JPH06294797A - デルタアミノレブリン酸類の微量定量法 - Google Patents

デルタアミノレブリン酸類の微量定量法

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JPH06294797A
JPH06294797A JP12223792A JP12223792A JPH06294797A JP H06294797 A JPH06294797 A JP H06294797A JP 12223792 A JP12223792 A JP 12223792A JP 12223792 A JP12223792 A JP 12223792A JP H06294797 A JPH06294797 A JP H06294797A
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deltaaminolevulinic
acid
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acids
aminoketones
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JP12223792A
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English (en)
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Tetsuichi Shibata
柴田徹一
Mitsuhiro Nanzaki
南崎光宏
Takayuki Tezuka
手塚隆之
Kazuyuki Ozaki
尾崎和行
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N O K Ii G & G Oputo Electron
N O K Ii G & G Oputo Electron Kk
Original Assignee
N O K Ii G & G Oputo Electron
N O K Ii G & G Oputo Electron Kk
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全血または部分血または尿等の検体中の微量
のデルタアミノレブリン酸類をフローインジェクション
法で定量測定するデルタアミノレブリン酸類の微量定量
法を提供する。 【構成】 ポンプ2で緩衝液1を連続的に送液し、この
送液された緩衝液1にオートサンプラー3によって所定
のタイミングでデルタアミノレブリン酸などのα−アミ
ノケトン類が含有され、かつ、あらかじめβ−ジケトン
またはβ−ケトエステル類が添加された検体(A)と蒸
留水を同じ比率添加された検体(B)を別々に注入し、
この後、所定の温度となっている恒温槽4内の加熱縮合
管5で加熱縮合し、このものを混合ジョイント9で、他
のポンプ6で送られるエールリッヒ試薬7と混合したの
ち発色管8で色素化合物に変換し、こののち、検出部1
0でデルタアミノレブリン酸類の含有量を検出し、さら
にAからBの含有量を差し引くようにしたことを特徴と
するデルタアミノレブリン酸類の微量定量法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はデルタアミノレブリン
酸類の微量定量法に関し、特に、微量のデルタアミノレ
ブリン酸類を迅速に定量測定することができるデルタア
ミノレブリン酸類の微量定量法に関するものである。
【0002】
【従来技術および解決しようとする課題】環境汚染によ
る鉛中毒、たとえば、自動車に用いる鉛電池工場の従業
員における鉛中毒に代表されるような鉛中毒では、血中
や尿中の鉛含有量と並んで、血中や尿中のデルタアミノ
レブリン酸の含有量が指標として重要視されている。そ
して、近年、労働環境整備の観点から従業員の健康管理
上この指標を有効に活用して鉛中毒を初期の段階で防ぐ
ため、尿中デルタアミノレブリン酸の測定を労働省が義
務づけたことにより、鉛中毒初期の尿中のデルタアミノ
レブリン酸含有量を測定する感度の良い微量迅速定量法
が求められている。
【0003】現在用いられている代表的な定量法として
は、1956年に開発されたマウツェラル/グラニック
(Mauzerall/Granick)法である。こ
のマウツェラル/グラニック法は、2種類のイオン交換
樹脂で分離精製したデルタアミノレブリン酸類とβ−ジ
