JPH06294308A - 内燃機関のバルブ駆動装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ駆動装置

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Publication number
JPH06294308A
JPH06294308A JP16718593A JP16718593A JPH06294308A JP H06294308 A JPH06294308 A JP H06294308A JP 16718593 A JP16718593 A JP 16718593A JP 16718593 A JP16718593 A JP 16718593A JP H06294308 A JPH06294308 A JP H06294308A
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JP
Japan
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cam
valve
shaft
high speed
guide portion
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Application number
JP16718593A
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English (en)
Inventor
Hironori Okamizu
宏則 岡水
Hiroshi Tada
博 多田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】回転運動部の質量が増加したり、その部分の構
造が複雑になったりすることなく、カムを突出位置と後
退位置とに切替えて、バルブのリフト量を変更する。 【構成】カムシャフト5に高速用カム8を一体回転可能
にかつ径方向へ移動可能に支持し、その径方向移動によ
りバルブリフト量を変更する。高速用カム8に円筒面1
1aを設け、高速用カム8が径方向の突出位置に移動さ
れた状態で、円筒面11aがカムシャフト5の回転軸心
と同心の円周上に配置されるようにする。カムシャフト
5の外方に切替え駆動機構18をカムシャフト5と独立
して設ける。切替え駆動機構18は円筒面11aに対し
てバルブのリフト方向に向かい、高速用カム8の突出位
置及び後退位置と対応する位置へ変位可能に当接し、少
なくとも高速用カム8の突出位置と対応する位置に保持
可能になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カムシャフト上のカ
ムの径方向への位置切替えにより、バルブのリフト量又
はリフトタイミングの少なくとも一方を変更して、バル
ブのリフト動作を変更するようにした内燃機関のバルブ
駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バルブのリフト量を、内燃機関の
低速回転時には少なくなるとともに、高速回転時には大
きくなるように切替えて、低速回転時及び高速回転時の
双方において、良好な運転特性を得るようにしたバルブ
駆動装置が提案されている。
【0003】この種のバルブ駆動装置としては、例えば
特開昭58−133409号公報に示すような構成が知
られている。この従来装置では、カムシャフトに対し一
体回転可能に、かつ径方向へ移動可能に支持されたカム
を備えている。そして、このカムが内燃機関の回転数の
変化にともない、遠心力によりカムシャフトの径方向に
移動されて、バルブのリフト量が増減されるようになっ
ている。
【0004】すなわち、この従来装置においては、カム
の頂部(揚程部)側の質量が大きく構成され、内燃機関
が高速回転状態になると、頂部側の遠心力がバルブスプ
リングのバネ力に打ち勝ち、カムの頂部側が外方へ突出
するようにカム全体が径方向に移動される。このため、
バルブリフト量が増大し、高速回転時の運転特性が良好
に保たれる。また、低速回転時には、バルブスプリング
のバネ力によりカムの頂部側が後退するように、カム全
体が移動される。このため、バルブのリフト量が少なく
なり、低速回転時における運転特性が損なわれないよう
になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来装
置においては、回転運動されるカムシャフト上に、前述
したようにカムの移動機構や保持機構が装着支持されて
いる。このため、カムシャフトを含む回転運動部の質量
が増加してカムシャフト等に大きな曲げ応力が生じてシ
ャフト疲労等の原因になったり、構造が複雑になったり
するという問題があった。
【0006】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、回転運動部の質量が増加してカムシャフ
ト等に曲げ応力等が作用しないようにするとともに、構
造を簡単にすることが可能な内燃機関のバルブ駆動装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、第1の発明においては、カムシャフトにバルブ開
閉駆動用のカムを一体回転可能に、かつ径方向に沿って
位置切替え可能に支持し、そのカムの位置切替えにより
バルブのリフト量又はリフトタイミングの少なくとも一
方を変更してバルブのリフト動作を変更するようにした
内燃機関のバルブ駆動装置において、前記カムに作用し
てカムを位置切替え動作させるための切替え駆動手段を
カムシャフトと独立してカムの外方に配置している。
【0008】第2の発明においては、第1の発明の構成
に加え、バルブスプリングによりバルブの反リフト方向
へ付勢される前記カムは、径方向へ突出した突出位置へ
切替えられたときカムシャフトと同軸上に位置する円柱
状ガイド部を有し、前記切替え駆動手段は、カムを挟ん
でバルブと対向する位置にて前記ガイド部に選択的に当
接及び離間する第1規制カムを備えるとともに、カムを
挟んでバルブと対向する位置に設けられ、かつ前記第1
規制カムの当接時にガイド部から離間し、かつ第1規制
カムの離間時に回転しながら前記ガイド部に当接する第
2規制カムを備え、前記第1規制カムは、ガイド部との
当接時にそのガイド部の軸心をカムシャフトの軸心に一
致させるための規制面を備え、前記第2規制カムは、ガ
イド部がカムシャフトの軸心よりも第2規制カム側へ移
