JPH05217209A - 光記録媒体における基板反射層用材料 - Google Patents

光記録媒体における基板反射層用材料

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JPH05217209A
JPH05217209A JP4103399A JP10339992A JPH05217209A JP H05217209 A JPH05217209 A JP H05217209A JP 4103399 A JP4103399 A JP 4103399A JP 10339992 A JP10339992 A JP 10339992A JP H05217209 A JPH05217209 A JP H05217209A
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substrate
layer
reflection layer
recording
substrate reflection
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JP4103399A
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Inventor
Jun Taketazu
潤 竹田津
Atsushi Kuwano
敦司 桑野
Itsuo Watanabe
伊津夫 渡辺
Mitsuo Yamada
三男 山田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光記録媒体において高い反射率を可能にし、波
長830nm以上の光の照射により劣化しない基板反射
層用材料を提供する。 【構成】少なくとも基板、その上に形成される基板反射
層及び記録層を含む光記録媒体における基板反射層に使
用され、下記化1〔一般式(I)〕又は下記化2〔一般
式(II)〕で示される化合物からなる基板反射層用材
料。 【化1】 【化2】 ただし、一般式(I)及び一般式(II)において、
1、R2、R3及びR4は炭素原子数1〜3のアルキル基
を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、R5
びR6は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、これら
は同一でも異なっていてもよく、X-は対アニオンを表
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体において高
い反射率を可能にし、波長830nm以上の光の照射に
より劣化しない基板反射層用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度記録が可能な光ディスクは、将
来、記録メディアの主流となることが予想されており、
既に再生専用形光ディスクはオーディオ分野で大きな市
場を形成している。また、情報の記録が可能な追記形光
ディスク並びに情報の記録及び消去が可能な書換え形光
ディスクも研究開発が行われている。中でも、記録材料
にTe系または有機色素を用い、ピット形成方式で記録
する追記形光ディスク及び記録材料にTbFeCo系、
希土類系等を用いた光磁気方式の書換え形光ディスクが
既に実用化されている。
【0003】光ディスクの多くは、基板上に直接記録層
が形成されたものであるが、このような光ディスクは、
記録層に用いる記録材料の光学定数、膜厚、製膜性等に
起因して、トラッキングサーボを行うために必要なプッ
シュプル信号特性が得られない場合がある。例えば、基
板と記録層の複素屈折率差が小さく、記録層と空気また
は記録層とその上に積層した層(例えば、反射層、保護
層)との複素屈折率の差が大きい場合、プッシュプル信
号が得られにくい。また、記録材料の製膜性が悪い場
合、膜の微小な荒れ等によりノイズが高くなったり、ト
ラッキングがはずれるという問題も生じる。従って、基
板上に直接記録層を形成すると特性が劣る場合がある。
このような場合、基板と異なる屈折率を有し、かつ製膜
性の良好な材料を、基板と記録層の間に基板反射層とし
て形成させることが有効となる。これにより、トラッキ
ングサーボに必要なプッシュプル信号を良好に検出し、
かつ低ノイズ化を図ることができる。
【0004】このような基板反射層としては、使用する
光源の波長域で屈折率が基板と大きく異なるものが好ま
しく、例えば、特開平1−276443号公報ではA
u、Ag、Cu等の金属からなる基板反射層を有する光
ディスクが開示されている。しかしながら、これらの金