ケトンまたはβ−ケトエステル類とを熱縮合し、これに
エールリッヒ試薬を作用させ、比色定量したものであ
る。しかし、この方法の問題点は、複数のアミノケトン
類が分離されないまま定量されてしまうということと、
分離操作など一検体当たりの分析時間が長すぎるという
ことであった。その他、その変動係数(CV値)は原法
では2.7〜13%で、ベルリン(Berlin)らの
報告では5.6〜32.2%と誤差が幅広く、個人の手
技や施設の違いで極端に異なった値が出てくるという問
題点も有していた。
【0004】1967年にグラベッキ(Grabeck
i)は分離操作を除きアセチルアセトン無添加のブラン
ク{主にポルフォビリノーゲン(PBG)}を差し引い
て簡素化したが、加熱縮合反応と比色定量操作を用手法
でこなすには一人で一日数十検体までで、処理能力にも
問題があった。
【0005】また、1972年にルウェリー(Louw
erys)らは、ペリスタ型の比例ポンプ(propo
rtioning pump)に11本のシリコーンチ
ューブを接続して自動分析器を試作したが、20μg/
ml以下の薄い濃度の尿では測定できないので既知のデ
ルタアミノレブリン酸を添加した5点を測定して、これ
を外挿して原液中の含量を算出した。この自動化は19
74年にビアンコ(Bianco)らが、また、197
5年にセキ(Seki)らがテクニコンのオートアナラ
イザーに組み込んだ。そして、1981年にバルデェイ
ック−アオウアディ(Balduyck−Aouad
i)らが更に6μM(1μg/ml)まで感度を上げた
と報告したが追試では5μg/mlでも再現性が困難と
されている。
【0006】一方、1960年代からクロマトグラフィ
ー{ガスクロマトグラフィー(GC)と、高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)}と、これに質量分析器と
連動など、さらにポストラベルやプレラベル技術ととも
に多くの研究者がこれらアミノケトン類の精密な分析に
挑戦した結果、デルタアミノレブリン酸の尿中含有量が
5μg/ml以上では殆どがデルタアミノレブリン酸で
あり、その以下の濃度では検体中にアミノアセトンの混
入が確かめられた。このアミノアセトンも鉛中毒で増加
するので鉛中毒の指標としては大きな間違いにはならな
いとされてきた。
【0007】但し、これらクロマトグラフィーの文献に
おける1検体当たりの分析時間は、少なくても20分、
長くて1時間以上を要していたので健康管理など多数検
体の処理には到底実用化は無理であった。
【0008】以上述べた文献上の知見から次のような見
通しが得られた。すなわち、エールリッヒ試薬でβ−ジ
ケトンやβ−ケトエステル類なしでも発色するポルフォ
ビリノーゲン(PBG)類に基づく吸光度をブランクと
して測定しておいて、一方、β−ジケトンやβ−ケトエ
ステル類を添加して吸光度を測定し、この吸光度から先
のブランクの吸光度を引けば鉛中毒の指標としてのデル
タアミノレブリン酸類の量が算出可能と推定できた。
【0009】この発明の目的は、少なくとも一検体当た
りの測定時間を3分以下とするとともに、0.5μg/
ml以下を測定限界に設定でき、変動係数(CV値)を
約5%以下の測定精度とすることができ、しかも、安価
に測定することのできるデルタアミノレブリン酸類の微
量定量法を提供することにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】上記の目的を達成する
ためにこの発明は、デルタアミノレブリン酸などのα−
アミノケトン類、およびβ−ジケトンまたはβ−ケトエ
ステル類からなる熱縮合成績体(ピロール誘導体)と、
エールリッヒ試薬との発色色素による比色定量法をフロ
ーインジェクション分析法で行うようにした。
【0011】また、この発明は、全血または部分血また
は尿である検体中のデルタアミノレブリン酸などのα−
アミノケトン類を定量測定するデルタアミノレブリン酸
類の微量定量法であって、ポンプで緩衝液を連続的に送
液し、この送液された緩衝液にオートサンプラーによっ
て所定のタイミングでデルタアミノレブリン酸などのα
−アミノケトン類が含有し、かつ、あらかじめβ−ジケ
トンまたはβ−ケトエステル類が添加された検体を注入
し、この後、所定の温度となっている恒温槽内の加熱縮
合管で加熱縮合し、このものを混合ジョイントで、他の
ポンプで送られるエールリッヒ試薬と混合したのち発色
管で色素化合物に変換し、こののち、検出部でデルタア
