JPH06295469A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JPH06295469A
JPH06295469A JP5082109A JP8210993A JPH06295469A JP H06295469 A JPH06295469 A JP H06295469A JP 5082109 A JP5082109 A JP 5082109A JP 8210993 A JP8210993 A JP 8210993A JP H06295469 A JPH06295469 A JP H06295469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
recording layer
recording
wavelength
optical recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5082109A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Iwamura
貴 岩村
Yoko Matsuzawa
洋子 松澤
Shinichiro Tamura
眞一郎 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP5082109A priority Critical patent/JPH06295469A/ja
Publication of JPH06295469A publication Critical patent/JPH06295469A/ja
Priority to US08/506,456 priority patent/US5486437A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非破壊読み出しが可能で、信頼性、高速記録
再生特性に優れた光記録媒体を提供する。 【構成】 基体上に光学的に情報の記録、再生が行われ
る光記録媒体が開示される。記録層には、再生光波長よ
り短波長の光で記録が行われる。記録層の膜厚dは、再
生光波長λに対して、d≦1.75λである。記録層
は、有機色素を主体とし、再生光波長における複素屈折
率の実部が2.55以上、虚部の絶対値が0.1以下、
記録光波長における複素屈折率の虚部の絶対値が1.0
以上とされる。有機色素としては、シアニン化合物、ポ
ルフィリン化合物が挙げられ、ポルフィリン化合物を使
用した場合には、青色レーザー記録が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録,
再生が行われる光記録媒体に関するものであり、特に有
機色素を記録材料とする光記録媒体の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】レーザー光の照射により情報の記録再生
を行なう光記録媒体は、通常、基板上に光記録材料より
なる記録層が形成されてなり、情報の記録は、この記録
層にレーザー光を集光することによってピットを形成す
ることによって行い、記録された情報の再生は、ピット
部分とピットが形成されていない部分の反射率の差を検
出することによって行う。
【0003】このような光記録媒体は、磁気記録媒体等
と比較してトラック幅を狭くすることができ、高密度記
録が可能であることから、大量情報保存用の記録媒体と
して注目され、記録情報量の向上を図るべく盛んに研究
が行われている。
【0004】一般に、上述のような光記録媒体に対して
記録,再生を行うレーザー光としては、赤〜赤外領域の
ものが用いられ、これに対応した記録媒体が広く普及し
ており、また、追記型の光記録媒体(いわゆるCDW
O:CD write once )のようなユーザーによる書き込み
が可能であるディスク状光記録媒体も登場している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のCD
WOにおいては、記録用のレーザー光と再生用のレーザ
ー光の波長は同一とされているが、この場合、長期に亘
る再生を行うと、再生レーザー光による記録ピットの破
壊もしくは記録層材料の光劣化の虞れがある。
【0006】また、このような光記録媒体では感度が低
いため、高速記録再生には向いていない。さらに、赤〜
赤外領域のレーザー光を記録,再生に用いる記録媒体の
場合、一定面積に記録される情報量を増加させるために
は、いわゆる超解像の様な工夫が必要である。
【0007】そこで本発明は、以上のような状況に鑑
み、高速記録再生特性に優れた高感度光記録媒体を提供
することを目的とし、さらには信頼性に優れ非破壊読み
だしが可能な光記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、繰り返し再
生による読みだし破壊は、記録層が再生光を吸収するこ
とによる熱発生がピット破壊の原因であり、また記録層
が再生光を吸収することによるラジカル発生が記録層材
料の光劣化の原因であることを突き止めた。