属は、基板反射層用材料として光の透過性と反射性のバ
ランスが悪い。すなわち、十分な反射率を得るために膜
厚を大きくすると透過率が低下し、逆に十分な透過率を
得るために膜厚を小さくすると反射率が低下する。ま
た、無機材料は製膜に真空蒸着法、スパッタリング法等
の真空プロセスを必要とするためにコストがかかる問題
を有している。
【0005】特開平2−11385号公報では、有機赤
外染料からなる基板反射層を有する光ディスクが開示さ
れているが、有機赤外染料の具体的な構造が明記されて
おらず実現の可能性は非常に不明瞭である。現在、数多
くの有機色素があるが、色素によっては要求される特性
を満たしていないものもあり、全ての色素が基板反射層
用材料として使用できるものではない。例えば、基板と
の屈折率差が小さい有機色素を用いると、基板と基板反
射層界面で充分な反射率が得られない。また、記録、再
生又は消去に使用する光を吸収する有機色素では、記録
時、再生時又は消去時の光照射による色素の光劣化又は
熱劣化により、安定なトラッキングサーボを行うことが
できないという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、分子構
造中に含まれるメチン基の数が異なるシアニン系色素に
着目し、メチン基が5つで、かつ、含窒素複素環に特定
の置換基を有するジカルボシアニン系色素が基板反射層
用材料として優れた特性を有することを見いだし、本発
明を完成するに至った。本発明は、この知見に基づき、
波長830nm以上のレーザを用いて光記録や消去を行
う光ディスクにおいて、記録層の膜厚を任意に設定で
き、かつ、安定なトラッキングサーボを可能にする基板
反射層用材料を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における基板反射
層用材料は、少なくとも基板、その上に形成される基板
反射層及び記録層を含む光記録媒体における基板反射層
に使用され、下記化3〔一般式(I)〕
【化3】 〔ただし、一般式(I)中、R1、R2、R3及びR4は炭
素原子数1〜3のアルキル基を表し、これらは同一でも
異なっていてもよく、R5及びR6は炭素原子数1〜8の
アルキル基を表し、これらは同一でも異なっていてもよ
く、X-は対アニオンを表す〕で示される化合物又は化
4〔一般式(II)〕
【化4】 〔ただし、一般式(II)中、R1、R2、R3及びR4は炭
素原子数1〜3のアルキル基を表し、これらは同一でも
異なっていてもよく、R5及びR6は炭素原子数1〜8の
アルキル基を表し、これらは同一でも異なっていてもよ
く、X-は対アニオンを表す〕で示される化合物からな
るものである。
【0008】前記一般式(I)及び一般式(II)におい
て、R1、R2、R3及びR4のアルキル基はメチル基、エ
チル基又はプロピル基であり、R5及びR6のアルキル基
はメチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、iso-
ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等であり、またX-
はBF4 -、PF6 -、ClO4 -、Cl-、Br-、I-等で
ある。
【0009】前記基板反射層用材料は、使用する光源の
波長、特に830nmの波長で消衰係数が0又はほぼ0
である。その屈折率は、基板の屈折率と0.4以上異な
るものであるのが好ましい。本発明の基板反射層用材料
には、安定性向上、耐光性向上等のため必要に応じてジ
チオール系ニッケル錯体等の遷移金属キレート化合物な
どの一重項酸素クエンチャーを混合してもよい。
【0010】図面を用いて、本発明における基板反射層
用材料の適用例を説明する。図1は、本発明における基
板反射層用材料を用いた光ディスクの構造の一例を示す
断面図である。図1中、基板1上に基板反射層2、次い
で記録層3が積層されている。この光ディスクにおい
て、光は基板側から照射される。
【0011】基板1にはトラッキングサーボのためのグ
ルーブ4が直接形成されているが、これはピットであっ
てもよい。また、基板1にグルーブを直接形成せず、基
板上にグルーブ形成層が積層されていてもよい。グルー
ブは、単純グルーブであってもよく、グルーブ内にフォ
ーマット信号に対応したピットが形成されていてもよ
い。このフォーマット信号に対応したピットは基板のラ
ンド部に形成されていてもよい。また、トラッキングサ
ーボのためにグルーブの代りにピットを形成するとき
は、さらに、フォーマット信号に対応したピットを含ん
でいてもよい。前記基板1は、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂等の