ミノレブリン酸類を検出するようにした。この場合、β
−ジケトンまたはβ−ケトエステル類は、好ましくはア
セチルアセトンである。
【0012】また、この発明は、全血または部分血また
は尿である検体中のデルタアミノレブリン酸などのα−
アミノケトン類を定量測定するデルタアミノレブリン酸
類の微量定量法であって、ポンプで緩衝液を連続的に送
液し、この送液された緩衝液にオートサンプラーによっ
て所定のタイミングでデルタアミノレブリン酸などのα
−アミノケトン類が含有し、かつ、あらかじめβ−ジケ
トンまたはβ−ケトエステル類が添加された検体を注入
し、この後、所定の温度となっている恒温槽内の加熱縮
合管で加熱縮合し、このものを混合ジョイントで、他の
ポンプで送られるエールリッヒ試薬と混合したのち発色
管で色素化合物に変換し、こののち、バックプレッシャ
ーが作用されている検出部でデルタアミノレブリン酸類
を検出するようにした。この場合、前記恒温槽の温度を
100℃〜140℃とした。
【0013】
【作用】この発明は上記の手段を採用したことにより、
検体中のデルタアミノレブリン酸類はβ−ジケトンまた
はβ−ケトエステル類が混入した状態で緩衝液とともに
所定の温度となっている加熱縮合管に送られ、この加熱
縮合管で加熱縮合され、送液されるエールリッヒ試薬と
混合ジョイントで混合されて発色管で発色され、このの
ち、検出部でデルタアミノレブリン酸類が検出されるこ
とになる。
【0014】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。図1および図2にはこの発明によるデルタア
ミノレブリン酸類の微量定量法を実施するための装置が
示されている。
【0015】この装置において、熱縮合用の緩衝液(キ
ャリアー液)1はポンプ2によってオートサンプラー3
に送られ、このオートサンプラー3において試料(検
体)が自動注入される。
【0016】また、試料が自動注入された緩衝液1はさ
らにヒーターを有する油浴またはアルミブロック恒温槽
4に送られ、この油浴またはアルミブロック恒温槽4の
内部の加熱縮合管5で加熱縮合反応される。
【0017】一方、ポンプ6によって送られるエールリ
ッヒ試薬7は発色管8に至る過程で混合ジョイント9に
おいて前記加熱縮合反応された緩衝液1に混入され、こ
の後、検出器10である比色定量装置で定量分析され、
分析した結果がレコーダに、またはA/Dコンバーター
12を介してコンピューターに入力され、さらに、コン
ピューターの出力は前記オートサンプラー3に試料を自
動注入する信号に利用されるようになっている。
【0018】また、測定後の廃液は前記検出器10から
廃液タンク13に排出されるようになっており、前記加
熱縮合管5を100℃以上に加熱する場合はHPLC
(液体クロマトグラフィ)用のバックプレッシャーチュ
ーブ11を前記検出器10と廃液タンク13との間に接
続して気泡が検出器10に混入することで生じるノイズ
を防止するようにした。
【0019】上記が装置の概略であり、以下、さらに詳
細に説明する。まず、熱縮合用の緩衝液(キャリアー
液)1を液送するためのポンプ2としてマイクロボリュ
ーム化したダブルプランジャー型液送ポンプを使用して
いる。
【0020】熱縮合用の緩衝液1は、酢酸/酢酸ソーダ
緩衝液の他に弱酸性ばかりでなく中性や弱塩基性でも良
く、広い範囲で縮合は可能である。
【0021】検体に添加される縮合試薬のβ−ジケトン
やβ−ケトエステル類は、それぞれアセチルアセトンや
アセト酢酸メチルエステルまたはアセト酢酸エチルエス
テルを用いたが、本来検体中に存在している阻害物質の
値を検知するために縮合試薬が無い状態、すなわち、ブ
ランクで測定する必要があり、このブランクの測定を配
慮して検体の中に10%添加した。
【0022】熱縮合反応を行うヒーターを有する恒温槽
4は、油浴またはアルミブロック型としたので100℃
〜140℃の間の安定性は±0.1℃となって、加熱と
ともに測定感度も上昇したが、測定者の安全等をも考慮
して上記温度範囲で行うのが適当である。
【0023】一方、ポンプ6で送液されるエールリッヒ
試薬7は、一般的にはパラ・ジメチルアミノベンズアル
デヒドの強酸溶液を言い、過塩素酸、塩酸、および硫酸
を用いるが、この発明においては界面活性剤{ポリエチ
レングリコールパラ・イソオクチルフェニールエーテル
(トリトンx−100 ローム・アンド・ハース)(R
ohm&Haas)製}を用いた。
【0024】前記検出器10の波長を決定するために、
