工程と、該バー状ウェハの劈開面以外
の面を覆った状態でバー状ウェハを積み重ねるための治
具を用い、該治具に複数のバー状ウェハをその厚み方向
に揃えて積み重ねて固定する工程と、治具に固定され、
治具から露出しているバー状ウェハの劈開面に該半導体
層を形成する工程と、該半導体層が形成された各バー状
ウェハをチップに分割する工程とを含み、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0017】
【作用】本発明においては、半導体レーザ素子の端面と
なるレーザバーの劈開面に活性層よりも禁制帯幅の大き
い半導体層を形成する際に、レーザバーの劈開面以外の
面を覆った状態で、複数のレーザバーを厚み方向に揃え
て積み重ねて治具に固定している。
【0018】このようにして半導体層の成長を行うと、
劈開面のみが露出しているので、劈開面以外の余分な部
分に上記半導体層が形成されることがない。また、レー
ザバーを積み重ねて成長を行っているので、1度に多数
のレーザバーの劈開面に半導体層を成長させることがで
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0020】図1に、本発明により得られる半導体レー
ザ素子の斜視図を示す。この半導体レーザ素子はVSI
S(V-channel substrate inner stripe)構造の半導体
レーザ素子であり、p−GaAs基板11上に形成され
たn−GaAs層12に基板11まで達するV溝が形成
され、その上にp−Ga0.55Al0.45Asクラッド層1
3、p−Ga0.86Al0.14As活性層14、n−Ga
0.55Al0.45Asクラッド層15が形成され、その上に
n−GaAsキャップ層16が形成されている。光出射
端面には、活性層14よりも禁制帯幅の大きいGa0.5
Al0.5As半導体層53が形成されている。半導体層
53のレーザ光照射側表面には低反射率の端面保護膜5
7が形成され、他方の表面には高反射率の端面保護膜5
7が形成されている。また、基板11側およびキャップ
層16側の広面上には、電極54、55が形成されてい
る。
【0021】この半導体レーザ素子の製造は、以下のよ
うにして行うことができる。
【0022】まず、活性層を含む積層構造を形成する。
p−GaAs基板11上に、LPE法(Liquid Phase E
pitaxy 液相成長法)によりn型GaAs層12を1μ
m程度積層し、基板11に至るまでフォトリソグラフィ
ーとエッチングとによりV溝を形成する。次に、2回目
の液相成長工程により厚み0.2μm(V溝以外の部
分)のp−Ga0.55Al0.45Asクラッド層13、厚み
0.06μmのp−Ga0.86Al0.14As活性層14、
厚み1μmのn−Ga0.55Al0.45Asクラッド層15
および厚み1μmのn−GaAsキャップ層16を順次
積層する。
【0023】その後、上記のように積層構造を形成した
ウェハを、厚み100μmにラッピングし、このウェハ
を端面52が露出するように共振器長に劈開して、図2
(a)に示すようなレーザバー51に分割する。
【0024】次に、図2(b)に示すように、レーザバ
ー51とカーボン製のバー治具103とを、レーザバー
51を交互に積み重ねて、劈開面52以外の側面を覆う
ように溝102が形成されたカーボン製の整列用治具1
01にセットし、バー押え用治具104を上に載せて固
定用ねじ105で固定する。
【0025】その後、図3(c)に示すように、レーザ
バー51が固定されたバー整列用治具101をカーボン
製治具本体106にセットする。
【0026】このようにレーザバー51が多数セットさ
れた治具本体106をMOCVD装置の準備室内に導入
し、治具本体106ごとロボットアームで搬送してMO
CVD装置の成長室内のサセプタ上に載せる。そして、
MOCVD法により、劈開面52に厚み0.1μmのノ
ンドープGa0.5Al0.5As層53を成長させる。半導
体層53の成長後、治具本体106ごとロボットアーム
でMOCVD装置の準備室まで搬送して装置から取り出
す。
【0027】その後、基板11側およびキャップ層16
の上に、電極54、55をそれぞれ蒸着し、劈開面52
上に形成された半導体層53上に、端面保護膜57を形
成する。その後、バー状基板をチップに分割して、図1
に示すような半導体レーザ素子が得られる。
【0028】上記実施例においては、治具101の溝1
02はレーザバー51の寸法(長さ・幅)に合わせて設
けられているので、劈開面以外の側面を覆うことができ
る。また、治具101はテーパ状に加工してあるので、
気相成長室内で半導体層を成長させる際にレーザバーの
劈開面に成長ガスをスムーズに導入させることができ
る。
【0029】治具103は、レーザバー51の寸法と同
じ長さ・幅に形成されており、厚みは1mm程度であ
る。この治具103がレーザバー51間に挿入されてい
るので、気相成長室内で半導体層を成長させる際に、治
具103が治具全体と共に誘導加熱されて、各レーザバ
ー51を均一に加熱することができる。治具101の底
部と治具105とによって、積み重ねられたレーザバー
51の上下面を覆うことができる。
【0030】上記実施例において、複数のレーザバー5