動するのを許容するべく、前記規制面よりも第2規制カ
ムの回転中心側へ凹んだ凹面を備えている。
【0009】
【作用】従って、第1の発明においては、切替え駆動手
段がカムシャフトと独立してカムの外方に配置されてい
るため、カムシャフトあるいはそれと一体的に回転する
部分の質量が大きくなることはない。しかも、切替え駆
動手段がカムシャフト上に設けられていないため、その
カムシャフト上の構成が複雑になることはない。
【0010】第2の発明においては、切替え駆動手段の
第1規制カム及び第2規制カムのいずれか一方がガイド
部に当接することにより、カムシャフトの径方向におけ
るカムの位置が切替えられる。すなわち、第1規制カム
の規制面がガイド部に当接すると、その当接によりガイ
ド部の軸心がカムシャフトの軸心に一致される。する
と、カムはカムシャフトの径方向へ突出した突出位置に
保持される。また、第2規制カムの凹面がガイド部に当
接すると、その凹面が前記規制面よりも第2規制カムの
回転中心側へ凹んでいることから、ガイド部がカムシャ
フトの軸心よりも第2規制カム側へ移動することが許容
される。すると、バルブスプリングにより付勢されてい
るカムは、前記突出位置よりも径方向へ後退した位置へ
切替えられる。
【0011】前記切替え駆動手段の第1規制カム及び第
2規制カムは、いずれもカムを挟んでバルブと対向する
位置に設けられている。そして、両規制カムの形状の違
い(規制面と凹面)によりガイド部の位置が変更され、
カムの位置が切替えられる。この切替えに際しては、両
規制カムがバルブスプリングの付勢力を受け止めるもの
の、その付勢力に抗する力はバルブスプリングに加わら
ない。従って、第1規制カム及び第2規制カムがバルブ
リフト動作に影響を及ぼすことはない。
【0012】
【実施例】
(第1実施例)以下、第1の発明の内燃機関のバルブ駆
動装置を具体化した第1実施例を、図1〜図8に基づい
て詳細に説明する。
【0013】第1実施例は、1つの気筒における2つの
バルブを直打式で駆動するためのバルブ駆動装置に具体
化したものである。バルブは吸気側でも排気側でもいず
れでもよい。図1〜図3に示すように、一対のバルブリ
フタ1はバルブ4上に支持され、バルブ4とともにバル
ブスプリング3によりリフト方向とは反対方向に上昇付
勢されている。
【0014】カムシャフト5はシリンダヘッド2上の軸
受け部2aに一対のベアリングキャップ6を使用して回
転可能に支持され、図示しないクランクシャフトの回転
にともない、カムプーリ7等を介して図1の時計方向に
回転される。
【0015】高速用カム8は中心の偏心孔9にてカムシ
ャフト5に遊嵌支持され、バルブリフタ1に接触可能に
対応する一対のカム部10と、両カム部10間に一体形
成され、外周面を円筒面11aとした円筒部11とから
構成されている。
【0016】案内面を構成するピン12は前記高速用カ
ム8の円筒部11に貫通固定され、カムシャフト5の挿
通孔13に摺動可能に挿通されている。また、このピン
12の軸線は、カム部10の作用角(カム部10がバル
ブリフタ1をリフトさせる範囲)の中央位置を通るよう
に延長されている。そして、このピン12により高速用
カム8がカムシャフト5に対し、一体回転可能に、かつ
径方向へ移動可能に結合されている。これに基づき、高
速用カム8はその頂部10aが径方向に突出する位置
(図1,図2参照)と、後退する位置(図4,図5参
照)とにカムシャフト5の径方向に移動されて切替え配
置される。円筒部11の円筒面11aは、高速用カム8
が突出位置に移動された状態でカムシャフト5の回転軸
心と同心の円周上に配置される。
【0017】一対の低速用カム14は前記高速用カム8
の両側においてカムシャフト5に嵌挿支持され、キー1
5によりカムシャフト5に対して一体回転可能に結合さ
れている。各低速用カム14は、高速用カム8のカム部
10に隣接してバルブリフタ1に接触するカム部16
と、そのカム部16に一体形成された円筒部17とから
構成されている。カム部16の頂部16aは高速用カム
8のカム部10のそれと位相が一致している。また、こ
の低速用カム14のカム部16は高速用カム8のカム部
10に比較して、作用角及びリフト量が小さくなるとと
もに、カム幅が狭くなるように形成されている。
【0018】切替え駆動手段としての切替え駆動機構1
8は前記カムシャフト5の外周上方に、そのカムシャフ
ト5と独立して配設されている。そして、この切替え駆
動機構18が高速用カム8の円筒面11aに対して、バ
ルブリフタ1の反対側から対応する。この切替え駆動機
構18は高速用カム8を突出位置と後退位置とに切替え
移動させるとともに、突出位置に係止保持するようにな
っている。
【0019】そこで、この切替え駆動機構18について
詳述すると、シャフト19は前記ベアリングキャップ6
間において、カムシャフト5の回転軸線と平行な軸線の
周りで回動可能に支持されている。アーム20はシャフ
ト19の中央に相対回動可能に支持され、その一対のア
ーム部20aの先端には高速用カム8の円筒面11aに
当接するローラ21が回転可能に支持されている。
【0020】巻き方向の異なる一対のスプリング22,
23は前記アーム20の両側においてシャフト19に巻
装されている。両スプリング22,23の両端は、シャ
フト19及びアーム20にそれぞれ掛止されている。そ
して、両スプリング22,23は同一の付勢力を有し、
その付勢力が常にアーム20に対して左右両方向から付
与されている。
【0021】アクチュエータ24は前記シリンダヘッド
2の側部にブラケット25を介して取付けられ、ロッド
26及びレバー27を介してシャフト19に連結されて
いる。制御装置28はアクチュエータ24に電気的に接
続され、内燃機関の運転時において、その回転数の変化
に応じてアクチュエータ24を駆動するようになってい
る。なお、内燃機関の回転数は図示しないクランク角セ
ンサ等により検出されて、制御装置28に入力される。
そして、このアクチュエータ24の駆動により、シャフ
ト19及びスプリング22,23等を介してアーム20
が回動され、ローラ21がカムシャフト5の回転軸心と
アーム20の回動軸心とを結ぶ直線上を越えて、図1及
び図4に示す両位置間で移動変位される。このようにし
て、高速用カム8がピン12に沿って径方向に移動され
て、図1に示す突出位置と図4に示す後退位置とに切替
え配置される。
【0022】ストッパ29は両ベアリングキャップ6間
に架設固定されている。そして、図1に示すように、ア
ーム20がカムシャフト5の回転軸心とアーム20の回