合成樹脂、ガラス等の材質からなるものがある。
【0012】前記基板反射層2は、前記クエンチャーを
必要により混合された前記基板反射層用材料をスピンコ
ート法、ディップ法等を利用して形成することができ、
真空蒸着法を利用することもできる。
【0013】前記記録層3に用いられる材料は、光照射
による光子エネルギや発生する熱エネルギにより何らか
の光学的変化を生じるものであれば特に限定するもので
はなく、追記形材料であっても書換え形材料であっても
よい。このような材料としては、例えば、色変化、相変
化、ピット形成、形状変化等に起因して反射率または透
過率変化を起こすもの等が挙げられる。さらに、具体的
には、色変化するものとしてはスピロピラン系化合物、
フルギド系化合物等のフォトクロミック化合物、フォト
クロミック化合物を高分子化合物中に分散させたもの、
側鎖にフォトクロミック基を有するもの等があり、相変
化するものとして高分子化合物のブレンド物、高分子液
晶等があり、ピットを形成するものとしてフタロシアニ
ン系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素等
の有機色素、このような有機色素を分散させた高分子化
合物等があり、形状変化するものとして形状記憶樹脂、
ポリウレタン等の熱膨張及び収縮が可能な材料からなる
膨張層とエポキシ樹脂等の熱変形が可能でガラス転移点
が高い樹脂からなる保持層の二層構造からなるもの等が
ある。記録層3はスピンコート法、ディップ法、真空蒸
着法等を利用して形成することができる。
【0014】さらに、記録層3をスピンコート法やディ
ップ法等により積層するときに基板反射層2が記録材料
の溶媒に侵される場合は、基板反射層2の上にSi
2、Al23、TiO2等の無機薄膜を形成させるか、
基板反射層2が侵されない溶媒に溶解した熱硬化性樹脂
または光硬化性樹脂を基板反射層2の上に製膜後、熱ま
たは光により3次元架橋硬化させ、この上に記録層3を
積層することができる。上記熱硬化性樹脂または光硬化
性樹脂は光透過性が優れるものが好ましい。記録層3が
形状変化するものであるときは、基板反射層2と記録層
3の間にシりコーンゴム等の光透過性であって弾性を有
する材料からなる緩衝層を積層してもよい。さらに、同
様の緩衝層、反射層及び/又は保護層が記録層3の上に
積層されていてもよい。
【0015】以上の光ディスクの各層は、使用する材料
の光学定数及びプッシュプル信号を考慮して、膜厚を最
適化する条件下に積層される。
【0016】
【実施例】次に、本発明の基板反射層用材料の一例の光
学定数(屈折率及び消衰係数)と、この基板反射層用材
料を用いて作製した光ディスクの特性評価の実施例を示
すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】実施例1 下記化5
【化5】 で表される構造式の化合物1重量部を2,2,3,3−
テトラフルオロ−1−プロパノール149重量部に溶解
し、この溶液をスライドガラス基板上にスピンコートに
より塗布製膜し、厚さ40nmの基板反射層を形成させ
た。この基板反射層を有するガラス基板を用いて種々の
波長で反射率及び透過率を測定し、これらの結果から基
板反射層(色素薄膜)の消衰係数及び屈折率を求めた。
これらの結果を消衰係数及び屈折率の波長依存性として
図2に示す。また、上記で得られた基板反射層を有する
ガラス基板を用いて測定した反射スペクトル(アルミニ
ウム相対値)を図3に示す。波長830nmにおいて、
この基板反射層の消衰係数は0、屈折率は2.45であ
り、基板側からの入射に対する反射率は27%(アルミ
ニウム相対値)であった。
【0018】また、前記色素1重量部を前記溶媒128
重量部に溶解し、この溶液を、直径120mmのポリカ
ーボネート製グルーブ付きディスク基板(出光石油化学
株式会社製)上にスピンコートにより塗布製膜し、基板
反射層を積層したディスクを作製した。波長830nm
の半導体レーザを搭載した光記録特性評価装置〔OMS
2000、ナカミチ株式会社商品名、この装置はレ−ザ
光をディスクの基板側から照射するようになっている〕
により、この基板反射層を有するディスクにレーザ光を
レーザパワー15mW、周波数1MHz及びディスクの
回転速度3m/sで照射したところC/Nは0であっ
た。すなわち、レーザ光の照射により上記基板反射層が
劣化されないことがわかった。
【0019】実施例2 実施例1で使用した同じ色素(波長830nmにおい
て、屈折率2.45及び消衰係数0)1重量部を2,