検体よりも高濃度のデルタアミノレブリン酸の標準サン
プル(80μg)にβ−ジケトンまたはβ−ケトエステ
ルと緩衝液を添加して1mlとし、これを加熱縮合し、
これに等量のエールリッヒ試薬を加えて発色させ、その
吸収波長と、その生成と、減衰曲線とを描いてその時定
数を求めた(図3および図4参照)。
【0025】一方、前記ブランクの測定用としてポルフ
ォビリノーゲンの標準サンプル(80μg/ml)に同
じく等量のエールリッヒ試薬を加え、同様の吸収波長
と、その生成と、減衰曲線とを描き、同様に時定数を求
めた(図5および図6参照)。
【0026】前記オートサンプラー3で自動注入する検
体の注入量は20μl〜1mlまでとして検体の濃度に
対応できるようにした。
【0027】なお、検体の注入間隔はパーソナルコンピ
ューターと連結し、吸光度測定の検体番号との対応を付
けて一覧表に打ち出せるようなプログラムを作成した。
【0028】前記検出器10における吸光度はA/D変
換器12を介してパーソナルコンピューターに送られ、
画面上で各検体番号毎のピークをリアルタイム表示し、
同時に演算し、吸収面積(μm2 )、吸光度(高さ;μ
m)を求め、その他データ処理を行うようにした。
【0029】また、各機器を0.25〜1.5mmのス
テンレスチューブ、またはピーク(PEEK)チューブ
で連結した。接合部の混合ジョイント9としては通常の
HPLC(高速液体クロマトグラフィ)用の二方混合器
を用いた。前記加熱縮合管5は10m〜40m、発色管
8は2m〜15mの範囲での条件を検討した。
【0030】なお、前記したように検出器10に設定す
る吸収波長と発色管の長さとを決定するための具体的な
測定は用手法で以下のように行った。すなわち、デルタ
アミノレブリン酸(δ−ALA)80μgにアセチルア
セトンを10%含む緩衝液を1ml加え、沸騰水浴上で
20分加熱縮合し、これにエールリッヒ試薬を1ml混
合し、直ちに吸収曲線{10倍希釈を図3に示す(極大
波長555nm、ε=1.854×104 )}と、原液
の発色(減衰)曲線を描き、その時定数を求めた(図
4)。
【0031】この発色物質は1時間に13.5%減衰し
た。同時に尿中含量測定の際、ブランクとして測定され
るポルフォビリノーゲンを80μgに上で述べたのと同
様にアセチルアセトンを10%含む緩衝液を1ml加
え、沸騰水浴上で20分加熱縮合し、これにエールリッ
ヒ試薬を1ml混合し、直ちに吸収曲線{10倍希釈を
図5に示す(極大波長556nm、ε=1.444×1
04 )}と、発色(減衰)曲線とを描き、その時定数を
求めた(図6)。この場合は減衰が早く1時間に49.
7%も減衰していた。
【0032】したがって、上記のことを参照して前記検
出器10に設定する吸収波長と発色管8の長さとを決定
した。
【0033】〔実施例−1〕緩衝液1に酢酸/酢酸ナト
リウム(0.1M、pH4.6)を用い、ダブルプラン
ジャー型液送ポンプ2(島津製 LC−9A)で2.0
0ml/minの流速で送液し、オートサンプラー3
(協和精密製 KMT−200FIA)でサンプル溶液
(尿0.45ml+アセチルアセトン0.5ml)を5
0μl注入し、加熱縮合管5は内径0.8mmのステン
レスチューブを40m巻いてまたは内径0.75mmの
PEEKチューブ25mを巻いてシリコン油浴の恒温槽
4中に浸し温度を100±0.01℃に設定した。
【0034】一方、エールリッヒ試薬7として、パラ・
ジメチルアミノベンズアルデヒドを102.6gと、2
0%トリトンX−100を500mlと、20%硫酸水
溶液を500mlとの混合溶液またはその4倍希釈液を
0.5μmの滅菌フィルタで濾過したものを使用し、ダ
ブルプランジャー型液送ポンプ6(島津製 LC−9
A)で2.00ml/minの流速で送液して、加熱縮
合管5で100±0.01℃で加熱縮合した緩衝液1と
混合ジョイント9において混合した。
【0035】また、混合発色には、ステンレス(0.8
mm)またはPEEKチューブ(0.75mm)の発色
管8を5m用いて検出器10に接続し、検出器10で設
定波長を555nmで検出した。そして、3分間隔で2
00検体を測定すると約10時間で完了したので、1日
2回自動運転して400検体を処理できた。
【0036】さらに、濃度2.5μg/ml、5μg/
ml、10μg/ml、20μg/ml、40μg/m
l、80μg/mlで、各3回測定した結果、変動係数
は、それぞれ、9.89%、6.05%、9.60%、
0.64%、3.26%、3.71%となり、さらに、