動軸心とを結ぶ直線上を越えて、高速用カム8の突出位
置と対応する位置に回動されたとき、アーム20はこの
ストッパ29との係合によって同位置に保持される。
【0023】また、この実施例においては、前記スプリ
ング22,23の付勢力が、バルブスプリング3による
バルブ4のリフト反力よりも小さくなるように設定され
ている。この設定により、図1及び図4に示すように、
高・低速用カム8,14がバルブリフタ1を押下して、
バルブ4をリフトしている間は、シャフト19が回動さ
れてもその回動がスプリング22,23により吸収され
て、アーム20が追従回動されないようになっている。
従って、図8に示すように、カムシャフト5の回転中に
おいて、カム8,14がバルブ4をリフトしていないと
きにのみ、アーム20の回動が許容され、このタイミン
グで高速用カム8が突出位置と後退位置とに切替えられ
る。
【0024】さらに、高速用カム8のカム部10はその
ベース円が低速用カム14のカム部16のベース円より
も若干後退している。そして、前記アーム20の回動に
ともない、ローラ21がカムシャフト5の回転軸心とア
ーム20の回動軸心とを結ぶ直線上を越えて変位される
とき、高速用カム8のカム部10のベース円が低速用カ
ム14のカム部16のベース円と一致するように構成さ
れている。この構成により、ローラ21が前記直線上を
越える際に、高速用カム8を径方向へ若干量(移動量
S)だけ押圧移動させることがあっても、バルブ4がリ
フトされることはない。
【0025】次に、前記のように構成された第1実施例
におけるバルブ駆動装置の動作を説明する。さて、図1
及び図2は内燃機関の高速回転にともない、高速用カム
8が切替え駆動機構18のローラ21により、突出位置
に切替え移動されるとともに、アーム20とストッパ2
9との係合により、その切替え位置に保持された状態を
示すものである。
【0026】この状態では、アーム20がストッパ29
との係合により直立に近い傾斜状態になるとともに、バ
ルブリフタ1及び高速用カム8を介してローラ21に作
用するバルブリフト反力により、アーム20がこの傾斜
状態に維持される。このため、結果として、前記のよう
に高速用カム8がピン12に沿って突出位置に移動され
てその位置に保持される。従って、カムシャフト5が回
転されると、高速用カム8はそのプロフィール中心をカ
ムシャフト5の回転軸心と一致させた状態で回転され
る。その回転により、バルブリフタ1が高速用カム8の
カム部10のカムプロフィールに従って昇降され、バル
ブ4は大きなリフト量L1で開閉駆動される。なお、高
速用カム8のカム部10のベース円が低速用カム14の
カム部16のそれよりも後退しているため、高速用カム
8の作用状態であっても、バルブリフタ1に接触するカ
ムのベース円は常に低速用カム14のカム部16のもの
である。
【0027】また、内燃機関の回転が高速から低速に移
行されると、その回転変化が図示しないクランク角セン
サ等により検出される。そして、その検出に基づいて制
御装置28によりアクチュエータ24が駆動され、ロッ
ド26及びレバー27を介してシャフト19が図1の時
計方向に回動される。その回動力はスプリング22,2
3を介してアーム20に伝達され、図6に示すように、
ローラ21に対して解放方向への移動力Fpが付与され
る。
【0028】ところが、同図に示すように、高速用カム
8によりバルブリフタ1が押下されて、バルブ4がリフ
ト状態にあるときには、ローラ21に対してバルブリフ
ト反力Fvの分力Fbが作用し、この分力Fbが前記移
動力Fpよりも大きくなっている。このため、シャフト
19が回動されてもアーム20が追従回動されることは
なく、シャフト19の回転はスプリング22,23の弾
性変形により吸収される。
【0029】そして、図8に示すように、カムシャフト
5の回転にともない、高速用カム8がバルブ4をリフト
しない位置まで回転されたとき、前記ローラ21に作用
するバルブリフト反力Fvの分力Fbが零に低下して、
アーム20の回動が許容される。その許容により、図
4、図5及び図7に示す位置まで、アーム20が時計方
向に回動される。この状態ではアーム20は図1の状態
よりもその反対側で上方へ大きく傾斜し、スプリング2
2,23のバネ力のみが作用するフリーの状態になる。
そして、スプリング22,23のバネ力はバルブリフト
反力よりも弱いため、高速用カム8はピン12に沿って
移動でき、高速用カム8が突出位置に保持される状態か
ら解放される。
【0030】この状態でカムシャフト5が回転される
と、バルブリフト反力、スプリング22,23のバネ力
等により、バルブ4の昇降動作にともない高速用カム8
がピン12に沿って径方向に移動される。従って、高速
用カム8のカム部10のカム作用が無効化される。その
ため、バルブリフタ1が低速用カム14のカム部16の
カム形状に従って昇降され、バルブ4は小さなリフト量
L2で開閉駆動される。
【0031】さらに、内燃機関の回転が低速から高速に
移行された場合には、アクチュエータ24の駆動によ
り、ロッド26及びレバー27を介してシャフト19が
図4の反時計方向に回動される。そして、この回動力が
スプリング22,23を介してアーム20に伝達され、
図7に示すように、ローラ21に対して切替え方向への
移動力Flが付与される。ところが、同図に示すよう
に、低速用カム14によりバルブリフタ1が押下され
て、バルブ4がリフト状態にあるときには、ローラ21
に対してバルブリフト反力Fvの分力Fbが作用し、こ
の分力Fbが前記移動力Flよりも大きくなっている。
このため、シャフト19が回動されてもリフト状態のと
きにはアーム20が追従回動されることはない。
【0032】そして、図8に示すように、カムシャフト
5の回転にともない、低速用カム14がバルブ4をリフ
トしない位置まで回転されたとき、前記ローラ21に作
用するバルブリフト反力Fvの分力Fbが零になって、
アーム20の回動が許容される。その許容により、図1
及び図2に示すように、アーム20がストッパ29に係
止される反時計方向に回動され、高速用カム8が突出位
置に移動されて係止保持される。
【0033】このように、第1実施例のバルブ駆動装置
においては、切替え駆動機構18がカムシャフト5の外
方において、そのカムシャフト5と独立して設けられて
いる。そのため、回転運動部の質量が増加してカムシャ
フト5等に曲げ応力等が加えられることがない。従っ
て、シャフト疲労等が生じるようなことがない。しか