【0009】本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものであって、基体上に光学的に情報の記録及び再生
が可能な記録層が形成されてなり、再生光波長より短波
長の光で情報の記録が行われることを特徴とするもので
ある。
【0010】また、本発明者等の実験によれば、上述の
ように再生光波長より短波長の光で情報の記録を行う場
合、記録層の再生光波長における複素屈折率の虚部の絶
対値を小さく抑えることで変調度が再生により変化せ
ず、読みだし破壊が起きないことが判明した。さらに、
記録光波長における複素屈折率の虚部及び再生光波長に
おける複素屈折率の実数部を適正な範囲に設定すれば良
好な変調特性が得られることもわかった。
【0011】したがって、本発明の光記録媒体において
は、記録層の光学定数を適正な範囲に設定することが好
ましい。すなわち、先ず第1に、記録層の再生光波長に
おける複素屈折率の実部を2.55以上とする。第2
に、記録層の再生光波長における複素屈折率の虚部の絶
対値を0.1以下とする。第3に、記録層の記録光波長
における複素屈折率の虚部の絶対値を1.0以上とす
る。
【0012】また、本発明の光記録媒体においては、記
録層の膜厚も重要であって、記録層の膜厚をある一定の
膜厚以下とすることにより変調度が0.6以上の記録特
性を呈する。具体的には、記録層の膜厚内に入る再生光
の周期の数(ここでは便宜上波数と呼ぶ。)ρが1.7
5以下のときに変調度0.6以上が達成され、したがっ
て、記録層の再生光波長における複素屈折率の実部をn
として、記録層の膜厚dを再生光波長λに対してd≦
1.75λ/nなる範囲に設定することが好ましい。
【0013】本発明における光記録媒体は、例えば図1
に示した様な構造を有するものである。すなわち、基板
1上に記録層2及び反射層3を順次成膜し、さらにその
上に保護層4を形成してなるものである。ここで、記録
層の材料としては、前述の各特性を満たすものであれば
如何なるものであってもよいが、有機材料、特に有機色
素を主体とする有機材料が好適である。
【0014】本発明において上記記録層に含まれる有機
色素は、上記の条件を満たす範囲であれば使用が可能で
あり、そのような色素としては、例えば、シアニン系色
素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、
ポルフィリン系色素が挙げられる。具体的には、化4で
示されるシアニン化合物、化5で示されるポルフィリン
化合物が挙げられる。
【0015】
【化4】
【0016】(ただし、式中R1 、R2 はアルキル基を
表す。このR1 、R2 は、炭素数1〜4のアルキル基で
あることが好ましく、プロピル基であることが望まし
い。)
【0017】
【化5】
【0018】〔ただし、式中A1 〜A4 、B1 〜B8
水素、フェニル基、アルキル基、シクロ環等の炭化水素
化合物を示す。あるいは、Bn 〜Bn+1 (n:1,3,5,7) が
6 4 で環状に結合していてもよい。Mは2個もしく
は4個のプロトン、または1個の金属原子(例えばZ
n、Mg、Al、Mn、Cu、Fe、Co、Ru等)で
ある。この金属原子は、ポルフィリン分子平面と垂直方
向に1もしくは2個の軸配位子を持つことが可能であ
る。〕
【0019】上記ポルフィリン化合物のうち、A1 〜A
4 がフェニル基で、Bn 〜Bn+1 (n:1,3,5,7) がC4
4 で環状に結合した化合物であるテトラフェニルテトラ
ベンゾポルフィン(化6に示す)が最も好ましい。
【0020】
【化6】
【0021】上記化5に示したポルフィリン化合物が4
00〜500nmの領域に強く鋭い吸収(ソーレー帯)
を有することは、文献(Inorganica Chemica Acta,182(1
991),p.83-86)などにも記されているが、この吸収帯を
用いた光記録媒体の報告例はない。本発明者らは鋭意検
討を重ね、ポルフィリン化合物のソーレー帯吸収が、青
色光記録に有用であるとの知見を得た。
【0022】したがって、有機色素として前記化5に示
すポルフィリン化合物を用いた光記録媒体は、高密度記
録が可能な青色レーザー記録に対応するものである。
【0023】一方、本発明において用いられる基体は、
通常の記録媒体に用いられているものが使用可能であ
り、例えば、ガラス、ポリカーボネート(PC)、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)等が挙げられる。反射層も、
通常の光記録媒体において用いられているものが使用可
能であり、例えば、アルミニウムの蒸着膜、金の蒸着膜
などが挙げられる。
【0024】また、本発明の光記録媒体においても、走
行特性、対光性、耐薬品性、耐磨耗性の向上のために、
潤滑層および保護層を設けても構わない。
【0025】
【作用】本発明の光記録媒体においては、再生光波長よ
りも短い波長の光で情報の記録を行うようにしているの
で、再生光の吸収によるピット破壊やラジカル発生によ
る記録材料の光劣化が生ずることがなく、繰り返し再生
を行っても再生特性が劣化することはない。
【0026】特に、有機色素を主体とする記録層の光学
定数や膜厚を適正な範囲に設定することで、変調度0.