検量線の相関係数はr=0.9978であった。
【0037】〔実施例−2〕実施例−1と同様に、ダブ
ルプランジャー型液送ポンプ2(島津製 LC−9A)
で酢酸ナトリウム(0.1M、pH7.8)を、ダブル
プランジャー型液送ポンプ6(島津製 LC−9A)で
エーリッヒ試薬をそれぞれ送液した。
【0038】オートサンプラー3(GILSON Mo
del 201)でサンプル溶液(デルタアミノレブリ
ン酸標準液45μl+アセチルアセトン5μl)を注入
し、加熱縮合管5を内径0.8mmのステンレスチュー
ブまたはPEEKチューブ20mをアルミブロック製の
恒温槽4に入れ、温度を120℃に設定した。
【0039】ダブルプランジャー型液送ポンプ2、6の
流量はそれぞれ1.5ml/minである。
【0040】発色管8には内径0.75mm、長さ6m
のピーク(PEEK)チューブを用い、エーリッヒ試薬
を混合して発色した試料は検出器10(島津製LC−9
AV)で上記したような方法で決定した設定波長560
nmで検出した。
【0041】そして、図7に示すように、濃度2.5μ
g/ml、5μg/ml、10μg/mlで、各3回測
定を行った結果、相関係数r=0.9997という非常
に良いリニアリティが得られた。また、CV値は2%以
下と良好であった。1検体あたり2分で測定できたの
で、1日あたり700検体の処理が可能になった。
【0042】〔参考例−1〕濃度2.5μg/ml、
5.0μg/ml、40μg/mlのデルタアミノレブ
リン酸溶液(含10%アセチルアセトン)のアセチルア
セトンとの混合時間を変化させた。
【0043】この試料を実施例−2の方法で測定した結
果、40℃で3時間、70℃で1時間または95℃で1
5分混合させた試料では、吸光度の変化はなく安定した
測定が期待できる結果となった(図8および図9参
照)。
【0044】〔参考例−2〕参考例−1の測定で加熱縮
合管5を収納したアルミブロック製の恒温槽4の温度を
100℃〜140℃までの範囲で10℃おきに変えて吸
光度の変化を見た。濃度を5μg/ml、10μg/m
l、20μg/mlで行ったが、いずれも温度が高い時
ほど吸光度が大きくなる傾向が出た(図10)が、装置
および物質の安定性から反応温度は120℃が好まし
い。
【0045】上記のように従来使用されていた測定法と
の相関性、再現性そしてデルタアミノレブリン酸類の測
定法として、アセチルアセトン添加の有無の差をパーソ
ナルコンピューター上で算出して求めることができる。
【0046】なお、実施例−1、実施例−2において
は、サンプル溶液の中に、β−ジケトンまたはβ−ケト
エステル類であるアセチルアセトンを注入し、加熱後こ
れをオートサンプラーで緩衝液の中に混入したが、あら
かじめ、緩衝液にアセチルアセトンを添加注入し、この
緩衝液の中にオートランプラーでサンプル溶液を混入し
ても良いものである。
【0047】
【発明の効果】この発明は前記のようなので検体である
血中または尿中のデルタアミノレブリン酸類の微量定量
測定を精度良く行うことができ、しかも、従来のものと
比較して検出限界を小さくできるとともに、変動係数を
小さくして測定誤差を少なくできる。さらに、測定時間
を短くすることができるので1日の測定検体数を大幅に
多くすることができるので測定に要するランニングコス
トを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるデルタアミノレブリン酸類の微
量定量法を実施するための装置を示す図である。
【図2】この発明によるデルタアミノレブリン酸類の微
量定量法を説明するための図である。
【図3】デルタアミノレブリン酸を用手法で発色させ測
定した時の吸収曲線を示す図である。
【図4】デルタアミノレブリン酸を用手法で発色し測定
した時の560nmに於ける吸光度の経時変化を示す図
である。
【図5】ブランクとして使用するポリフォビリノーゲン
の吸収曲線を示す図である。
【図6】ブランクとして使用するポリフォビリノーゲン
の発色後、560nmに於ける吸光度の経時変化を示す
図である。
【図7】実施例−2で求められたデルタアミノレブリン
酸濃度と吸光度との関係を示す図である。
【図8】異なる濃度及び温度でのデルタアミノレブリン
酸とアセチルアセトンとの混合時間と吸光度との関係を
示す図である。
【図9】デルタアミノレブリン酸−アセチルアセトン反
応、およびデルタアミノレブリン酸−アセト酢酸メチル
反応における混合時間と吸光度との関係を示す図であ
る。