も、切替え駆動機構18がカムシャフト5の外方に配置
されているため、その機構をカムシャフト上に配置した
場合と異なり、この部分の構造が複雑になったりするこ
とはない。
【0034】また、第1実施例においては、高速用カム
8の突出移動時おいてその円筒面11aがカムシャフト
5と同心上に配置される。このため、切替え駆動機構1
8のアーム20のローラ21は定位置で円筒面11aに
接触して、動くことがない。従って、この状態において
アーム20の余分な動きを抑制して、振動等を防止でき
る。
【0035】さらに、第1実施例においてはバルブリフ
ト反力及びアーム20とストッパ29との係合により高
速用カム8は突出位置に確実に保持されるとともに、低
速用カム14はカムシャフト5に固定されている。従っ
て、バルブ4は所定のリフト量で確実に動作され、良好
な機関特性を得ることができる。
【0036】さらに、第1実施例では、前記のようにカ
ムシャフト5の回転中において低・高速用カム8,14
によりバルブ4がリフトされていないタイミングで、高
速用カム8が突出位置と後退位置とに切替えられるよう
になっている。このため、バルブ4のリフト状態でリフ
ト量が変更されて、運転特性が急変することはないとと
もに、装置破損や振動及び騒音が発生するおそれを確実
に防止することができる。
【0037】さらに、第1実施例においては、高速用カ
ム8と低速用カム14との2つのカムが設けられている
ため、それぞれ高速用、低速用に適したカムプロフィー
ルを得ることができる。このため、高速及び低速回転に
応じた適正なバルブリフト量を確保して良好な運転特性
を得ることが可能となる。
【0038】加えて、第1実施例においては、前記のよ
うに切替え駆動機構18のローラ21が、カムシャフト
5の回転軸心とアーム20の回動軸心とを結ぶ直線上を
越えて変位されるとき、高速用カム8と低速用カム14
とのベース円が一致するように構成されている。このた
め、ローラ21が前記直線上を越える際に、高速用カム
8を径方向へ若干押圧移動させることがあっても、バル
ブリフタ1が押圧されることはなく、バルブリフト時以
外の時にバルブ4が開放されて、運転特性が急変される
おそれを確実に防止することができる。
【0039】しかも、第1実施例においては、高速用カ
ム8の隣り合った2つのカム部10が円筒部11により
一体に連結構成されているため、構成を簡略化すること
ができるとともに、作動の安定化を図ることができる。 (第2実施例)次に、第1の発明を具体化した第2実施
例を、図9〜図15に基づいて説明する。
【0040】さて、この実施例は切替え駆動機構18に
おいて前述した第1実施例と相違している。そのため、
第1実施例と共通する構成部分については説明を省略
し、相違する構成部分についてのみ説明を行う。
【0041】図9及び図10に示すように、一対のビー
ム31,32はベアリングキャップ6の両端部間に架設
され、シリンダヘッド2上においてカムシャフト5と平
行に延長されている。スイングアーム33は基端におい
て偏心ピン34によりビーム31上のホルダ35に揺動
可能に支持され、その中間部には高速用カム8の円筒面
11aに当接するローラ36が回転可能に支持されてい
る。リターンスプリング37はスイングアーム33の中
間上面の突起38とヘッドカバー39との間に介装さ
れ、スイングアーム33を図10の時計方向に回動付勢
している。
【0042】そして、この実施例においては、前記リタ
ーンスプリング37の付勢力が、バルブスプリング3に
よるバルブリフト反力よりも小さくなるように設定され
ている。この設定により、スイングアーム33が、カム
シャフト5の回転にともなう高速用カム8の径方向への
往復移動により、その高速用カム8の突出位置及び後退
位置と対応する位置間で揺動変位されるようになってい
る。
【0043】図9〜図12に示すように、前記偏心ピン
34はビーム31上のホルダ35に挿通支持される両端
の支軸部40と、スイングアーム33の基端に嵌挿され
る偏心部41とから構成されている。ネジ部42は両支
軸部40の先端に形成され、このネジ部42にロックナ
ット43を螺合することにより、偏心ピン34がホルダ
35間に固定されている。そして、ロックナット43を
緩めた状態で、偏心ピン34を回動調節することによ
り、図12に示すように、偏心部41の変位量Hの範囲
でスイングアーム33の支点位置を変更することができ
る。
【0044】図9、図10及び図14に示すように、凹
部44は前記ビーム32上に形成され、スイングアーム
33の揺動時に、その先端がこの凹部44内で上下移動
される。スイングアーム33の先端には係止孔45が形
成されている。シリンダ室46はビーム32内に形成さ
れ、その内部にはピストン47が移動可能に収容されて
いる。係止ピン48はピストン47の一側に突設され、
ピストン47の移動にともなって凹部44内に出没され
る。スプリング49はシリンダ室46とピストン47と
の間に介装され、係止ピン48を凹部44からシリンダ
室46側へ没入する方向に移動付勢している。
【0045】オイル通路50は前記シリンダ室46に連
通するように、シリンダヘッド2、ベアリングキャップ
6及びビーム32に形成され、その外端には電磁弁51
を介してオイルポンプ52が接続されている。そして、
内燃機関の高速回転時において、制御装置28により電
磁弁51が開かれたとき、オイルポンプ52からオイル
通路50を介してシリンダ室46内に圧油が供給され、
ピストン47を介して係止ピン48が凹部44側に突出
移動される。この移動により、図10及び図14に示す
ように、スイングアーム33の先端が凹部44内で下部
に位置した時点で、係止ピン48が係止孔45に係合さ
れ、スイングアーム33の揺動が阻止される。この時に
は、スイングアーム33が下方位置に配置され、ローラ
36を介して高速用カム8が突出位置に切替え保持され
る。
【0046】次に、前記のように構成された第2実施例
におけるバルブ駆動装置の動作を説明する。さて、図1
0及び図14は、内燃機関の高速回転時を示すものであ
る。この状態においては、シリンダ室46への圧油の供
給に基づいて、係止ピン48と係止孔45とが係合さ
れ、スイングアーム33の揺動が阻止されて、高速用カ
ム8が突出位置に切替え保持されている。この状態でカ
ムシャフト5が回転されると、高速用カム8はそのプロ
フィール中心をカムシャフト5の回転軸心と一致させた
状態で回転される。この回転により、バルブリフタ1が
高速用カム8のカム部10のカムプロフィールに従って