6以上の記録再生特性が達成される。また、記録光波長
において優れた光吸収特性を示し、高感度であり、高速
記録再生が可能となり、例えばCDWOに適用すると、
倍速記録が可能となる。さらに、有機色素を選択するこ
とで、青色レーザーによる高密度記録に対応することも
可能であり、超解像と組み合わせ、さらなる高密度記録
を行なうことも可能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、実験結果をもとに詳細に説明する。なお、本発明
がこれらの実施例に限定されるものではないことは言う
までもない。
【0028】実験1:光学定数の検討 −実施例1− 先に化4で示したシアニン化合物(ただし、式中R1
2 はプロピル基)を記録層に適用した。このシアニン
化合物の波長780nmにおける複素屈折率を自記分光
光度計(商品名 U-3210 、日立計測器社製)を用いて測
定したところ、2.55-0.10iであった。また、波長680
nmにおける複素屈折率を測定したところ、実部は測定
不可能、虚部は-1.00iであった。本実施例においては、
このシアニン化合物を単独で記録層としたので、前記光
学定数が記録層の光学定数に相当する。
【0029】このシアニン化合物3gを3−ヒドロキシ
−3−メチル−2−ブタノン100gに超音波洗浄器を
用い十分に溶解した。そして、この溶液をポリカーボネ
ート基板上に2500rpmでスピンコートしたとこ
ろ、膜厚140nmの薄膜を得た。これを記録層とし、
得られた薄膜上に反射膜として金を約60nmの厚さに
真空蒸着した。
【0030】その後、直ちに紫外線硬化樹脂(商品名 S
D-17:大日本インキ化学社製)を1600rpmでスピ
ンコートし、2kW水銀燈を照射することにより硬化
し、目的とする光記録媒体を得た。
【0031】このようにして得られた光記録媒体に波長
680nmの半導体レーザーを用いてCD規格であるE
FM信号の倍速信号を回転数をCDの倍速にして記録し
た。記録パワーは8mWとした。この記録を行なった光
記録媒体をコンパクトディスク再生装置で再生したとこ
ろ、変調度0.61とCD規格を満たすことを確認し
た。また、同一領域を10時間連続再生しても変調度に変
化は認められなかった。
【0032】−実施例2− 先に化6に示した亜鉛テトラフェニルテトラベンゾポル
フィン錯体(ただし、式中のMはZn)を記録層に適用
した。この亜鉛テトラフェニルテトラベンゾポルフィン
錯体の波長532nmにおける複素屈折率を測定したと
ころ3.69-0.03iであった。また、波長488nmにおけ
る複素屈折率を測定したところ実部は測定不可能、虚部
は-1.98iであった。本実施例においても、この亜鉛テト
ラフェニルテトラベンゾポルフィン錯体を単独で記録層
としたので、前記光学定数が記録層の光学定数に相当す
る。
【0033】この亜鉛テトラフェニルテトラベンズポル
フィン錯体0.3gをクロロホルム5mlに溶解し、不
溶成分をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタ
ーにより濾過し、飽和溶液を得た。この溶液をクロロホ
ルムで3/4の濃度に希釈し、ガラス基板上に2500
rpmでスピンコートしたところ、膜厚110nmの薄
膜を得た。
【0034】得られた薄膜は、真空乾燥器により室温に
て約20時間真空乾燥を施し、記録層とした。さらに、
この薄膜(記録層)上にアルミニウム反射膜を約70n
mの厚さに真空蒸着した。その後直ちに紫外線硬化樹脂
(商品名 SD-17:大日本インキ化学社製)を1600r
pmでスピンコートし、2kW水銀燈を照射することに
より硬化し、目的とする光記録媒体を得た。
【0035】こうして得られた光記録媒体にアルゴン−
イオンレーザーを用いてピットの書き込みを行なった。
ピットの書き込みには、図4に示す書き込み装置を用い
た。この書き込み装置は、アルゴンレーザー5と凸レン
ズ6、7、音響光学変調器(AOM)8、絞り9、対物
レンズ10からなるもので、光記録媒体11へのレーザ
ー照射は基体側から行った。
【0036】上記書き込み装置において、アルゴンイオ
ンレーザー5にはLEXEL社製,商品名model 95-4
(CW488nm、1.3μmφ)を用いた。また、レ
ーザー光は、凸レンズ6、7により70μmφに絞り、
AOM(商品名model 3200-120: Crystal Technology
社製)を用いて50nsecのパルス波に変調した。試
料面へのレーザー照射は基体側から行なったが、このと
き絞り9、対物レンズ10を通し、光記録媒体11の反
射層面において0.6μmφ、10mWとなるように調
節した。
【0037】変調度は顕微分光光度計(商品名 model U