【図10】異なる濃度のデルタアミノレブリン酸の加熱
温度と吸光度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1……緩衝液 2、6……ポンプ 3……オートサンプラー 4……油浴またはアルミブロックの恒温槽 5……加熱縮合管 7……エールリッヒ試薬 8……発色管 9……混合ジョイント 10……検出器 11……バックプレッシャーチューブ 12……A/Dコンバータ 13……廃液タンク
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月8日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南崎光宏 神奈川県藤沢市辻堂新町4ー3ー1 エヌ オーケーイージーアンドジーオプトエレク トロニクス株式会社内 (72)発明者 手塚隆之 神奈川県藤沢市辻堂新町4ー3ー1 エヌ オーケーイージーアンドジーオプトエレク トロニクス株式会社内 (72)発明者 尾崎和行 神奈川県藤沢市辻堂新町4ー3ー1 エヌ オーケーイージーアンドジーオプトエレク トロニクス株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デルタアミノレブリン酸などのα−アミ
    ノケトン類、およびβ−ジケトンまたはβ−ケトエステ
    ル類からなる熱縮合成績体(ピロール誘導体)と、エー
    ルリッヒ試薬との発色色素による比色定量法をフローイ
    ンジェクション分析法で行うことを特徴とするデルタア
    ミノレブリン酸類の微量定量法。
  2. 【請求項2】 全血または部分血または尿である検体中
    のデルタアミノレブリン酸などのα−アミノケトン類を
    定量測定するデルタアミノレブリン酸類の微量定量法で
    あって、ポンプ(2)で緩衝液(1)を連続的に送液
    し、この送液された緩衝液(1)にオートサンプラー
    (3)によって所定のタイミングでデルタアミノレブリ
    ン酸などのα−アミノケトン類が含有され、かつ、あら
    かじめβ−ジケトンまたはβ−ケトエステル類が添加さ
    れた検体を注入し、この後、所定の温度となっている恒
    温槽(4)内の加熱縮合管(5)で加熱縮合し、このも
    のを混合ジョイント(9)で、他のポンプ(6)で送ら
    れるエールリッヒ試薬(7)と混合したのち発色管
    (8)で色素化合物に変換し、こののち、検出部(1
    0)でデルタアミノレブリン酸類を検出するようにした
    ことを特徴とするデルタアミノレブリン酸類の微量定量
    法。
  3. 【請求項3】 前記β−ジケトンまたはβ−ケトエステ
    ル類は、好ましくはアセチルアセトンである請求項2記
    載のデルタアミノレブリン酸類の微量定量法。
  4. 【請求項4】 全血または部分血または尿である検体中
    のデルタアミノレブリン酸などのα−アミノケトン類を
    定量測定するデルタアミノレブリン酸類の微量定量法で
    あって、ポンプ(2)で緩衝液(1)を連続的に送液
    し、この送液された緩衝液(1)にオートサンプラー
    (3)によって所定のタイミングでデルタアミノレブリ
    ン酸などのα−アミノケトン類が含有され、かつ、あら
    かじめβ−ジケトンまたはβ−ケトエステル類が添加さ
    れた検体を注入し、この後、所定の温度となっている恒
    温槽(4)内の加熱縮合管(5)で加熱縮合し、このも
    のを混合ジョイント(9)で、他のポンプ(6)で送ら
    れるエールリッヒ試薬(7)と混合したのち発色管
    (8)で色素化合物に変換し、こののち、バックプレッ
    シャーが作用されている検出部(10)でデルタアミノ
    レブリン酸類を検出するようにしたことを特徴とするデ
    ルタアミノレブリン酸類の微量定量法。
  5. 【請求項5】 前記恒温槽(4)の温度は室温から14
    0℃またはそれ以上の温度、のぞましくは100℃〜1
    40℃である請求項4記載のデルタアミノレブリン酸類
    の微量定量法。
  6. 【請求項6】 あらかじめβ−ジケトンまたはβ−ケト
    エステル類の添加の代り等量の蒸留水を添加した測定値
    をブランクとして差し引いてデルタアミノレブリン酸値
    とする測定法。
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