昇降され、バルブ4は大きなリフト量L1で開閉駆動さ
れる。
【0047】また、内燃機関の回転が高速から低速に移
行されると、制御装置28により電磁弁51が閉じられ
て、オイルポンプ52からシリンダ室46に対する油圧
が低下される。この油圧低下により、係止ピン48がス
プリング49の付勢力で、凹部44への突出位置からシ
リンダ室46側へ移動されようとする。ところが、図1
0に示すように、高速用カム8によりバルブリフタ1が
押下されて、バルブ4がリフト状態にあるときには、ス
イングアーム33に対してバルブリフト反力が作用して
いる。このため、係止ピン48と係合孔45との間には
大きな摩擦力が作用して、係止ピン48は係合孔45か
ら離脱移動することができない。
【0048】そして、カムシャフト5の回転にともな
い、高速用カム8がバルブ4をリフトしない位置まで回
転されたとき、前記スイングアーム33に作用するバル
ブリフト反力が低下して零になる。その結果、前記摩擦
力が低下して図13及び図15に示すように、スプリン
グ49の付勢力にて、係止ピン48が係止孔45から離
脱移動され、高速用カム8が突出位置の保持状態から解
放される。
【0049】この状態でカムシャフト5が回転される
と、リターンスプリング37のバネ力が弱いため、高速
用カム8がピン12に沿って径方向に往復移動されると
ともに、その往復移動にともないスイングアーム33が
偏心ピン34を中心に追従移動される。従って、高速用
カム8のカム部10の作用が無効化される。そのため、
バルブリフタ1が低速用カム14のカム部16のカムプ
ロフィールに従って昇降され、バルブ4は小さなリフト
量L2で開閉駆動される。
【0050】さらに、内燃機関の運転状態が低速から高
速に移行されると、制御装置28により電磁弁51が開
かれ、オイルポンプ52からオイル通路50を介してシ
リンダ室46内に圧油が供給される。この供給により、
ピストン47を介して係止ピン48が凹部44側に突出
移動されようとする。この時、図13に示すように、ス
イングアーム33は低速用カム14のカム部16に従っ
て往復回動するが、低速用カム14はカム面の高低差が
少ないため、スイングアーム33の先端が係止ピン48
との対向位置から外れることはない。従って、係止孔4
5が係止ピン48と一致しない位置にあるときには、係
止ピン48は係止孔45と係合することなく没入状態を
維持する。
【0051】そして、カムシャフト5の回転にともな
い、低速用カム14がバルブ4をリフトしない位置まで
回転されたとき、スイングアーム33がカムシャフト5
側に接近揺動されて、その先端が往復動行程の下限に位
置する。その結果、図10及び図14に示すように、係
止孔45が係止ピン48と一致して、係止ピン48が油
圧により係止孔45と係合する位置に移動され、高速用
カム8が突出位置に係止保持される。
【0052】以上のように、第2実施例においても、前
述した第1実施例の場合と同様に、切替え駆動機構18
がカムシャフト5の外方において、そのカムシャフト5
と独立して設けられている。そのため、回転運動部の質
量が増加したり、その部分の構造が複雑になったりする
ことはなく、高速用カム8を突出位置と後退位置とに安
定動作にて切替えることができ、バルブ4のリフト量を
内燃機関の回転速度に応じて確実に変更することができ
る。
【0053】また、第2実施例においても、前記のよう
にカムシャフト5の回転中においてバルブ4がリフトさ
れていないタイミングで、高速用カム8が突出位置と後
退位置とに切替えられるようになっている。このため、
バルブ4のリフト状態でリフト量が変更されて、リフト
特性の急変やカムシャフト5の駆動トルクの急変を招く
ことはなく、装置破損や作動騒音が発生するおそれを確
実に防止することができる。
【0054】さらに、第2実施例では、スイングアーム
33が両端の2点において、偏心ピン34及び係止ピン
48により揺動不能に係止されるようになっている。こ
のため、係止部の1点当たりに掛かる荷重負荷を半減す
ることができて、偏心ピン34や係止ピン48の耐久性
を向上させることができるとともに、全体構成の小型化
及び軽量化を図ることができる。
【0055】しかも、第2実施例においては、偏心ピン
34を回動調節することにより、スイングアーム33の
支点位置を変更できるようになっている。このため、高
速用カム8の円筒面11aに対するローラ36の当接状
態を適切に調節設定することができて、動作の安定化を
図ることができる。 (第3実施例)次に、第1及び第2の発明を具体化した
第3実施例を、図16〜図20に基づいて説明する。
【0056】さて、この実施例はカムシャフト5におけ
る高・低速用カム8,14の構成、及び切替え駆動機構
18において前述した第1実施例と相違している。その
ため、第1実施例と共通する構成部分については説明を
省略し、相違する構成部分についてのみ説明を行う。
【0057】図16及び図17に示すように、カムシャ
フト5は、互いに離間して一列に配された複数のシャフ
ト部(図では1対のみ図示)53を備えている。各シャ
フト部53はシリンダヘッド2に回転可能に支持されて
いる。低速用カム14はカム部54のみよりなり、各シ
ャフト部53の両端に一体形成されている。
【0058】高速用カム8は隣接のシャフト部53間に
配設されている。高速用カム8は、カムシャフト5と平
行して延びるシャフト部55と、その中間位置に一体形
成された略円柱状ガイド部56と、シャフト部55の両
端に一体形成された一対のカム部57とから構成されて
いる。カム部57は前記低速用カム14のカム部54に
比較して、作用角及びリフト量が小さくなるように形成
されている。
【0059】高速用カム8のカム部57は低速用カム1
4のカム部54に対し、それらの頂部57b,54bの
位相が互いに一致するようにオルダム継手により連結さ
れている。この連結は、第1実施例でのピン12及び挿
通孔13にかわるものである。詳しくは、前記オルダム
継手は、各カム部54の外側面に形成された1本の溝5
4aと、各カム部57の外側面に形成された1本の突起
57aとからなる。各溝54aは直線状をなし、カムシ
ャフト5の軸心C1と、カム部54の作用角の中央位置
とを通る。同様に、各突起57aは直線状をなし、ガイ
ド部56の軸心C2と、カム部57の作用角の中央位置
とを通る。各突起57aは溝54aよりも短く形成され
ている。
【0060】そして、各突起57aは対応する溝54a
に摺動可能に係合されている。この係合により、高速用