-6500 :日立計測器社製)の反射スペクトル測定モード
を用いて測定した。測定スポット径は1μmφとした。
アルゴンイオンレーザー照射前は、試料の波長532n
mにおける反射率は73%Rであり、照射後は26%R
であった。変調度は0.64であった。また、このアル
ゴンイオンレーザー照射後の試料にCWのYAGレーザ
ーを1mWで約30分連続照射したが、波長532nm
での反射率に変化は認められなかった。
【0038】−実施例3− 先に化6に示したテトラフェニルテトラベンゾポルフィ
ン(ただし、式中のMは2個のH)を記録層に適用し
た。この色素の波長532nmにおける複素屈折率を測
定したところ3.83-0.05iであった。また、波長488n
mにおける複素屈折率を測定したところ実部は測定不可
能、虚部は-1.65iであった。この色素を用い実施例2と
同様にして光記録媒体を作製した。記録層の膜厚は91
nmであった。
【0039】この光記録媒体を用いて実施例2と同様に
ピットの書き込み試験を行なった。波長532nmにお
ける反射率は、アルゴンイオンレーザー照射前が71%
Rであり、照射後が25%Rであった。変調度は0.6
5であった。また、このアルゴンイオンレーザー照射後
の試料にCWのYAGレーザーを1mWで約30分連続
照射したが、波長532nmでの反射率に変化は認めら
れなかった。
【0040】−比較例1− 実施例1と同様のシアニン化合物(先に化4で示した化
合物)に一重項酸素失活剤(商品名 IRG-003:日本化薬
社製)を重量比10:2で混合したものを記録層とし
た。記録層膜厚は120nmであった。
【0041】この記録層の波長780nmにおける複素
屈折率を測定したところ2.48-0.08iであった。また、波
長680nmにおける複素屈折率を測定したところ実部
は測定不可能、虚部は-0.95iであった。実施例1と同様
に試料を作製し、記録再生を行なったところ、変調度は
0.52であり、再生信号はCDの規格を満たさなかっ
た。さらに、同一領域を10時間連続再生したところ変
調度に変化は認められなかった。
【0042】−比較例2− 記録層に化7で示したチオフラビンTを用いた。この記
録層の複素屈折率は波長532nmで2.18-0.00i、波長
488nmで2.18-0.14iであった。実施例2と同様に試
料を作製し、膜厚75nmの記録層を有する記録媒体を
得た。
【0043】この記録媒体に実施例2と同様のピット書
き込み試験を行なった。波長532nmにおけるアルゴ
ンレーザー照射前の反射率は85%R、照射後の反射率
は82%Rであり、変調度0.04と、ほとんど変調さ
れなかった。また、このアルゴンイオンレーザー照射後
の試料にCWのYAGレーザーを1mWで約30分連続
照射したが、波長532nmでの反射率に変化は認めら
れなかった。
【0044】
【化7】
【0045】−比較例3− 記録層に化8で示したシアニン色素(商品名 NK-1045:
日本感光色素社製)を用いた。この記録層の複素屈折率
は波長532nmで3.20-0.00i、波長488nmで虚部
が-0.95iであった。実施例2と同様に試料を作製し、膜
厚120nmの記録層を有する記録媒体を得た。
【0046】この記録媒体に実施例2と同様にピットの
書き込み実験を行なった。波長532nmにおけるアル
ゴンレーザ照射前の反射率は73%R、照射後の反射率
は33%Rであった。変調度は0.55であった。ま
た、このアルゴンイオンレーザー照射後の試料にCWの
YAGレーザーを1mWで約30分連続照射したが、波
長532nmでの反射率に変化は認められなかった。
【0047】
【化8】
【0048】−比較例4− 記録層に化9で示したスチリル色素(商品名 DCM:日本
感光色素社製)を用いた。この色素の複素屈折率は波長
532nmで2.68-0.18i、波長488nmで虚部が-1.8
4iであった。実施例2と同様に試料を作製し、膜厚10
0nmの記録層を有する記録媒体を得た。
【0049】
【化9】
【0050】この記録媒体に実施例2と同様にピットの
書き込み実験を行なった。波長532nmにおけるアル
ゴンレーザ照射前の反射率は71%R、照射後の反射率
は28%Rであった。変調度は0.61であった。ま
た、このアルゴンイオンレーザー照射後の試料にCWの
YAGレーザーを1mWで約30分連続照射したとこ
ろ、波長532nmでの反射率はアルゴンレーザー非照
射部が62%R、アルゴンレーザー照射部が28%Rと
なり、変調度が0.55と0.60以下になってしまっ
た。
【0051】−比較例5− 記録層に化10で示したスチリル色素(商品名NK-557:
日本感光色素社製)を用いた。この色素の複素屈折率は