2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール124
重量部に溶解し、この溶液を、直径120mmのポリカ
ーボネート製グルーブ付きディスク基板(出光石油化学
株式会社製)上にスピンコートにより塗布製膜し基板反
射層を形成させた。次いで、光硬化性シリコーン樹脂
(TUV6000、東芝シリコーン株式会社商品名)1
0重量部をn−オクタン51重量部に溶解し、この溶液
を、前記基板反射層を形成させた基板上にスピンコート
により塗布製膜した。さらに、この基板に紫外線を照射
してシリコーンゴムの層を形成した。次に、ポリスチレ
ンとtrans−1,4−ポリブタジエンのブロック共重合
体(アスマー、旭化成工業株式会社商品名)10重量
部、ビス(トリエチルシロキシ)シリコン−テトラキス
(デシルチオ)ナフタロシアニン1重量部をトルエン3
20重量部に溶解させ均一溶液とした。前記基板上に形
成したシリコーンゴムの層の上に、この溶液をスピンコ
ートにより塗布製膜して厚さ約300nmの記録層を形
成し、光ディスクを作製した。
【0020】実施例1と同じ光記録特性評価装置によ
り、上記で作製した光ディスクに1mWのレーザパワー
でトラッキングサーボを試みたところ、波形及び信号強
度に優れた良好なプッシュプル信号が得られ、安定なト
ラッキングサーボを行うことができた。この光ディスク
に、回転速度3m/s、周波数1MHz、デューティ5
0%でレーザパワーを変えて記録を行ったところ、C/
Nは記録パワー依存性を示しレーザパワー6mWで40
dBが得られた。次に消去は、回転速度3m/sで、記
録したトラック全周を2mWのレーザ光で照射した。C
/Nは減少し、消去比は20dBを示した。さらに、再
記録パワー6mWでC/Nは40dBを示した。このよ
うな記録特性及び消去特性は繰り返し測定することが可
能であった。すなわち、トラッキングサーボが安定して
いるので、良好な記録及び消去を繰返し行うことができ
た。
【0021】実施例3 下記化6
【化6】 で表される構造式の化合物1重量部を2,2,3,3−
テトラフルオロ−1−プロパノール149重量部に溶解
し、この溶液をスライドガラス基板上にスピンコートに
より塗布製膜し、厚さ30nmの基板反射層を形成させ
た。この基板反射層を有するガラス基板を用いて種々の
波長で反射率及び透過率を測定し、これらの結果から基
板反射層(色素薄膜)の消衰係数及び屈折率を求めた。
これらの結果を消衰係数及び屈折率の波長依存性として
図4に示す。また、上記で得られた基板反射層を有する
ガラス基板を用いて測定した反射スペクトル(アルミニ
ウム相対値)を図5に示す。波長830nmにおいて、
この基板反射層の消衰係数は0、屈折率は2.75であ
り、基板側からの入射に対する反射率は27%(アルミ
ニウム相対値)であった。
【0022】また、前記色素1重量部を前記溶媒124
重量部に溶解し、この溶液を、直径120mmのポリカ
ーボネート製グルーブ付きディスク基板(出光石油化学
株式会社製)上にスピンコートにより塗布製膜し、基板
反射層を積層したディスクを作製した。波長830nm
の半導体レーザを搭載した光記録特性評価装置〔OMS
2000、ナカミチ株式会社商品名、この装置はレ−ザ
光を基板側から照射するようになっている〕により、こ
の基板反射層を有するディスクにレーザ光をレーザパワ
ー15mW、周波数1MHz及びディスクの回転速度3
m/sで照射したところC/Nは0であった。すなわ
ち、レーザ光の照射により上記基板反射層が劣化されな
いことがわかった。
【0023】実施例4 実施例3で使用した同じ色素(波長830nmにおい
て、屈折率2.75及び消衰係数0)1重量部を2,
2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール124
重量部に溶解し、この溶液を、直径120mmのポリカ
ーボネート製グルーブ付きディスク基板(出光石油化学
株式会社製)上にスピンコートにより塗布製膜し基板反
射層を形成させた。次いで、光硬化性シリコーン樹脂
(TUV6000、東芝シリコーン株式会社商品名)1
0重量部をn−オクタン51重量部に溶解し、この溶液
を、前記基板反射層を形成させた基板上にスピンコート
により塗布製膜した。さらに、この基板に紫外線を照射
してシリコーンゴムの層を形成した。次に、ポリスチレ
ンとtrans−1,4−ポリブタジエンのブロック共重合
体(アスマー、旭化成工業株式会社商品名)10重量
部、ビス(トリエチルシロキシ)シリコン−テトラキス
(デシルチオ)ナフタロシアニン1重量部をトルエン3
20重量部に溶解させ均一溶液とした。前記基板上に形
成したシリコーンゴムの層の上に、この溶液をスピンコ