カム8がカムシャフト5に対し、一体回転可能に、かつ
径方向への移動可能に連結されている。この連結に基づ
き、高速用カム8はそのカム部57の頂部57bが径方
向に突出する位置(図19及び図20参照)と、後退す
る位置(図17及び図18参照)とに切替え配置され
る。なお、高速用カム8のガイド部56は、カム部57
が突出位置へ切替えられたときカムシャフト5と同軸上
に位置する。
【0061】切替え駆動機構18は、前記カムシャフト
5の外周上方にそのカムシャフト5と独立して配設され
ている。切替え駆動機構18は、シャフト58、第1規
制カム59及び第2規制カム60を備えている。シャフ
ト58は高速用カム8を挟んでバルブ4と対向する位置
にてカムシャフト5と平行して延び、シリンダヘッド2
等に回転可能に支持されている。シャフト58はアクチ
ュエータ61により軸方向へ往復動される。
【0062】第1規制カム59は円盤状をなし、前記シ
ャフト58の外周に一体形成されている。第1規制カム
59は、アクチュエータ61によるシャフト58の往復
動にともない移動してガイド部56に選択的に当接及び
離間する。図19に示すように第1規制カム59の外周
面は、ガイド部56との当接時にその軸心C2をカムシ
ャフト5の軸心C1に一致させるための規制面59aと
なっている。
【0063】第2規制カム60は、前記第1規制カム5
9から若干離間した状態で、シャフト58の外周に一体
形成されている。第2規制カム60は、アクチュエータ
61によるシャフト58の往復動にともない移動してガ
イド部56に選択的に当接及び離間する。すなわち、第
2規制カム60は、第1規制カム59の当接時にガイド
部56から離間し、かつ第1規制カム59の離間時に前
記ガイド部56に当接する。第2規制カム60の外周面
の約半分は第1規制カム59に対応して円弧状をなして
いる。また、第2規制カム60の外周面の残りの部分
は、図17及び図18に示すように、ガイド部56がカ
ムシャフト5の軸心C1よりも第2規制カム60側へ移
動するのを許容するべく、前記規制面59aよりもシャ
フト58の軸心C3側へ凹んだ凹面60aとなってい
る。この軸心C3は第2規制カム60の回転中心と一致
している。
【0064】制御装置28はアクチュエータ61に電気
的に接続され、内燃機関の運転時において、その回転数
の変化に応じてアクチュエータ61を駆動する。この駆
動により、シャフト58及び両規制カム59,60が軸
方向へ移動され、ガイド部56に当接する規制カム5
9,60が切替えられる。この切替えにともない、高速
用カム8が図19に示す突出位置と図17に示す後退位
置とに切替え配置される。
【0065】また、この実施例においては、ガイド部5
6は、その外周面の端部から径方向外方へ突出するタイ
ミングプレート62を備えている。タイミングプレート
62は薄板状をなし、シャフト58上の第1規制カム5
9と第2規制カム60との隙間に係入可能である。そし
て、タイミングプレート62は、第1規制カム59がガ
イド部56に当接しているとき、両規制カム59,60
間の隙間を通過し、第2規制カム60がガイド部56に
当接しているとき、同第2規制カム60の右側を通過す
る。
【0066】タイミングプレート62は、高・低速用カ
ム8,14の頂部57b,54bとは反対方向へ突出し
ている。これは、カムシャフト5の回転中において、高
・低速用のカム8,14がバルブ4をリフトさせている
ときに両規制カム59,60が軸方向へ移動するのを阻
止し、高速用カム8の径方向への位置切替えが行われな
いようにするためである。
【0067】なお、図17及び図19中の63はバルブ
リフタ1の上面に嵌合されたアジャスティングシムであ
り、64はバルブ4の上端部に装着された一対のコッタ
である。また、65は両コッタ64の外側に嵌合された
リテーナであり、バルブスプリング3の上端がこのリテ
ーナ65に当接している。
【0068】次に、前記のように構成された第3実施例
におけるバルブ駆動装置の動作について説明する。さ
て、図19及び図20は内燃機関の高速回転時を示して
いる。この状態においては、アクチュエータ61の作動
によりシャフト58が移動され、第1規制カム59がガ
イド部56に対向している。第1規制カム59の規制面
59aがガイド部56に当接することにより、ガイド部
56の軸心C2がカムシャフト5の軸心C1に一致し、
高速用カム8が突出位置に保持されている。そのため、
カムシャフト5及びシャフト58が回転されると、バル
ブリフタ1が高速用カム8のカム部57のカムプロフィ
ールに従って昇降され、バルブ4は大きなリフト量で開
閉駆動される。
【0069】また、内燃機関の回転が高速から低速に移
行されると、制御装置28からの信号に応じアクチュエ
ータ61が作動してシャフト58、両規制カム59,6
0が図19の左方へ移動されようとする。このとき、高
速用カム8のカム部57によりバルブリフタ1が押下さ
れて、バルブ4がリフト状態であると、タイミングプレ
ート62が両規制カム59,60間に位置し、第2規制
カム60の左方への移動を規制する。このため、ガイド
部56に当接する規制カムが第1規制カム59から第2
規制カム60へ切替わって、高速用カム8が突出位置か
ら後退位置へ切替わることができない。
【0070】そして、カムシャフト5の回転にともない
高速用カム8がバルブ4をリフトさせない位置まで回転
されると、タイミングプレート62が自身の回転により
両規制カム59,60間から外れ、第2規制カム60の
移動を規制しなくなる。このため、図17に示すよう
に、ガイド部56に当接する規制カムが第1規制カム5
9から第2規制カム60へ切替わり、両規制カム59,
60はタイミングプレート62の左側に位置する。
【0071】この状態でカムシャフト5及びシャフト5
8が回転されると、第2規制カム60外周の凹面60a
が前記規制面59aよりもシャフト58の軸心C3側へ
凹んでいることから、ガイド部56がカムシャフト5の
軸心C1よりも第2規制カム60側へ移動することが許
容される。そのため、バルブスプリング3の付勢力によ
り高速用カム8の突起57aが低速用カム14の溝54
aに沿いながら、カムシャフト5の径方向に往復動され
る。この往復動により、高速用カム8のカム部57の作
用が無効化される。従って、バルブリフタ1が低速用カ
ム14のカム部54のカムプロフィールに従って昇降さ
れ、バルブ4は小さなリフト量で開閉駆動される。
【0072】さらに、内燃機関の運転状態が低速から高
速に移行されると、制御装置28からの信号に応じアク