波長532nmで2.25-0.14i、波長488nmで虚部が
-1.34iであった。実施例2と同様に試料を作製し、膜厚
93nmの記録層を有する記録媒体を得た。
【0052】
【化10】
【0053】この記録媒体に実施例2と同様にピットの
書き込み実験を行なった。波長532nmにおけるアル
ゴンレーザ照射前の反射率は73%R、照射後の反射率
は31%Rであった。変調度は0.58であった。ま
た、このアルゴンイオンレーザー照射後の試料にCWの
YAGレーザーを1mWで約30分連続照射したとこ
ろ、波長532nmでの反射率はアルゴンレーザー非照
射部が68%R、アルゴンレーザー照射部が32%Rと
なり、変調度が0.53とさらに低下してしまった。
【0054】以上の実験結果をまとめたものが表1であ
る。また、この実験結果を光学定数と変調度の関係とし
て図示したのが図2及び図3である。
【0055】
【表1】
【0056】これら図2及び図3において、斜線を付し
た領域が本発明において規定した領域であり、再生光波
長における複素屈折率の実部、虚部、さらには記録光波
長における複素屈折率の虚部の値を適正な値とすること
で、高い変調度を確保することができ、再生光波長と記
録光波長が異なる場合にも情報の良好な記録が可能であ
ることがわかる。
【0057】実験2:記録層の膜厚の検討 −実施例4− 先の実施例2と同様、化6に示した亜鉛テトラフェニル
テトラベンゾポルフィン錯体を記録層に適用した。
【0058】この亜鉛テトラフェニルテトラベンズポル
フィン錯体0.3gをクロロホルム5mlに溶解し、不
溶成分をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタ
ーにより濾過し、飽和溶液を得た。この溶液をクロロホ
ルムで体積比0.90に希釈し、ガラス基板に30秒
間、1000rpmでスピンコートした。生成した膜
(これを記録層とする)の一部をカッターナイフで削り
取り、そこに生じた段差を触針式膜厚計(商品名α-STE
P :東京インスツルメンツ社製)により5ヶ所測定した
ところ、記録層の膜厚は252.8±5.4nmであっ
た。
【0059】得られた薄膜は真空乾燥器により室温にて
約20時間真空乾燥を施した。さらに、薄膜上にアルミ
ニウム反射膜を約70nmの厚さに真空蒸着した。その
後直ちに紫外線硬化樹脂(商品名 SD-17:大日本インキ
化学社製)を1600rpmでスピンコートし、2kW
水銀燈の照射により硬化し、目的とする光記録媒体を得
た。
【0060】こうして得られた光記録媒体に、先の実施
例2と同様、図4に示すような書き込み装置を用いて、
ピットの書き込みを行なった。変調度を先の実施例2と
同様、顕微分光光度計を用いて測定したところ、アルゴ
ンイオンレーザー照射前は試料の532nmにおける反
射率は70.0%Rであり、照射後は27.9%Rであ
った。変調度は0.60であった。
【0061】−実施例5〜21,比較例6〜7− 実施例4と同様にして光記録媒体を得た。ただし、亜鉛
テトラフェニルテトラベンゾポルフィンの希釈率および
同溶液のスピンコート時の回転数を表2の様に設定し
た。
【0062】得られた光記録媒体の記録層の膜厚、レー
ザー照射前の反射率、レーザー照射後の反射率変調度も
合わせて表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】また、この表2に示すデータを図示したも
のが図5である。これら表2及び図5を見ると、変調度
は膜厚に依存しており、特に記録層の膜厚方向に入る再
生光の波の周期が1.75以下、すなわち波数ρが1.
75以下となるように膜厚を設定することにより、高い
変調度が達成されており、これを越える膜厚に設定する
と変調度が低下する傾向にある。
【0065】したがって、波数ρが1.75以下(言い
換えれば、再生光波長をλとしたときに1.75λ/n
以下)になるような膜厚に設定すれば、変調度が0.6
以上である情報の良好な記録が可能となる。
【0066】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、記録光の波長と再生光の波長が異なるの
で、繰り返し再生を行っても再生特性が劣化することの
ない光記録媒体を提供することが可能である。また、特
に、有機色素を主体とする記録層の光学定数や膜厚を適
正な範囲に設定することで、変調度0.6以上の記録再
生特性を達成することができ、高感度で高速記録再生が
可能な光記録媒体を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光記録媒体の一構成例を一部
破断して示す概略斜視図である。
【図2】再生光波長における複素屈折率の虚部の相違に