ートにより塗布製膜して厚さ約300nmの記録層を形
成し、光ディスクを作製した。
【0024】実施例1と同じ光記録特性評価装置によ
り、上記で作製した光ディスクに1mWのレーザパワー
でトラッキングサーボを試みたところ、波形及び信号強
度に優れた良好なプッシュプル信号が得られ、安定なト
ラッキングサーボを行うことができた。この光ディスク
に、回転速度3m/s、周波数1MHz、デューティ5
0%でレーザパワーを変えて記録を行ったところ、C/
Nは記録パワー依存性を示しレーザパワー6mWで40
dBが得られた。次に消去は、回転速度3m/sで、記
録したトラック全周を2mWのレーザ光で照射した。C
/Nは減少し、消去比は20dBを示した。さらに、再
記録パワー6mWでC/Nは40dBを示した。このよ
うな記録特性及び消去特性は繰り返し測定することが可
能であった。すなわち、トラッキングサーボが安定して
いるので、良好な記録及び消去を繰返し行うことができ
た。
【0025】実施例5 下記化7
【化7】 で表される構造式の化合物1重量部を2,2,3,3−
テトラフルオロ−1−プロパノール149重量部に溶解
し、この溶液をスライドガラス基板上にスピンコートに
より塗布製膜し、厚さ65nmの基板反射層を形成させ
た。この基板反射層を有するガラス基板を用いて種々の
波長で反射率及び透過率を測定し、これらの結果から基
板反射層(色素薄膜)の消衰係数及び屈折率を求めた。
これらの結果を消衰係数及び屈折率の波長依存性として
図6に示す。また、上記で得られた基板反射層を有する
ガラス基板を用いて測定した反射スペクトル(アルミニ
ウム相対値)を図7に示す。波長830nmにおいて、
この基板反射層の消衰係数は0、屈折率は2.2であ
り、基板側からの入射に対する反射率は37%(アルミ
ニウム相対値)であった。
【0026】また、前記色素1重量部を前記溶媒124
重量部に溶解し、この溶液を、直径120mmのポリカ
ーボネート製グルーブ付きディスク基板(出光石油化学
株式会社製)上にスピンコートにより塗布製膜し、基板
反射層を積層したディスクを作製した。波長830nm
の半導体レーザを搭載した光記録特性評価装置〔OMS
2000、ナカミチ株式会社商品名、この装置はレ−ザ
光を基板側から照射するようになっている〕により、こ
の基板反射層を有するディスクにレーザ光をレーザパワ
ー15mW、周波数1MHz及びディスクの回転速度3
m/sで照射したところC/Nは0であった。すなわ
ち、レーザ光の照射により上記基板反射層が劣化されな
いことがわかった。
【0027】実施例6 実施例5で使用した同じ色素(波長830nmにおい
て、屈折率2.2及び消衰係数0)1重量部を2,2,
3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール124重量
部に溶解し、この溶液を、直径120mmのポリカーボ
ネート製グルーブ付きディスク基板(出光石油化学株式
会社製)上にスピンコートにより塗布製膜し基板反射層
を形成させた。次いで、光硬化性シリコーン樹脂(TU
V6000、東芝シリコーン株式会社商品名)10重量
部をn−オクタン51重量部に溶解し、この溶液を、前
記基板反射層を形成させた基板上にスピンコートにより
塗布製膜した。さらに、この基板に紫外線を照射してシ
リコーンゴムの層を形成した。次に、ポリスチレンとtr
ans−1,4−ポリブタジエンのブロック共重合体(ア
スマー、旭化成工業株式会社商品名)10重量部、ビス
(トリエチルシロキシ)シリコン−テトラキス(デシル
チオ)ナフタロシアニン1重量部をトルエン320重量
部に溶解させ均一溶液とした。前記基板上に形成したシ
リコーンゴムの層の上に、この溶液をスピンコートによ
り塗布製膜して厚さ約300nmの記録層を形成し、光
ディスクを作製した。
【0028】実施例1と同じ光記録特性評価装置によ
り、上記で作製した光ディスクに1mWのレーザパワー
でトラッキングサーボを試みたところ、波形及び信号強
度に優れた良好なプッシュプル信号が得られ、安定なト
ラッキングサーボを行うことができた。この光ディスク
に、回転速度3m/s、周波数1MHz、デューティ5
0%でレーザパワーを変えて記録を行ったところ、C/
Nは記録パワー依存性を示しレーザパワー6mWで40
dBが得られた。次に消去は、回転速度3m/sで、記
録したトラック全周を2mWのレーザ光で照射した。C
/Nは減少し、消去比は20dBを示した。さらに、再
記録パワー6mWでC/Nは40dBを示した。このよ
うな記録特性及び消去特性は繰り返し測定することが可
能であった。すなわち、トラッキングサーボが安定して