チュエータ61が作動してシャフト58、両規制カム5
9,60が図17の右方へ移動されようとする。このと
き、高速用カム8のカム部57によりバルブリフタ1が
押下されて、バルブ4がリフト状態であると、タイミン
グプレート62が第2規制カム60の右方に位置し、そ
の移動を規制する。このため、ガイド部56に当接する
規制カムが第2規制カム60から第1規制カム59へ切
替わって、高速用カム8が後退位置から突出位置へ切替
わることができない。
【0073】そして、カムシャフト5の回転にともない
高・低速用カム8,14がバルブ4をリフトさせない位
置まで回転されると、タイミングプレート62が自身の
回転により両規制カム59,60間から外れ、第2規制
カム60の移動を規制しなくなる。このため、ガイド部
56に当接する規制カムが第2規制カム60から第1規
制カム59へ切替わり、両規制カム60,59間にガイ
ド部56のタイミングプレート62が位置する。第1規
制カム59の規制面59aとガイド部56との当接によ
り、高速用カム8が突出位置に保持される。以上のよう
に、第3実施例においても前述した第1実施例の場合と
同様に、切替え駆動機構18がカムシャフト5の外方に
おいて、そのカムシャフト5と独立して設けられてい
る。そのため、回転運動部の質量が増加したり、その部
分の構造が複雑になったりすることはなく、高速用カム
8を突出位置と後退位置とに安定動作にて切替えること
ができ、バルブ4のリフト量を内燃機関の回転速度に応
じて確実に変更することができる。
【0074】また、この第3実施例においても、前記の
ようにタイミングプレート62の作用により、バルブ4
がリフトされていないタイミングで、高速用カム8が突
出位置と後退位置とに切替えられるようになっている。
このため、バルブ4のリフト状態でリフト量が変更され
て、リフト特性の急変やカムシャフト5の駆動トルクの
急変を招くことはなく、装置破損や作動騒音の発生を確
実に防止できる。
【0075】ところで、高速用カム8を構成するシャフ
ト部55、ガイド部56、カム部57等の可動部分はそ
れ自体の重量が比較的重い。このため、切替え駆動機構
にスプリングを用い、内燃機関の低速回転時に前記可動
部分を径方向へ確実に移動させようとすると、そのスプ
リングに比較的大きなばね荷重を持たせる必要がある。
しかし、このようにすると、スプリングは逆にバルブス
プリング3自体を押し下げようとする。従って、このス
プリングの押し下げ力によってバルブ4の正確なリフト
動作が損なわれないように、バルブスプリング3、スプ
リング等の各部を調整する必要がある。
【0076】これに対し、第3実施例では切替え駆動機
構18にスプリングを用いていない。また、第1規制カ
ム59及び第2規制カム60を、いずれも高速用カム8
を挟んでバルブ4と対向した箇所に配している。さら
に、両規制カム59,60の形状の違い(凹面60aの
有無)によりガイド部56の位置を変更し、高速用カム
8の位置を切替えるようにしている。このため、切替え
に際しては、両規制カム59,60がバルブスプリング
3の付勢力を受け止めるものの、その付勢力に抗してバ
ルブスプリング3自体を押し下げようとする力は働かな
い。従って、切替え駆動機構18の両規制カム59,6
0がバルブ4のリフト動作に影響を及ぼすことがなく、
バルブ4の正確なリフト動作を確保することができる。
【0077】なお、第1及び第2の発明は前記各実施例
の構成に限定されるものではなく、例えば以下のように
各発明の趣旨から逸脱しない範囲で任意に変更して具体
化してもよい。
【0078】(1)第1及び第2実施例において、図2
1に示すように高速用カム8及びカムシャフト5に貫設
され、かつ案内面を形成するピン12の延長軸線を、高
速用カム8のカム部10の作用角Rの中央位置よりもカ
ムシャフト5の回転方向へ所定角度θの進み位相をもっ
て配置してもよい。
【0079】すなわち、カムシャフト5の回転にともな
い、高速用カム8が突出位置と後退位置との間で径方向
に移動されるときには、カムシャフト5の回転により高
速用カム8に対して作用角Rの中央位置よりも回転方向
へ進み位相をもって移動力が作用する。この点を考慮し
て、この別例ではピン12の延長軸線が所定角度θの進
み位相をもって配置されている。このようにすると、高
速用カム8はピン12の延長方向に沿って、大きな摩擦
力を受けることなく円滑に移動される。
【0080】(2)図22は、第1の発明を、多気筒の
内燃機関における吸気側のバルブを駆動するためのバル
ブ駆動装置に具体化した場合の別例を示している。この
図では、第1及び第2実施例でのカムシャフト5上に複
数の高速用カム8及び低速用カム14が交互に配置され
ている。そして、各高速用カム8の隣り合った2つのカ
ム部10が円筒部11により一体に連結構成されるとと
もに、低速用カム14の隣り合った2つのカム部16が
円筒部17により一体に連結構成されている。
【0081】このようにすると、構成を簡略化して部品
点数を削減することができるとともに、作動の安定化を
図ることができる。 (3)第1及び第2実施例において、図23に示すよう
に、高速用カム8の頂部10aと低速用カム14の頂部
16aとをカム回転方向に変位させてもよい。このよう
にすると、高速用カム8、低速用カム14の切替えにと
もなって、バルブ4のリフトタイミングが変更される。
また、図示はしないが、第3実施例においても高速用カ
ム8の頂部59bと低速用カム14の頂部54bとをカ
ム回転方向に変位させてもよい。
【0082】(4)カムの切替えにともないバルブ4の
リフト量及びリフトタイミングの両方が変更されるよう
に構成してもよい。 (5)1個のカムが切替え移動することにより、リフト
量が変更されるように構成してもよい。
【0083】(6)第3実施例におけるカムシャフト5
のシャフト部53端部を低速用カム14とし、高速用カ
ム8が後退位置へ移動したときにバルブ4のリフト量が
零になるようにしてもよい。この場合には、図16での
カム部54の溝54aにかえて、図24に示すように、
シャフト部53の端面に溝53aを形成する。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明は、切
替え駆動手段がカムシャフトの外方において、そのカム
シャフトと独立して設けられている。このため、回転運
動部の質量が増加してカムシャフトに大きな曲げ応力が
作用したり、その曲げ応力により破損が生じたりするこ
となく、安定した機関回転を得ることできる。また、カ