よる変調度変化を示す特性図である。
【図3】再生光波長における複素屈折率の実部と記録光
波長における複素屈折率の虚部の相違による変調度の相
違を示す特性図である。
【図4】ピットの書き込み装置の構成を示す模式図であ
る。
【図5】記録層の膜厚と反射率、変調度の関係を示す特
性図である。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・記録層 3・・・反射層 4・・・保護層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に光学的に情報の記録及び再生が
    可能な記録層が形成されてなり、再生光波長より短波長
    の光で情報の記録が行われることを特徴とする光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 記録層の膜厚dが再生光波長をλ、再生
    光波長における記録層の複素屈折率の実部をnとしたと
    きに、d≦1.75λ/nなる範囲に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録層が有機色素を主体とする記録層で
    あることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層の再生光波長における複素屈折率
    の実部が2.55以上であることを特徴とする請求項3
    記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 記録層の再生光波長における複素屈折率
    の虚部の絶対値が0.1以下であることを特徴とする請
    求項3記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録層の記録光波長における複素屈折率
    の虚部の絶対値が1.0以上であることを特徴とする請
    求項3記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 有機色素が下記の化1で示されるシアニ
    ン化合物であることを特徴とする請求項3記載の光記録
    媒体。 【化1】 (ただし、式中R1 、R2 はアルキル基を表す。)
  8. 【請求項8】 有機色素が下記の化2で示されるポルフ
    ィリン化合物であることを特徴とする請求項3記載の光
    記録媒体。 【化2】 〔ただし、式中A1 〜A4 、B1 〜B8 は水素、フェニ
    ル基、アルキル基、シクロ環等の炭化水素化合物を示
    す。あるいは、Bn 〜Bn+1 (n:1,3,5,7) がC4 4
    環状に結合していてもよい。Mは2個もしくは4個のプ
    ロトン、または1個の金属原子である。〕
  9. 【請求項9】 有機色素が下記の化3で示されるテトラ
    フェニルテトラベンゾポルフィンであることを特徴とす
    る請求項8記載の光記録媒体。 【化3】 (ただし、式中Mは2個もしくは4個のプロトン、また
    は1個の金属原子を表す。)
  10. 【請求項10】 テトラフェニルテトラベンゾポルフィ
    ンが亜鉛錯体であることを特徴とする請求項9記載の光
    記録媒体。
JP5082109A 1993-04-08 1993-04-08 光記録媒体 Pending JPH06295469A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5082109A JPH06295469A (ja) 1993-04-08 1993-04-08 光記録媒体
US08/506,456 US5486437A (en) 1993-04-08 1995-07-24 Optical recording method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5082109A JPH06295469A (ja) 1993-04-08 1993-04-08 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06295469A true JPH06295469A (ja) 1994-10-21

Family

ID=13765242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5082109A Pending JPH06295469A (ja) 1993-04-08 1993-04-08 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06295469A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1086517A (ja) * 1996-09-19 1998-04-07 Konica Corp 金属錯体メチン色素を用いた光記録媒体及び記録方法