1を劈開面のみが露出するように治具に固定しているの
で、半導体レーザ素子の端面となる劈開面のみに活性層
よりも禁制帯幅の大きい半導体層53が形成され得る。
よって、従来の製造方法のように電極形成前にキャップ
層16上の半導体層53を除去する必要が無い。このた
め、製造工程が簡素化でき、歩留りを向上させることが
できる。
【0031】また、レーザバー51を積み重ねて成長を
行っているので、1度に多数のレーザバー51の劈開面
に半導体層53を成長させることができ、大面積の治具
を必要としない。同一面積の治具を用いた場合には、従
来の製造方法に比べて生産性が約4倍向上できる。
【0032】レーザバー51がセットされた治具101
を治具106にセットすることにより、さらに多数のレ
ーザバー51を処理することができる。
【0033】上記実施例においては、VSIS構造の半
導体レーザ素子について説明したが、本発明はこれに限
られず、その他の構造の半導体レーザ素子に適用するこ
ともでき、例えば、CSP(channeled substrate plan
er)構造、I2SPB(inverted inner stripe laser w
ith a p-GaAs buffer layer)構造、SAM(self alig
nment narrow stripe by MBE)構造等が挙げられる。
【0034】また、治具の材料としては、高周波誘導に
よる加熱が可能で、半導体層成長中に不純物の脱離が少
なく、レーザバーを固定するに足る強度を有しているも
のであれば特に限定せず用いることができる。例えば、
PBN等の誘電体を用いることができる。また、これら
の材料からなる治具の表面がガラス状カーボンやSiC
等でコーティングされていてもよい。
【0035】半導体層を形成する材料は、AlGaAs
系、InGaAlP系、InGaAsP系など種々の材
料を用いることができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、複数のレーザバーを積み重ねて、劈開面のみ
が露出するように治具に固定しているので、半導体レー
ザ素子の端面となる劈開面のみに活性層よりも禁制帯幅
の大きい半導体層が形成される。このため電極形成前に
半導体層を除去する必要が無く、製造工程を簡素化する
ことができる。よって、半導体レーザ素子の製造におけ
る歩留りを向上させることができる。
【0037】また、レーザバーを積み重ねて成長を行っ
ているので、1度に多数のレーザバーの劈開面に半導体
層を成長させることができる。よって、大面積の治具を
必要とせず、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる半導体レーザ素子の例を
示す斜視図である。
【図2】本発明の半導体レーザ素子の製造工程を示す図
である。
【図3】本発明の半導体レーザ素子の製造工程を示す図
である。
【図4】従来の半導体レーザ素子の製造工程を示す図で
ある。
【図5】従来の半導体レーザ素子の製造工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
11 基板 13 クラッド層 14 活性層 15 クラッド層 16 キャップ層 51 バー状ウェハ(レーザバー) 53 活性層よりも禁制帯幅の大きい半導体層 54、55 電極 57 端面保護膜 101、103、104、106 治具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層を含む発光用積層体が形成された
    基板の端面に、該活性層よりも禁制帯幅の大きい半導体
    層が形成された半導体レーザ素子の製造方法において、 該基板よりも大きい基板の上に発光用積層体が形成され
    てなるウェハを劈開して、共振器長幅の複数のバー状ウ
    ェハを形成する工程と、 該バー状ウェハの劈開面以外の面を覆った状態でバー状
    ウェハを積み重ねるための治具を用い、該治具に複数の
    バー状ウェハをその厚み方向に揃えて積み重ねて固定す
    る工程と、 治具に固定され、治具から露出しているバー状ウェハの
    劈開面に該半導体層を形成する工程と、 該半導体層が形成された各バー状ウェハをチップに分割
    する工程と、 を含む半導体レーザ素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5872020A (en) * 1995-09-08 1999-02-16 Sharp Kabushiki Kaisha Method for producing semiconductor laser device
CN1322642C (zh) * 2002-12-10 2007-06-20 夏普株式会社 半导体激光器件、其制造方法和该制造方法中使用的夹具

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CN1322642C (zh) * 2002-12-10 2007-06-20 夏普株式会社 半导体激光器件、其制造方法和该制造方法中使用的夹具

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