ムシャフトを含む部分にはカム位置切替えのための部材
等が装着されることはなく、その部分構造を簡単にでき
る。
【0085】また、第2の発明ではカムが円柱状ガイド
部を有し、切替え駆動手段が、カムを挟んでバルブと対
向する第1規制カム及び第2規制カムを備えている。そ
して、第1規制カムがガイド部の軸心をカムシャフトの
軸心に一致させるための規制面を備え、第2規制カムが
規制面よりも第2規制カムの軸心側へ凹んだ凹面を備え
ている。このため、前記第1の発明の効果に加え、切替
え駆動手段がバルブのリフト動作に影響を及ぼすのを防
止し、バルブの正確なリフト動作を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明を具体化した第1実施例のバルブ駆
動装置を示すもので、図3のA−A線において断面に
し、特に高速用カムの使用時の動作状態を示す拡大断面
図である。
【図2】第1実施例における高速用カムの使用時の動作
状態を示す要部斜視図である。
【図3】第1実施例におけるバルブ駆動装置のほぼ全体
の構成を示す要部破断正面図である。
【図4】第1実施例において、図1に対応して低速用カ
ムの使用時の動作状態を示す拡大断面図である。
【図5】第1実施例において、図2に対応して低速用カ
ムの使用時の動作状態を示す要部斜視図である。
【図6】第1実施例において、図3のB−B線において
断面にし、特に高速用カムの使用状態から低速用カムの
使用状態への切替え時の動作を説明するための拡大断面
図である。
【図7】第1実施例において、図6に対応して低速用カ
ムの使用状態から高速用カムの使用状態への切替え時の
動作を説明するための拡大断面図である。
【図8】第1実施例における高・低速用カム間の切替え
タイミングを説明するための部分断面図である。
【図9】第1の発明を具体化した第2実施例のバルブ駆
動装置を示す要部平面図である。
【図10】第2実施例において、図9のC−C線におい
て断面にし、特に高速用カムの使用時の動作状態を示す
断面図である。
【図11】第2実施例におけるスイングアームを支持す
るための偏心ピンを拡大して示す斜視図である。
【図12】第2実施例において、偏心ピンによるスイン
グアームの支持部分を拡大して示す部分断面図である。
【図13】第2実施例において、図10に対応して低速
用カムの使用時の動作状態を示す断面図である。
【図14】第2実施例を示すものであり、図10のD−
D線における部分断面図である。
【図15】第2実施例を示すものであり、図13のE−
E線における部分断面図である。
【図16】第1及び第2の発明を具体化した第3実施例
のバルブ駆動装置を示す要部分解斜視図である。
【図17】第3実施例において、ガイド部に第2規制カ
ムが当接したときのバルブ駆動装置の状態を示す一部破
断正面図である。
【図18】第3実施例を示すものであり、図17のF−
F線における部分断面図である。
【図19】第3実施例において、ガイド部に第1規制カ
ムが当接したときのバルブ駆動装置の状態を示す一部破
断正面図である。
【図20】第3実施例を示すものであり、図19のG−
G線における部分断面図である。
【図21】カムシャフトに対する高速用カムの結合構成
の別の実施例を示す要部断面図である。
【図22】高速用カム及び低速用カムの組み立て構成の
別の実施例を示す要部正面図である。
【図23】バルブリフトタイミングを変更できる別の実
施例を示す要部断面図である。
【図24】バルブ駆動装置の別の実施例を示し、図16
に対応する要部分解斜視図である。
【符号の説明】
3…バルブスプリング、4…バルブ、5…カムシャフ
ト、8…高速用カム、14…低速用カム、18…切替え
駆動手段としての切替え駆動機構、56…ガイド部、5
9…第1規制カム、59a…規制面、60…第2規制カ
ム、60a…凹面、C1…カムシャフトの軸心、C2…
ガイド部の軸心、C3…第2規制カムの回転中心に相当
するシャフトの軸心

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムシャフトにバルブ開閉駆動用のカム
    を一体回転可能に、かつ径方向に沿って位置切替え可能
    に支持し、そのカムの位置切替えによりバルブのリフト
    量又はリフトタイミングの少なくとも一方を変更してバ
    ルブのリフト動作を変更するようにした内燃機関のバル
    ブ駆動装置において、 前記カムに作用してカムを位置切替え動作させるための
    切替え駆動手段をカムシャフトと独立してカムの外方に
    配置したことを特徴とする内燃機関のバルブ駆動装置。
  2. 【請求項2】 バルブスプリングによりバルブの反リフ
    ト方向へ付勢される前記カムは、径方向へ突出した突出
    位置へ切替えられたときカムシャフトと同軸上に位置す
    る円柱状ガイド部を有し、前記切替え駆動手段は、カム
    を挟んでバルブと対向する位置にて前記ガイド部に選択
    的に当接及び離間する第1規制カムを備えるとともに、
    カムを挟んでバルブと対向する位置に設けられ、かつ前
    記第1規制カムの当接時にガイド部から離間し、かつ第
    1規制カムの離間時に回転しながら前記ガイド部に当接
    する第2規制カムを備え、前記第1規制カムは、ガイド
    部との当接時にそのガイド部の軸心をカムシャフトの軸
    心に一致させるための規制面を備え、前記第2規制カム
    は、ガイド部がカムシャフトの軸心よりも第2規制カム
    側へ移動するのを許容するべく、前記規制面よりも第2
    規制カムの回転中心側へ凹んだ凹面を備えていることを
    特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブ駆動装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0996205A (ja) * 1995-10-03 1997-04-08 Mitsubishi Motors Corp 可変動弁機構及び可変動弁機構の軸孔の加工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0996205A (ja) * 1995-10-03 1997-04-08 Mitsubishi Motors Corp 可変動弁機構及び可変動弁機構の軸孔の加工方法

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