US6905749B2 (en) 2002-11-11 2005-06-14 Tdk Corporation Optical recording disk, method for making and using the same
US6926943B2 (en) 2000-04-04 2005-08-09 Bayer Aktiengesellschaft Use of light-absorbing compounds in the information layer of optical data carriers, and optical data carriers
US7247417B2 (en) 2002-09-11 2007-07-24 Tdk Corporation Optical recording medium and optical recording/reproducing method
US7672217B2 (en) 2002-09-11 2010-03-02 Tdk Corporation Optical recording medium and optical recording/reproducing method

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1086517A (ja) * 1996-09-19 1998-04-07 Konica Corp 金属錯体メチン色素を用いた光記録媒体及び記録方法
US6926943B2 (en) 2000-04-04 2005-08-09 Bayer Aktiengesellschaft Use of light-absorbing compounds in the information layer of optical data carriers, and optical data carriers
US7247417B2 (en) 2002-09-11 2007-07-24 Tdk Corporation Optical recording medium and optical recording/reproducing method
US7672217B2 (en) 2002-09-11 2010-03-02 Tdk Corporation Optical recording medium and optical recording/reproducing method
US6905749B2 (en) 2002-11-11 2005-06-14 Tdk Corporation Optical recording disk, method for making and using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3451752B2 (ja) 光記録媒体
US5696758A (en) Optical recording media
US5486437A (en) Optical recording method
JPS58125246A (ja) レ−ザ記録媒体
KR950013391B1 (ko) 광기록매체 및 기록 방법
JPS6290291A (ja) 光記録媒体
JPH1058828A (ja) 光記録媒体
JPH06295469A (ja) 光記録媒体
JP2763263B2 (ja) 光記録媒体
JP3451714B2 (ja) 光記録媒体及び光記録再生装置。
JPS59202892A (ja) 光学的情報記録媒体
JP3704230B2 (ja) 光記録媒体
JPH074982B2 (ja) 光情報記録媒体
Matsui Optical recording systems
JP4076293B2 (ja) 光学記録媒体
JP3654398B2 (ja) 光記録媒体
JP3257470B2 (ja) 光記録媒体
JP3088501B2 (ja) 情報記録媒体
JP3088510B2 (ja) 情報記録媒体
JPH074975B2 (ja) 光情報記録媒体
JPH01253479A (ja) 光記録媒体
JPH08235637A (ja) 光記録媒体
JPH05217209A (ja) 光記録媒体における基板反射層用材料
JPS6362794A (ja) 光記録媒体
JPH04259593A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030513