いるので、良好な記録及び消去を繰返し行うことができ
た。
【0029】比較例1 下記化8
【化8】 で表される構造式の化合物を、実施例1と同じ条件下で
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに
溶解し、色素薄膜を有するスライドガラス基板及び色素
薄膜を有するディスクを作製した。
【0030】上記の色素薄膜を有するガラス基板を用い
て反射率及び透過率を測定し、これらの結果から、上記
色素薄膜の消衰係数及び屈折率を求めた。これらの結果
を消衰係数及び屈折率の波長依存性として図8に示す。
波長830nmにおいて、上記色素薄膜の消衰係数は
1.05であった。実施例1で用いたのと同じ光記録特
性評価装置をもちいて、上記の色素薄膜を有するディス
クにレーザ光をレーザパワー10mW、周波数1MHz
及びディスクの回転速度3m/sで照射したところC/
Nが45dBであった。記録部を電子顕微鏡で観察した
ところ、明瞭なピットが形成されており、レーザ光照射
により、上記色素薄膜が劣化していることがわかった。
【0031】比較例2 実施例2において、ポリカーボネート基板の代わりに直
径130mmのグルーブ付きガラス基板を用いること以
外実施例2に従って基板と記録層からなる光ディスクを
作製した。この光ディスクを実施例1で用いたのと同じ
光記録特性評価装置により評価したところ、プッシュプ
ル信号は検出されず、トラッキングサーボを行うことが
できなかった。
【0032】
【発明の効果】請求項1における基板反射層用材料の膜
は、使用する830nm以上のレーザ波長域に吸収がな
く、基板上に積層することにより高反射率を示し、これ
を基板上に有している光ディスクに良好なプッシュプル
信号特性を付与し、トラッキングサーボの優れた光ディ
スクを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における基板反射層用材料を用いて作製
した光ディスクの一例を示す断面図である。
【図2】実施例1において作製した基板反射層の屈折率
及び消衰係数の波長依存性を示すグラフである。
【図3】実施例1において作製した基板反射層を積層し
た基板の反射スペクトルである。
【図4】実施例3において作製した基板反射層の屈折率
及び消衰係数の波長依存性を示すグラフである。
【図5】実施例3において作製した基板反射層を積層し
た基板の反射スペクトルである。
【図6】実施例5において作製した基板反射層の屈折率
及び消衰係数の波長依存性を示すグラフである。
【図7】実施例5において作製した基板反射層を積層し
た基板の反射スペクトルである。
【図8】比較例1において作製した基板反射層の屈折率
及び消衰係数の波長依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・基板反射層、3・・・記録層、
4・・・グルーブ、5、7、9、11・・・屈折率曲
線、6、8、10、12・・・消衰係数曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 三男 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業株 式会社筑波開発研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基板、その上に形成される基板
    反射層及び記録層を含む光記録媒体における基板反射層
    に使用され、化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、R1、R2、R3及びR4は炭
    素原子数1〜3のアルキル基を表し、これらは同一でも
    異なっていてもよく、R5及びR6は炭素原子数1〜8の
    アルキル基を表し、これらは同一でも異なっていてもよ
    く、X-は対アニオンを表す〕で示される化合物又は化
    2〔一般式(II)〕 【化2】 〔ただし、一般式(II)中、R1、R2、R3及びR4は炭
    素原子数1〜3のアルキル基を表し、これらは同一でも
    異なっていてもよく、R5及びR6は炭素原子数1〜8の
    アルキル基を表し、これらは同一でも異なっていてもよ
    く、X-は対アニオンを表す〕で示される化合物からな
    る基板反射層用材料。
JP4103399A 1991-12-09 1992-04-23 光記録媒体における基板反射層用材料 Pending JPH05217209A (ja)

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